特許第5657817号(P5657817)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657817
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】プリンタシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20141225BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20141225BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   G06F3/12 W
   G06F3/12 C
   B41J29/38 Z
   B41J5/30 B
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-1576(P2014-1576)
(22)【出願日】2014年1月8日
(62)【分割の表示】特願2013-14730(P2013-14730)の分割
【原出願日】2009年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-67454(P2014-67454A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ン シューピン
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−072912(JP,A)
【文献】 特開2004−009717(JP,A)
【文献】 特開昭62−066399(JP,A)
【文献】 特開2006−195660(JP,A)
【文献】 特開2002−269217(JP,A)
【文献】 特開平03−261828(JP,A)
【文献】 特開2001−175740(JP,A)
【文献】 特開平04−090095(JP,A)
【文献】 特開平09−330473(JP,A)
【文献】 特開2007−133719(JP,A)
【文献】 特開2000−313144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 5/30
B41J 29/00〜38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータが生成され保存されているホストシステムと、
ネットワークを介して前記ホストシステムと接続されている制御装置と、
前記制御装置からフォーマットデータ及びプリセットデータをダウンロードしてラベルを印字するプリンタ装置とからなるプリンタシステムであって、
前記制御装置は、
前記ネットワークを介して前記ホストシステムから配信される前記元プリセットデータを取得する元プリセットデータ取得手段と、
前記元プリセットデータ取得手段で取得したデータから言語データを更新するかを問い合わせる問合せ手段と、
前記元プリセットデータから前記問合せ手段により選択された複数言語についてのプリセットデータを抽出するプリセットデータ抽出手段と、
前記抽出された複数言語についてのプリセットデータを前記プリンタ装置に送信する送信手段とを有し、
前記プリンタ装置は、
前記制御装置から送信される複数言語についてのプリセットデータを格納するプリセット格納手段と、
前記プリセット格納手段に格納された複数言語についてのプリセットデータを用いて前記複数の言語を選択してラベルに印字する印字手段とから構成されたプリンタシステム。
【請求項2】
ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータが生成され保存されているホストシステムと、
前記ホストシステムからフォーマットデータ及びプリセットデータをダウンロードしてラベルを印字するプリンタ装置とからなるプリンタシステムであって、
前記プリンタ装置は、必要とする言語を選択する操作部を有し、
前記プリンタ装置から前記操作部で選択された言語用のプリセットデータを前記ホストシステムに要求して、前記ホストシステムが前記元プリセットデータから要求に係る言語用のプリセットデータを生成し、そのプリセットデータを前記プリンタ装置に配信するとともに、前記プリンタ装置は、前記ホストシステムより送信されたプリセットデータを格納するプリセット格納手段を有し、前記プリセット格納手段に格納された複数言語についてのプリセットデータを用いて前記複数の言語を選択してラベルに印字する印字手段とから構成されたプリンタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに予め定めたデータ項目の文字列を印字するプリンタ装置を含むプリンタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルに、商品の材料、名称、価格、製造年月日等、その商品に関するデータ項目の文字列を印字するプリンタ装置がある(特許文献1参照)。このようなプリンタ装置では、ラベルにおける複数のフィールド(印字領域)の配列を表すフォーマットデータとともに当該複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を表すプリセットデータが格納されている。そして、プリンタ装置は、前記フォーマットデータとともにプリセットデータに従ってラベルの各フィールドにそれに割り当てられたデータ項目の文字列を印字する。
【0003】
ところで、多くの国籍の人々が暮らす地域(国)等では、複数の言語にて同じ内容のデータ項目の文字列を印字することが要望されることがある。このような場合、従来のプリンタ装置では、各データ項目の文字列がある言語(例えば、英語)で表されたプリセットデータに従って必要枚数のラベル印字がなされた後に、そのプリセットデータを他の言語(例えば、フランス語)のプリセットデータに書き換えて、その新たなプリセットデータに従って更に必要枚数のラベル印字がなされることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2001−31039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のプリンタ装置では、ラベルに印字する文字列の言語を変える度に内部に格納されるプリセットデータを書き換えなければならないので、その作業が煩わしいものとなっていた。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、容易に複数の言語にて同じ内容のデータ項目の文字列を印字することが可能となるプリンタ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプリンタ装置は、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに予め定めたデータ項目の文字列を印字するプリンタ装置であって、前記複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わしたプリセットデータを格納するプリセットデータ格納手段を有し、前記プリセットデータに基づいて、前記複数の言語から選択される一または複数の言語にて前記ラベルの前記複数のフィールドのそれぞれに予め定めたデータ項目の文字列を印字する構成となる。
【0008】
このような構成により、プリセットデータ格納手段に複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表したプリセットデータが格納されているので、そのプリセットデータから必要となる一または複数の言語にて表される各データ項目の文字列を選択的に用いることにより、ラベルの複数のフィールドのそれぞれにその必要となる一または複数の言語にて表される文字列を印字することができるようになる。
【0009】
また、前記プリセットデータにおいて、複数の言語で共通文字列となるデータ項目のフィールドについては、前記共通文字列が単一の言語だけにて表わされるようにすることができる。
【0010】
このような構成により、プリセットデータにおいて複数の言語で共通文字列となるデータ項目(例えば、製造年月日等)が当該複数の言語で重複しないので、データ量のより少ないプリセットデータとすることができる。その結果、プリンタ装置でのメモリ容量を節約することができる。
【0011】
また、本発明に係るプリンタ装置において、当該プリンタ装置の外部から与えられる前記プリセットデータを前記プリセットデータ格納手段に格納するように構成することができる。この場合、プリセットデータは当該プリンタ装置からの要求に応じて所定のネットワークを介して与えられるものであっても、操作部等のユーザインタフェースを介して与えられるものであっても、更に、記録媒体を介して与えられるものでもよい。
【0012】
更に、本発明に係るプリンタ装置において、前記ラベルの前記複数のフィールドのそれぞれ毎に前記複数の言語から選択される一の言語で印字すべきか、または複数の言語にて印字すべきかを判定する判定手段と、該判定手段での判定結果に従って、前記複数から選択される一または複数の言語にて前記ラベルの前記複数のフィールドのそれぞれに予め定めたデータ項目の文字列を印字する構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、ラベルの各フィールドに対して1つの言語または複数の言語にてそのフィールドに対して定められたデータ項目の文字列を印字することができるようになる。
【0014】
本発明に係るプリンタシステムは、前述したいずれかのプリンタ装置と、該プリンタ装置と接続される制御装置とを有し、前記制御装置は、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータを取得する元プリセットデータ取得手段と、前記取得された元プリセットデータから、前記プリンタ装置に必要な複数言語についてのプリセットデータを抽出するプリセットデータ抽出手段と、前記抽出された複数言語についてのプリセットデータを前記プリンタ装置に送信する手段とを有し、前記プリンタ装置は、前記制御装置から送信される複数言語についてのプリセットデータを前記プリセット格納手段に格納するようにした構成となる。
【0015】
このような構成により、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータから抽出されたプリンタ装置で必要な複数言語についてのプリセットデータだけが当該プリンタ装置に提供されることになるので、プリンタ装置が、全ての言語にて表されたプリセットデータ(元プリセットデータ)を保持する必要がなくなる。また、元プリセットデータを一括して更新するだけで、複数のプリンタシステムそれぞれにおけるプリンタ装置にて利用されるプリセットデータの更新が可能となる。
【0016】
前記制御装置は、プリンタ装置と別体であっても、また、プリンタ装置の機能として実現されるものであってもよい。
【0017】
前記元プリントセットデータ取得手段は、CDROM等の記録媒体から元プリセットデータを取得する構成であっても、所定のネットワークを介して送信される前記元プリセットデータを受信する手段を有する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るプリンタ装置によれば、複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表したプリセットデータから必要となる一または複数の言語にて表される各データ項目の文字列を選択的に用いることにより、ラベルの複数のフィールドのそれぞれにその必要となる一または複数の言語にて表される文字列を印字することができるようになるので、使用言語を変える毎にプリセットデータを書き換える必要がなく、容易に複数の言語にて同じ内容のデータ項目の文字列をラベルに印字すること可能となる。
【0019】
また、本発明に係るプリンタシステムによれば、プリンタ装置が、全ての言語にて表されたプリセットデータ(元プリセットデータ)を保持する必要がないので、プリンタ装置でのプリセットデータ格納用のメモリの容量を低減させることができる。また、ホストシステムにおいて、元プリセットデータを一括して更新するだけで、複数のプリンタシステムのそれぞれのプリンタ装置にて利用されるプリセットデータの更新が可能となるので、その更新作業の効率化を図ることが可能となる。
【0020】
更に、本発明に係るプリンタシステムによれば、元プリセットデータ側で印字すべき同種の名称(例えば、商品名)が各国の言語に対応した名称に統一されているので、プリンタ装置により、例えば、日本語で表記された商品名とともに他の言語、例えば、韓国語での当該商品名が表記されたラベルを発行することができるようになる。このため、各言語で同種の名称が誤って表記されることがなく、また、ラベルを製品に貼付する作業員が、韓国語が読めない日本人であってもその表記内容を確認するなどの作業が省かれる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の一形態に係るプリンタ装置を含むプリンタシステムを示す図である。
図2】プリンタ装置の構成例を示すブロック図である。
図3】制御装置とプリンタ装置との間での処理の流れを示すシーケンス図である。
図4】元プリセットデータの一例を示す図である。
図5】元プリセットデータの他の一例を示す図である。
図6】プリンタ装置に格納されるプリセットデータの一例を示す図である。
図7】プリンタ装置でのプリント処理の流れを示すフローチャートである。
図8】プリセットデータの他の一例を示す図である。
図9図8に示すプリセットデータに基づいて印字されたラベルの一例を示す図である。
図10】プリンタ装置での他のプリント処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係るプリンタ装置を含むプリンタシステムは、図1に示すように構成される。
図1において、例えば、本社にホストシステム50が設置され、それぞれ接続されるプリンタ装置10(1)及び制御装置20(1)、プリンタ装置10(2)及び制御装置20(2)、・・・、プリンタ装置10(n)及び制御装置20(n)が、各地域(各国)の店舗に設置されている。各制御装置20(1)、20(2)、・・・、20(n)は、パソコン(PC)等にて構成され、所定のネットワークN(例えば、インターネット)を介してホストシステム50に接続されている。各プリンタ装置10(参照番号10(1)、10(2)、・・・、10(n)を代表して参照番号10とする。以下、同様。)は、例えば、図2に示すように構成される。
【0023】
図2において、このプリンタ装置10は、処理ユニット101(CPU)、メモリユニット102、ラベル印字を行うプリント部106を動作させるプリンタ駆動回路103、操作部104及び制御装置20(参照番号20(1)、20(2)、・・・を代表して参照番号20とする。以下、同様)に接続されるインタフェース105を有し、それらが例えばバスによって接続されている。処理ユニット101は、操作部104の操作に基づいた信号に従って処理を実行することができる。また、処理ユニット101は、インタフェース105を介して制御装置20(PC)との間でデータの送受を行うことができる。メモリユニット102は、処理ユニット101での処理に必要な各種データを格納することができる。
【0024】
ホストシステム50では、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータが生成され、保存されている。この元プリセットデータは、例えば、図4に示すように、フィールド1に印字すべきデータ項目「商品種類名」の文字列を、言語1で「クッキー」、言語2で「Cookies」、言語3で「Platzchen」、・・・のように定義し、フィールド2に印字すべきデータ項目「日付タイトル」の文字列を、言語1で「製造年月日」、言語2で「Manufacturing date」、・・・のように定義し、フィールド3に印字すべきデータ項目「日付」の文字列を数字で各言語とも「○○/○○/○○」のように定義している。なお、フィールド3に印字すべきデータ項目「日付」の文字列は、どの言語でも同じ(共通文字列)であるので、単一の言語、例えば図5に示すように言語1についてだけ定義するようにしてもよい。
【0025】
そして、制御装置20は、ネットワークNを介してホストシステム50から配信される元プリセットデータ(図4または図5参照)を取得する(元プリセットデータ取得手段)。ここで、ホストシステム50における元プリセットデータは編集が可能であるが、制御装置20がホストシステム50から取得した際には、当該元プリセットデータはその編集が制限される。
制御装置20が元プリセットデータを取得した後、例えば、図3に示す手順に従ってプリンタ装置10との処理がなされる。
【0026】
図3において、制御装置20は、印字すべきラベルの印字フォーマット(フィールドの配列情報や各フィールドに印字すべき言語数(1または2)等)を表わすフォーマットデータ及びプリセットデータのダウンロード・リクエストをプリンタ装置10に送信する(S11)。プリンタ装置10は、そのダウンロード・リクエストを受信すると、現在設定されている2つの言語L1(第1言語)、L2を示すデータを制御装置20に送信する(S12)。制御装置20は、取得したデータを図示せぬ表示部に表示し、作業者に言語L1、L2を更新するか、または新たな言語L3、L4を送信するかを問合せる(S13)。
【0027】
言語L1、L2の更新が選択された場合は、制御装置20に記憶されている元プリセットデータから言語L1、L2に対応するフォーマットデータ及びプリセットデータ(図6参照)を抽出しプリンタ装置10に送信する(プリセットデータ抽出手段)(S14)。プリンタ装置10は、制御装置20からのフォーマットデータ及びプリセットデータを受信すると、そのフォーマットデータをメモリユニット102(プリセットデータ格納手段)に格納するとともに、受信した言語L1、L2のプリセットデータに基づいて既に保存されている言語L1、L2のプリセットデータの内容を更新する(S15)。
【0028】
一方、プリンタ装置10に、新たな言語L3、L4を送信することを選択された場合は、新たに設定すべき2つの言語及び第1言語の変更コマンドをプリンタ装置10に送信する(S16)。その後、制御装置20は、制御装置20に記憶されている元プリセットデータから言語L3、L4に対応するフォーマットデータ及びプリセットデータ(図6参照)を抽出しプリンタ装置10に送信する(プリセットデータ抽出手段)(S17)。そして、プリンタ装置10は、今までのフォーマットデータ及びプリセットデータ(言語L1、L2)に代えてその新たな2つの言語L3、L4でのフォーマットデータ及びプリセットデータをメモリユニット102(プリセットデータ格納手段)に格納するとともに、言語L3が第1言語であることを設定する(S18)。これにより、プリンタ装置10は、新たな言語L3、L4でのプリセットデータ(図6参照)を用いてラベルの印字を行うことができるようになる。
【0029】
なお、図6に示すようなプリセットデータがプリンタ装置10のメモリユニット102に格納される場合、2つの言語で共通文字列となるデータ項目「製造年月日」が言語1についてだけ定義されているので、プリセットデータのデータ量が比較的少ないものとなり、その結果、メモリユニット102の容量を節約することができる。
【0030】
また、制御装置20とプリンタ装置10にて構成されるプリンタシステムによれば、そのプリンタ装置10が、全ての言語にて表されたプリセットデータ(元プリセットデータ)を保持する必要がないので、プリンタ装置10でのプリセットデータ格納用のメモリユニット102(プリセットデータ格納手段)の容量を低減させることができる。また、ホストシステム50において元プリセットデータを一括して更新するだけで、各プリンタシステムのプリンタ装置10にて利用されるプリセットデータの更新が可能となるので、その更新作業の効率化を図ることが可能となる。
【0031】
前述した実施の形態では、印字すべきデータ項目の文字列を複数の言語それぞれにて表わした元プリセットデータがホストシステム50にて生成され、その元プリセットデータがホストシステム50から各プリンタシステムの制御装置20にネットワークNを介して配信されるものであったが、あるコンピュータ(PC)で生成された元プリセットデータをCDROM等の記録媒体に記録し、その記録媒体を介して各プリンタシステムの制御装置20に元プリセットデータを提供することもできる。
【0032】
更に、前述した実施の形態では、制御装置20がホストシステム50から配信される元プリセットデータ(図4または図5参照)を取得し、プリンタ装置10は、制御装置20からのダウンロード・リクエストに対し、現在設定されている2つの言語L1、L2を第1言語L1として制御装置20に送信するとともに、2つの言語L1、L2の更新用のプリセットデータ(図6参照)、またはL3、L4の入れ替え用のプリセットデータ(図6参照)を受信するものであったが、プリンタ装置10がホストシステム50と直接通信するようにすることもできる。
【0033】
プリンタ装置10とホストシステム50とが所定のネットワークを介して直接通信するシステム構成において、プリンタ装置10からの2言語用のプリセットデータ要求に対して、ホストシステム50が元プリセットデータから要求に係る2言語用のプリセットデータを生成し、そのプリセットデータをプリンタ装置10に配信することもできる。この場合、言語L1、L2、またはL3、L4の選択は、プリンタ装置10の操作部104を用いて行なうように、適宜変更しても良い。
【0034】
上述したようにしてフォーマットデータ及びプリセットデータをメモリユニット102に格納したプリンタ装置10は、例えば、図7に示す手順に従って印字処理を行う。
【0035】
図7において、プリンタ装置10は、起動された後に言語切替えの操作がなされたか否かを判定する(S31)。言語切替えがなされていない場合(S31でNO)、プリンタ装置10は、2つの言語のうち予め設定されている第1言語を選択し(S32)、メモリユニット102に格納されているプリセットデータ(例えば、図6参照)及びフォーマットデータを用いてラベル印字を行う(S34)。具体的に、図6に示すプリセットデータを用いて第1言語(言語1)にてラベルの印字を行う場合、ラベルのフィールド1に「クッキー」、フィールド2に「製造年月日」、フィールド3に「○○/○○/○○」の数字列、・・・が印字される。
【0036】
その後、プリンタ装置10は、言語切替えがなされた否か(S35)及び設定された枚数のラベルについての印字が全て完了したか否か(S36)を判定する。そして、言語切替えがなされず(S35でNO)にまだ全てのラベルの印字が終わっていなければ(S36でNO)、次のラベルに対して同様の印字がなされる(S34)。以後、全てのラベルについての印字が完了するまで(S36でNO)、プリンタ装置10は、前記プリセットデータに従って第1言語(言語1)でラベルに印字する(S34)。全てのラベルについての印字が完了すると(S36でYES)、プリンタ装置10は、ラベル印字の処理を終了する。
【0037】
一方、プリンタ装置10が起動された後に言語切替えがなされていれば(S31でYES)、プリンタ装置10は、2つの言語のうち第2言語を選択し(S33)、メモリユニット102に格納されているプリセットデータを用いてラベル印字を行う(S34)。具体的に、図6に示すプリセットデータを用いて第2言語(言語2)にてラベル印字を行う場合、ラベルのフィールド1に「Cookies」、フィールド2に「Manufacturing data」、フィールド3に「○○/○○/○○」の数字列、・・・が印字される。その後、前述したのと同様に、設定された枚数のラベルの印字が終了するまで(S36でYES)、第2言語(言語2)でのラベル印字がなされる(S34、S35、S36)。
【0038】
上述した第1言語(言語1)または第2言語(言語2)でのラベル印字を行っている過程で(S34〜S36)、言語切替えがなされると(S35でYES)、現在選択されている言語と異なる言語に切替えられ(S37)、その切替え後の言語でのプリセットデータに従ったラベル印字がなされる。
【0039】
前述したようなプリンタ装置10によれば、複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を2つの言語それぞれにて表したプリセットデータ(図6参照)から必要となる言語にて表される各データ項目の文字列を選択的に用いることにより、ラベルの複数のフィールドのそれぞれにその必要となる言語にて表される文字列を印字することができるようになるので(図7の処理フロー参照)、使用言語を変える毎にプリセットデータを書き換える必要がなく、容易に2つの言語にて同じ内容のデータ項目の文字列をラベルに印字すること可能となる。
【0040】
また、上記とは異なり、プリンタ装置10は、プリセットデータとともに取得した印字フォーマットのフィールド属性に基づいて複数のフィールドのそれぞれについて1言語(第1言語)での描画、及び2言語(第1言語及び第2言語)での描画を選択的に実行することができる。例えば、図8に示すようなプリセットデータを用いて、図9に示すようなラベル印字を行うことができる。即ち、フィールド1(F1)に、第1言語(言語1:英語)の文字列「Cookies C Chip」とそれと同じデータ項目(商品種類)の第2言語(言語2:スペイン語)の文字列「Galleta Choc」が描画され、他のフィールド(F1〜F9)に、第1言語(言語1:英語)だけの文字列「Date」「Time」、「Pull」、「Ready」、「Discard」、「00/00/00 XX:XXPM」、「00/00/00 XX:XXAM」、「00/00/00 XX:XXAM」が描画され印字される。このようなラベル印字は、プリンタ装置10での図10に示す手順に従った印字処理により実現することができる。
【0041】
図10において、プリンタ装置10は、描画すべきラベルのフィールドを指定し(S41)、フォーマットデータのフィールド属性について2言語にて描画すべきか否かを判定する(S42)。2言語で描画すべきフィールド属性である場合(S42でYES)、プリンタ装置10は、第1言語及び第2言語を選択し(S43)、メモリユニット10に格納されているプリセットデータ(図8参照)の指定されるフィールドに対して定義された第1言語の文字列と第2言語の文字列をそのラベルの指定されたフィールドに描画する(S45)。例えば、図8に示すプリセットデータにおけるフィールド1(F1)に対して定義された第1言語の文字列「Cookies C Chip」と、第2言語の文字列「Galleta Choc」とがラベルのフィールド1(F1)に描画される(図9参照)。
【0042】
プリンタ装置10は、指定したフィールドに対する描画が終わると、全てのフィールドについての描画が終了したか否かを判定する(S46)。まだ、全てのフィールドについての描画が終了していない場合(S46でNO)、プリンタ装置10は、次のフィールドを指定し(S41)、フォーマットデータの次のフィールド属性について2言語にて描画すべきか否かを判定する(S42)。ここで、2言語で描画すべきフィールド属性でないとの判定を行うと(S42でNO)、プリンタ装置10は、第1言語を選択し(S44)、メモリユニット10に格納されているプリセットデータ(図8参照)の指定されるフィールドに対して定義された第1言語の文字列をそのラベルの指定されたフィールドに描画する(S45)。例えば、図8に示すプリセットデータにおけるフィールド2(F2)に対して定義された第1言語の文字列(Date)がラベルのフィールド2(F2)に描画される(図9参照)。
【0043】
以後、同様の処理(S41、S42、S43(S44)、S45)が繰り返し実行され、ラベルの全てのフィールドについての描画が終了したとの判定がなされると(S46でYES)、プリント部106にて印字発行を行う(S47)。その後、指定の印字枚数分の発行が終了したか否かを判定し(S48)、終了していない場合(S48でNO)、印字発行(S47)を繰り返し、全ての発行枚数を終了した場合(S48でYES)処理を終了する。このような処理の結果、例えば、図9に示すように印字されたラベルが指定枚数発行される。
【0044】
このような印字処理によれば、プリセットデータとともに取得した印字フォーマットのフィールド属性に基づいて複数のフィールドのそれぞれに印字すべきデータ項目の文字列を2つの言語それぞれにて表したプリセットデータ(図8参照)を用い、複数のフィールドのそれぞれに、2言語での文字列または1言語での文字列を選択的に設定することができるので(図9及び図10参照)、各フィールドに2言語または1言語の印字を容易に切り換えて行うことができる。
【0045】
前述した実施の形態では、各プリンタ装置10にて利用されるプリセットデータは、2つの言語についてのものであったが、3つ以上の言語についてのものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るプリンタ装置は、容易に複数の言語にて同じ内容のデータ項目の文字列を印字すること可能となるという効果を有し、ラベルの所定形式にて配列される複数のフィールドのそれぞれに予め定めたデータ項目の文字列を印字するプリンタ装置として有用である。
【符号の説明】
【0047】
10、10(1)、10(2)、10(n) プリンタ装置
20、20(1)、20(2)、20(n) 制御装置
50 ホストシステム
101 処理ユニット
102 メモリユニット
103 プリンタ駆動回路
104 操作部
105 インタフェース
106 プリント部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10