特許第5657849号(P5657849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5657849シーケンシャルカラーディスプレイシステムの動作方法、シーケンシャルパルス幅変調ディスプレイシステムの動作方法、及びシーケンシャルディスプレイシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657849
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】シーケンシャルカラーディスプレイシステムの動作方法、シーケンシャルパルス幅変調ディスプレイシステムの動作方法、及びシーケンシャルディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20141225BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20141225BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   G09G3/34 D
   G09G3/20 641A
   G09G3/20 642J
   G09G3/20 660V
   H04N9/31 Z
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2006-521822(P2006-521822)
(86)(22)【出願日】2004年6月4日
(65)【公表番号】特表2007-500375(P2007-500375A)
(43)【公表日】2007年1月11日
(86)【国際出願番号】US2004017842
(87)【国際公開番号】WO2005018237
(87)【国際公開日】20050224
【審査請求日】2007年5月30日
【審判番号】不服2013-22912(P2013-22912/J1)
【審判請求日】2013年11月22日
(31)【優先権主張番号】60/491,100
(32)【優先日】2003年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス,ドナルド,ヘンリー
【合議体】
【審判長】 清水 稔
【審判官】 中塚 直樹
【審判官】 関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6445505(US,B1)
【文献】 米国特許第6567134(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原色のセットのそれぞれについて少なくとも1つの画素を順次に照射するために組み合わせて動作するカラーチェンジャー及びイメージャを含むシーケンシャルカラーディスプレイシステムの動作方法であって、
前記イメージャに制御信号を印加して、前記イメージャに、前記制御信号に従ってある明るさレベルでそれぞれの原色について少なくとも1つの画素を照射させるステップと、
前記カラーチェンジャーが第一の原色から第二の原色に遷移する第一の期間であって、前記少なくとも1つの画素が前記第一の原色と前記第二の原色のうちの少なくとも1つの原色について第一の規定された閾値を超える明るさレベルを有する第一の期間である、少なくとも1つの第一のスポークの間に生じる光を使用するステップと、
前記少なくとも1つの第一のスポークの間に生じる光を使用することで生じる明るさの増加を補償するため、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に前記光が使用されたときに前記制御信号を変更して、前記少なくとも1つの第一のスポークの直前及び前記少なくとも1つの第一のスポークの直後の原色の明るさを減少させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第一の規定された閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第一の原色と第三の原色のうちの少なくとも1つの原色が第二の閾値を超える明るさレベルを有するとき、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に使用される前記光に加えて、前記第三の原色から前記第一の原色に前記カラーチェンジャが変化する第二の期間である、少なくとも1つの第二のスポークの間に生じた光を使用するステップと、
前記少なくとも1つの第二のスポークの直前の原色の明るさ、及び前記少なくとも1つの第二のスポークの直後の原色の明るさを減少させるステップと、
を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第二の閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記制御信号を印加するステップは、複数のパルス幅セグメントを印加するステップを含み、それぞれのパルス幅セグメントは、異なる時間期間のパルスの列を有し、関連する画素についてパルス幅セグメントでの全体のパルスの作動に従う明るさレベルでそれぞれの原色について関連する画素を前記イメージャに照射させる、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
原色のセットのそれぞれについて少なくとも1つの画素を順次に照射するために組み合わせて動作するカラーチェンジャー及びイメージャを有するシーケンシャルパルス幅変調ディスプレイシステムの動作方法であって、
それぞれのパルス幅セグメントが、異なる時間期間のパルスの列を有し、前記少なくとも1つの画素についてパルス幅セグメントでのパルスの作動状態に従う明るさレベルでそれぞれの原色について前記少なくとも1つの画素を前記イメージャに照射させる、複数のパルス幅セグメントを前記イメージャに印加するステップと、
前記カラーチェンジャーが第一の原色から第二の原色に遷移する第一の期間であって、前記少なくとも1つの画素が前記第一の原色と前記第二の原色のうちの少なくとも1つの原色について第一の規定された閾値を超える明るさレベルを有する第一の期間である、少なくとも1つの第一のスポークの間に生じる光を使用するステップと、
前記少なくとも1つの第一のスポークの間に生じる光を使用することで生じる明るさの増加を補償するため、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に前記光が使用されたときに前記パルス幅セグメントの少なくとも1つの系列を変更して、前記少なくとも1つの第一のスポークの直前及び前記少なくとも1つの第一のスポークの直後の原色の明るさを減少させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記第一の規定された閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第一の原色と第三の原色のうちの少なくとも1つの原色が第二の閾値を超える明るさレベルを有するとき、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に使用される前記光に加えて、前記第三の原色から前記第一の原色に前記カラーチェンジャが変化する第二の期間である、少なくとも1つの第二のスポークの間に生じる光を使用するステップと、
前記少なくとも1つの第二のスポークの直前の原色の明るさ、及び前記少なくとも1つの第二のスポークの直後の原色の明るさを減少させるステップと、
を更に含む請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第二の閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項6記載の方法。
【請求項10】
それぞれの原色のセットについて複数の画素のそれぞれを順次に照明するために組み合わせて動作するカラーチェンジャ及びイメージャを有するシーケンシャルパルス幅変調ディスプレイシステムの動作方法であって、
それぞれのパルス幅セグメントが、異なる時間期間のパルスの列を有しており、パルス幅セグメントでのそれぞれの画素についてパルスの作動状態に従う明るさレベルでそれぞれの原色についてそれぞれの画素を前記イメージャに照明させる、複数のパルス幅セグメントを前記イメージャに印加するステップと、
前記カラーチェンジャーが第一の原色から第二の原色に遷移する第一の期間である、少なくとも1つの第一のスポークを選択するステップと、
前記少なくとも1つの第一のスポークから生じる明るさの増加を補償するため、前記第一の原色と前記第二の原色のうちの少なくとも1つの原色について第一の規定された画素の明るさのレベルを超える前記パルス幅セグメントの少なくとも1つの系列を変更して、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に光を使用することで前記少なくとも1つの原色について画素の明るさを増加させ、前記少なくとも1つの第一のスポークの直前及び前記少なくとも1つの第一のスポークの直後に生じる前記パルス幅セグメントの間に画素の明るさを減少させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第一の規定された画素の明るさのレベルはそれぞれの原色について異なる、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第一の原色と第三の原色のそれぞれの原色が第二の画素の明るさのレベルを超える明るさレベルを有するとき、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に使用される前記光に加えて、前記第三の原色から前記第一の原色に前記カラーチェンジャが変化する第二の期間である、少なくとも1つの第二のスポークの間に生じる光を使用するステップと、
前記少なくとも1つの第二のスポークの直前の原色の明るさ、及び前記少なくとも1つの第二のスポークの直後の原色の明るさを減少させるステップと、
を更に有する請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記第二の画素の明るさのレベルはそれぞれの原色について異なる、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
光源と、
ディスプレイスクリーンの複数の画素のそれぞれを選択的に照射するため、前記光源からの光を向けるイメージャと、
前記複数の画素のそれぞれを照明する光の色を順次に変化させるカラーチェンジャーと、
(a)前記イメージャに制御信号を印加し、前記制御信号に従う明るさレベルでそれぞれの原色について関連する画素を前記イメージャに照明させ、(b)第一の原色と第二の原色のうちの少なくとも1つの原色が第一の規定された閾値を超える明るさレベルを有するとき、前記カラーチェンジャーが前記第一の原色から前記第二の原色に遷移する少なくとも第一の期間(スポーク)の間に生じる光を使用し、(c)前記少なくとも1つの第一のスポークの間に光を使用することで生じる明るさの増加を補償するため、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に前記光が使用されるときに前記制御信号を変更して、前記少なくとも1つの第一のスポークの直前及び前記少なくとも1つの第一のスポークの直後の原色の明るさを減少させるコントローラと、
を有することを特徴とするシーケンシャルディスプレイシステム。
【請求項15】
前記第一の規定された閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第一の原色と第三の原色のそれぞれの原色が第二の閾値を超える明るさレベルを有するとき、前記少なくとも1つの第一のスポークの間に使用される前記光に加えて、前記第三の原色から前記第一の原色に前記カラーチェンジャが変化する第二の期間である、少なくとも1つの第二のスポークの間に生じる光を利用し、前記少なくとも1つの第二のスポークの直前の原色の明るさ、及び前記少なくとも1つの第二のスポークの直後の原色の明るさを減少させる、
請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記第二の閾値はそれぞれの原色について異なる、
請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラは、それぞれのパルス幅セグメントが、異なる時間期間のパルスの列を有し、関連する画素についてパルス幅セグメントでのパルスの作動状態に従う明るさレベルでそれぞれの原色について関連する画素を前記イメージャに照射させる、複数のパルス幅セグメントを印加する、
請求項14記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーケンシャルカラーディスプレイシステムを動作する技術に関し、より詳細には、カラートランジションの間になされる明るさの増加を補償することにより引き起こされる動きアーチファクトの深刻さを低減する技術に関する。
【0002】
本出願は、2003年7月30日に提出された米国特許仮出願シリアル番号60/491,100に対する35USC119(e)の下での優先権を請求するものである。
【背景技術】
【0003】
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)として知られる半導体装置のタイプを利用したテレビジョン投影システムが現在存在する。典型的なDMDは、矩形のアレイに配列された複数の個々の可動なマイクロミラーを有する。それぞれのマイクロミラーは、そこにビットをラッチする対応するドライバセルの制御下で典型的に10°〜12°で、制限されたアークに関して旋回する。前もってラッチされた「1」ビットの印加に応じて、ドライバセルは、その関連するマイクロミラーを第一のポジションに旋回させる。逆に、前もってラッチされた「0」ビットの印加により、ドライバセルは、その関連するマイクロミラーを第二のポジションに旋回させる。光源と投影レンズとの間のDMDを適切に位置合わせすることで、DMDデバイスのそれぞれ個々のマイクロミラーは、その対応するドライバセルにより第一のポジションに旋回されたとき、ディスプレイに個々の画素(ピクセル)を照明するために、レンズを通してディスプレイスクリーンに光源からの光を反射する。その第二のポジションに旋回されたとき、それぞれのマイクロミラーは、ディスプレイスクリーンから光を反射し、対応する画素を暗くさせる。かかるDMDデバイスの例は、テキサス州ダラスにあるテキサスインスツルメントから入手可能なDLPTMシステムのDMDである。
【0004】
記載されたタイプのDMDを組み込んだ今日のテレビジョン投影システムは、マイクロミラーのデューティサイクルと呼ばれる、個々のマイクロミラーが「オン」(すなわちそれら第一のポジションに旋回される)のままとなるインターバルに対するマイクロミラーが「オフ」(すなわち第二のポジションに旋回される)のままとなるインターバルを制御することで個々の画素の明るさ(照明)を制御する。そのため、かかる今日のDMDタイプの投影システムは、パルス幅セグメントのシーケンスでのパルスの状態に従ってそれぞれのマイクロミラーのデューティサイクルを変えることで、画素の明るさを制御するためにパルス幅変調を使用する。それぞれのパルス幅セグメントは、異なる時間期間のパルスのストリングを有する。パルス幅セグメントにおけるそれぞれのパルスの作動状態(すなわちそれぞれのパルスがオンにされているかオフにされているか)は、そのパルスの期間について、マイクロミラーがオンであるか、オフであるかのそれぞれを判定する。言い換えれば、ピクチャインターバルの間にオンにされた(作動された)パルス幅セグメントにおける全体のパルス幅の合計が大きくなると、かかるパルスに関連するマイクロミラーのデューティサイクルが長くなり、かかるインターバルの間の画素の明るさが強くなる。
【0005】
かかるDMDを利用したテレビジョン投影システムでは、ピクチャインターバル、すなわち連続画像を表示する間の時間は、選択されたテレビジョンの規格に依存する。米国で現在使用されているNTSC規格は、1/60秒のピクチャインターバルを必要とし、所定の欧州テレビジョン規格は、1/50秒のピクチャインターバルを利用する。今日のDMDタイプのテレビジョン投影システムは、それぞれのピクチャインターバルの間に同時又は順次に赤、緑及び青画像を投影することによりカラー表示を典型的に提供する。典型的なシーケンシャルDMDタイプの投影システムは、典型的には、DMDの光経路に挿入されるモータ駆動型のカラーホイールの形態でカラーチェンジャーを利用する。カラーホイールは、連続するインターバルの間に赤、緑及び青光がそれぞれDMDに入射するように典型的に赤、緑及び青といった複数の個別の原色の窓を有する。
【0006】
記載されるように、DMD及びカラーホイールの組み合わせは、シーケンシャルカラーディスプレイを実現する。シーケンシャルディスプレイのカラーブレイクアップアーチファクトを最小にするため、カラーシーケンスは、到来する画像当たり複数回に現れる。したがって、カラーホイールは、それぞれのピクチャインターバルの間にDMDイルミネーションを複数回に変える必要が在る。たとえば、ピクチャインターバル当たり12回もイルミネーションカラーを変えるDMDタイプのテレビジョンセットは、到来する画像当たり4回に3原色のそれぞれを表示し、したがって、いわゆる4×ディスプレイとなる。
【0007】
「スポーク“spoke”」は、DMDに衝突する光が1つの原色から次の原色への遷移を受ける。通常、かかる「混合された」光で飽和された色を容易につくることができないので、ディスプレイは、スポークに関連する光(すなわち、スポークライト)を利用しない。しかし、少なくとも1つの現在のDMDタイプのシステム(すなわち、テキサスインスツルメントのDLPシステム)は、「スポークライトリキャプチャ(SLR)」とも呼ばれるオプションを有しており、このSLRは、所定の条件下であるスポークの光を使用し、ホワイトオブジェクトが著しく大きなピークの明るさを有するのを可能にする。色は、それぞれのスポークの間にコンスタントに変化する。一貫した色の描写を得るため、その全体としてスポークが使用されるか、又は全く使用されない。さらに、それらのDMDのやめのテキサスインスツルメントは、異なる色の3つのスポークを使用するか、又は全く使用しない。使用されるとき、3つのスポークのセットは、典型的に約8%のフルノンスポーク時間光である、大量の付加された白色光を生じる。この閾値以下では、スポーク光が使用されないままである。したがって、明るさが閾値に等しい値にまで閾値以下から増加するとき、スポークはアクチュエートされることとなり、したがってスポーク光を追加する。明るさの特徴における大きな不連続性を有さないため、対応する低減は、ノンスポーク光で生じる必要があり、結果的に得られる増加する明るさは、最下位ビット(LSB)のオーダで増加する。しかし、対応する低減は、作動されたスポークにより占められるのとは非常に異なるピクチャ周期における時間で生じる場合、条件は、深刻な動きの輪郭をなすアーチファクトについて成熟している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、作動される各スポークについて適切な時間でノンスポークセグメントにおける正しい補正の低減の量を配置する技術が存在する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
要するに、本発明によれば、それぞれの色について複数の画素のそれぞれの明るさを制御するイメージャを原色のセットのそれぞれに照明させるカラーチェンジャーを含むシーケンシャルカラーディスプレイシステムを動作する方法が提供される。本方法は、パルス幅セグメントのそれぞれ典型的なシーケンスをイメージャの制御信号に印加することで開始し、それぞれのセグメントは、制御信号の状態に従う明るさレベルで対応する色を関連する画素を照明する。カラーチェンジャーが1つの原色から別の原色に遷移するたび、インターバル(スポーク)が生じ、混合された2つの色の光は、イメージャを照明する。関連する画素の少なくとも1つの色の明るさレベルが規定された閾値を超えるときに、少なくとも1セットのスポークの間で生じる光が使用される。スポーク光を使用するとき、そのスポークの間に光を使用することで生じる明るさの増加を補償するためにスポークの発生に接近した実質的な時間における少なくとも1つの原色の明るさを減少する制御信号に対して変更が生じる。本発明のスポーク光の補償技術は、パルス幅変調を利用したDMDシステムで有利にも使用され、この技術は、他のタイプのシーケンシャルディスプレイシステムにおけるアプリケーションを見出す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の原理のスポーク光の補償技術を実施するために適した、2001年6月にテキサスインスツルメントにより公開されたアプリケーションレポート“Single Panel DLPTM Projection System Optics”に開示されるタイプのシーケンシャルカラーディスプレイシステム10を示している。システム10は、ランプからカラーチェンジャー14を通してインテグレータロッド15に光を反射する楕円反射体13の焦点に位置されるランプ12を有する。以下に更に詳細に記載されるように、カラーチェンジャー14は、ランプ12とインテグレータロッド15との間の典型的に赤、緑及び青の原色窓である3原色のそれぞれを順次に配置する役割をする。例示される実施の形態では、カラーチェンジャー14は、モータ16により回転されるカラーホイールの形式をとる。図2を参照して、例示される実施の形態におけるカラーホイール14は、直径として対向する赤、緑及び青色の窓17及び17、17及び17、並びに17及び17をそれぞれ有する。したがって、モータ16が時計回りの方向で図2のカラーホイール14を回転するとき、青、緑及び赤の光は、順次に図1のインテグレータロッド15に衝突する。実際に、モータ16は、十分に高速でカラーホイール14を回転し、1/60秒のピクチャインターバルの間に、青、緑及び赤の光がインテグレータロッドに4回それぞれ衝突し、BGRシーケンスでインタリーブされた4つの赤、4つの緑及び4つの青といったピクチャインターバルで12色の画像を生成する。
【0011】
図1を参照して、インテグレータロッド15は、入射光を一方の端で収集し、他の端でリレーオプティクス18のセットに衝突する一様な断面の光領域を生じる。リレーオプティクス18は、レンズのセット22を通してTIR(Total Internal Reflectance)プリズム23にビームを反射させるフォールドミラー20に衝突する光を複数のパラレルビームに広げる。TIRプリズム23は、投影レンズ26及びスクリーン28への選択的な反射のために、テキサスインスツルメントにより製造されたDMDデバイスのようなパラレルの光ビームをデジタルミラーデバイス(DMD)24に反射させる。カラーホイール14は、ランプ12とインテグレータロッド15との間にある光経路のその部分にある図1に現れるが、カラーホイール14は、ランプとディスプレイスクリーン28との間の光経路に何処かに在る。
【0012】
DMD24は、アレイに配列される複数の個々のマイクロミラー(図示せず)を有する半導体装置の形式をとる。例を介して、テキサスインスツルメントにより製造及び販売されているDMDは、1280列×720行のマイクロミラーアレイを有し、スクリーン28に投影される結果的に得られるピクチャにおいて921,600画素を生じる。他のDMDは、異なるマイクロミラーの配列を有する。先に記載されたように、DVDにおけるそれぞれのマイクロミラーは、ドライバセルで前もってラッチされたバイナリビットの状態に応答して、対応するドライバセル(図示せず)の制御下に制限されたアークに関して旋回する。それぞれのマイクロミラーは、ドライバセルに印加されたラッチされたビットが「1」又は「2」のそれぞれであるかに依存して、第一及び第二のポジションにうちの1つに対して回転する。その第一のポジションに対して旋回されたとき、それぞれのマイクロミラーは、光をレンズ26及びスクリーン28に反射し、対応する画素を照射する。それぞれのマイクロミラーがその第二のポジションに対して旋回する間、対応する画素は暗く見える。それぞれのマイクロミラーが投影レンズ26を通してスクリーン28に光を反射する間、ピクチャインターバルの間の時間は、画素の明るさを決定する。
【0013】
DMD24における個々のドライバセルは、当該技術分野で知られており、R. J. Grove等による報告“High Definition Display System Based on Micromirror Device” International Workshop on HDTV (1994年10月) で開示される回路により例示されるタイプのドライバ回路30から駆動信号を受ける。ドライバ回路30は、プロセッサ31によりドライバ回路に印加されるパルス幅セグメントのシーケンスの形式で、制御信号にしたがってDMD24におけるドライバセルの駆動信号を発生する。それぞれのパルス幅セグメントは、異なる時間期間のパルスのストリングを有し、それぞれのパルスの状態は、そのパルスの期間についてオンのままであるか又はオフのままであるかを判定する。パルス幅セグメントで生じる(最下位ビット又はLSBと呼ばれることがある)最も短い可能なパルス(すなわち1パルス)は、15マイクロ秒の期間を典型的に有し、セグメントにおける大きなパルスは、1LSBよりも長い期間をそれぞれ有する。実際に、パルス幅セグメントでのそれぞれのパルスは、その状態が対応するパルスがオンにされたかオフにされたかを決定するデジタルビットストリームでのビットにより制御される。「1」ビットはオンにされたパルスを生成し、「0」ビットはオフにされたパルスを生成する。パルス幅セグメントにおける作動されたパルスの全体の合計(期間)は、そのセグメントの間に対応する画素の明るさを制御する。したがって、パルス幅セグメントにおける作動されたパルスの(LSBで測定されるような)結合されたパルス幅が大きければ、そのセグメントの画素の明るさの寄与が大きくなる。
【0014】
4×ディスプレイについて、ドライバ回路31は、各画素について色あたりの4つの個別のパルス幅セグメントのそれぞれを発生する。したがって、それぞれのピクチャインターバルの間、ドライバ回路31は、4つの赤、4つの青及び4つの緑といった12のセグメントのパルスについて画素制御ビットを生成する。画素制御ビットのDMD24へのトランスミッションは、カラーホイール14の回転と同期して生じ、所与の色のそれぞれのセグメントは、DMD24のその色の照射に対応する。
【0015】
図2のカラーホイール14を参照して、スポーク18は、赤い窓17と緑の窓17との間のような異なる色の窓のそれぞれのペアの間にある。スポーク18の数は、カラーホイール14における赤、緑及び青の窓の数に依存する。したがって、図2のカラーホイール14は、2つのBGRのカラートリプレット(すなわち、青、緑及び赤い窓からなる2つのセット)を有し、6つのスポーク18を有する。例示される実施の形態では、カラーホイール14は、それぞれのピクチャインターバルの間に2回回転し、かかる時間の間で12のスポークの外観を生じる。それぞれのスポーク18は、ランプ12からの光のスポットを通過するとき、光が混合されるインターバル、すなわち光が2つの異なる色の混合を含むインターバルを生じる。たとえば、青の窓と緑の窓との間にあるスポーク18は、シアンのインターバルを生じる。赤の窓と青の窓との間にあるスポーク18は、マゼンダのインターバルを生じる。赤の窓と緑の窓との間にあるスポーク18は、黄色のインターバルを生じる。過去において、DMDタイプの投影システムは、かかる「混合された光」から飽和された色を作ることにおいて生じる困難のため、スポーク(以下「スポーク光」と呼ぶ)の間に光を使用しない。
【0016】
今日、テキサスインスツルメントのDMDシステムは、「スポーク光再捕捉」(SLR:Spoke Light Recapture)と呼ばれるオプションを有し、このSLRは、所定の条件下で、ホワイトオブジェクトが著しく大きなピークの明るさを有するのを可能にする。それぞれのスポークの間の色がコンスタントに変化するので、一貫した色の描写を得るため、スポークがその全体として使用されるか、又は全く使用されない。さらに、テキサスインスツルメントのそれらのDMD用のサポート回路は、異なる色の3つのスポークを組み合わせで使用するか、又は全く使用しない。3つのスポークのセットを使用することで、典型的に約8%のフルノンスポークタイムライトである、増加された量の付加された白色光を生じる。かかる光は、約60%のフルブライトでの閾値の明るさで追加される。この閾値以下で、スポーク光は使用されないままとなる。このように、明るさが閾値の等しい値にまで閾値以下から増加するとき、1セットのスポークが作動される。明るさ特性における大きな不連続性を有さないため、対応する低減は、ノンスポーク光で生じ、結果的に得られる増加する明るさが1最下位ビット(LSB)のオーダで増加する。対応する低減がオンにされたスポークにより占められるそれとは非常に異なるピクチャ期間における時間で生じる場合、条件は深刻な動きの輪郭のアーチファクトについて成熟する。動きのアーチファクトは、動くオブジェクトがスポーク光の作動の閾値のちょうど上及び下の隣接する明るい部分を有するときに生じる。
【0017】
本発明によれば、かかる動きアーチファクトの深刻さを低減する技術が提供される。以下の更に詳細に記載されるように、本発明の原理の補償技術は、スポークの発生に接近した実質的な時間における画素の明るさの大部分を減少することで、スポークが「アクチューエート(作動)される」(すなわち、特定のスポークのスポーク光が使用される)ときに達成される増加される明るさを補償する。最良の結果は、画素の明るさにおけるこれらの減少が作動されるスポークの直前及び直後でそれら全体として実質的に生じるときに一般的に生じる。しかし、所望の画素の明るさが作動されたスポークの直前及び直後で全体として生じない場合でさえも、明るさの減少の大部分がスポーク作動に接近した実質的な時間で生じる限り、良好な補償を達成することができる。
【0018】
本発明の原理のスポーク光の補償技術を理解するため、システム10におけるDMD24を制御する方式の簡単な説明が有効であることがわかる。先に記載したように、例示される実施の形態におけるDMD24は、921,600マイクロミラーのアレイを有する。マイクロミラーの画素制御ビットは、「ビットプレーン」にあり、それぞれはマイクロミラーの数の長さに対応するビットストリングの形式をとる。それぞれのビットプレーンのビットは、DMD24にロードされ、それぞれのビットプレーンにおける個々のビットが論理「1s」であるかに依存して、そのビットにより制御されるそれぞれのマイクロミラーが対応する画素を照射するか否かを判定する。例示される実施の形態では、システム10は、14ビットプレーンを使用し、それぞれのビットプレーンは、1以上のパルス幅セグメントでの1以上のパルスを制御する。しかし、多数又は少数のビットプレーンが可能である。
【0019】
それぞれのビットプレーンがパルス幅セグメントでパルスをどのように制御するかを理解するため、それぞれのビットプレーンについて、パルス幅セグメントにおけるパルスのうちで期待される重みの分布を示すテーブルを示す図3を参照する。図3における最後の行に次いで、#0〜#13のそれぞれとしてラベル付けされる14のビットプレーンのそれぞれを識別し、図3における最後の行として、それぞれのビットプレーンについて(LSBで測定される)全体の重みが列挙されている。したがって、たとえばビットプレーン#0は、1LSBの全体の重みを有し、ビットプレーン#13は66LSBの全体の重みを有する。図3の最初の4行は、それぞれのビットプレーンについてセグメント#0〜#3のうちでの期待される重みの分布を示している。たとえば、例示される実施の形態では、ビットプレーン#0は、セグメント#2に限定された1LSBの重みを有する。他方で、ビットプレーン#5は、セグメント#2における3LSB及びセグメント#3における3LSBの期待される分布をもつ6LSBの全体の重みを有する。比較により、ビットプレーン#13は、セグメント#0〜#3のそれぞれにおける17,17,15及び17LSBといった期待される分布をもつ66LSBに全体の重みを有する。なお、図3は、パルス幅セグメントのなかでそれぞれのビットプレーンの重みの期待される分布を示しており、実際の分布は、僅かに変動する。たとえば、ビットプレーン#9について、セグメント#2とセグメント#3との間の実際の分布は、それぞれ11.5LSB及び12.5LSBである。
【0020】
図4図8は、パルス幅の列挙テーブルを集合的に示しており、このテーブルの値は、ノンスポーク光について明るさレベル0〜255のそれぞれについて、セグメント#0〜#3の対応する1つでのパルスを制御するために利用される、特定のビットプレーンに対応する。それぞれのパルス幅セグメントがそれぞれのピクチャインターバルの間に個々の画素について所与の色の4つの例の個別の1つ(すなわち、1秒のそれぞれ1/60番目)に対応することを思い出されたい。図4図8のテーブルに含まれるパルス幅の列挙値は(以下スポークセット#0及びスポークセット#1のそれぞれとして識別される)、2つの異なる明るさレベルのそれぞれで(たとえば、明るさレベル#150及び#203)、第一及び第二のスポークのセットの作動に応じて、非常に良好な補償を達成する。別のやり方で述べられるように、図4図8のテーブルに含まれるパルス幅の列挙値は、スポークの作動が以下のカラーオーダシーケンス[(B0G1R0)(B1G0R1)(BGR)(BGR)]で生じるとき、非常に良好なスポークの補償を提供し、セット#0及び#1のスポークは、色の順序でそれぞれ0及び1として表される。
【0021】
以下に良好に理解されるように、セグメント#0〜#3は、時間的に順次に生じ、セグメント#2は、セグメント#3、次いでセグメント#1及び#0に従って明るさに関して第一に現れる。言い換えれば、セグメント#2は、明るさが増加するにつれて増加的に第一に明るくなり、セグメント#0及び#1は、明るさに関して最後に現れ、スポークライトを補償するために、スポークセット#0及び#1の作動に応じて明るさに関して減少する。図4を参照して、明るさレベル#1を達成するため、(1LSBの幅を有する)プレーン#0により制御されるパルスは、セグメント#2で作動され、このセグメント及び他のセグメントにおける他のパルスは、作動されないままとなる。
【0022】
明るさレベル#2を達成するため、(2LSB幅を有する)ビットプレーン#1により制御されるパルスが作動され、プレーン#0により制御されるパルスは、ここでセグメント#2の間に不作動となる。先のように、セグメント#2における他のパルス及び他のセグメントは、不作動となる。明るさレベル#3に到達するため、プレーン#0により制御されるパルス(1LSB)及びプレーン#1により制御されるパルスはセグメント#2の間に作動され、セグメント#2及び他のセグメントにおける他のパルスは、作動されないままとなる。明るさレベル#4に到達するため、プレーン#1により制御されるパルスは、プレーン#0により制御されるパルスがセグメント2の間にオフとされる間にオンのままとなる。同時に、プレーン#2により制御されるパルス(2LSB)は、セグメント#3の間に作動され、セグメント#2及び#3並びに他のセグメントにおける他のパルスは作動されないままとなる。明るさレベル#5〜#77のそれぞれを達成するため、他のビットプレーンにより制御されるパルスは、セグメント#2及び#3の間に作動され、(LSBで測定されるように)全体のビット幅は、所望の明るさレベルに対応する。しかし、セグメント#0及びセグメント#1におけるパルスは、これら明るさレベルでオフにされる。明るさレベル#78を超える明るさレベルを達成するため、セグメント#0及び#1に関連するビットプレーンにより制御されるパルスが選択的に作動される。明るさレベル207〜255の間で、セグメント#0及びセグメント#1に関連するビットプレーンにより制御されるパルスが完全に作動される。明るさレベル#255(最大の明るさレベル)で、セグメント#0〜#3に関連するビットプレーンにより制御される全てのパルスは、全体の255LSBパルス幅を達成するために作動される。
【0023】
本実施の形態では、スポークセット#0のスポークは、少なくとも1つの色の明るさ、典型的には3原色のそれぞれが規定された閾値、典型的には完全な明るさの60%に到達したときに作動される。図4図8のパルス幅列挙テーブルに示される明るさレベルの観点で、スポークセット#0のスポークは、少なくとも1つ、典型的には3原色のそれぞれが図6における明るさレベル#149を超える明るさレベルを有するときに作動され、色と温度の調節がないことを想定する。したがって、それぞれの色について明るさレベル#149から明るさレベル#150への遷移について、スポークセット#0のスポークが作動され、付加されたスポークライトは、8%の同様に画素の明るさを増加する。例として、赤色の明るさレベル#149を超えるスポークセット#0のスポークを作動することは、その色について明るさの増加を生じる。
【0024】
スポークセット#0のスポークの作動から生じるスポークライトを補償するため、対応する明るさの減少は、明るさレベル#149から明るさレベル#150に遷移するときに1LSBのオーダでの明るさの増加を可能とするためにノンスポークタイトで生じる。本発明の原理によれば、所与の色(たとえば、すなわち赤)のスポークセット#0のスポークの作動に寄与される更なる明るさの補償は、スポーク作動に関連する増加される明るさとほぼ同じ量だけ低減される関連する値を有する図4〜8のパルス幅列挙テーブルから対応する値を選択することで生じる。これは、以下に例により良好に理解される。赤色について明るさレベル#149から明るさレベル#150への所望の増加的な明るさの増加を考える。また、スポークセット#0のスポークが明るさレベル#149を超えて作動することを考える。したがって、スポークの作動から生じる更なる16LSBの明るさを補償するため、明るさレベル#150に関連するパルス幅セグメントではなく、明るさレベル#134に関連するパルス幅セグメントが選択される。明るさレベル#134に対応するパルス幅セグメントは、明るさレベル#150に関連するパルス幅セグメントに関連するパルス幅よりも小さな16である(LSBで測定される)全体のパルス幅を有する。
【0025】
スポークライトを補償するために図4図8のテーブルからパルス幅列挙値を使用することは、スポークの発生に最も近い非常に接近した時間で明るさにおける結果的な低減が実質的に生じるという利点を提供する。明るさレベル#150で作動される第一のスポークのセットを補償するために選択される明るさレベル#134のテーブルにおけるパルス幅列挙値を考える。図6における明るさレベル#134に関連するパルス幅セグメントは、全体のパルス幅29,29,38及び38LSBのそれぞれで満たされるセグメント#0、#1、#2及び#3を有する。明るさレベル#150に対応するパルス幅セグメントでのセグメント#2及び#3に比較して、明るさレベル#134に関連するセグメント#2及び#3は、同じ全体の幅(それぞれ38LSB)を有するパルスでそれぞれ満たされる。明るさレベル#134に関連するパルス幅セグメント列挙テーブルの値のセグメント#0及び#1のみが、より小さな全体のパルス幅を有する(それぞれ8LSBより小さい)。しかし、第一のスポークセットのスポークを作動することで生じる16LSBの増加を明るさレベル#134に関連する134LSBの明るさに追加することは、明るさレベル#150に対応する明るさに到達するために必要とされる150LSBの全体のパルス幅を生じる。さらに、セグメント#0及び#1の低いパルス幅の値は、スポークセット#0の第一のスポークのちょうど前の時間で、スポークセット#0の最後のスポーク直後のそれら全体として生じ、したがって、スポークの作動に関して非常に異なる時間で明るさの減少の補償が生じる場合にさもなければ生じる動きの輪郭のアーチファクトの厳しさが低減される。
【0026】
本発明の原理に係る明るさの補償がスポークの作動の最も近い非常に接近した時間でどのように実質的に生じるかに関する良好な理解を提供する助けとなる、図9及び図10を参照する。図9は、それぞれの色について明るさレベル#149での4つのカラートリプレット(すなわち、青色、緑色及び赤色からなる4つの外観)を例示している。(セグメント#0及び#1のそれぞれに対応する)第一及び第二のカラートリプレットは、色当たり72LSBの結合された明るさを有し、セグメント#0及び#1のそれぞれに関連する35LSB及び37LSBの全体のビットの重みの合計を反映する。同じ特色により、(セグメント#2及び#3のそれぞれに対応する)第三及び第四のカラートリプレットは、色当たり77LSBの結合された明るさを有し、セグメント#2及び#3のそれぞれに関連する39LSB及び38LSBの全体のビットの重みの合計を反映する。
【0027】
図10は、明るさレベル#150での4つのカラートリプレット(すなわち、青色、緑色及び赤色の4つの外観)をスポークセット#0におけるスポークの作動と共に例示している。図10に見られるように、スポークセット#0の第一のスポークは、青色と緑色の第一の瞬間の間で現れる。スポークセット#0の第二のスポークは、赤色の第一の瞬間と青色の第二の瞬間との間で現れ、同じセットの第三のスポークは、緑色の第二の瞬間と赤色の第二の瞬間との間で現れる。図6のテーブルから明るさレベル#134に対応するパルス幅列挙値を選択することでスポークセット#0のスポークの作動に応じた光における16LSBの増加を補償することは、29LSB及び29LSBのそれぞれの全体のビットの重みを有するセグメント#0及び#1となり、セグメント#2及び#3は、39及び38のそれぞれの全体のビットの重みを有する。
【0028】
明るさレベル#150に関連するセグメント#0及び#1の全体のパルス幅に比較して、明るさレベル#134に関連するセグメント#0及び#1の全体のパルス幅は、それぞれ9LSBよりも少ない(28LSB対37LSB)。対照的に、明るさレベル#134に関連するセグメント#2及び#3は、明るさレベル#150に関連するセグメント#2及び#3に比較して、同じ全体のパルス幅(39LSB及び39LSB)を有する。明るさレベル#134に関連する図6のテーブルのパルス幅列挙テーブルを利用することでスポークライトを補償するとき、セグメント#0及び#1のそれぞれに関連する青色、緑色及び赤色の第一の2つの外観のそれぞれは、低減された明るさを有する。
【0029】
図10に見られるように、青及び緑の第一の外観の明るさにおける低減は、第一のスポークの直前及び直後のそれぞれで現れる。同様に、赤色の第一の外観及び青色の第二の外観の明るさにおける低減は、第二のスポークの直前及び直後のそれぞれで生じる。さらに、緑の第二の外観及び赤の第二の外観の明るさにおける低減は、第三のスポークの直前及び直後のそれぞれで生じる。言い換えれば、明るさレベル#134に関連する図6のテーブルからのパルス幅の列挙値を使用することは、スポークセット0のスポークの作動が生じるインターバルに対応する青色、緑色及び赤色の第一の2つの外観への全ての明るさの低減を実質的に制限する役割をする。(セグメント#2及び#3のそれぞれに対応する)青色、緑色及び赤色の第三及び第四の外観は、(明るさレベル#150への到達に応じて生じる増加的な明るさの増加を除いて)同じ明るさを実質的に有する。
【0030】
また、図1のシステム10は、第二のスポークセット(スポーク#1)のスポークが第二の色の明るさレベルの閾値、典型的には明るさレベル#203を超えて作動されるときにスポークライトにおける増加を補償する。図4図8の列挙テーブルがかかる条件下でスポークライトの補償を達成するやり方を理解するため、赤色について明るさレベル#203から明るさレベル#204への増加的な明るさの増加を考える。緑色及び青色がスポークセット#1のスポークの作動について閾値を超える明るさレベルを有すると考える。明るさレベル#204で、(スポークセット#0に加えて)スポークセット#1が作動され、赤色の明るさにおける増加、すなわち16LSBを生じる。したがって、明るさレベル#203から明るさレベル#204への増加的な明るさの増加を達成するため、(明るさレベル#204に関連するパルス幅セグメントの列挙の値ではなく)明るさレベル#188に関連する図7のテーブルのパルス幅の列挙の値が選択される。
【0031】
ノンスポークライトの条件下で、明るさレベル204に関連する図7のテーブルにおけるパルス幅の列挙の値は、この明るさレベルを得るために利用される実際の値を表す。したがって、ノンスポークライトの条件下で、明るさレベル#204に関連するパルス幅のセグメント#0、#1、#2及び#3は、204LSBの全体のパルス幅となる64、64、39及び38LSBのそれぞれの全体のパルス幅を有する。しかし、明るさレベル#149を超えるスポークセット#0に関連するスポークライトを使用したとき、明るさレベル#203を超えるスポークセット#0及び#1のスポークに関連するスポークライトを使用したとき、図6図8は、スポークライトを補償するために低い明るさレベルの値を使用する必要のため、パルス幅のエニュメーション(enumeration)テーブルは、事象の真の状態を現実に表していない。先に説明したように、対応する明るさの減少は、スポークライトを補償するためにノンスポークライトで生じる必要があり、したがって、必要不可欠な明るさの減少を提供し、次の高いレベルに増加的に明るさを増加するために1LSB等の増加をセーブする図6図8のパルス幅のエニュメレーションテーブルからの低い明るさレベルの値の使用を必要とする。
【0032】
明るさレベル#203から明るさレベル#204に遷移するとき、(明るさレベル#204に関連する値とは対照的に)明るさレベル#188に対応する図7のテーブルにおけるパルス幅のエニュメレーションの値が利用される。明るさレベル#204に関連するセグメント#2及び#3に比較して、同じ全体のパルス幅(39及び38のそれぞれ)を有する。明るさレベル#188に関連するセグメント#0及び#1のみが小さな幅(それぞれ8LSBよりも小さい)を有する。しかし、明るさレベル#188に関連するセグメント#0、#1、#2及び#3の全体で188LSBの幅にスポークを作動することから生じる16LSBの明るさの増加を追加することは、レべル#203から明るさレベル#204に到達するため、明るさにおける所望の増加的な増加(incremental increase)を達成するために必須のパルス幅(204LSB)を生じる。先のように、明るさレベル#174に関連するセグメント#0及び#1の低いパルス幅の値は、スポークセット#1の対応するスポークに最も近い実質的な時間で生じる赤色の明るさの減少を生じる。
【0033】
スポークライトの全体の光出力への寄与を良好に理解するため、ノンスポークライト及びスポークライトに関する関数として全体の光出力のグラフを示している図11を参照する。明るさレベル#150に到達する前に、全体の光出力は、ノンスポークライトから到来する。明るさレベル#150と#203の間で、全体の光は、(スポークセット#0のスポークの作動から生じる)第一の固定された量のスポークライト、全体のライトにおける対応する増加を達成するための線形なやり方で増加的に増加するノンスポークライトの量を含んでいる。スポークセット#0のスポークが明るさレベル#150で一度作動されると、ノンスポークライトは、レベル#149から#150に明るさにおける増加を反映するための増加的な増加を除いて、スポークライトにより増加とほぼ同じ量だけ降下する。明るさレベル#203及び上で、(スポークセット#0のスポークセットと共に)スポークセット#1のスポークが作動され、第二の固定された量のスポークライトを生じる。さらに、ノンスポークライトは、明るさレベルにおける増加に関連するインクリメンタルな増加を除いて、スポークライトにおける増加に対応した量だけ減少する。
【0034】
先に記載されたように、図4図8のパルス幅のエニュメレーションテーブルは、スポークの作動がそれぞれのパルス幅セグメントのセグメント#0及び#1の間に生じたときの状況下での非常に良好なスポークライトの補償を提供する。しかし、スポークアクチュエーションパターンは、[(B0G1R0)(B1G0R1)(BGR)(BGR)]とは異なり、かかる状況下で、異なるビットプレーンのセット及び異なるパルス幅のエニュメレーションテーブルは、スポークが生じる場所及びどのスポークが作動されたかに依存する。しかし、先に記載された方式でスポークライトの補償を提供するため、かかるテーブルは、スポークライトの使用のために対応する明るさの増加を考慮したスポークの発生に最も近い実質的な時間における適切な明るさの減少を達成するエントリを有する必要がある。
【0035】
上述された内容は、ノンスポークライトにおける減少が動きの輪郭のアーチファクトの発生を低減するためにスポークの発生に最も近い実質的な時間で生じるように、シーケンシャルカラーディスプレイシステムにおけるスポークライトの補償を達成するための技術を記載する。例示される実施の形態はパルス幅変調されたシーケンシャルカラーディスプレイシステムと共に記載されたが、本発明の原理に係るスポークライトの補償は、スポークの発生に最も近い非常に接近した時間でノンスポークライトにおける低減が実質的に生じる限り、パルス幅変調を使用することなしで容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の原理のスポーク光補償技術を実施するためのシーケンシャルカラーディスプレイシステムのブロック図である。
図2図1のディスプレイシステムの一部を含むカラーホイールの前面図である。
図3図1のシステムにおけるイメージャを駆動するそれぞれのパルス幅セグメントでのパルスを制御するビットプレーンのセットを記載するテーブルである。
図4図1のディスプレイシステムでのそれぞれの画素の対応する色の明るさを管理するパルス幅セグメントを制御するビットプレーンの列挙テーブルである。
図5図1のディスプレイシステムでのそれぞれの画素の対応する色の明るさを管理するパルス幅セグメントを制御するビットプレーンの列挙テーブルである。
図6図1のディスプレイシステムでのそれぞれの画素の対応する色の明るさを管理するパルス幅セグメントを制御するビットプレーンの列挙テーブルである。
図7図1のディスプレイシステムでのそれぞれの画素の対応する色の明るさを管理するパルス幅セグメントを制御するビットプレーンの列挙テーブルである。
図8図1のディスプレイシステムでのそれぞれの画素の対応する色の明るさを管理するパルス幅セグメントを制御するビットプレーンの列挙テーブルである。
図9】第一のセットのスポークが非作動されたままである明るさレベルのパルス幅セグメントの光分布を示す図である。
図10】第一のセットのスポークが作動される明るさレベルのパルス幅セグメントの光分布を示す図である。
図11】ノンスポーク光及びスポーク光の影響を示す光入力の関数として光出力の特性曲線を示す図である。
図1
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図11