特許第5657911号(P5657911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657911
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】保管庫
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/02 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
   E04H6/02 H
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-101752(P2010-101752)
(22)【出願日】2010年4月27日
(65)【公開番号】特開2011-231501(P2011-231501A)
(43)【公開日】2011年11月17日
【審査請求日】2013年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140007
【氏名又は名称】株式会社稲葉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100089266
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
(72)【発明者】
【氏名】山岸 伸一郎
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−095234(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/02−04
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管物の搬入および搬出に用いられる開口部が形成された箱形のハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開閉すると共に、その開閉を規制する錠前が設けられた扉と、
前記ハウジングに軸支され、前記扉の外面に対峙する起立位置と、前記開口部の下縁から保管庫設置面に向けて延在する傾倒位置との間を回動するスロープ板と 前記ハウジングに移動可能に取り付けられた遮蔽部材と
を備え
前記スロープ板は、前記起立位置において前記錠前の鍵穴の前面側を遮蔽し、
前記遮蔽部材は、前記扉の外面と前記起立位置にある前記スロープ板との間隙を覆う遮蔽位置と、当該遮蔽を解除する待機位置との間を移動することを特徴とする保管庫。
【請求項2】
前記遮蔽部材は、前記遮蔽位置において前記起立位置にある前記スロープ板と係合することにより、当該スロープ板の前記傾倒位置側への回動を規制することを特徴とする請求項に記載の保管庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車等を保管するための保管庫に関し、特に、保管物の盗難を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車の盗難を防止するための保管庫として、例えば、ハウジングの開口部に開閉自在に設けられた施錠可能なシャッタと、このシャッタの後側(ハウジング内側)に回動自在に設けられた遮断板とを備え、当該遮断板が、二輪車の搬入時には傾倒してスロープ板として機能すると共に、二輪車の保管時には起立して二輪車の自由な搬出を阻止(盗難を防止)するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、この種の保管庫におけるハウジングの開口部に設けられる扉としては、上記シャッタに限らず、例えば、中央から略左右対称に開くように設けられたもの(特許文献2参照)や、中央から略上下対称に開くように設けられたもの(特許文献3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−184339号公報
【特許文献2】特開2003−81148号公報
【特許文献3】特開2005−90166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の保管庫では、ハウジングの開口部の扉が一旦開放されてしまうと、遮断板をハウジング内に設けた場合であっても、手で持ち運べるような保管物は容易に外部に持ち出し可能となる。したがって、ハウジングの開口部の扉を他人(所有者以外の不審者等)が容易に開放できないようにする(或いは、扉の開放するのに時間をかけさせる)ことが、保管庫の防犯性能を高めるうえで特に重要である。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の従来技術では、他人でもハウジングの扉に容易にアクセスすることが可能であるという問題があった。また、ハウジングの扉に設けられた錠前の鍵穴は無防備に露出されているため、他人が鍵穴の位置を容易に把握して操作(破壊や抉じ開け等を含む)することが可能であるという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、スロープ板を設けることにより、ハウジング内への二輪車等の搬入・搬出を容易としつつ、ハウジングの開口部に設けられた扉に対する容易なアクセスを防止することを可能とした保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の側面によれば、保管庫(1)は、保管物の搬入および搬出に用いられる開口部(3)が形成された箱形のハウジング(2)と、前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開閉する扉(4)と、前記ハウジングに軸支され、前記扉の外面(4a)に対峙する起立位置と、前記開口部の下縁から保管庫設置面(43)に向けて延在する傾倒位置との間を回動するスロープ板(21)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の側面によれば、上記第1の側面に係る保管庫に関し、前記扉には、その開閉を規制する錠前(11)が設けられ、前記スロープ板は、前記起立位置において前記錠前の鍵穴(12)の前面側を遮蔽することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の側面によれば、上記第2の側面に係る保管庫に関し、前記ハウジングに移動可能に取り付けられ、前記扉の外面と前記起立位置にある前記スロープ板との間隙を覆う遮蔽位置と、当該遮蔽を解除する待機位置との間を移動する遮蔽部材(22)を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第4の側面によれば、上記第3の側面に係る保管庫に関し、前記遮蔽部材は、前記遮蔽位置において前記起立位置にある前記スロープ板と係合することにより、当該スロープ板の前記傾倒位置側への回動を規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の第1の側面によれば、ハウジングの扉の外側に回動自在のスロープ板を設けたため、ハウジング内への二輪車等の搬入・搬出を容易としつつ、起立位置のスロープ板によってハウジングの扉(少なくとも一部)を遮蔽することにより、扉に対する他人の容易なアクセスを防止して保管庫の防犯性能を高めることができる。
また、上記第2の側面によれば、未使用時(保管物を搬入・搬出しない時)に起立位置にあるスロープ板によって鍵穴が遮蔽されるため、他人によって鍵穴の位置が容易に把握されることを防ぐと共に、他人による錠前の操作(破壊や抉じ開け等を含む)をスロープ板によって阻害することができる。この場合、スロープ板を起立位置に保持するロック機構(錠前等)を更に設けることにより、保管庫の防犯性能をより高めることができる。
また、上記第3の側面によれば、扉とスロープ板との間隙から鍵穴が他人によって視認されることが防止されるため、他人によって鍵穴の位置が容易に把握されることをより確実に防ぐことができる。
また、上記第4の側面によれば、簡易な構成により、未使用時のスロープ板を起立位置に安定的に保持して、保管庫の防犯性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る保管庫(施錠状態)を示す斜視図である。
図2図1に示したスロープ装置の使用状態を示す斜視図である。
図3図1に示したスロープ装置の軸支部を示す底面図である。
図4図1に示したアーム部材の要部断面図(図5中のIV−IV線断面図)である。
図5図1に示したアーム部材の要部拡大図である。
図6図1に示した保管庫の一動作(搬入・搬出状態)を示す斜視図である。
図7図1に示した保管庫の一動作(スロープ板の起立状態)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る保管庫について図面を参照しながら説明する。説明にあたり、方向を示す用語については、図1に示した方向に従うものとする。
【0015】
図1に示すように、保管庫1は、二輪車等の保管物が収容されるハウジング2と、ハウジング2の前側に開口する方形の開口部3を開閉するシャッタ4と、シャッタ4の前方に設置され、保管物の搬入・搬出の際の搬送路を形成するスロープ装置5とを主として備える。この保管庫1は、特に、スロープ装置5を必要とする大型の二輪車の保管に好適である。
【0016】
ハウジング2は、複数の外壁材(例えば、塗装鋼板)がボルト締結されてなる箱形を呈しており、開口部3から保管物の搬入および搬出が行われる。ハウジング2内の前上部には周知の構成を有するシャッタ巻取機構6が設けられており、このシャッタ巻取機構6により、シャッタ4の上方への巻き取りまたは下方への繰り出しが行われることによって開口部3が開閉される。
【0017】
また、図2に併せて示すように、シャッタ4は、複数の金属板を簾状に繋いだ構成を有しており、その上下方向の中間部には、シャッタ4の開放を規制するための周知の構成を有するシャッタ錠11が設けられている。シャッタ錠11は、シャッタ4の前面4aから露出する鍵穴12を有しており、使用者(所有者)が鍵穴12に鍵を差し込んで回動操作することによって、左右のロッド13端部のハウジング2に対する係止またはその解除が行われる。また、シャッタ4における鍵穴12の下方には、左右一対の把手部14が設けられている。
【0018】
シャッタ錠11には、任意の周知のシャッタ錠を用いることが可能である。また、鍵穴12の位置については、図2に示すようなシャッタ4の中央部に限らず、少なくともシャッタ4(場合によっては、ハウジング2)の前面に露出している限りにおいて、任意の位置を選択可能である。なお、保管庫1の開口部に設けられる扉は、上記シャッタ4に限らず、当業者に周知の任意の扉を用いることができる。
【0019】
スロープ装置5は、ハウジング2の前下部(開口部3の下縁)に回動可能に支持されたスロープ板21と、ハウジング2の左右(開口部3の左右)にそれぞれ回動可能に支持された一対の回動アーム22と、スロープ板21の左右を挟み込むようにハウジングに取り付けられた一対のスロープガード23とから主として構成される。
【0020】
スロープ板21は、略長方形を呈しており、金属製の枠体によって画成された3つの方形のスペース31にそれぞれ金属製のメッシュパネル32が取り付けられている。また、図1に示すように、各メッシュパネル32の前面側における左右方向の中央には、枠体の各縦枠33と平行に延在する補強部材34が設けられている。さらに、図2に示すように、枠体の上部における左右の横枠35には、使用者がスロープ板21を回動させる際に利用するハンドル36が設けられている。
【0021】
スロープガード23は、シャッタ4の前面(外面)4aと、スロープ板21との間隙G(図4参照)の左右側部を覆う。スロープガード23は、その内側の面をスロープ板21の左右の側縁に摺接させることにより、スロープ板21の回動をガイドするようにしてもよい。
【0022】
図3に示すように、スロープ板21における各縦枠33の下部には、左右方向に延在する4本のスロープ回動軸41がそれぞれ取り付けられている。これらスロープ回動軸41は、同軸に配置されており、ハウジング2の前下部から突設された4つの軸支持部材42によってそれぞれ回動自在に支持されている。これにより、スロープ板21は、スロープ回動軸41を中心として、シャッタ4の前面4aに対峙する起立位置(図1参照)と、開口部3の下縁から保管庫設置面43(地面等)に向けて延在する傾倒位置(図2参照)との間を回動可能である。
【0023】
また、各縦枠33の上部には、傾倒位置にあるスロープ板21を保管庫設置面43上に安定的に保持するためのアジャスタ部材44が設けられている。アジャスタ部材44は、図4に示すように、保管庫設置面43に当接する円形の当接部45と、当接部45を各縦枠33に固定する軸部46とを有している。軸部46は、縦枠33に螺合されており、その突出長さ(当接部45の位置)を調整することが可能である。
【0024】
なお、スロープ板21は、左右幅がハウジング2の幅よりも小さく且つ開口部3の幅よりも大きく設定されており、また、上下幅がその起立位置においてシャッタ4の鍵穴12を遮蔽可能な大きさに設定されている。
【0025】
図4に示すように、回動アーム22は、略方形の断面を有する角筒部51と、角筒部51の前壁51aから下方に延設された板状のスロープ支持壁52とを有している。角筒部51の上壁51bの内面には、対向配置された腕部として一対の軸固定片53を有する略U字状の固定部材が支持片54を介して取り付けられている。これら軸固定片53には、前後方向に延在するアーム回動軸55と、このアーム回動軸55と平行に延在するストッパ軸56とが固定されている。また、角筒部51の下壁51cの上面には、側面視においてL字状をなすピン取付片57が取り付けられており、このピン取付片57には、ガイドピン58が固定されている。
【0026】
アーム回動軸55は、互いに連結されて略U字状をなす一対の軸支持片61によって回動自在に支持されている。軸支持片61は、支持片62を介してハウジング2に固定されると共に、軸固定片53の両側(前後面)を挟み込むように配置されている。
【0027】
図5に示すように、各軸支持片61には、ストッパ軸56が挿入される円弧状の長孔63が形成されている。長孔63は、小径の中間部63aと、その両端に位置する大径の円形部63b,63cとを有している。図4に示したように、ストッパ軸56は、一対の軸固定片53の離間距離に対応して配置されると共に、長孔63の中間部63aに挿入可能な径を有する一対の縮径部56aと、縮径部56aの後方に隣接配置されると共に、長孔63の中間部63aに挿入不能で且つ円形部63b,63cに挿入可能な径を有する一対の拡径部56bとを有している。また、ストッパ軸56は、その中間部56cに介装された圧縮ばね64によって前方に付勢された状態にある。
【0028】
また、図5に示すように、回動アーム22の基端側(ハウジング2の左右側)には、回動アーム22の回動をガイドする回動ガイド片71が設けられている。回動ガイド片71は、平面視において略L字状を呈しており、ハウジング2に対して固定さている。ガイドピン58は、回動ガイド片71に形成された円弧状の長孔72に挿入可能な縮径部58aと、長孔72の幅よりも大きな径を有する頭部58b(共に図4参照)とを有している。これにより、回動ガイド片71の長孔72によって回動アーム22の回動がガイドされる。
【0029】
なお、上記のような回動アーム22は、必ずしも左右一対として設ける必要はなく、例えば、一方の回動アームの長さを延長することにより、同様の機能を果たすことが可能である。
【0030】
次に、上記スロープ装置5の動作について説明する。
【0031】
図6に示すように、保管庫1に保管物を搬入(搬出の場合も同様)する際には、回動アーム22を垂直状態の待機位置に固定すると共に、スロープ板21を傾倒位置に移動させ、シャッタ4を開放する。このとき、スロープ板21は保管物の搬送路として機能する。また、ストッパ軸56の拡径部56bは、図5に示した軸固定片53の上側の円形部63bに挿入された状態にある。これにより、回動アーム22の回動が規制されている。
【0032】
保管物の搬入が完了すると、使用者は、シャッタ4を閉じて施錠した後、図7に示すように、スロープ板21を起立位置まで移動させる。このとき、正面視においては、起立したスロープ板21によってシャッタ4の鍵穴12が遮蔽される。
【0033】
次に、使用者は、待機位置にある左右の回動アーム22を回動させ、図1に示した固定位置(遮蔽位置)まで移動させる。このとき、使用者は、図4中の矢印Aで示すように、ストッパ軸56の頭部56dを圧縮ばね64の付勢力に抗して後方に押し込むことで、前後方向における一対の軸固定片53の位置と、ストッパ軸56の縮径部56aとの位置を一致させる。これにより、ストッパ軸56の縮径部56aが図5に示した長孔63の中間部63a内を移動可能となり、回動アーム22を固定位置の方向に移動させることが可能となる。回動アーム22の固定位置への移動が完了すると、ストッパ軸56は圧縮ばね64の付勢力によって再び前方に移動し、その拡径部56bが軸固定片53の下側の円形部53cに挿入された状態となる。これにより、回動アーム22の回動が再び規制される。
【0034】
また、このとき、回動アーム22のスロープ支持壁52は、図4に示したように、スロープ板21の上部前方に位置し、スロープ板21の傾倒位置側への回動を規制する。さらに、このとき、回動アーム22は、シャッタ4の前面4aと、スロープ板21との間隙Gの上部を覆う。
【0035】
また、図7に示すように、回動アーム22の基端側のスロープ支持壁52には、固定孔対81が形成され、また、この固定孔対81にそれぞれ対応するスロープ板21の左右の縦枠33には、前面側から内側面へと貫通する固定孔82が形成されている。スロープ板21が起立位置にあり且つ回動アーム22が固定位置にあるとき、固定孔対81の位置は、固定孔82の位置に略重なる。これにより、図1に示すように、固定孔対81および固定孔82に錠R(ここでは、南京錠のU字形の金具)を共に通して、スロープ板21と回動アーム22とを固定することができる。
【0036】
同様に、回動アーム22の先端側のスロープ支持壁52には、それぞれ固定孔83が形成され、回動アーム22が固定位置にあるとき、両固定孔83が隣接した状態となる。これにより、図1に示すように、両固定孔83に錠Rを共に通して、スロープ板21と回動アーム22とを固定することができる。
【0037】
上記保管庫1では、ハウジング2のシャッタ4の外側に回動自在のスロープ板21を設けたため、ハウジング2のシャッタ4がスロープ板21によって遮蔽されることにより、当該シャッタ4に対する他人の容易なアクセスを防止して防犯性能を高めることができる。この場合、シャッタ4を開放する場合には、起立位置にあるスロープ板21を傾倒位置まで回動させる操作が必ず必要となり、不審者等がシャッタ4を開放する場合に時間がかかる。一方、使用者にとっては、スロープ板21を操作することにより、保管庫設置面43とハウジング2の開口部3との間に生じる段差に拘わらず、ハウジング2内への保管物(特に、スロープ板21を搬送路として利用可能な二輪車等)の搬入・搬出が容易となるという利点がある。
【0038】
また、上記保管庫1では、未使用時(保管物を搬入・搬出しない時)に起立位置にあるスロープ板21によって鍵穴12の前面側が遮蔽されるため、他人によって鍵穴12の位置が容易に把握されることを防ぐと共に、他人によるシャッタ錠11の操作をスロープ板21によって阻害することができる。この場合、スロープ板21を起立位置に保持する錠Rを更に設けることにより、防犯性能がより高まる。
【0039】
また、上記保管庫1では、シャッタ4の前面4aとスロープ板21との間隙の上部を覆う回動アーム22を設けたため、シャッタ4とスロープ板との間隙Gから鍵穴12が他人によって視認されることが防止され、他人によって鍵穴12の位置が容易に把握されることをより確実に防ぐことができる。さらに、シャッタ4の前面4aとスロープ板21との間隙の左右側部を覆うスロープガード(第2の遮蔽部材)23を設けたため、鍵穴12が他人によって視認されることをより効果的に防止できる。
【0040】
また、上記保管庫1では、固定位置にある回動アーム22は、起立位置にあるスロープ板21と係合してその傾倒位置側への回動を規制するため、簡易な構成により、未使用時のスロープ板21を起立位置に安定的に保持して、保管庫1の防犯性能を高めることができる。
【0041】
本発明を特定の実施形態に基づいて詳細に説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。上記実施形態に示した本発明に係る保管庫の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 保管庫
2 ハウジング
3 開口部
4 シャッタ(扉)
4a 前面(外面)
5 スロープ装置
11 シャッタ錠(錠前)
12 鍵穴
21 スロープ板
22 回動アーム(遮蔽部材)
23 スロープガード
41 スロープ回動軸
43 保管庫設置面
55 アーム回動軸
56 ストッパ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7