特許第5657931号(P5657931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5657931折畳みチラシを形成し付与するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5657931
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】折畳みチラシを形成し付与するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/20 20060101AFI20141225BHJP
   B65H 45/28 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   B65B61/20
   B65H45/28
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-149838(P2010-149838)
(22)【出願日】2010年6月30日
(65)【公開番号】特開2011-11825(P2011-11825A)
(43)【公開日】2011年1月20日
【審査請求日】2012年11月29日
(31)【優先権主張番号】BO2009A000425
(32)【優先日】2009年7月1日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090309
【弁理士】
【氏名又は名称】今枝 久美
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(72)【発明者】
【氏名】マリオ スパタフォラ
【審査官】 戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−519732(JP,A)
【文献】 特開平06−161087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/20
B65H 45/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細片材料(20)から得た個別のチラシ(2)を、前記チラシ(2)の一部(2a)を捕捉し保持するように各々が設計されかつ前記チラシ(2)と係合する拘束手段(25)に対して回転駆動する巻取り部材(23)の周りに巻取り、前記チラシ(2)に形成された少なくとも一本の長手を横切る横折り目線に沿って前記巻取り部材(23)を中心に前記チラシ(2)を折り曲げることによって長手方向に整合する折畳みを形成する工程を含む、包装機械において折畳みチラシを形成し付与する方法であって、
−連続的細片材料(20)を切断装置(5)へ供給する工程と、
−前記細片材料(20)を、長手を横切る方向に切断して個別のチラシ(2)を形成する工程と、
−前記チラシ(2)の各々に、前記チラシ(2)に沿って長手方向に整合する複数の折重ね部分を画定するのに役立つ少なくとも一本の前記横折り目線を形成する工程と、
−前記チラシ(2)の少なくとも一つの先端部(2a)を、前記横折り目線に対して平行の軸を中心に回転可能なそれぞれの巻取り部材へ移送する工程と、
−長手方向に整合する前記折重ね部分を画定する少なくとも一本の前記横折り目線に沿って折り曲げを誘導して前記チラシ(2)を前記巻取り部材(23)に巻き付けるように、前記チラシと係合する前記拘束手段(25)に対して前記巻取り部材(23)を回転するように設定する工程と、
−前記巻取り部材(23)から折り畳まれた前記チラシ(2)を捕捉して、それぞれの消費者製品(3)に付与する工程と、
を含む、包装機械において折畳みチラシを形成し付与する方法。
【請求項2】
前記巻取り部材(23)に前記チラシ(2)を巻き付ける前記工程が、折畳みヘッド(22)の回転方向(A)と一致する回転方向(B)において、前記折畳みヘッド(22)の回転軸に対して平行の軸を中心とする個々の巻取り部材(23)の回転と同時に、折り畳まれるべき前記チラシ(2)が捕捉される点と折り畳まれた前記チラシ(2)が解放される点との間で、前記巻取り部材(23)が取り付けられた折畳みヘッド(22)を回転することにより前記巻取り部材(23)の旋回運動を誘導することによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記巻取り部材(23)に前記チラシ(2)を巻き付ける前記工程において前記チラシ(2)の少なくとも一つの後方部(2c)が前記拘束手段(25)に接触維持される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
−連続的細片材料(20)を個別のチラシ(2)に分割する切断装置(5)と、
−連続する各チラシ(2)に少なくとも一つの折り目線を付ける折り目付けユニット(11)と、
−前記チラシ(2)に形成された少なくとも一本の、長手を横切る横折り目線に沿ってそれぞれの巻取り部材の周りに個別の前記チラシ(2)を折曲げることによって長手方向に整列した折畳みを形成するように、前記チラシ(2)と係合する拘束手段(25)に対して回転駆動すると共に前記チラシ(2)の一部(2a)を捕捉し保持するように各々が設計された巻取り部材を備えた折畳み装置(21)と、
−前記巻取り部材(23)上に折り畳まれた前記チラシ(2)を捕捉するグリップ手段(27)と、を含み、
前記巻取り部材(23)の各々が、前記折畳み装置(21)の折畳みヘッド(22)であって前記巻取り部材の旋回運動を誘導するように回転可能な折畳みヘッド(22)に取り付けられかつそれぞれの中軸(24)を中心に回転可能な両凸面形状を有する要素で構成されている、包装機械において折畳みチラシを形成し付与するための装置。
【請求項5】
折り畳まれる前記チラシ(2)の先端部(2a)を捕捉するために、前記両凸面形状を有する要素の各々が、少なくとも一端付近に形成されかつ真空手段に連結可能な一組の穴を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記巻取り部材(23)は、折り畳まれるべき前記チラシ(2)が捕捉される点と折り畳まれた前記チラシ(2)が解放される点との間の前記折畳みヘッド(22)の回転によって旋回運動を誘導され、かつ同時に前記折畳みヘッド(22)の回転軸に対して平行の中軸(24)を中心に前記折畳みヘッド(22)の回転方向(A)と一致する回転方向(B)に回転する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
拘束手段(25)は、前記巻取り部材(23)を担持する前記折畳みヘッド(22)の周りに伸長した側壁で構成され、前記チラシ(2)が前記折り目付けユニット(11)に捕捉される点と折り畳まれた前記チラシ(2)が前記巻取り部材(23)から解放されて前記グリップ手段(27)によって捕捉される点との間に円弧状に伸長している、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記折畳みヘッド(22)に対面する前記側壁(25)の面が所定形状の作動面を形成し、適宜の真空手段との連結によって前記作動面上に吸引力が維持される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記巻取り部材(23)から折り畳まれた前記チラシ(2)を捕捉するグリップ手段(27)が、前記折畳みヘッド(22)に蝶番式に取り付けられ、前記巻取り部材(23)に隣接して設置され、かつ前記折畳みヘッド(22)の回転軸に対して平行の軸を中心に枢軸回転可能な複数の吸引カップグリッパ要素で構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記折畳み装置(21)の前記グリップ手段(27)から折り畳まれた個別のチラシ(2)を捕捉して、前記チラシ(2)をそれぞれの消費者製品(3)に付与するように、前記折畳みヘッド(22)の軸に対して実質的に平行の軸を中心に前記折畳みヘッドと同期して回転するように設定されたホイール(32)の周りに所定角度で離間する複数の移送機構(33)を備え、前記消費者製品を搬送するコンベア(31)へ折り畳まれた前記チラシ(2)を移送する分配ユニット(30)を含む、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に消費者製品、典型的にはタバコの箱及びその類似品の包装用機械に使用するために折畳みチラシを形成しこれを付与する方法及びこの方法を実施できる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの箱等、ある種の消費者製品は、特定製品に関する情報及び/又はその他の販売情報が印刷された少なくとも二つ折りのクーポンまたはチラシを含むのが慣例である。
【0003】
特にタバコの箱の場合、このような折畳みチラシは、未開封の箱の配送及び貯蔵時に視認できるように、概ね、箱と透明可撓性材料による上包フィルムとの間に設置される。このため、折畳みチラシは、タバコの箱を透明フィルム材で包む前に、タバコの箱(一般に箱の裏面)に付与される。
【0004】
先行技術は、すでに切断され折り畳まれたチラシを積んだ山から一枚ずつ取って使用することによってまたは事前に折り畳まれた細片材料のロールから処理中の個別のチラシを切断することによって作動するように設計された、タバコの箱に折畳みチラシを付与する装置を含む。
【0005】
特許出願第EP 1599386号は、事前に印刷されたクーポンの連続ロール及び横カッター組立体を使用してクーポンまたは「添付品(onsert)」を折り畳んでタバコの箱など消費者製品に付与するための機械を開示する。カッター組立体は、連続材料を個別のクーポン切片に分割する。各クーポン切片は予め印刷され側−側並置された一対のクーポンを含む。折畳み機構は各切片を受け取り、少なくとも一本の横折畳み線に沿って二つ折りする。次に、折り畳まれたクーポン切片は、長手方向のカッター組立体によって2枚の個々のクーポンまたは添付品に分割される。運搬システムは折り畳まれたクーポンを順番に一枚ずつ受け取り、これを二重分散経路に沿って移動させる。この経路において、クーポンは、運搬システムの排出端において相互に離間する一対のラグベルトコンベア(lug belt conveyor)によって捕捉される。各ラグベルトコンベアは、展開可能な長さに沿って等間隔に離間する横ラグを備える。クーポンはラグに当接設置される。クーポンは、相互に離間する一対のアプリケータホイールによって、コンベアから、離間してアプリケータホイールを通過する消費者製品へ移される。
【0006】
当分野における先行技術の解決法は、特に今日使用されている非常に高い生産速度で稼動できる包装機械の使用に関する製造業者の要求に完全には応えていない。
【0007】
特に、一つの欠点は、チラシを折り畳む工程に要求される精度レベルを保証できないことである。消費者に対して製品を最適に提示するために、二つ折りにされたチラシの折り重なり部分が完全に整列することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP1599386
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、消費者製品を包装するために使用される機械において折畳みチラシを形成しこれを消費者製品、典型的にはタバコの箱及びその類似品に付与することができる方法を提供して、上記の問題を克服することである。
【0010】
本発明の別の目的は、開示される方法を実施するために設計され、特に高速度で作動できる包装機械と連動して使用するために設計される、折畳みチラシを形成してこれを付与するための装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、チラシを折り畳むときに高精度を可能にするように折畳みチラシを形成し付与するための装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、信頼でき、多目的でかつ比較的安価に実現できる構造及び操作の点で単純設計を特徴とする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的は、本発明に従って、特許請求の範囲に記載される折畳みチラシを形成し付与するための方法及び装置により実現される。
【0014】
具体的には、包装機械において折畳みチラシを形成し付与する本発明による方法は、細片材料から得た個別のチラシを、前記チラシの一部を捕捉し保持するように、各々が設計されかつ前記チラシと係合する拘束手段に対して、回転駆動する巻取り部材の周りに巻取り、前記チラシに形成された少なくとも一本の長手を横切る横折り目線に沿って前記巻取り部材の周りに前記チラシを折り曲げることによって長手方向に整合する折畳みを形成する工程を含む、包装機械において折畳みチラシを形成し付与する方法であって、
−連続的細片材料を切断装置へ供給する工程と、
−前記細片材料を、長手を横切る方向に切断して個別のチラシを形成する工程と、
−前記チラシの各々に、前記チラシに沿って長手方向に整合する複数の折重ね部分を画定するのに役立つ少なくとも一本の前記横折り目線を形成する工程と、
−前記チラシの少なくとも一つの先端部を、前記横折り目線に対して平行の軸を中心に回転可能なそれぞれの巻取り部材へ移送する工程と、
−長手方向に整合する前記折重ね部分を画定する少なくとも一本の前記横折り目線に沿って折り曲げを誘導して前記チラシを前記巻取り部材に巻き付けるように、前記チラシと係合する前記拘束手段に対して前記巻取り部材を回転するように設定する工程と、
−前記巻取り部材から折り畳まれた前記チラシを捕捉して、それぞれの消費者製品に付与する工程とを含む、ことを特徴とする。
【0015】
(この段落の記載を削除)
【0016】
好適方法によれば、前記巻取り部材に前記チラシを巻き付ける前記工程が、折畳みヘッドの回転方向と一致する回転方向において、前記折畳みヘッドの回転軸に対して平行の軸を中心とする個々の前記巻取り部材の回転と同時に、折り畳まれるべき前記チラシが捕捉される点と折り畳まれた前記チラシが解放される点との間で、前記巻取り部材が取り付けられた折畳みヘッドを回転することにより前記巻取り部材(23)の旋回運動を誘導することによって実行される。
【0017】
好適方法によれば、前記巻取り部材に前記チラシを巻き付ける前記工程において前記チラシの少なくとも一つの後方部が前記拘束手段に接触維持される。
【0018】
包装機械において折畳みチラシを形成し付与するための本発明による装置は、
−連続的細片材料を個別のチラシに分割する切断装置と、
−連続する各チラシに少なくとも一つの折り目線を付ける折り目付けユニットと、
−前記チラシに形成された少なくとも一本の長手を横切る横折り目線に沿ってそれぞれの巻取り部材の周りに個別の前記チラシを折り曲げることによって長手方向に整合する折畳みを形成するように、前記チラシと係合する拘束手段に対して回転駆動すると共に前記チラシの一部を捕捉し保持するように各々が設計された巻取り部材を備えた折畳み装置と、
−前記巻取り部材上に折り畳まれた前記チラシを捕捉するグリップ手段と、を含み、
前記巻取り部材(23)の各々が、前記折畳み装置の折畳みヘッドであって前記巻取り部材の旋回運動を誘導するように回転可能な折畳みヘッドに取り付けられかつそれぞれの中軸を中心に回転可能な両凸面形状を有する要素で構成されている、ことを特徴とする。
【0019】
(この段落の記載を削除)
【0020】
好適装置によれば、折り畳まれる前記チラシの先端部を捕捉するために、前記両凸面形状を有する要素の各々が、少なくとも一端付近に真空手段に連結可能な一組の穴を有する。
【0021】
好適装置によれば、前記巻取り部材は、折り畳まれるべき前記チラシが捕捉される点と折り畳まれた前記チラシが解放される点との間の前記折畳みヘッドの回転によって旋回運動を誘導され、かつ同時に前記折畳みヘッドの回転軸に対して平行の中軸を中心に前記折畳みヘッドの回転方向(A)と一致する回転方向(B)に回転する。
【0022】
好適装置によれば、拘束手段は、前記巻取り部材を担持する前記折畳みヘッドの周りに伸長した側壁で構成され、前記チラシが前記折り目付けユニットにより捕捉される点と折り畳まれた前記チラシが前記巻取り部材から解放されて前記グリップ手段によって捕捉される点との間に円弧状に伸長している。
【0023】
好適装置によれば、前記折畳みヘッドに対面する前記側壁の面が所定形状の作動面を形成し、適宜の真空手段との連結によって前記作動面上に吸引力が維持される。
【0024】
好適装置によれば、前記巻取り部材から折り畳まれた前記チラシを捕捉するグリップ手段が、前記折畳みヘッドに蝶番式に取り付けられ、前記巻取り部材に隣接して設置され、かつ前記折畳みヘッドの回転軸に対して平行の軸を中心に枢軸回転可能な複数の吸引カップグリッパ要素で構成されている。
【0025】
好適装置によれば、前記折畳み装置の前記グリップ手段から折り畳まれた個別のチラシを捕捉して、前記チラシをそれぞれの消費者製品に付与するように、前記折畳みヘッドの軸に対して実質的に平行の軸を中心に前記折畳みヘッドと同期して回転するように設定されたホイールの周りに所定角度で離間する複数の移送機構を備え、前記消費者製品を搬送するコンベアへ折り畳まれた前記チラシを移送する分配ユニットを含む。
【0026】
即ち、包装機械において折畳みチラシを形成し付与するための本発明による方法は、細片材料から個別のチラシを切断する工程と、各チラシに少なくとも一本の長手を横切る方向の横折り目線を付ける工程と、チラシに対して各巻取り部材を回転するように設定することによってそれぞれの巻取り部材のまわりにチラシを巻き付ける工程と、少なくとも一本の横折り目線に沿ってチラシを折曲げて長手方向に整列した少なくとも二つの折畳みを形成する工程と、を含む。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、巻取り部材は、各々チラシに示される少なくとも一本の横折り目線に対して平行の中軸を中心に回転可能な両凸面形状の要素から成る。両凸面輪郭の要素は、少なくとも一本の横折り目線に沿って折り畳まれるチラシの一部を巻取り且つ保持するように設計される。
【0028】
本発明は、同様に、折畳みチラシを形成し付与するための装置に関する。この装置は、所定角度で離間する複数の周辺巻取り部材を担持する回転可能な折畳みヘッドを含む。巻取り部材は、各々が一枚のチラシを捕捉、保持し、その後これで包まれるように設計される。巻取り部材は、折畳みヘッドと同時かつ同期して旋回しながら個別に回転するように設定される。巻取り工程において、チラシの自由後方部は、チラシが巻取り部材に巻取られ、チラシに示される少なくとも一本の折り目線に沿って曲折するように、固定拘束手段を付勢する。
【0029】
次に、添付図面を参照しながら例として本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】折畳みチラシを形成し付与するための本発明による装置の前面図である。
図2】連続的作動工程における前記装置の一部を構成する巻取り部材の前面図である。
図3】連続的作動工程における前記装置の一部を構成する巻取り部材の前面図である。
図4】連続的作動工程における前記装置の一部を構成する巻取り部材の前面図である。
図5】連続的作動工程における前記装置の一部を構成する巻取り部材の前面図である。
図6】折畳みチラシを消費者製品に付与するための分配ユニットを示す前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付図面を参照すると、番号1は、折畳みチラシを形成し付与するための装置全体を示す。更に詳細には、前記装置はタバコの箱3またはその類似品を生産する包装機械に使用するためのものである。
【0032】
チラシ2は、ロールから巻出されて一組の連続駆動ピンチローラー4によって曲線供給経路に沿って進む連続細片シート(sheet)材料20から取得することができる。細片材料20は切断装置5へ送られる。切断装置は細片シート材料20に対して連続的横ストロークを行って、一連の個別のチラシ2を生産する。切断装置5は、装置の構造体10にしっかりと固定された固定ブレード7と連動して作動するように設計され6で示された回転ブレードを含む。回転ブレードは実質的に水平の軸を中心に回転するように設定されたディスク8によって担持される。回転ディスク8は、その周面上に所定程度の吸引を生成するように、周面へ通じかつ真空手段と連結可能な一組のダクトを備えると有利である。
【0033】
チラシ2の供給方向に沿って切断装置5の下流には、前記チラシ2に一連の横折り目線を付けるように設計された折り目付けユニット11が設置される。折り目線は、各チラシ2に沿って長手方向に整列するそれぞれの折畳みまたは折重ね部分を形成する役割をする。折り目付けユニット11は、切断装置5の回転ディスク8の軸に対して平行の軸を中心に回転する一対の逆回転ローラー12及び13を含む。二つのローラー12及び13の周速は同じであり、その結果、その相対的角速度は接点においてゼロになる。より精確には、折り目付けユニット11は、切断装置のディスク8と反対にかつこれに対して実質的に接線方向に回転する第一運搬ローラー12(この上をチラシが前進する)と、適宜に離間する複数のブレード14を周辺に備える第二折り目付けローラー13を含む。第二折り目付けローラーはチラシ2に上記の折り目線を付ける。第一運搬ローラー12は、周面に所定程度の吸引を生成できるように、周面へ通じかつ真空手段に連結可能な一組のダクトを備える。
【0034】
チラシ2の供給方向に沿って折り目付けユニット11の下流には、装置21が設置される。この装置は、上記の折り目線に沿ってチラシ2を折り曲げ、折り畳む。折畳み装置21は、折り目付けユニット11のローラー12及び13の軸に対して平行の実質的に水平の軸を中心に矢印Aによって示される方向に回転可能なディスク形のヘッド22として形成される。折畳みヘッド22は、所定角度で離間した複数の巻取り部材23を周辺に備える。巻取り部材は個別のチラシ2を捕捉、保持し、成形要素に巻きつけて、上記の折重ね部分を形成する。各巻取り部材23は、折畳みヘッド22の回転軸に対して平行の中軸に合致する関連ピボット24に回転可能に取り付けられる両凸面外形を有する要素から成り、折畳みヘッド22の回転と同期して矢印Bによって示される方向に回転する。個々の巻取り部材23は、折り畳まれるチラシ2を捕捉して保持するために所定程度の吸引力を生成するように、少なくとも一つの端に真空手段に連結可能な一組の穴(図示せず)を有する。
【0035】
巻取り部材23は、折畳みヘッド22の周りに設置されかつチラシ2が折り目付けユニット11から捕捉される点と折り畳まれたチラシ2が解放される点との間で約180度の円弧を描く側壁として形成される固定拘束手段25と連動して作動するように設計される。側壁25の折畳みヘッド22に対向する面は、拘束手段の作動面を形成する一連の凹部26を有するように形成される。その曲率は巻取り部材23の両凸面輪郭とほぼ一致する。側壁25は、前記作動面において弱い吸引を維持できるように真空手段に連結される。
【0036】
折畳みヘッド22は、各々がそれぞれの巻取り部材23に連結されかつ一緒に旋回する複数の吸引カップグリッパ27も担持する。吸引カップグリッパは、折り畳まれたチラシ2を前記解放点において前記巻取り部材23から捕捉する。吸引カップグリッパ27は、各々がピボット29を介して折畳みヘッド22に蝶番式に取り付けられた関連ロッド28の先端に設置される。ピボットの軸は折畳みヘッド22の回転軸に対して平行に設置される。従って、吸引カップグリッパ27のロッド28は、折畳みヘッド22の回転軸と半径方向に整合する位置へ向かって、また、それから離れるように枢軸回転可能である。
【0037】
巻取り部材23は、折畳まれたチラシ2が吸引カップグリッパ27へ移送される時点で解放点を空にするように、関連アクチュエータ手段によって誘導される軸方向連動も可能である。
【0038】
参照番号30は折畳み装置21の下流に設置される分配ユニットを示す。分配ユニットは、包装機械の一部を形成しかつ矢印D(図6)の方向に連続的に駆動されるタバコの箱3を搬送するコンベア31へ、折り畳まれたチラシ2を移送する。分配ユニット30は折畳みヘッド22の軸に実質的に平行の軸を中心に回転するように設定されるホイール32を含み、折畳みヘッド22の回転と同期して矢印Cの方向に回転する。
【0039】
ホイール32は、周辺に所定角度で離間する複数の移送機構33を担持する。移送機構は、折畳み装置21の吸引カップグリッパ27から折り畳まれたチラシ2を受け取り、それぞれのタバコの箱3に付与する。タバコの箱には各々事前に適宜接着剤が付与されている。
【0040】
移送機構33は、基本的に、ホイール32に放射状に設置される軸を中心に回転できるように取り付けられるシャフト35の自由端によって担持されるピックアップヘッド34から成る。ピックアップヘッド34は、折畳みチラシ2の捕捉及び移送工程においてその上面に適度の吸引力を生成できるように真空手段に連結可能である。ピックアップヘッド34は、タバコの箱3に付与される折畳みチラシ2の配向を変えて、タバコの箱3に対して長手方向に上記折り目線を合わせるように、シャフト35を回転させることによって90度の枢軸回転が可能である。
【0041】
折り畳まれたチラシ2を折畳み装置21からそれぞれのタバコの箱3へ移送する工程において、チラシ2はホイール32の周りに伸長する弓状の拘束手段36と係合する。弓状の拘束手段36の役割は折り畳まれたチラシ2が跳ねて開かないようにすることである。また、各々の移送機構33には整合要素37が結合される。整合要素は、基本的に、矢印Cの回転方向に沿ってピックアップヘッド34の後に蝶番式にホイール32に取り付けられるフィンガから成り、ホイール32の軸に対して平行な軸38を中心にして枢軸回転可能である。整合要素37は、係合解除位置と、ピックアップヘッド34によって捕捉されたチラシ2の縁にフィンガが当接する起立作動位置との間で適宜の固定カム手段(図示せず)によって、角移動して、チラシ2が正確に位置決めされるようにする。
【0042】
弓状拘束手段36の排出端に固定される圧力手段39は、チラシ2を折り畳んで、折り重なり部分を合わせる作業を完了するために役立つ。この圧力手段39は、折り畳まれたチラシ2の縁に係合して、該当の折り目線を平らにするように設置された一対の圧力ローラーとして実現されると有利である。
【0043】
本発明に係る方法によってどのように折畳みチラシを形成して付与するかは、以上の説明から容易に理解できる。
【0044】
切断装置5によって連続細片20から初期に分離された個々のチラシ2は、折り目付けユニット11へ移送される。折り目付けユニットは前進するチラシ2に一連の横折り目線を形成する。実際には、折り目線の数は、折重ね部分を形成するためにチラシが二つ折りにされる回数に等しい。また、様々なニーズ及び好みに合わせるために、折重ね部分をチラシの長軸に沿って測定して異なる寸法にすることができる。
【0045】
折り目線が付けられた後、チラシ2は順番に折畳み装置21へ移送され、ここで、一枚ずつ一連の折り曲げ作業を受ける。その結果、前記折り目線によって画定される折重ね部分は上下に重なる。この目的で、各チラシ2の先端部2aが、まず、折畳みヘッド22の周辺上を旋回するそれぞれの巻取り部材23によって捕捉される(図2)。特に、チラシ2の先端部は巻取り部材23の両凸面要素に定着し、折畳みヘッドから離れる方向の凸面を占める。チラシ2は、巻取り部材23の穴を介して生成される吸引によってこの位置に保持されて、徐々に折り目付けユニットの運搬ローラー12から引き寄せられる。チラシの先端部2aが捕捉される時点で、巻取り部材23が折畳みヘッド22に実質的に接触する平面を占領し、固定側壁25に形成された第一凹部26の凹面形状に近接して旋回することが重要である。その結果、チラシ2の後方部2cは運搬ローラー12から引き離されて、側壁の下に引き出される(図2)。
【0046】
折り畳まれるチラシ2が運搬ローラー12から完全に分離されたら、巻取り部材23は、中軸を中心に関連ピボット24上を回転し始める。要するに、この後者の工程において、巻取り部材23の運動は、折畳みヘッド22の回転によって誘導される旋回運動と、同時にかつ同期して生じるピボット24を中心とする回転との組合せである。巻取り部材23が軸中心に回転するとき、前進するチラシ2は、側壁25によって拘束されて、巻取り部材に強制的に巻き付けられる。巻取り部材23の回転方向B及び折畳みヘッド22の回転方向Aは一致する。チラシ2は第一折り目線に沿って折り曲げられ、折畳みヘッド22から離れる方向への回転段階(図3)において、先端部2aが占める表面とは反対側の両凸面要素の凸状表面に後方部2bが定着する。この工程において、チラシ2の後方部2cは、側壁の作動面を介して生成される弱い吸引力によって保持されて、側壁25の該当の凹部26上をスライドする。側壁は、上述のように、真空手段に連結される。
【0047】
チラシ2が横折り目線に沿って欠陥なく折り曲がるようにするために、各々が両凸面形状の要素を備える巻取り部材23は特殊な形状に設計されることが重要である。実際には、折り目線は、巻取り部材23の二つの対向縁と実質的に一致するように位置決めされる。同様に、巻取り部材23の軸上での回転によって形成される巻取り作用の効果は、それぞれの折り目線に沿ってチラシを折り曲げることによって(図4)チラシ2の連続部分を折畳めることである。実際には、チラシ2の各部分を次の部分に折畳む工程は、巻取り部材23の180度の回転を含む。
【0048】
所定数の折畳みの完了によって、チラシ2は、チラシ2を巻取る巻取り部材23と整合するように枢軸運動によって位置決めされる吸引カップグリッパ27に捕捉される。ロッド28の枢軸回転(pivoting)運動によって、吸引カップグリッパ27は、まだ巻取り部材に巻き付いている折り畳まれたチラシ2と係合する(図4)。折り畳まれたチラシ2が吸引カップグリッパ27によって捕捉されると同時に、巻取り部材23は、折り畳まれたチラシ2を解放して解放点を空にするように軸方向に移動する。
【0049】
吸引カップグリッパ27によって捕捉された折畳みチラシ2は、分配ユニット30へ送出され、その後分配ユニットによってコンベア31(この上をタバコの箱3が前進する)へ移送される(図5)。このために、各移送機構33のピックアップヘッド34が、ヘッド34によって捕捉される折畳みチラシ2を搬送するそれぞれの吸引カップグリッパ27よりも速くも遅くもなく旋回するように、分配ユニット30のホイール32は、折畳みヘッドの周速と同じ周速で回転するように設定される。
【0050】
移送工程(図6)において、個別の折畳みチラシ2は90度回転して、下方の前記コンベア31に沿って前進するタバコの箱3と長手方向に整列する。このとき、折重ね部分が平らかつコンパクトになるように、各連続するチラシの縁に圧力が加えられる。
【0051】
折畳みチラシの形成及び消費者製品、特にタバコの箱及びその類似品への付与を最適化する目的は、開示された方法及び装置を使用して適切に達成される。この方法及び装置はチラシの折畳み作業に高レベルの精度を与えることができる。
【0052】
このような成果は、主に、予め付けられた折り目線に沿って個々のチラシを折り曲げて必要な数の折重ね部分を形成するように、個々のチラシを関連する巻取り部材に巻き付けることによって折畳みチラシを形成する発明的工程に起因する。両凸面形状の要素を備える前記巻取り部材の特殊な形状は、チラシが折り目線に沿って欠陥なく折り畳まれるようにするのに役立つ。
【0053】
特に有利なのは、高速運転可能な包装機械に最適効果で本発明による方法及び装置を採用できることである。更に精確には、チラシは、必要な場合には適宜真空手段によって生成される吸引によって保持され、高速でチラシを処理し移送できる構成要素を使用して様々な作業工程に搬送される。
【0054】
例示として説明され図示される装置は特定の要件に応じて様々に実施できる。例えば、細片材料から個別のチラシを切断する前に材料に折り目線を付けることができる。更に、個別のチラシの折重ね部分の数及び寸法を適宜変えることができる。
【0055】
巻取り部材は、折り畳まれる特定のチラシの寸法に応じて交換可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0056】
2 チラシ
3 消費者製品(タバコの箱)
5 切断装置
11 折り目付けユニット
20 細片材料(細片シート材料、連続細片)
22 折畳みヘッド(ヘッド)
23 巻取り部材
25 拘束手段(側壁、固定拘束手段、固定側壁)
27 グリップ手段(吸引カップグリッパ)
30 分配ユニット
31 コンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6