(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態である端末1の正面外観を示す図である。
図1に示す端末1は、ユーザが所望の文字(例えば、ひらがな、カタカナ、英数字、記号等)を選択して入力できるものであり、例えば、スレートPC、携帯電話機、電子書籍端末、携帯音楽プレーヤ、ゲーム機等が挙げられる。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の端末1は、その筐体の表面上にタッチパネル付きLCD(Liquid Crystal Display)2を備える。タッチパネル付きLCD2には、本文表示部3及び選択候補表示部4が備えられる。本文表示部3は、ユーザにより、選択された文字(文字列)又は入力された文字(文字列)が表示される領域である。選択候補表示部4は、ユーザにより選択される候補となる文字列が表示される領域である。
図1の例では、本文表示部3において、「こんにちは」という文字列が表示されている。この文字列「こん
にち」は、入力された文字列である(文字列の下部にバーが表示されていない)。また、文字「は」は、現在選択されている文字である(文字の下部にバーが表示されている)。また、文字「は」の右側には、カーソルが表示されている。また、
図1の例では、選択候補表示部4において、「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」、「゛」、「゜」というは行の文字列が表示されている。このは行の文字列のうち、最も大きく表示されている文字「は」は、現在選択されている文字である(本文表示部3においてカーソルの左側に表示されている文字と一致する)。
【0015】
また、
図1に示すように、タッチパネル付きLCD2の本文表示部3には、右指用操作部5及び左指用操作部6が設けられている。右指用操作部5は、ユーザが右手の指(例えば親指)を接触させた状態で、矢印a又はbに示す方向にスライドする操作を行う領域である。また、左指用操作部5は、ユーザが左手の指(例えば親指)を接触させた状態で、矢印c又はdに示す方向にスライドする操作を行う領域である。スライドする操作(スライド操作)とは、指をタッチパネル上に接触させてこする操作である。このスライド操作により、文字選択操作が行われる。なお、
図1では、図面上の上下左右を端末1の上下左右として定義する。よって、矢印a、cに示す方向は上方向となり、矢印b、dに示す方向は下方向となる。
【0016】
また、
図1では、ユーザが、右手及び左手の親指以外の指で端末1の両側を保持している状態を示している。この状態のとき、ユーザは、右手の親指及び左手の親指で上記スライド操作を行うことになる。よって、右指用操作部5及び左指用操作部6は、ユーザの各親指が届いてスライド操作を行うことができる位置(範囲)に備えられる必要がある。
【0017】
なお、
図1の例では、右指用操作部5及び左指用操作部6を本文表示部3内に設ける構成としたが、これに限定されない。例えば
図2に示すように、右指用操作部5及び左指用操作部6を、タッチパネル付きLCD2の本文表示部3外に設けるようにしてもよい。あるいは、端末1の筐体の左右の側面にタッチパッド等が設けられている場合は、左右のタッチパッドをそれぞれ右指用操作部5及び左指用操作部6としてもよい。その場合、ユーザは、親指の代わりに、人差し指等で操作できる。
【0018】
また、
図1の例では、選択候補表示部4において1つの文字列だけを表示する構成としたが、これに限定されない。例えば
図2に示すように、3つの文字列を表示するようにしてもよい。
図2の例では、は行の文字列の上下に、ま行とな行の文字列をそれぞれ表示するようにしている。この場合でも、最も大きく表示されている文字「は」が、現在選択されている文字である。
【0019】
次に、本実施形態の端末1の主要構成について
図3を参照して説明する。
図3に示すように、端末1は、上述したタッチパネル付きLCD2の他に、コントローラとしての、CPU(Central Processing Unit)7、RAM(Random Access Memory)8、ROM(Read Only Memory)9を備える。
【0020】
タッチパネル付きLCD2には、
図1、2に示した、本文表示部3、選択候補表示部4、右指用操作部5、左指用操作部6が備えられる。LCDは本文表示部3と選択候補表示部4を備え、タッチパネルは右指用操作部5と左指用操作部6を備える。
【0021】
ROM9には、選択候補データ10、変換候補データ11、表示制御データ12が記憶されている。選択候補データ10は、ユーザによって選択される候補としての複数の文字を示すデータである。この選択候補データ10は、複数の文字として、ひらがな、カタカナ、英数字、記号等を含み、所定の配列となっている(詳細は
図4を用いて後述する)。変換候補データ11は、ユーザによって選択された文字(文字列)が変換される候補とし
ての文字(文字列)を示すデータである(詳細は
図6を用いて後述する)。表示制御データ12は、右指用操作部5及び左指用操作部6で受け付けられる操作毎に、どのような表示制御を行うかが定義されたデータ(本実施形態のプログラム)である。CPU7は、右指用操作部5及び左指用操作部6で操作を受け付けた場合、この表示制御データ12に基づいて、選択候補データ10や変換候補データ11を読み出し、本文表示部3及び選択候補表示部4の表示の制御を行う。この表示制御の具体例については、
図4〜
図7を用いて後述する。RAM8は、CPU7がこの表示制御を行うときに使用される作業用メモリである。
【0022】
ここで、選択候補データ10について、
図4を用いて説明する。
図4に示すように、選択候補データ10は、複数の文字が所定の配列で並んだデータである。
図4の配列例では、横方向の1列(以下、行という)の文字数は10文字となっている。また、
図4では、ひらがなの配列については、五十音順の行単位となっている。このような配列のうちの所定の1行が、
図1に示す選択候補表示部4に表示される(
図2の場合は3行が表示される)。なお、
図1、
図2の選択候補表示部4の表示例では、
図4に示す所定の1行のうち7文字又は5文字の表示としているが、1行における全ての文字(10文字)を表示するようにしてもよい。
【0023】
図4に示す矢印a、bは、
図1に示す矢印a、bに対応しており、
図4に示す矢印c、dは、
図1に示す矢印c、dに対応している。ユーザが右指用操作部5にて
図1の矢印aに示す上方向にスライド操作を行った場合、CPU7は、選択候補データ10を行毎に、
図4の矢印aに示す上方向にスクロールさせる。同様に、ユーザが右指用操作部5にて
図1の矢印bに示す下方向にスライド操作を行った場合、CPU7は、選択候補データ10を行毎に、
図4の矢印bに示す下方向にスクロールさせる。そして、CPU7は、スライド操作が終わった時点で、スクロールを停止させる。このとき、選択候補表示部4には、スクロールが停止した時点の行が表示される。つまり、ユーザは、右指用操作部5のスライド操作を行いながら選択候補表示部4に表示される行を視認していき、所望の行が表示された時点でスライド操作を終了するようにすることで、所望の行を選択することができる。なお、上記スクロールは、上下方向(矢印a、b)及び左右方向(矢印c、d)において、循環(ループ)する。
【0024】
一方、ユーザが左指用操作部6にて
図1の矢印cに示す上方向にスライド操作を行った場合、CPU7は、選択候補データ10の所定の行(選択候補表示部4に表示中の行)の各文字を、
図4の矢印cに示す右方向にスクロールさせる。同様に、ユーザが左指用操作部6にて
図1の矢印dに示す下方向にスライド操作を行った場合、CPU7は、選択候補データ10の所定の行(選択候補表示部4に表示中の行)の各文字を、
図4の矢印dに示す左方向にスクロールさせる。そして、CPU7は、スライド操作が終わった時点で、スクロールを停止させる。このとき、選択候補表示部4には、スクロールが停止した時点の順番で各文字が表示される。つまり、ユーザは、左指用操作部6のスライド操作を行いながら選択候補表示部4に表示される文字を視認していき、選択候補表示部4の真ん中(最も大きい表示となる部分)に所望の文字が表示された時点でスライド操作を終了するようにすることで、所望の文字を選択することができる。
【0025】
ここで、ユーザが、ひらがなの文字「も」を選択する場合の例について、
図5を用いて説明する。例えば、選択候補データ10では、ひらがなのあ行が初期表示として予め設定されているとする。よって、CPU7は、ユーザにより文字選択が開始される際には、
図5(a)に示すように、選択候補表示部4に選択候補データ10のあ行を表示させる。
【0026】
ユーザは、右指用操作部5にて矢印a又はbに示す方向にスライド操作を行う。CPU7は、このスライド操作の方向に応じて選択候補データ10を上下方向にスクロールさせ
、選択候補表示部4に表示させる。ユーザは、
図5(b)に示すように、選択候補表示部4にま行が表示された時点で、右指用操作部5でのスライド操作を終了する。次に、ユーザは、左指用操作部6にて矢印c又はdに示す方向にスライド操作を行う。CPU7は、このスライド操作の方向に応じて選択候補表示部4に表示中のま行の各文字を左右方向にスクロールさせ、選択候補表示部4に表示させる。ユーザは、
図5(c)に示すように、文字「も」が選択候補表示部4の真ん中に表示された時点で、左指用操作部6でのスライド操作を終了する。このようにして、ユーザは、右指用操作部5で所望の行を選択し、左指用操作部6で所望の文字を選択する。このとき選択された文字(選択候補表示部4の真ん中に表示された文字)は、本文表示部3においてカーソルの左側に表示され、下部にバーが付される。なお、バーが付された文字は、仮入力である。仮入力とは、その他の表示(例えば、漢字、カタカナ、数字等)に変換することができる状態をいう。これに対し、本入力とは、その他の表示に変換することができない状態をいう。
【0027】
次に、本文表示部3において、仮入力された文字の変換の例について、
図6を用いて説明する。
図5の例では、上述した右指用操作部5及び左指用操作部6の操作により、ひらがなの文字列「たかはし」が仮入力された状態を示している。
【0028】
ここで、ユーザが文字列「たかはし」を他の表示に変換したい場合、右指用操作部5及び左指用操作部6において変換候補表示操作(詳細は後述)を行う。この変換候補表示操作を受け付けると、CPU7は、ROM9の変換候補データ11の中から、文字列「たかはし」に紐付けられている変換候補としての文字列を読み出し、変換候補表示部13に表示させる。
図5の例では、変換候補表示部13において、文字列「たかはし」のその他の表示として、複数の漢字、ひらがな、カタカナが表示されている。また、変換候補表示部13に表示された複数の文字列のうち、一番上に表示されている漢字「高橋」には、変換カーソルが表示される。ユーザは、右指用操作部5にて矢印a又はbに示す方向にスライド操作(変換候補選択操作の一例)を行うことで、変換カーソルを上下方向に移動させることができる。ユーザは、変換カーソルを所望の文字列に移動させた後で、変換候補決定操作(詳細は後述)を行う。ここでは例として、漢字「高階」が選択されたとする。この変換候補決定操作を受け付けると、CPU7は、仮入力された文字列「たかはし」を、漢字「高階」に置き換えて表示する。これにより、仮入力が終了し、漢字「高階」が本入力される。よって、本文表示部3に表示される「高階」には、バーが付されないで表示されることになる。
【0029】
次に、本実施形態の端末1の動作について以下にまとめる。
図7は、端末1の動作例を示すフローチャートである。また、
図9は、端末1の動作例における状態の遷移を示す図である。
【0030】
ユーザによって右指用操作部5又は左指用操作部6にてスライド操作が行われると、CPU7は、そのスライド操作がどの方向(一次元的動きの向き)であるかを判断する(S1)。
【0031】
スライド操作が
図1に示す矢印aの方向である場合(S1/a)、CPU7は、
図4に示す選択候補データ10を上方向(
図4の矢印aの方向)にスクロールさせ、選択候補表示部4における行の表示を切り替える。
【0032】
スライド操作が
図1に示す矢印bの方向である場合(S1/b)、CPU7は、
図4に示す選択候補データ10を下方向(
図4の矢印bの方向)にスクロールさせ、選択候補表示部4における行の表示を切り替える。
【0033】
スライド操作が
図1に示す矢印cの方向である場合(S1/c)、CPU7は、
図4に
示す選択候補データ10を右方向(
図4の矢印cの方向)にスクロールさせ、選択候補表示部4における文字の表示を切り替える。
【0034】
スライド操作が
図1に示す矢印dの方向である場合(S1/d)、CPU7は、
図4に示す選択候補データ10を左方向(
図4の矢印dの方向)にスクロールさせ、選択候補表示部4における文字の表示を切り替える。
【0035】
CPU7は、ユーザによるスライド操作が終了されたときに、仮入力決定操作が行われたかどうかを判断(検出)する(S6)。仮入力決定操作とは、ユーザが、上記いずれかのスクロールの結果として例えば
図1の選択候補表示部4の真ん中に表示された文字を、仮入力として決定するための操作である。仮入力決定操作の例としては、以下の一連の操作が挙げられる。すなわち、ユーザは、所望の文字が選択候補表示部4の真ん中に表示されたことを確認したら、まず、左手の指を左指用操作部6に、かつ、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま動かさないようにする。次に、ユーザは、左手の指を左指用操作部6に接触させたまま、右手の指を右指用操作部5から離し、すぐに右手の指を右指用操作部5に接触させる。CPU7は、このような一連の操作を仮入力決定操作と判断する。なお、同じ文字を連続して仮入力する場合には、ユーザは、左手の指を左指用操作部6に接触させたまま、右手の指を右指用操作部5から離してすぐに接触させるという操作を繰り返して行えばよい。
【0036】
S6の判断の結果、仮入力決定操作が行われない場合(S6/NO)、上述したS1へ戻る。すなわち、端末1において、
図9に示す状態1が維持される。状態1とは、仮入力なしの状態(初期状態)のことであり、具体的には、仮入力された文字が本文表示部3に表示されていない状態である。
【0037】
S6の判断の結果、仮入力決定操作が行われた場合(S6/YES)、CPU7は、選択候補表示部4の真ん中に表示された文字、すなわちユーザにより選択された文字を、本文表示部3に仮入力として表示する(S7)。このとき、仮入力として表示される文字は、カーソルの左側において、下部にバーが付されて表示される。すなわち、端末1において、
図9に示す状態2に遷移する。状態2とは、仮入力ありの状態のことであり、具体的には、仮入力された文字が本文表示部3に表示されている状態である。なお、状態2のときに、仮入力された文字の全ての消去が行われた場合は、状態1に戻る。
【0038】
CPU7は、仮入力の文字が表示されているときに、変換候補表示操作が行われたかどうかを判断(検出)する(S8)。変換候補表示操作とは、ユーザが、仮入力した文字を他の表示に変換したいときに、変換候補としての文字(文字列)を表示させるための操作である。変換候補表示操作の例としては、以下の操作が挙げられる。すなわち、ユーザは、まず、左手の指を左指用操作部6に、かつ、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま動かさないようにする。次に、ユーザは、左手の指と右手の指を同時に左指用操作部6と右指用操作部5から離し、すぐに左手の指と右手の指を同時に左指用操作部6及び右指用操作部5に接触させる。CPU7は、このような一連の操作を変換候補表示操作と判断する。
【0039】
S8の判断の結果、変換候補表示操作が行われない場合(S8/NO)、後述するS14へ進む。すなわち、端末1において、
図9に示す状態4に遷移する。状態4とは、仮入力された文字が本文表示部3に表示されており、かつ、変換候補としての文字(文字列)の表示がされておらず、かつ、後述する本入力決定操作の受け付けを待機している状態である。
【0040】
S8の判断の結果、変換候補表示操作が行われた場合(S8/YES)、CPU7は、
仮入力された文字(文字列)に紐付けられている変換候補としての文字(文字列)を、変換候補データ11の中から読み出し、読み出した文字(文字列)を本文表示部3において変換候補表示部13に表示させる(S9)。このとき、変換候補表示部13に表示された所定の文字(文字列)に変換カーソルが表示される。すなわち、端末1において、
図9に示す状態3に遷移する。状態3とは、仮入力された文字が本文表示部3に表示されており、かつ、仮入力された文字に対応する変換候補としての文字(文字列)が表示されている状態である。
【0041】
CPU7は、変換候補表示部13の表示が行われているとき、変換候補選択操作に応じて変換カーソルの表示を制御する(S10)。変換候補選択操作とは、ユーザが、表示された変換候補としての文字(文字列)の中から所望のものを選択するために、変換カーソルを移動させる操作である。変換候補選択操作の例としては、以下の操作が挙げられる。ユーザは、右指用操作部5にて矢印a又はbに示す方向にスライド操作を行う。CPU7は、変換候補表示部13の表示中に右指用操作部5でのスライド操作を受け付けた場合は、選択候補表示部4のスクロールを行わず、変換カーソルの移動を行う。すなわち、CPU7は、スライド操作の方向に応じて、変換カーソルを上下方向に移動させる。
【0042】
CPU7は、変換候補表示部13の表示が行われているときに、変換候補決定操作又は表示キャンセル操作が行われたかどうかを判断(検出)する(S11)。変換候補決定操作とは、ユーザが、変換候補選択操作により変換カーソルを所望の文字(文字列)に移動させた後で、変換カーソルが位置する文字(文字列)を本入力として決定するための操作である。変換候補決定操作の例としては、上述した仮入力決定操作と同じ操作が挙げられる。すなわち、ユーザは、変換カーソルが変換候補表示部13の所望の文字(文字列)に位置したことを確認したら、まず、左手の指を左指用操作部6に、かつ、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま動かさないようにする。次に、ユーザは、左手の指を左指用操作部6に接触させたまま、右手の指を右指用操作部5から離し、すぐに右手の指を右指用操作部5に接触させる。CPU7は、変換候補表示部13の表示中において、このような一連の操作を変換候補決定操作と判断する。また、表示キャンセル操作とは、ユーザが、変換候補表示部13の表示を終了させるための操作である。表示キャンセル操作の例としては、上述した変換候補表示操作と同じ操作が挙げられる。すなわち、ユーザは、まず、左手の指を左指用操作部6に、かつ、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま動かさないようにする。次に、ユーザは、左手の指と右手の指を同時に左指用操作部6と右指用操作部5から離し、すぐに左手の指と右手の指を同時に左指用操作部6及び右指用操作部5に接触させる。CPU7は、変換候補表示部13の表示中において、このような一連の操作を表示キャンセル操作と判断する。
【0043】
S11の判断の結果、変換候補決定操作及び表示キャンセル操作のいずれも行われない場合(S11/無し)、上述したS10へ戻る。よって、変換候補表示部13の表示が維持された状態となる(
図9に示す状態3が維持される)。
【0044】
S11の判断の結果、表示キャンセル操作が行われた場合(S11/表示キャンセル操作)、CPU7は、変換候補表示部13(変換候補データ11)の表示を終了させる。その後は、後述するS14へ進む。すなわち、端末1において、
図9に示す状態4に遷移する。
【0045】
S11の判断の結果、変換候補決定操作が行われた場合(S11/変換候補決定操作)、CPU7は、仮入力として表示中の文字(文字列)を、変換カーソルの位置合わせにより選択された文字(文字列)に置き換えて、本入力として本文表示部3に表示する(S12)。このとき表示される文字(文字列)には、下部にバーは付されない。従って、変換候補決定操作は、後述する本入力決定操作の一例と言える。S12の後は、S1へ戻る(
図9に示す状態1に戻る)。
【0046】
仮入力された文字の変換が行われない場合(S8/NO及びS13の後)、CPU7は、本入力決定操作が行われたかどうかを判断(検出)する(S14)。本入力決定操作とは、ユーザが、仮入力として表示中の文字(文字列)を、本入力として決定するための操作である。本入力決定操作の例としては、ユーザは、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま、左手の指を左用操作部6から離し、すぐに左手の指を左指用操作部6に接触させる。CPU7は、このような一連の操作を本入力決定操作と判断する。
【0047】
S14の判断の結果、本入力決定操作が行われない場合(S14/NO)、上述したS1へ戻る(
図9に示す状態
2に戻る)。
【0048】
S14の判断の結果、本入力決定操作が行われた場合(S14/YES)、CPU7は、仮入力として表示されている文字(文字列)をそのまま本入力として表示する。このとき、本入力として表示される文字は、下部にバーが付されない。S15の後は、上述したS1へ戻る(
図9に示す状態1に戻る)。
【0049】
以上が端末1における基本的な動作例であるが、ここで、ユーザによって行われるその他の操作の例について以下に説明する。以下に説明する各操作は、上記
図7の各表示制御のときと同様に、CPU7によって認識され、その操作に応じた表示制御が行われる。
【0050】
まず、仮入力された文字(文字列)の簡易的な変換の例について説明する。上記
図7の説明では、変換候補表示部13を表示させることで、仮入力された文字(文字列)の変換を行うようにしたが、変換候補表示部13を表示せずに、変換を行うことも可能である。例えば、英字の大文字を小文字に変換したい場合や、ひらがなをカタカナに変換したい場合の変換方法である。例えば、ユーザは、仮入力した英字の大文字「A」を小文字に変換したい場合、上述した変換候補表示操作を立て続けに2度行う(1度だけの場合は上述したように変換候補表示部13が表示される)ことで、仮入力された「A」が「a」に変換される。もう一度、その変換候補表示操作を立て続けに2度行うと、「a」が「A」に戻る。ひらがなとカタカナの変換についても、これと同様に行える。
【0051】
次に、本文表示部3に表示されるカーソル(
図1に示すカーソル)を移動させる例について説明する。ユーザは、左手の指を左指用操作部6から離した状態で、右手の指を右指用操作部5にて矢印a又はbの方向にスライド操作させる。これにより、カーソルは、本文表示部3において、上下方向に移動する。また、ユーザは、右手の指を右指用操作部5から離した状態で、左手の指を左指用操作部6にて矢印c又はdの方向にスライド操作させる。これにより、カーソルは、本文表示部3において、左右方向に移動する(このカーソルの移動は、
図9に示す状態1(仮入力なし)のときに可能となる)。
【0052】
次に、本文表示部3に表示中の文字(仮入力、本入力は問わない)を消去する例について説明する。ここでは、Back spaceの場合について説明する。ユーザは、まず、上述したカーソルを移動させる操作を行い、消去したい文字の右側にカーソルを移動させる。次に、ユーザは、左手の指を左指用操作部6に、かつ、右手の指を右指用操作部5に接触させたまま動かさないようにする。次に、ユーザは、左手の指を左指用操作部6から離し、すぐに左の指を左指用操作部6に接触させ、この接触と同時に右手の指を右指用操作部5から離す。その後すぐに、ユーザは、右手の指を右指用操作部5に接触させる。これにより、カーソルの左側の直近の一文字が消去される。なお、上記一連の操作において、左指と右指の操作を逆にすることで、Deleteが行われるようにしてもよい。その場合は、カーソルを、消去したい文字の左側に予め移動させる必要がある。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、両手の指を用いての文字選択操作を可能にすることで、文字選択操作の操作性の向上を実現することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、右指用操作部5及び左指用操作部6がタッチパネルである場合としたが、これに限定されない。
図8に示すように、タッチパネル付きLCD2の両側に、タッチパネルの代わりとして、タッチパッドで構成された右指操作部14及び及び左指用操作部15を備えるようにしてもよい。
【0056】
また、例えば、上記実施形態では、選択候補表示部4を単独で表示する場合としたが、これに限定されない。例えば、本文表示部3において、カーソルの左側の直近の文字表示が、選択候補表示部4を兼ねるようにしてもよい。この例を
図10に示す。
図10に示すように、カーソルの左側の直近の文字表示は、文字「ん」となっており、四角に囲まれて表示されている。この四角に囲まれた文字表示が選択候補表示部4に相当する。このように、選択候補として、行ではなく、一の文字だけがカーソルの左側に表示されるようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0058】
また、例えば、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。