(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記誘電体コア内に画定され、前記誘電体コアの遠位面から前記管状シャフトの内部体積まで伸長する縦方向の開口とをさらに含む、請求項1に記載の指向性リフレクタ・アセンブリ。
前記管状シャフトが、電気外科手術用熱灼プローブに配置された対応する突起部と操作可能に係合するように適合された、その近位端付近に画定された少なくとも1つのスロットを備える、請求項1に記載の指向性リフレクタ・アセンブリ。
前記内側シャフトまたは前記外側シャフトの少なくとも一部分が、その近位端付近に画定された少なくとも1つのスロットを備え、当該スロットが、前記電気外科手術用熱灼プローブにより設けられた、対応する突起部と操作可能に係合するように適合されている、請求項12に記載の指向性リフレクタ・アセンブリ。
【背景技術】
【0002】
ある疾患の治療では、悪性の組織の増殖物、例えば腫瘍の破壊を必要とする。電磁放射線は、腫瘍細胞を加熱し、破壊するために使用することができる。治療は、癌性の腫瘍が特定された組織に焼灼プローブを挿入することを含む。プローブが位置付けられると、電磁エネルギーがプローブを介して周辺組織に入り込む。
【0003】
癌のような疾患の治療では、ある種の腫瘍細胞は、通常、健常な細胞に有害となる温度よりもわずかに低い温度に高められた温度で変性することが知られている。温熱治療のような公知の治療方法では、不可逆的な細胞の破壊が生じる温度よりも低い温度で隣接の健常な細胞を維持しながら、41℃を超える温度まで罹病細胞を加熱する。そのような方法は、組織を加熱、焼灼および/または凝固するために電磁放射線を適用することを含む。この方法を遂行するため、マイクロ波エネルギーが使用されることもある。また、組織を加熱する電磁放射線を使用する別の処置では、組織の凝固、切開、および/または焼灼を含む。
【0004】
電磁放射線を使用する電気外科手術装置が種々の使用および適用のために開発されてきた。短期間に高集中のエネルギーを与え、さまざまな組織で切開および凝固効果を成し遂げるために用いられ得る多くの装置が利用できる。焼灼処置を遂行するために使用できる、多くの異なる種類の装置が存在する。一般的に、焼灼処置で使用するマイクロ波装置は、エネルギー源として機能するマイクロ波発生器、および標的組織にエネルギーを向けるためのアンテナ・アセンブリを有するマイクロ波の外科器具(例えば、マイクロ波焼灼プローブ)を備える。マイクロ波発生器および外科器具は、一般的に、発生器から器具にマイクロ波エネルギーを送達するため、且つ器具と発生器との間で制御、フィードバック、および識別信号を通信させるための、複数の導体を有するケーブル・アセンブリにより、操作可能に連結されている。
【0005】
使用において、例えば、モノポール、ダイポール、およびらせん形の数種類のマイクロ波アンテナのプローブが存在し、組織焼灼への適用に使用され得る。モノポールおよびダイポールのアンテナ・アセンブリでは、マイクロ波エネルギーは、通常、導体の軸から垂直に放射する。モノポールアンテナ・アセンブリは、一般的に単一の細長い導体を備えている。一般的なダイポールのアンテナ・アセンブリは、その間に置かれた電気絶縁体で端部同士が互いに直線的に配列され、位置付けられる2本の細長い導体を備える。らせん形のアンテナ・アセンブリは、さまざまな径および寸法のらせん形の導体構造を備える。らせん形のアンテナ・アセンブリの主な操作モードは、らせんにより放射される場がらせん軸と垂直平面において最大となる通常モード(横型)、および最大放射線がらせん軸に沿う軸モード(縦型)である。
【0006】
マイクロ波の伝送線は、外側導体も伝送線の軸に沿って伸長できるように、一般的に伝送線の縦軸に沿って伸長し、誘電材料により包囲され、さらに誘電材料の周囲の外側導体により包囲される長く、薄い内側導体を備えている。アンテナの一つの変形では、伝送線または同軸ケーブルの長さのような導波管構造が、エネルギーが導波管構造から「漏洩」または放射する複数の開口に設けられている。この種類の構造は、一般的に「漏洩同軸」アンテナまたは「漏れ波」アンテナと呼ばれる。
【0007】
熱灼プローブの冷却により、アンテナの総合的な加熱パターンを向上させ、アンテナへの損傷を防ぎ、かつ臨床医または患者への害を防ぐことができる。悪性細胞を変性させるために求められる温度と一般的に健常細胞傷つける温度との温度差は小さいため、周囲の正常組織への損傷を最小に保ちつつ、腫瘍細胞を撲滅させるため、既知の加熱パターンおよび正確な温度管理は、一層予測可能な温度分配をする必要がある。
【0008】
ある処置の間では、マイクロ波エネルギーが周辺組織内に放射する範囲を見積もることが困難になりかねず、それにより焼灼される周辺組織の領域または量を決定することが困難になる。例えば、標的の病変は、標的の臓器の表面上またはその付近にあるかもしれない。そのような表面の病変は、隣接する解剖学的構造への損傷を生じさせ、出血の可能性を高め、手術時間および回復時間を延ばしかねない、侵襲的熱灼用の針またはスティックを用いて処置されてきた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の一実施形態による、熱灼システムの概略図である。
【
図2】本開示による、
図1で示される熱灼システムのエネルギー・アプリケータの一実施形態の、一部分の、縦方向の断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図2の詳細部分が示される拡大図である。
【
図4】本開示による、指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図5】
図4の指向性リフレクタ・アセンブリと操作可能に関連して示される、
図2のエネルギー・アプリケータの、一部分の断面図である。
【
図6】本開示による、指向性リフレクタ・アセンブリの別の実施形態の透視図である。
【
図7A】
図6の指向性リフレクタ・アセンブリと操作可能に関連して示される、
図2のエネルギー・アプリケータの、一部分の透視図である。
【
図7B】指向性リフレクタ・アセンブリの取付け部分に結合された締結要素と共に示される、
図7Aのエネルギー・アプリケータおよび指向性リフレクタ・アセンブリの、一部分の透視図である。
【
図8】接着剤を受入れる陥所を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図9】
図8の指向性リフレクタ・アセンブリと操作可能に関連して示される、
図2のエネルギー・アプリケータの、一部分の断面図である。
【
図10】誘電性シェルおよび接着剤を受入れる陥所を備えるシェル・アセンブリを有する、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態と操作可能に関連して示される、
図2のエネルギー・アプリケータの断面図である。
【
図11】プローブの近位端に配置された、拳銃式の本体およびオス・コネクタと操作可能に関連する熱灼プローブを備える、本開示によるエネルギー・アプリケータの一実施形態の透視図である。
【
図12A】
図11のエネルギー・アプリケータのオス・コネクタへの取付けのために適合されたメス・コネクタを有する管状部分を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図13A】プローブのシャフトに搭載された
図12Aの指向性リフレクタ・アセンブリと共に示される、
図11のエネルギー・アプリケータの透視図である。
【
図13B】
図13Aのエネルギー・アプリケータおよび指向性リフレクタ・アセンブリの底面の透視図である。
【
図14A】
図12Aの指向性リフレクタ・アセンブリの代替的な実施形態の透視図である。
【
図14B】
図12Aの指向性リフレクタ・アセンブリの代替的な実施形態の透視図である。
【
図14C】
図12Aの指向性リフレクタ・アセンブリの代替的な実施形態の透視図である。
【
図15】プローブのシャフトの近位端にある位置合わせ用の突起部を有する、本開示による熱灼プローブの側面図である。
【
図16】プローブのシャフトに搭載された、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリと共に示される、
図15の熱灼プローブの側面図である。
【
図17】気体が充填された円錐開口を有する、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図18】誘電体が充填された円錐開口を有する、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図19】複数の誘電層を有する円錐開口を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図20】複数の誘電層および端部キャップを有する円錐開口を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの実施形態の透視図である。
【
図21】冷却シャフト、および複数の誘電層を有する円錐開口を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図22】冷却シャフト、および流体が充填され、かつ誘電体が充填された領域を有する円錐開口を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図23】冷却シャフト、並びに冷却液が充填された円錐開口および端部キャップを備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図24】流体が充填され、かつ誘電体が充填された領域を有する円錐開口を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図25】誘電体が充填された円錐開口、およびシャフトを覆って位置付けられたバランを備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの実施形態の透視図である。
【
図26】気体が充填された円錐開口、およびシャフトを覆って、かつ円錐内に位置付けられたバランを備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの一実施形態の透視図である。
【
図27】誘電体が充填された円錐開口、およびシャフトを覆って、かつ円錐内に位置付けられたバランを備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリの実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、ここで開示される電気外科手術装置、そこに連結可能な指向性リフレクタ・アセンブリ、およびこれらを備える電気外科手術システムの実施形態を、添付の図面を参照して説明する。同様の参照番号は、図の説明を通して類似または同一の要素に属する。対象の相対位置を参照する際、図で示され、本明細書で使用され、且つ恒例であるように、「近位」という用語は利用者に近い方の装置の位置を表し、「遠位」という用語は、利用者から離れた方の装置の位置を表す。
【0016】
通常、電磁エネルギーは、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、およびガンマ線に、エネルギーを増加させること、または波長を減少させることにより分類される。本明細書で使用されるように、通常、「マイクロ波」とは、周波数範囲が300メガヘルツ(MHz)(3×10
8サイクル/秒)〜300ギガヘルツ(GHz)(3×10
11サイクル/秒)の電磁波に関する。本明細書で使用されるように、「焼灼処置」とは、マイクロ波焼灼、高周波(RF)焼灼、またはマイクロ波補助による焼灼のような、いずれの焼灼処置にも関する。本明細書で使用されるように、「伝送線」とは通常、一点から他点へのシグナルの伝播に使用され得る、いずれかの伝送媒体を言う。
【0017】
本開示の種々の実施形態は、組織の治療のために、指向性リフレクタ・アセンブリと操作可能に関連する電気外科手術装置、および標的体積の組織に電磁放射線を向ける方法を提供する。実施形態は、マイクロ波の周波数または別の周波数の電磁放射線を使用して実施されてもよい。種々の実施形態による、指向性リフレクタ・アセンブリと操作可能に関連する、エネルギー・アプリケータを備える電気外科手術システムは、指向性放射パターンを備え、約500MHz〜約10GHzの間で操作するように設計され、構成される。
【0018】
ここに開示される電気外科手術装置、そこに連結可能な指向性リフレクタ・アセンブリ、およびこれらを備える電気外科手術システムの種々の実施形態は、マイクロ波焼灼、およびマイクロ波焼灼の補助による外科的切除のために、組織を事前に凝固するための使用に適している。以下で説明される種々の方法は、マイクロ波焼灼および標的組織の完全破壊を目的とするが、電磁放射線を向ける方法は、例えば、電気インパルスが心臓組織に伝導することを防ぐように、標的組織が部分的に破壊または損傷される別の治療法とともに使用されてもよいことが理解される。さらに、以下の説明にはダイポールマイクロ波アンテナの使用を記載するが、本開示の教示はまた、モノポール、らせん形、または別の適した種類のマイクロ波アンテナに適用してもよい。
【0019】
図1は、エネルギー・アプリケータまたはプローブ100を備える、本開示の一実施形態による電気外科手術システム10を示している。プローブ100は通常、供給線110(またはシャフト)により、伝送線15を介してコネクタ16に接続された、放射部分を有するアンテナ・アセンブリ12を備え、さらにプローブ100を電気外科手術用発電源28、例えばマイクロ波またはRFの電気外科手術用発生器に操作可能に接続することができる。
【0020】
供給線110は、任意の適した可撓性、半剛性、または剛性のマイクロ波導電性ケーブルから形成されてもよく、電気外科手術用発電源28に直接接続してもよい。代わりに、供給線110は、伝送線15を介してアンテナ・アセンブリ12を電気外科手術用発電源28に電気的に接続してもよい。供給線110は、長さが約1インチ〜約12インチに及ぶ、アンテナ・アセンブリ12の近位端から伝送線15の遠位端までの可変の長さを有してもよい。供給線110は、例えば銅、金、銀、または同様な導電率を有する別の導電性金属のような適した導電材料で形成されてもよい。供給線110は通常、組織および/または皮膚を穿孔するために必要とされる強度を提供するステンレス鋼から作製されてもよい。供給線110を形成するために使用される導電材料は、例えば導電性を向上させ、エネルギーの損失等を減少させるなどの特性を向上させるため、別の材料、例えば金または銀のような別の導電材料でめっきされてもよい。いくつかの実施形態では、供給線110は、ステンレス鋼を備えており、その導電性を向上させるため、ステンレス鋼は、銅または金のような導電材料の層で被覆されてもよい。供給線110は内側導体、内側導体を同軸に包囲する誘電材料、および誘電材料を同軸に包囲する外側導体を備えてもよい。アンテナ・アセンブリ12は、供給線110の遠位を伸長してアンテナ・アセンブリ12に入る内側導体の一部分から形成されてもよい。供給線110は、電力操作を向上させるために、液体、例えば生理食塩水または水で冷却されてもよく、ステンレス鋼のカテーテルを備えてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、発電源28は、操作周波数が約500MHz〜約2500MHzのマイクロ波エネルギーを提供するように構成される。別の実施形態では、発電源28は、操作周波数が約500MHz〜約10GHzのマイクロ波エネルギーを提供するように構成される。発電源28は、種々の電磁エネルギーの周波数を提供するように構成されてもよい。伝送線15は、付加的または代替的に、冷却源18からプローブ100に冷却液を提供するように構成された導管(図示せず)を設けてもよい。
【0022】
アンテナ・アセンブリ12の遠位端には、最小抵抗で組織に挿入できるように終端に鋭い先端123になってもよい端部キャップまたは先細の部分120が設置される。端部キャップまたは先細の部分120は、例えば円形、平形、四角形、六角形、または円筒形の先端123のような別の形状を備えてもよい。
【0023】
いくつかの変形では、アンテナ・アセンブリ12は遠位の放射部分105および近位の放射部分140を備える。接合部材130が設けられてもよい。接合部材130またはその一部分は、近位の放射部分140および遠位の放射部分105の間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、近位および遠位の放射部分140および105は、接合部材130で並んでおり、これは通常は誘電材料、例えば接着剤から作製され、また遠位の放射部分105を通って少なくとも部分的に伸長する内側導体により支持される。接合部材130は任意の適した工程により、任意の適したエラストマまたはセラミックの誘電材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、接合部材130は、重ね成形(over−molding)によって形成され、また、例えば、ポリエーテル・ブロック・アミド(例えば、フランス、コロンブのThe Arkema Groupにより製造されたPEBAX(登録商標))、ポリエーテルイミド(例えば、サウジアラビアのSABIC Innovative Plasticsにより製造されたULTEM(登録商標)および/またはEXTEM(登録商標))および/またはポリイミドベースのポリマー(例えば、米国、デラウェア州の E. I. du Pont de Nemours and Companyにより製造されたVESPEL(登録商標))のような熱可塑性エラストマを含む。接合部材130は、任意の工程により任意の適した重ね成形用の化合物を使用して形成されてもよく、セラミック基材の使用を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、アンテナ・アセンブリ12には冷却チャンバ(図示せず)が設けられてもよい。さらに接合部材130は、冷却チャンバに冷却液を流入させ、また、冷却チャンバから流出することを容易にする、冷却液の流入および流出ポート(図示せず)を備えてもよい。冷却チャンバおよび冷却液の流入および流出ポートの実施形態の例は、同一出願人の、2009年3月10に出願された、「冷却誘電緩衝されたマイクロ波ダイポールアンテナ」と題する米国特許出願第12/401,268号、および「マイクロ波アンテナを冷却するための装置および方法」と題する米国特許第7,311,703号に開示されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、アンテナ・アセンブリ12には、遠位の放射部分105、接合部材130、および/または近位の放射部分140の周りに配置された外側ジャケット(図示せず)が設けられてもよい。外側ジャケットは、例えば、ポリマーまたはセラミックの材料のような、任意の適した材料で形成されてもよい。外側ジャケットは、例えば、熱収縮、重ね成形、コーティング、吹き付けによる浸漬法、パウダー加工、焼付け、および/または膜蒸着のような、任意の適した方法により貼り付けられてもよい。外側ジャケットは、低い導電性を有する材料で形成される水冷式カテーテルでもよい。
【0026】
例えば電気外科手術システム10を使用するマイクロ波焼灼の間、プローブ100は組織内に挿入または隣接して配置され、マイクロ波エネルギーがそこに供給される。超音波またはコンピュータ断層撮影法(CT)による誘導が、治療される組織の領域内にプローブ100を的確に誘導するために使用されてもよい。プローブ100は、例えば、外科スタッフによる従来の外科技術を使用して、経皮的にまたは外科的に設置されてもよい。臨床医は、マイクロ波エネルギーが適用される時間の長さを事前に決定してもよい。適用の時間は、腫瘍の大きさおよび位置、並びに腫瘍が二次癌か一次癌かというような、多くの要因に依存する。プローブ100を使用するマイクロ波エネルギーの適用の時間は、破壊される組織領域内、および/または周囲の組織内の熱分配の進捗に依存してもよい。単一または複数のプローブ100は、標的組織部位にある癌性細胞を破壊するために、短い処置時間、例えば数分で焼灼してもよい。
【0027】
複数のプローブ100は、標的組織部位を実質的に同時に焼灼するために種々の配列構成で設置されることで、より迅速な処置ができるようにしてもよい。複数のプローブ100は、相乗的に大きな焼灼を作り出すため、または同時に別々の部位を焼灼するために使用することができる。組織焼灼の大きさおよび形状は、エネルギー・アプリケータの型、同時に使用されるエネルギー・アプリケータの数、時間、およびワット数のような、さまざまな要因により影響を受ける。
【0028】
操作において、波長ラムダ(λ)を有するマイクロ波エネルギーは、アンテナ・アセンブリ12を通って、例えば、近位および遠位の放射部分140、105に沿って伝送され、周囲の媒体、例えば組織内に放射される。効率的な放射のためのアンテナの長さは、放射される媒体の誘電特性によって決まる有効波長λ
effに依存してもよい。その中をマイクロ波エネルギーが波長λで伝送されるアンテナ・アセンブリ12は、例えば胸部組織とは対照的に、周囲の媒体、例えば肝臓組織に応じて異なる有効波長λ
effを有してもよい。
【0029】
図2および
図3を参照すると、
図1のアンテナ・アセンブリ12の一実施形態は示されており、内側導体210および外側導体260を含み、内側導体210および外側導体260を隔てる第1誘電材料240を含み得る。いくつかの実施形態では、内側導体210は第1導電材料(例えばステンレス鋼)から形成され、外側導体260は第2導電材料(例えば銅)から形成される。いくつかの実施形態では、例えば
図2に示されるように、外側導体260はアンテナ・アセンブリ12の遠位部分に沿って内側導体210を同軸に包囲する。内側導体210および外側導体260は任意の適した導電材料から形成されてもよい。
【0030】
第1誘電材料240は、セラミック、水、雲母、ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(米国、デラウェア州、ウィルミントンの E. I. du Pont de Nemours and Companyにより製造されたa.k.a. PTFE、またはTeflon(登録商標))、ガラス、または金属酸化物を含む、任意の適した誘電材料から形成することができるが、これらに限定されるものではない。アンテナ・アセンブリ12は、外側導体260および/もしくはパック130、またはその一部分を包囲する第2誘電材料29と共に提供されてもよい。第2誘電材料29は、任意の適した誘電材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2誘電材料29は、第1誘電材料240の誘電率と異なる誘電率を有する材料から形成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、アンテナ・アセンブリ12は、任意の適した導電材料から形成され得る導体の端部部分280を備える。いくつかの実施形態では、導体の端部部分280は、内側導体210に結合され、内側導体210と同じ材料で形成されてもよい。
図2で示されるように、導体の端部部分280は、その間に配置されたパック130により外側導体260から隔たれてもよい。先細の領域120またはその一部分は、導体の端部部分280の近位部分を包囲してもよい。いくつかの実施形態では、導体の端部部分280は実質的に円筒形状であり、ステンレス鋼から形成されてもよい。導体の端部部分280の形状および大きさは、
図2描写される構成と異なってもよい。いくつかの実施形態では、導体の端部部分280の少なくとも一部分は、第2誘電材料29により包囲される。
【0032】
図4は、シェル・アセンブリ510、シェル・アセンブリ510の遠位端部分501で配置された第1取付け部分520、およびシェル・アセンブリ510の近位端502から近位に伸長する第2取付け部分530を備える、本開示の実施形態による指向性リフレクタ・アセンブリ500を示す。第1取付け部分520は、実質的に円錐形状を有してもよく、金属のような任意の適した材料で形成されてもよい。第2取付け部分530は、実質的に円筒形状を有してもよく、概ね可撓性であり弾性の熱可塑性プラスチック材料、および/または金属のような、任意の適した材料で形成されてもよい。実施形態では、第2取付け部分530は交換可能であり(ねじ部品のように、例えばシェル・アセンブリ510に取外し可能に、連結可能である)、それにより熱灼プローブの多様な直径に適合する、異なる直径の第2取付け部分530を使用するための性能を提供し得る。
【0033】
シェル・アセンブリ510は、所望の表面焼灼形状を提供するとともに、インピーダンス整合も支援するような様式で設計されてもよい。例えば、シェル・アセンブリ510は、第2取付け部分530の直径と類似する直径から、近位に伸長するシェル・アセンブリ510のような大きな直径までテーパーづけられてもよい。シェル・アセンブリ510は、任意の適した形状を有してもよく、外科手術の間に遭遇する狭い空間用に設計されてもよい。例えば、シェル・アセンブリ510は、幅広のバターナイフ(例えば、
図14Aで示される921)または半円錐筒形状(例えば、
図14Bで示される931)の形状と類似する形状を有してもよい。
【0034】
図4および
図5で示されるように、シェル・アセンブリ510は、通常、外側部分511および内側部分512を備え、そこにエネルギー・アプリケータの一部分を受入れるように通常は構成された、内側部分512の平表面「S」に画定された溝「G」の形態で陥所を備えてもよい。
図5で示されるように、アンテナ・アセンブリ12の一部分(例えば、遠位の放射部分105および近位の放射部分140)は、内側部分512の溝「G」内に配置され得る。
【0035】
外側部分511は、例えば、銅、ステンレス鋼、チタニウム、ニッケル−チタン合金およびチタニウム−アルミニウム−バナジウム合金のようなチタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステンカーバイト合金、またはそれらの組み合わせのような導電材料を備えてもよい。外側部分511の部分は、放射指向性およびインピーダンス整合を支援するため、低程度から中程度の誘電率の誘電材料を用いて装荷されてもよい。一般的に、誘電体の誘電率は、導電部材511からの半径方向距離とともに値が高まる。異なる誘電材料でできたいくつかのシェル、または別の形状が、外側部分511を形成するために共に入れ子になってもよい。
【0036】
内側部分512は、誘電材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、内側部分512は誘電材料の層を備える。例えば、内側部分512は、1層以上の薄層、1層以上の厚層、または薄層と厚層とを組み合わせた層を備えてもよい。内側部分512は、外側部分511で使用される場合の誘電材料と同一、または異なってもよい任意の適した誘電材料から組み立てられてもよい。内側部分512を形成するために使用される誘電材料は、組織送達に対する最適なアンテナの指向性およびエネルギーを達成させるため、シェル(例えば、
図10で示される7171、7172、および7173)、またはより多い複素誘電層において誘電率が異なってもよい。実施形態では、内側部分512を形成するために使用される誘電材料は、電磁場の指向性の影響力を高めるため、相対的に高い誘電率k(例えば、k=80)を有してもよい。
【0037】
第1および第2取付け部、520および530は、金属のような任意の適した材料で形成されてもよい。実施形態では、第2取付け部分530は、アンテナ・アセンブリ12の近位部分が位置付けられ得る、ルーメン534を画定する管状体531を備える。管状体531は、ルーメン534の内面535またはその一部分と接触して配置される内側ライナ(図示せず)と共に提供されてもよく、ここで内側ライナは、指向性リフレクタ・アセンブリ500がエネルギー・アプリケータと操作可能に関連するとき、ルーメン534内に配置されたエネルギー・アプリケータのシャフトの外面の少なくとも一部分と摩擦で係合するように構成される。外側スリーブ(図示せず)は、追加的または代替的に、エネルギー・アプリケータの少なくとも一部分に設けられてもよく、ここで外側スリーブは、ルーメン534の内面535と摩擦で係合するように適合される。実施形態では、第2取付け部分530またはその一部分は、概ね可撓性、および/または弾性の材料、例えばシリコン・ゴムで形成され、例えばルーメン534内に配置されたエネルギー・アプリケータの近位部分を取り外し可能に締め付けるために、その外面の周囲に配置された締結要素(例えば
図7Bで示される660)と共に設けられてもよい。
【0038】
第1取付け部分520は、通常、そこにチャンバ524、および溝「G」と連通する開口を画定する本体521を備える。開口523およびチャンバ524は、通常、エネルギー・アプリケータの遠位端部分、例えばアンテナ・アセンブリ12の先端123を受入れるように形成される。第1および第2取付け部、520および530の形状および大きさは、
図4で描写される構成と異なってもよい。
【0039】
図6は、シェル・アセンブリ610、第1取付け部分620、および第2取付け部分640を備える、本開示の実施形態による指向性リフレクタ・アセンブリ600を示す。シェル・アセンブリ610は、通常、外側部分611および内側部分612を備え、そこにエネルギー・アプリケータの一部分を受入れるように通常は構成された、内側部分612の平表面「S」に画定された溝「G」の形態で陥所を備えてもよい。シェル・アセンブリ610は、
図4で示されるシェル・アセンブリ510と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0040】
第1取付け部分620は、通常、そこにチャンバ624、および内側部分612に画定された溝「G」と連通する開口を画定する本体621を備える。第1取付け部分620は、
図4で示される第1取付け部分520と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0041】
第2取付け部分640は、シェル・アセンブリ610の近位端から近位に伸長する。第2取付け部分640は、その形状を除いて
図4で示される第2取付け部分530と類似する。実施形態では、第2取付け部分640は、任意の適した長さの一部分円筒形状(例えば、実質的にC形状の断面を備える一部分円筒)を有する本体641を備える。第2取付け部分640は、ゴム、金属、高分子材料、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適した剛性、半剛性、または可撓性の材料で形成されてもよい。
【0042】
図7Aは、
図6の指向性リフレクタ・アセンブリ600と操作可能に関連する
図2のアンテナ・アセンブリ12を示す。
図7Bで示されるように、第2取付け部分640は、アンテナ・アセンブリ12の近位部分の周囲の、一部分円筒形状の締結要素660を取り外し可能に閉じ込めるために一般的に適合された締結要素660が提供されてもよい。締結要素660は、第2取付け部分640の外面の少なくとも一部分に結合可能な、任意の適した取り外し可能な締結具のような、任意の適した締結具を備えてもよい。実施形態では、締結要素660は、接着テープ、ワイヤ、プラスチック・タイのシンチ・ストラップ、または他の適したさね継ぎ型の細長い可撓性プラスチックの締結具、金属クリップ、プラスチックのクリップ、繊維またはプラスチックのストラップ、VELCRO(登録商標)のマジックテープ(登録商標)といったブランド類のテープなどを備えてもよい。
【0043】
図8は、シェル・アセンブリ710を備える、本開示の一実施形態による指向性リフレクタ・アセンブリ700を示す。シェル・アセンブリ710は、通常、外側部分711および内側部分712を備え、内側部分717の平表面「S」に画定された溝「G」で陥所を備えてもよい。外側部分711は、
図4で示される外側部分511と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0044】
溝「G」は、通常、そこにエネルギー・アプリケータの一部分を受入れるように構成される。実施形態では、溝「G」は、そこに接着材料(例えば
図10で示される「A」)を受入れるための接着剤を受入れる陥所736を備える。陥所736は、任意の適した形状でよく、溝「G」の縦方向軸に沿って伸長してもよい。実施形態では、陥所736の長さ、深さ、および/または体積は、例えばそこに提供される接着材料「A」の材料特性により異なってもよい。実施形態では、陥所736は、単一の細長い陥所または複数の陥所でもよい。
【0045】
図9および
図10は、
図8の指向性リフレクタ・アセンブリ700と操作可能に関連する、
図2のアンテナ・アセンブリ12を示す。
図10で示されるように、シェル・アセンブリ710の内側部分717は、第1誘電層7171、第2誘電層7172、および第3誘電層7173で形成されてもよい。内側部分717は、多様な構成において任意の適した数の層を備えてもよい。高分子、セラミック、金属酸化物、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、種々の誘電材料が適切に使用されてよい。実施形態では、第3誘電層7173を形成するために使用される誘電材料は、k=4のような、相対的に低い誘電率kを有してもよい。第1、第2、および第3誘電層、7171、7172、および7173の厚さおよび誘電率kは、それぞれ、所望の深度まで組織領域を熱灼するため、例えば所望の周波数および所望の磁場パターンに基づき最適化され得る。
【0046】
図11は、拳銃式の本体850、そこから遠位に伸長するプローブ860、および熱灼プローブ860の近位端で配置されたオス・コネクタ812を備える、本開示によるエネルギー・アプリケータ800の一実施形態の透視図である。拳銃式の本体850は、オス・コネクタ812と操作可能に関連する。実施形態では、オス・コネクタ812は、少なくとも係合位置と取り外し位置との間で動作可能な固定部材811を備える。実施形態では、拳銃式の本体850は、オス・コネクタ812を、固定部材811がメス・コネクタ(例えば
図12Aおよび
図14A〜
図14Cで示される916)と係合される係合位置から、固定部材811がメス・コネクタから外される取り外し位置まで操作可能に動かすための、ユーザ用の操作可能なスイッチ815、例えば押しボタンを備えてもよい。オス・コネクタ812の形状および大きさは、
図11で描写される構成と異なってもよい。
【0047】
図12Aおよび
図12Bは、シェル・アセンブリ917、ルーメン934を画定する管状部分930、および管状部分930の近位端905と関連するメス・コネクタ916を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリ910の一実施形態を示す。メス・コネクタ916は、
図11のエネルギー・アプリケータ800のオス・コネクタ812との係合のために適合される。
【0048】
シェル・アセンブリ917は、通常、外側部分911および内側部分912を備え、そこにエネルギー・アプリケータの遠位端部分を受入れるように通常は構成された、内側部分612の平表面「S」に画定された陥所919を備えてもよい。シェル・アセンブリ917は、
図8で示されるシェル・アセンブリ710と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0049】
図13Aおよび
図13Bは、その上に搭載された
図12Aの指向性リフレクタ・アセンブリを備える
図11のエネルギー・アプリケータを示す。
図13Aおよび
図13Bで示されるように、ルーメン934は、熱灼プローブ860を受入れる用に構成され、それにより熱灼プローブ860の遠位部分861がシェル・アセンブリ911の平表面「S」にわたって伸長する。
【0050】
図14Aは、シェル・アセンブリ927、ルーメン934を画定する管状部分925、および管状部分925の近位端905と関連するメス・コネクタ916を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリ910の一実施形態を示す。実施形態では、シェル・アセンブリ927は、へらのような、または厚手のバターナイフ形状を有し、その平表面「S」に画定された陥所929を備えてもよい。シェル・アセンブリ927は、その形状を除いて
図12Aで示されるシェル・アセンブリ917と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0051】
図14Bは、シェル・アセンブリ937、ルーメン934を画定する管状部分925、および管状部分925の近位端905と関連するメス・コネクタ916を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリ910の一実施形態を示す。実施形態では、シェル・アセンブリ937は、半円錐形状を有し、その平表面「S」に画定された陥所929を備えてもよい。シェル・アセンブリ937は、その形状を除いて
図12Aで示されるシェル・アセンブリ917と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0052】
図14Cは、シェル・アセンブリ947、ルーメン934を画定する管状部分925、および管状部分925の近位端905と関連するメス・コネクタ916を備える、本開示による指向性リフレクタ・アセンブリ940の一実施形態を示す。実施形態では、シェル・アセンブリ947は、一部分円筒形状を有し、その平表面「S」画定された陥所949を備えてもよい。シェル・アセンブリ947は、その形状を除いて
図12Aで示されるシェル・アセンブリ917と類似しており、そのさらなる説明は簡潔にするため割愛する。
【0053】
図15および
図16で示されるような別の実施形態では、マイクロ波熱灼プローブ400は、その遠位端で先端422を有するシャフト420に固定されたハンドル410を備える。ケーブル415は、プローブ400をマイクロ波熱灼エネルギー源(図示せず)に連結する。指向性リフレクタ・アセンブリ405は、管状シャフト440を備える。シャフト440は、プローブのシャフト420の近位端421で設けられた突起部430と係合するように適合された、そこに画定された1つ以上のスロット445を有する連結部425を備える。スロット445の突起部430との係合は、外管440のプローブのシャフト420との位置付けを支援し得、追加的または代替的に、使用の間にプローブのシャフト420への外管440の有益な保持を提供し得る。スロット445および突起部430は、示されるように差し込み配置を備えてもよく、追加的または代替的に、限定しないが、ねじ配置、締まりばめ配置、または他の連結配置のような、任意の適した連結配置を備えてもよい。連結部425は、追加的または代替的に、プローブのハンドル410および/またはシャフト420と指向性リフレクタ・アセンブリとの間に冷却連結(例えば液体またはガスの連結)を提供するように構成されてもよい。
【0054】
図17は、プローブのシャフト(例えば420)と滑動可能に係合するように寸法化された遠位端264および近位端265を有する外管261を備える、気体が充填された指向性リフレクタ・アセンブリ260の一実施形態を示す。外管261は、限定しないが、金属性材料(例えばステンレス鋼)および/または誘電材料(例えばエポキシ繊維複合材)を含む、任意の適した材料から形成されてもよい。遠位の基部開口263および近位の頂部開口265を有する円錐開口262は、その近位の頂部開口265でシャフト261の遠位端264に接合される。使用のため、指向性リフレクタ・アセンブリ260は、プローブの遠位端を外管261の近位の内側部分266内に滑動させることにより、受容マイクロ波熱灼プローブ(図示せず)上に位置付けされる。その中心に配置された円形開口を有する、概ね円形の遠位プレート(図示せず)が、その円周で円錐開口262の遠位の開口基部に固定される。
【0055】
図18を見ると、本開示による、誘電体が充填された指向性リフレクタ・アセンブリ270の一実施形態が示される。指向性リフレクタ・アセンブリ270は、本明細書で先に説明したように、プローブのシャフトと滑動可能に係合するように寸法化された遠位端276および近位端277を有する外管271を備える。外管271は、本明細書で先に説明したように、任意の適した材料から形成されてもよい。遠位の基部開口278および近位の頂部開口273を有する円錐リフレクタ272は、その近位の頂部開口278でシャフト271の遠位端276に接合される。円錐リフレクタ272は、そこに配置された誘電体コア279を備える。外管271内に画定された内側開口274は、誘電体コア279内に軸方向に画定された内側開口275に連結される。外管271の内径(例えば、内側開口274の直径に一致)は、本明細書で先に説明したように、使用のため、熱灼プローブの挿入を適応させるために、管271と誘電体コア279の遠位端との間で実質的に途切れない開口274を形成するように、内側開口275の内径と実質的に等しい。
【0056】
図14で示される、本開示によるさらに別の実施形態では、多層の誘電体で充電された指向性リフレクタ・アセンブリ280は、そこに縦方向に画定された内側開口284を有する外管281を備える。円錐リフレクタ282は、その近位の開口頂端部で外管281の遠位端に接合される。円錐リフレクタ282は、少なくとも、第1誘電材料から形成され得る第1誘電体コア領域2831、および第2誘電材料から形成され得る第2誘電体コア領域2832を備える。第1および第2を超える追加の誘電体コア領域、例えば誘電体コア領域2833が、本開示の範囲内で想定される。誘電体コア領域2831、以下参照は、裾広がりの円錐形状を有してもよく、誘電領域2831、以下参照が
図14で示されるように、同軸に配置されるように並べられてもよい。追加的または代替的に、誘電体コア領域は、平面状、交互状、トロイダル状、放射状、円筒状、および多角形状の押出を含むがこれらに限定されない、他の形状および配列を備えてもよい。
【0057】
外管281内に画定された内側開口284は、最も内側にある多層の誘電体コア領域、例えば2833を介して、軸方向に画定された内側開口285に結合される。外管281の内径(例えば、内側開口284の直径に一致)は、本明細書で先に説明したように、使用に際し、そこに熱灼プローブの挿入を適合させるため、管281と多層の誘電体コア2831、以下参照、の遠位端との間で実質的に途切れない開口284を形成するように、内側開口285の内径と実質的に等しい。
【0058】
図20を見ると、多層の誘電体で充電された指向性リフレクタ・アセンブリ290は、そこに縦方向に画定された内側開口294を有する管状シャフト291を備える。円錐リフレクタ292は、その近位の開口頂端部で管状シャフト291の遠位端に接合される。その中心に配置された円形開口299を有する概ね円形の遠位プレート298が、その円周でリフレクタ292の遠位の開口基部に固定される。円形の遠位プレート298は、約915MHz〜約2.45GHzの範囲にあり得るマイクロ波熱灼プローブの操作周波数において、高周波透過性の材料から形成されてもよい。円形の遠位プレート298は、追加的または代替的に、限定しないが、ポリテトラフルオロエチレン(米国、デラウェア州、ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Companyにより製造されるa.k.a. PTFEまたはTeflon(登録商標)を含む、滑らかな材料から形成されてもよい。
【0059】
円錐リフレクタ292は、1つ以上の誘電体コア領域、例えば2931、2932、2933を備える。誘電体コア領域、2931、2932、2933、以下参照は、類似する誘電材料または異なる誘電材料から形成されてもよい。誘電体コア領域2931、以下参照は、裾広がりの円錐形状を有してもよく、同軸方向、半径方向に並べられてもよく、または平面状、交互状、トロイダル状、円筒状、および多角形状の押出を含むがこれらに限定されない、他の形状および配置を有してもよい。管状シャフト291内に画定された縦方向の内側開口294は、最も内側の誘電体コア領域、例えば2933を介して軸方向に画定された内側開口295に連結される。管状シャフト291の内径(例えば、内側開口294の直径に一致)は、本明細書で先に説明したように、使用に際し、熱灼プローブの挿入を適合させるため、管291と円形の遠位プレート298の遠位面との間で実質的に途切れない開口294を形成するように、内側開口295の内径及び円錐開口299と実質的に等しい。
【0060】
図21は、指向性リフレクタ・アセンブリ300が二重壁の冷却シャフト301を備える、さらに別の実施形態を示す。冷却シャフト301は、その間に配置された冷却領域307を有する外管308内で、同軸に配置された内管309を備える。冷却領域307は、熱伝導性材料(例えば銅)、および/またはシャフト301および/または円錐リフレクタ302からの熱エネルギーを、伝導または対流により移送するように適合されたヒートパイプを備えてもよい。冷却領域307は、追加的または代替的に、液体冷却を備えてもよい。冷却液の例は、脱イオン水または生理食塩水のような液体を含むが、これらに限定されるものではない。ガス冷却(例えば、気体または生体適合性の冷媒)が利用されてもよい。冷却領域は、内管309の外面と最も内側の誘電体コア領域、例えば3033の内面との間に画定されたチャネル305に沿って、円錐リフレクタ302内に遠位に伸長してもよい。その中心に配置された円形開口3061を有する概ね円形の遠位プレート306は、その円周でリフレクタ302の遠位の開口基部に固定される。円形の遠位プレート306は、本明細書で先に説明したように、高周波透過性のおよび/または滑らかな材料から形成されてもよい。円錐リフレクタ302は、先に説明したように、1つ以上の誘電体コア領域、例えば3031、3032、3033、以下参照を備えてもよく、これらは類似する誘電材料、または異なる誘電材料から形成されてもよい。内管309は、先に説明したように、使用に際し、熱灼プローブの挿入を適応させるため、指向性リフレクタ・アセンブリ300内で軸方向に画定された途切れない開口304、例えばシャフト301の近位端から、被覆306の遠位面に向かって円錐リフレクタ302内に遠位に伸長する。
【0061】
次に
図22を参照すると、液体冷却用の指向性リフレクタ・アセンブリ310は、外管318、そこに同軸に配置された内管317、およびその間に確定された流路319を有する、二重壁の冷却シャフト311を備える。円錐開口312は、外管318の遠位端に接合される。円錐開口312は、そこに配置された誘電体313を備える。流路319の遠位端と流体連通する近位端を有する冷却チャンバ315は、誘電体313内に画定される。その中心に画定された円形開口を有する概ね円形の遠位プレート316は、少なくともその円周3161でリフレクタ312の開口基部の遠位の周縁3121に固定され、冷却チャンバ315の密封された遠位端を形成するように適合される。円形の遠位プレート316は、追加的または代替的に、その中心において内管317の外面および/または遠位端に接合されてもよい。使用の間、冷却液は流路319および/または冷却チャンバ315を通って循環してもよく、これが取付け部310の温度の制御に役立ち得、開口312内に誘電体装荷を提供し得る。円形の遠位プレート316は、限定しないがPTFEのような、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。
【0062】
図23で示されるように、液体冷却用の指向性リフレクタ・アセンブリ320は、開口322の内部体積によりそこに画定された冷却チャンバ325、および円形の遠位プレート326を有する円錐開口322を備えてもよい。円形の遠位プレート326は、その外側の円周3261で円錐開口322の遠位の周縁3221に固定される。円形の遠位プレート326は、追加的または代替的に、そこに画定された開口3262の円周で内管327の遠位の外面に固定される。
【0063】
図24は、その遠位端で円錐開口332の近位の開口頂端部333に接合される一重壁の管状シャフト331を有する、液体冷却用の指向性リフレクタ・アセンブリ330を描写している。円形の遠位プレート336は、円錐開口331内に冷却チャンバ339を画定するように、その外周338で円錐開口322の遠位の周縁335に固定される。円形の遠位プレート336は、追加的または代替的に、その円周で管状シャフト331の遠位の外面に接合される、そこに画定された開口337を備える。冷却チャンバ331は、冷却液339、限定しないが例えば、生理食塩水、滅菌水、および/または脱イオン水を含有し、これが使用の間、冷却を高め得、および/または誘電体装荷を向上させ得る。
【0064】
本開示による指向性リフレクタ・アセンブリは、使用の間に提供される放射パターンおよび/または熱灼パターンを向上させ得る1つ以上のバランを備えてもよい。より詳細には、そして次に
図25を参照すると、指向性リフレクタ・アセンブリ340は、その遠位端で円錐開口342の近位の開口頂端部343に接合される、管状シャフト341を備える。円形の遠位プレート346は、本明細書で先に説明した方法で、円錐開口342の遠位の開口端部に配置される。誘電体コア347は、円錐開口342内に配置される。バラン345は、管状シャフト341の少なくとも一部の周囲に同心円状に、例えばシャフト341の遠位部分に沿って、かつ円錐開口342の近位の開口頂端部343に実質的に隣接して配置される。バラン345は、バラン345の近位端でシャフト341の周囲に同心円状に配置され、かつそこに電気的に結合されたリング状のバラン短絡349を備えてもよい。バラン誘電層348は、追加的または代替的に、バラン345とシャフト341との間に同心円状に配置されてもよい。
【0065】
図26で示されるさらに別の実施形態では、気体が充填された指向性リフレクタ・アセンブリ350は、その遠位端で円錐開口352の近位の開口頂端部357に接合された管状シャフト351を備える。第1バラン355は、管状シャフト351の少なくとも一部分の周囲に同心円状に、例えばシャフト351の遠位部分に沿って、かつ円錐開口352の近位の開口頂端部357に実質的に隣接して配置される。第1バラン355は、バラン355の近位端でシャフト351の周囲に同心円状に配置され、かつそこに電気的に結合されたリング状のバラン短絡359を備えてもよい。第1バラン誘電層358は、追加的または代替的に、バラン355とシャフト351との間に同心円状に配置されてもよい。円錐開口352は、円錐開口352の内面と第2バラン356との間に配置された第2バラン誘電層353を備える。第1バラン355および第2バラン356は、電気的に連結されてもよい。
【0066】
図27は、シャフト状バラン、円錐状バラン、および/または誘電体コアを備え得る、本開示によるさらに別の実施形態を示す。より詳細には、誘電体コアの指向性リフレクタ・アセンブリ360は、その遠位端で円錐開口362の開口頂端部370に接合された管状シャフト361を備える。第1バラン365は、管状シャフト361の少なくとも一部の周囲に同心円状に、例えばシャフト361の遠位部分に沿って、かつ円錐開口362の近位の開口頂端部370に実質的に隣接して配置される。第1バラン365は、バラン365の近位端でシャフト361の周囲に同心円状に配置され、かつそこに電気的に結合されたリング状のバラン短絡369を備えてもよい。第1バラン誘電層368は、追加的または代替的に、バラン365とシャフト361との間に同心円状に配置されてもよい。円錐開口362は、円錐開口362の内面と第2バラン366との間に配置された第2バラン誘電層363を備える。第1バラン365および第2バラン366は、電気的に連結されてもよい。円錐リフレクタ362は、例えば第2バラン366の内面内に配置された誘電体コア367を備える。外側シャフト371内に画定された内側開口364は、誘電体コア367内に軸方向に画定された内側開口371に連結される。外側シャフト371の内径(例えば内側開口364の直径)は、本明細書で先に説明したように、使用の際に、そこに熱灼プローブの挿入を適合させるため、外側シャフト371の近位端と誘電体コア361の遠位端との間に実質的に途切れない開口364を形成するように、内側開口371の内径と実質的に等しい。
【0067】
先に説明した、組織を治療するための指向性リフレクタ・アセンブリおよび電気外科手術装置、並びに組織の標的体積に電磁放射線を向ける方法は、指向性マイクロ波熱灼を提供するために使用され得、ここで加熱ゾーンは電気外科手術装置の片側に焦点が合わせられてもよく、それにより臨床医は、腫瘍を直接穿孔させることなく、または必要以上に健常な組織に影響を与えることなく、小さな腫瘍、および/または難しい腫瘍を標的とすることができる。ここに開示される電気外科手術装置および指向性リフレクタ・アセンブリにより、臨床医は、腫瘍と重要な構造との間に電気外科手術装置を設置し、電磁放射線を腫瘍に向け、重要な構造からは離すことにより、大きな血管、健常な器官、または生命維持に必要なバリア膜のような繊細な構造の焼灼を避けることができる。
【0068】
例示および説明の目的のため添付の図面を参照して、実施形態を詳細に説明したが、それにより本発明の工程および装置が限定されるように解釈されないことが理解されるべきである。当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に対し種々の変更が成され得ることが明らかであろう。