特許第5658039号(P5658039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5658039
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】物質混合用バルブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/178 20060101AFI20141225BHJP
   A61M 5/28 20060101ALI20141225BHJP
【FI】
   A61M5/18
   A61M5/28
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-543170(P2010-543170)
(86)(22)【出願日】2009年1月12日
(65)【公表番号】特表2011-509751(P2011-509751A)
(43)【公表日】2011年3月31日
(86)【国際出願番号】US2009030700
(87)【国際公開番号】WO2009091683
(87)【国際公開日】20090723
【審査請求日】2011年12月15日
(31)【優先権主張番号】61/011,408
(32)【優先日】2008年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
(74)【代理人】
【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ.クルーグ
(72)【発明者】
【氏名】エム.イスハーク ハイダー
(72)【発明者】
【氏名】フランク マーティン
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−250897(JP,A)
【文献】 特開昭59−155264(JP,A)
【文献】 米国特許第06149628(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0060875(US,A1)
【文献】 特開平11−169460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/178
A61M 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの成分の混合を可能とするバルブであって、
注射器又は薬物カートリッジの胴部と摺動自在で液密に係合するように構成されている本体であって、基端部、末端部、及びこの両者間に延在する経路を含み、当該経路が基端部分及び末端部分を有している本体、及び
第1及び第2の位置の間を選択的に移動するように、前記経路内に密封的且つ摺動自在に配置されているポペットであって、基端部、末端部、及び流体経路を有し、前記流体経路が前記ポペット内に画成され、前記本体の前記末端部に遠心して位置されている出口開口から延在しているポペットを備え、
前記経路の前記基端部分は、前記経路の前記末端部分よりも大きな直径を有し,
前記ポペットが前記第1の位置にある状態で、前記ポペットは、前記経路を通る液体の流れが阻止されるように、前記経路内に液密シールを規定し、且つ、前記ポペットが前記第2の位置にある状態では、前記経路の前記基端部分から前記出口開口への液体流路を画成するように、前記流体経路が前記経路の前記大きな直径の基端部分開いて連通することを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記ポペットは、前記経路の前記末端部分に前記液密シールを規定していることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記ポペットは、脚部及び頭部を含み、前記脚部が前記ポペットの前記基端部を画成し、及び前記頭部が前記ポペットの前記末端部を画成していることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記流体経路は、前記脚部に画成されている少なくとも1つの入口開口にまで延び、前記入口開口は前記脚部の前記基端部から離間されていることを特徴とする請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
前記出口開口は、前記頭部に画成されていることを特徴とする請求項3に記載のバルブ。
【請求項6】
前記頭部は、前記本体の前記末端部から末端側に位置されていることを特徴とする請求項に記載のバルブ。
【請求項7】
薬物格納装置であって、
胴部と、
前記胴部内に配置されたバルブであって、
前記胴部と摺動自在で液密に係合するように構成されている本体であって、基端部、末端部、及びこの両者間に延在する経路を含み、当該経路が基端部分及び末端部分を有している本体、及び
第1及び第2の位置の間を選択的に移動するように、前記経路内に密封的且つ摺動自在に配置されているポペットであって、基端部、末端部、及び流体経路を有し、前記流体経路が前記ポペット内に画成され、前記本体の前記末端部に遠心して位置されている出口開口から延在しているポペットを含むバルブ、を備え、
前記ポペットの第1の部分が前記胴部に係合し、前記ポペットの第2の部分が前記経路に係合し、前記ポペットの前記第1の部分と前記胴部との間の接触面に発生する移動に対する摩擦抵抗が、前記ポペットの前記第2の部分と前記経路との間の接触面に発生する移動に対する摩擦抵抗よりも大きく、且つ、
前記ポペットが前記第1の位置にある状態で、前記ポペットは、前記経路を通る液体の流れが阻止されるように、前記経路内に液密シールを規定し、且つ、前記ポペットが前記第2の位置にある状態では、前記経路の前記基端部分から前記出口開口への液体流路を画成するように、前記流体経路が前記経路の前記基端部分に開いて連通することを特徴とする薬物格納装置。
【請求項8】
前記経路の前記基端部分は、前記経路の前記末端部分よりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記ポペットは、前記経路の前記末端部分に前記液密シールを規定していることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記ポペットは、脚部及び頭部を含み、前記脚部が前記ポペットの前記基端部を画成し、及び前記頭部が前記ポペットの前記末端部を画成していることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記流体経路は、前記脚部に画成されている少なくとも1つの入口開口にまで延び、前記入口開口は前記脚部の前記基端部から離間されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記出口開口は、前記頭部に画成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記頭部は、前記本体の前記末端部から末端側に位置されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ポペットの前記第1の部分は前記頭部に画成され、及び前記ポペットの前記第2の部分は前記脚部に画成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、注射器であることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、薬物カートリッジであることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項17】
請求項に記載の装置と、
前記バルブの末端側の前記胴部内に配置された乾燥した成分と、
前記バルブの基端側の前記胴部内に配置され、前記乾燥した成分を再構成する液体成分と、
を備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項18】
前記装置は、注射器であることを特徴とする請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記装置は、薬物カートリッジであることを特徴とする請求項17に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療用注入器又は薬物カートリッジにおいて、少なくとも2つの物質を混合するためのバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の薬物又は薬剤(これらの用語はここで互換的に用いられている)は、粉末、すなわち、(凍結乾燥された形態のような)乾燥した形態で好ましくは提供され、そして投与の前に再構成することを必要としている。凍結乾燥された薬物は、典型的には、例えば、物質を注射に適した形態に再構成するために希釈剤と混合されるのが必要とされる凍結乾燥した形態で供給されている。薬剤はまた、再構成を必要とする、他の乾燥した、すなわち、粉末形態でも提供されている。
【0003】
加えて、投与の前に混合を必要とする多成分システムとして、薬物は提供され得る。例えば、1つ以上の液体(例えば、流動性の(スラリー又は液体))成分、及び/又は乾燥した(例えば、粉末又は粒状の)成分が、投与の前の混合を必要とする1つの薬物容器又は送出装置で提供され得る。この構成成分は混合されて、インスリンのような種々の投与可能な薬物を形成するために用いられ得る。
【0004】
濡れた成分(例えば、液体)及び乾燥した成分(例えば、粉末)を共通の容器の別々のチャンバーに設けた先行技術の装置が開発されており、この容器は、注射する投与溶液を用意する際に混合を生じさせるべく、濡れた成分から乾燥した成分への流れを可能とするように構成されている。Vetterへの特許文献1は、混合用に構成された胴部を有する注射器に向けられ、一方、Ahlstrandその他への特許文献2は、混合用に構成された胴部を有する薬物カートリッジに向けられている。特許文献1及び特許文献2は共に、混合用の典型的な構成を開示しており、バイパス経路が装置の胴部に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,874,381号明細書
【特許文献2】米国特許第4,968,299号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、装置は混合のためには特異的に構成されねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに、少なくとも2つの成分の混合を可能にするバルブが提供され、当該バルブは注射器又は薬物カートリッジの胴部と摺動自在で液密に係合するように構成されている本体を含んでいる。当該本体は、基端部、末端部、及びこれらの両者間に延在する経路を含み、当該経路は基端部分及び末端部分を有している。ポペットが、第1及び第2の位置の間を選択的に移動するように、経路内に密封的且つ摺動自在に配置されている。当該ポペットは、基端部、末端部、及び流体経路を含み、当該流体経路はポペット内に画成され、本体の末端部に遠心して位置されている出口開口から延在している。ポペットが第1の位置にある状態では、当該ポペットは、経路を通る液体の流れが阻止されるように、経路内に液密シールを規定する。ポペットが第2の位置にある状態では、経路の基端部分から出口開口への液体流路を画成するように、当該流体経路が経路の基端部分と連通する。有利なことに、本発明によれば、如何なる修正をも必要とされることなく、標準的な注射器又は薬物カートリッジの胴部内で物質の管理された分離及び混合を可能にするバルブが提供される。
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討することによって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に従い形成されたバルブの斜視図である。
図2】本発明のバルブと共に用いられる本体の平面図である。
図3図2の線3-3に沿ってとった断面図である。
図4】本発明のバルブと共に用いられるポペットの正面図である。
図5】本発明のバルブと共に用いられるポペットの側面図である。
図6】閉じ位置にある本発明のバルブの断面図である。
図7】開き位置にある本発明のバルブの断面図である。
図8】流体の流れが示されている、閉じ位置にある本発明のバルブを示す図である。
図9】流体の流れが示されている、開き位置にある本発明のバルブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照するに、少なくとも2つの成分の混合を可能にするバルブ10が示されている。以下にさらに説明されるように、バルブ10は、1つの成分が乾燥した(例えば、凍結乾燥された粉末)成分を再構成するのに適した濡れた(例えば、液体)成分である、1つ以上の薬物の再構成を伴う使用のために、特によく適合されている。バルブ10は、注射器すなわちペン型注入器のような注入器(すなわち、医療用注入器)の胴部内、又は薬物カートリッジの胴部内で用いられ得る。当業者には認識されるように、バルブ10は、液体、シロップ、又はスラリーの形態のような流動性の形態であり得る、1つ以上の濡れた成分のような種々の成分、及び/又は粉末又は粒状形態であり得る、1つ以上の乾燥した成分の混合を可能にすべく用いられ得る。
【0011】
バルブ10は、概して、本体12及びポペット14を含んでいる。図6及び7を参照するに、本体12は、取り囲んでいる胴部16に滑り液密係合するように構成されている。胴部16は、注射器、又は薬物カートリッジの胴部であってもよい。本体12はエラストマー材料、特に、注射器又は薬物カートリッジの技術分野において、ストッパー又はプランジャーの形成に用いられている如何なる材料から構成されてもよい。本体12と胴部16との間に形成される液密シールの完全性を高めるために、本体12の周りに1つ以上のリブ18が形成されてもよい。
【0012】
図2及び3を参照するに、本体12は、胴部16の患者側端部から離れて面している基端部20、胴部16の患者側端部に面している末端部22、及びこれらの間に延在している経路24を含んでいる。経路24は、基端部20に近接して位置されている基端部分26、及び末端部22に近接して位置されている末端部分28を含んでいる。好ましくは、基端部分26が末端部分28よりも大きな直径に形成されている。
【0013】
ポペット14は、射出成形によるような剛性プラスチックから形成されるのを含む、種々の材料から形成されてもよい。ポペット14は、第1の位置(図6)と第2の位置(図7)との間を選択的に移動するように、経路24内に密封的且つ摺動自在に配置されている。図4及び5に最もよく示されているように、ポペット14は、基端部30、末端部32、及び流体経路34を含んでいる。流体経路34はポペット14内に画成され、本体12の末端部22に遠心して位置されている出口開口36から延在している。
【0014】
ポペット14は種々の形態で形成され得るが、好ましくは、ポペット14は脚部38と頭部40とを含んでいる。基端部30は、好ましくは、脚部38に規定され、一方、ポペット14の末端部32は頭部40に規定される。図6及び7に示されるように、ポペット14は、好ましくは、脚部38と経路24との間の接触面、より好ましくは、脚部38と経路24の末端部分28との間の接触面において、経路24との液密なシールを規定するように、本体12に配置されている。脚部38と経路24との間に規定されるシールの完全性を高めるために、脚部38に1つ以上のシール用リブ42が画成されてもよい。
【0015】
流体経路34は、出口開口36から脚部38に画成された少なくとも1つの入口開口44にまで延びているのが好ましい。図4、6及び7に示されるように、2つ又はそれ以上の入口開口44が設けられてもよい。流体経路34は、出口開口36から一定の直径を有しているのが好ましい。出口開口36によって囲まれている面積は、1つ以上の入口開口44の集合した面積よりも大きいことがさらに好ましい。このようにして、出口開口36は、入口開口44から流体経路34を通って流れる液体に対する制限をもたらさない。入口開口44は、ポペット14の基端部30から離間されているのが好ましい。
【0016】
脚部38と経路24との間に規定される液密シールは、ポペット14が図6及び8に示されるように閉じられた位置にある状態で、入口開口44と経路24の末端部分28との間に、少なくとも部分的に規定されている。基端側のシール用区分46が、経路24の末端部分28とでこの液密シールを規定すべく脚部38に画成されてもよい。この配列によって、ポペット14が図6及び8に示されるように閉じられた位置にある状態での、経路24の基端部分26から入口開口44への液体の流れが防止される。ポペット14が図7及び9に示されるように開いた位置にある状態で、入口開口44の末端側の位置で脚部38と経路24との間に液密シールが規定されることがさらに好ましい。
【0017】
末端側のシール用区分48が、経路24の末端部分28とでこの液密シールを規定すべく脚部38に画成されてもよい。このようにして、ポペット14が開いた位置にある状態で、経路24の基端部分26からの液体の流れが防止され、これにより、以下に説明されるように、ポペット14の流体経路34を通る流体の流れを最少化する。基端側及び/又は末端側のシール用区分46、48は、1つ以上のシール用リブ42によることを含む周知の形態により画成されてもよい。
【0018】
頭部40は、好ましくは、頭部40と胴部16との間の接触面に発生する移動に対する摩擦抵抗が、脚部38と経路24との間の接触面、特に、脚部38と経路24の末端部分28との間の接触面に発生する移動に対する摩擦抵抗よりも大きくなるように、胴部16に係合する。頭部40は胴部16に直接に係合ように形成されてもよい。ポペット14が仮に一般に剛性の材料で形成されるなら、胴部16に係合する、より柔軟なリング又は細片50が頭部40の周りに設けられてもよい。柔軟なリング50を着座させて受け入れるべく形状付けられたポケット51が頭部40に画成されてもよい。柔軟なリング50は、バルブ10の全般的なシール作用をさらに高めるために、胴部16との液密シールを規定するように選定されてもよい。
【0019】
使用のためには、バルブ10が、バルブ10の末端側の胴部16内に乾燥した薬剤のような乾燥した成分52を備えるように胴部16内に置かれる。該乾燥した成分52を再構成するのに適した液体のような濡れた成分54は、バルブ10の基端側の胴部16内に配置される。図6及び8を参照するに、バルブ10は、最初は閉じられた位置にある。閉じられた位置では、経路24を通る、特に液体54による液体の流れL(図8)が防止されるように、バルブ10が経路24に液密シールを規定している。加えて、本体12と胴部16との間に液密シールが規定された状態で、本体12の周りの液体の流れもまた防止されている。このようにして、乾燥した成分52は、保管又は輸送の間に乾燥した状態に維持され得る。
【0020】
一旦使える状態になると、手動又は自動的に力を加えることによるのを含む周知の方法でもって、濡れた成分52に圧力が印加される。濡れた成分52は非圧縮性又はほとんど非圧縮性であるので、印加された圧力は本体12に伝達される。頭部40と胴部16との間の接触面における移動に対する摩擦抵抗は、脚部38と経路24との間の接触面に発生する移動に対する摩擦抵抗よりも大きいので、十分な大きさの圧力の下に、本体12は、ポペット14が概ね固定された位置に残った状態で、図7及び9に示される開いた位置へ脚部38に対し末端側に移動される。経路24の基端部分26は経路24の末端部分28より大きな直径を有しているので、基端側のシール用区分46が経路24との係合から外れ、且つ、入口開口44が経路24の基端部分26と連通するように促される。かくて、液体の流路F(図9)が、経路24の基端部分26から出口開口36まで画成される。入口開口44が経路24の基端部分26に連通するのと同時に、本体12は頭部40に接触するようになることが好ましい。頭部40は、本体12の末端側へのさらなる移動を防止する。
【0021】
圧力のさらなる印加の下、バルブ10は、頭部40と胴部16との間の接触面において発生された移動に対する摩擦抵抗のせいで固定されて残り、且つ、濡れた成分54の液体流路Fを介しての流れが生じ、胴部16内の乾燥した成分52へ関与し、そしてそれと混合する。かくて、最終的に乾燥した成分52の再構成を生じさせる。再構成でもって、注射のために用意された溶液が生成される。該溶液は、インスリンのような薬事的活性剤を含むことができる。
【0022】
図6及び8を参照するに、本体12及びポペット14の頭部40の両者が、胴部16との液密シールを規定することが好ましい。かくて、ある量の空気が本体12と頭部40との間に捕捉され、これは、本体12の閉じられた位置(図6)から開いた位置(図7)へ移動を阻止、又はそれに対する抵抗を少なくとももたらす。この抵抗を最小にするために、好ましくは、1つ以上の通気孔56が、図4及び5に示されるように、頭部40を貫通して形成されている。該通気孔56は、本体12が閉じられた位置から開いた位置へ末端側に移動するとき、捕捉された空気が頭部40を通って通気するのを許容する。
【0023】
バルブ10は、1つ以上の濡れた成分、例えば、バルブ10の両側に位置されている濡れた成分を混合するために、同様の方法で用いられ得る。また、一連のバルブ10が複数の濡れた及び/又は乾燥した成分の混合を許容すべく用いられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9