(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5658216
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】直下型バックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20060101AFI20141225BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20141225BHJP
【FI】
F21S2/00 480
F21Y101:02
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-236264(P2012-236264)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2013-98175(P2013-98175A)
(43)【公開日】2013年5月20日
【審査請求日】2012年10月26日
(31)【優先権主張番号】100140419
(32)【優先日】2011年11月4日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512277998
【氏名又は名称】奇菱光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHI LIN OPTOELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】李 一昌
(72)【発明者】
【氏名】廖 國翰
(72)【発明者】
【氏名】蔡 昇穎
(72)【発明者】
【氏名】柯 俊宇
【審査官】
関 信之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−181464(JP,A)
【文献】
特開2008−299306(JP,A)
【文献】
特開2010−218915(JP,A)
【文献】
特開2010−161016(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/010487(WO,A1)
【文献】
特開2006−330659(JP,A)
【文献】
特開2006−344429(JP,A)
【文献】
特開2005−352427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有する背板と、
前記収容空間内に位置する複数の光源と、
前記複数の光源の上方に位置する光学フィルムと、
光透過性材質であり、前記光学フィルムを支持するように前記収容空間内に位置する、少なくとも1つの支持構造と、
を含み、
前記支持構造は、側壁が光透過性材質であり且つ中空室を画成するカバー部を有し、該カバー部の下端部が前記背板の底部に固定され、
前記支持構造は、一端部が前記カバー部に連結され、他端部が前記光学フィルムに接する頂上柱をさらに有し、前記頂上柱の表面に複数の微細構造を有する、直下型バックライトモジュール。
【請求項2】
前記頂上柱が頂角を有し、前記頂角が5〜15°の範囲内にある、請求項1に記載の直下型バックライトモジュール。
【請求項3】
前記頂上柱の最大幅が2〜7mmの範囲内にある、請求項1に記載の直下型バックライトモジュール。
【請求項4】
前記複数の光源の1つが前記カバー部の前記中空室の内部に位置する、請求項1に記載の直下型バックライトモジュール。
【請求項5】
前記カバー部が隣り合う前記光源の間に位置する、請求項1に記載の直下型バックライトモジュール。
【請求項6】
前記カバー部の前記側壁が均一の厚さを有する、請求項1に記載の直下型バックライトモジュール。
【請求項7】
前記カバー部の前記側壁の厚さが0.5〜1.5mmの範囲内にある、請求項6に記載の直下型バックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型バックライトモジュールに関し、特に支持構造を有する直下型バックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、
図1は従来の直下型バックライトモジュールを示す断面図である。前記直下型バックライトモジュール1は背板11と、複数のLED12と、拡散板13と、複数の支持柱14と、を含む。前記背板11は収容空間111を有する。前記複数のLED12は前記収容空間111内に位置する。前記拡散板13は前記複数のLED12の上方に位置する。前記複数の支持柱14の一端部が背板11に固設され、且つ他端部が前記拡散板13に接して、前記拡散板13を支持するために用いられ、前記拡散板13の落下現象の発生を防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記複数の支持柱14は前記拡散板13の落下問題を解決はするが、前記複数の支持柱14が中実円柱であるため、前記複数のLED12が発する光線の一部を遮って、前記拡散板13の表面に輝度ムラを生じさせることがある。また、前記拡散板13が薄くなればなるほど、前記輝度ムラがはっきりしてしまう。
【0004】
したがって、上記問題を解決するために、新規で且つ進歩性に富んだ直下型バックライトモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、背板と、複数の光源と、光学フィルムと、少なくとも1つの支持構造と、を含む直下型バックライトモジュールを提供する。前記背板は収容空間を有する。前記複数の光源は前記収容空間内に位置する。前記光学フィルムは前記複数の光源の上方に位置する。前記支持構造は前記収容空間内に位置し、前記光学フィルムを支持するために用いられ、前記支持構造は、側壁が光透過性材質であり且つ中空室を画成するカバー部を有する。
【0006】
前記直下型バックライトモジュールにおいて、前記支持構造は前記光学フィルムの落下現象の発生を防止することができる。また、前記カバー部は光透過性材質であり、その外形が逆U字形で且つ中空であるため、前記複数の光源が発する光線のほとんどを遮らず、前記光学フィルム表面の輝度ムラの状況を低減することができる。
【0007】
本発明の他の側面は、背板と、複数の光源と、光学フィルムと、少なくとも1つの支持構造と、を含む直下型バックライトモジュールを提供する。前記背板は収容空間を有する。前記複数の光源は前記収容空間内に位置する。前記光学フィルムは前記複数の光源の上方に位置する。前記支持構造は、前記収容空間内に位置し、且つ光透過性材質であり、前記支持構造はシート状体であり、その一端部が前記光学フィルムに接して、前記光学フィルムを支持する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の直下型バックライトモジュールによれば、光源から発した光線を遮ることが少なく、光学フィルム表面の輝度ムラの状況を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は従来の直下型バックライトモジュールを示す断面図である。
【
図2】
図2は本発明の直下型バックライトモジュールの第1実施例を示す断面図である。
【
図3】
図3は
図2の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。
【
図4】
図4は本発明の直下型バックライトモジュールの第2実施例を示す断面図である。
【
図5】
図5は
図4の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。
【
図6】
図6は本発明の直下型バックライトモジュールの第3実施例を示す断面図である。
【
図7】
図7は
図6の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。
【
図8】
図8は本発明の直下型バックライトモジュールの第4実施例を示す断面図である。
【
図9】
図9は
図8の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。
【
図10】
図10は本発明の直下型バックライトモジュールの第5実施例を示す断面図である。
【
図11】
図11は
図10の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2を参照すると、
図2は本発明の直下型バックライトモジュールの第一実施例を示す断面図である。前記直下型バックライトモジュール2は、背板21と、複数の光源22と、光学フィルム23と、少なくとも1つの支持構造24と、を含む。前記背板21は収容空間211を有する。前記複数の光源22は前記収容空間211内に位置する。本実施例において、前記複数の光源22はLEDであるが、他の実施例では前記複数の光源22が蛍光管(CCFL)であってもよい。前記光学フィルム23は前記複数の光源22の上方に位置する。本実施例では、前記光学フィルム23が拡散板であり、且つその厚さは2mmより小さく、たとえば1.5mmである。
【0011】
前記支持構造24は前記収容空間211内に位置して、前記光学フィルム23を支持するために用いられる。前記支持構造24はカバー部25を有し、前記カバー部25の側壁は光透過性材質であり、且つ中空室251を画成する。本実施例では、前記カバー部25の前記側壁が均一の厚さを有し、前記カバー部25の前記側壁の厚さは0.5〜1.5mmの範囲内にあることが好ましい。本実施例では、前記支持構造24が前記カバー部25そのものであり、その一端部(上端部)は前記光学フィルム23に接して支持し、他端部(下端部)は前記背板21に固定される。
【0012】
本実施例において、前記カバー部25の下端部が延伸突縁252を有し、且つ前記背板21が前記延伸突縁252に対応する係止溝212を有する。前記延伸突縁252は、前記支持構造24が前記背板21に固定されるように、前記係止溝212に回転係止される。前記支持構造24が他の方式(たとえば、ロック接合、接着、リベット接合、又は挿設等)を利用して前記背板21に固定されてもよいことは理解することができる。また、前記背板21の上方に反射シート(図示せず)を有する場合は、前記支持構造24が前記反射シートを貫通して前記背板21に固定されてもよく、または、前記支持構造24が前記反射シートに固定されてもよい。
【0013】
図3を参照すると、
図3は
図2の直下型バックライトモジュールの、光学フィルムを除いた後の平面図である。前記直下型バックライトモジュール2は4つの支持構造24を含み、それらは前記収容空間211の中央部に位置し、且つ前記複数の光源22の間に分散されている。
【0014】
前記直下型バックライトモジュール2において、前記支持構造24が前記光学フィルム23の落下現象の発生を防止することができる。また、前記カバー部25は光透過性材質であり、その外形が逆U字形で且つ中空であり、前記複数の光源22が発する光線を遮ることが少ないため、前記光学フィルム23表面の輝度ムラの状況を低減することができる。
【0015】
図4及び
図5を参照すると、
図4は本発明の直下型バックライトモジュールの第2実施例を示す断面図であり、
図5は
図4の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。本実施例の直下型バックライトモジュール2aは、
図2及び
図3に示された直下型バックライトモジュール2と大体同様であり、その中、同じ部材には同じ番号を付与し、本実施例では支持構造24それぞれが前記複数の光源22の中の1つを覆っていることに相違がある。すなわち、前記複数の光源22の中の1つが前記カバー部25の前記中空室251の内部に位置する。本実施例では、前記支持構造24が1つの光源22の真上に位置しているため、他の光源22からの距離が最大であり、他の光源22に対する影響も最小であり、加えて、前記カバー部25が光透過性材質である。したがって、前記光学フィルム23表面の輝度ムラの状況をさらに低減することが可能である。
【0016】
図6を参照すると、
図6は本発明の直下型バックライトモジュールの第3実施例を示す断面図である。本実施例の直下型バックライトモジュール3は、
図2及び
図3に示された直下型バックライトモジュール2と大体同様であり、その中、同じ部材には同じ番号を付与し、前記支持構造24aの構造に相違がある。本実施例において、前記支持構造24aはカバー部26と頂上柱27とを有する。前記カバー部26の側壁は光透過性材質であり、且つ中空室261を画成する。前記カバー部26の前記側壁は均一の厚さを有し、前記カバー部26の前記側壁の厚さは0.5〜1.5mmの範囲内にあることが好ましい。前記頂上柱27の一端部(下端部)は前記カバー部26に連接し、他端部(上端部)は前記光学フィルム23に接して支持する。前記頂上柱27は光透過性または光不透過性であり、また、その表面に複数の微細構造または霧面処理を有してもよい。
【0017】
前記頂上柱27は錐状物であり、頂角αを有し、前記頂角αは5〜15°の範囲内にあり、且つ前記頂上柱27の最大幅は2〜7mmの範囲内にある。前記カバー部26と前記頂上柱27とが一体に成型されることが好ましい。同様に、前記支持構造24aが前記背板21に固定されるように、前記カバー部26の下端部には延伸突縁262を有し、前記背板21の係止溝212に回転係止するために用いられる。
【0018】
また、前記支持構造24aは、係合、ロック接合、接着、リベット接合、又は挿設等の方式を利用して、前記背板21に固定されてもよい。また、前記背板21の上方に反射シート(図示せず)を有する場合は、前記支持構造24aが前記反射シートを貫通して前記背板21に固定されてもよく、または前記支持構造24aが前記反射シートに固定されてもよい。
【0019】
図7を参照すると、
図7は
図6の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。前記直下型バックライトモジュール3は、4つの支持構造24aを含み、それらは前記収容空間211の中央部に位置し、且つ前記複数の光源22の間に分散されている。
【0020】
前記直下型バックライトモジュール3において、前記支持構造24aが前記光学フィルム23の落下現象の発生を防止することができる。また、前記頂上柱27が細形柱状物になっているので、前記複数の光源22が発する光線を遮ることが少ないため、前記光学フィルム23表面の輝度ムラの状況を低減することができる。
【0021】
図8を参照すると、
図8は本発明の直下型バックライトモジュールの第4実施例を示す断面図である。
図9を参照すると、
図9は
図8の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。本実施例の直下型バックライトモジュール3aは、
図6及び
図7に示された直下型バックライトモジュール3と大体同様であり、その中、同じ部材には同じ番号を付与し、本実施例では支持構造24aそれぞれが前記複数の光源22の中の1つを覆っていることに相違がある。すなわち、前記複数の光源22の中の1つが前記カバー部26の前記中空室261の内部に位置する。
【0022】
また、光源22の光線は前記カバー部26を透過することができ、そのなかの一部の光線が前記頂上柱27の内部に導入され、前記頂上柱27の表面の複数の微細構造または霧面処理面を透過して、光線を前記頂上柱27から導き出すことが可能である。または、複数の微細構造または霧面処理は、前記カバー部26に近接する前記頂上柱27の半分または一部の表面にのみ成型される。
【0023】
本実施例において、前記支持構造24aは光源22の真上に位置するため、他の光源22からの距離が最大であり、他の光源22に対する影響も最小となり、加えて、前記頂上柱27は細形柱状物であり、前記複数の光源22が発する光線を遮ることが少ないため、前記光学フィルム23表面の輝度ムラの状況をさらに低減することが可能である。
【0024】
図10を参照すると、
図10は本発明の直下型バックライトモジュールの第5実施例を示す断面図である。本実施例の直下型バックライトモジュール4は、
図2及び
図3に示された直下型バックライトモジュール2と大体同様であり、その中、同じ部材には同じ番号を付与し、前記支持構造24bの構造に相違がある。本実施例では、前記支持構造24bがシート状体28であり、前記光学フィルム23を支持するために用いられる。前記シート状体28は光透過性材質であり、且つ均一の厚さを有し、前記シート状体28の厚さが0.5〜1.5mmの範囲内にあることが好ましい。本実施例では、前記シート状体28が三角形であり、その一端部(上端部)は前記光学フィルム23に接して支持し、他端部(下端部)は前記背板21に固定される。他の実施例では、前記シート状体が矩形または他の形状であってもよい。
【0025】
本実施例では、前記シート状体28の下端部に突出部281を有し、且つ前記背板21には前記突出部281に対応する貫通孔213を有する。前記突出部281は、前記支持構造24bが前記背板21に固定されるように、前記貫通孔213を貫通して前記背板21に係止される。前記支持構造24bが他の方式(たとえば、ロック接合、接着、リベット接合、又は挿設等)を利用して前記背板21に固定されてもよいことは理解することができる。また、前記背板21の上方に反射シート(図示せず)を有する場合は、前記支持構造24bが前記反射シートを貫通して前記背板21に固定されてもよく、または、前記支持構造24bが前記反射シートに固定されてもよい。
【0026】
図11を参照すると、
図11は
図10の直下型バックライトモジュールの光学フィルムを除いた後の平面図である。前記直下型バックライトモジュール4は、4つの支持構造24bを含み、それらは前記収容空間211の中央部に位置する。支持構造24bそれぞれが2列の光源22の間に位置し、前記複数の光源22の
配列方向(即ち、図中の水平または垂直方向)と平行になることが好ましい。
【0027】
前記直下型バックライトモジュール4において、前記支持構造24bは前記光学フィルム23の落下現象の発生を防止することができる。また、前記支持構造24bは光透過性材質であり、前記複数の光源22が発する光線を遮ることが少ないため、前記光学フィルム23表面の輝度ムラの状況を低減することができる。
【0028】
本発明の直下型バックライトモジュールは、さらに、前記光学フィルム23の上方に設置される他のフィルムを含んでもよく、他のフィルムとはたとえば拡散シート、集光シート、反射型増光フィルム(DBEF)等のうちの1つまたはその組み合わせ、を含んでもよいが、それらに限らない。
【0029】
上記の実施例は本発明の原理およびその効果を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。したがって、当業者が上記の実施例に対して行う修正及び変更も本発明の構想から離脱するものではない。本発明の権利の範囲は後述する特許請求の範囲に列記されたとおりである。
【符号の説明】
【0030】
1 従来の直下型バックライトモジュール
2 本発明の直下型バックライトモジュールの第1実施例
2a 本発明の直下型バックライトモジュールの第2実施例
3 本発明の直下型バックライトモジュールの第3実施例
3a 本発明の直下型バックライトモジュールの第4実施例
4 本発明の直下型バックライトモジュールの第5実施例
11 背板
12 LED
13 拡散板
14 支持柱
21 背板
22 光源
23 光学フィルム
24 支持構造
24a 支持構造
24b 支持構造
25 カバー部
26 カバー部
27 頂上柱
28 シート状体
111 収容空間
211 収容空間
212 係止溝
213 貫通孔
251 中空室
252 延伸突縁
261 中空室
262 延伸突縁
281 突出部
α 頂角