【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、本発明による変速機モジュールは、変速機モジュールがさらに入力と出力とを有する部分モジュールを有することを特徴とする。この部分モジュールは、変速機および変速機に接続されたさらなるクラッチまたはブレーキを有し、部分モジュールの入力は第1クラッチ部品に接続されるおよび/または車両の駆動源に接続でき、部分モジュールの出力は第2クラッチ部品に接続されるおよび/または車両の変速機の入力軸に接続でき、変速機は部分モジュールの入力および出力軸の回転方向が互いに同じになるように構成される。
【0005】
本発明による変速機モジュールを用いて、クラッチおよびさらなるクラッチを操作することによりトルク伝達の中断無しに1対1のギヤ比と部分モジュールの変速機のギヤ比との間を切り替えることが可能である。結果として、貨物自動車に使用された場合、本発明による変速機モジュールを用いて、この変速機モジュールのないものの2倍多くのギヤ比を作り出すことができる。
【0006】
既知の変速機に対する本発明の変速機の利点は以下の通りである:
− このモジュールはトルク伝達を伴う最高速ギヤから低いギヤへの変速を可能にする。これは特に、より出力を必要とする僅かな坂道が選ばれることになっているため、最高速ギヤ(直結)のときにシフトダウンしなければならないので、重要である。
− このモジュールはまた、追加のギヤが最低速ギヤの下に作られることを可能にする。この追加の低速ギヤは、より低い回転数で駆動することを可能にするように車輪への端部の減速を変更することを可能にし、これは燃料消費を削減する。
− 1−2、2−4、および5−6のギヤシフトの間でパワーシフトが可能である。
− メインクラッチはパワーシフトのためにのみ使用されもはや車両の発進のためには使用されない。結果として、より軽い構造を有し得るとともに磨耗が大幅に減少する。車両の全寿命に対するクラッチ板の設計の可能性がある。
。
【0007】
クラッチを操作することにより、さらなるクラッチまたはブレーキが除苛され得るまたはシンクロされ得るので、より簡単に開放または閉鎖され得る。
【0008】
部分モジュールをコスト効率良く保つために、さらなるクラッチまたはブレーキは、クラッチと比べて如何なる大きな出力も消散することが出来ないように設計される。さらなるクラッチは好ましくは、かみ合いクラッチまたはシンクロメッシュとして、或いは、クラッチと比べて如何なる大きな出力も消散することが出来ない摩擦クラッチまたは摩擦ブレーキとして構成される。
【0009】
変速機は好ましくは、歯車および、歯車の少なくとも1つを配置された軸に接続するためのかみ合いクラッチまたはシンクロメッシュ等のクラッチ手段を有する、少なくとも1つの切り替え可能な変速機を含む。
【0010】
変速機は好ましくは、プッシュベルトまたはチェーンバリエータ等の無段変速機要素を含む。
【0011】
クラッチは好ましくは、操作されていない場合に閉じられるように(常時閉に)構成される。さらに、さらなるクラッチまたはブレーキは操作されていない場合に開くように(常時開に)構成される。
【0012】
クラッチは好ましくは、クラッチを開くためにクラッチのダイヤフラムスプリングを引くプルアクチュエータにより、またはクラッチを開くためにクラッチのダイヤフラムスプリングを押すプッシュアクチュエータにより操作される。
【0013】
クラッチは好ましくは、乾板摩擦クラッチとして構成されるとともにさらなるクラッチまたはブレーキは乾板摩擦クラッチとして構成され、またはクラッチは湿板摩擦クラッチとして構成されるとともにさらなるクラッチまたはブレーキは湿板摩擦クラッチとして構成される。
【0014】
本発明による変速機モジュールの実施形態は、変速機が、入力に接続される第1回転部材、出力に接続される第2回転部材、およびさらなるクラッチまたはブレーキを介してしっかりした物体に接続され得る第3回転部材の少なくとも3つの回転部材を持つバイパス変速機により形成されることを特徴とする。しっかりした物体は例えば変速機ハウジングである。
【0015】
第1回転部材は好ましくはリングギヤにより形成され、第2回転部材は遊星歯車がベアリングで取り付けられる遊星歯車キャリアにより形成され、第3回転部材はサンギヤにより形成される、または、第1回転部材はサンギヤにより形成され、第2回転部材は第2サンギヤにより形成され、第3回転部材は遊星歯車がベアリングで取り付けられる遊星歯車キャリアにより形成される。
【0016】
好ましくはトーションダンパが第1回転部材と第1クラッチ部品の一部を形成するクラッチカバーとの間に配置される。
【0017】
さらに、好ましくは中間ハウジング部分がクラッチと変速機の変速機ハウジングとの間に配置される。
【0018】
好ましくは、回転シールが第1回転部材と中間ハウジング部分との間に存在する。さらに、好ましくは、回転シールが第1回転部材と変速機のプライマリ軸との間に存在する。
【0019】
クラッチカバーと第1回転部材との間の接続は好ましくは接続スリーブを経由してクラッチアクチュエータの下を通る。
【0020】
さらに、好ましくは第1および第3回転部材は、変速機のプライマリ軸に直接ベアリングで取付けられる。
【0021】
変速機がバイパス変速機により形成される上述の実施形態の代替を形成する本発明による変速機モジュールの他の実施形態は、それぞれが入力軸および出力軸を有する2つの部分変速機を有し、部分変速機の第1の部分変速機の入力軸は入力に接続され、部分変速機の第2の部分変速機の出力軸は出力に接続され、第1の部分変速機の出力軸と第2の部分変速機の入力軸とがさらなるクラッチにより互いに接続され得る、ことを特徴とする。部分変速機は例えばギヤトレーン、チェーン伝動装置またはベルト伝動装置であり得る。
【0022】
本発明による変速機モジュールのさらなる実施形態は、出力の方向において第1の部分変速機が加速するとともに第2の部分変速機が減速することを特徴とする。結果として、作動中にさらなるクラッチにより伝達されるトルクは減少されるので、さらなるクラッチはより低い程度に負荷がかけられる。
【0023】
本発明による変速機モジュールのさらなる実施形態は、出力の回転数により除された運転中の入力の回転数により規定される部分モジュールのギヤ比が1より大きいことを特徴とする。好ましくは部分モジュールのギヤ比は1.3以上である。
【0024】
部分モジュールは貨物自動車の既存の駆動系に組み込まれ得る独立したモジュールとして構成され得る。この目的のために、部分モジュールの入力および出力は好ましくは第1クラッチ部品および/または駆動源または貨物自動車の変速機の入力軸および/または第2クラッチ部品にそれぞれ接続するための歯を備える。歯は例えばスプラインであり得る。次に、出力は好ましくは第2クラッチ部品に接続される延長軸により形成される。この延長軸は、変速機モジュールが貨物自動車に使用されるときに貨物自動車の変速機の入力軸を延長するために使用されるので、この入力軸は第2クラッチ部品に接続され得る。
【0025】
好ましくは、クラッチを操作するための操作手段および/またはさらなるクラッチを操作するためのさらなる操作手段が部分モジュールの一部を形成する。操作手段およびさらなる操作手段は好ましくは圧縮空気が供給される。この空気の供給は好ましくは中間ハウジング部分を経由して操作手段およびさらなる操作手段に導かれる。
【0026】
本発明はまた、本発明による変速機モジュールに適用され得る部分モジュールに関する。
【0027】
クラッチを操作(駆動)することにより、単純な方法で開放または閉鎖され得るように、さらなるクラッチまたはブレーキが除苛され得るまたはシンクロされ得る。
【0028】
クラッチおよびさらなるクラッチまたはブレーキを操作(駆動)することにより、トルクの中断無しに、1:1と、駆動軸および変速機の入力軸の間の伝動との間で、ギヤを切り替えることが可能である。
【0029】
さらなるクラッチまたはブレーキを操作(駆動)することにより、車両は前方あるいは後方に発進し得る。
【0030】
さらなるクラッチまたはブレーキを操作(駆動)することにより、車両は前方あるいは後方に発進し得るとともに次にクラッチを操作(駆動)することにより、車両の車輪のトルクの中断無しにより高いギヤに変速することができる。
【0031】
本発明は、図に示された本発明にしたがって変速機モジュールの実施形態の例に基づいてより詳細に以下に記載される。