(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器(3)は、前記ネブライザ(1)の出荷状態では依然と閉じられているが、前記出荷状態では前記ネブライザ(1)内に既に収納されており、前記ネブライザ(1)は、流体出口(24)が前記ネブライザ(1)の最初の使用前又は最初の使用中に前記ネブライザ(1)内で開かれるよう構成されている、
請求項1〜11のうちいずれか一に記載のネブライザ。
前記ハウジング部品(18)は、前記出荷状態では部分的にスナップ装着され又は挿入され、前記ハウジング部品(18)は、前記ハウジングを完全に閉じるために完全にスナップ装着され又は挿入される、
請求項13又は14記載のネブライザ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図において、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、たとえ説明を繰り返さないでも達成される。
【0022】
図1及び
図2は、流体2、特に、効能の高い医薬組成物等を噴霧化する公知のネブライザ1を示しており、このネブライザは、非引張り操作状態(
図1)及び引張り操作状態(
図2)で概略的に示されている。ネブライザ1は、特に、携帯用吸入器として構成され、好ましくは、機械的に飲み且つ/或いは推進ガスなしで動作する。
【0023】
流体2、好ましくは液体、特に医薬組成物を噴霧化すると、エーロゾル14(
図1)が生じ、このようなエーロゾルは、ユーザ(図示せず)により吸息又は吸入可能である。通常、吸入は、患者の苦しんでいる病気又は病訴に応じて、好ましくは定められた間隔で1日に少なくとも1回、特に1日に数回行われる。
【0024】
ネブライザ1は、流体2を収容した挿入可能な容器3を有する。この容器3は、噴霧化されるべき流体2のリザーバを形成している。好ましくは、容器3は、最高200回の投与単位をもたらし、即ち、最高200回のスプレー又は塗布を可能にするのに十分な量の流体2又は有効物質を収容している。国際公開第96/06011(A1)号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2〜10mlの量を収容する。
【0025】
容器3は、実質的に円筒形又はカートリッジの形状をしており、ネブライザ1をいったん開けると、容器を吸入器内に下から挿入でき、所望ならば交換することができる。この容器は、好ましくは硬質又は剛性構造のものであり、流体2は、特に、容器3内の折り畳み式袋4内に保持される。
【0026】
ネブライザ1は、流体2を特にあらかじめ設定され、オプションとして調節可能な投与量で運搬して噴霧化する圧力発生器5を有する。圧力発生器5は、好ましくは、容器3のためのホルダ6、駆動ばね7(一部しか示さず)、ばね7を解除するよう手動で操作できるロック要素8、運搬要素、例えば運搬管9、逆止弁10、圧力チャンバ11及び/又は流体2をマウスピース中に噴霧化するノズル12を有している。容器3は、ホルダ6によりネブライザ1内に取り付けられ又は保持されていて、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、容器3を交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0027】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる(流体2の運搬(吸引ストローク))。
【0028】
ロック要素8の作動後における次の弛緩中、圧力チャンバ11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9が駆動ばね7の弛緩により上方に戻され、今や加圧ラム又はピストンとして働いているとき(圧力発生及び/又は噴霧化)、加圧下に置かれる。この圧力により、流体2は、ノズル12中に送り込まれ、次に、
図1に示されているようにエーロゾル14の状態に噴霧化される。
【0029】
一般に、ネブライザ1は、流体に加わるばね圧力が5〜200MPa、好ましくは10〜100MPaであると共に/或いは一ストローク当たりの送り出し流体量が10〜50μl、好ましくは10〜20μl、最も好ましくは約15μlの状態で動作する。流体2は、エーロゾル14に変換され
又はエーロゾル14として
噴霧化され、このようなエーロゾルの液滴の空気力学径は、最大20μm、好ましくは3〜10μmである。好ましくは、発生するジェットスプレーの角度は、20°〜160°、好ましくは80°〜100°である。これらの値は、特に好ましい値として本発明の教示に従って構成されるネブライザ1にも当てはまる。
【0030】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの空気供給開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0031】
好ましくは、ネブライザ1を手動で作動させ又は引張り操作することができる。ネブライザ1は、好ましくは、上側ハウジング部品16及びこの上側ハウジング部品に対して回転可能な内側部品17を有し(
図2)、内側部品は、上側部分17a及び下側部分17bを有し(
図1)、他方、特に手動操作可能なハウジング部品(下側ハウジング部品)18が、好ましくは保持要素19によってこの内側部品17に解除自在に取り付けられ、特にこれに装着されている。好ましくは、ハウジング部品16,18は、ネブライザ1のハウジングを形成する。容器3を挿入すると共に(或いは)交換するために、ハウジング部分18をネブライザ1又はそのハウジングから取り外すことができる。
【0032】
ネブライザ1は、技術の現状と比較してサイズが減少している1つ又は2つ以上の空気供給開口部15を更に有する。代替的に又は追加的に、後で説明するようにインサート24をネブライザ1のマウスピース13内に挿入することができる。
【0033】
ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に対して回転させることができ、これに伴って、内側部品17の部分17bが回転する。その結果、駆動ばね7は、ホルダ6に作用する歯車又は伝動装置(図示せず)によって軸方向に引っ張られる。引張り中、容器3は、容器3が
図2に示すような端位置を取るまで軸方向下方に動かされる。この作動又は引張り操作状態では、駆動ばね7は、張力下にある。噴霧化プロセスの際、容器3を駆動ばね7によってその元の位置(
図1に示されている非引張り操作位置又は状態)に戻す。容器3は、引張り操作中及び噴霧化プロセス中、持ち上げ又はストローク運動を行う。
【0034】
ハウジング部分18は、好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部品を形成し、容器3の下方自由端部周りに又はこの上に嵌まっている。駆動ばね7を引っ張ると、容器3は、その端部分と共にハウジング部品18内へ(更に)動き又はその端面に向かって動き、他方、ハウジング部品18内に設けられた通気手段、軸方向に作用するばね20が、容器のベース(底)21に接触し、容器が最初に穿刺要素19に接触すると、このばねは、穿刺要素22により容器3又はこれに設けられたベースシールを穿孔し、空気を取り込み又は通気させることができる。
【0035】
ネブライザ1は、好ましくはハウジングの上側部品16に対する内側部品17の回転を検出することにより、ネブライザ1の作動を計数するモニタ装置23を有するのが良い。好ましくは、モニタ装置23は、作動又は放出投与分の或る特定の回数に達し又はこれを超えると、ネブライザ1の作動又は使用を阻止し、例えば、ロック要素8の作動を阻止する。
【0036】
以下、次に、
図3〜
図5を参照して吸入器又はネブライザ1の好ましい構成及び作動モードについて説明するが、
図1及び
図2のネブライザ1との本質的な差についてのみ強調する。
図1及び
図2に関する説明は、好ましくはそのまま又は類似した仕方で当てはまり、これに対し、
図1及び
図2のネブライザ1と以下に説明するネブライザ1の特徴の任意所望の組み合わせが可能である。
【0037】
図3〜
図5は、僅かに異なる実施形態としてのネブライザ1を概略断面図で示している。
図3は、ネブライザ1を出荷状態で、即ち、依然として密閉された予備収納状態の容器3を備えた状態で示している。この状態では、ネブライザ2のハウジングは、完全には密閉されておらず、特に、ハウジング部品18は、内側部品17に完全には押し付けられていない。
図4及び
図5は、ネブライザ1をハウジングが完全に密閉されると共に容器3が開封された作動及び/又は引張り操作状態で示されている。
図4では、ネブライザ1又は駆動ばね7が引張り操作され、即ち、容器3は、その下方位置にある。
図5は、ネブライザ1を非引張り状態で、例えば、流体2の1回投与分の送り出し又は放出後の状態で示しており、容器3は、その上方位置にある。
【0038】
容器3は、
図3に示されているように出荷状態ではネブライザ1内に既に設けられ又はあらかじめ収納されている。この状態では、容器3は、依然として密閉されており、即ち、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素との間には流体結合が存在しない。
【0039】
容器3は、小出しされるべき流体2を出力する流体出口24を有している。特に、流体出口24により、一方において容器3又はその袋4と他方においてネブライザ1、その圧力発生器5又は運搬要素との間の流体結合が可能である。
【0040】
流体出口24は、内側クロージャ25を有し、この内側クロージャは、好ましくは、隔膜、メンブレン、プラスチックシール等で作られると共に/或いは容器3の内部に設けられる。オプションとして、流体入口24を覆うと共に/或いは閉鎖するために第2の又は外側のクロージャ26が設けられるのが良い。
【0041】
好ましくは、クロージャ25,26は、1つの共通の要素、特に運搬要素又は運搬管9等によって且つ/或いは穿刺によって連続開放が可能であるように設計されている。
【0042】
好ましい実施形態では、第1のクロージャ25と第2のクロージャ26は、軸方向若しくは容器3のストローク運動の方向又は流体2の主出口方向に対して次々に且つ/或いは間隔を置いて配置されている。
【0043】
一般に、容器3、流体出口24又はクロージャ25若しくはクロージャ26は、特に、運搬要素、例えば運搬管9等によって且つ/或いは穿刺又は任意他の適当な仕方で開かれる。特に、開放は、容器3をネブライザ1又は運搬要素若しくは管9等に対して動かすと共に/或いは長手方向又は軸方向の運動によって達成される。
【0044】
好ましくは、第1の又は内側のクロージャ25は、容器3の出口又はヘッド側端部から容器3又は袋4中に延びるクロージャ部分27によって形成され又は支持される。第2の又は外側のクロージャ26は、好ましくは、容器3のヘッド側又は軸方向端部に隣接して配置されると共に/或いはフランジ28に対して保持され又はこれに連結され、フランジ28は、クロージャ部分27又は任意他の適当な部分により形成されるのが良い。しかしながら、他の構成上の手段が採用可能である。
【0045】
図3の出荷状態では、容器3は、ネブライザ1内にあらかじめ収納され、即ち、挿入されている。しかしながら、容器3又はその流体出口24はまだ開かれていない。特に、第2のクロージャ26は、既に開かれているが、第1のクロージャ25はそうではない。これは、特に、出荷状態では、好ましくは図示の実施形態では、ハウジング部品18を完全には閉じず又はこれを押すことなく、部分的にしか閉じられておらず、即ち完全には閉じられていないということによって達成される。好ましくは、ハウジング部品18は、出荷状態では部分的にスナップ装着され又は挿入されているに過ぎない。
【0046】
特に、容器3は、具体的には好ましくはハウジング部品18内に配置され又はこのハウジング部品18のところに配置された輸送ロック29によってハウジング部品18に取り付けられ若しくはこれによって保持され又はこの中に固定される。輸送ロック29は、特にハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける前に且つ/或いは出荷状態において容器3を好ましくは一時的に保持する。特に、輸送ロック29は、容器3の流体結合中及び/又は容器3の機械的連結中、この場合、ホルダ6によって固定状態に保持する。好ましくは、輸送ロック29は、容器3の開放中、特にその穿刺中、容器3を固定状態に保持する。
【0047】
ネブライザ1がユーザの元に輸送し又は送り届けることができ又は依然として包装している出荷状態では、ネブライザ1又はハウジング部品18は、好ましくは、特に固定部材30によって固定され、容器3及び/又はハウジング部品18は、ネブライザ1又は上側ハウジング部品16から十分に間隔を置いた状態に保持されると共に/或いは運搬要素若しくは管9、ハウジング又は内側ハウジング部品17等に完全に挿入され又はこれに嵌められることがないように且つ/或いは容器3、即ち、第1のクロージャ25の開放(完全な開放)が阻止されるようになっている。
【0048】
図示の実施形態では、固定部材30は、好ましくは、ハウジング部品18と上側ハウジング部品16との間に設けられ、好ましくは、ハウジング部品16,18に係合し又はこれらの間に嵌まり、その結果、ハウジング部品又は下側部品18が上側ハウジング部品16に対して軸方向に固定され又はこれから十分に遠ざかって又はこれから間隔を置いて維持され若しくは保たれ、それにより密閉された(依然として密閉された)容器3又は第1のクロージャ25を運搬管9から遠ざかって保持することができるようになっている。
【0049】
好ましい実施形態では、固定部材30は、少なくとも実質的に中空であると共に/或いは円筒形であり、ハウジング部品(下側ハウジング部品)18と上側ハウジング部品16との間に軸方向に配置される。ネブライザ1を作動させ又はこれを使用可能な状態に準備し、即ち、ハウジング部品18を十分に軸方向に押し、それにより容器3を開くためには、先ず最初に、固定部材30を取り外し若しくは解除し又は開かなければならない。図示の好ましい実施形態では、固定部材30は、例えばプラスチックで作られた小旗のように構成されると共に/或いは手動で開かれ、取り除かれ又は破壊されるのが良い。固定部材30は、これに変わって又は同時に、出所証印(seal of origin)を形成し又は構成することができる。しかしながら、例えばセキュリティタブ等の形態をした固定部材30の他の実施形態も又、採用可能である。
【0050】
好ましくは、容器3及び/又はハウジング部品18は、出荷状態では確実に又は圧力嵌め若しくはインターロック状態で保持される。これは、好ましい実施形態では、特に容器3とハウジング部品18との間で働く輸送ロック29及びハウジング部品18とネブライザ1のハウジング又は上側ハウジング部品16との間で働く固定部材30等によって達成される。しかしながら、輸送ロック29又は固定部材30は、一方において容器3と他方においてネブライザ1、そのハウジング、上側ハウジング部品16、内側ハウジング部品17又はホルダ6との間で直接働いても良い。
【0051】
この非作動位置では、ハウジング部品18は、好ましくは、これがなくなることがないよう、特に、解除することができないよう固定される。この場合、ネブライザ1のハウジング部品又は下側部品18を最初に軸方向に押して嵌めた(部分的に軸方向に押し嵌めした)後、ネブライザ1のハウジング部品又は下側部品18をネブライザ1からもはや取り外すことはできず、即ち、ネブライザ1をもはや開くことができず、その結果、容器3を交換することができず、即ち、再び取り外すことができない。
【0052】
ハウジング部品18を固定するため、ハウジング部品は、好ましくは、確実に又はインターロック若しくは圧力嵌め状態で保持され又はラッチ止めされる。好ましくは、ハウジング部品18は、少なくとも1つのラッチ止めラグ31、突出部、ノーズ等がハウジング部品18等に設けられた関連のラッチ止め凹部32に嵌まり込み、それによりハウジング部品18をインターロック係合により軸方向に取り外すことができないようにすることによって固定される。本実施形態では、ラッチ止めラグ31は、好ましくは屈曲可能なラッチ止めアーム33により形成され又はこのようなラッチ止めアーム33のところに形成されるのが良い。ハウジング部品18をネブライザ1又はそのハウジング若しくは上側ハウジング部品16に固定するラチェット状手段が形成される。しかしながら、他の構成上の手段も又、採用可能である。
【0053】
固定部材30をいったん取り外すと、ユーザ(図示せず)は、ハウジング部品18を軸方向に十分に押すことができ、それにより、運搬要素又は運搬管9を挿入して容器3、即ち第1のクロージャ25を開けることができる。
図4及び
図5は、ハウジング部品18が十分に押されると共に/或いは容器3が開いた(ネブライザ1若しくはその圧力発生器5又は運搬要素若しくは管9に流体結合された)この作動状態を示している。この押し込み又は作動状態では、ハウジング部品18はこの場合も又、好ましくは、インターロック係合により、即ち、軸方向圧力嵌め方式により、特にラッチ止めアーム33又はラッチ止めラグ31と対応の別のラッチ止め凹部32との嵌合により又は他の何らかの機械的固定器具によって固定され又は軸方向に取り付けられる。
【0054】
図4は、ネブライザ1又は容器3を作動状態で示しており、容器3、即ち第1のクロージャ25が開いており、即ち、容器3又はその流体2は、ネブライザ1又はその圧力発生器5に流体結合され、ハウジング部品18は、軸方向に完全に押し込められている。ホルダ6を容器3のヘッド端部と係合(完全係合)関係にして、吸引/引張り及び押し込みストロークのために容器3を後及び/又は前に動かすことができるようにするため、最初にネブライザ1又は管ばね7を引張り操作することが必要な場合がある。この引張り操作プロセス中、ホルダ6を運搬管9と一緒にハウジング部品18に向かって又はこの中に軸方向に動かし、ホルダ6を容器3と係合(完全係合)関係にすると共に容器3をハウジング部品18のベースの付近で穿刺要素22に動かして当て又は押し付け、それにより容器ベース21に設けられているガス抜き穴34を穿刺し又は開く。
図4は、ネブライザ1をこの引張り操作且つ作動状態で示している。ホルダ6は、容器3に係合し、運搬管9は、容器3内に完全に挿入されている。
【0055】
図5は、ネブライザ1を弛緩且つ非引張り状態で、即ち、流体2の1回投与分の噴霧化又は放出後の状態で示している。ホルダ6及び容器3は、上方位置にある。ホルダ6は、容器3と依然として係合しており、ネブライザ1の次の使用中、係合状態のままである。さらに、容器3は、依然として開くと共に流体結合されており、即ち、ネブライザ1は、作動状態のままである。
【0056】
ネブライザ1は、固定部材30の取り外し及びハウジング部品18の軸方向押し嵌め(完全軸方向押し嵌め)後に作動され、このようなネブライザ1を
図1及び
図2に示されたネブライザ1と同じ仕方で使用することができる。容器3の予備収納は、誤った容器3又は使用済みの容器3がユーザによりネブライザ1内に挿入されるのを阻止する。
【0057】
この場合、好ましくは容器3を取り外すことができないので、特に、ネブライザ1を開くことができず、しかもハウジング部品18を再び取り外すことができないので、ユーザによる容器3の望ましくない交換及び特にユーザによるネブライザ1の望ましくない臨時の又は次の開放を阻止することができる。
【0058】
ネブライザ1の出荷状態での容器3、特に第1のクロージャ25の望ましくない開放を阻止するため、好ましくは輸送ロック29が設けられる。例えば摩擦係合、強制係合又はインターロック係合により、輸送ロック29は、例えば輸送中、ネブライザ1の偶発的な落下等が起こった場合に容器3が望ましくないことにネブライザ1内で軸方向に動くのを阻止する。
【0059】
好ましくは、輸送ロック29の開放は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じたときに、即ち、ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に向かって完全にスナップ装着し又は押し嵌めした(押して嵌めた)ときに自動的に起こる。この(軸方向又は入れ子式)閉鎖運動中、輸送ロック29が開かれ、容器3は、好ましくは運動の最後の部分でのみ且つ/或いは最終の完全に閉じられた位置に達するほんの直前に又は最終の完全に閉じられた位置にちょうど達したときに軸方向に解除される。
【0060】
ネブライザ1の閉鎖運動により、輸送ロック29が好ましくは自動的に開けられる。具体的に言えば、輸送ロック29は、ネブライザ1、内側部品17又はその下側部分17b、ばね7を支承した保持リング43等との直接的若しくは間接的相互作用又はこれらによる作動によって開かれる。好ましくは、容器3及び/又は第1のクロージャ25は、共通の作動手段、この場合、ネブライザ1若しくはそのハウジング又は下側部品18の閉鎖運動によって輸送ロック29と共に開かれる。
【0061】
図4及び
図5は、輸送ロック29を開放位置で、即ち、容器3が軸方向に自由に動くことができる状態で示している。
【0062】
好ましくは、非作動状態では、即ち、ハウジング部品18が完全に押し嵌めされていないとき、ネブライザ1は、圧力発生器5の引張り操作を阻止し、即ち、具体的には上側ハウジング部品16に対する内側部品17の回転を阻止するようロックされるのが良い。これは、圧力発生器5が引張り操作状態下にはない出荷状態でネブライザ1を供給する場合に重要であると言える。したがって、吸入器1は、ハウジング部品18を完全に押し嵌めしたときに内側部品17を上側ハウジング部品16に対してだけ回転することができるようバリヤを有するのが良い。代替的に又は追加的に、固定部材30は、出荷状態での下側部品18の押し嵌めを阻止するだけでなく、固定部材30が開かれ、解除され又は取り外されるまで内側部品17の回転を阻止することができる。
【0063】
以下において、
図5〜
図9を参照して吸入器又はネブライザ1の別の観点について詳細に説明し、この場合、
図1〜
図5のネブライザ1に関する上述の注意事項及び説明が好ましくは対応して又は同様な仕方で当てはまるよう本質的な差についてのみ強調する。
【0064】
図6は、本発明の第1の実施形態としてのネブライザを非常に概略的な部分断面図で示している。ネブライザ1は、出荷状態からハウジング又はハウジング部品18が完全には閉じられていない作動状態への移行状態で示されている。ハウジング部品18は、例えば
図3に示されている出荷状態で当初行なわれている程度よりもいっそう内側部品17に既に押し嵌めされている。したがって、容器3は、
図6に示されている状態では既に開かれている。さらに、好ましくはハウジング部品18を出荷状態では内側部品17に押し嵌めできないようにする固定部材30は、
図6に示されている状態では既に解除され若しくは開かれ又は取り外されている。
【0065】
ネブライザ1又はそのハウジングは、容器3が流体2の運搬、圧力発生及び/又は噴霧化のために前後に動くことができるが、ハウジング又はハウジング部品18から分離できないように且つ/或いは容器3がネブライザ1の出荷状態では動くことができないように保持されるように容器3を保持する固定保持手段35を有している。
【0066】
固定保持手段35は、
図6に示されているようにハウジング部品18のところ又はこの中に配置され又は取り付けられている。
【0067】
図7は、固定保持手段35の好ましい実施形態を斜視図で示している。
図8は、固定保持手段35を容器3に連結された状態で示している。
【0068】
好ましくは、固定保持手段35は、金属及び/又は打抜き加工部品を含み又はこれから成ると共に/或いは
図7に示されているように単一の一体形部品から成る。
【0069】
好ましくは、固定保持手段35は、鋼、特にばね鋼で作られる。
【0070】
好ましくは、固定保持手段35は、切断、打抜き加工等及び/又は曲げ加工によって板状材料から作られる。
【0071】
好ましくは、固定保持手段35又はその一部は、ケージを形成し、特に容器3又はその端部分を包囲する。
【0072】
好ましくは、固定保持手段35は、保持要素36及び/又はロック要素37を含む。要素36,37は、好ましくは、アーム、フィンガ、リーフ等のように設計されている。特に、要素36,37は、容器3の周囲にわたって交互に分布して配置されると共に/或いは少なくとも本質的に軸方向に又は容器3の前後運動方向に延びる。
【0073】
好ましくは、要素36,37は、固定保持手段35のベース38により保持され又はこれに連結される。
【0074】
好ましくは、固定保持手段35又はベース38は、容器3を穿刺し、即ち、作動且つ引張り操作状態、即ち、容器3がその下方端位置に達したときに、容器ベース21又はそのガス抜き穴34を開く穿刺要素22を有し又は保持する。図示の実施形態では、穿刺要素22は、固定保持手段35又はそのベース38のばね部分39を曲げることにより形成される。ばね部分39は、ホルダ6への容器3の連結(完全な又は最終的な連結)を支援し又は容易にすることができる。
【0075】
固定保持手段35又はベース38は、好ましくは、固定保持手段35をネブライザ1又はハウジング若しくはハウジング部品18のところ又はこの中に取り付ける少なくとも1つ又は多数の取り付け部分40を有している。特に、取り付け部分40は、固定保持手段35をハウジング部品18内に押し込むと、ハウジング部品18の側壁と協働することにより固定保持手段35を固定することができる。しかしながら、固定保持手段35、そのベース38、取り付け部分40等を複合成形することも又可能である。さらに、固定保持手段35は、ハウジング部品18等に任意他の適当な仕方で連結されても良い。
【0076】
好ましくは、固定保持手段35は、ネブライザ1、そのハウジング又はハウジング部品38からの容器3の分離を阻止するだけでなく容器3をネブライザ1の出荷状態ではハウジング内で動くことができないよう保持する輸送ロック29を形成する。
図6及び
図8は、この状態又は容器3が固定保持手段35によって動くことができないように(軸方向に動くことができないように)保持された場合、即ち、輸送ロック29が閉じられた場合の状況を示している。この状況では、容器3又は容器3の好ましくは半径方向に突き出た端部又は縁部41は、保持要素36とロック要素37との間、特に要素36,37のそれぞれ形成され又は曲げられた端部相互間に保持される。
【0077】
図示の実施形態では、容器端部又は縁部41は、要素36,37の端部分36a,37a相互間に捕捉される。保持要素36は、縁部41を掴み又はこの上に延び、ロック要素37又はその端部分37aは、縁部41又は容器ベース21を掴み又はこの下に延び、その結果、縁部41及び容器3は、しっかりと保持され、それによりこの状態で、即ち、固定保持手段35/輸送ロック29がロックされた状態で、固定保持手段35及び関連のハウジング部品18に対する容器3の軸方向運動が阻止される。
【0078】
保持要素36とロック要素37は、容器3又は縁部41の周りに交互に分布して配置されている。
【0079】
好ましくは、保持要素36の端部分36aは、第1の半径方向平面で終端し、ロック要素37の端部分37aは、別の第2の半径方向平面で終端し、この場合、2つの平面は、縁部41をこれらの間に保持するよう軸方向にずれていると共に/或いは第2の平面は、第1の平面と容器3の下方端位置、ハウジング部品18の下端部又は穿刺要素22との間に軸方向に配置される。追加的に又は代替的に、端部分36aは、端部分37aとは異なる半径(外側半径)上で終端すると共に/或いは端部分37aから軸方向に間隔を置いて配置される。
【0080】
端部分36a及び/又は37aは、好ましくは、爪等のような形をしていると共に/或いは好ましくは半径方向内方に延びる。
【0081】
好ましくは、要素36及び/又は要素37は、その自由端部が半径方向外方に位置した状態で撓曲することができる。
【0082】
例えば、端部分36aの端部は、容器3を軸方向力によって固定保持手段35内に挿入することができ又はこれに連結することができるよう傾けられているのが良く、その結果、保持要素36は、縁部41の通過を可能にするよう外方に撓曲する。しかしながら、保持要素36は、容器3を特にその縁部41を固定保持手段35内に挿入するときに適当な工具(図示せず)等により外方に撓曲可能であっても良い。
【0083】
好ましくは、保持要素36は、固定保持手段35からの及び関連のハウジング部品18等からの容器3の分離を阻止する。
【0084】
ロック要素37又はその端部分37aは、軸方向保持又は輸送ロック29を開くために半径方向外方に撓曲可能である(これについては、以下において
図9を参照して詳細に説明する)。次に、容器3を軸方向に、特に前後に動かすことができると共に/或いはその縁部41が本実施形態では、第1の平面と穿刺要素22との間に位置した状態で動かすことができる。
【0085】
本実施形態では、ロック要素37は、作動部分37b(好ましくは、自由端部のところ及び/又は隣り合う端部分37a相互間に形成される)を有する。好ましくは、作動部分37bは、半径方向にずれるのが良い軸方向延長部を形成する。作動部分37bは、ネブライザ1の関連制御部材42又は多数の制御部材42と協働してロック要素37がハウジングの閉鎖(完全閉鎖)に半径方向外方に撓曲されて輸送ロック29(この場合、主として、ロック要素37又はその端部分37aで形成されている)を開くようにする。
【0086】
図6は、ハウジングをまだ閉じていない(完全には閉じていない)ときに関連の作動部分37bから軸方向に間隔を置いて位置した制御部材42を概略的に示している。
【0087】
図9は、輸送ロック29が開かれた状態の、即ち、ロック要素37が半径方向外方に撓曲した状態の完全に閉じられたネブライザ1の下側部分を示している。
図9は、特にハウジングが完全に閉じられたとき又はハウジング部品18がネブライザ1に完全に押し嵌めされたとき、制御部材42が軸方向閉鎖運動を作動部分37b及び関連ロック要素37の半径方向開放運動に変換して輸送ロック29を開いている状態を示している。
【0088】
制御部材42は、好ましくは、軸方向突出部として形成される。制御部材は、リング43又は駆動ばね7を内側部品17内に収納支承するネブライザ1の任意他の支承手段によって若しくはこのところに又はネブライザ1の任意他の適当なコンポーネント、例えば内側部品17によって若しくはこのところに形成されるのが良い。
【0089】
制御部材42は、リング43に沿って延びる軸方向突出リング、肩又は出張りのように形成されても良い。
【0090】
制御部材42は、さらに、ハウジングが
図9に概略的に示されているように完全に閉じられたときに保持要素36が軸方向に開くことがないようにするのが良い。この場合、制御部材42は、保持要素36又はその端部分36aの周辺方向外側に接触して外方への撓曲を阻止する。この場合、固定保持手段35又はその保持要素36は、開くことがないようになり、その結果、容器3は、固定保持手段35又は固定保持手段35若しくは保持要素36により形成されたケージ内にしっかりと保持される。
【0091】
図9は、穿刺要素22がガス抜き穴34又は容器ベース21に取り付けられた関連のシールを穿刺することができる場合に容器3をその下方位置で示している。
【0092】
本実施形態では、固定保持手段35は、多数の機能を有する。固定保持手段35は、容器3が特に流体2の運搬中、圧力発生中及び/又は噴霧化中、前後に動くことができるよう容器3を保持し(作動状態/ハウジングが完全に閉じられた状態で)、この場合、容器3は、ハウジング又はハウジング部品18から分離できない。さらに、固定保持手段35は、輸送ロック29を形成すると共に/或いは容器3をネブライザ1の出荷状態では動かないよう保持する。追加的に又は代替的に、固定保持手段35は、容器3のガス抜き穴34を開く開放手段、この場合、穿刺要素22を有する。
【0093】
好ましくは、固定保持手段35は、容器3への連結後においては容器3から分離できないケージを形成する。
【0094】
輸送ロック29及びロック要素37は、ネブライザ1の通常の使用中、特にハウジングが閉じられている(完全に閉じられている)限り、開き状態に保持される。ハウジングが開かれると、即ち、ハウジング部品18が取り外されると、制御部材42は、作動部分37bから離脱することができ、その結果、ロック要素37は、閉鎖し又は再び内方に撓曲することができる。すると、ロック要素37は、その端部分37aが容器3の縁部41上に位置した状態で掴むことができ、その結果、容器3を固定保持手段35/ハウジング部品18から分離することができるのを阻止する追加のロックが形成されるようになっている。
【0095】
固定保持手段35は、ハウジング部品18からの容器3の分離を阻止する。したがって、ハウジング部品18をネブライザ1又は内側部品17から完全に取り外すことができる場合、容器3は、ハウジング部品18と一緒にしか置き換え又は交換することができない。また、しかしながら、ネブライザ1を開くことができないようにすることが可能である。この場合、容器3を交換することができない。
【0096】
以下において、
図10〜
図13を参照して本発明のネブライザ1及び固定保持手段35の第2の実施形態について説明する。上述の注意事項及び説明は、対応し又は同様な仕方で当てはまる。本質的な差についてのみ又は第2の実施形態の新たな観点についてのみ詳細に説明する。
【0097】
図10は、出荷状態にある第2の実施形態としてのネブライザ1を概略断面図で示している。ハウジング部品18は省かれている。
【0098】
第2の実施形態では、固定保持手段35は、ネブライザ1のハウジングの取り外し不能部品のところに又はこの中に配置され又は収納され、特に上側ハウジング部品16又は内側部品17のところ又はこの中に配置され又は収納されている。特に、固定保持手段35は、好ましくは内側部品17の下端部のところのリング43又は任意他の適当なコンポーネントのところ又はこの中に配置され又は設けられている。図示の実施形態では、固定保持手段35は、少なくとも主としてリング43と容器3との間に配置されている。しかしながら、他の構成上の手段が採用可能である。
【0099】
図11は、出荷状態にある容器3及び関連の固定保持手段35を斜視図で示している。図示の第2の実施形態では、固定保持手段35は、好ましくはフィンガ状又はリーフ(葉)状である多数の保持要素36の構成体を形成している。保持要素36は、容器3の周囲に沿ってぐるりと環状に配置されると共に/或いは固定保持手段35のリング部分44に連結されている。具体的に説明すると、保持要素36は、リング部分44の内縁部に連結された状態で軸方向上方に、即ち、容器の挿入方向に又はネブライザ1内に延びている。保持要素36は、容器3に押し付けられると共に/或いは容器3に対して半径方向内方に傾けられている。
【0100】
固定保持手段35又は図示の実施形態ではリング部分44及び関連保持要素36により形成された固定リングは、固定保持手段35又は固定リングをネブライザ1、そのハウジング若しくは内側部品17、特に駆動ばね7を当接支承したリング43のところに固定する好ましくは固定部分40を有する。固定部分40は、好ましくはリング部分44から軸方向に延びていて、その自由端部のところが半径方向外方に傾斜しており、その結果、リング43との押し込み嵌め係合が可能になっている(リング43は、好ましい実施形態では、リング部分44と固定部分40の自由端部との間に軸方向に保持されている)。固定保持手段35又は固定リングをリング43のところにしっかりと固定することができる。しかしながら、他の構成上の手段も又採用可能である。
【0101】
注目されなければならないこととして、固定保持手段35又は固定リングは、第1の実施形態に関して上述したように金属及び/又は打抜き加工部品及び/又は単一の一体形部品を有し又はから成る。
【0102】
固定保持手段35又は固定リングの保持要素36は、好ましくは、容器3上に形成され又は容器3によって形成された係合手段と協働して容器3が前後に動くことができるが、ハウジング又はネブライザ1から分離することができず且つ/或いは輸送ロック29が形成されると共に/或いは容器3がネブライザ1の出荷状態では動くことができない(軸方向に動くことができない)ように保持されるようになっている。
【0103】
図示の実施形態では、容器3は、係合手段として少なくとも1つ、この場合2つの半径方向肩、突出部又は波形部45を有している。波形部45は、好ましくは、容器3の外周部に設けられた好ましくはリング状のウェブ等を形成すると共に/或いは特に保持要素36が波形部45相互間に嵌まり込むことができるよう軸方向に間隔を置いて配置されている。
【0104】
係合手段又は波形部45は、好ましくは、容器3上に配置され又は形成されていて、保持要素36が出荷状態では
図10及び
図11に概略的に示されているように特に2つの波形部45相互間に嵌まり込んで容器3が容器3の完全な挿入及び/又は容器3又はその第1のクロージャ25の望ましくない開放を回避するよう軸方向に保持されるようになっている。
【0105】
特に、上側波形部45は、容器3をネブライザ1から取り外すことができるのを阻止し、その理由は、保持要素36がこの波形部45に打ち勝つことができず又は乗り越えることができないからである。固定保持手段35は、容器3の交換を完全に阻止する。逆方向においては、下側波形部45は、保持要素36の障害又は抵抗となり、その結果、容器3は、出荷状態ではそれ以上挿入できないようになっており、即ち、この波形部45は、固定保持手段35又はその保持要素36と協働して輸送ロック29を形成している。しかしながら、この障害又は抵抗に十分に大きな力で、例えば、ハウジングを手動で閉じ又は容器3を手動で挿入することにより打ち勝つことができ、即ち、輸送ロック29を開くことができる。というのは、保持要素36は、半径方向外方に撓むことができ、その結果、下側波形部45が通すことができ、容器3を一段と挿入することができ、即ち、
図10において上方に動くことができるようになるからである。
【0106】
波形部45は、特に出荷状態における容器3のしっかりとした保持を実現するために必要に応じて又は所望に応じて軸方向又は周方向配置場所、形態、半径方向広がり、勾配、寸法等が様々であって良く、力は、容器3をそれ以上挿入して開くときに打ち勝つ必要がある観点において大きすぎることはない。
【0107】
図12は、容器3が完全に挿入され、即ち、容器3が完全に開かれた状態の作動状態に(輸送ロック29が開かれた状態にある)ネブライザ1が或る状況を示している。容器3は、ホルダ6に連結されている。駆動ばね7は、引っ張られておらず、即ち、
図12は、ネブライザを非引張り操作状態で示している。
【0108】
図13は、固定保持手段35の付近の
図12の部分拡大図である。この状態では、容器3は、本質的に、ネブライザ1の使用中、固定保持手段35に対して軸方向前後に自由に動くことができる。しかしながら、保持要素36は、容器3をネブライザ1から分離しようとしたときに係合手段、この場合、先ず最初に下側波形部45に係合することになる。2つの波形部45は、容器3を完全に挿入した後又は固定保持手段35又は保持要素36が下側波形部45を通過した後、容器3の分離を阻止する二重の安全性を提供する。
【0109】
一般的に言って、提案対象のネブライザ1では、容器3は、好ましくは、ネブライザ1内に挿入可能であり、即ち、組み込み可能であることは指摘されるべきである。その結果、容器3は、好ましくは、別個のコンポーネントである。しかしながら、容器3は、理論的には、ネブライザ1又はネブライザ1の一部によって直接形成されても良く、或いは、違ったやり方でネブライザ1に組み込まれても良い。
【0110】
上述したように、上述の実施形態の個々の特徴、観点及び原理は又、所望に応じて互いに組み合わせ可能であり、これらを特に
図1及び
図5の公知のネブライザに使用するのが良いが、同様な又は異なるネブライザにも使用できる。
【0111】
自立型機器等とは異なり、提案対象のネブライザ1は、好ましくは、携帯可能であるよう設計され、特に、可搬式の手操作型器具である。
【0112】
しかしながら、提案した解決手段を本明細書において具体的に説明したネブライザ1だけでなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば粉末吸入器又はいわゆる計量投与型吸入器にも利用できる。
【0113】
好ましくは、流体2は、上述したように液体、特に水性調合薬である。しかしながら、流体は、他の何らかの調合薬、サスペンション等であっても良い。
【0114】
変形実施形態によれば、流体2は、粒子又は粉末を更に含んでいても良い。この場合、噴出ノズル12ではなく、他の何らかの種類の供給装置、特に、流体又は粉末等をマウスピース13内に供給する噴出開口部(図示せず)又は供給チャネル(図示せず)が設けられるのが良い。オプションとしての給気開口部15は、この場合、大気を好ましくは並列に供給してマウスピース13を介する吸息又は吸入に十分な量の空気流を発生させ又はその実現を可能にするのに役立つ。
【0115】
必要ならば、流体2は、推進ガスによって霧状にされても良い。
【0116】
好ましくは医療用の流体2の好ましい成分及び/又は調合薬は、国際公開第2009/047173(A2)号パンフレットに列記されており、この国際公開を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。上述したように、これらは、水性又は非水性溶液、混合物、エタノールを含み又は溶剤のない調合薬等であって良い。