(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5658328
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月21日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20141225BHJP
【FI】
G02F1/1333
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-153432(P2013-153432)
(22)【出願日】2013年7月24日
(62)【分割の表示】特願2009-274609(P2009-274609)の分割
【原出願日】2009年12月2日
(65)【公開番号】特開2013-214114(P2013-214114A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(73)【特許権者】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 栄治
【審査官】
稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−323016(JP,A)
【文献】
特開2007−212931(JP,A)
【文献】
特開2008−304912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ベース部と前記第1ベース部の周縁部から立ち上がる第1壁部とを含む金属フレームと、
前記第1ベース部に載るように配置された第2ベース部と、前記第2ベース部から立ち上がる複数の第2壁部と、を含む樹脂フレームと、
前記樹脂フレームの前記第2ベース部の上面に支持された液晶表示パネルと、
を有し、
前記液晶表示パネルの周縁は、前記第1壁部の上方に位置し、
前記樹脂フレームの前記複数の第2壁部は、それぞれ、前記第1ベース部の周端部の複数箇所の上方に位置するように隣同士が間隔をあけて設けられ、前記液晶表示パネルの周縁の外側に位置して、前記液晶表示パネルの側方への移動を規制することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
前記樹脂フレームは、前記第2壁部の下では、前記第2ベース部が前記第2壁部よりもくびれるように形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された液晶表示装置において、
前記第1ベース部は、矩形の平面形状を有し、
前記矩形の各辺に沿った側端部に、前記複数の第2壁部が上方に位置する前記複数箇所の少なくとも1つがあることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、
導光板と、
前記液晶表示パネルと前記導光板の間に配置された光学シート群と、
前記第1ベース部と前記第2ベース部の間に介在する反射シートと、
をさらに有することを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルと金属フレームの間に樹脂フレームを配置した構造の液晶表示装置が知られている(特許文献1)。金属フレームは、液晶表示パネルの保護を図り、樹脂フレームは、液晶表示パネルと金属フレームが直接接触することを防止する緩衝部材の役目を果たしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−323016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示する構造では、金属フレームは、液晶表示パネルと対向する第1ベース部と第1ベース部の周縁から立ち上がる壁部を有し、壁部に囲まれた領域に液晶表示パネルが配置されている。また、金属フレームの壁部には切り欠きが形成されている。樹脂フレームは、第1ベース部上に配置された部分と、金属フレームの壁部の切り欠き上に配置された部分と、を一体的に有する。また、樹脂フレームは、金属フレームの外形を超えない大きさになっている。すなわち、液晶表示装置の外形は、金属フレームの大きさで決定されている。
【0005】
この構造によれば、樹脂フレームの部位は、液晶表示パネルの側方では、金属フレームの壁部の切り欠き上にあるので、壁部と液晶表示パネルの間には樹脂フレームが介在しない。したがって、液晶表示パネルの側方には、金属フレームと樹脂フレームが重ならないので、液晶表示装置を小型化することができる。しかし、近年、液晶表示装置の小型化が高くなり、さらなる改良が求められている。
【0006】
本発明は、液晶表示装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る液晶表示装置は、第1ベース部を含む金属フレームと、前記第1ベース部に載るように配置された第2ベース部と、前記第2ベース部から立ち上がる複数の第2壁部と、を含む樹脂フレームと、前記樹脂フレームの前記第2ベース部の上面に支持された液晶表示パネルと、を有し、前記樹脂フレームの前記複数の第2壁部は、それぞれ、前記第1ベース部の周端部の複数箇所の上方に位置するように隣同士が間隔をあけて設けられ、前記液晶表示パネルの周縁の外側に位置して、前記液晶表示パネルの側方への移動を規制することを特徴とする。
【0008】
(2)(1)に記載された液晶表示装置において、前記樹脂フレームは、前記第2壁部の下では、前記第2ベース部が前記第2壁部よりもくびれるように形成されていることを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載された液晶表示装置において、前記第1ベース部は、矩形の平面形状を有し、前記矩形の各辺に沿った側端部に、前記複数の第2壁部が上方に位置する前記複数箇所の少なくとも1つがあることを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、導光板と、前記液晶表示パネルと前記導光板の間に配置された光学シート群と、前記第1ベース部と前記第2ベース部の間に介在する反射シートと、をさらに有することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す液晶表示装置のII−II線断面図である。
【
図3】
図1に示す液晶表示装置のIII−III線断面図である。
【
図4】
図1に示す金属フレームのみを示す平面図である。
【
図5】
図1に示す金属フレーム及び樹脂フレームのみを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。
図2は、
図1に示す液晶表示装置のII−II線断面図である。
図3は、
図1に示す液晶表示装置のIII−III線断面図である。
【0014】
液晶表示装置は、液晶表示パネル10を有する。液晶表示パネル10は、一対の基板12(ガラス基板)を有し、両者間には図示しない液晶が介在する。一方の基板12は、薄膜トランジスタ、画素電極及び配線などを含むTFT(Thin Film Transistor)基板(又はアレイ基板)であり、他方の基板12はカラーフィルタ基板である。液晶表示パネル10の駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Vertical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線が形成される。
【0015】
一方の基板12の端部には、液晶を駆動するためのドライバ回路を内蔵する集積回路チップ14が搭載され、フレキシブル配線基板16が取り付けられている。
【0016】
液晶表示パネル10は、偏光板18を含む。偏光板18は、基板12の端部(周端部)を避けた領域(基板12の周端部に囲まれた領域)に貼り付けられている。
【0017】
液晶表示装置は、バックライトの一部である導光板20を有する。導光板20は、点光源としての発光ダイオード(図示せず)の光を面光源に変換して液晶表示パネル10に照射するためのものである。
【0018】
液晶表示パネル10と導光板20の間には光学シート群22が配置されている。光学シート群22は、拡散シート及びプリズムシートなどを含む。また、導光板20の下(光学シート群22とは反対側)には反射シート23が配置されている。
【0019】
図4は、
図1に示す金属フレームのみを示す平面図である。液晶表示装置は、金属フレーム24を有する。金属フレーム24は、第1ベース部26を含む。第1ベース部26は、矩形の平面形状を有している。金属フレーム24は、第1ベース部26の周端部の複数箇所28を除いた位置で第1ベース部26から立ち上がる第1壁部30を含む。言い換えると、第1ベース部26の中央部を切れ目なく囲む周端部は、第1壁部30が形成される箇所と、第1壁部30が形成されない複数箇所28と、を含む。矩形の第1ベース部26の各辺に沿った側端部に、第1壁部30が存在しない複数箇所28の少なくとも1つがある。
【0020】
図5は、
図1に示す金属フレーム及び樹脂フレームのみを示す平面図である。液晶表示装置は、樹脂フレーム32を有する。樹脂フレーム32は、金属フレーム24の第1ベース部26の第1壁部30よりも中央側の領域から周端部の複数箇所28(第1壁部30の存在しない領域)に至るように配置された第2ベース部34を含む。第2ベース部34は、要するに、第1ベース部26に載る部分である。なお、
図2及び
図3に示すように、第1ベース部26と第2ベース部34の間に反射シート23が介在していてもよい。
【0021】
第2ベース部34の上面に液晶表示パネル10が支持されている。詳しくは、接着部材36(例えば両面接着テープ)を介して、液晶表示パネル10と第2ベース部34の上面が接着されている。
【0022】
樹脂フレーム32は、第1ベース部26の周端部の複数箇所28(第1壁部30の存在しない領域)の上方で、第2ベース部34から立ち上がる第2壁部38を含む(
図2参照)。第2壁部38は、液晶表示パネル10の側方(周縁の外側)に位置しており、液晶表示パネル10の側方への移動を規制するストッパあるいは緩衝部材となっている。液晶表示パネル10の端から第2壁部38の外端までの距離a(
図2)と、液晶表示パネル10の端から金属フレーム24の第1壁部30の外端までの距離b(
図3)とは等しくなっている。つまり、樹脂フレーム32及び金属フレーム24の外面が一致するようになっている。
【0023】
図5に示すように、第2ベース部34の上面(第2壁部38が形成されない領域)では、第2壁部38に隣接する領域が、金属フレーム24の第1壁部30の隣の領域よりも広くなっている。そのため、第2壁部38に隣接する領域に設けられる接着部材36の幅j(
図2)が、金属フレーム24の第1壁部30の隣の領域に設けられる接着部材36の幅h(
図3)よりも広くなっている。ただし、接着部材36の幅hは0.6mm以上あることが好ましい。
【0024】
第2壁部38の厚みc(
図2)は、第1壁部30の厚みd(
図3)よりも薄い。樹脂フレーム32は、第2壁部38の下では、第2ベース部34が第2壁部38よりもくびれるように形成されている。例えば、くびれの寸法e(
図2)は0.05mm以上あることが好ましい。樹脂フレーム32にくびれがあることで、金属フレーム24の第1ベース部26の周端部は、複数箇所28(第1壁部30の存在しない領域)では、第2ベース部34から突出する。
【0025】
図3に示すように、液晶表示パネル10の周縁は、第1壁部30の上方に位置している。つまり、液晶表示パネル10の周縁と第1壁部30が投影面において重なる。液晶表示パネル10の下面と第1壁部30の上面(相互に対向する面)の間隔f(
図3)は、0.1mm以上あることが好ましい。第1壁部30の厚みdと、液晶表示パネル10の端から金属フレーム24の第1壁部30の外端までの距離b(
図3)とは、d>bの関係を有する。
【0026】
本実施形態によれば、液晶表示パネル10の周縁が、金属フレーム24の第1壁部30の上方に位置するので、液晶表示パネル10と金属フレーム24のオーバーラップ長さg(
図3)の分、金属フレーム24を小さくすることができ、これにより、液晶表示装置を小型化することができる。
【0027】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0028】
10 液晶表示パネル、12 基板、14 集積回路チップ、16 フレキシブル配線基板、18 偏光板、20 導光板、22 光学シート群、23 反射シート、24 金属フレーム、26 第1ベース部、28 複数箇所、30 第1壁部、32 樹脂フレーム、34 第2ベース部、36 接着部材、38 第2壁部。