(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のゲーム装置およびゲーム装置の処理方法について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、説明の都合上、
図1〜3、5〜10、15、16中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明を行う。
【0023】
まず、本発明のゲーム装置の説明に先立って、当該ゲーム装置で使用される記録媒体について説明する。
【0024】
1.記録媒体
図1は、本発明のゲーム装置で使用される記録媒体を模式的に示す図である。
【0025】
本発明の記録媒体は、
図1に示されるように、矩形状のゲームカード1である。このゲームカード1は、ゲームの1回のプレイごとにゲーム装置から配出されるカードであり、次回以降にゲームを行う時に当該ゲーム装置に使用されることができる。また、ゲームカード1は、後述するような特典を有するボーナス部2を有しているため、プレイヤーは、ボーナス部2を使用して特典を得ることで、ゲームをより一層楽しむことがきる。したがって、使用価値が低下したカードであっても、ゲームに有用なアイテムなどのボーナス情報をゲームで使用することができるので、カードの魅力が向上し、ゲームの興趣性が向上する。その結果、プレイヤーに醍醐味を与え、カードの利用価値を高めることができる。
【0026】
ゲームカード1は、その前面(表面)において、1次元コード(第2のコード)21を含むボーナス部(第2の部分)2と、2次元コード(第1のコード)31を含むキャラクター表示部(第1の部分)3と、ボーナス部2とキャラクター表示部3との間に位置された分離部4とを含む。
【0027】
(ボーナス部2)
ボーナス部2は、プレイヤーにボーナス情報を提供する機能を有する。ボーナス部2には、ゲームに関連するボーナス情報の内容、本実施形態では、「レベルアップBONUS!」が表示されている。そのため、プレイヤーは、ゲームカード1によって提供されるボーナスが何であるかを容易に把握することができる。その結果、ボーナスを使用するまでの期待感をプレイヤーに与え、ゲームに対する魅力を向上させている。なお、ボーナス情報の内容は、ボーナス部2に表示されていなくてもよい。
【0028】
また、ボーナス部2は、キャラクター表示部3と識別できるように着色されている。例えば、黄色、緑色、赤色などで着色されている。このように、ボーナス部2とキャラクター表示部3とで色を変えることにより、プレイヤーは、ゲームカード1がボーナス部2を有するか否か一見して把握することができる。
【0029】
1次元コード21は、ボーナス部2の上部に配置されている。しかしながら、ボーナス部2における1次元コード21の配置はこれに限定されず、1次元コード21はボーナス部2の下部や中央部のいずれに配置されていてもよい。
【0030】
1次元コード21は、五角形状のコード211と、棒状のコード212とを有している。五角形状のコード211には、2次元コード31に記録された情報と関連付けるための情報が記録されている。このような情報は、ボーナス部2がキャラクター表示部3とマッチングしていることを表す情報(マッチング情報)であればよい。すなわち、当該ボーナス部2が、ゲームカード1が配出されたときのキャラクター表示部3と結合していることを表す情報であればよい。たとえば、14ビットのコードなどが挙げられる。このコードは、五角形状のコード211において、矩形状のベース部および三角形状のトップ部のいずれに記録されていてもよいが、ベース部に記録されていることが好ましい。
【0031】
ゲームカード1はボーナス部2を有しているため、カードが偽造されるおそれがある。具体的には、まず、ゲームカード1からボーナス部2を切断する。当該切断したボーナス部2を、ボーナス部2を使用(切断)した別のゲームカードに結合させ、偽造カードを作成する。このような偽造カードのボーナス部2の1次元コード21に記録されている情報は、偽造カードのキャラクター表示部3の2次元コード31に記録されている情報と関連づけられていない。したがって、偽造カードを使用してゲームを行ったとしても、ボーナス情報を使用することはできない。一方、ゲームカード1には、1次元コード21にマッチング情報が記録されているので、カードを偽造することを防止することができる。なお、この偽造行為を確実に防止するために、後述するように、2次元コード31にも1次元コード21に記録されたマッチング情報と同様の情報が記録される。
【0032】
また、五角形状のコード211には、ボーナス部2に表示されているボーナス情報が記録されていてもよい。たとえば、ベース部にマッチング情報が記録されていれば、ボーナス情報はトップ部に記録されていてもよい。棒状のコード211には、前述したようなマッチング情報が記録されていてもよいし、ボーナス情報が記録されていてもよいし、何も記録されていなくてもよい。マッチング情報が記録されていれば、上述したようなカードの偽造を防止する効果が得られる。
【0033】
1次元コード21は、無効化されるように構成されている。これにより、1次元コード21を読み取ることがないので、ボーナスを得ることができない。このように、ボーナス部2を使用する回数が限定されるため、ゲームカード1のレアリティーが向上し、ゲームカード1の利用価値を高めることができる。1次元コード21を無効化する方法は、特に限定されないが、例えば、ボーナス部2をキャラクター表示部3から切断する方法、1次元コード21に穴をあける方法、1次元コード21にインク(ドット、取消線、着色)を付与する方法、1次元コード21の一部を除去(削る、損傷させる)する方法等を含む。このような方法は、後に詳述する。
【0034】
(キャラクター表示部3)
キャラクター表示部3は、キャラクターなどの情報を表示する機能を有する。キャラクター表示部3は、2次元コード31と、キャラクターやキャラクターの名称を表示するキャラクター表示領域32と、キャラクターのレベルを表示するレベル表示領域33とを有する。キャラクター表示部3は、ゲームカード1の長手方向に沿って、ボーナス部2と隣接して設けられている。
【0035】
2次元コード31は、キャラクター表示部3の右上部に配置されている。より具体的に、2次元コード31は、ボーナス部2の1次元コード21と同一平面上で隣接するように、キャラクター表示部3の右上部に配置されている。しかしながら、キャラクター表示部3における2次元コード31の配置はこれに限定されず、2次元コード31はキャラクター表示部3の左上部や左下部、中央部に配置されていてもよい。
【0036】
2次元コード31には、ゲームを行うための情報が記録されている。ゲームを行うための情報は、特に限定されない。具体的に、当該情報は、キャラクターに関する情報や、ゲームに関連するボーナス情報、1次元コード21に記録された情報と関連付けるための情報および商品のプロモーションに関する情報など種々の情報を含んでいる。
【0037】
キャラクターに関する情報は、キャラクターの名称、キャラクターのレベル、キャラクターの体力値、キャラクターの攻撃値、キャラクターの防御値、キャラクターの回復値、キャラクターの必殺技、キャラクターが装備するアイテム、キャラクターが所持するアイテム、敵キャラクターとの相性、キャラクターの属性(例えば、火属、炎属、水属、風属、土族)、キャラクターの種類(例えば、魔法使い、商人、戦士、悪魔など)などのキャラクター基本情報等、種々の情報を含んでいる。
【0038】
ゲームに関連するボーナス情報は、ボーナス部2に表示されたボーナス情報である。ボーナス情報は、キャラクターの復活、キャラクターのレベルアップ、アイテム獲得、キャラクターの体力アップ、キャラクターの攻撃力アップ、キャラクターの防御力アップ、キャラクターの回復力アップ、キャラクターの必殺技獲得、キャラクターの属性追加、ステージクリアなどのゲームを楽しむために有用な情報、ゲームカード1を使用するゲーム大会(地方大会や全国大会)の出場券等の情報等、種々の情報を含む。
【0039】
1次元コード21に記録された情報と関連付けるための情報は、前述したように、1次元コード21に記録されたマッチングコードと同様のコード(例えば、14ビットのコード)、キャラクター表示部3がボーナス部2とマッチングしていることを表すマッチング情報等を含む。
【0040】
商品のプロモーションに関する情報は、当該ゲームに登場するキャラクターのグッズ(例えば、ぬいぐるみやキーホルダー)の引換券の情報、他のゲームを購入するための割引券の情報、ゲーム以外の商品(例えば、飲食物)の割引券の情報、レストランで使用するための割引券の情報等、種々の情報を含んでいる。
【0041】
このような情報、特に、ボーナス情報やプロモーションに関する情報の種類に応じて、ボーナス部2は異なる色に着色されていることが好ましい。たとえば、キャラクターのレベルアップ(
図1)やアイテム獲得などのボーナス情報は黄色に、ゲーム大会の出場権などのボーナス情報は赤色に、商品のプロモーションに関する情報は青色に着色されることが好ましい。これにより、プレイヤーは、ゲームカード1がどのような種類のボーナス情報を有するのかを一見して把握することができる。
【0042】
キャラクター表示領域32は、火炎ドラゴンや図示しないキャラクターの名称を表示する。また、レベル表示領域33は、レベル10や、図示しない、キャラクターの、体力値、攻撃値、防御値、回復値、必殺技、属性、分類名等を表示する。これにより、プレイヤーは、ゲームカード1がどのようなカードであるか、キャラクターがどのような属性を有するか、一見して把握できる。
【0043】
キャラクター表示部3の面積は、ボーナス部2の面積よりも大きく設定されている。これにより、キャラクター表示領域32が大きくなり、キャラクターやキャラクターの名称をプレイヤーが簡単に理解できる。また、ボーナス部2がキャラクター表示部3に対して小さいため、ボーナス部2にチケット的な感覚を与えることができ、ゲームカード1に新たな価値を与えることができる。
【0044】
(分離部4)
分離部4は、ボーナス部2とキャラクター表示部3とを分離する機能を有し、ボーナス部2とキャラクター表示部3との間に連続して形成されている。分離部4は、本実施形態では、ゲームカード1の短手方向と平行で、短辺と同じ長さの直線を構成している。このような分離部4に沿って、ボーナス部2をキャラクター表示部3から容易かつ正確に切断することができるので、ゲームカード1を確実に処理することができる。
【0045】
2.ゲームカードの製造方法
次に、上述したゲームカード1を製造する方法の一例を説明する。
【0046】
ゲームカード1は、例えば、後述する印刷手段9を用いて製造される。その製造方法は、全6工程を含む、第1の工程は、プリントされるべき基材を用意する工程である。第2の工程は、基材の2次元コード31と1次元コード21とに相当する部分のみにカーボンインクを付与する工程である。第3の工程は、カーボンインクが付与された1次元コード21に相当する部分と、基材のシアンインクを付与したい部分とにシアンインクを付与する工程である。第4の工程は、シアンインクが付与された1次元コード21に相当する部分と、基材のマゼンダインクを付与したい部分とにマゼンダインクを付与する工程である。第5の工程は、マゼンダンインクが付与された1次元コード21に相当する部分と、基材のイエローインクを付与したい部分とにイエローインクを付与し、ゲームカード1を得る工程である。第6の工程は、ゲームカード1上に保護層を形成する工程である。以上のような工程により、簡単にゲームカード1を製造することができる。
【0047】
[第1の工程]
基材は、印刷手段9で使用することができる限り、特に限定されない。たとえば、上質紙やキャストコード紙のような紙基材、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムのようなフィルム基材、セロファンや不織布などの基材が挙げられる。用意される基材は、ゲームカードサイズに予めカットされていても、ロール状に巻かれていてもよい。
【0048】
[第2の工程]
まず、基材の2次元コード31と1次元コード21とに相当する部分のみにカーボンインクを付与する。これにより、2次元コード31と1次元コード21とを得ることができる。カーボンインクで作成されたコードは、デジタルカメラやスマートフォンのカメラのような通常のカメラ(可視光カメラ)や赤外線カメラで撮影することによって、そこに記録された情報を読み取られることができる。そのため、このように作成された1次元コード21に記録されたマッチング情報は、簡単に読み取られ、コピーされるおそれがある。そこで、ゲームカード1のコピー防止のために、1次元コード21には、次工程以降もインクが付与される。なお、カーボンインクの付与の方法は、特に限定されない。
【0049】
[第3の工程]
次に、1次元コード21と、基材のシアンインクを付与したい部分とにシアンインクを付与する。これにより、青系の色相を得ることができる。なお、シアンインクの付与の方法は、特に限定されない。
【0050】
[第4の工程]
次に、シアンインクが付与された1次元コード21と、基材のマゼンダインクを付与したい部分とにマゼンダインクを付与する。これにより、赤系の色相を得ることができる。なお、マゼンダインクの付与の方法は、特に限定されない。
【0051】
[第5の工程]
次に、マゼンダインクが付与された1次元コード21と、基材のイエローインクを付与したい部分とにイエローインクを付与する。これにより、黄系の色相を得ることができ、ゲームカード1を得ることができる。また、1次元コード21上にシアンインクの層、マゼンダインクの層およびイエローインクの層がこの順で形成されているので、1次元コード21は、黒色となっている。そのため、1次元コード21に記録された情報は、可視光カメラで読み取られず、赤外線カメラで読み取られるようになっている。したがって、ゲームカード1をコピー機でコピーして、コピーされたカードを使用することを防止することができる。なお、イエローインクの付与の方法は、特に限定されない。
【0052】
[第6の工程]
最後に、ゲームカード1上に保護層を形成する。これにより、ゲームカード1の表面が保護されたカードを得ることができる。保護層を形成する材料は、ゲームカード1の表示を視認でき、ゲームカード1を保護する限り、特に限定されない。また、保護層を形成する方法も特に限定されない。なお、本工程は任意の工程である。
【0053】
[第7の工程]
第1の工程で、ロール状に巻かれた基材が用いられた場合、基材をゲームカード1のサイズにカットする。基材をカットする方法は特に限定されない。用いる基材の種類によるが、基材の長手方向に沿うように基材をカットしても、基材の短手方向に沿うように基材をカットしてもよい。なお、基材をカットするカット機構は印刷手段9に備えられている。
【0054】
次に、本発明のゲーム装置及びゲーム装置の処理方法について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0055】
<第1実施形態>
3.ゲーム装置
まず、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置を詳細に説明する。
【0056】
図2は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置を模式的に示す図、
図3は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の内部構成を模式的に示す図、
図4は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の構成を示すブロック図、
図5は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の第1の情報取得部を模式的に示す断面図である。
【0057】
図2ないし
図4に示すゲーム装置100は、筐体2と、ゲームに関する画像を表示する表示部110と、表示部110の表示面を部分的に覆うように設けられたカバー120と、記録媒体200から情報を取得する情報取得部130と、表示部110に対する操作を検出する操作検出手段140と、ゲームプレイに用いられる操作ボタン150と、ゲームに関する音(音声)を出力するスピーカー160と、ゲームに関する情報が記録されたゲームカード1を払い出すための記録媒体払い出し部170と、外部のネットワークまたはデバイスと通信を行うための通信部180と、ゲーム装置100の制御を行う制御部190と、を備える。また、ゲーム装置100は、任意のデータを保存するためのHDDやフラッシュメモリ等のストレージデバイスをさらに備えていてもよい。
【0058】
(表示部110)
表示部110は、ゲームに関する画像を表示する機能を有する。
図2に示すように、表示部110は、ゲーム装置100の筐体2の前面に設けられている。プレイヤーは、表示部110に表示されたゲーム画像を参照しつつ、操作検出手段140によって検出される表示部110に対するタッチ操作または操作ボタン150を用いたゲーム操作を実行することにより、ゲームプレイを実行することができる。
【0059】
図2に示すように、表示部110は、表示部110の表示面が、ゲーム装置100の高さ方向(鉛直方向)に対し、任意の角度で傾斜するようゲーム装置100の筐体2前面に設けられている。このように、表示部110を傾斜して配置することにより、プレイヤーの視野に入る表示部110の表示面を広く確保することができる。表示部110のゲーム装置100の高さ方向に対する傾斜角は、特に限定されず、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定される。なお、表示部110は、その表示面が、ゲーム装置100の高さ方向に対して垂直または平行になるように設けられていてもよい。表示部110の表示面をゲーム装置100の高さ方向に対して平行になるように設ける場合(垂直配置の場合)には、ゲーム装置100の奥行方向の大きさを小さくすることができる。一方、表示部110の表示面をゲーム装置100の高さ方向に対して垂直になるように設ける場合(平置きの場合)には、ゲーム装置100の高さを低くすることができる。
【0060】
表示部110は、複数のサブ表示部から構成される。図示の構成では、表示部110は、第1のサブ表示部111と、第2のサブ表示部112と、第3のサブ表示部113と、から構成されている。なお、サブ表示部の数は、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定することができ、図示の構成のように3つに限られない。
【0061】
第1のサブ表示部111、第2のサブ表示部112および第3のサブ表示部113は、それぞれ異なる表示装置(例えば、ブラウン管はもとより、液晶パネル、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、LED表示装置、またはこれらの組み合わせ等)から構成されていてもよいし、1つの表示装置から構成されていてもよい。図示の構成では、表示部110は、1つの比較的大きなサイズの表示装置から構成されており、表示部110の表示面を部分的に覆うように設けられたカバー120によって、第1のサブ表示部111と、第2のサブ表示部112と、第3のサブ表示部113とに区画されている。したがって、本実施形態では、第1のサブ表示部111の表示面と、第2のサブ表示部112の表示面と、第3のサブ表示部113の表示面とは、同一平面上に位置する。
【0062】
なお、図示の構成では、カバー120によって、各サブ表示部111、112、113を区画しているが、本発明はこれに限られない。例えば、カバー120を除去し、表示部110を構成する表示装置に、各サブ表示部111、112、113を区画可能とする画像を表示させることによって、各サブ表示部111、112、113を区画してもよい。この場合、ゲーム処理に応じて、サブ表示部の数や面積を調整することができる。
【0063】
各サブ表示部111、112、113には、同一の画像が表示されてもよいが、それぞれ異なる画像が表示されることが好ましい。例えば、プレイヤーの手元から遠く、かつ、表示面の面積が最も広い第2のサブ表示部112には、ゲームをプレイするためのプレイ画像を表示する。
【0064】
一方、第3のサブ表示部113は、プレイヤーの手元に近く、第1のサブ表示部111よりも表示面の面積が広い。そのため、第3のサブ表示部113に、プレイヤーがゲームをプレイするためのメイン操作に関する画像を表示させ、第3のサブ表示部113の表示面に対するタッチ操作等の操作を検出可能な操作検出手段140と組み合わせて、第3のサブ表示部113をメイン操作入力手段として用いることが好ましい。一般的に、右手が利き手の人が多いことから、本実施形態では、メイン操作入力手段として用いられる第3のサブ表示部113は、ゲーム装置100の筐体2前面であって、かつ、相対するプレイヤーから見て右側に位置するよう設けられている。
【0065】
第1のサブ表示部111は、プレイヤーの手元に近いが、第3のサブ表示部113よりも表示面の面積が小さい。そのため、第1のサブ表示部111に、プレイヤーがゲームをプレイするための補助操作に関する画像を表示させ、第1のサブ表示部111の表示面に対するタッチ操作を検出可能な操作検出手段140と組み合わせて、第1のサブ表示部111を補助操作入力手段として用いることが好ましい。
【0066】
なお、少なくとも各サブ表示部111、112、113のカバー120またはゲーム装置100の筐体によって覆われていない表示面上には、各サブ表示部111、112、113を保護するための透明な保護部材が設けられていることが好ましい。透明な保護部材の構成は特に限定されないが、ガラスから構成される透明なガラス基板、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料から構成される透明な樹脂基板または樹脂フィルム等が挙げられる。
【0067】
(カバー120)
上述のように、カバー120は、表示部110の表示面を部分的に覆うよう設けられ、表示部110の表示面を複数のサブ表示面に区画する機能を有する。図示の構成では、カバー120は、大きさの異なる2つの開口部を有し、ゲーム装置100の筐体2と共に、表示部110の表示面を3つのサブ表示部111、112、113に区画するよう構成されているが、本発明はこれに限られない。ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定されるサブ表示面の数および面積に応じて、カバー120が有する開口の数、形状および開口面積は適宜選択される。
【0068】
また、カバー120の構成材料は特に限定されないが、樹脂材料によって構成されていることが好ましい。樹脂材料は安価で成形しやすく、また軽いため、樹脂材料によって構成されたカバー120を用いることによって、ゲーム装置100の製造コスト低減および軽量化が可能となる。
【0069】
(情報取得部130)
情報取得部130は、記録媒体200から情報を取得する機能を有する。記録媒体200としては、特に限定されないが、例えば、ICカード、磁気カード、1次元コード、2次元コードや2次元コード等の情報コードが付されたカード(ゲームカード1)、フロッピー(登録商標)ディスクやMDディスク等の磁気ディスク、CD、DVD、BD等の光学ディスク、USBメモリやSDカード等の半導体メモリが挙げられる。なお、赤外線通信装置等の任意の通信装置を備え、ゲーム装置100の情報取得部130と通信を行うことにより、記録している情報を情報取得部130に送信可能な携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートパソコン等のモバイル機器も、記録媒体200に含まれる。
【0070】
図示の構成では、情報取得部130は、第1の情報取得部131および第2の情報取得部132を備える。第1の情報取得部131は、その少なくとも一部が第1のサブ表示部111に重なるよう、すなわち、第1のサブ表示部111の表示面の一部を覆うように設けられている。一方、第2の情報取得部132は、表示部110の下方に設けられている。なお、以下では、第1の情報取得部131は、記録媒体200としてICカードに記録されている情報を読み取り、第2の情報取得部132は、ゲームカード1に記録されている情報を読み取るとして説明する。
【0071】
図2および
図5に示すように、第1の情報取得部131は、その少なくとも一部が第1のサブ表示部111に重なるように設けられている。すなわち、第1の情報取得部131は、第1のサブ表示部111の表示面の一部を覆うように設けられている。このように第1の情報取得部131を第1のサブ表示部111上に配置し、さらに、第1の情報取得部131が記録媒体200から取得した情報に関連する画像を、第1のサブ表示部111の第1の情報取得部131によって覆われていない表示面に表示することにより、プレイヤーは、ゲームプレイ中に記録媒体200と、記録媒体200に記録されている情報との関連性を直感的かつ容易に把握することができる。そのため、ゲーム装置100は、記録媒体200と、記録媒体200に記録されている情報との関連性を利用した操作や遊び方を提供することができる。
【0072】
図示の構成では、第1の情報取得部131は、第1のサブ表示部111の表示面の下方の一部を覆うように設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の情報取得部131は、第1のサブ表示部111の表示面の上方、左方または右方の一部を覆うように設けられていてもよいし、第1のサブ表示部111の表示面の中央部の一部を覆うように設けられていてもよい。
【0073】
図5は、第1の情報取得部131と、第1のサブ表示部111と、記録媒体200の位置関係を詳述するための概略図である。第1の情報取得部131は、非接触型情報取得手段133と、非接触型情報取得手段133の少なくとも上面を覆うように設けられ、記録媒体200を非接触型情報取得手段133に対する所定の位置に配置するための保持部134とを有する。
【0074】
非接触型情報取得手段133は、例えば、非接触型ICカードリーダー、光学スキャン装置、赤外線通信装置等であり、記録媒体200の種類に応じて適宜選択される。本実施形態では、第1の情報取得部131によってアクセスされる記録媒体200は、ゲームに関する情報が記録されているICチップを有するICカードであり、非接触型情報取得手段133は、非接触型ICカードリーダーで構成されている。この場合、非接触型情報取得手段133は、記録媒体200に対する情報書き込み機能を有し、記録媒体200が有するICチップに情報を書き込むことができる。
【0075】
図示の構成では、保持部134は、カードスロットの形状を有しており、カバー120と一体的に成形されている。保持部134上にICカードである記録媒体200が載置されると、保持部134の側面部により、記録媒体200の左右(横)方向の位置決めがなされ、保持部134の下面部により記録媒体200の上下(縦)方向の位置決めがなされる。したがって、保持部134のカードスロットに、記録媒体200を載置することにより、確実に、記録媒体200を非接触型情報取得手段133に対する所定の位置に配置することができる。なお、保持部134は、記録媒体200を非接触型情報取得手段133に対する所定の位置に配置することを補助できるものであれば如何なる形態であってもよく、例えば、磁気やクリップ等で記録媒体200を所定の位置に配置するよう補助するものであってもよい。
【0076】
図5に示すように、記録媒体200を保持部134に従って、非接触型情報取得手段133に対する所定の位置に配置した際、保持部134(第1の情報取得部131)は、記録媒体200の少なくとも一部が保持部134(第1の情報取得部131)から突出して、第1のサブ表示部111の表示部の少なくとも一部と重なるように構成されている。これにより、記録媒体200と、記録媒体200から取得した情報に関連する画像を表示する第1のサブ表示部111の表示面とをより近接させることができる。さらに、例えば、第1のサブ表示部111に表示された画像を、タッチ操作によるドラッグ操作によって、記録媒体200に投げ入れるといった操作が可能になる。このため、記録媒体200と、記録媒体200に記録されている情報との関連性を利用した操作や遊び方を、より多様化することができる。なお、記録媒体200の保持部134からの突出量および突出箇所は、特に限定されず、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定される。
【0077】
また、記録媒体200の取り忘れがないように、また、記録媒体200への情報書き込み完了前に記録媒体200を取得することがないように、第1のサブ表示部111に注意喚起の表示をすることで、記録媒体200の取り忘れを防止し、情報書き込みの失敗を防ぐことができる。
【0078】
図2に戻り、第2の情報取得部132は、第2の情報取得部132の下方に設けられた載置台21に載置された複数のカードゲーム1から情報を取得する機能を有する。
図2に示すように、載置台21上には最大4つのカードゲーム1を載置することが可能であり、第2の情報取得部132は、同時に最大4つのカードゲーム1から情報を取得することが可能である。第2の情報取得部132は、載置台21上に載置されたカードゲーム1から情報を取得することができれば、如何なる構成でもよい。本実施形態では、第2の情報取得部132は、光学スキャン装置(可視光カメラ)で構成されている。第2の情報取得部132は、カードゲーム1に付された情報コードを光学スキャンすることにより、載置台21上に載置されたカードゲーム1から情報を取得する。
【0079】
第2の情報取得部132は、
図2に示されるように、載置台21の上方に設けられ、載置台21に対向している。第2の情報取得部132が載置台21の上方からカードゲーム1を撮像するため、カードゲーム1のキャラクターが表示されている面を第2の情報取得部132に向けて、カードゲーム1を載置台21上に載置する。したがって、プレイヤーは、自分がどのようなキャラクターを用いてゲームを楽しんでいるのか簡単に理解することができる。
【0080】
(操作検出手段140)
操作検出手段140は、表示部110に対する操作を検出する機能を有する。本実施形態では、操作検出手段140は、例えば、第1のサブ表示部111および第3のサブ表示部113上に設けられたタッチパネル等のタッチ操作検出装置であり、第1のサブ表示部111および第3のサブ表示部113の表示面に対するプレイヤーのタッチ操作を検出する。これにより、プレイヤーは、第1のサブ表示部111および第3のサブ表示部113の表示面に表示された画像を参照しながら、ゲーム操作を実行することができる。なお、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて、操作検出手段140は、第2のサブ表示部112上にさらに設けられ、第2のサブ表示部112の表示面に対するプレイヤーのタッチ操作を検出してもよい。
【0081】
(操作ボタン150)
操作ボタン150は、第1のサブ表示部111および操作検出手段140の組み合わせと同様に、ゲームプレイのための補助操作を入力するための操作入力手段としての機能を有する。第1のサブ表示部111および操作検出手段140の組み合わせ、並びに、操作ボタン150に、それぞれどのような補助操作を割り当てるかは、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定される。
【0082】
図示の構成では、操作ボタン150は、略半球状をなし、表示部110の下方に左右に離間して2つ設けられているが、本発明はこれに限られない。操作ボタン150の形状、数、位置は、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定される。なお、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容によっては、操作ボタン150を省略することも可能である。
【0083】
(スピーカー160)
スピーカー160は、ゲーム装置100が提供するゲームに応じた音声を提供する機能を有する。図示の構成では、スピーカー160は、略楕円形状をなし、表示部110の両側に1つずつ設けられているが、本発明はこれに限られない。スピーカー160の形状、数、位置は、ゲーム装置100が提供するゲームの種類および内容に応じて適宜設定される。
【0084】
(記録媒体払い出し部170)
記録媒体払い出し部170は、ゲーム進行中またはゲーム終了後、ゲームに関する情報が記録された記録媒体200、すなわちゲームカード1を払い出す機能を有する。記録媒体払い出し部170は、ゲームカード1払い出すことが可能な構成であれば如何なる構成でもよい。例えば、記録媒体払い出し部170は、ゲーム処理に応じてまたはランダムに、予めゲーム装置100の内部に保存されているゲームカード1を払い出してもよい。また、記録媒体払い出し部170は、ゲーム装置100の内部に設けられたプリンター等の印刷手段9であって、ゲーム処理に応じてまたはランダムに、作成されたゲームカード1払い出してもよい。
【0085】
(通信部180)
再び
図4に戻って、通信部180は、有線または無線を介して、外部のネットワーク(LAN、WAN、インターネット等)またはデバイスと通信を行う機能を有する。ゲーム装置100は、通信部180を介して、外部のネットワークまたはデバイスと通信を行うことにより、ゲーム処理に関する情報を更新する等のデータ通信を実行することができる。
【0086】
(制御部190)
制御部190は、ゲーム装置100を制御する機能を有する。制御部190は、ゲーム装置100が提供するゲームを制御するための制御プログラムを保存しているROM191と、データを一時保存するためのRAM192と、ROM191内の制御プログラムを実行するCPU193とを備えている。また、制御部190は、操作検出手段140、操作ボタン150、記録媒体払い出し部170および通信部180と、後述する搬送手段6、撮像手段7、無効化手段8および印刷手段9と、インターフェースを取り、データの授受を行うインターフェース194と、CPU193からの指示によって表示部110を制御する表示制御部195と、CPU193からの指示によってスピーカー160を制御する音声制御部196と、データバス197と、を備えている。これら各部は、データバス197によって相互にデータ通信可能なよう接続されている。CPU193によって、制御プログラムが実行されると、制御プログラムに従って、ゲーム装置100が制御され、プレイヤーにゲームを提供することができる。なお、インターフェース194は、説明の便宜上、
図4に2つ表されたが、
図4に表された2つのインターフェース194は同一である。
【0087】
さて、本発明のゲーム装置100は、ゲームカード1の1次元コード21が読み取り不能となるように、ゲームカード1を処理する無効化手段8を有する。以下、挿入口5から挿入されたゲームカード1が無効化手段8で無効化されるまでの構成を説明する。
【0088】
図3は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の内部構成を模式的に示す図、
図6は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の搬送手段、撮像手段および無効化手段を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、筐体2の前扉を開けると、上段に搬送手段6、撮像手段7および無効化手段8が配置され、中段に印刷手段(プリンター)9が配置され、下段にコインを収容するケース10とゴミ箱101とが収容されている。以下、各構成を詳細に説明する。
【0089】
(挿入口5)
挿入口5は、ゲーム進行中またはゲーム終了後、ゲームカード1を無効化処理するために、ゲームカード1を筐体2内に案内する機能を有する。挿入口5は、筐体2の前扉で、載置台21と記録媒体払い出し部170との間に設けられている。挿入口5は、ゲームカード1を挿入することが可能な構成であれば如何なる構成でもよい。例えば、ゲームカード1を挿入できるスリットであればよい。なお、ゲームカード1が球状の媒体である場合には、当該球状の媒体を筐体2の内部に提供できるような大きさの円形の開口であってもよい。
【0090】
(搬送手段6)
図7は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の搬送手段を模式的に示す部分分解斜視図、
図8は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の搬送手段を模式的に示す底面図を示す。搬送手段6は、ゲームカード1を無効化手段8に搬送する機能を有する。
図6、7に示すように、搬送手段6は、支持台61上に設けられた搬送機構62と、搬送機構62を駆動する駆動機構63とを備える。
【0091】
支持台61は、搬送機構62と、駆動機構63と、無効化手段8とを支持する。支持台61は、後述する駆動機構63のための、第1の開口611および4つの第2の開口613と、ボーナス部2のための第3の開口614とが設けられている。また、支持台61には、無効化手段8まで搬送されたゲームカード1の搬送方向Dへのさらなる進行を止めるストッパー612が設けられている。第3の開口614の搬送方向の長さは、ボーナス部2の短手方向の長さと同じ長さに設定されている。したがって、ゲームカード1の端部がストッパー612に当接すると、ゲームカード1の分離部4が支持台61の縁615と重なるようになっている。
【0092】
搬送機構62は、支持台61の前端に設けられたガイド板621と、支持台61上に設けられた板状のガイド部材622a、622bと、ガイド部材622a、622b上に設けられた矩形状の上部プレート623とを有している。上部プレート623がガイド部材622a、622bに備えられることにより、ゲームカード1が移動できる移動空間624が形成される。
【0093】
ガイド板621は、ゲームカード1の挿入をガイドする機能を有する。ガイド板621は、支持台61の前端に突出して設けられ、挿入口5と連通している。したがって、支持台621とガイド板621とは同一平面を構成している。これにより、ゲームカード1を挿入口5からスムーズかつ確実に挿入することができる。
【0094】
板状のガイド部材622a、622bは、搬送方向Dに沿って、支持台61上に設けられている。また、ガイド部材622a、622bは、搬送方向Dと直交する方向(横方向)に互いに離間して設けられている。ガイド部材622a、622bの間の距離は、ゲームカード1の短手方向の長さよりも若干大きく設定されている。これにより、ガイド板621によりガイドされたゲームカード1を移動空間624を通して無効化手段8までスムーズにガイドすることができる。また、ガイド部材622a、622bの挿入口5側の端部には、ゲームカード1が挿入されやすいように、切欠きが形成されている。この切欠きにより、ゲームカード1は挿入口5から確実に移動空間624に挿入される。
【0095】
ガイド部材622bのガイド部材622aと対向する面には、ゲームカード1をガイド部材622aに付勢する2つの板バネ(付勢手段)625が設けられている。板バネ625は、ガイド部材622bの前記面に対応する形状で構成されている。この板バネ625は、柔軟性を有しており、ガイド部材622aに向かって湾曲して曲面を形成している。板バネ625の曲面は、ガイド部材622aと対向している。これにより、ゲームカード1の縁が板バネ625の曲面に接するので、ゲームカード1は常にガイド部材622a側に付勢されることになる。したがって、ゲームカード1の短手方向の位置が変わることなく、搬送手段6はゲームカード1を真っ直ぐに無効化手段8に搬送することができる。なお、本実施形態では、ゲームカード1はガイド部材622bに沿って、2つの板バネ625が設けられているが、本発明はこれに限定されず、板バネ625は1つであってもよい。
【0096】
また、ガイド部材622bには、2つの板バネ625の間に、ゲームカード1を正確な位置に合わせる位置合わせセンサ629が設けられていてもよい。この位置合わせセンサ629は、断面が「コ」の字であるように、二つの突出部を有している。ゲームカード1の縁部が、この二つの突出部の間を通ることにより、ゲームカード1の正確な位置合わせを可能にしている。なお、位置合わせセンサ629は、ガイド部材622bに設けられていなくてもよい。また、位置合わせセンサ629は、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサなどのいずれのセンサであってもよい。
【0097】
上部プレート623には、搬送方向Dに沿って配置された2つのローラー626a、626bが設けられている。2つのローラー626a、626bは、挿入口5から挿入されたゲームカード1の移動をガイドする機能を有する。ローラー626a、626bは、それぞれ、その両サイドで、上部プレート623上に設けられた支持体(箱体)の軸受に支持されている。そのため、ローラー626a、626bは、ゲームカード1が接触するだけで、自由に回転することができる。すなわち、ゲームカード1が搬送方向Dに移動するとき、ローラー626a、626bは、搬送方向Dと反対方向に回転するようになっており、ゲームカード1が当該反対方向に移動(ゲームカード1を排出)するときは、搬送方向Dに回転するようになっている。これにより、ゲームカード1を確実に搬送することができる。
【0098】
2つのローラー626a、626bは、それぞれ上部プレート623の短辺中央付近に設けられている。そのため、それらの離間距離は、ゲームカード1の長辺の長さと同じ長さまたはそれより短い距離離間していればよい。これにより、ゲームカード1は常にローラー626a、626bと接触することになるので、ローラー626a、626bにより、ゲームカード1を無効化手段8に確実に搬送することができる。また、ローラー626a、626bにより、ゲームカード1を挿入口5から排出することができる。なお、このローラーの数は特に限定されず、1つであってもよい。
【0099】
上部プレート623には、ローラー626aの支持体に隣接して、支持板(断面L字状のプレート)に支持された第1のセンサ627aが設けられている。第1のセンサ627aは、ゲームカード1が挿入口5から挿入されたとこと感知する機能を有する。したがって、第1のセンサ627aの配置位置は、ゲームカード1が挿入口5から挿入されたことを感知できれば、特に限定されない。また、第1のセンサ627aの数も特に限定されない。第1のセンサ627aは、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサなどのいずれのセンサであってもよい。コストの観点から、第1のセンサ627aは反射型の光電センサであることが好ましい。
【0100】
また、上部プレート623には、ローラー626bの支持体に隣接して、支持板(断面L字状のプレート)に支持された第2のセンサ627bが設けられている。第2のセンサ627bは、ゲームカード1が後述する開口628に到達したこと感知する機能を有する。したがって、第2のセンサ627bの配置位置は、ゲームカード1が開口628に到達したことを感知できれば、特に限定されない。また、第2のセンサ627bの数も特に限定されない。第2のセンサ627bは、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサなどのいずれのセンサであってもよい。コストの観点から、第2のセンサ627bは反射型の光電センサであることが好ましい。
【0101】
さらに、上部プレート623には、第1のセンサ627aと第2のセンサ627bとの間に、支持板(断面L字状のプレート)に支持された第3のセンサ627cが設けられている。第3のセンサ627cは、ゲームカード1が無効化手段8に到達したこと感知する機能を有する。したがって、第3のセンサ627cの配置位置は、ゲームカード1が無効化手段8に到達したことを感知できれば、特に限定されない。また、第3のセンサ627cの数も特に限定されない。第3のセンサ627cは、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサなどのいずれのセンサであってもよい。コストの観点から、第3のセンサ627cは反射型の光電センサであることが好ましい。
【0102】
上部プレート623の紙面左奥側の角部付近には、開口628が設けられている。開口628は、ゲームカード1の1次元コード21と2次元コード31の位置と対応するように、上部プレート623に形成されている。これにより、開口628を通してゲームカード1の1次元コード21と2次元コード31とを撮像することができる。開口628の大きさは、1次元コード21と2次元コード31とを見ることができれば、特に限定されない。
【0103】
また、上部プレート623は、ガイド部材622bに設けられた位置合わせセンサ629に対応する位置に切欠き部を有している。これにより、位置合わせセンサ629の上面と上部プレート623の上面とを略同一面上に形成することができる。
【0104】
駆動機構63は、モーター631と、モーター631の軸に接続されたベルト駆動ローラー632と、支持台61の裏面に配置された、一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bと、それらのローラー633a、633bを駆動する駆動ローラー634a、634bと、ベルト駆動ローラー632と駆動ローラー634a、634bとの間に巻きかけて張架された弾性ベルト部材635とを備える。
【0105】
モーター631は、支持台61上に開口611に隣接して設けられ、支持板638に固定されるとともに、支持板638を介して支持台61に固定されている。支持板638は、支持台61の裏面に固定され、開口611を通って、支持台61から上方に突出している。支持板638には、モーター631の軸が貫通する貫通孔が形成されている。
【0106】
ベルト駆動ローラー632は、モーター631の駆動により回転し、後述する弾性ベルト部材635を回転させる機能を有している。ベルト駆動ローラー632は、開口611上に配置されている。
【0107】
一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bとは、ゲームカード1を搬送方向Dまたは搬送方向Dと反対の方向に搬送させる機能を有する。そのため、上部プレート623のローラー626a、626bと異なり、モーター631により駆動するようになっている。
【0108】
一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bとは、搬送方向Dに沿って所定の距離離間して設けられている。また、ローラー626aが一対の後方ローラー633aの間に、ローラー626bが一対の前方ローラー633bの間に位置するように、一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bは支持台61の下面に設けられている。前述したように、支持台61には、駆動機構63用の4つの開口613が形成されている。一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bは、この開口613から突出するように、支持台61の下面に設けられている。
【0109】
駆動ローラー634aは、一対の後方ローラー633aを回転させる機能を有している。駆動ローラー634aは、一対の後方ローラー633aを貫通接続する軸636aの一端と接続されている。軸636aの他端は、支持台61の下面に配置された軸受637aに接続されている。駆動ローラー634bは、一対の前方ローラー633bを回転させる機能を有している。駆動ローラー634bは、一対の前方ローラー633bを貫通接続する軸636bの一端と接続されている。軸636bの他端は、支持台61の下面に配置された軸受637bに接続されている。
【0110】
弾性ベルト部材635は、ベルト駆動ローラー632の駆動で回転することにより、駆動ローラー634a、634bを回転させる機能を有する。張架された弾性ベルト部材635の内側面は、ベルト駆動ローラー632により弾性ベルト部材635が回転し、駆動ローラー634a、634bが回転する限り、特に限定されない。その内側面は、平面であっても、所定のピッチで配設された複数の凸部を有していてもよい。
【0111】
(撮像手段7)
撮像手段7は、ゲームカード1の1次元コード21および2次元コード31を撮像し、そこに記録された情報を取得する機能を有する。撮像手段7は、無効化手段8と挿入口5との間で、上部プレート623上に設けられている。
図6に示されるように、撮像手段7は、保持部71と、カメラ72とを有している。
【0112】
保持部71は、カメラ72を保持する機能を有する。保持部71は、上部プレート623の開口628を跨ぐように、上部プレート623から立設して形成されている。しかし、保持部71はカメラ72を開口628に向けるように保持する限り、その位置や形状は特に限定されない。例えば、保持部71は、第1〜3のセンサ627a〜cの支持板や2つのローラー626a、626bの支持体のようなものであってもよい。
【0113】
カメラ72は、ゲームカード1の上方から1次元コード21および2次元コード31を撮像し、そこに記録された情報を取得する機能を有する。カメラ72は、開口628に直面するように、保持部71に保持されている。これにより、ゲームカード1の1次元コード21および2次元コード31を開口628を通して正確に撮像することができる。しかし、カメラ72の配置は、1次元コード21および2次元コード31を撮像できる限り、これに限定されない。例えば、カメラ72は、
図6における開口628と第3のセンサ627cとの間の位置の第2のプレート623上に設けられていてもよい。すなわち、カメラ72は、第3のセンサ627cと同じように設けられていてもよい。
【0114】
カメラ72の種類は、特に限定されず、可視光カメラ、赤外線カメラ、フルスペクトルカメラなどが挙げられる。本実施形態では、カメラ72は赤外線カメラで構成されている。2次元コード31の情報は赤外線カメラでも読み取ることができるため、1次元コード21の情報と2次元コード31の情報とを一つのカメラで読み取ることができる。
【0115】
(無効化手段8)
図9は、本発明のゲーム装置の第1実施形態に係る無効化手段を示す斜視図、
図10は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の無効化手段の停止状態を示す斜視図を示す。
【0116】
無効化手段8は、ゲームカード1の1次元コード21を読み取り不能とするように、ゲームカード1を処理する機能を有する。
図9に示すように、無効化手段8は、分離部4でボーナス部2を切断するカット機構(除去手段)81と、カット機構81を駆動するカット駆動機構82と、ゲームカード1を固定する固定機構83とを備える。それらは、ハウジング84内に収容されている。ハウジング84は、支持台61上に備えられている。ハウジング84と支持台61との間には、ゲームカード1が通過できる空間85が形成されている。
【0117】
カット機構81は、レール部811と、レール部811に沿って移動可能に支持されたカッター保持部812と、カッター保持部に保持されたカッター813とを有している。
【0118】
レール部81は、搬送方向Dと直交する方向(以下、「カット方向A」という)にカッター保持部812をガイドする機能を有する。レール部811の側面には、カッター保持部812を保持するための溝がカット方向Aに沿って形成されている。この溝がレールを構成している。
【0119】
カッター保持部812は、カッター813を保持する機能を有する。カッター保持部812は、レール部811の溝に係合する係合部を有している。この係合部がレール部811の溝に係合することにより、カッター保持部812が円滑にレール部811を移動することができる。
【0120】
カッター813は、ゲームカード1の分離部4でボーナス部2をキャラクター表示部3から切断する機能を有する。カッター813の軸の一端は、カッター保持部812の前面に固定されている。そのため、カッター813は、カッター保持部812とともに、カット方向Aに移動する。また、カッター813の他端は、ベルト部材824に固定されている。そのため、カッター813は、ベルト部材824の回転とともにカット方向Aに移動する。
【0121】
カッター813は、下部に形成された刃8131と、カッター保持部812との間に設けられたカム8132とを有する。刃8131は、支持台61の端部615上に位置し、カッター813の移動により、ボーナス部2を切断する。カム8132は、後述する固定機構83を持ち上げる機能を有する。固定機構83が持ち上がることにより、ゲームカード1は、押圧部832の圧力から解放され、搬送機構Dと反対方向に移動することができる。
【0122】
カット駆動機構82は、モーター821と、モーター821の軸に接続された動力歯車822と、動力歯車822と離間して設けられた受動歯車823と、動力歯車822と受動歯車823との間に巻きかけて張架されたベルト部材824とを備える。
【0123】
モーター821は、支持台611に隣接して設けられ、ハウジング84に固定されている。動力歯車822は、モーター821の駆動により回転し、ベルト部材824を回転させる機能を有している。動力歯車822の形状はいかなる形状であってもよい。受動歯車823は、動力歯車822の回転によるベルト部材824の回転に伴って、動力歯車822と同様に回転する。受動歯車823は、支持台61から立設した支持板に固定されている。受動歯車823の形状は、動力歯車822の形状と同じ形状である。
【0124】
ベルト部材824は、動力歯車822が回転することにより、受動歯車823を回転させる機能を有する。張架されたベルト部材824の内側面は、動力歯車822と受動歯車823と対応する形状を有する。すなわち、ベルト部材824の内側面に複数の凸部が形成され、これが動力歯車822と受動歯車823と噛みあうことで、ベルト部材824が回転する。
【0125】
また、カット駆動機構82は、レール部811の両端部付近にセンサ826、827を備える。これらのセンサ826、827は、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサなどのいずれのセンサであってもよい。
【0126】
固定機構83は、プレート831と、プレート831に固定され、ゲームカード1を支持台61に押圧するための2つの押圧部832と、プレート831をハウジング84内に固定し、プレート831を支持台611に向けて付勢する付勢手段833とを有している。
【0127】
プレート831は、押圧部832を支持、固定する機能を有する。プレート831は、搬送機構6とレール部811との間の位置に設けられている。プレート831は、本体部8311と、本体部8311の長手方向両端部から搬送方向Dに突出して形成された2つの突出部8312とを備える。したがって、プレート831は、上面視で「コ」の字状に形成されている。
【0128】
本体部8311は、矩形状に形成されている。本体部8311のカット方向Aと平行な辺の長さは、ゲームカード1の短辺の長さよりも長く設定されている。
【0129】
突出部8312は、本体部8311からカッター813まで延びている。したがって、カッター813がレール部811の端部に到達したとき、カッター813は、突出部8312下に位置することになる。突出部8312の幅は、カッター813の径と同程度であればよい。また、2つの突出部8312間の距離は、レール部811の長手方向の長さよりも小さければよい。すなわち、カッター813がレール部811の端部に到達したとき、カム8132が突出部8312を持ち上げることができればよい。
【0130】
押圧部832は、ゲームカード1を支持台11に押圧する機能を有する。押圧部832は、ロール状に形成された弾性部材で構成されている。2つの押圧部832は、ゲームカード1を押圧できるよう、当該ゲームカード1に対応する位置で、本体部8311の下面に支持、固定されている。また、2つの押圧部832は、カット方向Aに沿って、互いに所定距離離間している。なお、押圧部832の数は特に限定されない。
【0131】
付勢手段833は、プレート831を支持台61に向けて付勢する機能を有する。付勢手段833は、本体部8311の搬送機構6側の端部に設けられている。付勢手段833は、特に限定されないが、本実施形態では、トーションバネで構成されている。トーションバネの一端がハウジング84に固定され、他端が本体部8311に固定されている。これにより、プレート831を支持台611に付勢することができる。
【0132】
なお、無効化手段8の構成は上記に限定されず、同様の機能を有する他の構成であってもよい。また、無効化手段8は、ハウジング84に収容されていなくてもよい。
【0133】
(印刷手段9)
印刷手段9は、記録用紙(基材)Pに印刷を行い、ゲームカード1を作成する機能を有する。印刷手段9は、
図2に示されるように、筐体2内の中段に配置されている。
【0134】
印刷手段9は、装置本体91と、装置本体91の前面内部に記録用紙Pを設置するトレイ92と、装置本体91の前面から記録用紙Pを排出する排紙口93と、排紙口93の上部に設けられた操作部94とを備えている。装置本体91の内部には、印刷装置と、記録用紙Pを印刷装置に送り込む給紙装置と、印刷装置および給紙装置を制御する制御部とが備えられている。
【0135】
記録用紙Pは、ゲームカード1と同じ大きさの用紙であっても、ゲームカード1の幅が同じ長尺状の用紙がロール状に巻かれたロール体であってもよい。記録用紙Pがロール体である場合、装置本体91の内部には、長尺状の用紙をゲームカード1のサイズにカットするカット機構が備えられている。
【0136】
記録用紙Pが印刷装置に送り込まれると、給紙装置のヘッドユニットにより記録用紙Pに印刷が行なわれ、ゲームカード1が作成される。作成されたゲームカード1は、排紙口93から記録媒体払い出し部170に配出されるように構成されている。ヘッドユニットは、カーボン、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したインクカートリッジを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。なお、本実施形態のゲーム装置100は、印刷手段9を備えていなくてもよい。
【0137】
4.搬送手段の動作方法
まず、ゲームカード1が挿入口5に挿入される。この時の搬送手段6におけるゲームカード1の位置を「第1の位置」とする。次に、第1のセンサ627aがゲームカード1の先端を感知する。これにより、モーター631が駆動する。モーター631の軸が回転すると、その軸に接続されたベルト駆動ローラー632が回転する。次に、ベルト駆動ローラー632に張架された弾性ベルト部材635も回転し、それが駆動ローラー634a、634bを回転させる。駆動ローラー634a、634bが回転すると、軸636a、636bも回転する。こうして、軸636a、636bに結合された、一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bとが回転する。これにより、ゲームカード1が移動空間624を搬送方向Dに移動する。第2のセンサ627bがゲームカード1の先端を感知すると、モーター631が停止し、ゲームカード1も停止する。この時の搬送手段6におけるゲームカード1の位置を「第2の位置」とする。
【0138】
第2の位置で、撮像手段7により、第1のコード21と2次元コード31が撮像され、それらに記録されている情報が読み取られる。読み取られた情報に基づき、制御部190はゲームカード1が正規品であるか判断する。ゲームカード1が正規品であれば、制御部190(報知手段)はボーナスを使用するか否かを表示部110に表示する。
【0139】
操作検出手段140または操作ボタン150が「ボーナスを使用する」という入力を受けた場合、モーター631が再び動き出し、一対の後方ローラー633aと、一対の前方ローラー633bとが回転する。これにより、ゲームカード1は無効化手段8に向けて移動空間624および空間85を移動する。この間、第3のセンサ627cはゲームカード1を感知し続けている。その後、第3のセンサ627cがゲームカード1を感知しなくなったら、モーター631が停止し、ゲームカード1も停止する。この時、ゲームカード1の分離部4は、支持台61の縁615と重なり、ゲームカード1の先端はストッパー612に当接している。この時の搬送手段6におけるゲームカード1の位置を「第3の位置」とする。
【0140】
無効化手段8により、ゲームカード1の無効化処理が終了した場合、制御部190は再びモーター631を駆動させる。この時、モーター631の軸は搬送方向Dと逆方向に回転する。こうして、ベルト駆動ローラー632、弾性ベルト部材635、駆動ローラー634a、634b、軸636a、636b、一対の後方ローラー633a、一対の前方ローラー633bが回転する。これにより、ゲームカード1が移動空間624および空間85を前記逆方向に移動する。ゲームカード1が第1の位置に戻ると、モーター631がゲームカード1を感知しなくなる。こうして、モーター631が停止し、ゲームカード1も停止する。
【0141】
なお、ゲームカード1が第3の位置から第1の位置に移動する前に、第2の位置で一度停止し、カメラ72でボーナス部2が切断されたことを確認してもよい。これは、後述する撮像処理と同様の処理で行われる。また、ゲームカード1の搬送中、位置合わせセンサ629でゲームカード1の微妙な位置合わせを行ってもよい。
【0142】
5.無効化手段の動作方法
カット駆動機構82が停止している状態では、
図10に示すように、カッター813は動力歯車822または受動歯車823に隣接して配置されている。この時、カッター813のカム8132がプレート831の突出部8312を押し上げているため、ゲームカード1に対する押圧部832の圧力は解除されている。この時の状態を「初期状態」という。
【0143】
この初期状態で、ゲームカード1が第3の位置に停止すると、制御部190からの指示により、モーター821が駆動する。モーター821の軸が回転すると、その軸に接続された動力歯車822が回転する。次に、動力歯車822に張架されたベルト部材824も回転し、それが受動歯車823を回転させる。こうして、ベルト部材824に結合されたカッター813の軸も移動するようになる。これにより、カッター813が受動歯車823に向けて移動する。このとき、カッター813とともにカッター保持部812もレール部811に沿って移動するようになる。
【0144】
カッター813が移動して突出部8312を通過すると、突出部8312はカム8132の支えがなくなる。これにより、プレート831は、付勢手段833の付勢力により倒れ、押圧部832がゲームカード1を押圧する。この時の状態を「押圧状態」という(
図9)。
【0145】
この押圧状態で、カッター813がカット方向Aに移動すると、刃8131の移動経路に分離部4があるため、刃8131と分離部4とが接触する。これにより、分離部4でボーナス部2が切断される。切断されたボーナス部2は、第3の開口614を通ってゴミ箱101に収納される。一方、カッター813は、引き続き移動し、カム8132が反対の突出部8312を押し上げる。カッター813が受動歯車823に到達すると、センサ826がカッター813を感知する。これにより、カット駆動機構82は初期状態に戻る。すなわち、ゲームカード1の無効化処理が終了する。
【0146】
次のゲームカード1が第3の位置に停止すると、上記のようにカット駆動機構82が駆動して、カッター813が動力歯車822に向けて移動する。上述したように、押圧状態で、カッター813は、分離部4でボーナス部2を切断する。切断されたボーナス部2は、第3の開口614を通ってゴミ箱101に収納される。一方、カッター813は、引き続き移動し、カム8132が当初の突出部8312を押し上げる(
図10)。カッター813が動力歯車822に到達すると、センサ827がカッター813を感知する。これにより、カット駆動機構82は初期状態に戻る。すなわち、ゲームカード1の無効化処理が終了する。
【0147】
このように、ゲームカード1が第3の位置にセットされるたびに、カッター813は、動力歯車822から受動歯車823へまたは受動歯車823から歯車822へ片道運動をする。
【0148】
6.ゲーム装置の処理方法
次に、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の処理方法について詳細に説明する。
【0149】
図11は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【0150】
まず、ステップS100において、ゲーム装置の処理(以下、単に「処理」という)は開始される。次に、ステップS110において、各サブ表示部111、112、113に初期画面が表示され、同時にスピーカー160から所定の音声が提供される。ステップS110では、第1のサブ表示部111には、
図5に示すように、保持部134に記録媒体200を載置するようプレイヤーに促すメッセージが表示される。上述のように、第1の情報取得部131は、第1のサブ表示部111の表示面の一部を覆うように設けられていることから、記録媒体200をどこに載置すべきかを直感的、かつ、容易に把握することが可能なメッセージをプレイヤーに表示することができる。これにより、ゲームプレイの際に、プレイヤーが誤った位置に、記録媒体200を載置してしまうことを防止することができる。
【0151】
次に、ステップS120において、第1の情報取得部131または第2の情報取得部132が取得可能な状態で記録媒体200またはゲームカード1がセットされているかが判定される。ステップS120において、記録媒体200またはゲームカード1がセットされていることが認識された場合、処理は、ステップS130に移行し、第1の情報取得部131または第2の情報取得部132を用いて、セットされている記録媒体200またはゲームカード1から情報を取得する。次に、ステップS140において、取得した情報に関連する画像が各サブ表示部111、112、113に表示される。
【0152】
ステップS140において、取得した情報に関連する画像が各サブ表示部111、112、113に表示した後、処理は、ステップS150に移行する。一方、ステップS120において、第1の情報取得部131または第2の情報取得部132が情報を取得可能な様態で記録媒体200がセットされていないことが認識された場合には、処理は、ステップS150に直接移行し、ゲームのプレイモードが実行される。
【0153】
ステップS150では、ROM191内の制御プログラムをCPU193が実行することにより、所定のゲームがプレイヤーに提供される。どのようなゲームがプレイヤーに提供されるかは、任意である。たとえば、所定のゲーム(例えば、アクションゲーム、RPGゲーム、パズルゲーム等)がプレイヤーに提供される。
【0154】
プレイモード終了後、処理は、ステップS160に移行し、保持部134(第1の情報取得部131)上に載置された記録媒体200に対する情報書き込み処理が実行される。
【0155】
次に、処理は、ステップS170に移行する。ステップS170において、記録媒体払い出し部170から、ゲーム処理に応じてまたはランダムに、ゲームカード1が払い出しされる。なお、
図11のフローチャートでは、記録媒体の払い出し処理は、プレイモード終了後に実行されるが本発明はこれに限られない。例えば、プレイモード中に所定の処理が実行された場合に、該所定の処理に応じてまたはゲームカード1を払い出してもよい。その後、処理は、ステップS180に移行し、ゲームシステムが終了される。
【0156】
一方、ゲームカード1は、プレイモード開始前、プレイモード進行中、プレイモード終了後、いずれの時期においても、1次元コード21が読み取り不能となる(無効化される)よう処理される。以下、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の無効化処理について詳細に説明する。
【0157】
図12は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の無効化処理を示すフローチャート、
図13は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の撮像処理を示すフローチャート、
図14は本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の無効化処理を示すフローチャートである。
【0158】
まず、ステップS10において、ゲームカード1が挿入口5に挿入される。次に、ステップS11において、第1のセンサ627aがゲームカード1を感知するか否か判定される。ステップS11において、ゲームカード1が感知された場合、駆動機構63が駆動し、ゲームカード1は搬送方向Dに沿って移動空間624を第1の位置から第2の位置に移動する。すなわち、処理はステップS12に移行する。一方、ゲームカード1が感知されない場合、処理はステップS17に移行し、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0159】
次に、ステップS12において、第2のセンサ627bがゲームカード1を感知するか否か判定される。ステップS12において、ゲームカード1が感知された場合、ゲームカード1は第2の位置に停止する。すなわち、処理は、ステップS13に移行する。これにより、1次元コード21と2次元コード31は、開口628からさらされている状態となっている。一方、ステップS12において、ゲームカード1が感知されない場合、処理はステップS17に移行し、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0160】
次に、ステップS13において、1次元コード21と2次元コード31とが撮像される(ステップS131)。その後、処理はステップS132に移行する。ステップS132において、撮像手段7は、1次元コード21と2次元コード31に記録されている情報を取得する。次に、処理はステップS133に移行する。ステップS133において、ゲームカード1の2次元コード31が正規のコードであるか判定される。制御部190が2次元コード31は正規のコードであると判定した場合、処理はステップS134に移行する。次に、ステップS134において、1次元コード21が正規のコードであるか判定される。制御部190が1次元コード21は正規のコードであると判定した場合、処理はステップS14に移行する。制御部190が、ステップS133において2次元コード31が正規のコードでないと判定した場合、およびステップS134において1次元コード21が正規のコードでないと判定した場合、処理はステップS135に移行し、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0161】
次に、ステップS14において、ボーナスを使用するか否か判定される。操作検出手段140または操作ボタン150がプレイヤーからボーナスを「使用する」という入力を受けた場合、駆動機構63が駆動し、ゲームカード1が移動空間624および空間85を第2の位置から第3の位置に向けて移動する。すなわち、処理はステップS15に移行する。一方、操作検出手段140または操作ボタン150がプレイヤーからボーナスを「使用しない」という入力を受けた場合、処理はステップS17に移行し、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0162】
次に、ステップS15において、第3のセンサ627cがゲームカード1を感知しなくなった否か判定される。ステップS15において、ゲームカード1が感知されなくなった場合、ゲームカード1は第3の位置に停止する。そして、処理はステップS16に移行する。ステップS15において、ゲームカード1が感知され続けている場合、処理はステップS17に移行し、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0163】
次に、ステップS16において、無効化処理がスタートする(ステップS161)。制御部190の指示によりモーター821が作動すると、処理はステップS162に移行する。ステップS162において、モーター821の作動により、カッター813も作動する。カッター813が受動歯車823に向けて移動すると、カッター813は分離部4でボーナス部2を切断する。その後、カッター813は受動歯車823に向けてさらに移動し、処理はステップS163に移行する。ステップS163において、センサ826がカッター813を感知するか判定される。カッター813が感知された場合、処理はステップS164に移行する。一方、カッターが感知されない場合、処理はステップS162に移動し、カッター813は引き続き受動歯車823に向けて移動する。ステップS164において、カッター813は停止する。カッター813が停止すると、処理はステップS165に移行する。ステップS165において、ゲームカード1の無効化処理は終了し、処理はステップS17に移行する。
【0164】
最後に、ステップS17において、ゲームカード1は挿入口5から排出される。
【0165】
<第2実施形態>
次に、
図15を参照して、ゲーム装置100の第2実施形態を詳述する。以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0166】
図15は、本発明の第2実施形態に係るゲーム装置の無効化手段を示す斜視図である。
図15に示す無効化手段8は、カム8132の下部に別のカム8133が設けられ、パンチ機構84(除去手段)をさらに有していることを除き、第1実施形態と同様である。
【0167】
カム8133は、後述するパンチ機構84を押圧する機能を有する。パンチ機構84は、プレート841と、パンチ部842と、付勢手段843とを有している。
【0168】
プレート841は、パンチ部842を支持、固定する機能を有する。プレート841は、レール部811とベルト部材824との間で、ハウジン部84の端部に設けられている。また、プレート841は、ボーナス部2に対応する支持台61の位置に設けられている。
【0169】
パンチ部842は、ゲームカード1の1次元コード21をパンチする機能を有する。パンチ部842は、プレート841の下面に支持、固定されている。パンチ部842は、パイプ状に形成されたカッター部材で構成されている。パンチ部842は、1次元コード21の一部をパンチすることができれば、プレート841の下面のいずれの位置に配置されていてもよい。
【0170】
付勢手段843は、プレート841を支持台61とは反対方向に向けて付勢する機能を有する。付勢手段843は、プレート841の下面で、プレート841のレール部811側の端部に設けられている。付勢手段843は、特に限定されないが、本実施形態では、トーションバネで構成されている。トーションバネの一端がハウジング84に固定され、他端がプレート841に固定されている。これにより、プレート841を支持台611とは反対方向に付勢することができる。
【0171】
このように、本実施形態のゲーム装置100は、1次元コード21の一部をパンチするだけで無効化処理を実行するので、ボーナス部2の大部分を残すことができる。したがって、ゲームカード1の価値が維持される。
【0172】
本実施形態において、無効化手段8は次のように動作する。押圧状態で、カッター813が受動歯車823に向けて移動すると、カム8133の移動経路にプレート841があるため、カム8133がプレート841と接触する。カム8133は、付勢手段843の付勢力に反して、プレート841を押圧する。これにより、パンチ部842が1次元コード21をパンチする。パンチされた部分は、第3の開口614を通ってゴミ箱101に収納される。一方、カッター813は、引き続き移動し、プレート841を通過すると、付勢手段843の付勢力により、プレート841は元の状態に戻る。さらに、カッター813はさらに移動して、カット駆動機構82は初期状態に戻る。すなわち、ゲームカード1の無効化処理は終了する。
【0173】
なお、パンチ機構84は図示の形態に限定されない。カム8133がパンチ部842を押圧するのではなく、図示しない別部材がパンチ部を押圧してもよい。
【0174】
<第3実施形態>
次に、
図9を参照して、ゲーム装置100の第3実施形態を詳述する。以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0175】
図9は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の無効化手段を示す斜視図であるが、第3実施形態に係るゲーム装置の無効化手段も示す斜視図である。
【0176】
本実施形態の無効化手段8は、カッター保持部812が記録ヘッド812(インク付与手段)であることを除き、第1実施形態と同様である。
【0177】
図9に示すように、記録ヘッド812は、第1実施形態と同様、カッター813を保持する機能を有するが、その下面の吐出口からインクを吐出する機能も有する。この記録ヘッド812は、インクジェット式の記録ヘッド812である。
【0178】
記録ヘッド812は、カーボン、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したインクカートリッジを有していても良い。ゲームカード1の偽造防止という観点から、記録ヘッド812は、いずれか1色のインクカートリッジのみを有していればよい。記録ヘッド812は、1次元コード21を読み取り不能にする限り、インクをどのように付与してもよい。例えば、ドットを打つ、着色インクを付与する、線を引く等が挙げられる。
【0179】
このように、本実施形態のゲーム装置100は、1次元コード21にインクを付与することにより、ボーナス部2を完全に残すことができる。したがって、ゲームカード1の一部が除去されることがないので、ゲームカード1の価値が維持される。
【0180】
本実施形態において、無効化手段8は次のように動作する。押圧状態で、カッター813が受動歯車823に移動すると、1次元コード21の上方を記録ヘッド812が通過する。このとき、記録ヘッド812は、インクを吐出する。これにより、1次元コード21にインクが付与される。その後、カッター813は、引き続き移動し、カット駆動機構82は初期状態に戻る。すなわち、ゲームカード1の無効化処理は終了する。
【0181】
なお、本実施形態のゲーム装置100は、搬送手段6と、レール部材811と、カット駆動機構82と、記録ヘッド812とで(搬送手段6と無効化手段8の全体で)印刷装置ということもできる。また、記録ヘッド812でインクを付与するのではなく、図示しない搬送機構によって、ゲームカード1を印刷手段9に搬送させ、印刷手段9内で1次元コード21にインクを付与するようにしてもよい。この場合、ゲームカード1を作成する手段と、1次元コード21を無効化する手段とが一つの印刷手段9で実行することができる。
【0182】
<第4実施形態>
次に、
図16を参照して、ゲーム装置100の第4実施形態を詳述する。以下、第4実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0183】
図16は、本発明の第4実施形態に係るゲーム装置の無効化手段を示す斜視図である。
【0184】
図16は、カッター813が針814(除去手段)を有していることを除き、第1実施形態のゲーム装置100と同様である。
【0185】
針814は、1次元コード21を傷付ける機能を有する。針814は、刃8131に鉛直方向に向かって設けられているが、刃8131に代えて設けられていてもよい。針814の先端の大きさ(太さ)は特に限定されない。針814の先端が細い場合は、1次元コード21に細い傷をつけることができる。一方、針814の先端が太い場合は、1次元コード21に太い傷をつけることができる。また、針814の先端が平面状である場合には、ゲームカード1から1次元コード21の部分を剥がすことができる。
【0186】
このように、本実施形態のゲーム装置100は、1次元コード21を傷つけるだけで、ボーナス部2を残すことができる。したがって、ゲームカード1の一部が除去されることがないので、ゲームカード1の価値が維持される。
【0187】
以上、本発明のゲーム装置およびゲーム装置の処理方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0188】
また、記録媒体が矩形状のゲームカードの場合、上記説明では、ゲームカードの短辺側からゲームカードを挿入口に挿入したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ゲームカードの長辺側からゲームカードを挿入口に挿入してもよい。
【解決手段】本発明のゲーム装置は、所定の情報が記録されたコードを有する記録媒体の前記所定の情報を読み取ることにより、前記所定の情報を取得してゲームを行うゲーム装置であって、前記所定の情報を取得した後、前記記録媒体の前記コードが読み取り不能となるように、前記記録媒体を処理する無効化手段を有することを特徴とするゲーム装置。