特許第5658532号(P5658532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5658532
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/08 20060101AFI20150108BHJP
【FI】
   F24C3/08 Q
   F24C3/08 R
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-239369(P2010-239369)
(22)【出願日】2010年10月26日
(65)【公開番号】特開2012-93014(P2012-93014A)
(43)【公開日】2012年5月17日
【審査請求日】2013年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】山本 文成
(72)【発明者】
【氏名】内田 譲
(72)【発明者】
【氏名】松本 光輔
(72)【発明者】
【氏名】石川 善克
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−251590(JP,A)
【文献】 米国特許第05924860(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に形成された開口を介してコンロバーナが上方に突出するように設けられると共に、前記開口の周囲の前記天板上に五徳が載置されてなり、前記コンロバーナは、鋼板を絞り加工することにより、上面が平面視環状をしたバーナキャップ載置部となる外筒と、内筒と、その間の底部とで囲まれる上方に開口する混合室を有するバーナ本体を形成し、前記バーナ本体の前記バーナキャップ載置部上に、周囲の外面に炎孔となる切欠又は開口を有するバーナキャップが載置されて構成され、前記バーナキャップの下面に位置決め用主突起及び位置決め用副突起が突設されると共に、前記コンロバーナのバーナキャップ載置部に前記位置決め用主突起が挿入可能な位置決め用被挿入部が形成され、前記位置決め用主突起が前記位置決め用被挿入部に挿入された時には前記位置決め用副突起の全体が前記外筒と前記内筒の間の混合室内に収容されて前記バーナキャップが前記五徳の上端部よりも下方に位置し、前記位置決め用主突起が前記位置決め用被挿入部に挿入されない時には前記位置決め用主突起又は前記位置決め用副突起の少なくとも一つが前記バーナキャップ載置部の上面に当接して前記バーナキャップが前記五徳の上端部よりも上方に位置するように、前記位置決め用主突起及び位置決め用副突起が形成されることを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
前記位置決め用副突起は、前記位置決め用主突起が前記位置決め用被挿入部に挿入された時に、平面視において前記バーナキャップ載置部の前記混合室側の面に沿う複数の箇所にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1記載のガスコンロ。
【請求項3】
バーナ本体の周方向の一部に炎検出手段又は/及び点火手段が設けられると共に、前記位置決め用副突起を前記炎検出手段と前記点火手段が設けられている箇所以外の箇所に設けることを特徴とする請求項1又は2記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナ本体上にバーナキャップが載置されてなるコンロバーナを備えたガスコンロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、バーナ本体上にバーナキャップが載置され、天板の開口を介して上方に突出するコンロバーナを備えたガスコンロがよく知られている(例えば特許文献1参照)。バーナ本体は、平面視環状をしたバーナキャップ載置部の内部に上方に開口する混合室を有しており、前記バーナキャップ載置部上にバーナキャップが載置され、コンロバーナの周囲の外面に炎孔が形成される。
【0003】
特許文献1に示されるガスコンロは、バーナキャップに嵌合位置決め用突起が設けられると共に、バーナヘッド(バーナ本体)に嵌合用開口孔が形成されている。バーナキャップがバーナヘッドに対して正規に(すなわち所定の位置に所定の向きで)載置された時には、バーナキャップに設けた嵌合位置決め用突起がバーナヘッドの嵌合用開口孔に嵌入することで、バーナキャップが下方に落下してバーナキャップがバーナヘッドに安定して載置できるものである。
【0004】
しかしながら、バーナキャップがバーナヘッドに対して正規に載置されない時には、バーナキャップに設けた嵌合位置決め用突起がバーナヘッドの嵌合用開口孔に嵌入せず、バーナキャップがバーナヘッドから浮き上がり不安定となると共に所定の炎孔が形成されず、燃料ガスの流れが設計通りとならず所定の炎が形成されない惧れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−193212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、 バーナキャップがバーナ本体上に正規に載置されていない時に、使用者が、バーナキャップがバーナ本体上に正規に載置されていないことを確実に認識することができるガスコンロを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係るガスコンロ1は、天板11に形成された開口を介してコンロバーナ2が上方に突出するように設けられると共に、前記開口の周囲の前記天板11上に五徳12が載置されてなり、前記コンロバーナ2は、鋼板を絞り加工することにより、上面が平面視環状をしたバーナキャップ載置部31となる外筒34と、内筒35と、その間の底部とで囲まれる上方に開口する混合室32を有するバーナ本体3を形成し、前記バーナ本体3の前記バーナキャップ載置部31上に、周囲の外面に炎孔となる切欠又は開口41を有するバーナキャップ4が載置されて構成され、前記バーナキャップ4の下面に位置決め用主突起5及び位置決め用副突起6が突設されると共に、前記コンロバーナ2のバーナキャップ載置部31に前記位置決め用主突起5が挿入可能な位置決め用被挿入部7が形成され、前記位置決め用主突起5が前記位置決め用被挿入部7に挿入された時には前記位置決め用副突起6の全体が前記外筒34と前記内筒35の間の混合室32内に収容されて前記バーナキャップ4が前記五徳12の上端部よりも下方に位置し、前記位置決め用主突起5が前記位置決め用被挿入部7に挿入されない時には前記位置決め用主突起5又は前記位置決め用副突起6の少なくとも一つが前記バーナキャップ載置部31の上面に当接して前記バーナキャップ4が前記五徳12の上端部よりも上方に位置するように、前記位置決め用主突起5及び位置決め用副突起6が形成されることを特徴とする。
【0008】
これにより、バーナキャップ4が正規にバーナキャップ載置部31上に載置されず位置決め用主突起5が位置決め用被挿入部7に挿入されない場合には、位置決め用主突起5又は位置決め用副突起6の少なくとも一つがバーナキャップ載置部31の上面に当接して、バーナキャップ4の上端部が天板11上に載置された五徳12の上端部よりも上方に位置するため、使用者は、バーナキャップ4がバーナキャップ載置部31上に正規に載置されていないことを確実に認識することができる。
【0009】
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記位置決め用副突起6は、前記位置決め用主突起5が前記位置決め用被挿入部7に挿入された時に、平面視において前記バーナキャップ載置部31の前記混合室32側の面に沿う複数の箇所にそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0010】
これにより、位置決め用副突起6を設けるにあたっての設計上の自由度が高くなるものである。
【0011】
また請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、バーナ本体3の周方向の一部に炎検出手段21又は/及び点火手段22が設けられると共に、前記位置決め用副突起6を前記炎検出手段21と前記点火手段22が設けられている箇所以外の箇所に設けることを特徴とする。
【0012】
これにより、位置決め用副突起6が炎検出手段21や点火手段22に炎や燃料ガスが達する妨げとなってしまうのを回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、バーナキャップがバーナ本体のバーナキャップ載置部上に正規に載置されない場合、使用者がバーナキャップが正規に載置されていないことを確実に認識することができ、バーナキャップがバーナ本体のバーナキャップ載置部上に正規に載置されないことによる不具合を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態のガスコンロの全体斜視図である。
図2】同上のガスコンロの天板及び向かって右側のコンロバーナを除いた斜視図である。
図3】同上のガスコンロの燃料ガスの流路構成を示す説明図である。
図4】同上のコンロバーナを示し、(a)はバーナ本体を上方より見た斜視図であり、(b)はバーナキャップを上方より見た斜視図であり、(c)はバーナキャップを下方より見た斜視図である。
図5】同上のバーナキャップをガスコンロのバーナ本体から取り外した状態の要部斜視図である。
図6】同上のバーナキャップの上面図である。
図7】同上のバーナキャップの断面図である。
図8】同上のバーナキャップを取り外したガスコンロの要部平面図であり、一点鎖線はバーナキャップが正規に載置された時の位置決め用主突起及び位置決め用副突起を示す。
図9】同上のバーナキャップを取り外したガスコンロの要部断面図である。
図10】同上のバーナキャップを正規に載置したガスコンロの要部断面図である。
図11】同上のバーナキャップを誤って載置したガスコンロの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本実施形態においては、ガスコンロとして一般的に広く利用されているグリル付きコンロについて説明するが、グリルを備えていないガスコンロであってもよい。また、キッチンカウンターにビルトインされるもの、されないもののいずれであってもよい。
【0016】
ガスコンロ1は、図1図2に示すように、少なくとも上方に開口する箱状をした筐体からなるコンロ本体10と、コンロ本体10の上方への開口を閉塞しガスコンロ1の天面部となるガラス製の天板11と、で外殻が構成される。
【0017】
天板11にはコンロバーナ2を備えた加熱部が複数設けてある。図1に示す実施形態では、手前の左側の高火力コンロバーナ2a、中央の奥の小火力コンロバーナ2b、手前の右側の高火力コンロバーナ2cをそれぞれ備えた計三個の加熱部が設けてある。このコンロバーナ2は、天板11に形成された開口を介して天板11上に突出させてあり、バーナ本体3と天板11の前記開口縁との間に円環状のバーナリングRが介装してあり、天板11から煮汁等が下に落ちるのを防止している。天板11の前記開口の周囲には、五徳12が載置される。
【0018】
五徳12は、図5に示すように、略環状をした五徳枠12aと、複数個の五徳爪12bとを一体に組み立てて形成されるものである。本実施形態では、五徳枠12aは、断面略円形状の金属製の丸棒材を平面視環状に曲成して形成し、五徳爪12bは、五徳枠12aの周方向に略等間隔に複数個(本実施形態では6個)が溶接により一体に形成してある。なお、五徳枠12aは環状とならず周方向の一部が欠損していてもよい。
【0019】
ガスコンロ1内にはグリルバーナを備えたグリル庫が設けてあり、グリル庫の前開口は、ガスコンロ1の前面に設けたグリル扉13によって開閉自在に閉塞される。
【0020】
ガスコンロ1の前面部を構成する前面パネル14には、各加熱部を操作するための操作部15が設けてある。便宜上、前面パネル14が設けられている方を前方とし、左右はそれぞれ前方より後方を見た時の左右とする。
【0021】
各操作部15は、対応するコンロバーナ2の点火及び消火の切り替えや火力調節を指令するものであり、これを受けて制御部(図示せず)が各コンロバーナ2の点消火の切り替えや火力調節を行うと共に、コンロバーナ2毎に、調理タイマーモード、湯沸しモード、炊飯モード等の自動調理モードを設定できるようになっている。
【0022】
制御部は、マイクロコンピュータからなるもので、各バーナ(コンロバーナ2、グリルバーナ)に設けてある熱電対からなる炎検出手段21(図3参照)の熱起電力が入力され、制御部は入力された熱起電力が所定値(例えば3.5mV)以上になったときに、燃焼を認識する。
【0023】
図3に示すように、都市ガス等の燃料ガスを供給するガス供給路16から、各コンロバーナ2及びグリルバーナに燃料を供給するためのガス導管17が分岐されている。
【0024】
各ガス導管17には、通電により開弁が保持され、通電が止まると閉弁する元電磁弁18が設けられると共に、通過する燃料の量を制御する流量制御弁19と、前記流量制御弁19を駆動する駆動手段(図示せず)が設けられる。駆動手段としては、開度位置の微調整が可能なステッピングモータが好適に用いられるが、特に限定されない。また各ガス導管17には、先端にシール材を介してガスノズル17aが螺着等により設けられる。
【0025】
操作部15を操作して制御部に点火の指令を送ると、指令を受けた制御部は、指令を受けたコンロバーナ2又はグリルバーナに対応するガス導管17の元電磁弁18を開き、且つ、流量制御弁19を所定開度で開くと共に点火プラグからなる点火手段22をスパークさせ、コンロバーナ2又はグリルバーナを点火する。これにより、コンロバーナ2の炎により加熱部上に載置した被加熱物を加熱したり、グリルバーナの炎によりグリル庫内の肉や魚を焼くことができる。
【0026】
コンロバーナ2について図4図5等に基づいて説明する。コンロバーナ2は、バーナ本体3にバーナキャップ4を着脱自在に載置して主体が構成されている。
【0027】
バーナ本体3は、本実施形態では、SUS鋼板を絞り加工して、上面がバーナキャップ載置部31となる外筒34と内筒35とその間の底部とで囲まれる平面視略円環状をした上方に開口する混合室32(正確には、この上にバーナキャップ4が載置されることで上側が閉塞された完全な混合室となる)を形成してある。本実施形態では、内筒35の上下長さは外筒34の上下長さよりも短く、内筒35の上端部は外筒34の上端部よりも低い位置にある。
【0028】
またバーナ本体3は、混合管33を一体的に有するもので、本実施形態では、外筒34から管本体33aが突出して構成されている。管本体33aの先端(上流端)には、流入開口33b(図3参照)が形成され、この流入開口33bに一次空気が挿通可能な空気供給用間隙をあけてガスノズル17aが挿入される。
【0029】
図4に示すように、バーナキャップ4は、周囲の外面に炎孔となる切欠又は開口41を有し、下面に放射状に前記切欠又は開口41に連通する複数の炎孔用溝を凹設してあり、バーナキャップ4をバーナ本体3の上端のバーナキャップ載置部31上に載置することにより、バーナキャップ載置部31と切欠又は開口41とで囲まれる炎孔が形成されるようになっている。前記炎孔が設計通りの所定の炎孔となるためには、バーナキャップ4がバーナキャップ載置部31上に正規に(すなわち所定の位置に所定の向きで)載置される必要があるため、位置決め用主突起5と位置決め用副突起6と位置決め用被挿入部7が設けられるもので、後で詳述する。
【0030】
本実施形態では、バーナキャップ4は中央に透孔40が形成されると共に、バーナキャップ4の下面の前記透孔40の周縁から下方に筒部42が突設されている。このバーナキャップ4は、バーナキャップ載置部31上に正規に載置された際、図10に示すように筒部42の下端部がバーナ本体3の内筒35の上端部と当接又は近接して筒部42と内筒35とが略連続し、所定の混合室32が形成される。
【0031】
炎孔には、炎孔の周囲の空気が燃焼用の二次空気として供給される他、バーナ本体3の下方よりバーナ本体3の中央の透孔30及び前記透孔40を通っても燃焼用の二次空気が供給されるようになっている。
【0032】
コンロバーナ2は、加熱部に載置される被加熱物としての調理用鍋の鍋底に当接して温度を検知する温度検知手段23を備えており、透孔30及び透孔40を介して上方に露出している。温度検知手段23としては熱電対、サーミスタ等が好適に用いられるが、特に限定されない。またコンロバーナ2は、図8に示すように周方向の一部にそれぞれ上記炎検出手段21と点火手段22とを備えている。
【0033】
本発明においては、バーナキャップ4の下面に位置決め用主突起5及び位置決め用副突起6を突設すると共に、コンロバーナ2のバーナキャップ載置部31に前記位置決め用主突起5が挿入可能な位置決め用被挿入部7を形成するものである。
【0034】
本実施形態では、位置決め用主突起5は図6図7に示すように、バーナキャップ4の下面の周方向の一部に、平面視におけるバーナキャップ4の透孔40の中心Oから外側の端面51までの距離Lが、図8図9に示すバーナ本体3の透孔30の中心Oから外筒34の内面までの距離Lよりも長くなるように形成してある。一方、バーナキャップ載置部31には図8図9に示すように、バーナキャップ4が正規に載置された時に位置決め用主突起5が位置する部分に、バーナ本体3の中心Oから奥面までの距離Lが前記距離Lよりも長い、位置決め用主突起5の外側の端部が挿入可能な位置決め用被挿入部7が切欠されている。
【0035】
位置決め用主突起5の内側の端部は、図8に示すようにバーナ本体3の内筒35よりも外側にあって混合室32内に位置するようになっている。
【0036】
また図7に示すように、位置決め用主突起5の下端部からバーナキャップ4の上端部までの高さHは、図9に示すバーナキャップ載置部31(本実施形態ではバーナキャップ載置部31が傾斜しているためその下端部)から天板11に載置された五徳12の上端部までの高さHよりも高く形成するものである。
【0037】
位置決め用副突起6は、バーナキャップ4が正規に載置された時にバーナキャップ載置部31の混合室32側の面(外筒34の内面)に沿うように設けられるもので、本実施形態では図6及び図7に示すように、平面視において中心Oを挟んで位置決め用主突起5と対向する位置を中心とする周方向両側の二箇所に設けてある。平面視におけるバーナキャップ4の前記中心Oから位置決め用副突起6の外側の端面61までの距離Lが、バーナ本体3の前記中心Oから外筒34の内面までの距離Lよりも短くなるように形成してある。位置決め用副突起6の内側の端部は、図8に示すようにバーナ本体3の内筒35よりも外側にあって混合室32内に位置するようになっている。
【0038】
また図7に示すように、位置決め用副突起6の下端部からバーナキャップ4の上端部までの高さHも、位置決め用主突起5の高さHと同様に、図9に示すバーナキャップ載置部31から五徳12の上端部までの高さHよりも高く形成するものである。
【0039】
バーナキャップ4をバーナキャップ載置部31上に正規に載置して装着すると、図10に示すように、位置決め用主突起5の外側の端部が位置決め用被挿入部7に挿入されると共に内側の端部は混合室32内に位置し、位置決め用副突起6は全体が外筒34と内筒35の間の混合室32に収容される。そして、バーナキャップ4の上端部は、天板11上に載置された五徳12の上端部よりも下方に位置し、何ら支障なく調理用鍋等の被加熱物が五徳12上に載置される。
【0040】
以下、バーナキャップ4をバーナキャップ載置部31上に正規に載置しない場合について説明する。
【0041】
まず、バーナキャップ4はバーナキャップ載置部31の所定の位置にある(すなわちバーナキャップ4の前記中心Oとバーナ本体3の前記中心Oとが一致している)ものの、バーナキャップ4の向きが所定の向きとなっていない場合には、位置決め用主突起5は位置決め用被挿入部7からずれて位置するため、バーナキャップ4を下ろすと、位置決め用主突起5の下端部がバーナキャップ載置部31上に載置されてしまう。
【0042】
上述したように、位置決め用主突起5の高さHはバーナキャップ載置部31から五徳12の上端部までの高さHよりも高く形成してあるため、位置決め用主突起5の下端部がバーナキャップ載置部31上に載置されると、バーナキャップ4の上端部が天板11上に載置された五徳12の上端部よりも上方に位置してしまう。すると、調理用鍋等の被加熱物を五徳12上に載置しようとしてもバーナキャップ4に当接して載置することができず、使用者はバーナキャップ4が正規に載置されていないことを認識する。
【0043】
次に、バーナキャップ4が所定の位置にない(すなわちバーナキャップ4の前記中心Oとバーナ本体3の前記中心Oとが一致していない)場合について説明する。
【0044】
図11に示すように位置決め用主突起5が正規の場合よりも内側に偏って外筒34内に入り込んでしまうと、いずれかの位置決め用副突起6がバーナキャップ載置部31上に載置されてしまう。上述したように、位置決め用副突起6の高さHもバーナキャップ載置部31から五徳12の上端部までの高さHよりも高く形成してあるため、いずれかの位置決め用副突起6の下端部がバーナキャップ載置部31上に載置されると、バーナキャップ4の上端部が天板11上に載置された五徳12の上端部よりも上方に位置してしまい、使用者はバーナキャップ4が正規に載置されていないことを認識する。
【0045】
また、位置決め用主突起5が外側に偏ってしまうと、位置決め用主突起5自身がバーナキャップ載置部31上に載置されて、バーナキャップ4の上端部が天板11上に載置された五徳12の上端部よりも上方に位置してしまい、使用者はバーナキャップ4が正規に載置されていないことを認識する。
【0046】
上述したように、バーナキャップ4が正規にバーナキャップ載置部31上に載置されず位置決め用主突起5が位置決め用被挿入部7に挿入されない場合には、位置決め用主突起5又は位置決め用副突起6の少なくとも一つがバーナキャップ載置部31の上面に当接するため、使用者はバーナキャップ4が正規に載置されていないことを認識する。
【0047】
これにより、バーナキャップ4がバーナ本体3のバーナキャップ載置部31上に正規に載置されない場合、使用者がバーナキャップ4が正規に載置されていないことを確実に認識することができ、バーナキャップ4がバーナ本体3のバーナキャップ載置部31上に正規に載置されないことによる不具合、例えば、バーナキャップ4が浮き上がって不安定となり、所定の炎孔が形成されず所定の炎が形成されない、といったことを未然に防ぐことができる。
【0048】
上記実施形態においては、位置決め用副突起6をバーナキャップ載置部31の混合室32側の面に沿う二箇所に設けているが、一箇所や三箇所やそれ以上であってもよい。この場合でも、バーナキャップ4が所定の位置にない(すなわち中心Oと中心Oとが一致しない)時に、位置決め用主突起5又は位置決め用副突起6の少なくとも一つがバーナキャップ載置部31の上面に当接する必要がある。
【0049】
ここで、位置決め用副突起6をバーナキャップ載置部31の混合室32側の面に沿う二以上の箇所に設ける場合には、位置決め用副突起6を、平面視において中心Oを挟んで位置決め用主突起5と対向する位置に設ける必要はない。これにより、位置決め用副突起6を設けるにあたっての設計上の自由度が高くなるものである。特に、位置決め用副突起6を設けるにあたり、コンロバーナ2のバーナ本体3の周方向の上記炎検出手段21及び点火手段22が設けられている箇所以外の箇所に設けるのが好ましい。これにより、位置決め用副突起6が炎検出手段21や点火手段22に炎や燃料ガスが達する妨げとなってしまうのを回避することができる。
【0050】
また、位置決め用副突起6をバーナキャップ載置部31の混合室32側の面に沿う一箇所に設ける場合には、平面視において中心Oを挟んで位置決め用主突起5と対向する位置に位置決め用副突起6を設けないと、バーナキャップ4が正規に載置されていないにもかかわらず位置決め用主突起5と位置決め用副突起6の両方が混合室32内に入り込んでしまって、バーナキャップ載置部31の上面に当接しない可能性がある。すると、バーナキャップ4の上端部が天板11上に載置された五徳12の上端部よりも下方に位置してしまい、使用者が調理用鍋等の被加熱物を五徳12上に支障なく載置することができて、バーナキャップ4が正規に載置されていないことを認識し損なう惧れがある。このため、位置決め用副突起6を平面視において中心Oを挟んで位置決め用主突起5と対向する位置に設けることになる。
【0051】
更に、図示はしないが、バーナキャップ載置部31の位置決め用副突起6に対応する位置に、位置決め用副突起6が挿入される被挿入部を形成してもよい。この場合、位置決め用主突起5と位置決め用副突起6の幅を異ならせると共に、位置決め用主突起5と位置決め用副突起6とに合わせて位置決め用の被挿入部7と前記被挿入部の幅も異ならせることで、位置決め用主突起5と位置決め用副突起6とが入れ替わって挿入されるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 ガスコンロ
10 コンロ本体
11 天板
12 五徳
2 コンロバーナ
3 バーナ本体
30 透孔
31 バーナキャップ載置部
32 混合室
34 外筒
35 内筒
4 バーナキャップ
40 透孔
41 炎孔用の切欠又は開口
42 筒部
5 位置決め用主突起
6 位置決め用副突起
7 位置決め用被挿入部
R バーナリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11