【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。ジャングルジム10は、室内で遊戯可能な家庭用のジャングルジム10である。このジャングルジム10は、
図1に示すように複数個の管体であるパイプ12がジャングルジム用継手11によって縦横自在に連結されることで、様々な形状とされる本体部である枠体100からなる子供用のジャングルジム10である。なお、本実施例のジャングルジム10における前後とは、
図1におけるブランコ20の正面側を前方向とし、背面側を後方向とする。また、ジャングルジム10における左右とは、前方向に対しての左右方向とする。
【0024】
そして、このジャングルジム10には、ブランコ20、滑り台50、階段51、ステップパネル52、暖簾18、独立した立方体60及びブランコ20を設置するための空間であるブランコ空間200にブランコ20を吊持させるための部材等を備える。
【0025】
パイプ12は、合成樹脂製であって長さが約285mmに揃えられた外径32mm程度の直線円筒状に形成される。このように、複数個のパイプ12を同一長さとすることで、ジャングルジム10の様々な位置に自由にパイプ12を配置させ、任意形状のジャングルジム10を作ることができる。また、このジャングルジム10は、手摺り等に使用することのできる円弧状に湾曲したパイプも有する。
【0026】
そして、このパイプ12の両端部における各々の近傍には、
図2に示すようにジャングルジム用継手11に設けられるジョイント凸部11aと嵌合可能とされる4個のパイプ穴12aが周方向において等間隔となる位置に穿設されている。具体的には、この4個のパイプ穴12aは、各々直交する4方向に向ってパイプ12の内側から外側に貫通しており、且つ、直線状のパイプ12においては一端のパイプ穴12aの中心と他端のパイプ穴12aの中心とを結ぶ線がパイプ12の中心軸線と平行となるように配置される。
【0027】
つまり、パイプ12は、ジャングルジム用継手11が挿入されることで、ジャングルジム用継手11のジョイント凸部11aがパイプ12のパイプ穴12aに嵌合してジャングルジム用継手11に装着される。そして、このようなパイプ12をジャングルジム用継手11によって縦横に連結することで本体部としての均整のとれたジャングルジム10が形成される。
【0028】
ジャングルジム用継手11は、比較的軽く、強度及び剛性があり、且つ柔らかく曲げ疲労性に優れたポリプロピレン等の合成樹脂製であって、パイプ12が着脱自在に装着されるものである。
【0029】
そして、ジャングルジム用継手11には複数の種類があり、図示しない継手軸が3方に分岐する第1継手と、4方分岐継手である第2継手と、5方分岐継手である第3継手と、6方分岐継手である第4継手等がある。
【0030】
このジャングルジム10は、販売時には、解体された状態とされており、所定個数のジャングルジム用継手11と、所定個数のパイプ12と、
図3に示すようにジャングルジム用継手11とパイプ12との取外しに用いられるペンチ型の取外し工具300と、滑り台50と、ブランコ20と、階段51と、ステップパネル52と、暖簾18等の付属品と、を1セットにして梱包して提供されるものである。
【0031】
そして、組み立てられたジャングルジム10においてブランコ空間200には、
図1に示したように伸縮パイプ30に接続される2つの支柱支持継手44、ハの字状に下方を開くように配置される2本の金属製パイプである支柱パイプ41及び頂部にある三角支持部40によって形成される右支持部を備える。また、ブランコ空間200は、三角支持部40と相対する位置に
図4に示すような固定支持部70による左支持部を枠体100の一部に形成する。
【0032】
固定支持部70は、四方に枠体100のパイプ12と係合する上部係合部70a、下部係合部70d、前部係合部70c及び後部係合部70bを有する。つまり、固定支持部70は、四方の係合部を介して枠体100の所定の位置に保持される。
【0033】
上部係合部70aは、固定支持部70の上部に位置する枠体100の横向きのパイプ12に挿入させて接続させるパイプ係合部を備える。下部係合部70dは、固定支持部70の下部に位置する枠体100の横向きのパイプ12円周の上面に係合させる円形の凹部を有する係合部を備える。前部係合部70cは、固定支持部70の前部に位置する枠体100の縦向きのパイプ12に挿入させて接続させるパイプ係合部を備える。後部係合部70bは、固定支持部70の後部に位置する枠体100の縦向きのパイプ12に挿入させて接続させるパイプ係合部を備える。
【0034】
そして、ブランコ空間200の上方には、
図1に示したように左右支持部にブランコ20を吊持させるためのブランコ支持軸21が架設されている。さらに、ブランコ空間200の下方で2つの支柱支持継手44は、樹脂バンド45で結合されている。
【0035】
そして、ブランコ支持軸21は、一端が三角支持部40に軸止され、他端が固定支持部70に軸止される。なお、ブランコ支持軸21は、三角支持部40及び固定支持部70にて回転止めピン23をブランコ支持軸21に設けた所定の孔に貫通させて回転しないように固定されて軸止されている。
【0036】
ブランコ20の座席20bは、樹脂素材により一体成型して形成されており、子供一人が腰掛けられるように座席20bの底板の左右両側部と後部には連続した壁部が立設される。
【0037】
そして、座席20bの左右の壁部上部では夫々に座席受けパイプ20aが図示しない螺子で螺着されて座席20bに固定されている。また、座席受けパイプ20aの上端は、ブランコ支持軸21が挿入されるブランコ吊持パネル20dに図示しない螺子で螺着されている。そして、座席20bには安全ベルト20cを設けている。
【0038】
次に、ジャングルジム10の使用状態位置から各部を外して収納する流れについて説明する。ジャングルジム10を収納するにあたっては、先ずブランコ支持軸21及びブランコ20を取り外すこととする。さらに、滑り台50、階段51、ステップパネル52を取り外す。そして、ジャングルジム10は、ブランコ空間200において
図5に示すように下方に位置する伸縮パイプ30を枠体100側にスライドさせることにより、右支持部が枠体100の周縁に添うようにして配置されることとなる。
【0039】
次に、例えば、枠体100から着脱可能な立方体60を遊戯時に取り付けられた枠体100下部の位置から取り外して、
図6に示すように枠体100上方のL字形状の窪み部分に配置させる。そして、配置された立方体60のパイプと、近設する枠体100のパイプ12とを結合させるために着脱可能な脱着式連結部材62により近設する夫々のパイプを結合させる。
【0040】
次に、伸縮パイプ30をスライドさせてコンパクトにされたジャングルジム10に、予め取り外した滑り台50のパイプ掛止部分を、例えば、
図6に示すように本体部である枠体100の短辺側側面の最上段のパイプ12に掛止させて滑り台50を垂設させる。
【0041】
また、予め取り外した階段51のパイプ掛止部分を、例えば、本体部である枠体100の長辺側側面の最上段のパイプ12に掛止させて階段51を垂設させる。ステップパネル52については、枠体100内部で4本のパイプ12で形成される水平面の何れかに掛止させる。
【0042】
そして、収納において滑り台50、階段51及びステップパネル52を所定の位置に掛止させた枠体100に、予め取り外したブランコ20を、例えば、枠体100の最上段の上面に載設させる。具体的には、ブランコ20を枠体100の最上段に横設し、ブランコ20上部に位置するブランコ吊持パネル20dの突起部を
図6に示したように既に掛止された滑り台50のパイプ掛止部分近傍にある長方形の穴に挿入することにより、ブランコ20は、枠体100最上段を覆設するように設置される。
【0043】
なお、ジャングルジム10は、管体であるパイプ12をジャングルジム用継手11にジョイントさせて自在な形状の立体格子状の枠体100として形成されることから、
図1、
図4及び
図5等に示す形状に限るものではない。
【0044】
ここで、ジャングルジム10の伸縮パイプ30の構成について図を用いて詳細に説明する。
図7は、伸縮パイプ30を展開させた状態における各部の構成を示す説明図である。
【0045】
ジャングルジム10の伸縮パイプ30は、
図7に示すように金属製の床面パイプ30a、樹脂製の収納パイプ31により構成される。また、伸縮パイプ30には、ロック機構として床面パイプロック32を有し、伸縮パイプ30の近傍の枠体100には、スライドストッパー33、収納パイプ連結部材34を有する。
【0046】
床面パイプロック32は、収納パイプ31の先端側(右側)に設置されて、床面パイプ30aと収納パイプ31とを結合させる突起32d(
図8参照)を有するフック部を有する。そして、床面パイプロック32のフック部は、収納時には床面パイプ30aの先端側(右側)に設けた係合切り欠き穴32aと係止され、展開時には収納パイプ31内に位置する床面パイプ30aの後端側(左側)に設けた図示されない係合切り欠き穴と係止される。
【0047】
スライドストッパー33は、後述するブランコ空間用継手35の近傍で枠体100と一体とされており、略180度回動可能なストッパー部を有する。ストッパー部が伸縮パイプ30の展開時に収納パイプ31の後端側に回動されて、
図9に示すように収納パイプ31の中心軸延長位置に配置されることにより、伸縮パイプ30を固定させる。
【0048】
収納パイプ連結部材34は、ブランコ空間用継手35近傍に配置され結合部として回動可能な略半円柱形状のフック部を有する。収納パイプ連結部材34のフック部は、収納時には収納パイプ31の先端側円周部分を係止させて収納パイプ31とブランコ空間用継手35とを結合させ、展開時には収納パイプ31の後端側円周部分を係止させて収納パイプ31とブランコ空間用継手35とを結合させる。
【0049】
ブランコ空間用継手35は、枠体100の左支持部の下端角に配置されるジャングルジム用継手であり、パイプ12をジョイントさせる継手軸が3方に分岐しており、3方にパイプ12が装着される。また、ブランコ空間用継手35は、継手軸の前方に中空円柱ガイド部を有しており、その中空部分ガイド部に伸縮パイプ30を挿入させて伸縮パイプ30を軸方向にスライドさせることができる。
【0050】
ここで、伸縮パイプ30のロック機構を解除する一連の流れについて図を用いて説明する。
図8、
図9は、伸縮パイプ30のロック機構を解除する一連の流れを示す説明図である。さらに、
図10は、伸縮パイプ30の収納時の状態における各部の構成を示す説明図である。
【0051】
伸縮パイプ30は、
図8(a)に示す展開状態から先ず
図8(b)に示すように床面パイプロック32の略半円形状の内側に設けた突起32dを有するフック部を開き、図示されない後端側の係合切り欠き穴との係合を解除させることにより突起32dで係合していた床面パイプロック32と床面パイプ30aとの結合を解除して、床面パイプ30aを収納パイプ31側にスライドさせることができる。そして、伸縮パイプ30は、
図8(c)に示すように床面パイプ30aを収納パイプ31側で停止するまでスライドさせることにより、床面パイプ30aが収納パイプ31に埋設された状態となる。
【0052】
伸縮パイプ30は、床面パイプ30aが収納パイプ31に埋設された状態で
図8(d)に示すように、床面パイプロック32の略半円形状の突起32dを有するフック部を床面パイプ30aの先端側の係合切り欠き穴32aに係合させることにより、収納パイプ31内に埋設された床面パイプ30aの突出を防ぎ、その状態を保持する。
【0053】
続いて、伸縮パイプ30は、
図9(a)に示す収納パイプ31内に床面パイプ30aを埋設した状態から
図9(b)に示すようにスライドストッパー33を90度上方に向けて回動させることにより、収納パイプ31の後端の係止が解除され、収納パイプ31を収納方向にスライドさせることが可能となる。
【0054】
そして、伸縮パイプ30は、
図9(c)に示すように収納方向で停止する所までスライドさせ、収納パイプ連結部材34により収納パイプ31と本体部である枠体100の角に設置されるブランコ空間用継手35とを結合させて固定させることにより、伸縮パイプ30は
図10に示すように枠体100の周縁に添うようにして平行に配置される。
【0055】
伸縮パイプ30が収納されると右支持部は、枠体100に添うように配置される。そして、伸縮パイプ30は、収納されて先述のロック機構である床面パイプロック32及び収納パイプ連結部材34を夫々収納パイプ31との所定の位置で係合させることによりその状態を保持させる。
【0056】
次に、ジャングルジム10におけるブランコ20の取り付けについて図を用いて説明する。
図11は、ブランコ20とブランコ支持軸21との取り付けに関する説明図である。
図12は、ブランコ支持軸21を架設する三角支持部40及び固定支持部70におけるブランコ支持軸21の取り付けに関する説明図である。
【0057】
ジャングルジム10におけるブランコ20の取り付けは、先ず
図11に示すようにブランコ20のブランコ吊持パネル20dの左右に設けられた挿入穴にブランコ支持軸21を挿入し、各挿入穴の外側にブランコ20位置固定用のストッパー22をブランコ支持軸21に併せて挿入する。ストッパー22を配置することにより、吊持されるブランコ20は、左右に位置ずれを生じることなく揺動可能とされる。
【0058】
そして、ブランコ20にブランコ支持軸21とストッパー22を挿入した状態で、
図12に示すようにブランコ空間200における三角支持部40及び固定支持部70の所定の嵌合部にブランコ支持軸21を嵌合させ、三角支持部40及び固定支持部70の各上方に位置する回転止めピン23の挿入穴から回転止めピン23を挿入する。
【0059】
回転止めピン23の挿入後に、所定の位置に回転止めピン23の抜け防止用の螺子24とワッシャー25とを留めることにより、ブランコ20の取り付け完成となる。なお、ブランコ20を取り外す際には、螺着された螺子24とワッシャー25とを取り外し、回転止めピン23を上方に抜脱させることにより、ブランコ支持軸21を取り外すことができる。
【0060】
次に、ジャングルジム10における滑り台50、階段51及びステップパネル52の取り付け及び取り外しについて図を用いて説明する。
図13は、枠体100への滑り台50、階段51及びステップパネル52の取り付けに関する説明図である。
【0061】
ジャングルジム10は、先述のとおり枠体100に取り付け可能な滑り台50、階段51及びステップパネル52を備える。滑り台50及び階段51は、
図13に示すように枠体100を形成するパイプ12の円周部分に係合されるようにして掛止される。なお、
図1に示したように枠体100のパイプ12に係合されて掛止される滑り台50及び階段51は、上方向に張力をかけることにより係合が外れ掛止が解除されて取り外すことができる。
【0062】
ステップパネル52は、樹脂製の四角形状をしており、階段51を登って滑り台50で降下する際の足踏み場として機能する。そして、ステップパネル52は、枠体100の所定の水平面で4本のパイプ12からなる四角形状部分に嵌めこむようにして掛止される。なお、ステップパネル52は上方向に張力をかけることにより掛止が解除されて取り外せる。
【0063】
以上のように本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、簡単でしかもコンパクトに収納でき、使用する際には簡単に展開できることから、遊戯したいときに短時間でセットして、いつでも子供の遊戯心を十分満足させることができる。
【0064】
また、本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、ブランコ20を吊持するブランコ支持軸21は、三角支持部40及び固定支持部70により回転しないように固定されているから、ブランコ20を安全に揺動させることができる。
【0065】
そして、本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、三角支持部40、支柱パイプ41及び支柱支持継手44は、ブランコ20及びブランコ支持軸21を外して各伸縮パイプ30をスライドさせると、伸縮パイプ30と一体となってスライドし、枠体100の周縁に添うようにして配置されることから、コンパクトな収納を可能にする。
【0066】
また、本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、着脱されたブランコ20は枠体100の管体に掛止させて固定させることにより、枠体100と一体として収納されることから紛失を防止することができる。
【0067】
さらに、本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、各伸縮パイプ30は使用状態位置及び使用状態位置から外したときに、夫々所定の位置で固定されるようにロック機構を備えることから、使用中に誤ってスライドすることがなく安全である。
【0068】
そして、本発明の家庭用ジャングルジム10によれば、滑り台50や階段51を収納時に枠体100のパイプ12に掛止させて固定させることから、コンパクトに収納することができ、どこに片づけたかを忘れることがなく紛失を防止できる。
【0069】
また、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。