(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本開示の一つの局面では、構造式(I)を有する化合物:
、ならびに薬学的に許容されるその塩、プロドラッグおよびN-オキシド(ならびにその溶媒和物および水和物)を提供し、
式中、
R
1は、H、-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-C(O)O-(C
1〜C
4アルキル)であり;
R
2は、-Hca、-Cak-N(R
9)-G-R
22もしくは-(C
2〜C
8アルキル)-N(R
9)-R
24であり、ここで、(C
2〜C
8アルキル)の二つの連続炭素が-O-によって置き換えられていないという条件で、(C
2〜C
8アルキル)の一つもしくは二つの炭素が-O-、-S-もしくは-N(R
9)-によって置き換えられてもよく、かつR
24が-R
23、-G-R
23もしくは-C(O)O-(C
1〜C
6アルキル)であり;
各R
3は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され;
wは0、1、2または3であり;
各R
4は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
4は組み合わさってオキソを形成してもよく;
xは0、1、2、3または4であり;
pは0、1、2、3または4であり;
qは2、3または4であり;
pおよびqの合計が2、3、4、5または6であり;
Tは、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10または
であり、
式中、
Qは-S(O)
2-、Lまたは(C
0〜C
3アルキル)-であり、ここで該-(C
0〜C
3アルキル)-の各炭素が一つまたは二つのR
16で独立して置換されてもよく;
「A」で示される環は、ヘテロアリール、アリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり;
各R
5は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され; かつ
yは0、1、2、3または4であり;
ここで、
各Lは、-NR
9C(O)O-、-OC(O)NR
9-、-NR
9C(O)-NR
9-、-NR
9C(O)S-、-SC(O)NR
9-、
-NR
9C(O)-、-C(O)-NR
9-、-NR
9C(S)O-、-OC(S)NR
9-、-NR
9C(S)-NR
9-、-NR
9C(S)S-、-SC(S)NR
9-、-NR
9C(S)-、-C(S)NR
9-、-SC(O)NR
9-、-NR
9C(S)-、-S(O)
0〜2-、-C(O)O、-OC(O)-、-C(S)O-、-OC(S)-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-OC(O)O-、-SC(O)O-、-OC(O)S-、-SC(S)O-、-OC(S)S-、-NR
9C(NR
2)NR
9-、-NR
9SO
2-、-SO
2NR
9-および-NR
9SO
2NR
9-から独立して選択され、
各R
6、R
7、R
8およびR
10は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、
各R
9は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
1〜C
4アルキル)および-C(O)O-(C
1〜C
4アルキル)から独立して選択され、
各Gは独立して-S(O)
2-、Lまたは-(C
0〜C
3アルキル)-であり、ここで該-(C
0〜C
3アルキル)-の各炭素が一つまたは二つのR
16で独立して置換されてもよく、
各R
16は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上のR
16の二つは、組み合わさってオキソを形成してもよく、
R
22およびR
23の各々は独立してArまたはHetであり、
各Arは置換されてもよいアリールであり、
各Hetは置換されてもよいヘテロアリールであり、
各Cakは置換されてもよいシクロアルキルであり、
各Hcaは置換されてもよいヘテロシクロアルキルであり、かつ
各アルキルは置換されてもよい。
【0010】
構造式(I)の本明細書に開示された化合物のある態様において、Tが
である。そのような態様において、Qは、-S(O)
2-、Lまたは-(C
0〜C
3アルキル)-であり、ここで(C
0〜C
3アルキル)の各炭素が一つまたは二つのR
16で独立して置換されてもよく、ここで各R
16が-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上のR
16の二つが組み合わさってオキソを形成してもよい。ある態様において、各R
16は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
16は、組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)、および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、特定の化合物において、各R
16は、-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、かつ同じ炭素上の二つのR
16は、組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。ある態様において、Qは、多くても一つのR
16、または該R
16において置換されたオキソを有する。Qが、例えば、非置換-(C
0〜C
3アルキル)-であることができる。他の態様において、Qが、その唯一の置換として単一のオキソ基を有する(C
1〜C
3アルキル)である。例えば、ある態様において、Qが-CH
2-; 単結合; -S(O)
2-; -C(O)-; または-CH(CH
3)-である。
【0011】
構造式(I)の化合物のある態様において、
部分が、
例えば、p-(トリフルオロメチル)フェニルである。他の態様において、
部分が、
であり; 一つのそのような態様において、Qが単結合である。
【0012】
「A」で示される環系上の置換基の数yは、0、1、2、3または4である。例えば、構造式(I)の本明細書に開示された化合物のいくつかの態様において、yは0、1、2または3、例えば1などである。一つの態様において、yはゼロではなく、かつ少なくとも一つのR
5がハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2または-C(O)-Hcaであり、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、かつここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。
【0013】
構造式(I)の本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
5は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、各R
5は、-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。
【0014】
構造式(I)の化合物の一つの態様において、yが0である。
【0015】
構造式(I)の本明細書に開示された化合物において、「A」で示される環系がヘテロアリール、アリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。例えば、一つの態様において、「A」で示される環系がアリールまたはヘテロアリールである。「A」で示される環系が、例えば、単環アリールまたはヘテロアリールであることができる。一つの態様において、「A」環系がアリールである場合、Qは、オキソで置換されてもよい、および一つまたは複数のR
16で置換されてもよい-(C
0〜C
3アルキル)-である。例えば、Qは、その唯一の置換として単一のオキソ、または非置換-(C
0〜C
3アルキル)-を有する-(C
1〜C
3アルキル)-であることができる。例えば、ある態様において、Qは-CH
2-; 単結合; -S(O)
2-; -C(O)-; または-CH(CH
3)-である。
【0016】
例えば、構造式(I)の本明細書に開示された化合物のある態様において、「A」で示される環系がフェニルである。一つの態様において、yが1であり、かつR
5がQに対してパラ位でフェニルに結合する。別の態様において、yが1であり、かつR
5がハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaからなる群より選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、かつここでどの(C
0〜C
4アルキル)および(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。R
5が、例えば、-Cl、-F、シアノ、-C(O)CH
3、-C(O)OH、-C(O)NH
2、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシであることができる。別の態様において、
部分が3,4-ジハロフェニルである。
【0017】
構造式(I)の本明細書に開示された化合物の別の態様において、「A」で示される環系がヘテロアリールである。例えば、ある態様において、「A」で示される環系がピリジル、チエニル、またはフラニルである。一つの態様において、「A」環系がヘテロアリールである場合、Qは、オキソで置換されてもよい、および一つまたは複数のR
16で置換されてもよい-(C
0〜C
3アルキル)-である。例えば、Qは、その唯一の置換として単一のオキソ、または非置換-(C
0〜C
3アルキル)-を有する-(C
1〜C
3アルキル)-であることができる。ある態様において、Qは-CH
2-; 単結合; -S(O)
2-; -C(O)-; または-CH(CH
3)-である。
【0018】
本明細書に開示された化合物の一つの態様において、化合物は構造式(II):
を有し、式中、変数記号は構造式(I)に関して上記の通りに定義される。
【0019】
本明細書に開示された化合物の一つの態様において、化合物は構造式(III):
を有し、式中、変数記号は構造式(I)に関して上記の通りに定義される。
【0020】
本明細書に開示された化合物の別の態様において、化合物は、構造式(IV):
を有し、式中、X
1、X
2、X
3およびX
4の一つがNであり、かつ残りが炭素(例えば、w個のR
3基の一つにより独立してCH置換またはC置換された)であり、かつその他全ての変数記号が構造式(I)に関して上記の通りに定義される。例えば、一つの態様において、X
1はNであり、かつX
2、X
3およびX
4は炭素である。別の態様において、X
2はNであり、かつX
1、X
3およびX
4は炭素である。別の態様において、X
3はNであり、かつX
1、X
2およびX
4は炭素である。別の態様において、X
4はNであり、かつX
1、X
2およびX
3は炭素である。
【0021】
構造式(I)〜(IV)による化合物において、pは0、1、2、3または4であり、かつqは2、3または4である。例えば、一つの態様において、qは2である。ある態様において、pは1である。
【0022】
構造式(I)〜(IV)によるある態様において、pおよびqの合計は2または3である。例えば、一つの態様において、pおよびqの合計は2である(例えば、pは0であり、かつqは2である)。別の態様において、pおよびqの合計は3である(例えば、pは1であり、かつqは2である)。他の態様において、pおよびqの合計は4、5または6である。したがって、pおよびq炭素原子を含む環は、5、6、7、8または9員環でありうる。
【0023】
本明細書に開示された化合物の一つの態様において、化合物は、構造式(V):
を有し、式中、変数記号は構造式(I)に関して上記の通りに定義される。
【0024】
本明細書に開示された化合物の別の態様において、化合物は、構造式(VI):
を有し、式中、変数記号は構造式(I)に関して上記の通りに定義される。
【0025】
本明細書に開示された化合物の別の態様において、化合物は、構造式(VII):
を有し、式中、X
1、X
2、X
3およびX
4の一つがNであり、かつ残りが炭素(例えば、w個のR
3基の一つにより独立してCH置換またはC置換された)であり、かつその他全ての変数記号が構造式(I)に関して上記の通りに定義される。例えば、一つの態様において、X
1はNであり、かつX
2、X
3およびX
4は炭素である。別の態様において、X
2はNであり、かつX
1、X
3およびX
4は炭素である。別の態様において、X
3はNであり、かつX
1、X
2およびX
4は炭素である。別の態様において、X
4はNであり、かつX
1、X
2およびX
3は炭素である。
【0026】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある態様において、R
1は-Hである。他の態様において、R
1は(C
1〜C
4アルキル)、例えばメチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピルである。他の態様において、R
1は-C(O)-O-(C
1〜C
4アルキル)、例えば-C(O)-O-t-ブチルである。ある態様において、どのR
1のアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。
【0027】
いずれかの構造式(I)〜(VII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、R
2は-Hcaである。ある態様において、R
2は置換されてもよい単環式ヘテロシクロアルキルである。一つの態様において、R
2はオキソ置換されたヘテロシクロアルキルではない。
【0028】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある種において、R
2が-(置換されてもよいアゼチジニル)、-(置換されてもよいピロリジニル)、-(置換されてもよいピペリジニル)、または-(置換されてもよいアゼパニル)である。例えば、R
2が-(置換されてもよいピペリジニル)または-(置換されてもよいピロリジニル)であることができる。一つの態様において、R
2が-(置換されてもよい)である。別の態様において、R
2が-(置換されてもよいピロリジニル)である。
【0029】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある特定の態様において、R
2が-(置換されてもよいアゼチジン-3-イル)、-(置換されてもよいピペリジン-4-イル)、-(置換されてもよいピロリジン-3-イル)または-(置換されてもよいアゼパン-4-イル)である。例えば、一つの態様において、R
2が-(置換されてもよいピペリジン-4-イル)である。別の態様において、R
2が-(置換されてもよいピロリジン-3-イル)である。
【0030】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある態様において、上記のアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルおよびアゼパニルR
2部分が、それらの1位において置換される。例えば、一つの態様において、R
2が、その1位において-(C
0〜C
3アルキル)-Arまたは-(C
0〜C
3アルキル)-Het、例えば-(非置換C
0〜C
3アルキル)-Arまたは-(非置換C
0〜C
3アルキル)-Hetで置換される。例えば、一つの特定の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において置換されてもよいベンジルまたは置換されてもよいフェニルで置換される。別の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において、電子求引基で置換されたベンジルで; または電子求引基で置換されてもよいピリジニルメチルで置換される。例えば、ベンジルまたはピリジニルメチルを、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-O-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、-S(O)
2O-(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaからなる群より選択される電子求引基で置換することができ、ここで該Hcaが窒素原子を含み、該窒素原子に該-C(O)-が結合し、ここでどのアルキル、フルオロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。他の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において非置換ベンジルまたは非置換フェニルで置換される。
【0031】
構造式(I)〜(VII)のいずれかを有する本明細書に開示された化合物の他の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において、置換されてもよいピリジニルメチル、置換されてもよいフラニルメチル、置換されてもよいチエニルメチル、置換されてもよいオキサゾリルメチル、または置換されてもよいイミダゾリルメチルで置換される。例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分を非置換ピリジニルメチル、非置換フラニルメチル、非置換チエニルメチル、非置換オキサゾリルメチル、または非置換イミダゾリルメチルで置換することができる。他の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分を、上記の電子求引基で置換されたピリジニルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、オキサゾリルメチルまたはイミダゾリルメチルで置換することができる。
【0032】
構造式(I)〜(VII)のいずれかを有する本明細書に開示された化合物のある態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分は、その1位において-L-Arまたは-L-Hetで置換され、ここでArおよびHetが、例えば、-(C
0〜C
3アルキル)-Arまたは-(C
0〜C
3アルキル)-Hetに関連して上記の通りであることができる。一つのそのような態様において、Lが-C(O)-NR
9-、例えば-C(O)-NH-などである。
【0033】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物の他の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分は、その1位において-C(O)-O(C
0〜C
6アルキル)、-C(O)-Het、-C(O)-Ar、-S(O)
2-Het、-S(O)
2-Arまたは-S(O)
2-O(C
0〜C
6アルキル)で置換され、ここでArおよびHetが、例えば、-(C
0〜C
3アルキル)-Arまたは-(C
0〜C
3アルキル)-Hetに関連して上記の通りであることができる。一つの態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において-C(O)-Hetまたは-C(O)-Arで置換され; 別の態様において、それがその1位において-S(O)
2-Hetまたは-S(O)
2-Arで置換される。例えば、ある態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において置換されてもよいベンゾイル(例えば、上記の電子求引基で置換された)で; または置換されてもよいニコチニル、イソニコチニルもしくはピコリニル(例えば、上記の電子求引基で置換されてもよい)で置換される。他の態様において、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはアゼパニルR
2部分が、その1位において非置換ベンゾイルで; または非置換ニコチノイル、イソニコチノイルもしくはピコリノイルで置換される。
【0034】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物のある態様において、R
2が上記の通り、-Cak-N(R
9)-G-R
22である。例えば、開示された化合物の一つの態様において、R
2は構造
を有し、式中、cは0、1、2、3または4であり、かつ各R
21は-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
21は組み合わさってオキソを形成してもよい。本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
21は-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
21は組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、各R
21は-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、かつ同じ炭素上の二つのR
21は組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。ある態様において、cが1または2である。他の態様において、cが0である。ある態様において、R
9がHである。ある態様において、Gが単結合である。本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
22がアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
23がアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。
【0035】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物の一つの態様において、R
2が
構造
を有する。
【0036】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物のある態様において、R
2が-(C
2〜C
8アルキル)-N(R
9)-R
24であり、ここで該(C
2〜C
8アルキル)の一つまたは二つの炭素が-O-または-N(R
9)-によって置き換えられてもよく、かつR
24が-R
23、-GR
23または-C(O)O-(C
1〜C
6アルキル)である。ある態様において、(C
2〜C
8アルキル)が非置換型であり、かつどの炭素も-O-または-N(R
9)-によって置き換えられていない。例えば、一つの態様において、R
2が-CH
2-CH
2-CH
2-N(R
9)-R
24または-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-N(R
9)-R
24である。他の態様において、(C
2〜C
8アルキル)が置換型であり、かつ/または一つもしくは二つの炭素が-O-もしくは-N(R
9)-によって置き換えられる。例えば、一つの態様において、R
2が-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-N(R
9)-R
24; -CH
2-CH(CH
3)-N(R
9)-R
24; または-CH
2-CH
2-O-CH
2-C(O)-N(R
9)-R
24である。ある態様において、R
9がHである。ある態様において、R
24がArまたはHetである。ある態様において、R
24がアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。ある態様において、(C
2〜C
8アルキル)が(C
2〜C
5アルキル)である。
【0037】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物において、中央のピリジン上の置換基の数wは0、1、2または3である。例えば、一つの態様において、wは0、1または2である。別の態様において、wは0である。他の態様において、wは少なくとも1であり、かつ少なくとも一つのR
3は、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-O-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、-S(O)
2O-(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaからなる群より選択され、ここで該Hcaが窒素原子を含み、該窒素原子に該-C(O)-が結合し、ここでどのアルキル、フルオロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、ある態様において、少なくとも一つのR
3は、ハロ(例えば、クロロ)または-(C
1〜C
4アルキル) (例えば、メチル、エチルまたはプロピル)である。ある態様において、R
3は、ジアザシクロアルキル部分を持つカルボニルに対してメタ位で中央のピリジンにおいて置換される。
【0038】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物のある態様において、各R
3は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)、および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、各R
3は-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、ある態様において、各R
3はハロ(例えば、クロロ)または-(C
1〜C
4アルキル) (例えば、メチル、エチルまたはプロピル)である。
【0039】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物のある態様において、wは少なくとも1であり、かつ少なくとも一つのR
3は-NR
8R
9である。例えば、一つの態様において、wは1である。あるそのような態様において、R
3は、ジアザシクロアルキル部分を持つカルボニルに対してメタ位で中央のピリジンにおいて置換される。
【0040】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの化合物の他の態様において、wは少なくとも1であり、かつ少なくとも一つのR
3は-(C
0〜C
3アルキル)-Y
1-(C
1〜C
3アルキル)-Y
2-(C
0〜C
3アルキル)であり、ここでY
1およびY
2の各々が独立してL、-O-、-S-または-NR
9-である。例えば、一つの態様において、wは1である。あるそのような態様において、R
3は、ジアザシクロアルキル部分を持つカルボニルに対してメタ位で中央のピリジンにおいて置換される。一つの特定の態様において、R
3は-CH
2-N(CH
3)-CH
2-C(O)-OCH
3である。
【0041】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物において、ジアザシクロアルキル環上の置換基の数xは、0、1、2、3または4である。一つの態様において、xは0、1、2または3である。例えば、xは0であってよく、または1もしくは2であってよい。
【0042】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある態様において、二つのR
4基が組み合わさってオキソを形成する。オキソは、例えば、ジアザシクロアルキル環の窒素に対してα位で結合することができる。他の態様において、二つのどのR
4基も組み合わさってオキソを形成しない。
【0043】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある態様において、xが4である場合、四つ全てのR
4基が(C
1〜C
6アルキル)であるとは限らない。
【0044】
構造式(I)〜(VII)のいずれかの本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
4は-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、各R
4は-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。
【0045】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は構造式(VIII)
を有し、式中、QおよびGは各々独立して結合、-CH
2-、-C(H)(R
16)-、-C(R
16)
2-、L (例えば、-C(O)-NR
9-もしくは-NR
9-C(O)-)または-S(O)
2-であり; vが0、1、2、3または4であり; 各R
15は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-Ar、-(C
0〜C
6アルキル)-Het、-(C
0〜C
6アルキル)-Cak、-(C
0〜C
6アルキル)-Hca、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
15は組み合わさってオキソを形成してもよく; R
17はHetまたはArであり、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VII)のいずれかに関連して上記に定義される通りである。一つの態様において、Qは単結合である。別の態様において、Qは-CH
2-である。他の態様において、Qは-C(O)-または-S(O)
2-である。ある態様において、Gは-CH
2-である。他の態様において、Gは-C(O)-または-S(O)
2-である。他の態様において、Gは-CH(CH
3)-である。他の態様において、Gは-C(O)-NH-である。上記のQおよびG部分は任意の可能な組み合わせで組み合わせることができる。例えば、一つの態様において、Qは単結合であり、かつGは-CH
2-または-C(O)-である。上記の通り、ある態様において、「A」で示される環系はアリールまたはヘテロアリールである。一つの態様において、「A」で示される環系は、上記の通り一つまたは複数の電子求引基で置換される。別の態様において、R
17は、上記の通り一つまたは複数の電子求引基で置換される。ある態様において、どの「A」で示される環系、R
17およびその両方もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。ある態様において、-G-R
17が結合するアザシクロアルキルは、ピペリジニルであり; 他の態様において、それはピロリジニルである。
【0046】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物において、vは0、1、2、3または4である。一つの態様において、vは0、1、2または3である。例えば、vは0であってよく、または1もしくは2であってよい。
【0047】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、二つのR
15基が組み合わさってオキソを形成する。オキソは、例えば、アザシクロアルキル環の窒素に対してα位で結合することができる。他の態様において、二つのどのR
15基も組み合わさってオキソを形成しない。
【0048】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、vが4である場合、四つ全てのR
15部分が(C
1〜C
6アルキル)であるとは限らない。
【0049】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、各R
15は、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
15は組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、各R
15は、-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNであり、かつ同じ炭素上の二つのR
15は組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。いくつかの態様において、一つのR
15は、例えば、ピペリジン窒素に対してα位で、または-N(R
1)-に連結される位置で結合されうる、-C(O)NR
9R
7である。
【0050】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、R
17が非置換アリールまたはヘテロアリールである。他の態様において、R
17 ArまたはHetは、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
6アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換され、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。例えば、一つの態様において、R
17 ArまたはHetは、-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換され、ここで各R
7、R
8およびR
10がH、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。ある態様において、R
17は、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから選択される1、2または3個の置換基で置換される。R
17を、例えば、一つのそのような置換基、または二つのそのような置換基で置換することができる。
【0051】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(IX)
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29が-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-C(O)-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号が構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関連して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29がともにHである。
【0052】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(X)
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号が構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関連して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29がともにHである。
【0053】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XI):
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29はともにHである。
【0054】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XII):
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29はともにHである。
【0055】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XIII):
を有し、式中、変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関して上記の通りである。
【0056】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XIV)
を有し、式中、R
25は、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されず; かつその他全ての変数記号が構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関連して上記の通りである。R
25は、例えば、-Cl、-F、シアノ、-C(O)CH
3、-C(O)OH、-C(O)NH
2、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシであることができる。
【0057】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XV)
を有し、式中、Gは-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関連して上記の通りである。
【0058】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XVI):
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29はともにHである。いくつかの態様において、構造式(VIII)の化合物はラセミ混合物または非ラセミ混合物として存在する。他の態様において、構造式(XVI)の化合物は、鏡像異性的に濃縮された形態で、例えば実質的に純粋な立体異性体として存在する。
【0059】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XVII):
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成し、かつその他全ての変数記号は構造式(I)〜(VIII)のいずれかに関して上記の通りである。一つの態様において、R
27およびR
29はともにHである。いくつかの態様において、構造式(VIII)の化合物はラセミ混合物または非ラセミ混合物として存在する。他の態様において、構造式(XVII)の化合物は鏡像異性的に濃縮された形態で、例えば実質的に純粋な立体異性体として存在する。
【0060】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XVIII):
を有し、式中、G、v、R
15およびR
17は構造式(VIII)に関して上記の通りに定義され、かつその他全ての変数記号は構造式(I)または(II)に関して上記の通りに定義される。R
5、y、v、R
15、R
17、Q、Gおよび「A」で示される環は、例えば、構造式(IX)〜(XVII)のいずれかに関して記載の通りに定義することができる。
【0061】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XIX):
を有し、式中、G、v、R
15およびR
17は構造式(VIII)に関して上記の通りに定義され、かつその他全ての変数記号は構造式(I)または(III)に関して上記の通りに定義される。R
5、y、v、R
15、R
17、Q、Gおよび「A」で示される環は、例えば、構造式(IX)〜(XVII)のいずれかに関して記載した通り定義することができる。
【0062】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XX):
を有し、式中、構造式(IV)および(VII)に関して上記の通り、X
1、X
2、X
3およびX
4の一つがNであり、かつ残りが炭素(例えば、w個のR
3基の一つにより独立してCH置換またはC置換された)であり; G、v、R
15およびR
17が構造式(VIII)に関して上記の通りに定義され、かつその他全ての変数記号が構造式(I)または(IV)に関して上記の通りに定義される。R
5、y、v、R
15、R
17、Q、Gおよび「A」で示される環は、例えば、構造式(IX)〜(XVII)のいずれかに関して記載した通りに定義することができる。
【0063】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物のある態様において、
部分は、構造
を有し、式中、Gは-CH
2-、-CH(CH
3)-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-である。例えば、一つの態様において、Gは-CH
2-である。別の態様において、Gは-C(O)-または-S(O)
2-である。別の態様において、Gは-C(O)-NH-である。
【0064】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物の他の態様において、
部分は、構造
または、
を有し、式中、Gは-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成する。そのような態様において、化合物はラセミ混合物もしくはスケールミック(scalemic)混合物として、または鏡像異性的に濃縮された形態で、例えば、実質的に純粋な立体異性体として存在することができる。
【0065】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物の他の態様において、
部分は、構造
を有し、式中、Gは-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-である。
【0066】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物のある態様において、R
17部分は、構造
を有し、式中、R
27は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル) -(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)から選択され、ここでどのヘテロシクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
29は、-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどの(C
1〜C
4アルキル)もアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成する。
【0067】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物のある態様において、wは1であり、かつR
3は-NR
8R
9である。あるそのような態様において、R
3は、ジアザシクロアルキル部分を持つ-C(O)-に対してメタ位で中央のピリジンにおいて置換される。
【0068】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物の他の態様において、wは1であり、かつR
3は-(C
0〜C
3アルキル)-Y
1-(C
1〜C
3アルキル)-Y
2-(C
0〜C
3アルキル)であり、ここでY
1およびY
2の各々が独立してL、-O-、-S-または-NR
9-である。あるそのような態様において、R
3は、ジアザシクロアルキル部分を持つ-C(O)-に対してメタ位で中央のピリジンにおいて置換される。
【0069】
上記のある態様において、各R
27は、-(C
1〜C
3アルキル)、-(C
1〜C
3ハロアルキル)、-(C
0〜C
3アルキル)-L-R
7、-(C
0〜C
3アルキル)-NR
8R
9、-(C
0〜C
3アルキル)-OR
10、-(C
0〜C
3アルキル)-C(O)R
10、-(C
0〜C
3アルキル)-S(O)
0〜2R
10、-ハロゲン、-NO
2および-CNから選択され、かつ同じ炭素上の二つのR
21は組み合わさってオキソを形成してもよく、ここで各R
7、R
8およびR
10が、H、-(C
1〜C
2アルキル)、-(C
1〜C
2ハロアルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-L-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-NR
9(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-O-(C
0〜C
2アルキル)、-(C
0〜C
2アルキル)-C(O)-(C
0〜C
2アルキル)および-(C
0〜C
2アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
2アルキル)から独立して選択され、かつここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつ各R
29はH、メチルもしくはエチルであるか、またはR
27およびR
29は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成する。
【0070】
構造式(VIII)〜(XX)を有する化合物のある態様において、少なくとも一つのR
5部分がハロアルキル基であり、かつこれらの式の例示的な態様において、
部分がp-(トリフルオロメチル)フェニル、p-フルオロフェニルまたはp-シアノフェニルである。さらなる例として、このような
部分を含むある例示的な化合物は、構造式(XXI)、(XXII)または(XXIII):
を有し、式中、R
26は、トリフルオロメチル、クロロ、フルオロまたはシアノであり、かつその他全ての変数記号は、構造式(XVIII)、(XIX)および(XX)に関連して上記の通りである。
【0071】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXIV):
を有し、式中、G、R
1、R
3およびR
17は、構造式(I)〜(XXIII)のいずれかに関連して上記の通りであり、R
18は、H、-(C
1〜C
6アルキル)、-(C
1〜C
6ハロアルキル) (例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルなど)、-(C
0〜C
6アルキル)-L-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-NR
9(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-O-(C
0〜C
6アルキル)、-(C
0〜C
6アルキル)-C(O)-(C
0〜C
6アルキル)および-(C
0〜C
6アルキル)-S(O)
0〜2-(C
0〜C
6アルキル)であり、ここでどのアルキルおよびハロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基で置換されず、かつR
19は-H、-(C
1〜C
4アルキル)、-CO-(C
1〜C
4アルキル)もしくは-CO-O-(C
1〜C
4アルキル)であり、ここでどのアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基もしくはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されないか、またはR
18およびR
19は、それらが結合している窒素と一緒になってHcaを形成する。一つの態様において、R
18およびR
19はともにHである。
【0072】
例えば、一つの態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXV):
を有し、式中、G、R
1、R
3およびR
17は構造式(I)、(VIII)、(XIII)、(XIV)、(XVI)または(XXII)のいずれかに関して上記の通りであり、かつR
18およびR
19は構造式(XXIV)に関して上記の通りに定義される。
【0073】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXVI):
を有し、式中、Q、R
1、R
3およびR
5は構造式(I)〜(XXIII)のいずれかに関して上記の通りに定義され、かつR
18およびR
19は構造式(XXIV)に関して上記の通りに定義される。
【0074】
例えば、一つの態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXVII):
を有し、式中、Q、R
1、R
3およびR
5は、構造式(I)〜(XXIII)のいずれかに関して上記の通りに定義され、かつR
18およびR
19は構造式(XXIV)に関して上記の通りに定義される。
【0075】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXVIII):
を有し、式中、R
1、R
3およびR
5は構造式(I)〜(XXIII)のいずれかに関して上記の通りに定義され、かつR
18およびR
19は、構造式(XXIV)に関して上記の通りに定義される。
【0076】
例えば、一つの態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXIX):
を有し、式中、R
1、R
3およびR
5は構造式(I)〜(XXIII)のいずれかに関して上記の通りに定義され、かつR
18およびR
19は構造式(XXIV)に関して上記の通りに定義される。
【0077】
構造式(I)〜(VII)のいずれかによる化合物において、TおよびR
2は構造式(VIII)〜(XXIX)に関して上記の通りに定義することができる。
【0078】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXX):
を有し、式中、Qは-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gは単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3は構造式(I)、(II)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
11、R
12およびR
13は、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
11、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、R
11はG部分に対してパラ位に結合され; 別の態様において、R
11はG部分に対してメタ位に結合される。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)が中央のピリジンにおいて置換される。
【0079】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXXI):
を有し、式中、Qは-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gは単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3は構造式(I)、(II)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
12およびR
13は、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、ピリド窒素はG部分に対してパラ位に置かれ; 別の態様において、ピリド窒素はG部分に対してメタ位に置かれる。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)が中央のピリジンにおいて置換される。
【0080】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXXII):
を有し、式中、Qは-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gは単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3は構造式(I)、(III)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
11、R
12およびR
13は、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルも、アリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
11、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、R
11はG部分に対してパラ位に結合され; 別の態様において、R
11はG部分に対してメタ位に結合される。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)が中央のピリジンにおいて置換される。
【0081】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXXIII):
を有し、式中、Qは、-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gは単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3は構造式(I)、(III)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
12およびR
13は、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、ピリド窒素はG部分に対してパラ位に置かれ; 別の態様において、ピリド窒素はG部分に対してメタ位に置かれる。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)が中央のピリジンにおいて置換される。
【0082】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXXIV):
を有し、式中、構造式(IV)および(VII)に関して上記の通り、X
1、X
2、X
3およびX
4の一つがNであり、かつ残りが炭素(例えば、w個のR
3基の一つにより独立してCH置換またはC置換された)であり; Qが-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gが単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3が構造式(I)、(IV)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
11、R
12およびR
13が、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
11、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、R
11はG部分に対してパラ位に結合され; 別の態様において、R
11はG部分に対してメタ位に結合される。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)が中央のピリジンにおいて置換される。
【0083】
ある態様において、本明細書に開示された化合物は、構造式(XXXV):
を有し、式中、構造式(IV)および(VII)に関して上記の通り、X
1、X
2、X
3およびX
4の一つがNであり、かつ残りが炭素(例えば、w個のR
3基の一つにより独立してCH置換またはC置換された)であり; Qが-CH
2-、-C(O)-または単結合であり; Gが単結合、-CH
2-、-C(O)-、-S(O)
2-または-C(O)-NH-であり; R
1およびR
3が構造式(I)、(IV)および(VIII)のいずれかに関して上記の通りであり; かつR
12およびR
13が、H、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-O-(C
1〜C
4ハロアルキル)、-(C
1〜C
4アルキル)、-O-(C
1〜C
4アルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaから独立して選択され、ここで該Hcaが、環窒素原子を含み、これを介して該-C(O)-に結合し、ここでどのアルキル、ハロアルキルおよびヘテロシクロアルキルも、アリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基によって置換されない。一つの特定のそのような態様において、R
12およびR
13の少なくとも一つはHではない。一つの態様において、ピリド窒素はG部分に対してパラ位に置かれ; 別の態様において、ピリド窒素はG部分に対してメタ位に置かれる。一つの態様において、どのR
3も中央のピリジンにおいて置換されない。別の態様において、一つのR
3 (例えば、-Cl、-F、-CH
3、-C
2H
5、-C
3H
7)は中央のピリジンにおいて置換される。
【0084】
構造式(I)〜(XXXV)のいずれかの本明細書に開示された化合物の一つの態様において、化合物は構造式(VIII)を有し、式中、「A」環系がアリールまたはヘテロアリールであり; かつここで化合物は、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体を有し、該低エネルギー三次元配座異性体では、
-C(O)-NR
1-基の酸素が(0Å、0Å、0Å)に位置し;
中央のピリジンの中心点が(-3.1Å、0.4Å、1.2Å)の3.5Å以内に位置し;
右手側のアザシクロアルキル(すなわち、-G-R
17が結合する環)の窒素が(0.8Å、1.6Å、-5.3Å)の3.5Å以内に位置し;
左手側のジアザシクロアルキルの中心点が(-6.2Å、0.1Å、7.4Å)の3.5Å以内に位置し; かつ
「A」環系のアリールまたはヘテロアリールの芳香環の中心点が(-7.4Å、-1.9Å、10.7Å)の3.5Å以内に位置している。
【0085】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物のある態様において、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体では、
-C(O)-NR
1-基の酸素が(0Å、0Å、0Å)に位置し;
中央のピリジンの中心点が(-3.1Å、0.4Å、1.2Å)の2.5Å以内に位置し;
右手側のアザシクロアルキルの窒素が(0.8Å、1.6Å、-5.3Å)の1.8Å以内に位置し;
左手側のジアザシクロアルキルの中心点が(-6.2Å、0.1Å、7.4Å)の2.5Å以内に位置し; かつ
「A」環系のアリールまたはヘテロアリールの芳香環の中心点が(-7.4Å、-1.9Å、10.7Å)の2.5Å以内に位置する。
【0086】
構造式(VIII)の本明細書に開示された化合物の一つの態様において、「A」環系は疎水性部分で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり; R
17は電子受容体で置換され; かつ化合物は、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体を有し、該低エネルギー三次元配座異性体では、
-C(O)-NR
1-基の酸素が(0Å、0Å、0Å)に位置し;
中央のピリジンの中心点が(-3.1Å、0.4Å、1.2Å)の3.5Å以内に位置し;
右手側のアザシクロアルキルの窒素が(0.8Å、1.6Å、-5.3Å)の3.5Å以内に位置し;
左手側のジアザシクロアルキルの中心点が(-6.2Å、0.1Å、7.4Å)の3.5Å以内に位置し;
「A」環系のアリールまたはヘテロアリールの芳香環の中心点が(-7.4Å、-1.9Å、10.7Å)の3.5Å以内に位置し;
「A」環系上の置換された疎水性部分が(-9.0Å、-3.2Å、13.4Å)の3.5Å以内に位置し; かつ
R
17上の置換された電子受容体が(7.0Å、-2.7Å、-7.0Å)の3.5Å以内に位置している。
疎水性部分は、例えば、SMARTS問い合わせ形式に定義される通り、以下のいずれかであることができる。
電子受容体は、例えば、SMARTS問い合わせ形式に定義される通り、以下のいずれかであることができる。
【0087】
構造式(XXII)の本明細書に開示された化合物の一つの態様において、「A」環系は疎水性部分で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり; R
17は電子受容体で置換され; かつ化合物は、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体を有し、該低エネルギー三次元配座異性体では、
-C(O)-NR
1-基の酸素が(0Å、0Å、0Å)に位置し;
中央のピリジンの中心点が(-3.1Å、0.4Å、1.2Å)の2.5Å以内に位置し;
右手側のアザシクロアルキルの窒素が(0.8Å、1.6Å、-5.3Å)の1.8Å以内に位置し;
左手側のジアザシクロアルキルの中心点が(-6.2Å、0.1Å、7.4Å)の2.5Å以内に位置し; かつ
「A」環系のアリールまたはヘテロアリールの芳香環の中心点が(-7.4Å、-1.9Å、10.7Å)の2.5Å以内に位置し;
「A」環系上の置換された疎水性部分が(-9.0Å、-3.2Å、13.4Å)の2.5Å以内に位置し; かつ
R
17上の置換された電子受容体が(7.0Å、-2.7Å、-7.0Å)の2Å以内に位置している。
【0088】
本明細書に開示された化合物のある態様において、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体は、3Åを越えない与えられた点からの標準偏差、および0.2超のベクトルスコアを有する。
【0089】
本明細書に開示された化合物のある態様において、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体は、1.5Åを越えない与えられた点からの標準偏差、および0.4超のベクトルスコアを有する。
【0090】
本明細書に開示された化合物のある態様において、コンピュータによる低エネルギー三次元配座異性体は、1.2Åを越えない与えられた点からの標準偏差、および0.5超のベクトルスコアを有する。
【0091】
炭素環または複素環の中心点は、低エネルギー三次元配座異性体に位置する環の構成原子(すなわち、いずれの置換基も考慮しない)の平均的位置にある。例えば、左手側のアザシクロアルキルの中心点はその環炭素および窒素原子の平均的位置にある。同様に、フェニル環の中心点はその6個の環炭素の平均的位置にある。中心点は単環に関してのみ算出され; 多環系は各環に一つの、複数の中心点を有する。例えば、ベンゾフランは、一方が縮合ベンゼンサブユニットを構成する6個の炭素環の平均的位置として算出され、かつもう一方が縮合フランサブユニットを構成する4個の炭素原子および1個の酸素原子の平均的位置として算出される、二つの中心点を有すると考えられる。
【0092】
低エネルギー三次元配座異性体は、Schrodinger LLCから入手可能な、Phaseソフトウェア・パッケージ・バージョン3.0を用いて算出することができる。低エネルギー三次元配座異性体は、距離依存誘電率でOPLS_2005力場下、ねじれ探索手順により作製することができる。当業者が理解する通り、低エネルギー配座異性体は、-C(O)-基の酸素が(0Å、0Å、0Å)に位置するように、かつ与えられた点に対する列挙した特徴のうちの残りの標準偏差が最小化されるように平行移動され回転されるべきである。
【0093】
当業者なら認識するように、上記のさまざまな態様を組み合わせて、本開示の化合物の他の態様を形づくることができる。例えば、一つの態様において、Qは、上記の通り、-CH
2-であり、かつGは、上記の通り、-CH
2-である。
【0094】
構造式(I)による化合物の例としては、表1に列挙したものが挙げられる。これらの化合物は、下記の一般的なスキームにしたがって、例えば、実施例において下記に記載するものと類似の手順を用いて作製することができる。
【0096】
簡単にするため、化学的部分は、全体を通して主に一価の化学的部分(例えば、アルキル、アリールなど)と定義され、かつ見なされる。しかしながら、そのような用語は、当業者にとって明らかな適した構造的状況の下で、対応する多価部分を伝えるためにも使用される。例えば、「アルキル」部分は一価の基(例えば、CH
3-CH
2-)をいうことができるが、状況によっては二価の結合部分が「アルキル」であることもあり、その場合、アルキルが二価の基(例えば、-CH
2-CH
2-)であり、これは「アルキレン」という用語に等価であることを当業者なら理解すると考えられる。(同様に、二価の部分が必要とされかつ「アリール」と言及される状況では、「アリール」という用語が、対応する二価の部分、アリーレンをいうことも当業者なら理解すると考えられる)。全ての原子は、結合形成のためにそれらの通常の原子価数を有するものと理解される(すなわち、炭素の場合は4、Nの場合は3、Oの場合は2、およびSの場合は、Sの酸化状態に応じて2、4または6)。本明細書に開示された化合物中の窒素は、超原子価、例えば、N-オキシドまたは四置換アンモニウム塩であることができる。場合によっては、部分は、例えば、(A)
a-B-と定義されることもあり、aが0または1である。そのような例において、aが0である場合、部分はB-であり、aが1である場合、部分はA-B-である。
【0097】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」という用語は、設計された数の炭素原子、望ましくは1個〜約12個の(すなわち、1個および12個を含む)炭素のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含む。「C
m〜C
nアルキル」という用語は、m〜n個の(すなわち、m個およびn個を含む)炭素原子を有するアルキル基を意味する。「C
m〜C
nアルキル」という用語は、m〜n個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。例えば、「C
1〜C
6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。アルキルおよびアルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよく、状況に応じて、一価の基または二価の基(すなわち、アルキレン基)でありうる。0個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキル基(すなわち、「C
0アルキル」)の場合、基が二価の基であれば、その基は単に単共有結合であるか、または基が一価の基であれば、その基は水素原子である。例えば、部分「-(C
0〜C
6アルキル)-Ar」は、単結合または1〜6個の炭素を有するアルキレン架橋による置換されてもよいアリールの連結を意味する。「アルキル」の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプシル、3-エチルブチル、3-ヘキセニルならびにプロパルギルが挙げられる。炭素原子の数が指定されない場合には、「アルキル」または「アルキル」部分という対象は、1〜12個の炭素を有する。
【0098】
「ハロアルキル」という用語は、一つまたは複数のハロゲン原子、例えばF、Cl、BrおよびIで置換されたアルキル基である。より具体的な用語、例えば「フルオロアルキル」は、一つまたは複数のフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル」の例としてはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘキサフルオロイソプロピルなどが挙げられる。本明細書において開示された化合物のある態様において、各ハロアルキルはフルオロアルキルである。
【0099】
「アリール」という用語は、他の芳香族炭化水素環または非芳香族炭化水素環に縮合されてもよい単環(例えば、フェニル)を有する芳香族炭素環式環系を表す。「アリール」は、複数の縮合環を有し、かつ少なくとも一つが芳香族である環系を含む(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、ナフチル)。アリール基の例としてはフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インダニル、インデニル、ジヒドロナフチル、フルオレニル、テトラリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニルおよび6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[a]シクロヘプテニルが挙げられる。本明細書においてアリール基は、非置換型であるか、または「置換されてもよい」と指定された場合、特に明記しない限り、以下に記載されるような種々の基によって一つまたは複数の置換可能な位置で置換されてもよい。
【0100】
「ヘテロアリール」という用語は、芳香環中に窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む芳香環系をいう。ヘテロアリールは、一つまたは複数のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環に縮合されうる。ヘテロアリール基の例としては、例えば、ピリジル、ピリミジニル、キノリニル、ベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、ピリダジニル、ピラジニル、イソインドリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾ[1,4]オキサジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンズイソキサジニル、ベンズイソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル-N-オキシド、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリルN-オキシド、ピリミジニルN-オキシド、ピリダジニルN-オキシド、ピラジニルN-オキシド、キノリニルN-オキシド、インドリルN-オキシド、インドリニルN-オキシド、イソキノリルN-オキシド、キナゾリニルN-オキシド、キノキサリニルN-オキシド、フタラジニルN-オキシド、イミダゾリルN-オキシド、イソオキサゾリルN-オキシド、オキサゾリルN-オキシド、チアゾリルN-オキシド、インドリジニルN-オキシド、インダゾリルN-オキシド、ベンゾチアゾリルN-オキシド、ベンズイミダゾリルN-オキシド、ピロリルN-オキシド、オキサジアゾリルN-オキシド、チアジアゾリルN-オキシド、トリアゾリルN-オキシド、テトラゾリルN-オキシド、ベンゾチオピラニルS-オキシド、ベンゾチオピラニルS,S-ジオキシドが挙げられる。好ましいヘテロアリール基には、ピリジル、ピリミジル、キノリニル、インドリル、ピロリル、フラニル、チエニルおよびイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、チアゾリルおよびベンゾチアゾリルが含まれる。ある態様において、各ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル-N-オキシド、ピロリルN-オキシド、ピリミジニルN-オキシド、ピリダジニルN-オキシド、ピラジニルN-オキシド、イミダゾリルN-オキシド、イソオキサゾリルN-オキシド、オキサゾリルN-オキシド、チアゾリルN-オキシド、ピロリルN-オキシド、オキサジアゾリルN-オキシド、チアジアゾリルN-オキシド、トリアゾリルN-オキシド、およびテトラゾリルN-オキシドから選択される。好ましいヘテロアリール基には、ピリジル、ピリミジル、キノリニル、インドリル、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、チアゾリルおよびベンゾチアゾリルが含まれる。本明細書においてヘテロアリール基は、非置換型であるか、または「置換されてもよい」と指定された場合、特に明記しない限り、以下に記載されるような種々の基によって一つまたは複数の置換可能な位置で置換されてもよい。
【0101】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択され、非芳香環の中にある少なくとも一つのヘテロ原子を含む、非芳香環または環系をいう。ヘテロシクロアルキルは、飽和していても(すなわち、ヘテロシクロアルキル)、または部分的に不飽和であってもよい(すなわち、ヘテロシクロアルケニル)。ヘテロシクロアルキル環は、他のヘテロシクロアルキル環および/または非芳香族炭化水素環および/またはフェニル環に縮合されてもよい。ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は、3〜7員を単環中に有する。他の態様において、ヘテロシクロアルキル基は、5員または6員を単環中に有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、例えば、アザビシクロ[2.2.2]オクチル(いずれの場合にも同様に「キヌクリジニル」またはキヌクリジン誘導体)、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS-オキシド、チオモルホリニルS,S-ジオキシド、2-オキサゾリドニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジノニル、ピロリジニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、イソインドリンジオニル、ホモピペリジニル、ホモモルホリニル、ホモチオモルホリニル、ホモチオモルホリニルS,S-ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、イミダゾリドニル、テトラヒドロチエニルS-オキシド、テトラヒドロチエニルS,S-ジオキシドおよびホモチオモルホリニルS-オキシドが挙げられる。特に望ましいヘテロシクロアルキル基には、モルホリニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、アザ-ビシクロ[2.2.2]オクチル、γ-ブチロラクトニル(すなわち、オキソ-置換テトラヒドロフラニル)、γ-ブチロラクタミル(すなわち、オキソ-置換ピロリジン)、ピロリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、アゼチジニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS,S-ジオキシド、2-オキサゾリドニル、イミダゾリドニル、イソインドリンジオニル、ピペラジノニルが含まれる。本明細書においてヘテロシクロアルキル基は、非置換型であるか、または「置換されてもよい」と指定された場合、特に明記しない限り、以下に記載されるような種々の基によって一つまたは複数の置換可能な位置で置換されてもよい。
【0102】
「シクロアルキル」という用語は、非芳香族炭素環または環系をいい、これは飽和していても(すなわち、シクロアルキル)または部分的に不飽和であってもよい(すなわち、シクロアルケニル)。シクロアルキル環は、他のシクロアルキル環に縮合されてもよいかまたはそうでなければ他のシクロアルキル環に結合してもよい(例えば、架橋された系)。好ましいシクロアルキル基は単環中に3〜7員を有する。より好ましいシクロアルキル基は、単環中に5員または6員を有する。シクロアルキル基の例としては、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、テトラヒドロナフチルおよびビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。本明細書においてシクロアルキル基は、非置換型であるか、または「置換されてもよい」と指定された場合、種々の基によって一つまたは複数の置換可能な位置で置換されてもよい。
【0103】
「オキサ」という用語は、鎖中の二価の酸素基を意味し、-O-と表されることもある。
【0104】
「オキソ」という用語は、=Oと表される場合もある二重結合酸素を意味するか、または例えばカルボニル「C(O)」を記載する場合に、オキソ置換炭素を示すよう用いられることもある。
【0105】
「電子求引基」という用語は、その基が結合した構造から、同様に結合した水素原子でよりも多くの電子密度を求引する基を意味する。例えば、電子求引基は、ハロ、シアノ、-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-O-(C
1〜C
4フルオロアルキル)、-C(O)-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)O-(C
0〜C
4アルキル)、-C(O)N(C
0〜C
4アルキル)(C
0〜C
4アルキル)、-S(O)
2O-(C
0〜C
4アルキル)、NO
2および-C(O)-Hcaからなる群より選択することができ、ここで該Hcaが窒素原子を含み、該窒素原子に該-C(O)-が結合し、ここでどのアルキル、フルオロアルキルおよびヘテロシクロアルキルもアリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル含有基またはヘテロシクロアルキル含有基で置換されない。
【0106】
「置換された」という用語は、特定の基を修飾するよう用いられる場合、その特定の基の一つまたは複数の水素原子がそれぞれ互いに独立して、以下で定義されるような同じまたは異なる置換基で置き換えられることを意味する。
【0107】
特定の基における飽和炭素原子上の水素の代わりに用いられる置換基は、特別の定めのない限り、-R
60、ハロ、-O
-M
+、=O、-OR
70、-SR
70、-S
-M
+、=S、-NR
80R
80、=NR
70、=N-OR
70、トリハロメチル、-CF
3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO
2、=N
2、-N
3、-SO
2R
70、-SO
2O
-M
+、-SO
2OR
70、-OSO
2R
70、-OSO
2O
-M
+、-OSO
2OR
70、-P(O)(O
-)
2(M
+)
2、-P(O)(OR
70)O
-M
+、-P(O)(OR
70)
2、-C(O)R
70、-C(S)R
70、-C(NR
70)R
70、-C(O)O
-M
+、-C(O)OR
70、-C(S)OR
70、-C(O)NR
80R
80、-C(NR
70)NR
80R
80、-OC(O)R
70、-OC(S)R
70、-OC(O)O
-M
+、-OC(O)OR
70、-OC(S)OR
70、-NR
70C(O)R
70、-NR
70C(S)R
70、-NR
70CO
2-M
+、-NR
70CO
2R
70、-NR
70C(S)OR
70、-NR
70C(O)NR
80R
80、-NR
70C(NR
70)R
70および-NR
70C(NR
70)NR
80R
80である。各R
60は、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より独立して選択され、これらの各々が、ハロ、-O
-M
+、=O、-OR
71、-SR
71、-S
-M
+、=S、-NR
81R
81、=NR
71、=N-OR
71、トリハロメチル、-CF
3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO
2、=N
2、-N
3、-SO
2R
71、-SO
2O
-M
+、-SO
2OR
71、-OSO
2R
71、-OSO
2O
-M
+、-OSO
2OR
71、-P(O)(O
-)
2(M
+)
2、-P(O)(OR
71)O
-M
+、-P(O)(OR
71)
2、-C(O)R
71、-C(S)R
71、-C(NR
71)R
71、-C(O)O
-M
+、-C(O)OR
71、-C(S)OR
71、-C(O)NR
81R
81、-C(NR
71)NR
81R
81、-OC(O)R
71、-OC(S)R
71、-OC(O)O
-M
+、-OC(O)OR
71、-OC(S)OR
71、-NR
71C(O)R
71、-NR
71C(S)R
71、-NR
71CO
2-M
+、-NR
71CO
2R
71、-NR
71C(S)OR
71、-NR
71C(O)NR
81R
81、-NR
71C(NR
71)R
71および-NR
71C(NR
71)NR
81R
81からなる群より選択される1、2、3、4または5個の基で置換されてもよい。各R
70は独立して、水素またはR
60であり; 各R
80は独立してR
70であるか、またはその代わりに二つのR
80'は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員、6員または7員のヘテロシクロアルキルを形成し、このヘテロシクロアルキルは、O、NおよびSからなる群より選択される同じまたは異なる付加的なヘテロ原子を1〜4個含んでもよく、これらのヘテロ原子のうち、Nは、-HまたはC
1〜C
3アルキル置換を有することができ; かつ各M
+は、正味単一正電荷を有する対イオンである。各R
71は独立して、水素またはR
61であり、ここでR
61は、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルであり、これらの各々が、ハロ、-O
-M
+、=O、-OR
72、-SR
72、-S
-M
+、=S、-NR
82R
82、=NR
72、=N-OR
72、トリハロメチル、-CF
3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO
2、=N
2、-N
3、-SO
2R
71、-SO
2O
-M
+、-SO
2OR
72、-OSO
2R
72、-OSO
2O
-M
+、-OSO
2OR
72、-P(O)(O
-)
2(M
+)
2、-P(O)(OR
72)O
-M
+、-P(O)(OR
72)
2、-C(O)R
72、-C(S)R
72、-C(NR
72)R
72、-C(O)O
-M
+、-C(O)OR
72、-C(S)OR
72、-C(O)NR
82R
82、-C(NR
72)NR
82R
82、-OC(O)R
72、-OC(S)R
72、-OC(O)O
-M
+、-OC(O)OR
72、-OC(S)OR
72、-NR
72C(O)R
72、-NR
72C(S)R
72、-NR
72CO
2-M
+、-NR
72CO
2R
72、-NR
72C(S)OR
72、-NR
72C(O)NR
82R
82、-NR
72C(NR
72)R
72および-NR
72C(NR
72)NR
82R
82からなる群より選択される1、2、3、4または5個の基で置換されてもよく; かつ各R
81は独立して、R
71であるか、またはその代わりに二つのR
81は、それらが結合している窒素原子と一緒となって5員、6員または7員のヘテロシクロアルキルを形成し、このヘテロシクロアルキルは、O、NおよびSからなる群より選択される同じまたは異なる付加的なヘテロ原子を1〜4個で含んでもよく、これらのヘテロ原子のうち、Nは、-HまたはC
1〜C
3アルキル置換を有することができる。各R
72は独立して、水素、(C
1〜C
6アルキル)または(C
1〜C
6フルオロアルキル)であり; 各R
82は独立して、R
72であるか、またはその代わりに二つのR
82は、それらが結合している窒素原子と一緒となって5員、6員または7員のヘテロシクロアルキルを形成し、このヘテロシクロアルキルは、O、NおよびSからなる群より選択される同じまたは異なる付加的なヘテロ原子を1、2、3または4個含んでもよく、これらのヘテロ原子のうち、Nは、-HまたはC
1〜C
3アルキル置換を有することができる。各M
+は独立して、例えば、アルカリイオン、例えばK
+、Na
+、Li
+など; アンモニウムイオン、例えば
+N(R
60)
4など; またはアルカリ土類イオン、例えば[Ca
2+]
0.5、[Mg
2+]
0.5、もしくは[Ba
2+]
0.5など(下付き文字0.5は、例えば、そのような二価アルカリ土類イオンにとっての対イオンの一方が本明細書に開示された化合物のイオン化型であり、その他方が塩化物のような代表的な対イオンでありうること、または本明細書に開示された二つのイオン化分子がそのような二価アルカリ土類イオンにとっての対イオンとして働くことができること、または二重イオン化化合物がそのような二価アルカリ土類イオンにとっての対イオンとして働くことができることを意味する)でありうる。具体的な例として、-NR
80R
80は、-NH
2、-NH-アルキル、N-ピロリジニル、N-ピペラジニル、4-メチル-ピペラジン-1-イルおよびN-モルホリニルを含むよう意図される。
【0108】
「置換された」アルケン、アルキン、アリールおよびヘテロアリール基における不飽和炭素原子上の水素に代わる置換基は、特に明記しない限り、-R
60、ハロ、-O
-M
+、-OR
70、-SR
70、-S
-M
+、-NR
80R
80、トリハロメチル、-CF
3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO
2、-N
3、-SO
2R
70、-SO
3-M
+、-SO
3R
70、-OSO
2R
70、-OSO
3-M
+、-OSO
3R
70、-PO
3-2(M
+)
2、-P(O)(OR
70)O
-M
+、-P(O)(OR
70)
2、-C(O)R
70、-C(S)R
70、-C(NR
70)R
70、-CO
2-M
+、-CO
2R
70、-C(S)OR
70、-C(O)NR
80R
80、-C(NR
70)NR
80R
80、-OC(O)R
70、-OC(S)R
70、-OCO
2-M
+、-OCO
2R
70、-OC(S)OR
70、-NR
70C(O)R
70、-NR
70C(S)R
70、-NR
70CO
2-M
+、-NR
70CO
2R
70、-NR
70C(S)OR
70、-NR
70C(O)NR
80R
80、-NR
70C(NR
70)R
70および-NR
70C(NR
70)NR
80R
80であり、ここでR
60、R
70、R
80およびM
+は、前に定義された通りである。「置換された」ヘテロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基における窒素原子上の水素に代わる置換基は、特に明記しない限り、-R
60、-O
-M
+、-OR
70、-SR
70、-S
-M
+、-NR
80R
80、トリハロメチル、-CF
3、-CN、-NO、-NO
2、-S(O)
2R
70、-S(O)
2O
-M
+、-S(O)
2OR
70、-OS(O)
2R
70、-OS(O)
2O
-M
+、-OS(O)
2OR
70、-P(O)(O
-)
2(M
+)
2、-P(O)(OR
70)O
-M
+、-P(O)(OR
70)(OR
70)、-C(O)R
70、-C(S)R
70、-C(NR
70)R
70、-C(O)OR
70、-C(S)OR
70、-C(O)NR
80R
80、-C(NR
70)NR
80R
80、-OC(O)R
70、-OC(S)R
70、-OC(O)OR
70、-OC(S)OR
70、-NR
70C(O)R
70、-NR
70C(S)R
70、-NR
70C(O)OR
70、-NR
70C(S)OR
70、-NR
70C(O)NR
80R
80、-NR
70C(NR
70)R
70および-NR
70C(NR
70)NR
80R
80であり、ここでR
60、R
70、R
80およびM
+は、前に定義された通りである。
【0109】
本明細書において開示された化合物のある態様において、置換される基は、1、2、3もしくは4個の置換基、1、2もしくは3個の置換基、1もしくは2個の置換基、または1個の置換基を有する。
【0110】
本明細書において開示された化合物は、薬学的に許容される塩として提供することもできる。「薬学的に許容される塩」または「薬学的に許容されるその塩」という用語は、無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基を含む薬学的に許容される無毒性の酸または塩基から調製された塩をいう。化合物が塩基性の場合には、塩は、薬学的に許容される無毒性の酸から調製することができる。そのような塩は、例えば、以下の酸のうちの少なくとも一つの酸付加塩でありうる: ベンゼンスルホン酸、クエン酸、α-グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、リン酸、プロパン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(d、lもしくはdl)、トシック酸(tosic acid )(トルエンスルホン酸)、吉草酸、パルミチン酸、パモン酸、セバシン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、酢酸、アジピン酸、炭酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、エチルコハク酸、フマル酸、ガラクタル酸(粘液酸)、D-グルクロン酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、馬尿酸、イセチオン酸(エタノールスルホン酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、1,5-ナフタレン-ジスルホン酸、2-ナフタレン-スルホン酸、ピバル酸、テレフタル酸、チオシアン酸、コール酸、n-硫酸ドデシル、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、アスコルビン酸、(+)-ショウノウ酸、d-カンファースルホン酸、ジクロロ酢酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、メタンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、L-ピログルタミン酸、サッカリン、サリチル酸、ゲンチシン酸および/または4-アセトアミド安息香酸。
【0111】
本明細書において記載される化合物は、プロドラッグ形態で提供することもできる。「プロドラッグ」は、活性薬物を放出するために、体内のような、使用条件の下で変換を必要とする活性化合物(薬物)の誘導体をいう。プロドラッグは、活性薬物に変換されるまで薬理学的に不活性であることが多いが、必ずしもそうとは限らない。プロドラッグは、典型的には、特定の使用条件の下で、開裂のような、変換を受けて官能基、ゆえに活性薬物を放出するプロ部分を形成するためプロ基(以下で定義される)による活性に部分的に必要であると考えられる薬物中の官能基をマスキングすることによって得られる。プロ部分の開裂は、例えば加水分解反応を通じてなど、自発的に進行することができるか、あるいはその開裂は、別の作用物質によって、例えば酵素によって、光によって、酸によって、または物理的もしくは環境的パラメータの変化もしくはそれらへの曝露によって、例えば温度の変化によって触媒または誘導されることができる。作用物質は、プロドラッグが投与される細胞中に存在する酵素もしくは胃の酸性条件のような、使用条件に対して内因性であっても、または作用物質は外因的に供給されてもよい。活性薬物中の官能基をマスキングしてプロドラッグをもたらすのに適した多種多様なプロ基、および結果的に生じるプロ部分は、当技術分野において周知である。例えば、ヒドロキシル官能基をスルホネートプロ部分、エステルプロ部分またはカルボネートプロ部分としてマスキングすることができ、これはインビボで加水分解されてヒドロキシル基をもたらすことができる。アミノ官能基をアミドプロ部分、カルバメートプロ部分、イミンプロ部分、尿素プロ部分、ホスフェニルプロ部分、ホスホリルプロ部分またはスルフェニルプロ部分としてマスキングすることができ、これはインビボで加水分解されてアミノ基をもたらすことができる。カルボキシル基を、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む) プロ部分、アミドプロ部分またはヒドラジドプロ部分としてマスキングすることができ、これはインビボで加水分解されてカルボキシル基をもたらすことができる。適したプロ基およびその各プロ部分の他の具体的な例は、当業者には明らかであると考えられる。
【0112】
本明細書において開示された化合物は、N-オキシドとして提供することもできる。
【0113】
本明細書に開示された化合物、塩、プロドラッグおよびN-オキシドは、例えば、溶媒和物または水和物の形態で提供することができる。
【0114】
アディポネクチンによる競合的結合アッセイ法を行うことにより膜結合アディポネクチン受容体への結合について化合物をアッセイすることができる。一つのそのような手順において、HEK 293細胞膜をCOSTAR 384プレートにコーティングし、次いでこれを1%カゼインでブロッキングする。ポリヒスチジンタグを付けた球状アディポネクチンおよび候補化合物を、HEPES緩衝液中で膜とともにインキュベートする。未結合のリガンドを洗い流し、アディポネクチンの結合度を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ポリヒスチジンを用いて判定する。膜に結合するアディポネクチンと競合する(すなわち、候補化合物なしで行われた対照に比べてシグナルの低減をもたらす)化合物をヒットとして選抜し、アディポネクチン受容体アゴニストを同定するために、以下に記載する機能的アッセイ法を用いてさらにスクリーニングすることができる。
【0115】
球状アディポネクチンによるヒト肝細胞でのAMPKの活性化を実証するために、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を用いてインセルウェスタン(in-cell western)アッセイ法を行うことができる。AMPK活性は、AMPKの産物の一つであるリン酸化アセチルCo-Aカルボキシラーゼの相対濃度によって測定することができる。pACCの増大は、脂肪酸酸化速度の増大と相関する。
【0116】
構造式(I)〜(XXXV)の化合物を、一つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含有する投与量単位剤形で、例えば、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入もしくは噴霧によりまたは経直腸的に投与することができる。本明細書において用いられる非経口的という用語は、経皮的、皮下的、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、または髄腔内の注射もしくは注入技術などを含む。
【0117】
本明細書に開示された化合物を用いて薬学的組成物を作製することができる。例えば、一つの態様において、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および構造式(I)〜(XXXV)に関連して上記に記載した化合物を含む。
【0118】
本明細書において開示された薬学的組成物において、構造式(I)〜(XXXV)の一つまたは複数の化合物は、一つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および所望の場合は他の活性成分とともに存在してもよい。構造式(I)〜(XXXV)の化合物を含有する薬学的組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳濁液、硬質もしくは軟質カプセル、またはシロップもしくはエリキシルとしての経口使用に適した形態でありうる。
【0119】
経口使用を対象とした組成物は、薬学的組成物の製造に適した任意の方法にしたがって調製することができ、そのような組成物は、薬学的に上品でかつ口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香料添加剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される一つまたは複数の剤を含有してもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような、不活性希釈剤; 顆粒化剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸; 結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであることができる。錠剤はコーティングされなくてもよく、または錠剤は公知の技術によってコーティングされてもよい。ある場合には、そのようなコーティングは、胃腸管における崩壊および吸収を遅延し、それによってより長い期間にわたる持続作用を提供するために、適切な技術によって調製することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延材料を利用することができる。
【0120】
経口用の製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水または油性媒質、例えばラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセルとして提示されることもできる。
【0121】
経口用の製剤は、ロゼンジ剤として提示されることもできる。
【0122】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性材料を含有する。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム; 天然リン脂質、例えば、レシチン、もしくはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのようなエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、あるいはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートのような分散剤または湿潤剤であることができる。水性懸濁液は、一つまたは複数の保存料、例えばエチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシ安息香酸、一つまたは複数の着色剤、一つまたは複数の香料添加剤、およびスクロースまたはサッカリンのような一つまたは複数の甘味剤を含むこともできる。
【0123】
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油中に、または流動パラフィンのような鉱油中に懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤および香料添加剤は、口当たりのよい経口調製物を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって保存することができる。
【0124】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性の粉末および顆粒により、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および一つまたは複数の保存料と混合された活性成分が提供される。適した分散剤もしくは湿潤剤または懸濁化剤は、既に上記に記載したものによって例示されている。さらなる賦形剤、例えば甘味剤、香料添加剤および着色剤が存在してもよい。
【0125】
薬学的組成物は、水中油型乳濁液の形態であってもよい。油相は、植物油もしくは鉱油またはこれらの混合物であることができる。適した乳化剤は、天然ゴム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然リン脂質、例えば大豆、レシチン、および脂肪酸とヘキシトール、無水物とから誘導されたエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。乳濁液は、甘味剤および香料添加剤を含有することもできる。
【0126】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコースまたはスクロースとともに製剤化することができる。そのような製剤は、鎮痛薬、保存料、香料添加剤、および着色剤を含有することもできる。薬学的組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であることができる。この懸濁液は、上記で記載された適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用い公知の技術にしたがって製剤化することができる。無菌の注射可能な調製物は、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油を溶媒または懸濁化媒体として使用することもできる。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射物質の調製において用途がある。
【0127】
構造式(I)〜(XXXV)の化合物は、下記のある方法にしたがって、肌への適用のためのローション、油または粉末に製剤化することができる。
【0128】
構造式(I)〜(XXXV)の化合物は、例えば薬物の直腸投与のために、座薬の形態で投与することもできる。これらの組成物は、化合物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、それゆえ直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって、調製することができる。そのような材料には、カカオ脂およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0129】
構造式(I)〜(XXXV)の化合物は、無菌の媒体中で非経口的に投与することもできる。薬物は、用いられるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁または溶解されうる。好都合なことに、局部麻酔薬、保存料および緩衝剤のような補助剤をビヒクルに溶解することができる。
【0130】
本明細書において開示された化合物は、当業者によく知られた手順を用いておよび本明細書において記載される通り作製することができる。例えば、構造式(I)の化合物を、スキーム1、以下、または類似の合成スキームにしたがって調製することができる。
【0131】
スキーム1を参照して、例えば、ピリジンジカルボン酸モノメチルエステル(i)をアミン(ここでは置換1-ベンジルピペリジン-4-アミン)とカップリングして、カルボキシメチル置換ピリジンカルボキサミド(ii)を形成させる。このエステルをけん化しプロトン化して対応するカルボン酸(iii)を形成させ、これを次いで、適切なアミン(この場合、置換1-ベンジルピペラジン-4-アミン)とカップリングして、表1の化合物3を形成させる。
【0132】
当業者は、所望の標的分子に合うようにスキーム1〜5の反応順序を適合することができる。もちろん、ある状況において、例えば、一つの特定の態様において、標識結合体は、構造式(XXXVII)を有する。
【0133】
当業者は、異なる試薬を用いて、個別段階の一つもしくは複数に影響を及ぼすと考えられるか、またはある置換基の保護型を用いると考えられる。したがって、異なる経路を一緒に用いて構造式(I)〜(XXXV)の化合物を合成できることを当業者は認識すると考えられる。
【0134】
本明細書に開示された薬学的組成物における使用に適した化合物は、上記の表1の化合物を含む。これらの化合物は上記の一般的なスキームにしたがって、例えば実施例において下記に記載するものと類似の手順を用いて作製することができる。
【0135】
理論により束縛されることを意図するわけではないが、本発明者らは、構造式(I)〜(XXXV)の化合物が、アディポネクチン受容体アゴニストとして作用し、それによってAMPK経路を活性化するアディポネクチンの模倣体であるものと推測する。AMPK経路の活性化には、グルコース摂取を増大させ、グリコーゲン合成を減少させ、かつ脂肪酸酸化を増大させ、それによってグリコーゲン、細胞内トリグリセリドおよび脂肪酸の濃度を低減させ、かつインスリン感受性の増大を引き起こすという効果がある。構造式(I)〜(XXXV)の化合物はAMPK経路を活性化するので、それらは、アテローム性動脈硬化症の初期段階に起こる炎症過程も抑制するはずである。したがって、構造式(I)〜(XXXV)の化合物は、II型糖尿病の処置において有用であり、かつアテローム性動脈硬化症、心血管疾患、肥満および非アルコール性脂肪肝疾患の処置および予防において有用でありうる。
【0136】
したがって、本開示の別の局面は、AMPK経路を活性化する方法に関する。この局面によれば、細胞におけるAMPK経路を活性化するための方法は、該細胞を上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と接触させる段階を含む。
【0137】
一つの態様において、細胞における脂肪酸酸化を増大させる方法は、該細胞を上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と接触させる段階を含む。アセチルCo-Aカルボキシラーゼ(ACC)は、脂肪酸酸化の強力な阻害剤であるマロニルCo-Aの形成を触媒し、ACCのリン酸化は、その触媒活性を大幅に低減し、それによってマロニルCo-Aの濃度を低減し、脂肪酸酸化の速度を増大させる。本明細書に開示された化合物は、ACCのリン酸化の速度を増大させることができるので、それらは、脂肪酸酸化の抑制を低減し、それゆえ、その全体的な速度を増大させることができる。
【0138】
別の態様において、細胞におけるグリコーゲン濃度を低減させる方法は、該細胞を上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と接触させる段階を含む。
【0139】
別の態様において、細胞におけるグルコース摂取を増大させる方法は、該細胞を上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と接触させる段階を含む。
【0140】
別の態様において、対象におけるトリグリセリドレベルを低減させる方法は、該対象に上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量を投与する段階を含む。
【0141】
別の態様において、対象のインスリン感受性を増大させる方法は、該対象に上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量を投与する段階を含む。
【0142】
したがって、本明細書において開示された化合物および組成物を用いて、種々の代謝障害を処置することができる。例えば、一つの態様において、そのような処置を必要とする対象におけるII型糖尿病を処置する方法は、該対象に上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、N-オキシドまたは組成物の有効量を投与する段階を含む。別の態様において、対象におけるアテローム性動脈硬化症または心血管疾患を処置または予防する方法は、該対象に上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量を投与する段階を含む。
【0143】
上記の通り、本明細書において開示された化合物は、AMPK経路の活性化因子として作用することができる。したがって、別の態様において、方法は、AMPK活性を調節し、それによってもたらされる効果を調べるのに十分な量で、細胞を上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物と接触させることにより、あるいは、上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物を哺乳類(例えば、ヒト)に投与することによりAMPK経路を(インビトロまたはインビボのいずれかで)調節する段階を含む。そのような方法は、AMPK経路および生物学的機構におけるその役割ならびにインビトロおよびインビボの両方において疾患状態を調べるのに有用である。
【0144】
ある態様において、本明細書において開示された化合物は脂質シグナル伝達経路に影響を与える。例えば、いくつかの態様において、該化合物はセラミダーゼ活性を上方制御する。セラミドはスフィンゴ脂質代謝における主役であり、スフィンゴミエリンおよびスフィンゴ糖脂質ならびに生物活性産物であるスフィンゴシンおよびスフィンゴシン-1-リン酸の直接の前駆体である。さらに、内因性セラミドそれ自体が、細胞分化、アポトーシスおよび成長抑制に対する種々の刺激の作用を、少なくとも部分的に媒介する。セラミドはセラミダーゼにより脱アシル化されてスフィンゴシンを形成し、これが今度は、スフィンゴシンキナーゼによってスフィンゴシン-1-リン酸にリン酸化される。
【0145】
セラミドレベルの上昇は、細胞アポトーシス、分化および老化を誘導することが示されている。さらに、セラミドレベルの上昇は、例えば、バッテン病、炎症性腸疾患、汎発性血管内凝固、発熱、タンパク質異化および/または脂質枯渇、炎症性または代謝性の肝疾患に関連する肝脾腫大症、心内膜心筋炎、内皮(endolithial)細胞および白血球の活性化、毛細血管血栓症、感染性因子による髄膜脳炎、臓器移植における合併症、関節リウマチおよび結合組織疾患、自己免疫疾患、甲状腺機能亢進症、放射線/化学療法剤による損傷ならびに慢性疲労症候群を含む、種々の疾患および障害に関連がある。
【0146】
セラミダーゼ機能を上方制御すること(その結果、セラミドの濃度を低減させること)を用いて、不十分な細胞増殖(成長)を伴うかまたはそうでなければ細胞増殖が望まれる障害、例えば、変性障害、成長不全、病変、身体的外傷、およびセラミドが細胞内に蓄積する疾患、例えばファブリー病などを処置することができる。セラミダーゼの活性化の利益を享受できる他の障害には、セラミドレベルの上昇に関連がある上記のものなどの障害の他に、アルツハイマー病および筋萎縮性側索硬化症などの神経変性障害ならびに免疫機能障害などの老化障害も含まれる。
【0147】
本明細書において記載される化合物、塩、プロドラッグ、N-オキシド、溶媒和物および水和物は、例えば、セラミドを介したシグナル伝達経路の活性化に関連する細胞応答を遅延させるために哺乳類宿主に投与することができる。該化合物は、例えば、外傷(例えば、放射性皮膚障害)および老化(例えば、皮膚または他の器官の老化)の結果として起こるような、細胞老化またはアポトーシスに対する防御を与えるうえで有用でありうる。
【0148】
別の態様は、(インビボまたはインビトロのいずれかで)細胞におけるセラミダーゼ機能を上方制御するための方法であり、該方法は、上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と該細胞を接触させる段階を含む。
【0149】
別の態様において、(インビボまたはインビトロのいずれかで)細胞におけるセラミド濃度を低減させるための方法は、上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と該細胞を接触させる段階を含む。
【0150】
別の態様において、(インビボまたはインビトロのいずれかで)細胞における刺激に対するセラミド活性化応答を阻害するための方法は、上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量と該細胞を接触させる段階を含む。この刺激は、例えば、細胞老化および/またはアポトーシスに対する刺激でありうる。
【0151】
別の態様は、対象において細胞増殖が不十分であるかまたは細胞増殖が望まれる疾患もしくは障害を処置または予防するための方法であり、該方法は、上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量を該対象に投与する段階を含む。種々の適用可能な疾患および障害は上記に記載されている。
【0152】
別の態様は、対象におけるセラミドレベルの上昇に関連がある疾患または障害を処置するための方法であり、該方法は、本明細書において記載される化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量を該対象に投与する段階を含む。種々の適用可能な疾患および障害は上記に記載されている。ある態様において、対象は、約50 pmol/10
6細胞よりも高いセラミドレベルを有する。
【0153】
さらに、薬物のなかには高レベルのセラミドを誘導できるものもあるので、この効果を少なくとも部分的に向上するために、本明細書において記載される化合物、塩、プロドラッグ、N-オキシド、溶媒和物および水和物を、そのような薬物と有用に同時投与することもできる。例えば、ある態様において、本明細書において記載される化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の有効量は、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン)、抗炎症剤(例えば、インドメタシン)、抗ウイルス剤(例えば、インターフェロン)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)、化学療法剤(例えば、アドリアマイシン)および免疫増強(immunopotentiant)剤(例えば、免疫グロブリンもしくはワクチン)、または内分泌剤(例えば、メチマゾール)と同時投与される。当業者なら理解しているように、同時投与とは、同時点での投与だけでなく、異なる時点での、しかし時間重複的な薬理学的効果を伴う投与も企図する。
【0154】
別の態様は、対象の皮膚における老化の影響を低減させるための方法であり、該方法は、本明細書において記載される化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物と該皮膚を接触させる段階を含む。
【0155】
別の態様は、対象の皮膚における放射性皮膚障害を処置または予防するための方法であり、該方法は、本明細書において記載される化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物と該皮膚を接触させる段階を含む。
【0156】
セラミドに関連する状態の処置で用いる治療用化合物を特定かつ選択するために、老化誘導剤またはアポトーシス誘導剤(例えば、TNF-αのようなサイトカインまたは熱、放射線もしくは化学物質のような外部刺激)に曝露されていない細胞(またはミクロソームのような細胞内成分)が、そのような剤に、および候補化合物に曝露される。老化またはアポトーシスの阻害は、細胞成長に応じて測定される。当業者はそのような測定結果を得るための技術を熟知していると考えられる。
【0157】
例えば、細胞老化の阻害は、血清依存性の細胞において血清枯渇後に測定することができる。多くの細胞種が増殖のためには血清因子に依存している。したがって、そのような細胞からの血清の枯渇によって、細胞内セラミド媒介シグナル伝達に対する細胞応答を調節する化合物の評価モデルが提供される。特に、血清依存性の細胞培養物からの血清の除去によって、内因性セラミドの細胞内レベルの増加が生じ、内因性ジアシルグリセロールの細胞内レベルも増加する(例えば、Jayadev, et al., J. Biol. Chem., 270, 2047-2052 (1995)を参照のこと)。インビトロでセラミドに関連する状態に及ぼす本明細書に記載の化合物の阻害効果を評価するために、血清除去モデルを用いることができる。具体的には、10%ウシ胎児血清の存在下、96ウェルマイクロタイタープレートのDMEM中に3T3線維芽細胞を播くことができる。細胞を集密度90%までインキュベートする。培地を除去し、細胞を無血清DMEM中で洗浄および再インキュベートする。種々の濃度(例えば、0、4、40または400 μM)の試験化合物および細胞透過性セラミド(例えば、0、5または10 μM)をウェルに加える。24時間のインキュベーションの後、0.5 μCiの[
3H]チミジンを各ウェルに2時間加えておく。試験細胞集団におけるDNA合成を[
3H]チミジン取り込みの検出のための従来の技術によって評価する。このアッセイ法の結果を用いて試験化合物の細胞老化阻害効力を確認することができる。
【0158】
細胞アポトーシスの阻害は、例えばCD95刺激を用いて決定することができる。細胞表面受容体CD95 (Fas/Apo-1抗原としても公知)の会合は細胞アポトーシスを誘発する。DX2は機能的な抗FAS (CD95)抗体であり、これは、CD95の結合により、スフィンゴミエリン加水分解のスフィンゴミエリナーゼ触媒作用およびセラミド産生を活性化する(re DX2, Cifone, et al., J. Exp. Med., 177, 1547-1552 (1993)を参照のこと)。したがって、CD95の結合はスフィンゴミエリンシグナル伝達経路を介するアポトーシスの伝導のためのモデルとなる。セラミド媒介細胞アポトーシスに及ぼす本明細書において開示された化合物の阻害効果を評価するために、ヒトTリンパ芽球(ジャーカット)を2×10
6細胞/mLで、インスリン、トランスフェリン、セレンおよびグルタミンを補充したRPMI-1640中に懸濁する。試験化合物、ペントキシフィリンまたは対照化合物(Ro-1724)とともに室温で2時間インキュベーションした後、25 ng/mLの抗FAS抗体を各懸濁液に加える。さらに2時間後、生体色素エリトロシンBを排除した(血球計数器で計数した)細胞の数に応じて細胞アポトーシスを測定する。実験の結果を用いて試験化合物のアポトーシス阻害効力を確認することができる。
【0159】
ヒトリンパ球の死に及ぼす本明細書において開示された化合物の阻害効果を評価するために、ヒト末梢血リンパ球を健常人の血液から単離し、プラスチック基板に付着させることによって単球を除去する。その後、10%自己血漿を含むRPMI-1640培地中にて初濃度2×10
6細胞/mLでリンパ球を培養する。細胞試料をアリコットに分け、試料の2分の1を試験化合物または6,7-ジメトキシ-1(2H)-イソキノリン(Aldrich)とともに4日間インキュベートする。試料の残り半分を4日間静置させる。4日後の細胞生存度をエリトロシンB色素排除によって血球計数器で求める。実験の結果を用い、未処理リンパ球と比べてヒトリンパ球に及ぼす試験化合物のアポトーシス阻害効力を確認することができる。
【0160】
セラミド活性化タンパク質キナーゼ(CaPK)は97 kDaタンパク質であり、これはもっぱら膜に結合しており、スフィンゴミエリンシグナル伝達経路で役割を果たすと考えられている。特に、CaPKは、上皮成長因子受容体のThr
669を取り囲むアミノ酸配列(すなわちアミノ酸番号663-681)由来のペプチドのリン酸化を媒介すると考えられている。この部位は、分裂促進因子活性化キナーゼMAP (細胞外シグナル調節キナーゼのファミリーとしても公知)によっても認識される。このようにして、細胞内でのCaPK活性に及ぼす本明細書において開示される化合物の効果は、スフィンゴミエリン経路におけるシグナル伝達に化合物が及ぼす効果を示しうる。したがって、ジャーカット細胞を細胞アポトーシス実験に関して上記の通り、RPMI-1640培地中に2×10
6細胞/mLで懸濁する。2時間のインキュベーション後、試験化合物、20 μMのセラミドまたは25 ng/mlの抗FAS抗体DX2のいずれかを各懸濁液に加え、15分間インキュベートする。遠心分離および洗浄の後、ダウンスホモジナイザーで細胞をばらばらにホモジナイズする。各試験試料におけるセラミドキナーゼレベルをLiu, et al., J. Biol. Chem., 269, 3047-3052 (1994)に記載されている通りにアッセイすることができ、この文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。手短に言えば、処理細胞ホモジネートの各試験試料から超遠心分離および10% PAGEゲル上での泳動によって膜画分を分離する。ゲルを塩酸グアニジンで洗浄し、HEPES緩衝液中で復元させる。次いで、[
32P]-ATPをゲルに加え、そこに10分間保持する。その後、5% TCAでゲルを十分に洗浄する。自己リン酸化キナーゼをオートラジオグラフィーにより検出する。このアッセイ法の結果を用いて、本明細書において開示された化合物のCaPK阻害効力を確認することができる。
【0161】
セラミダーゼ活性は、種々の方法で測定することができる。例えば、対象由来の試料または細胞の試料を、RNAもしくはタンパク質のレベル、構造、および/または発現されたセラミダーゼRNAもしくはタンパク質の活性についてインビトロでアッセイすることができる。セラミダーゼ酵素アッセイ法を含むがこれに限定されない、当技術分野において標準的な多くの方法をこのようにして使用することができる。
【0162】
細胞セラミドレベルは、直接的に、または細胞内のセラミド代謝産物の濃度を間接的にモニタリングすることによって、モニタリングすることができる。例えば、セラミドレベルは、対象から末梢血リンパ球を単離することによって直接的に測定することができる。細胞を遠心分離して上清を除去し、脂質を細胞ペレットから除去する。セラミドをリン酸化し、これをオートラジオグラフィーによって明らかにするためのジアシルグリセラーゼキナーゼアッセイ法を用いて、セラミドを含有する有機相をアッセイすることができる。ジアシルグリセラーゼキナーゼアッセイ法を行うための方法は、例えば、Cifone, M. G. et al., J. Exp. Med., 180(4), 1547-52 (1993)、Jayadev et al., J. Biol. Chem., 270, 2047-2052. (1995)およびPerry, D.K. et al, Methods Enzymology, 312, 22-31 (2000)に記載されており、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0163】
別の態様は、上記の治療目的のいずれかのための医薬の製造における上記の化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、N-オキシド(またはその溶媒和物もしくは水和物)または組成物の使用である。例えば、医薬は、対象におけるトリグリセリドレベルの低減、対象におけるII型糖尿病の処置、または対象におけるアテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患の処置もしくは予防のためであることができる。他の態様において、医薬を用いて、対象における、例えば、バッテン病の処置における細胞セラミドのレベルを低減させることができる。
【0164】
本明細書において開示された化合物は、例えばその受容体結合、効力および代謝を探索する種々の実験で用いるため、標識物質に連結することができる。したがって、別の態様は、任意でリンカーを介して標識物質に共有結合的に連結された本明細書において開示された化合物を含む、標識結合体である。適したリンカーおよび標識物質は、本開示の考慮によって当業者には容易に明らかであると考えられる。標識物質は、例えば、ビオチンもしくはストレプトアビジンのような親和性標識、ジゴキシゲニンのようなハプテン、ペルオキシダーゼのような酵素、または蛍光性もしくは発色性タグであることができる。任意の適したリンカーを用いることができる。例えば、いくつかの態様において、エチレングリコール、オリゴ(エチレングリコール)またはポリ(エチレングリコール)リンカーが用いられる。リンカーの他の例としては、エチレングリコール、オリゴエチレングリコールまたはポリエチレングリコールのような、他のリンカー基との組み合わせでまたは単独で使用できる、アミノ酸が挙げられる。適したリンカーは、非限定的に、単一アミノ酸、ならびにジペプチドおよびトリペプチドを含む。一つの態様において、リンカーはグリシン残基を含む。もちろん、他のリンカーおよび標識物質を使用できることに当業者は気付くと考えられる。他の態様において、アルキレン鎖がリンカーである。他の態様において、リンカーは構造-[(C
0〜C
3アルキル)-Y
m-]
m-を有し、ここで各Y
mが-O-、-N(R
9)-またはLであり、かつmが1〜40の範囲内である。例えば、ある態様において、標識結合体は構造式(XXXVI):
を有し、式中、「連結」部分がリンカーでありかつ任意であり、「標識」部分が標識物質であり、その他全ての変数記号が、例えば構造式(I)に関連して、上記の通りである。構造式(I)〜(XXXVI)に関連して開示された化合物のいずれかを構造式(XXXVI)の標識結合体において用いることができる。
【0165】
例えば、一つの特定の態様において、標識結合体は構造式(XXXVII):
を有し、式中、全ての変数記号が、例えば構造式(I)〜(XXXV)に関連して、上記の通りである。
【0166】
標識結合体の別の開示された態様では、式(XXXVIII):
を有する。式(XXXVIII)による化合物の特定の例では、式(XXXIX):
の構造を有する。式(XXXVIII)および(XXXIX)の化合物は、有機合成の技術分野における当業者によって、例えば、第一級アミンHNR
2を用いたN-Boc-グリシンアルデヒドの還元的アミノ化によって、例えばスキーム2にさらに具体的に図示されている通りに合成することができる。
【0167】
スキーム2を参照して、当業者に公知であるように還元的アミノ化は、中間体(iv)を生ずる。中間体(iv)は、スキーム2にしたがいアシル化されて中間体(v)を生じ、これが、けん化およびアミド結合形成の後、中間体(vii)を生ずる。中間体(vii)を用いて、酸性条件下でのBoc基の除去により、引き続き適切な市販のビオチン標識物質でのアシル化により当業者に公知であるように標識化合物(XXXIX)を作製することができる。
【0168】
以下の例は、ある態様をさらに例証することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0169】
実施例1
以下の化合物はスキーム1の方法に類似の方法を用いて作製された。
【0170】
化合物1: 5-(4-(4-シアノベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)-N-(1-(4-シアノベンジル)ピペリジン-4-イル)ピコリンアミド。
【0171】
化合物2: N-(1-(4-シアノベンジル)ピペリジン-4-イル)-5-(4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)ピコリンアミド。
【0172】
化合物3: N-(1-(4-シアノベンジル)ピペリジン-4-イル)-5-(4-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボニル)ピコリンアミド。
【0173】
化合物4: (S)-5-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-カルボニル)-N-(1-(4-フルオロベンジル)ピロリジン-3-イル)ピコリンアミド。
【0174】
化合物5: (S)-5-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-カルボニル)-N-(1-(ピリジン-4-イルメチル)ピロリジン-3-イル)ピコリンアミド。
【0175】
化合物6: (S)-5-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-カルボニル)-N-(1-(4-シアノベンジル)ピロリジン-3-イル)ピコリンアミド。
【0176】
化合物7: N-(1-(4-クロロベンジル)ピロリジン-3-イル)-5-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-カルボニル)ピコリンアミド。
【0177】
化合物8: 5-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-カルボニル)-N-(1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピロリジン-3-イル)ピコリンアミド。
【0178】
実施例2 - AMPK活性における増大
酸素結合免疫吸着アッセイ法を用いて、AMPKを活性化する能力について化合物1〜8をアッセイした。化合物1〜54に対するAMPK活性化のEC
50値が下記表2に提示されており、表中「A」は0.5 μM未満であり; 「B」は0.5〜1 μMであり; 「C」は1〜5 μMであり; かつ「D」は5〜10 μMであり; 「E」は10〜50 μMであり; かつ「F」は > 100 μMである。
【0179】
【表2】