(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5658840
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】アイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスク
(51)【国際特許分類】
A45D 44/12 20060101AFI20150108BHJP
【FI】
A45D44/12 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-101516(P2014-101516)
(22)【出願日】2014年5月15日
【審査請求日】2014年5月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508218534
【氏名又は名称】藤川 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【弁理士】
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 のぶこ
【審査官】
平田 慎二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−131354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な素材により形成された、顔前面の少なくとも一部を覆うカバー部であって、その第1の面がユーザーの顔前面中の両眼の上方から鼻の下方又は口元の周辺までの部分に対向するような大きさ及び形状に形成されて成るカバー部と、
前記カバー部の前記第1の面側の上方に配置され、ユーザーの両眼の上方又は額の部分と対向又は当接するようにユーザーから見て左右方向に延びており、ユーザーの顔前面側の少なくともアイメイク前方に「前記カバー部がユーザーのアイメイクに接触しないように又は前記カバー部がユーザーのアイメイクに支障を与えないようにするためのスペース」を作出するためのスペーサ部と、
前記カバー部の上方に取り付けられ、前記カバー部の上方部分をユーザーの額又は頭部に装着又は取り付ける装着部と、を備え、
前記スペーサ部は、前記カバー部の上方縁部から約2〜7cm下方のユーザーから見て左右方向に延びる仮想線又はその周辺部分を折り返し部としたとき、前記スペーサ部の下端部のユーザーから見たときの上下方向の高さが前記折り返し部と略一致するように、配置されており、
前記スペーサ部は、前記折り返し部を介して、前記カバー部の前記第1の面と反対側の第2の面側の方向に折り返し又は回転可能とされている、アイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスク。
【請求項2】
前記装着部は、前記スペーサ部が前記カバー部よりもユーザーの顔前面側に配置されているときでも、前記スペーサ部が前記カバー部を介してユーザーの顔前面側とは反対側に配置されているときでも、前記カバー部をユーザーの額又は頭部に装着又は取付け可能に構成されている、請求項1に記載のアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスク。
【請求項3】
前記カバー部には、前記スペーサ部が前記カバー部よりもユーザーの顔前面側に配置されているときに、前記カバー部の上方部分をユーザーの頭部の前方部分と対向するように配置するためにユーザーの頭部の側方及び後方部分に取り付けるバンド部の一部を、前記第2の面の上方の左右両端部に一時的に固定するための第1の係止部と、前記スペーサ部が前記カバー部を介してユーザーの顔前面側とは反対側に配置されているときに前記バンド部の一部を前記第2の面側に折り曲げ又は回転された前記スペーサ部の左右両端部に一時的に固定するための第2の係止部とがそれぞれ備えられている、請求項1に記載のアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスク。
【請求項4】
前記スペーサ部は、その下端部が、前記カバー部の上端から約2〜5cmだけ下方の領域に配置されている、請求項1に記載のアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つけまつげ、まつげエクステンション、マスカラ、アイシャドウなどのアイメイク(目元に施す化粧)を保護するアイメイクセーバー機能を備えたアイフェイスマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顔に施した化粧を保護するフェイスマスクが提案されている。例えば、特許文献1では、顔肌に塗布した基礎化粧料が就寝中に蒸発することを防ぐために顔面の前方向に突出するように立体的に形成した立体就寝フェイスマスクを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−137036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなフェイスマスクは、必ず常に顔の前面を覆うものであるため、ユーザーが息苦しさを感じたり、使用場面によっては大袈裟過ぎて使用をためらうことがあり、使い勝手の悪いものであった。
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、ユーザーは、つけまつげ、まつげエクステンション、マスカラ、アイシャドウなどのアイメイクを保護しながらフェイスマスクとして使用したり、個々の場面や状況によっては手軽なアイマスクとして使用するなど、アイメイクセーバー機能付きフェイスマスクとアイマスクとの双方を場面と状況により使い分けることができるというように、アイメイクセーバー機能付きフェイスマスクとアイマスクとの双方を1つの製品で実現できる使い勝手のよい、アイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するための本発明によるアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクは、柔軟な素材により形成された、顔前面の少なくとも一部を覆うカバー部であって、その第1の面がユーザーの顔前面中の両眼の上方から鼻の下方又は口元の周辺までの部分に対向するような大きさ及び形状に形成されて成るカバー部と、前記カバー部の前記第1の面側の上方に配置され、ユーザーの両眼の上方又は額の部分と対向又は当接するようにユーザーから見て左右方向に延びており、ユーザーの顔前面側の少なくともアイメイク前方に「前記カバー部がユーザーのアイメイクに接触しないように又は前記カバー部がユーザーのアイメイクに支障を与えないようにするためのスペース」を作出するためのスペーサ部と、前記カバー部の上方に取り付けられ、前記カバー部の上方部分をユーザーの額又は頭部に装着又は取り付ける装着部と、を備え、前記スペーサ部は、前記カバー部の上方縁部から約2〜7cm(より望ましくは、約2.5〜6cm又は約3〜5cm)下方のユーザーから見て左右方向に延びる仮想線又はその周辺部分を折り返し部としたとき、前記スペーサ部の下端部のユーザーから見たときの上下方向の高さが前記折り返し部と略一致するように、配置されており、前記スペーサ部は、前記折り返し部を介して(前記折り返し部を回転中心として)、前記カバー部の前記第1の面と反対側の第2の面側の方向に折り返し又は回転可能とされているものである。
【0007】
また、本発明によるアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクにおいては、前記装着部は、前記スペーサ部が前記カバー部よりもユーザーの顔前面側に配置されているときでも、前記スペーサ部が前記カバー部を介してユーザーの顔前面側とは反対側に配置されているときでも、前記カバー部をユーザーの額又は頭部に装着又は取付け可能に構成されていることが望ましい。
【0008】
また、本発明のアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクにおいては、前記カバー部には、
前記スペーサ部が前記カバー部よりもユーザーの顔前面側に配置されているときに、前記カバー部の上方部分をユーザーの頭部の前方部分と対向するように配置するためにユーザーの頭部の側方及び後方部分に取り付けるバンド部の一部を、前記第2の面の上方の左右両端部に一時的に固定するための第1の係止部と、前記スペーサ部が前記カバー部を介してユーザーの顔前面側とは反対側に配置されているときに前記バンド部
の一部を前記第2の面側に折り曲げ又は回転された前記スペーサ部の左右両端部に一時的に固定するための第2の係止部とがそれぞれ備えられていてもよい。
【0009】
さらに本発明のアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクにおいては、前記スペーサ部は、その下端部が、前記カバー部の上端から約2〜5cmだけ下方の領域に配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
前述のように、本発明においては、スペーサ部をカバー部の第1の面側(ユーザーの顔前面と対向する側)の上方に設けるようにしたので、前記カバー部を、装着部により、前記カバー部の第1の面及びスペース部がユーザーの顔前面及び額部分に対向するように装着するときは、カバー部でユーザーの顔前面中の両眼の上方から口元周辺部分までの部分を覆いながら、ユーザーの顔前面側(アイメイクの前方)に所定のスペースを作出することができる。よって、ユーザーは、本発明を、前記カバー部がユーザーのアイメイクに接触しないように又は前記カバー部がユーザーのアイメイクに支障を与えないようにしながら、フェイスマスクとして使用することができる。
【0011】
また、このようにフェイスマスクとして使用する場合、前記カバー部の下端部がユーザーの鼻又は口元の周辺まで延びているため、前記スペーサ部によりユーザーの両眼の近傍にスペースが存在していても、ユーザーの両眼の周囲に、睡眠や休息のために十分な暗さを確保することができる。
【0012】
また、他方、本発明においては、前記スペーサ部を、前記折り返し部を介して(前記カバー部の上方縁部から約2〜7cm、約2.5〜6cm又は約3〜5cmだけ下方のユーザーから見て左右方向に延びる仮想線又はその周辺部分であって、前記スペーサ部の下端部とユーザーから見たときの上下方向の高さが略一致する部分を回転中心として)前記カバー部の前記第1の面と反対側の第2の面側に折り曲げ又は回転できるように構成してているので、そのように折り返した(折り曲げ、回転した)状態のカバー部は、前記カバー部の下端部が前記フェイスマスクとして使用する場合の形態に比べて上記約2〜7cm、約2.5〜6cm又は約3〜5cmだけ上方に移行するので、ちょうどアイマスクに適した形態(カバー部のユーザーから見て上下方向の長さがフェイスマスクとしての形態よりも十分に短い形態)となる。よって、本発明においては、前述のようにスペーサ部を折り返した後のカバー部を、前記装着部により、前記カバー部の第1の面がユーザーの顔前面及び額部分に対向させるように装着したときは、(前記スペーサ部の折り曲げ又は回転により、ユーザーの顔前面及び額部分に対向する前記カバー部の第1の面のユーザーから見て上下方向の長さが、前記スペーサ部が折り曲げ又は回転された分だけ短くなるため)前記第1の面の下端部がユーザーの鼻周辺に位置するようになるので、ユーザーは、本発明を、フェイスマスクとしてではなく、手軽なアイマスクとして使用することができるようになる。
【0013】
また、このようにアイマスクとして使用する場合、前記カバー部のユーザーの顔前面側には前記スペーサ部が存在せず、前記カバー部とユーザーの両眼周辺との間にあるスペースは有っても微小なものに止まるので、ユーザーの両眼の周囲は十分な暗さを確保することができる(これに対して、もし上記のようにカバー部の上下方向の長さが短いアイマスクとして使用するときに、前記カバー部のユーザーの顔前面側に前記スペーサ部が配置される場合は、前記スペーサ部によりユーザーの眼前に形成されるスペースによりユーザーの両眼の周囲に睡眠や休息のために十分な暗さを確保することができない)。
【0014】
以上より、本発明によれば、ユーザーは、つけまつげ、まつげエクステンション、マスカラ、アイシャドウなどのアイメイクを保護しながらフェイスマスクとして使用したり、個々の場面や状況によっては手軽なアイマスクとして使用するなど、アイメイクセーバー機能付きフェイスマスクとアイマスクとの双方を場面と状況により使い分けることができ、アイメイクセーバー機能付きフェイスマスクとアイマスクとの双方を1つの製品で実現できる大変使い勝手のよいアイフェイスマスクを実現することができる。
【0015】
また、本発明において、前記カバー部には、前記スペーサ部が前記カバー部よりもユーザーの顔前面側に配置されているときに前記バンド部を前記第2の面の上方の左右両端部に一時的に固定するための第1の係止部と、前記スペーサ部が前記カバー部を介してユーザーの顔前面側とは反対側に配置されているときに前記バンド部を前記第2の面側に折り曲げ又は回転された前記スペーサ部の左右両端部に一時的に固定するための第2の係止部とがそれぞれ備えるようにしたときは、本発明をフェイスマスクとして使用する場合でもアイマスクとして使用する場合でも、いずれでも、前記カバー部を安定的にユーザーの頭部に装着できるようになる。
【0016】
さらに、本発明において、前記スペーサ部を、前記スペーサ部の下端部が前記カバー部の上端から約2〜5cmだけ下方の領域に配置されるように構成したときは、前記スペーサ部を(前記カバー部と前記スペーサ部との境界又はその周辺部分で)前記カバー部の前記第1の面と反対側の第2の面側に折り曲げることにより、前記カバー部の第1の面をユーザーの顔前面に対向、装着させたときその第1の面の下端がユーザーの顔前面の鼻周辺部分に配置されるようになるので、前記カバー部をアイマスクとして使用するのに適度な大きさ及び形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態によるアイフェイスマスクを示す斜視図で、(a)は第2の面から示す斜視図、(b)は第1の面から示す斜視図である。
【
図2】本実施形態によるアイフェイスマスクのユーザーの顔面に装着されるときの状態を示す斜視図で、(a)は第2の面から示す斜視図、(b)は第1の面から示す斜視図である。
【
図3】本実施形態によるアイフェイスマスクをユーザーの顔面に装着した状態を示す斜視図で、(a)はユーザーの前方からみたときの斜視図、(b)はユーザーの側方からみたときの斜視図、(c)はユーザーの側方からみたときの一部を透視した図である。
【
図4】本実施形態によるアイフェイスマスクをフェイスマスクに適した形態からアイマスクに適した形態に移行させる過程を説明するための斜視図で、(a)は
図1のアイフェイスマスクを第1の面から示す斜視図、(b)は(a)のアイフェイスマスクのスペーサ部を第2の面側に折り曲げる途中の段階を示す斜視図、(c)は(b)の段階から更にスペーサ部を(カバー部中のスペーサ部が取り付けられた周辺の部分と一緒に)第2の面側に完全に折り曲げた段階を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態をアイマスクとして使用するためにユーザーの顔面に装着するときの状態を示す斜視図で、(a)は第2の面から示す斜視図、(b)は第1の面から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施形態によるアイメイクセーバー機能付きアイフェイスマスクについて説明する。
図1は本実施形態によるアイフェイスマスクを示す斜視図で、(a)は第2の面から示す斜視図、(b)は第1の面から示す斜視図、
図2は本実施形態をフェイスマスクとして使用するためにユーザー(図示省略)の顔面に装着するときの状態を示す斜視図で、(a)は第2の面から示す斜視図、(b)は第1の面から示す斜視図である。
【0019】
図1,2において、1は布又は樹脂などの柔軟な素材により形成されたカバー部である。前記カバー部1は、カバー部1の第1の面1aがユーザーの頭部から顔前面の少なくとも鼻の下方又は口元の周辺の部分に対向しながら前記部分を覆うような大きさ及び形状に形成されている。すなわち、前記カバー部1はそれをユーザーの顔前面に対向させたとき、その下端部1baがユーザーの口元の周辺の高さに配置されるように、またその下端中央部1bbがユーザーの鼻の下方周辺の高さに配置されるように、形成されている。
【0020】
また、
図1,2において、2は前記カバー部1の第1の面1aの上方に取り付けられたスペーサ部である。前記スペーサ部2は、図示のように、ユーザーの頭部と対向する前記第1の面1a側に配置されユーザーから見て左右方向に延びる棒状体である。前記スペーサ部2は、その内部にスポンジや布などの柔軟な芯材が配置されその外周が布又は樹脂などの柔軟なシートで覆われている。また、前記スペーサ部2は、前記カバー部1の上方縁部から例えば約3〜5cmの距離(
図1(a)のBで示す距離)だけ下方のユーザーから見て左右方向に延びる仮想線(
図1(a)のAで示す線)又はその周辺部分を折り返し部A(本明細書では、折り返し部について、上記仮想線Aと同じ符合を付けることとする)としたとき、前記スペーサ部の下端部のユーザーから見たときの上下方向の高さが前記折り返し部A(=仮想線A)と略一致するように、配置されている。
【0021】
また、本実施形態では、前述のように前記カバー部1は布や樹脂などの柔軟な素材で形成されているため、前記カバー部1の前記スペーサ部2の下方部分(前記カバー部1と前記スペーサ部2との境界又はその周辺部分)を折り曲げて、回転させ、前記スペーサ部2を前記カバー部1の第1の面1a側から第2の面1b側に折り返す(ひっくり返す)ことができるようになっている(詳細は本実施形態の動作に関して後述する)。
【0022】
また、
図1,2において、3は前記カバー部1の第2の面1bの図示上方の左右両端部にそれぞれ取り付けられた係止部(ボタン)、4は前記カバー部1の第1の面1aの図示上方の左右両端部(前記スペーサ部2の左右両端部)にそれぞれ取り付けられた係止部(ボタン)である。
【0023】
また、ユーザーが
図1のアイフェイスマスクを、フェイスマスクとして、その顔面に装着するときは、
図2に示すように、ユーザーの顔前面に沿うように左右に少し湾曲した状態とする。また、
図2において、5は前記係止部(ボタン)3に取り付けられている例えばゴム製のリング状バンド部である。
【0024】
次に本実施形態のフェイスマスクとして使用する場合の動作を説明する。
図3は本実施形態によるアイフェイスマスクをフェイスマスクとしてユーザーの顔前面に装着した状態を示す斜視図である。本実施形態をフェイスマスクとして装着するときは、
図3(a)及び(b)に示すように、前記カバー部1は、その第1の面1aがユーザーの顔前面と対向するように、その下端部1baがユーザーの口元周辺の高さ位置まで覆うように、及びその下端中央部1bbがユーザーの鼻の下方周辺位置まで覆うように配置される。このとき、前記カバー部1の上方の第1の面1a側(ユーザーの顔面と対向する側)にスペーサ部2が配置されているので、ユーザーの顔前面とカバー部1との間に、スペース6が形成される。このスペース6により、
図3(c)に示すように、ユーザーのアイメイクにカバー部1が接触することが避けられるので、ユーザーのアイメイクにカバー部1が接触してアイメイクが崩れないようになり、ユーザーのアイメイクが保護されるようになる。
【0025】
次に本実施形態に係るアイフェイスマスクをアイマスクとして使用する場合の動作を説明する。本実施形態をフェイスマスクではなくアイマスクとして使用する場合は、ユーザーは、まず
図4(a)に示すフェイスマスクの形態(
図1(b)と同じ状態)から、スペーサ部2を(カバー部1中のスペーサ部2が取り付けられている周辺部分も一緒に)、カバー部1の第1の面1a側から第2の面1b側へ向かう方向、すなわち
図4(a)及び
図4(b)の矢印αで示す方向に、折り曲げ、回転させる。すなわち、前記スペース部2とそれが取り付けられているカバー部1の一部とを、
図4(a)の折り返し部A(=仮想線A)を回転中心として、
図4(a)及び
図4(b)の矢印αで示す方向に、折り返す。
図4(b)はこの回転の途中を示す図である。そして、
図4(c)に示すように、スペーサ部2を、スペーサ部2が取り付けられているカバー部1の第2の面1bの部分がカバー部1の第2の面1bに当接するまで回転させる(折り返す)。この
図4(c)の状態までスペーサ部2を折り曲げ、回転、折り返す(ひっくり返す)ことにより、本実施形態1がアイマスクとして使用するのに適した形態(カバー部のユーザーから見て上下方向の長さがフェイスマスクとしての形態よりも十分に短い形態)となる。
【0026】
図5は
図4(c)のような形態にした本実施形態をユーザーの顔に装着するときの状態を示している。ユーザーは、このような本実施形態をアイマスクとして自らに装着するときは、前記ゴム製のリング状バンド部5を、前記のフェイスマスクとして使用していたときに係止されていた前記第2の面1b側の係止部(ボタン)3から取り外して、前記第1の面1a側の係止部(ボタン)4(前述のようにスペーサ部2が前記第2の面1b側に折り曲げられ、回転されているので、前記スペーサ部2の周辺に位置する前記係止部4も、カバー部1の第2の面1b側に存在している)の方に取り付ける。そして、
図5(a)に示すようにユーザーの顔面に沿って左右方向に少し湾曲させた状態にして、前記バンド部5によりユーザーに装着させる。これにより、本実施形態がアイマスクとして使用される。
【0027】
以上のように、本実施形態においては、カバー部1の上方の第1の面1a側にスペーサ部2を設けるようにしたので、バンド部5によりカバー部1の第1の面1aをユーザーの顔前面に対向させて装着するときは、カバー部1でユーザーの顔前面の口元周辺部分までを覆いながら、カバー部1との間にユーザーの顔前面側に所定のスペース6(
図3(c)参照)を作出することができるので、前記カバー部1がユーザーのアイメイクに接触しないように又は前記カバー部1がユーザーのアイメイクに支障を与えないようにしながら、本実施形態をフェイスマスクとして使用することができる。
【0028】
また、このように本実施形態をフェイスマスクとして使用する場合、前記カバー部1の下端部がユーザーの鼻又は口元の周辺まで延びているため、前記スペーサ部2によりユーザーの両眼の近傍にスペースが存在していても、例えば
図3(c)に示すように、ユーザーの両眼の周囲に、睡眠や休息のために十分な暗さを確保することができる。
【0029】
また、本実施形態においては、前記スペーサ部2を、
図4(a)の折り返し部A(=仮想線A)を回転中心として(前記カバー部1と前記スペーサ部2との境界又はその周辺部分で)、前記カバー部1の前記第1の面1aと反対側の第2の面1b側に折り曲げ、折り返し可能としたので、そのように折り曲げ、折り返した状態のカバー部1の第1の面1aをバンド部5によりユーザーの顔前面に対向させて装着するときは、前記折り曲げにより、前記カバー部1の図示上下方向の長さが小さくなる(アイマスクに適した上下方向の長さとなる)結果、前記第1の面1aの下端部はユーザーの鼻周辺に位置するようになるので、ユーザーは、本実施形態を、フェイスマスクではなく、手軽なアイマスクとして使用することができるようになる。
【0030】
さらに、本実施形態においては、前記スペーサ部2を、前記スペーサ部2の下端部が前記カバー部1中の前記カバー部1の上端から約3〜5cm(又は約2.5〜6m、又は約2〜7cm)だけ下方の領域に配置されるように構成しているので、前記スペーサ部2を(前記カバー部1と前記スペーサ部2との境界又はその周辺部分で)前記カバー部1の前記第1の面1aと反対側の第2の面1b側に折り曲げ、回転させることにより、カバー部1の第1の面1aをユーザーの顔前面に対向、装着させたとき、カバー部1の第1の面1aの下端がユーザーの顔前面の鼻周辺部分に配置されるようになるので、カバー部をアイマスクとして適度な大きさ及び形状とすることができる。
【0031】
また、このように本実施形態をアイマスクとして使用する場合、前記カバー部1のユーザーの顔前面側には前記スペーサ部2が存在せず、前記カバー部1とユーザーの両眼周辺との間にあるスペースは仮に有ったとしても微小なものに止まるので、ユーザーの両眼の周囲は十分な暗さを確保することができる(これに対して、もし上記のようにカバー部1の上下方向の長さが短いアイマスクとして使用するときに、前記カバー部1のユーザーの顔前面側に前記スペーサ部2が配置されてしまう場合は、前記スペーサ部2によりユーザーの眼前に形成されるスペースにより、ユーザーの両眼の周囲に睡眠や休息のために十分な暗さを確保することができなくなってしまう)。
【0032】
また、本実施形態においては、前記カバー部1の上方の左右両端部に、前記第1の面1a及び第2の面1bの双方にそれぞれ前記バンド部5を一時的に固定するための係止部3,4を備え、前記スペーサ部2を前記カバー部1の第1の面1a側に配置したまま前記カバー部1の第1の面1a側をユーザーの顔前面と対向させる場合(本実施形態をフェイスマスクとして使用する場合)は前記バンド部5を前記第2の面1b側に備えられた係止部3に係止し、前記スペーサ部2を前記カバー部1の第2の面1b側の方に折り曲げ、回転、折り返した上で前記カバー部1の第1の面1a側をユーザーの顔前面と対向させる場合(本実施形態をアイマスクとして使用する場合)は前記バンド部5を前記第1の面1a側に備えられた係止部4に係止するようにしている。よって、本実施形態によれば、本実施形態をフェイスマスクとして使用する場合でもアイマスクとして使用する場合でも、いずれでも、カバー部を安定的にユーザーの頭部に装着できるようになる。
【0033】
なお、前記実施形態においては、前記カバー部1の上方部分をユーザーの額と後頭部に取り付け又は装着するための手段としてゴム製の紐状(リング状)のバンド部5を使用したが、本発明における装着部はこれに限られるものではなく、例えば、前記カバー部1の上方の左右両端部に取り付けるベルト状の部材でもよいし、あるいは、前記カバー部1の上方縁部に内蔵されユーザーから見て左右方向に延びる金属製の帯状シート(例えば、前記カバー部1の上方縁部に内蔵される板バネ製の帯状シートであって、ユーザーの額又はその上方の頭部の形状に沿って長手方向に弾性的に湾曲可能であり且つ前述のように弾性的に湾曲されたとき前記カバー部1の上方縁部を前記湾曲された状態の曲率を少しだけ小さくする方向に付勢する板バネ)であってもよい。上記のような前記カバー部1の上方縁部に内蔵された金属製の帯状シート(例えば板バネ製の帯状シート)により本発明の装着部を構成するときは、ユーザーの後頭部に装着する紐状又はベルト状の部材が不要になるというメリットが得られる。
【符号の説明】
【0034】
1 カバー部
1a カバー部の第1の面
1b カバー部の第2の面
1ba カバー部の下端部
1bb カバー部の下端中央部
2 スペーサ部
3,4 係止部
5 バンド部
6 スペース
A 折り返し部(仮想線)
【要約】 (修正有)
【課題】フェイスマスクは、必ず常に顔の前面を覆うものであるため、ユーザーが息苦しさを感じたり、使用場面によっては大袈裟過ぎて使用をためらうことがあり、使い勝手の悪いものであった。
【解決手段】柔軟な素材により形成され、第1の面1aがユーザーの頭部から顔前面の少なくとも鼻の下方又は口元の周辺の部分に対向しながら前記部分を覆うような大きさ及び形状に形成されて成るカバー部1と、前記カバー部1の第1の面側の上方に配置され、ユーザーの頭部と対向するようにユーザーから見て左右方向に延びており、ユーザーの顔前面側に「前記カバー部1aがユーザーのアイメイクに接触しないように又は前記カバー部1aがユーザーのアイメイクに支障を与えないようにするためのスペース」を作出するためのスペーサ部2と、上記カバー部1aなどをユーザー頭部に装着するバンド部5とを備えたものである。
【選択図】
図1