特許第5659224号(P5659224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5659224アルドステロンシンターゼ阻害剤としてのアリールピリジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5659224
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】アルドステロンシンターゼ阻害剤としてのアリールピリジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/42 20060101AFI20150108BHJP
   C07D 213/57 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 213/76 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20150108BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20150108BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20150108BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20150108BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20150108BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20150108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   C07D213/42CSP
   C07D213/57
   C07D213/76
   C07D401/04
   C07D417/06
   A61K31/44
   A61K31/4439
   A61K31/444
   A61P9/12
   A61P43/00 111
   A61K45/00
【請求項の数】16
【全頁数】122
(21)【出願番号】特願2012-510298(P2012-510298)
(86)(22)【出願日】2010年5月12日
(65)【公表番号】特表2012-526774(P2012-526774A)
(43)【公表日】2012年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2010056572
(87)【国際公開番号】WO2010130796
(87)【国際公開日】20101118
【審査請求日】2012年1月13日
(31)【優先権主張番号】61/178,677
(32)【優先日】2009年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/318,413
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100164563
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 貴英
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィー・シャモワ
(72)【発明者】
【氏名】フ・キ−イン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・パピヨン
【審査官】 清水 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/150827(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/040289(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/157191(WO,A1)
【文献】 特表2008−519814(JP,A)
【文献】 特表2012−521354(JP,A)
【文献】 特表2011−525894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 213/00−213/90
A61K 31/33−33/44
A61P 1/00−43/00
C07D 401/00−401/14
C07D 417/00−417/14
A61K 45/00−45/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I’:
【化1】
〔式中、
Aは、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cはフェニルまたは5員または6員ヘテロアリールであり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;
はHであり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(O)NR−C1−7アルキル、−NRC(O)−C1−7アルキルおよび−OC(O)−C1−7アルキルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してHであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
pは0、1、2、3、4または5である;ただし、環Cと2個の隣接したR基は2−インドールおよび置換された2−インドールを形成せず;そして
ここで、C3−7シクロアルキルは、3〜7個の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の単環炭化水素基である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式II:
【化2】
〔式中、
Aは、−CH−、−CHR−または−CR−であり;
はC1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;
はHであり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(O)NR−C1−7アルキル、−NRC(O)−C1−7アルキルおよび−OC(O)−C1−7アルキルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリルであり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
pは0、1、2、3、4または5である。〕
を有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式III:
【化3】
〔式中、C、R、R、R、R、R、Rおよびpは請求項1に定義した通りである。〕
を有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式V:
【化4】
〔式中、C、R、R、R、R、R5a、R6a、R5b、R6bおよびpは請求項1に定義した通りである。〕
を有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Cがフェニルである、請求項1、3または4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
環Cが、
【化5】
〔式中、R4aはRまたはHである。〕
であるか、
あるいは環Cが2個のR基と一体となって:
【化6】
〔式中、R8aはRまたはHであり、R4aはRまたはHである。〕
を形成する、請求項1、3または4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が独立してC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CN、ハロ、ハロ−C1−4アルキルまたはハロ−Cアルコキシからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
AがCHRである、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
がC1−4アルキルであり、RがHであり、RがHであり、AがCHRであり、RがC1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、pが1または2であり;
各Rが独立してC1−4アルキル、ハロ−C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CN、ハロまたはハロ−C1−4アルコキシである、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
次のものから選択される化合物:
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メトキシ−ベンゼン−スルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−ベンゼン−スルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−エチル−ベンゼン−スルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−シアノ−ベンゼン−スルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−フェニル−メタンスルホンアミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2−フェノキシエタンスルホンアミド;
N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−1−(2−クロロフェニル)メタンスルホンアミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンスルホンアミド;
シクロプロパンスルホン酸[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブタン−1−スルホンアミド;
N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミド;
N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド;
N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパン−スルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)メタン−スルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−エトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2−メチルプロピル)エタンスルホンアミド;
N−(1−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド;
N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド;
N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)メタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(R)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロペンチル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)プロパン−2−スルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(2−クロロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(2−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−イル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−エトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2,4−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(3,5−ジメチルフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(3,5−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−クロロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(6−メトキシナフタレン−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド;
N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルエタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−エチルスルファニル−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2,4−ジメトキシ−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(4−メチルスルファニル−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−ベンゾ−[1,3]−ジオキソール−5−イル−ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(1H−インドール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(2,4,6−トリメチル−フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(1−メチル−1H−インドール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−ナフタレン−1−イル−ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
2−クロロ−4−[5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−ベンゾニトリル;
エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エチル−アミド;
エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−(3−メチル−ブチル)−アミド;
({[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エタンスルホニル−アミノ)−酢酸メチルエステル;
エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−イソブチル−アミド;
エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタン−スルホンアミド;
N−((4−クロロ−5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミド;
N−((5−(6−シアノナフタレン−2−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミド;
N−(シクロプロピル(5−(キノリン−6−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(5−シアノベンゾフラン−2−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(ベンゾ[d]チアゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(ベンゾフラン−5−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(4−フルオロフェニル)メチル)エタン−スルホンアミド;
N−(1−(5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)エタン−スルホンアミド;
N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド;
N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタン−スルホンアミド;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
次のものから選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物:
(R)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(R)−N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
(S)−N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
治療有効量の請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および1種以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量の請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、利尿剤、ApoA−I摸倣剤、抗糖尿病剤、肥満軽減剤、アルドステロン受容体ブロッカー、エンドセリン受容体ブロッカーおよびCETP阻害剤から選択される1種以上の治療活性剤が組み合わせられることを特徴とする医薬組成物。
【請求項14】
アルドステロンシンターゼ活性の阻害を必要とする対象におけるアルドステロンシンターゼ活性の阻害用の医薬を製造するための、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項15】
医薬として使用するための、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
高血圧の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
ミネラルコルチコイドホルモンアルドステロンは副腎により産生され、腎臓の遠位曲尿細管および集合尿細管で腎臓中のイオンおよび水の再吸集を増加させるように働く。アルドステロンはナトリウムの保存、カリウムの分泌、水保持増加および血圧上昇を起こす。
【0002】
アルドステロンは心血管疾患、例えば高血圧および心不全の病因に関与している。臨床試験で、非選択的ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト(MRA)スピロノラクトンまたは選択的MRAエプレレノンでの処置は、既にアンギオテンシン−変換酵素阻害剤またはβ−ブロッカーを服用している心不全または心筋梗塞患者の罹病率および死亡率を顕著に低下させた。しかしながら、顕著な副作用、例えば女性化乳房およびインポテンスがスピロノラクトンを投与されている男性患者で観察され、高カリウム血症がいずれかの薬剤を使用している患者で見られた。
【発明の概要】
【0003】
発明の要約
本発明は、ここに記載する化合物、それらの使用方法およびそれらの使用に関する。本発明の化合物の例は、式I’およびI−VIIのいずれかの化合物および実施例の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0004】
本発明は、それ故に式I’:
【化1】
〔式中、
Aは結合、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cはフェニルまたは5員または6員ヘテロアリールであり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−7アルキル、ヒドロキシ−C1−7アルキル、C1−7アルキル−O−C(O)C1−7アルキル、C1−7アルコキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;ここで、アリールおよびヘテロアリールは、場合によりヒドロキシ、C1−7アルコキシ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、ハロ、CNまたはC3−7シクロアルキルで置換されていてよく;
はH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
各Rは、独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−C6−10アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる具から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか、;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してH、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;RおよびR;RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成できるか;または
およびR;RおよびR5b;またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一体となってC5−7シクロアルキルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
pは0、1、2、3、4または5である;ただし、環Cと2個の隣接したR基は2−インドールを形成せず;
環Cがピリジン、チアゾール、イミダゾールまたはピラゾールであり、2個の隣接したR基がそれらが結合している原子とフェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成しないとき、Aは結合ではなく;
環Cが2個の隣接したR基と一体となってオキサゾロ[4,5−b]ピリジン(pyiridine)を形成するとき、Aは結合ではなく;式Iの化合物’は2−メチル−N−(6−(5−(フェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−イソブチル−N−((5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミドまたは4−(5−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)安息香酸ではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
他の態様において、本発明は、少なくとも一部、対象におけるアルドステロンシンターゼおよび/または11−ベータヒドロキシラーゼ(CYP11B1)が仲介する障害または疾患を処置する方法であって、対象における該アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する障害または疾患が処置されるように、治療有効量の式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することによる、方法に関する。
【0006】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、対象の低カリウム血症、高血圧、コン症候群、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚または冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、コルチゾールレベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害、コルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰を処置する方法であって、該対象に、該対象が処置されるように、治療有効量の式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法に関する。
【0007】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、有効量の式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関し、ここで、該有効量はアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する障害または疾患の処置のための有効量である。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、式I’およびI−VIIのいずれかまたはその薬学的に許容される塩である、1種以上の治療有効成分の組合せ剤を含む、組合せに関する。
【0009】
他の態様において、本発明は、少なくとも一部、対象におけるアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1を阻害する方法であって、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が阻害されるように、該対象に治療有効量の式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することによる、方法を提供する。
【0010】
本発明により提供されるアルドステロンの有害効果を軽減するための方法は、アルドステロンシンターゼ阻害剤によるアルドステロン産生の抑制である。アルドステロンシンターゼは、デオキシコルチコステロンからのアルドステロンの生合成において、コルチコステロンから18−OH−コルチコステロンを形成し、続いて後者をアルドステロンに変換する最終段階に係わる酵素である。
【0011】
従って、本発明は、少なくとも一部、化合物、該化合物を含む医薬組成物およびその使用方法に関する。本発明はまた、例えば、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1のモジュレーターおよび/または阻害剤として使用し得る新規化合物にも関する。
【0012】
本発明の化合物は、例えば、アルドステロンシンターゼが仲介する種々の疾患または障害、例えば低カリウム血症、高血圧、コン症候群、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚、冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、コルチゾールレベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害およびコルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰の処置に使用し得る。
【0013】
発明の詳細な記載
本発明の化合物
以下の式IまたはI’の化合物に関する引用は、式II−VIIの化合物に等しく適用される。
以下の本発明の態様に関する引用は、該態様が存在する限り、式IまたはI’の化合物および式II−VIIの化合物に等しく適用される。
本発明の種々の態様を記載する。各態様において特定される性質を他の特定される性質と組み合わせて、さらなる態様を提供し得ることは当然である。
【0014】
一つの態様において本発明は、式I’
【化2】
〔式中、
Aは結合、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cはフェニルまたは5員または6員ヘテロアリールであり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−7アルキル、ヒドロキシ−C1−7アルキル、C1−7アルキル−O−C(O)C1−7アルキル、C1−7アルコキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;ここで、アリールおよびヘテロアリールは、場合によりヒドロキシ、C1−7アルコキシ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、ハロ、CNまたはC3−7シクロアルキルで置換されていてよく;
はH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−C6−10アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してH、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;RおよびR;RおよびR5a;RおよびR5b、RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成できるか;または
およびR;RおよびR5b;またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一体となってC5−7シクロアルキルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
pは0、1、2、3、4または5である;ただし、環Cと2個の隣接したR基は2−インドールを形成せず;そして
環Cがピリジン、チアゾール、イミダゾールまたはピラゾールであり、2個の隣接したR基がそれらが結合している原子とフェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成しないとき、Aは結合ではなく;
環Cが2個の隣接したR基と一体となってオキサゾロ[4,5−b]ピリジン(pyiridine)を形成するとき、Aは結合ではなく;式Iの化合物’は2−メチル−N−(6−(5−(フェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−イソブチル−N−((5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミドまたは4−(5−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)安息香酸ではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
一つの態様において本発明は、式I:
【化3】
〔式中、
Aは結合、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cはフェニルまたは5員または6員ヘテロアリールであり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;
はH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−C6−10アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してH、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;RおよびR;RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR5a;RおよびR5b;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成できるか;そして
およびR;RおよびR5b;またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一体となってC5−7シクロアルキルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
pは0、1、2、3、4または5である;ただし、環Cと2個の隣接したR基は2−インドールを形成しない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
他の態様において、本発明は、式I
【化4】
〔式中、
Aは結合、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cはフェニルまたは5員または6員ヘテロアリールであり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;
はH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−C6−10アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してH、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;RおよびR;RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR5a;RおよびR5b;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成できるか;または
およびR;RおよびR5bまたはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一体となってC5−7シクロアルキルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
pは0、1、2、3、4または5である;ただし、環Cと2個の隣接したR基は2−インドールを形成せず;そして
環Cがピリジン、チアゾール、イミダゾールまたはピラゾールであり、2個の隣接したR基がそれらが結合している原子とフェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成しないとき、Aは結合ではなく;
環Cが2個の隣接したR基と一体となってオキサゾロ[4,5−b]ピリジン(pyiridine)を形成するとき、Aは結合ではなく;式Iの化合物は2−メチル−N−(6−(5−(フェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−イソブチル−N−((5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミドまたは4−(5−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)安息香酸ではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
一つの態様において、本発明は、
Aが結合、−CH−、−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
環Cがフェニルであり;
がC1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
がH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;
がH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
各Rが独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよいか;または
2個の隣接したR基は、それらが結合している原子と一体となって、フェニルまたは5員または6員環ヘテロアリールを形成でき、ここで、該フェニルまたはヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R6a、R5bおよびR6bは独立してH、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R6a、R5bおよびR6bのいずれか二つは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択され;
pは0、1、2、3、4または5である;
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する(ただし、式Iの化合物は2−メチル−N−(6−(5−(フェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−4−イル)チアゾール−4−カルボキサミド、2−クロロ−N−イソブチル−N−((5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミドまたは4−(5−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)安息香酸ではない)。
【0018】
他の態様において、ある種の式Iの化合物は、式II:
【化5】
〔式中、
Aは結合、−CH−、−CHR−または−CR−であり;
はC1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキルまたはC3−7シクロアルキルであり;
各Rはハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリールおよび−OC(O)−ヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、Rは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリルであり;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
pは0、1、2、3、4または5である;そして式IIの化合物は2−クロロ−N−イソブチル−N−((5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミドまたは4−(5−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニルスルホンアミド)ピリジン−3−イル)安息香酸ではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0019】
ある式IまたはI’の化合物は、式III:
【化6】
〔式中、環C、R、R、R、R、R、Rおよびpは、上の式Iまたは式I’で定義した意味を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0020】
この態様の一つの面において、本発明は、環Cがフェニルである式IIIの化合物に関する。この態様の他の面において、本発明は、Rがアルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)であり、Rがシクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなど)である式IIIの化合物に関する。
【0021】
一つの態様において、本発明は、AがCHRであり、Rがアルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)であり、Rがシクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなど)である式IまたはI’の化合物に関する。
【0022】
ある式IまたはI’の化合物は、式IV:
【化7】
〔式中、環C、R、R、R、Rおよびpは、上の式Iまたは式I’で定義した意味を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の一つの面において、本発明は、環Cがフェニルである式IVの化合物に関する。この態様の他の面において、本発明は、Rが場合により置換されていてよいアリールまたは場合により置換されていてよいアリールアルキルであり、ここで、これらの場合により存在する置換基はR基から選択される式IVの化合物に関する。この態様のさらに別の面において、Rが場合により置換されていてよいフェニルまたは場合により置換されていてよいベンジルであり、ここで、これらの場合により存在する置換基はR基から選択される。この態様のさらに別の面において、RおよびRが、それらが結合する原子と一体となって、4−7員ヘテロシクリルを形成する。非限定的例において、RおよびRがピペリジンを形成する。
【0023】
ある式Iの化合物は、式V:
【化8】
〔式中、環C、R、R、R、R、R5a、R6a、R5b、R6bおよびpは、上の式Iまたは式I’で定義した意味を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の一つの面において、本発明は、環Cがフェニルである式Vの化合物に関する。
【0024】
この態様の他の面において、本発明は、R5a、R5b、R6aおよびR6bがHである、式Vの化合物に関する。この態様の他の面において、本発明は、R5aおよびR5bが、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成する、式Vの化合物に関する。非限定的例において、R5aおよびR5bがシクロプロピルを形成する。この態様の他の面において、本発明は、RおよびR5bが5員または6員ヘテロシクリルを形成する、式Vの化合物に関する。代表例においてRおよびR5bはピペリジンまたはピロリジンを形成する。
【0025】
ある式IまたはI’の化合物は、式VI:
【化9】
〔式中、R、R、R、R、R、Aおよびpは、上の式Iまたは式I’で定義した意味を有し、そしてR4aはRまたはHであり、R8aはRまたはHである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の一つの面において、Rがハロ、CN、アルコキシ、非置換C1−4アルキルである。
【0026】
他の態様において、本発明は、環Cが場合により置換されていてよい6員ヘテロアリール(例えばピリジン、ピリミジン、ピラジンまたはピリダジン)であり、ここで、これらの場合により存在する置換基はR基から選択される、式I、I’、III、IVまたはVの化合物に関する。
【0027】
さらに別の態様において、本発明は、環Cが場合により置換されていてよい5員環ヘテロアリールであり、場合によりにより存在する置換基はR基から選択される、式I、I’、III、IVまたはVの化合物に関する。この態様のさらなる面において、環Cがイソオキサゾール、オキサゾールおよびピラゾールであり、その各々は、場合により1〜5個のRで置換されていてよい。さらに別の面において、環Cが場合により1〜5個のR基で置換されていてよい5員環ヘテロアリールであり、AがCH、CHRまたはCRである。
【0028】
他の態様において、本発明は、環Cまたは環Cが2個のR基と一体となって:
【化10】
〔式中、R4aはRまたはHであり、R8aはRまたはHである。〕
の基から選択される、式IおよびIII−VIのいずれかの化合物に関する。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、環Cが、2個の隣接したRと一体となってベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ピロロピリジン(例えばピロロ[2,3−b]ピリジン、ピロロ[2,3−c]ピリジン、ピロロ[3,2−c]ピリジンおよびピロロ[3,2−b]ピリジン)、イミダゾピリジン(例えばイミダゾ[4,5b]ピリジン、イミダゾ[4,5−c]ピリジン、イミダゾ[1,2−a]ピリジン)、インダゾールまたはピラゾロピリジン(例えばピラゾロ[1,5−a]ピリジン)を形成できる、式I、I’、II、III、IVおよびVのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。この態様のさらなる面において、環Cが、2個の隣接したRと一体となって、ベンゾイミダゾールまたはアザインドールを形成できる。
【0030】
他の態様において、本発明は、少なくとも一部、2個の隣接したR基が、それらが結合している原子と一体となって5員または6員環ヘテロアリールを形成し、該ヘテロアリール環は、場合により1〜4個のRで置換されていてよい、式I、I’、II、III、IVおよびVのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。この態様の一つの面において、Rがハロ、CN、C1−4アルコキシおよび非置換C1−4アルキルである、式I、I’、II、III、IVおよびVのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。この態様の代表例において、環Cがフェニルであり、2個のR基と一体となって、場合により置換されていてよいキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドールまたはベンゾチアゾールを形成し、ここで、場合により存在する置換基はR基から選択される。この態様の他の面において、環Cが5員ヘテロアリールであり、2個のR基と、場合により置換されていてよいフェニルまたはピリジン環を形成し、ここで、場合により存在する置換基はR基から選択される。
【0031】
一つの態様は、環Cがフェニルであるである、上に記載した式I〜Vのいずれかまたはその群および下位群の化合物に関する。
【0032】
本発明はまた、式VII:
【化11】
〔式中、
Aは−CHR−、−CR−または−CR5a6a−CR5b6b−であり;
はC1−7アルキル、ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリール−C1−7アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−7アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
はH、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(cycyl)またはC6−10アリールであり;
はH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、−NH、−NH(C1−7アルキル)または−N(C1−7アルキル)であり;
4aはH、ハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ、−NH、−NH(C1−7アルキル)、−N(C1−7アルキル)、C1−7アルコキシ、ハロ−C1−7アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C6−10アリール、ヘテロシクリル、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、−SH、−S−C1−7アルキル、−C(O)O−C6−10アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)NR−C1−7アルキル、−C(O)NR−C6−10アリール、−C(O)NR−ヘテロアリール、−C(O)NR−ヘテロシクリル、−NRC(O)−C1−7アルキル、−NRC(O)−C6−10アリール、−NRC(O)−ヘテロアリール、−NRC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1−7アルキル、−OC(O)−C6−10アリール、−OC(O)−ヘテロアリール、−OC(O)−ヘテロシクリルであり;ここで、R4aは、場合により1〜5個のRで置換されていてよく;
およびRは独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
5a、R5b、R6aおよびR6bが独立してC1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ−C1−7アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはC6−10アリールであるか;またはR5a、R5b、R6a、R6bの任意の2個は、それらが結合している原子と一体となってC3−7シクロアルキルを形成し;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−7アルコキシ、C6−10アリールオキシ、ヘテロシクリル、C6−10アリール、ヘテロアリール、CNおよびハロ−C1−7アルキルからなる群から選択され;
各Rは独立してハロ、C1−7アルキル、ハロ−C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、CNおよびハロ−C1−7アルコキシからなる群から選択されるか;または
およびR;RおよびR;RおよびR;RおよびR5a;RおよびR5b;RおよびR5a;RおよびR5b;またはRおよびRは、それらが結合している原子と一体となって、4〜7員ヘテロシクリルを形成できるか;または
およびR;RおよびR5b;またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一体となってC5−7シクロアルキルを形成でき;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5または6環原子を含む単環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜3個のヘテロ原子から選択される4−7員環原子を含む単環の、飽和または部分的に飽和であるが、非芳香族であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSであり;
sは0、1、2、3または4であり、式VIIIの化合物はエタンスルホン酸{1−[5−(6−クロロ−3−シアノ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−ピリジン(pyiridin)−3−イル]−エチル}−アミドではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0033】
さらなる態様は、RがC1−4アルキル、ハロC1−4アルキル(例えばCHCF、CF、CHFなど)、場合により置換されていてよいアリールまたは場合により置換されていてよいアリールアルキルであり、ここで、これらの場合により存在する置換基はR基から選択される、上に記載した式I’およびI〜VIIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の一つの面において、RはC1−4アルキル(例えばメチルまたはエチル)である。
【0034】
さらなる態様は、Rが水素、C1−4アルキル(例えば、メチル、エチル)またはC3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)である、ここに記載する式I’およびI〜VIIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の一つの特定の面において、Rが水素である。
【0035】
さらなる態様は、Rが水素である、ここに記載する式I’およびI〜VIIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0036】
さらに別の態様は、ここで、各Rが独立してハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シアノ、アミド、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NR−C1−4アルキル、NRC(O)−C1−4アルキルおよびOC(O)−C1−4アルキルからなる群から選択される、ここに記載する式I’およびI〜VIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。一つの態様において、Rは独立してハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シアノ、アミド、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NR−C1−4アルキル、NRC(O)−C1−4アルキルおよびOC(O)−C1−4アルキルからなる群から選択される。この態様のさらなる面において、各Rは独立してC1−4アルキル、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、CN、ハロ(例えばクロロまたはフルオロ)、ハロ−C1−4アルキル(例えばCF、CHF、CHCFなど)またはハロ−Cアルコキシ(例えばOCF)からなる群から選択される。
【0037】
さらに別の態様は、RがHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル)である、ここに記載する式I’およびI〜VIIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。この態様の特定の一つの面において、Rがメチルまたはイソプロピルである。
【0038】
興味深いさらなる態様は、RがC3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)である、ここに記載する式I’およびI〜VIIのいずれかまたはその群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0039】
さらに別の態様において、本発明は、AがCH、CHRまたはCRである、式I、I’、II、VIおよびVIIのいずれかの化合物に関する。この態様のさらなる面において、AがCHRである。この態様のさらに別の面において、本発明は、Aが−CH(R)−であり、−CHR−キラル中心の立体化学が(S)である、式I、I’、II、VIおよびVIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。他の態様において、本発明は、Aが−CHR−であり、−CHR−キラル中心の立体化学が(R)である、式I、I’、IIおよびVのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0040】
他の態様において、いくつかの本発明の化合物は、11−ベータヒドロキシラーゼ(CYP11B1)に比して、アルドステロンシンターゼ(CYP11B2)に選択性を有し得る。
【0041】
一つの態様において、本発明は、RがC1−4アルキルであり、RがHであり、RがHであり、AがCHRであり、RがC1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり、pが1または2であり;各RがC1−4アルキル、ハロ−C1−4アルキル(例えばCF、CHF、CHCFなど)、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ)、CN、ハロまたはハロ−C1−4アルコキシ(例えばOCF)である、上に記載する式I、I’、IIおよびVIのいずれかの化合物または他の群および下位群またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0042】
他の態様において、R、R、R、R、R、R5a、R5b、R、R6a、R6b、R、Aおよびp基は、以下の実施例部分の実施例1〜97におけるR、R、R、R、R、R5a、R5b、R、R6a、R6b、R、Aおよびpのそれぞれにより規定される。
【0043】
他の態様において、本発明の個々の化合物は、以下の実施例部分の実施例1〜87に記載されているものまたはその薬学的に許容される塩である。
【0044】
定義:
本明細書を解釈する目的で、以下の定義を、特にことわらない限り、そして、適当である限り、適用すべきであり、単数で使用している用語は複数も含み、その逆もそうである。
【0045】
ここで使用する用語“アルキル”は、1〜20個の炭素原子を含む、完全に飽和した分枝または非分枝(もしくは直鎖または直鎖状)炭化水素基を意味する。好ましくはアルキルは1〜7個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチルを含む。用語“C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。
【0046】
ここで使用する用語“ハロアルキル”は、1個以上のここで定義するハロ基で置換された、ここで定義するアルキルを意味する。好ましくはハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキルまたはペルハロアルキルを含むポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基中に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有し得る。ジハロアルキル(alky)基およびポリハロアルキル基は、アルキル基中に2個以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有し得る。好ましくは、ポリハロアルキルは、最大12個または10個または8個または6個または4個または3個または2個のハロ基を含む。ハロアルキルの代表例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルである。ペルハロアルキルは、全水素原子がハロ原子で置換されているアルキルを意味する。用語“ハロ−C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する炭化水素であって、1個以上のハロ基で置換されているものを意味する。
【0047】
ここで使用する用語“アルコキシ”は、アルキル−O−およびシクロアルキル−O−(ここで、アルキルおよびシクロアルキル本明細書で定義した通りである)を意味する。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含み、これらに限定されない。好ましくは、アルコキシ基は約1〜7個、より好ましくは約1〜4個の炭素を有する。用語“C1−7アルコキシ”は、C1−7アルキル−O−およびC1−7シクロアルキル−O−(ここで、C1−7アルキルおよびC1−7シクロアルキル本明細書で定義した通りである)を意味する。
【0048】
用語アルコキシアルキルは、アルキル基がアルコキシで置換されている、上に定義したアルキル基を意味する。
【0049】
用語“アルケニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素を意味する。用語“C2−7アルケニル”は、2〜7個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む炭化水素を意味する。アルケニルの代表例は、ビニル、プロプ−1−エニル、アリル、ブテニル、イソプロペニルまたはイソブテニルである。
用語“アルケニル(alkeny)オキシ”は、アルケニル−O−(ここで、アルケニルは上の定義を有する)を意味する
【0050】
用語“アルキニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、分枝鎖または直鎖炭化水素を意味する。用語“C2−7−アルキニル”は、2〜7個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む炭化水素を意味する。アルキニルの代表例は、エチニル、プロプ−1−イニル(プロパルギル)、ブチニル、イソプロピニルまたはイソブチニルである。
【0051】
ここで使用する用語“シクロアルキル”は、3−12個の炭素原子、好ましくは3−8個のまたは3−7個の炭素原子の、飽和されたまたは部分的に不飽和の、しかし非芳香族である、単環、二環または三環炭化水素基を意味する。二環および三環シクロアルキル系について、全環が非芳香族である。例示的単環炭化水素基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルを含む。例示的二環炭化水素基は、ボロニル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクチルを含む。例示的三環炭化水素基はアダマンチルを含む。用語“C3−7シクロアルキル(akyl)”は、3〜7個の炭素原子を有する環状炭化水素基を意味する。
【0052】
用語“シクロアルキルアルキル”は、上で定義したシクロアルキル(akyl)で置換された、上で定義したアルキルを意味する。
【0053】
用語“アリール”は、環部分に6−20炭素原子を有する単環または二環芳香族炭化水素基を意味する。用語アリールはまた、芳香環が1個以上のシクロアルキル環と縮合しており、結合点または結合基が芳香環上または縮合シクロアルキル環上である、基も意味する。アリールの代表例はフェニル、ナフチル、ヘキサヒドロインジル、インダニルまたはテトラヒドロナフチルである。用語“C6−10アリール”は、環部分に6〜10炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味する。
【0054】
用語“アリールアルキル”は、アリールで置換されたアルキルである。アリールアルキルの代表例は、ベンジルまたはフェニル−CHCH−である。
用語“ヘテロアリール”は、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5−10環員を含み、各ヘテロ原子がO、NまたはSから独立して選択され、SおよびNが種々の酸化状態に酸化されていてよい、芳香族性単環または二環ヘテロアリールを意味する。二環ヘテロアリール系について、本系は完全に芳香族性(すなわち、全環が芳香族)である。
【0055】
典型的単環ヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1、2、3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2、3−トリアゾール−4−イル、1,2、3−トリアゾール−5−イル、テトラゾリル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イルまたはピリジル−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピラジン−3−イル、2−ピラジン−2−イル、ピラジン−4−イル、ピラジン−5−イル、2−、4−または5−ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イルを含む。用語“ヘテロアリール”はまた、ヘテロ芳香環が1個以上のアリール、シクロ脂肪族またはヘテロシクリル環と縮合している基も意味し、ここで、結合基または結合点は、ヘテロ芳香環上または縮合アリール、シクロ脂肪族またはヘテロシクリル環上にある。二環ヘテロアリールの代表例は、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドーリジニル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、キナキサリニル、フェナントリジニル、フェナトロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンズイソキノリニル、チエノ[2,3−b]フラニル、フロ[3,2−b]−ピラニル、5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、4H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサピニル、ベンゾオキサジニル、1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンズアザピニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−d]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−c]ピリミジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[4,3−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−b]ピラジニル、ピリド[3,4−b]ピラジニル、ピリミド[5,4−d]ピリミジニル、ピラジノ[2,3−b]ピラジニルまたはピリミド[4,5−d]ピリミジニルを含む。
【0056】
用語“ヘテロアリールアルキル(akyl)”は、ヘテロアリールで置換されているアルキル基を意味する。
【0057】
ここで使用する用語“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”は、4員、5員、6員または7員単環、7員、8員、9員、10員、11員または12員二環または10員、11員、12員、13員、14員または15員三環環系であり、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和非芳香環(部分的不飽和)もしくは環系を意味し、ここで、NおよびSはまた場合により種々の酸化状態に酸化されていてもよい。二環および三環ヘテロシクリル環系について、非芳香環系は、完全ではないかまたは部分的不飽和の環系として定義される。それ故に二環および三環ヘテロシクリル環系は、縮合環の1個が芳香族であるが、残りが非芳香族であるヘテロシクリル環系を含む。一つの態様において、ヘテロシクリル基は、5−7環原子を含み、場合によりさらにO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を含んでよい飽和単環を意味する。ヘテロ環基はヘテロ原子または炭素原子で結合してよい。ヘテロシクリルは縮合または架橋環ならびにスピロ環状環も含み得る。ヘテロ環の例は、ジヒドロフラニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピペラジニル、ピロリジン、ジヒドロピラニル、オキサチオラニル、ジチオラン、オキサチアニル、チオモルホリノ、オキシラニル、アジリジニル、オキセタニル、オキセパニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、ピペラジニル、アゼピニル、オキサピニル、オキサアゼパニル、オキサチアニル、チエパニル、アゼパニル、ジオキセパニルおよびジアゼパニルを含む。
【0058】
用語“ヘテロシクリルアルキル”は、ヘテロシクリルで置換されたアルキルである
用語“アルコキシアルキル”は、アルキル基が上に定義したアルコキシで置換されている、上に記載したアルキル基を含む
【0059】
用語“ヒドロキシアルキル”は、アルキル基がヒドロキシで置換されている、上に記載したアルキル基を意味する
用語“スルホニル”は、R−SO−(式中、Rは水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである)を含む。
【0060】
用語“スルホンアミド”は、アルキル−S(O)−NH−、アリール−S(O)−NH−、アリール−アルキル−S(O)−NH−、ヘテロアリール−S(O)−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−NH−、アルキル−S(O)−N(アルキル)−、アリール−S(O)−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−を含む
【0061】
用語“スルファモイル”は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−、アリール−NHS(O)−、アルキル(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、(アリール−アルキル)−NHS(O)−、(ヘテロアリール−アルキル)−NHS(O)−を含む
【0062】
用語“アリールオキシ”は、−O−アリール(式中、アリールはここで定義した通りである)を含む
用語“アリールオキシアルキル”は、アルキル基がアリールオキシで置換されている、上に記載したアルキル基を意味する。C6−10アリールオキシ−C1−7アルキルは、−O−C6−10アリールで置換されたC1−7アルキル基を意味する
【0063】
用語“ヘテロアリールオキシ”は、−O−ヘテロアリール基(式中、ヘテロアリールはここで定義した通りである)を含む
用語ヘテロシクリルオキシは、−O−ヘテロシクリル(式中、ヘテロシクリルはここに定義した通りである)を含む
【0064】
用語“アミン”または“アミノ”は、窒素原子が少なくとも1個の炭素またはヘテロ原子と共有結合している化合物を含む。用語“アミン”または“アミノ”はまた−NHを含。本用語は、窒素が少なくとも1個のさらなるアルキル基に結合している基および化合物を含む“アルキルアミノ”を含む。本用語はまた、窒素原子が少なくとも2個の独立して選択されるアルキル基に結合している、“ジアルキルアミノ”基を含む。本用語はまた、窒素がそれぞれ少なくとも1個または2個の独立して選択されるアリール基に結合している、“アリールアミノ”および“ジアリールアミノ”基を含む。
【0065】
用語“エステル”は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素原子またはヘテロ原子を含む化合物および基を含む。用語“エステル”は、アルコキシカルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどを含む。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は上に定義した通りである。
用語“ヒドロキシ”または“ヒドロキシル”は、−OHを有する基を含む。
【0066】
用語“ハロゲン”フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。用語“過ハロゲン化”は、一般に、全水素がハロゲン原子で置換されている基を意味する。
用語“多環状”または“多環基”は、2個以上の炭素が2個の隣接する環と共通している、2個以上の環(例えば、シクロアルキル類、シクロアルケニル類、シクロアルキニル類、アリール類および/またはヘテロシクリル類)を含み、例えば、該環は“縮合環”である。非隣接原子を介して結合している複数環は、“架橋環”と呼ぶ。
用語“ヘテロ原子”は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素および硫黄である。
【0067】
本発明の化合物のいくつかの構造は、不斉炭素原子を含むことは注意すべきである。特にことわらない限り、従って、かかる不斉に由来する異性体(例えば、全鏡像体およびジアステレオマー)が本発明の範囲内に包含されると解釈すべきである。かかる異性体は、古典的分離技術によりおよび立体化学制御合成により、実質的に純粋な形態で得ることができる。さらに、本明細書に記載する他の構造、ならびに他の構造および基は、またその全ての互変異性体を含む。
【0068】
ここで使用する用語“異性体”は、同じ分子式を有するが、原子の配置および立体配置が異なる、異なる化合物を意味する。またここで使用する用語“光学異性体”または“立体異性体”は、ある本発明の化合物について存在し得て、幾何異性体を含む、種々の立体異性配置のいずれかを意味する。置換基は、炭素原子のキラル中心で結合し得ると解釈される。それ故に、本発明は、化合物の鏡像体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。“鏡像体”は、互いに重ね合わさらない鏡像である立体異性体の対である。鏡像体の1:1混合物は“ラセミ”混合物である。本用語は、適当であるとき、ラセミ混合物を指定するために使用する。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を含むが、互いに鏡像ではない、立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR−Sシステムに従い特定される。化合物が純粋鏡像体であるとき、各キラル炭素での立体化学はRまたはSのいずれかにより特定され得る。絶対立体配置が未知である分解した化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)により(+)または(−)に指定できる。ここに記載するある種の化合物は1個以上の不斉中心を有し、それ故に、鏡像体、ジアステレオマーおよび絶対立体化学の点で、(R)−または(S)−として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間的混合物を含む、全てのかかる可能な異性体を含むことを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して製造できまたは慣用の技術を使用して分解し得る。化合物が二重結合を含むならば、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むならば、該シクロアルキル置換基はcis−またはtrans−配置を有し得る。全ての互変異性体形態もまた包含することを意図する。
【0069】
本発明の化合物の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミまたは鏡像体的に富化された、例えば、(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在し得る。ある態様において、各不斉原子は、(R)−または(S)−配置で少なくとも50%鏡像体過剰、少なくとも60%鏡像体過剰、少なくとも70%鏡像体過剰、少なくとも80%鏡像体過剰、少なくとも90%鏡像体過剰、少なくとも95%鏡像体過剰または少なくとも99%鏡像体過剰を有する。不飽和結合を有する原子の置換基は、可能であれば、cis−(Z)−またはtrans−(E)−形態で存在し得る。
【0070】
従って、ここで使用する、本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはそれらの混合物、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物の形態であり得る。
【0071】
異性体の得られる混合物のいずれも、成分の物理化学的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、純粋なまたは実質的に純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分割できる。
【0072】
最終生成物または中間体の得られるラセミ体のいずれも、既知方法により、例えば、光学活性酸または塩基と得たジアステレオマー塩を分離し、該光学活性酸性または塩基性化合物を遊離させることによる、既知方法によって光学アンチポードに分割できる。特に、塩基性部分は、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成された塩の分別結晶による、光学アンチポードへの分割に、このように用い得る。ラセミ生成物もまた、キラル吸着剤を使用するキラルクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分割できる。
【0073】
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない、塩を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれらに類する基の存在により、酸および/または塩基塩を形成できる。
【0074】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸類および有機酸類と形成でき、例えば酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、エディシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、ヒドロクロライド/クロライド、ヒドロブロマイド/ブロマイド、ヒドロアイオダイド/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ塩酸、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ホスフェート/ハイドロジェン・ホスフェート/ジハイドロジェン・ホスフェート、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0075】
塩が由来し得る無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
塩が由来し得る有機酸類は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基類から形成できる。
【0076】
塩が由来し得る無機塩基は、例えば、アンモニウム塩類および元素周期表の第IからXII欄の金属を含む。ある態様において、塩類はナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅由来であり;特に適切な塩類はアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩を含む。
【0077】
塩が由来し得る有機塩基は、例えば、1級、2級および3級アミン類、天然に存在する置換されたアミン類を含む置換されたアミン類、環状アミン類、塩基性イオン交換樹脂などを含む。ある種の有機アミン類は、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリナート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。
【0078】
本発明の薬学的に許容される塩は、親化合物から、塩基性または酸性基から、慣用の化学法により合成できる。一般に、遊離酸形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)を反応させることによりまたは遊離塩基形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。かかる反応は、適当には水または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般に、可能であれば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体の使用が好ましい。さらなる適当な塩の一覧は、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985);および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
【0079】
ここに記載する式のいずれも、標識されていない形態ならびに同位体標識された形態を含むことを意図する。例えば、ここに示す式のいずれかで“H”により示される任意の水素は、水素の全ての異性形態(例えばH、HまたはD、H)を示すことを意図する;ここに示す式のいずれかで“C”により示される任意の炭素は、炭素の全ての異性形態(例えば11C、13C、14C)を示すことを意図する;ここに示す式のいずれかで“N”により示される任意の窒素は、窒素の全ての異性形態(例えば14N、15N)を示すことを意図する。本発明の包含される同位体の他の例は、酸素、硫黄、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の異性体、例えば18F、31P、32P、35S、36Cl、125Iを含む。本発明は、ここに記載した化合物の種々の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体、例えばH、13Cおよび14Cが存在するものを含む。一つの態様において、ここに記載する式の原子は、その天然の豊富さで存在する。他の態様において、1個以上の水素原子はHで富化されていてよく;および/または1個以上の炭素原子は11C、13Cまたは14Cで富化されていてよく;および/または1個以上の窒素は14Nで富化されていてよい。かかる同位体標識された化合物は、患者の代謝試験(14Cを用いる)、反応動態試験(HまたはHを用いる)、薬物または基質組織分布アッセイを含む陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)のような検出または造影技術または放射活性処置に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、特に、PETまたはSPECT試験に望ましい。本発明の同位体標識された化合物およびそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることにより、以下のスキームにおよび実施例に記載の方法および以下に記載する製造方法を行うことにより、製造できる。
【0080】
さらに、重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)の富化は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療利益、例えば、インビボ半減期延長、必要投与量減少または治療指数改善を提供し得る。この状況での重水素は、式I’およびI〜VIIのいずれかの化合物の置換基と見なすと解釈すべきである。かかる重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体富化係数により定義され得る。用語“同位体富化係数”は、ここで使用するとき、特定の同位体の同位体存在量および天然存在量の比を意味する。本発明の化合物の置換基が重水素と記載されているならば、かかる化合物は、各指定される重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子で52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の同位体富化係数を有する。
【0081】
同位体富化された式I’およびI〜VIIのいずれかの化合物は、一般に、当業者に既知の慣用法でまたは添付する実施例および製造に記載する方法に準じて、先に用いた非富化試薬の代わりに適当な同位体富化試薬を使用して、製造できる。
本発明の薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体置換されている、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOであるものを含む。
【0082】
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用し得る基を含む本発明の化合物、すなわち式IまたはI’の化合物は、適当な共結晶形成材と共結晶を形成できる。これらの共結晶は、式IまたはI’の化合物の化合物から、既知とも結晶形成法により製造し得る。かかる方法は、粉砕、加熱、共昇華、共融解または式Iの化合物と共結晶形成剤を結晶化条件下で溶媒中で接触させ、それにより形成した共結晶を単離することを含む。適当な共結晶形成剤は、WO2004/078163に記載のものを含む。それ故に、本発明は、さらに、式IまたはI’の化合物を含む共結晶を提供する。
【0083】
ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、任意のかつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、添加剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、風味剤、色素、そのような物質およびそれらの組合せを、当業者に既知の通り含む(例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329参照)。何らかの慣用の担体が有効成分と不適合性である場合以外、その治療または医薬組成物への使用が意図される。
【0084】
本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質の減少または阻害または症状の軽減、状態の軽減、疾患進行の遅延または疾患の予防などを誘発するであろう本発明の化合物の量を意味する。一つの非限定的態様において、用語“治療有効量”は、対象に投与したとき、(1)(i)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介するまたは(ii)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1活性が関与するまたは(iii)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の異常な活性により特徴付けられる状態、障害または疾患を少なくとも一部軽減、阻止または予防および/または改善する;または(2)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の活性を減少または阻害する;または(3)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の発現を減少または阻害する本発明の化合物の量を意味する。他の非限定的態様において、用語“治療有効量”は、細胞または組織または非細胞性生物学的物質または媒体に適用したとき、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の活性を少なくとも部分的に減少または阻害する;または少なくともアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の発現を少なくとも部分的に減少または阻害する本発明の化合物の量を意味する。
【0085】
ここで使用する用語“対象”は動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥類も意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
【0086】
ここで使用する用語“阻害”または“阻害する”は、ある状態、症状または障害または疾患の低減または抑制または生物学的活性もしくは過程のベースライン活性の顕著な減少を意味する。
【0087】
ここで使用する用語任意の疾患または障害の“処置”または“処置する”は、一つの態様において、疾患または障害の改善を意味する(すなわち、疾患または少なくともその臨床症状の1個の遅延または阻止または発症の低減)。他の態様において、“処置”または“処置する”は、患者が認識し得ないものを含む少なくとも1個の身体パラメータの低減または改善を意味する。さらに別の態様において、“処置”または“処置する”は、物理的(例えば、認識される症状の安定化)、生理学的(例えば物理的パラメータの安定化)または両方での疾患または障害の調節を意味する。さらに別の態様において、“処置”または“処置する”は、疾患または障害の予防または発症もしくは亢進もしくは進行の遅延を意味する。
【0088】
単数表現および本発明の文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用する類似用語は、ここで、特にことわらない限りまたは文脈から明らかに異ならない限り、単数および複数の両方を包含する。
【0089】
ここに記載する方法は、特にことわらない限りまたは文脈から明らかに異ならない限り、任意の適当な順番で実施できる。ここで使用する任意のおよび全ての例または例示的用語(例えば“のような”)は、単に本発明を説明することを意図し、他に請求しない限り、本発明の範囲の限定を意図しない。
【0090】
本発明の化合物は、遊離形、その塩またはそのプロドラッグ誘導体として得られる。
塩基性基および酸性基の両方が同じ分子に存在するとき、本発明の化合物は分子内塩、例えば、双性イオン分子も形成し得る。
【0091】
本発明は、インビボで本発明の化合物に変換する本発明の化合物のプロドラッグも提供する。プロドラッグは、該プロドラッグの対象への投与後に、インビボでの生理学的作用、例えば、加水分解または代謝などにより、本発明の化合物に化学的に修飾される、活性または不活性の化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適性および技術は、当分野で周知である。プロドラッグは、概念的に、2個の非排他的カテゴリー、生物学的前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、生物学的前駆体プロドラッグは、1個以上の保護された基を含み、代謝または加溶媒分解により活性形に変換する、不活性であるか、対応する活性医薬化合物と比較して弱い活性を有する、化合物である。活性医薬形態および全ての放出される代謝産物は許容される低い毒性でなければならない。
【0092】
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込みおよび/または局所送達を改善する輸送基を含む医薬化合物である。かかる担体プロドラッグに望まれるのは、医薬部分と輸送部分の間の結合が共有結合であり、該プロドラッグが不活性であるか医薬化合物より低い活性であり、全ての遊離される輸送部分が許容可能な低毒性である。輸送部分が取り込みを促進することが意図されるプロドラッグについて、典型的に輸送部分の放出は急速でなければならない。他の場合、遅延放出を提供する部分、例えばある種のポリマーまたはシクロデキストリン類のような他の分子の利用が望まれる。担体プロドラッグは、例えば、以下の1種以上の特性を改善するために使用し得る:親油性増加、薬理学的有効期間延長、部位特性増加、毒性および有害反応減少および/または医薬の製剤における改善(例えば、安定性、水溶解性、望ましくない感覚受容性または物理化学的特性の抑制)。例えば、親油性は、(a)ヒドロキシル基の親油性カルボン酸(例えば、少なくとも1個の親油性基を有するカルボン酸)を用いたまたは(b)カルボン酸の親油性アルコール類(例えば、少なくとも1個の親油性基を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール類)でのエステル化により増加できる。
【0093】
例示的プロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸類のエステル類およびチオール類のS−アシル誘導体およびアルコール類またはフェノール類のO−アシル誘導体(ここで、アシルはここに定義した意味を有する)である。好ましいのは、当分野で慣用的に使用されている生理学的条件下での加溶媒分解により親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル類、シクロアルキルエステル類、低級アルケニルエステル類、ベンジルエステル類、モノ−またはジ−置換低級アルキルエステル類、例えばω−(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル類、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル類、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミン類はアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされており、それはインビボでエステラーゼ類により開裂され、遊離薬剤およびホルムアルデヒドを遊離する(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含む薬物は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基はエステル類およびエーテル類としてマスクされている。EP039,051(Sloan and Little)はマンニッヒベースのヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を開示する。
【0094】
さらに、本発明の化合物は、その塩を含みまたはその水和物の形態でも得ることができまたはその結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
【0095】
一般的合成法
本明細書の範囲内で、文脈から他の解釈が必要ではない限り、本発明の化合物の特定の所望の最終生成物の構成要素ではない容易に除去可能な基のみを、“保護基”と呼ぶ。官能基のかかる保護基による保護、保護基自体、お9よびそれらの開裂反応は、例えば、標準参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999に記載されている。
【0096】
少なくとも1個の塩形成基を有する本発明の化合物の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、酸基を有する本発明の化合物の塩は、例えば、本化合物を金属化合物、例えば、適当な有機カルボン酸類のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物、例えば対応する水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、例えばナトリウムまたはカリウムの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、対応するカルシウム化合物またはアンモニアまたは適当な有機アミンで処理することにより製造でき、化学量論量または僅かに過剰量の塩形成剤を好ましくは使用する。本発明の化合物の酸付加塩は慣用法で、例えば、本化合物の酸または適当なアニオン交換試薬での処理により得る。酸性および塩基性塩形成基、例えば遊離カルボキシ基と遊離アミノ基を含む本発明の化合物の分子内塩は、例えば、塩、例えば酸付加塩を等電点まで、例えば、弱塩基で中和することによりまたはイオン交換体での処理により形成し得る。
【0097】
塩を、慣用法で遊離化合物に変換できる;金属塩およびアンモニウム塩は、例えば、適当な酸で処理することにより、そして酸付加塩は、適当な塩基性試薬で処理することによる。
【0098】
本発明に従い得られる異性体混合物は、それ自体既知の方法で個々の異性体に分割できる;ジアステレオ異性体は、例えば、多相溶媒混合物間の分配、再結晶および/または例えばシリカゲルでのクロマトグラフィー、例えば、逆相カラムでの中圧液体クロマトグラフィーにより分離でき、そしてラセミ体は、例えば、光学的に純粋な塩形成試薬と塩を形成させ、得られたジアステレオ異性体の混合物を、例えば、分別結晶または光学活性カラム材でのクロマトグラフィーにより分離して、分離できる。
【0099】
中間体および最終生成物は、既知方法に従い、例えば、クロマトグラフィー法、分配方、(再)結晶化などを使用して、後処理および/または精製できる。
【0100】
以下は、上におよび下に記載する全ての方法に一般に適用される。
上に記載する全ての方法工程は、特に記載のものを含むそれ自体既知の反応条件下、特に、例えば、使用する反応材に対しして不活性であり、それらを溶解する溶媒または希釈剤を含む、溶媒または希釈剤の非存在下または慣用的に存在下、触媒、縮合材または中和剤、例えば、イオン交換体、例えば、H+形態の、例えばカチオン交換体の非存在下または存在下、反応および/または反応体の性質によって、低温、常温または高温で、例えば、約−100〜190℃の範囲で、例えば、約−80〜約150℃、例えば、−80〜−60℃の範囲を含み、室温で、−20〜40℃でまたは還流温度で、大気圧下または密閉容器中、適当であれば加圧下および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下、行い得る。
【0101】
反応の全ての段階で、形成された異性体混合物を、個々の異性体、例えばジアステレオ異性体または鏡像体にまたは任意の所望の異性体混合物、例えばラセミ体またはジアステレオ異性体に、例えば、ここに記載した方法に準じて、分割できる。
【0102】
任意の特定の反応に適する溶媒を選択し得る、溶媒は、特に記載したものまたは例えば、水、エステル類、例えば低級アルキル−低級アルカノエート類、例えば酢酸エチル、エーテル類、例えば脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテルまたは環状エーテル類、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族炭化水素類、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール類、例えばメタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノール、ニトリル類、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド類、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカノイック酸無水物、例えば酢酸無水物、環状、直鎖または分枝鎖炭化水素類、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、メチル(methy)シクロヘキサンまたはこれらの溶媒の混合物、例えば水性溶液を、方法の記載において特にことわらない限り含む。かかる溶媒混合物はまた例えば、クロマトグラフィーまたは分配による後処理にも使用し得る。
【0103】
本化合物は、その塩を含み、水和物の形でも得られる可能性がありまたはその結晶は、例えば、その結晶化に使用した溶媒を含み得る。異なる結晶形態が存在し得る。
【0104】
本発明は、また、方法の任意の段階で得られる中間体を出発物質として使用して残りの工程を行うかまたは出発物質を反応条件下で形成させるかまたは誘導体の形で、例えば、保護された形でまたは塩の形態で使用するかまたは本発明の方法により得られる化合物を該方法条件下で製造し、さらにインサイチュで処理する製造法の形態にも関する。
【0105】
本発明の化合物の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は市販されているか、または当業者に既知の有機合成法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。
【0106】
本発明の化合物を、以下のスキーム、実施例を使用して、そして当分野で認識されている技術を使用して合成できる。ここに記載する全ての化合物は、化合物として本発明に包含される。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、可変基R、R、R、R、R、R、Aおよびpが、上の式IまたはI’で定義した通りである、スキーム1〜4に記載した方法の少なくとも1個に従い、合成し得る。
【化12】
【0107】
【化13】
【0108】
【化14】
【0109】
【化15】
【0110】
一般に、式(I)または(I’)の化合物は、スキーム1に従い製造できる。アリールハライド(またはトリフラート)1(X=Br、I、OTf)を宮浦ホウ素化または金属化(例えばオルト−配向リチウム化、ハロゲン−金属交換)とホウ素化に付して、アリールボロン酸エステル(または酸)2を得て、それをピリジルハライド3(Y=Br、IまたはOTf)と、典型的鈴木反応条件下にカップリングさせて、アリール−ピリジルアミン4を得る。ピリジン中の、4のスルホニルハライド(Z=Cl、F、Br)でのスルホニル化により、対応するアリール−ピリジルスルホンアミドIを得る。環Cがヘテロアリールである式(I)または(I’)の化合物は、アリール/フェニルボロン酸(またはエステル)2をヘテロアリールボロン酸(またはエステル)に置き換えて、類似の方法で製造できる。
【0111】
あるいは、式(I)または(I’)の化合物(AがCHRまたはCHRCH)は、スキーム2に従い合成できる。アリールハライド1(X=Br、I、OTf)とピリジルボロン酸エステル(または酸)5(すなわち−B(OR’)中、R’がHまたはアルキルであるかまたは2個のR’が一体となってヘテロシクリル環を形成する)の鈴木カップリングによりアリール−ピリジルアルデヒド6を得て、それを最初にスルホンアミドでチタン(IV)アルコキシドの存在下処理し、続いて求核試薬(例えばRMがハイドライド、グリニヤール、有機リチウム、有機亜鉛または他の有機金属性反応材)と反応させて、Iを得る。環Cがヘテロアリールである式(I)または(I’)の化合物は、アリールハライド(フェニルハライド)1をヘテロアリールハライドに置き換えて、類似の方法で製造できる。
【0112】
式(I)または(I’)の化合物(n=1)は、鈴木および求核性付加の順番をスキーム3に従い入れ替えて、達成できる。ホルミルピリジルハライド7を、スルホンアミドでチタン(IV)アルコキシドの存在下に処理し、続いて求核試薬(例えばRMはハイドライド、グリニヤール、有機リチウム、有機亜鉛または他の有機金属性反応材)と反応させて、8を得て、それをアリールボロン酸エステル2と鈴木カップリングして、Iを得る。化合物7は市販されているかまたは例えばDIBAL(ジ−イソブチルアルミニウムハイドライド)または他の還元剤を使用する対応するニトリルからアルデヒドへの還元により容易に得ることができる。環Cがヘテロアリールである式(I)の化合物は、アリール/フェニルボロン酸(またはエステル)2をヘテロアリールボロン酸(またはエステル)に置き換えて、類似の方法で製造できる。
【0113】
あるいは、8は、スキーム4に記載する方法で合成できる。カルボン酸またはアミド9(Z=OまたはNH)をクルチウスまたはホフマン転位に付してアミン10を得て、それを、ピリジン中、スルホニルハライド(Z=Cl、F、Br)でスルホニル化して、対応するアリール−ピリジルスルホンアミド8を得る。
【0114】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの工程を行うかまたは出発物質を反応条件下でインサイチュで形成させるかまたは反応要素をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本方法の任意の変法を含む。
【0115】
本発明の化合物および中間体はまた互いに一般的にそれ自体既知の方法により変換できる。
【0116】
他の面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、特定の投与経路、例えば経口投与、非経腸投与および直腸投与などのために製剤できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐薬を含む固体形態または溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態に整形できる。医薬組成物は、慣用の医薬操作をしてよく、例えば、滅菌してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤、滑剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝液などを含んでよい。
【0117】
典型的に、医薬組成物は、有効成分を
a) 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b) 滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c) 結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d) 崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩または起沸性混合物;および/または
e) 吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。
【0118】
錠剤は、当分野で既知の方法に従い、フィルムコーティングまたは腸溶性コーティングしてよい。
【0119】
経口投与用の適当な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセルまたはシロップまたはエリキシルの形態で有効量の本発明の化合物を含む。経口使用を意図する製剤は医薬組成物の製造について当分野で既知の方法のいずれかに従い製造し、かかる組成物は、薬学的に洗練され、口に合う製剤を提供するために、甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1個以上の薬剤を含んでよい。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加剤との混合物で含む。これらの添加剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒および崩壊剤、例えば、コーンデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は素錠であるかまたは胃腸管でのその分解および吸収を遅延させ、それにより長期間にわたり持続した活性を提供するための既知の方法でコーティングされる。例えば、時間遅延物質、例えばグリセリルモノラウレートまたはグリセリルジステアレートを用いることができる。経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されてる硬ゼラチンカプセルとしてまたは有効成分が水または油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供できる。
【0120】
ある注射可能組成物は水性等張性溶液または懸濁液であり、坐薬は有利に脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は、滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質も含んでよい。該組成物は慣用の混合、造粒またはコーティング法により各々製造し、約0.1−75%または約1−50%の有効成分を含む。
【0121】
経皮適用に適する組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を超える浸透を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、場合により化合物を宿主皮膚へ制御されかつ予定された速度で送達するための速度制御バリアおよび該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形態である。
【0122】
例えば皮膚および眼への局所適用に適する組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは噴霧可能製剤、例えば、エアロゾルにより送達するものなどを含む。かかる局所送達系は、例えば、皮膚癌の処置のための、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどへの予防使用のための、皮膚適用に特に適する。それらは、それ故に、化粧用を含む、当分野で周知の局所製剤に使用するために特に適する。それらは、可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
【0123】
ここで使用する局所適用は、また、吸入または経鼻適用にも関する。それらは、乾燥粉末(単独でまたは例えば、ラクトースとの乾燥混合物でまたは例えば、リン脂質類との成分粒子混合物で)の形で、乾燥粉末吸入器またはエアロゾルスプレー形態で、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーから、適当な噴射剤を使用してまたは使用せずに送達される。
【0124】
本発明は、さらに、水がある種の化合物の分解を促進し得るため、本発明の化合物を有効成分として含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。
【0125】
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して製造できる。無水医薬組成物は、その無水特性が維持されるように製造および貯蔵し得る。従って、無水組成物は、好ましくは、適当な製剤キットに含まれ得るように水からの暴露を予防することが既知の材料を使用して包装される。適当な包装材の例は、密閉ホイル、プラスチック、単位投与量コンテナ(例えば、バイアル類)、ブリスターパックおよびストリップパックを含むが、これらに限定されない。
【0126】
本発明は、さらに、有効成分としての本発明の化合物が分解する速度を低下させる1種以上の薬剤を含む医薬組成物および投与形態を提供する。かかる薬剤は、ここでは、“安定化剤”と呼び、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤または塩緩衝剤などを含むが、これらに限定されない。
【0127】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物は、価値ある薬理学的特性、例えば、次の章に示すインビトロおよびインビボにおいて示される、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1調節特性を示し、それ故に治療に適応される。
【0128】
本発明の化合物は、低カリウム血症、高血圧、コン症候群、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚または冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、コルチゾールレベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害、コルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰から選択される適応症の処置に有用であり得る。
【0129】
それ故に、さらなる態様として、本発明は、治療における、式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる態様において、治療は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の阻害により改善される疾患から選択される。他の態様において、疾患は上の一覧から選択され、好適には低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、線維症、例えば高血圧および内皮機能障害後の心臓または心筋の線維症およびリモデリング、より好適には鬱血性心不全、心臓または心筋線維症、腎不全、高血圧または心室性不整脈である。
【0130】
他の態様において、本発明は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の阻害により改善される疾患の処置方法であって、治療的許容される量の式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。さらなる態様において、疾患は上の一覧から選択され、好適には低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、線維症、例えば高血圧および内皮機能障害後の心臓または心筋の線維症およびリモデリング、より好適には鬱血性心不全、心臓または心筋線維症、腎不全、高血圧または心室性不整脈である。
【0131】
本発明の医薬組成物または組合せは、約50−70kgの対象に対して約0.01−500mgの有効成分または約0.01−250mgまたは約0.01−150mgまたは約0.01−100mgまたは約0.01−50mgの有効成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物またはその組合せの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患または重度による。通常の技術の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患を予防する、処置するまたは進行を阻止するのに必要な各有効成分の有効量を容易に決定できる。
【0132】
上記投与特性は、インビトロ試験で証明可能である。本発明の化合物は、インビトロで、溶液、例えば、好ましくは水性溶液の形態で適用できる。インビトロでの投与量範囲は、約10−3モル濃度から10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボでの治療有効量は、投与経路により、約0.0001−500mg/kgまたは約0.0001−100mg/kgまたは約0.0003−10mg/kgの範囲であり得る。
【0133】
本発明の化合物の活性を、以下に記載するインビトロ方法で評価できる。
特に、インビトロでのアルドステロンシンターゼ阻害活性を以下のアッセイで決定できる。
【0134】
ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞株をAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA)から得た。インスリン/トランスフェリン/セレン(ITS)−Aサプリメント(100×)、DMEM/F−12、抗生物質/抗真菌剤(100×)およびウシ胎児血清(FBS)をInvitrogen(Carlsbad, CA)から購入した。抗マウスPVTシンチレーションプロキシミティアッセイ(SPA)ビーズおよびNBS 96ウェルプレートを、各々GE Health Sciences(Piscataway, NJ)およびCorning(Acton, MA)から得た。黒一色の96ウェル平底プレートをCostar(Corning, NY)から購入した。アルドステロンおよびアンギオテンシン(Ang II)をSigma(St. Louis, MO)から購入した。D−[1,2,6,7−H(N)]アルドステロンをPerkinElmer(Boston, MA)から得た。Nu−血清は、BD Biosciences(Franklin Lakes, NJ)の製品であった。
【0135】
アルドステロン活性のインビトロ測定のために、ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞を、NBS 96ウェルプレートで25,000細胞/ウェルの密度で、100μlの、10%FCS、2.5%Nu−血清、1μg ITS/mlおよび1×抗生物質/抗菌剤を添加したDMEM/F12を含む増殖培地に播種する。培地を、3日間、37℃で、5%CO/95%空気の雰囲気下の培養後に変える。翌日、細胞を100μLのホスフェート緩衝化食塩水(PBS)で濯ぎ、1μM Ang IIおよび種々の濃度の化合物を含む100μlの処置培地で、4ウェルで、37℃で24時間インキュベートする。インキュベーションの最後に、50μLの培地を各ウェルから取り、マウス抗アルドステロンモノクローナル抗体を使用するSPAによりアルドステロン産生を測定する。
【0136】
アルドステロン活性の測定または96ウェルプレート形式でもできる。各試験サンプルを、0.02μCiのD−[1,2,6,7−H(N)]アルドステロンおよび0.3μgの抗アルドステロン抗体と、0.1%Triton X-100、0.1%ウシ血清アルブミンおよび12%グリセロールを含むPBSPBS中、総量200μlで室温で1時間インキュベートする。抗マウスPVT SPAビーズ(50μL)を各ウェルに添加し、一夜、室温でインキュベートして、Microbetaプレートカウンターで計測する。各サンプル中のアルドステロンの量を、該ホルモンの既知量を使用して作成した標準曲線と比較することにより計算する。
【0137】
CYP11B1のインビトロ阻害活性を以下のアッセイで測定する。
細胞株NCI−H295Rは元々副腎皮質癌腫から単離され、ステロイドホルモン類の刺激可能な分泌およびステロイド産生に必須の酵素の存在により文献で特徴付けされている。それ故に、NCI−H295R細胞は、CYP11B1(ステロイド11 β−ヒドロキシラーゼ)を有する。細胞は、帯状未分化ヒト胎児副腎皮質細胞の生理学的特性を示すが、それは、成体副腎皮質で表現型的に区別できる3つの帯で形成されるステロイドホルモン類を産生する能力を有する
【0138】
NCI−H295R細胞(American Type Culture Collection, ATCC, Rockville, MD, USA)Ulroser SF血清(Soprachem, Cergy-Saint-Christophe, France)、インスリン、トランスフェリン、セレナイト(selenite)(I−T−S、Becton Dickinson Biosiences, Franklin lakes, NJ, USA)および抗生物質を添加したダルベッコ修飾イーグル・ハムF−12培地(DME/F12)で、75cm細胞培養容器中、37℃で95%空気−5%二酸化炭素雰囲気下に増殖させる。その後細胞を24ウェルインキュベーション容器に、コロニー形成のために移す。Ultroser SFの代わりに0.1%ウシ血清を添加したDME/F12培地で、24時間培養する。0.1%ウシ血清アルブミンおよび試験化合物を添加したDME/F12培地中で、細胞刺激剤の存在下または非存在下、72時間培養することにより実験を開始する。試験物質を、0.2ナノモルから20ミリモル濃度の範囲で添加する。使用できる細胞刺激剤はアンギオテンシンII(1Dまたは100ナノモル)、カリウムイオン類(16ミリモル)、フォルスコリン(10マイクロモル)または2刺激剤の組合せである。
【0139】
アルドステロン、コルチゾール、コルチコステロンおよびエストラジオール/エストロンの培養培地への排出を、放射免疫アッセイにおける市販の、特異的モノクローナル抗体により、製造者の指示に従い検出および定量できる。
ある種のステロイドの遊離の阻害を、添加した試験化合物による各酵素阻害の指標として使用できる。酵素活性の化合物による濃度依存的阻害を、IC50により特徴付けられる阻害プロットの手段により計算する。
【0140】
活性試験化合物のIC50値は、データ重み付けなしに阻害プロットを構築するための単純な直線回帰分析により確認する。阻害プロットは、最小二乗法を使用する生データ点に対する4パラメータロジスティック関数の当て嵌めにより計算する。4パラメータロジスティック関数の式は次の通り計算する:Y=(d−a)/((1+(x/c)b))+a、式中:a=最小データ値、b=勾配、I c=ICED、d=最大データレベル、x=阻害剤濃度。
【0141】
アルドステロン産生の阻害活性を、ある濃度の阻害パーセント(阻害%)(例えば1μMでの阻害%)としても表すことができ、これは、本発明の化合物が無いときの細胞のアルドステロン排泄に対する細胞を一定濃度の本発明の化合物(例えば1μM濃度)で処理したときのアルドステロンレベルである:
アルドステロン産生阻害%=[(Y−X)/Y]×100
式中、Xは細胞を式Iの化合物で処理したときのアルドステロンレベルであり;Yは細胞に式Iの化合物がないときのアルドステロンのレベルである。
【0142】
CYP11B1産生の阻害活性も、ある濃度の阻害パーセント(阻害%)(例えば1μMでの阻害%)としても表すことができ、これは、本発明の化合物が無いときの細胞のコルチゾール排泄に対する細胞を一定濃度の本発明の化合物(例えば1μM濃度)で処理したときのコルチゾールレベルである。
コルチゾール産生阻害%=[(Y’−X’)/Y’]×100
式中、X’は細胞を式Iの化合物で処理したときの細胞のコルチゾールのレベルであり;Y’細胞に式Iの化合物がないときのコルチゾールのレベルである。
【0143】
(上に記載する)試験アッセイを使用して、本発明の化合物は以下に記載する表1に示す阻害効果を示す。
【0144】
【表1】
【表2】
【表3】
【0145】
本発明の化合物を、少なくとも1種の他の治療剤と同時にまたはその前にまたは後に投与してよい。本発明の化合物を、別々に、同一または異なる投与経路でまたは一緒に同じ医薬組成物で投与してよい。
【0146】
一つの態様において、本発明は、式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1種の他の治療剤を、治療において同時に、別々にまたは連続して使用するための組合せ製剤として含む、製品を提供する。一つの態様において、治療は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置である。組合せ製剤として提供される製品は、式I’およびI〜VIのいずれかの化合物のいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩および他の治療剤(複数も可)を一緒に同じ医薬組成物で含む組成物または式I〜VIの化合物および他の治療剤(複数も可)を別々の形態で含む、例えば、キットの形態を含む。
【0147】
一つの態様において、本発明は、式I’およびI−VIIのいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩および他の治療剤(複数も可)を含む医薬組成物を提供する。場合により、医薬組成物は上に記載した薬学的に許容される添加剤を含んでよい。
【0148】
一つの態様において、本発明は、その少なくとも1個が、式I−VIIの化合物を含む2個以上の別々の医薬組成物を含むキットを提供する。一つの態様において、キットは、該組成物を別々に保持する手段、例えば、容器、分割されたビンまたは分割されたホイルパケットを含む。かかるキットの例は、錠剤、カプセルなどの包装に典型的に使用されている、ブリスターパックである。
【0149】
本発明のキットは、異なる投与形態、例えば、経口および非経腸投与で投与するために、異なる投与間隔で別の組成物を投与するためにまたは別々の組成物を互いにタイトレーションするために使用し得る。コンプライアンスを助けるために、本発明のキットは、典型的に投与指示書を含む。
【0150】
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および他の治療剤を、同じまたは異なる製造者が製造および/または製剤してよい。さらに、本発明の化合物および他の治療剤を:(i)組合せ製品が医者に開放される前に(例えば、本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)医者自身が(または医者の指導の下に)投与直前に;(iii)患者自身が、例えば、本発明の化合物および他の治療剤の連続的投与の間に組合せ治療にしてよい。
【0151】
従って、本発明は、式I−VIIのいずれか一つの化合物の、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における使用であって、該医薬が他の治療剤との投与のために製造される、使用を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における他の治療剤の使用であって、ここで、該医薬が式I−VIIのいずれかの化合物との投与のために製造される、使用を提供する。
【0152】
本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、式I’またはI−VIIの化合物を、他の治療剤と投与するために製造するものを提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤であって、ここで、他の治療剤を式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と投与するために製造する、方法を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための式I’またはI−VIIの化合物のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、式I’またはI−VIIの化合物のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を他の治療剤と投与するものである、化合物を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤であって、ここで、他の治療剤を式I’またはI−VIIの化合物と投与するものである、治療剤を提供する。
【0153】
本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における式I’およびI−VIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用であって、ここで、患者が予め(例えば24時間以内に)他の治療剤で処置されている、使用を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における他の治療剤の使用であって、ここで、該患者が予め(例えば24時間以内に)式I’およびI−VIIのいずれかの化合物で処置されている、使用を提供する。
【0154】
一つの態様において、他の治療剤は:HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、利尿剤、ApoA−I摸倣剤、抗糖尿病剤、肥満軽減剤、アルドステロン受容体ブロッカー、エンドセリン受容体ブロッカーまたはCETP阻害剤から選択される。
【0155】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、本発明の化合物(例えば、化合物(例えば、式I’およびI−VIIのいずれかの化合物または他にここで記載されている化合物またはその薬学的に許容される塩)を、第二剤と組合せて投与する、方法に関する
【0156】
第二の薬剤または処置“と組み合わせる”なる用語は、本発明の化合物(例えば、式I’およびI−VIIのいずれかの化合物または他にここで記載されている化合物またはその薬学的に許容される塩)と第二剤または処置の共投与、最初に本発明の化合物を投与して第二剤または処置が続く、そして最初に第2剤または処置を適用して、本発明の化合物が続くものを含む。
【0157】
用語“第二剤”は、ここに記載する疾患または障害、例えばアルドステロンシンターゼ関連障害、例えば、低カリウム血症、高血圧、コン症候群、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚および冠動脈の類線維素壊死の処置、予防または症状の軽減のために当分野で既知の任意の薬剤を含む。さらに、第二剤は、本発明の化合物の投与と組み合わせたとき、患者にとって何らかの利益がある薬剤であり得る。

【0158】
第二剤の例は、HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、利尿剤、ApoA−I摸倣剤、抗糖尿病剤、肥満軽減剤、アルドステロン受容体ブロッカー、エンドセリン受容体ブロッカーおよびCETP阻害剤を含む。
【0159】
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシンII受容体のAT受容体サブタイプに結合するが、該受容体の活性化をもたらさない有効成分と解釈される。AT受容体阻害の結果、これらのアンタゴニストは、例えば、降圧剤としてまたは鬱血性心不全の処置に用い得る。
【0160】
AT受容体アンタゴニスト群は、種々の構造特性を有する化合物を含み、本質的に好ましいのは非ペプチド性のものである。例えば、バルサルタン、ロサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、以下の式
【化16】
を有する、E−1477なる名称の化合物、以下の式
【化17】
を有する、SC−52458なる名称の化合物、以下の式
【化18】
を有する、ZD−8731なる名称の化合物またはいずれの場合も、その薬学的に許容される塩から選択される化合物を特記し得る。
【0161】
好ましいAT受容体アンタゴニストは市販されているこのような薬剤であり、最も好ましいのはバルサルタンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0162】
用語“HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤”(別名ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルグルタリル−コエンザイムAレダクターゼ阻害剤)は、血中のコレステロールを含む脂質レベルを低下するために使用し得る有効成分を含む。例は、アトルバスタチン、セリバスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、ジヒドロコンパクチン、フルインドスタチン(fluindostatin)、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン(rivastatin)、シンバスタチンおよびベロスタチン(velostatin)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0163】
用語“ACE阻害剤”(別名アンギオテンシン変換酵素阻害剤)は、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIへの酵素分解を妨害する分子を含む。かかる化合物は血圧制御のために、そして鬱血性心不全の処置のために使用し得る。例は、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリラート、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルおよびトランドラプリルまたはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0164】
用語“カルシウムチャネルブロッカー(CCB)”は、ジヒドロピリジン類(DHP)および非DHP類(例えば、ジルチアゼム型およびベラパミル型CCB)を含む。例は、アムロジピン、フェロジピン、リョシジン(ryosidine)、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびニバルジピンを含み、好ましくは、フルナリジン、プレニラミン、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、ミベフラジル、アニパミル、チアパミルおよびベラパミルまたはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される非DHP剤である。CCBは抗高血圧剤、抗狭心症剤または抗不整脈剤として使用し得る。
【0165】
用語“デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤”は、オマパトリラート(EP629627参照)、ファシドトリルまたはファシドトリラートまたはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“エンドセリンアンタゴニスト”は、ボセンタン(EP526708A参照)、テゾセンタン(WO96/19459参照)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0166】
用語“レニン阻害剤”は、ジテキレン(ditekiren)(化学名:[1S−[1R,2R,4R(1R,2R)]]−1−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−L−プロリル−L−フェニルアラニル−N−[2−ヒドロキシ−5−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−[[[2−メチル−1−[[(2−ピリジニルメチル(mrthyl))アミノ]カルボニル]ブチル]アミノ]カルボニル]ヘキシル]−N−アルファ−メチル−L−ヒスチジンアミド);テルラキレン(terlakiren)(化学名:[R−(R,S)]−N−(4−モルホリニルカルボニル)−L−フェニルアラニル−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(1−メチルエトキシ)−3−オキソプロピル]−S−メチル−L−システインアミド);アリスキレン(化学名:(2S,4S,5S,7S)−5−アミノ−N−(2−カルバモイル−2,2−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−7−{[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル}−8−メチル−2−(プロパン−2−イル)ノナンアミド)およびザンキレン(ザンキレン)(化学名:[1S−[1R[R(R)],2S,3R]]−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−メチルヘキシル]−アルファ−[[2−[[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]メチル]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−アミノ]−4−チアゾールプロパンアミド)またはそれらの塩酸塩またはSpeedelが開発したSPP630、SPP635およびSPP800または式(A)および(B):
【化19】
のRO66−1132およびRO66−1168またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0167】
用語“アリスキレン”は、特に定義しない限り、その遊離塩基およびその塩、特にその薬学的に許容される塩、最も好ましくはそのヘミフマル酸塩の両方として解釈されるべきである。
用語“利尿剤”は、チアジド誘導体(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロロ(clo)チアジドおよびクロロサリトン)を含む。
【0168】
用語“ApoA−I摸倣剤”は、D4Fペプチド類(例えば、式D−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−F)を含む。
【0169】
用語“抗糖尿病剤”は、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進するインスリン分割促進剤を含む。例は、ビグアナイド誘導体(例えば、メトホルミン)、スルホニルウレア類(SU)(例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド(グリコピラミド)、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、1−ブチル−3−メタニリルウレア、カルブタミド、グリボヌリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、フェンブタミドおよびトリルシクラミド)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。さらなる例は、フェニルアラニン誘導体(例えば、式
【化20】
のナテグリニド[N−(trans−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン](EP196222およびEP526171参照));レパグリニド[(S)−2−エトキシ−4−{2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]−2−オキソエチル}安息香酸]EP589874、EP147850A2、特に61ページの実施例11およびEP207331A1参照);カルシウム(2S)−2−ベンジル−3−(cis−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)−プロピオネート二水和物(例えば、ミチグリニド(EP507534参照));およびグリメピリド(EP31058参照)を含む。さらなる例は、DPP−IV阻害剤、GLP−1およびGLP−1アゴニストを含む。
【0170】
DPP−IVは、GLP−1の不活化に係わる。より具体的に、DPP−IVはGLP−1受容体アンタゴニストを産生し、それによりGLP−1に対する生理学的応答を短縮する。GLP−1は膵臓インスリン分泌の主刺激因子であり、グルコース処理に対する直接的な有利な効果を有する。
【0171】
DPP−IV阻害剤はペプチド性でも、好ましくは、非ペプチド性でもよい。DPP−IV阻害剤は、いずれの場合も、例えば、WO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241およびWO95/15309に一般的におよび具体的に、いずれの場合も特に化合物請求項および作業実施例の最終生成物に記載されており、最終生成物の対象、医薬製剤および特許請求の範囲を、これらの刊行物を引用することにより、本明細書に包含させる。好ましいのは、WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1にそれぞれ具体的に記載されている化合物である。
【0172】
GLP−1は、例えばW.E. Schmidt et al. in Diabetologia, 28, 1985, 704-707およびUS5,705,483に記載されたインスリン分泌性タンパク質である。
【0173】
用語“GLP−1アゴニスト”は、GLP−1(7−36)NHの変異体および類似体を含み、それらは、特にUS5,120,712、US5,118666、US5,512,549、WO91/11457およびC. Orskov et al in J. Biol. Chem. 264 (1989) 12826に記載されている。さらなる例は、Arg36のカルボキシ末端アミド官能基がGLP−1(7−36)NH分子の37位でGlyに置換されているGLP−1(7−37)およびGLN−GLP−1(7−37)、D−GLN−GLP−1(7−37)、アセチルLYS−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)および特に、GLP−1(7−37)OH、VAL−GLP−1(7−37)、GLY−GLP−1(7−37)、THR−GLP−1(7−37)、MET−GLP−1(7−37)および4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含むその変異体およびアナログを含む。特に好ましいのはまた、Greig et al. in Diabetologia 1999, 42, 45-50に記載されているGLPアゴニストアナログエキセンジン−4。
【0174】
定義“抗糖尿病剤”に包含されるのはまたインスリン増感剤であり、それは、障害されたインスリン受容体機能を、インスリン抵抗性を低下させ、その結果、インスリン感受性を高めることにより回復させる。例は、血糖低下性チアゾリジンジオン誘導体(例えば、グリタゾン、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297))を含む。
【0175】
さらなる抗糖尿病剤は、インスリンシグナル経路モジュレーター、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ類(PTPase)の阻害剤、抗糖尿病性非小分子摸倣化合物およびグルタミン−フルクトース−6−ホスフェートアミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤;脱制御された肝臓グルコース産生に影響する化合物、例えばグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)の阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−Bpase)の阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)の阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニストおよびスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤;ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDHK)阻害剤;胃排泄阻害剤;インスリン;GSK−3の阻害剤レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト;ベータ−3ARアゴニスト;非共役タンパク質(UCP)のアゴニスト;非グリタゾン型PPARγアゴニスト;デュアルPPARα/PPARγアゴニスト;抗糖尿病性バナジウム含有化合物;インクレチンホルモン類、例えばグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)およびGLP−1アゴニスト;ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト;ミグリトール;α−アドレナリンアンタゴニスト;およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0176】
用語“肥満軽減剤”は、リパーゼ阻害剤(例えば、オーリスタット)および食欲抑制剤(例えば、シブトラミンおよびフェンテルミン)を含む。
用語“アルドステロン受容体ブロッカー”はスピロノラクトンおよびエプレレノンを含む。
用語“エンドセリン受容体ブロッカー”はボセンタンを含む。
【0177】
用語“CETP阻害剤”は、種々のコレステイルエステル類およびトリグリセリド類のHDLからLDLおよびVLDLへのコレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)仲介輸送を阻害する化合物を意味する。かかるCETP阻害活性は、標準アッセイ(例えば米国特許6,140,343)に従い、当業者により容易に決定できる。例は、米国特許6,140,343および米国特許6,197,786に開示されている化合物(例えば、[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ);米国特許6,723,752に開示されている化合物(例えば、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール);米国特許出願10/807,838に開示されている化合物;米国特許5,512,548に開示されているポリペプチド誘導体;それぞれJ. Antibiot., 49(8): 815-816 (1996)およびBioorg. Med. Chem. Lett.; 6: 1951-1954 (1996)に開示されているロセノノラクトン誘導体およびコレステリルエステル類のホスフェート含有アナログを含む。さらに、CETP阻害剤はまたWO2000/017165、WO2005/095409およびWO2005/097806に開示されているものも含む。
【0178】
発明の例示
【表4】
【表5】
【0179】
以下の実施例は本発明を説明することを意図し、それに限定されると解釈してはならない。温度は摂氏度で記載する。特に断らない限り、蒸発は減圧下、好ましくは約15mmHg〜100mmHg(=20−133mbar)で行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造は、標準的分析法、例えば、微量分析および分光特性、例えば、MS、IR、NMRで確認する。使用する略語は当分野で一般的なものである。
【0180】
本発明の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、反応材、酸類、塩基類、脱水剤、溶媒および触媒は市販のものであるか、当業者に既知の有機合成法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。さらに、本発明の化合物を以下の実施例に示す当業者に既知の有機合成法により製造できる。
【実施例】
【0181】
実施例1:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド
【化21】
工程1:2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルの合成
【化22】
4−ブロモ−2−クロロベンゾニトリル(15g、69.3mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(17.60g、69.3mmol)、酢酸カリウム(13.60g、139mmol)およびPdCl(dppf).CHCl付加物(2.83g、3.46mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)中の混合物を80℃で4.5時間加熱した。濾過および濃縮後、残留物をCHClに溶解し、セライトと混合した。濃縮後、残留物をカラム(120g isco)に載せ、酢酸エチル/ヘプタン(v/v、0%−5%)でフラッシュし、無色固体16.4gを得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.35 (s, 12H), 7.61 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H)。
【0182】
工程2:4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリルの合成
【化23】
(一般的鈴木反応方法1)2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(1.32g、5mmol)、5−ブロモ−ピリジン−3−イルアミン(865mg、5mmol)、s−PHOS(103mg、0.25mmol)、リン酸カリウム(2.12g、10mmol)およびPd(dba)(41.2mg、0.1mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を95℃で一夜(18時間)加熱した。濾過および濃縮後、残留物をCHClに溶解し、セライトと混合した。濃縮後、残留物をカラム(MeOH−CHCl、v/v、1%−3.5%)に載せ、明褐色固体を得た(500mg)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 4.82 (brs, 2H), 7.11 (t, J = 2 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0183】
工程3:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミドの合成
【化24】
(一般的スルホニル化方法1)エチルスルホニルクロライド(77mg、0.6mmol、4当量)を、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(34.5mg、0.15mmol、1当量)の無水ピリジン(1mL)溶液に0℃で添加した。この混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をフラッシュカラム(ジクロロメタン/メタノール、v/v、1%−10%)で精製して、無色生成物を得た。ESI-MS m/z: 322.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 1.59 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 3.33-3.34 (m ,2H), 7.72 (d, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.88 (s, 1H)。
【0184】
以下の化合物を類似の方法で合成した:
(一般的スルホニル化方法2):4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、スルホニルクロライド誘導体(1.1当量)を添加した。この混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物の一定量の分析的LC−MSによる分析で、反応の完了が示されたら、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を飽和水性NaHCOで洗浄した。水性相(塩基性pH)を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過した。得られた濾液を真空で濃縮して、粗物質を得て、それを以下の方法のいずれかで精製した:
− ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出するシリカゲルカラムでのISCOフラッシュクロマトグラフィー系による。
− ジクロロメタン/メタノール95/5で溶出する分取TLCによる。
− またはメタノール中での沈殿および濾過による。
【0185】
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MSおよびNMRで同定した。
分析的LC−MS(系1):Waters Acquity UPLC、ランタイム:6.00分、Acquityカラム2.1×50mm HSS T3 1.8μ。溶媒A:水+3mM酢酸アンモニウム+0.05%ギ酸(98%〜2%)、溶媒B:アセトニトリル+0.04%ギ酸(2%〜98%)
H NMR(系2):400Mhz Brucker Analytik GmbH、DMSO−d中で実験
H NMR(系3):500Mhz Brucker BioSpin GmbH、DMSO−d中で実験
【0186】
実施例2:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メトキシ−ベンゼン−スルホンアミド:
【化25】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロライド(19.8mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド(15mg、>95%純度、収率:43%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 400 [M+H]+, 保持時間 = 2.61分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.77 (s, 3 H) 7.02 - 7.06 (m, 2 H) 7.69 - 7.72 (m, 2 H) 7.73 (d, J = 1.89 Hz, 1 H) 7.75 (d, J = 1.77 Hz, 1 H) 7.99 (d, J = 1.64 Hz, 1 H) 8.06 (d, J = 8.08 Hz, 1 H) 8.27 (d, J = 2.27 Hz, 1 H) 8.60 (d, J = 1.89 Hz, 1 H) 10.58 (br. s., 1 H)。
【0187】
実施例3:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−ベンゼン−スルホンアミド:
【化26】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロライド(18.6mg、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物をメタノール中での沈殿により精製し、凍結乾燥して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(13.5mg、>95%純度、収率:40%)を得た。
単離した生成物をLC−MS(系1)およびNMR(系3)で同定した:ESI-MS m/z: 388 [M+H]+, 保持時間 = 2.29分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.38 - 7.44 (m, 3 H) 7.78 (d, J = 1.83 Hz, 1 H) 7.79 - 7.83 (m, 1 H) 7.83 - 7.90 (m, 2 H) 8.05 (d, J = 1.53 Hz, 1 H) 8.10 (d, J = 8.24 Hz, 1 H) 8.31 (d, J = 2.44 Hz, 1 H) 8.69 (d, J = 1.83 Hz, 1H) 10.78 (s, 1 H)。
【0188】
実施例4:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−エチル−ベンゼン−スルホンアミド:
【化27】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−エチル−ベンゼンスルホニルクロライド(15.5μl、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物をメタノール中での沈殿により精製し、凍結乾燥して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミドを得た(14.3mg、>95%純度、収率:41.4%)。
単離した生成物をLC−MS(系1)およびNMR(系3)で同定した:ESI-MS m/z: 398 [M+H]+, 保持時間 = 2.54分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.14 (t, J = 7.55 Hz, 3 H) 2.63 (q, J = 7.63 Hz, 2 H) 7.39 (d, J = 8.39 Hz, 2 H) 7.71 (d, J = 8.24 Hz, 2 H) 7.76 (d, J = 1.68 Hz, 1 H) 7.77 - 7.78 (m, 1 H) 8.01 (d, J = 1.53 Hz, 1 H) 8.09 (d, J = 8.09 Hz, 1 H) 8.31 (d, J = 2.44 Hz, 1 H) 8.64 (d, J = 1.68 Hz, 1 H) 10.70 (br. s., 1 H)。
【0189】
実施例5:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−シアノ−ベンゼン−スルホンアミド:
【化28】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロライド(19.3mg、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物を分取TLCで精製し、プレートをジクロロメタン/メタノール95/5で溶出して得た(15.5mg、>95%純度、収率:39.4%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系3)により同定した:ESI-MS m/z: 395 [M+H]+, 保持時間 = 2.20分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.81 (d, J = 8.09 Hz, 1 H) 7.84 (br. s., 1 H) 7.94 - 7.97 (m, 2 H) 8.03 - 8.05 (m, 2 H) 8.06 (br. s., 1 H) 8.10 (d, J = 8.24 Hz, 1 H) 8.31 (s, 1 H) 8.71 (s, 1 H) 11.03 (br. s., 1 H)。
【0190】
実施例6:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド:
【化29】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロライド(23.4mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミドを得た(15mg、>95%純度、収率:40%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系3)により同定した:ESI-MS m/z: 438 [M+H]+, 保持時間 = 2.57分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.80 (dd, J = 8.24, 1.53 Hz, 1 H) 7.82 (d, J = 1.98 Hz, 1 H) 7.93 - 7.98 (m, 2 H) 7.98 - 8.03 (m, 2 H) 8.04 (s, 1 H) 8.09 (d, J = 8.09 Hz, 1 H) 8.31 (s, 1 H) 8.68 (br. s., 1 H) 11.00 (br. s., 1 H)。
【0191】
実施例7:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド:
【化30】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、4−フルオロ2−メチル−ベンゼンスルホニルクロライド(14μl、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物をメタノール中での沈殿により精製し、凍結乾燥して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド(17mg、>95%純度、収率:48.7%)。
単離した生成物をLC−MS(系1)およびNMR(系3)で同定した:ESI-MS m/z: 402 [M+H]+, 保持時間 = 2.44分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.61 (s, 3 H) 7.17 - 7.23 (m, 1 H) 7.30 (dd, J = 9.92, 2.14 Hz, 1 H) 7.70 (s, 1 H) 7.74 (dd, J = 8.09, 1.68 Hz, 1 H) 7.99 (d, J = 1.53 Hz, 1 H) 8.01 (d, J = 5.80 Hz, 1 H) 8.09 (d, J = 8.24 Hz, 1 H) 8.33 (d, J = 2.14 Hz, 1 H) 8.60 (br. s., 1 H) 10.94 (br. s., 1 H)。
【0192】
実施例8:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミド:
【化31】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ−エタンスルホニルクロライド(10.6μl、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物を分取TLCで精製し、プレートをジクロロメタン/メタノール95/5で溶出して、N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミドを得た(9mg、>95%純度、収率:27.6%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系3)により同定した:ESI-MS m/z: 376 [M+H]+, 保持時間 = 2.10分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.75 (q, J = 9.66 Hz, 2 H) 7.87 - 7.91 (m, 2 H) 8.11 - 8.14 (m, 1 H) 8.14 (s, 1 H) 8.46 (d, J = 2.44 Hz, 1 H) 8.74 (d, J = 1.83 Hz, 1 H) 10.94 (br. s., 1 H)。
【0193】
実施例9:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−フェニル−メタンスルホンアミド:
【化32】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、アルファ−トルエンスルホニルクロライド(18.3mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−フェニル−メタンスルホンアミドを得た(14.3mg、>95%純度、収率:42.8%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した: ESI-MS m/z: 384 [M+H]+, 保持時間 = 2.22分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.65 (s, 2 H) 7.29 - 7.32 (m, 5 H) 7.63 (t, J = 2.21 Hz, 1 H) 7.76 (dd, J = 8.15, 1.71 Hz, 1 H) 8.00 (d, J = 1.64 Hz, 1 H) 8.09 (d, J = 8.21 Hz, 1 H) 8.35 (d, J = 2.53 Hz, 1 H) 8.61 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 10.24 (br. s., 1 H)。
【0194】
実施例10:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2−フェノキシエタンスルホンアミド:
【化33】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)の溶液に、2−フェノキシ−エタンスルホニルクロライド(21.14mg、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物を分取TLCで精製し、プレートをジクロロメタン/メタノール95/5で溶出して、N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2−フェノキシエタンスルホンアミド(8.1mg、>95%純度、収率:22.5%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 414 [M+H]+, 保持時間 = 2.32分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.73 (t, J = 5.43 Hz, 2 H) 4.31 (t, J = 5.49 Hz, 2 H) 6.75 - 6.80 (m, 2 H) 6.89 (t, J = 7.33 Hz, 1 H) 7.18 - 7.24 (m, 2 H) 7.77 (dd, J = 8.08, 1.77 Hz, 1 H) 7.83 (t, J = 2.27 Hz, 1 H) 8.00 (d, J = 1.64 Hz, 1 H) 8.07 (d, J = 8.21 Hz, 1 H) 8.45 (d, J = 2.40 Hz, 1 H) 8.62 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 10.38 (br. s., 1 H)。
【0195】
実施例11:N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド:
【化34】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に4−メチル−ベンゼンスルホニルクロライド(18.3mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを得た(14.8mg、>95%純度、収率:44.3%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 384 [M+H]+, 保持時間 = 2.35分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.32 (s, 3 H) 7.31 - 7.36 (m, 2 H) 7.64 - 7.68 (m, 2 H) 7.73 (d, J = 1.64 Hz, 1 H) 7.75 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 7.99 (d, J = 1.52 Hz, 1 H) 8.07 (d, J = 8.21 Hz, 1 H) 8.28 (d, J = 2.27 Hz, 1 H) 8.62 (d, J = 1.77 Hz, 1 H) 10.64 (br. s., 1 H)。
【0196】
実施例12:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−1−(2−クロロフェニル)メタンスルホンアミド:
【化35】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)の溶液に、(2−クロロ−フェニル)−メタンスルホニルクロライド(21.6mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−(2−クロロ−フェニル)−メタンスルホンアミドを得た(15.1mg、>95%純度、収率:41.5%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 418 [M+H]+, 保持時間 = 2.34分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.80 (s, 2 H) 7.30 - 7.32 (m, 2 H) 7.37 - 7.39 (m, 1 H) 7.47 - 7.49 (m, 1 H) 7.69 (t, J = 2.27 Hz, 1 H) 7.75 (dd, J = 8.08, 1.77 Hz, 1 H) 7.98 (d, J = 1.77 Hz, 1 H) 8.09 (d, J = 8.08 Hz, 1 H) 8.37 (d, J = 2.53 Hz, 1 H) 8.61 (d, J = 1.89 Hz, 1 H) 10.50 (br. s., 1 H)。
【0197】
実施例13:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)メタンスルホンアミド:
【化36】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)の溶液に(4−フルオロ−フェニル)−メタンスルホニルクロライド(20mg、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−メタンスルホンアミドを得た(8.2mg、>95%純度、収率:23.4%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 402 [M+H]+, 保持時間 = 2.24分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.67 (s, 2 H) 7.09 - 7.16 (m, 2 H) 7.29 - 7.37 (m, 2 H) 7.66 (t, J = 2.27 Hz, 1 H) 7.78 (dd, J = 8.15, 1.71 Hz, 1 H) 8.02 (d, J = 1.64 Hz, 1 H) 8.09 (d, J = 8.08 Hz, 1 H) 8.34 (d, J = 2.40 Hz, 1 H) 8.61 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 10.24 (br. s., 1 H)。
【0198】
実施例14:シクロプロパンスルホン酸[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アミド:
【化37】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、シクロプロパンスルホニルクロライド(9.8μl、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物をジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、シクロプロパンスルホン酸[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アミドを得た(8.5mg、>95%純度、収率:29.2%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 334 [M+H]+, 保持時間 = 1.90分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.93 - 0.99 (m, 4 H) 2.80 - 2.85 (m, 1 H) 7.84 (dd, J = 8.08, 1.64 Hz, 1 H) 7.89 (t, J = 2.21 Hz, 1 H) 8.08 (d, J = 8.08 Hz, 1 H) 8.10 (s, 1 H) 8.48 (d, J = 2.40 Hz, 1 H) 8.70 (d, J = 1.89 Hz, 1 H) 10.15 (br. s., 1 H)。
【0199】
実施例15:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミド:
【化38】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、プロパン−1−スルホニルクロライド(10.8μl、96μmol、1.1当量)を添加した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールの混合物で溶出する順相(4g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)CompanionTMフラッシュクロマトグラフィー系で精製して、N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミドを得た(13.6mg、>95%純度、収率:46.5%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系2)で同定した:ESI-MS m/z: 336 [M+H]+, 保持時間 = 2.02分, 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.92 (t, J = 7.39 Hz, 3 H) 1.62 - 1.69 (m, 2 H) 2.90 - 2.94 (m, 2 H) 7.62 (t, J = 2.27 Hz, 1 H) 7.76 (dd, J = 8.15, 1.71 Hz, 1 H) 7.98 (d, J = 1.39 Hz, 1 H) 8.03 (d, J = 8.21 Hz, 1 H) 8.20 (d, J = 2.40 Hz, 1 H) 8.28 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 10.12 (br. s., 1 H)。
【0200】
実施例16:N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブタン−1−スルホンアミド:
【化39】
実施例1の一般的スルホニル化方法2に従い、4−(5−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−クロロ−ベンゾニトリル(20mg、87μmol、1当量)の無水ピリジン(500μl)溶液に、ブタン−1−スルホニルクロライド(12.4mg、96μmol、1.1当量)を添加した。生成物を分取TLCで精製し、プレートをジクロロメタン/メタノール95/5で溶出して、N−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブタン−1−スルホンアミドを得た(14.2mg、>95%純度、収率:46.6%)。
単離した生成物を凍結乾燥し、LC−MS(系1)およびNMR(系3)により同定した:ESI-MS m/z: 350 [M+H]+, 保持時間 = 2.21分, 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.84 (t, J = 7.32 Hz, 3 H) 1.33 - 1.41 (m, 2 H) 1.63 - 1.70 (m, 2 H) 3.24 (t, J = 7.72 Hz, 2 H) 7.84 - 7.88 (m, 2 H) 8.12 (d, J = 8.09 Hz, 1 H) 8.11 (d, J = 1.68 Hz, 1 H) 8.48 (d, J = 2.44 Hz, 1 H) 8.70 (d, J = 1.83 Hz, 1 H) 10.24 (br. s., 1 H)。
【0201】
実施例17:N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミド:
【化40】
工程1:2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリルの合成
【化41】
4−ブロモ−2−メトキシ−ベンゾニトリル(1g、4.72mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.198g、4.72mmol)、酢酸カリウム(0.926g、9.43mmol)およびPdCl(dppf).CHCl付加物(0.193g、0.236mmol)の1,4−ジオキサン(10mL、乾燥)中の混合物を80℃で5時間加熱した。この混合物を濃縮し、残留物をiscoカラム(酢酸エチル−ヘプタン、v/v、10%−20%)で精製して、無色固体を得た(850mg)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.35 (s, 12H), 3.97 (s, 3H), 7.35 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 7.5 Hz, 1H)。
【0202】
工程2:4−(5−アミノピリジン−3−イル)−2−メトキシベンゾニトリルの合成
【化42】
実施例1の一般的鈴木反応方法1を改変せずに使用した。ESI (M+H) 226.1。
【0203】
工程3:N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホンアミドの合成
【化43】
実施例1の一般的スルホニル化方法1をここで使用した。ESI-MS m/z: 372.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 4.05 (s, 3H), 4.36 (q, J = 9.4 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 1.4, 7.9 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.74 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 1.7 Hz, 1H)。
【0204】
以下の化合物を類似の方法で合成した:
実施例18:N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド
【化44】
実施例1の一般的スルホニル化方法1をここで使用した:ESI-MS m/z: 318.1 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.35 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 3.22 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.05 (s, 3H), 7.34 (dd, J = 1.44, 8 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.97 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.47 (d, J = 2Hz, 1H), 8.62 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0205】
実施例19:N−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパン−スルホンアミド:
【化45】
実施例1の一般的スルホニル化方法1をここで使用した。ESI-MS m/z: 330.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.90-1.10 (m, 4H), 2.60-2.70 (m, 1H), 4.05 (s, 3H), 7.34 (dd, J = 1.40, 8 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.00 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.65 (d, J = 2 Hz, 1.8 H)。
【0206】
実施例20:N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)メタン−スルホンアミド:
【化46】
工程1:4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−2−メトキシ−ベンゾニトリルの合成
【化47】
4−ブロモ−2−メトキシベンゾニトリル(0.424g、2.000mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチンアルデヒド(0.466g、2.000mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、0.050mmol)および炭酸ナトリウム(水中2M、2.00mL、4.00mmol)のDME(50mL)中の混合物を90℃で6時間加熱した。乾燥NaSOのパッドを通した濾過および濃縮後、残留物をカラムで精製して、無色固体を得た(430mg)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 4.04 (s, 3H), 6.99 (s, 1H), 7.27 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.34 (t, J = 2 Hz, 1H), 9.07 (d, J = 2.36 Hz, 1H), 9.12 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 10.22 (s, 1H)。
【0207】
工程2:N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)メタンスルホンアミドの合成
【化48】
(一般的還元的アミノ化方法):チタン(IV)イソプロポキシド(0.098ml、0.336mmol)を、4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−2−メトキシ−ベンゾニトリル(40mg、0.168mmol)およびメタンスルホンアミド(23.96mg、0.252mmol)のトルエン(10mL)中の混合物に滴下した。得られた混合物を140℃(浴温度)で3時間加熱した。濃縮後、残留物をCHCl(10mL)に溶解した。NaBH(OAc)(107mg、0.504mmol)を室温で添加した。得られた混合物を室温で一夜(18時間)撹拌した。反応を飽和NaHCO溶液(10mL)の添加によりクエンチした。この混合物を濾過し、有機層を分離した。水性層をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をiscoカラム(MeOH−CH2Cl2、v/v、15〜3%)で精製して、無色固体を得た(31mg)。HRMS 317.08431M+, C15H15N3O3Sは317.08341を必要とし, ESI-MS m/z: 318.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 2.94 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.38 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.70 (m, 1H), 7.06 (d, J = 1.24 Hz, 1H), 7.16 (m, 1H), 7.60 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 8.57 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.73 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0208】
以下の化合物を類似の方法で合成した。
実施例21:N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化49】
実施例20に記載した一般的還元的アミノ化方法をここで使用した:HRMS 332.10777 (M+H)+, C16H18N3O3Sは332.0991を必要とし, 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.07 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.02 (s, 3H), 4.42 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.80 (m, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.18 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.94 s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.78 (s, 1H)。
【0209】
実施例22:N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド:
【化50】
実施例20に記載した一般的還元的アミノ化方法をここで使用した:HRMS 371.05582M+, C15H12F3N3O3Sは371.05515を必要とし; ESI-MS m/z: 371.9 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 3.96 (s, 3H), 4.51 (s, 2H), 7.04 (s, 1H), 7.13 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.74 (s, 1H)。
【0210】
実施例23:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
【化51】
工程1:2−クロロ−4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリルの合成
【化52】
4−ブロモ−2−クロロベンゾニトリル(1.082g、5mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチンアルデヒド(1.165g、5.00mmol)、Pd(PPh)(0.144g、0.125mmol)、炭酸ナトリウム(2.5mL、5.00mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)中の混合物を6時間加熱還流した。室温に冷却後、固体を濾過し、酢酸エチルおよび水で洗浄した。真空下で乾燥後、黄色粉末を回収した(1g)。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.63 (dd, J = 1.68, 8 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 1.68 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 2.24 Hz, 2.04 Hz, 1H), 9.07 (d, J = 2.36 Hz, 1H), 9.15 (d, J = 1.88 Hz, 1H), 10.22 (s, 1H)。
【0211】
工程2:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化53】
実施例20に記載した一般的還元的アミノ化方法をここで使用した:
ESI-MS m/z: 336.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 1.34 (t, J = 7.37 Hz, 3H), 3.01 (q, J = 7.37 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 4.50 (m, 1H), 7.53 (dd, J = 1.7, 8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 1.7Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 8.58 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0212】
実施例24:N−((5−(4−シアノ−3−エトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
【化54】
工程1:4−ブロモ−2−エトキシ−ベンゾニトリルの合成
【化55】
4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゾニトリル(5g、25.00mmol)、炭酸カリウム(10.37g、75.0mmol)、エタノール(6.86mL、117mmol)のDMF(50mL)中の混合物を60℃で一夜加熱した。濾過および濃縮後、残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、溶液を水(30mL)および塩水(50mL)で洗浄した。NaSOで乾燥後、濾過および濃縮し、明褐色固体(5.7g)をさらに精製せずに得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.49 (t, J = 7 Hz, 3H), 4.14 (q, J = 7 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H)。
【0213】
工程2:2−エトキシ−4−(5−ホルミルピリジン−3−イル)ベンゾニトリルの合成
【化56】
4−ブロモ−2−エトキシベンゾニトリル(1.13g、5.00mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチンアルデヒド(1.165g、5.00mmol)、炭酸ナトリウム(5.00mL、10.00mmol)およびPd(PPh)(1.136g、0.125mmol)のDME(20mL)中の混合物を6時間加熱還流した。室温に冷却後、濾過、NaSOで乾燥させ、濃縮し、無色固体を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.14 (d, J = 1.5Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8, 1.5 Hz, 1H), 7.70 (d, J 8 = Hz, 1H), 8.33 (t, J = 2 Hz, 1H), 9.06 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.11 (d, J = 2 Hz, 1H), 10.21 (s, 1H)。
【0214】
工程3:N−((5−(4−シアノ−3−エトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化57】
チタン(IV)イソプロポキシド(234μL、0.800mmol)を、2−エトキシ−4−(5−ホルミルピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(101mg、0.400mmol)、エタンスルホンアミド(52.4mg、0.480mmol)のトルエン(20mL)中の混合物に滴下した。得られた混合物を140℃で2時間加熱した。濃縮後、残留物をCHCl(10mL)に溶解し、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(254mg、1.200mmol)を室温で添加した。得られた混合物を一夜撹拌し、NaHCO溶液でクエンチした。濾過、抽出および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CHCl、v/v、1%−3.5%)で精製して、無色油状物(100mg)を得て、それは静置後無色固体に変わった。ESI-MS m/z: 317.9 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.40 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.53 (t, J = 7 Hz, 3H), 3.08 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 4.25 (q, J = 7 Hz, 2H), 4.43 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 4.59 (brs, 1H), 7.10 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.77 (s, 1H)。
【0215】
実施例25:N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)−2−メチルプロピル)エタンスルホンアミド:
【化58】
【化59】
(一般的グリニヤール付加反応方法):2−クロロ−4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリル(0.243g、1mmol)、チタン(IV)イソプロポキシド(0.586mL、2.000mmol)、エタンスルホンアミド(0.109g、1.000mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を4時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(15mL)に溶解し、−40℃に冷却した。イソプロペニルマグネシウムブロマイド(1.500mL、3.000mmol)溶液を滴下し、得られた混合物を−20℃までゆっくり温め、その温度で4時間撹拌した。NHCl溶液でクエンチし、濾過し、CHClでの抽出後、溶液をNaSOで乾燥させ、濃縮し、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CHCl、v/v、1%−3%)で精製して、黄色固体を得た(90mg)。鏡像体ChiralPak IAカラムで、40%EtOH 60%ヘプタンで分離した。第一ピーク14分(鏡像体1)、第二ピーク20分(鏡像体2)。ESI-MS m/z: 378.1 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.93 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.21 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 2.04-2.11 (m, 1H), 2.76-2.91 (m, 2H), 4.36 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.77 (s, 1H)。
【0216】
以下の化合物を類似の方法で合成した:
実施例26:N−(1−(5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド:
【化60】
実施例25に記載した一般的グリニヤール付加反応方法をここで使用した。2個の鏡像体を、キラルHPLC(ChiralPak IAカラム、MeOH 20%のSFC溶液;流速40、圧20.00)で鏡像体1:t1=1.47分、鏡像体2:t2=2.13分間に分離した。M+のHRMS 345.11623、C17H19N3O3Sは345.11471を必要とする。ESI-MS m/z: 346.0 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ ppm 1.25 (t, J = 7.29 Hz, 3H), 1.58 (d, J = 6.76 Hz, 3H), 2.77-2.88 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 4.58 (d, J = 5.04 Hz, 1H), 4.71-4.75 (m, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.14 (d, J = 8 Hz Hz, 1H), 7.6 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.71 (s, 1H)。
【0217】
実施例27:N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド
【化61】
実施例25に記載した一般的グリニヤール付加反応方法をここで使用した。2個の鏡像体を、キラルHPLC(ChiralPak IAカラム、MeOH 20%のSFC溶液;流速80、圧130)で鏡像体1:t1=5分、鏡像体2:t2=10分間に分離した。ESI-MS m/z: 349.9 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.46 (t, J = 8 Hz, 3H), 1.79 (d, J = 8 Hz, 3H), 2.95-3.10 (m, 2H), 4.65-4.70 (m, 1H), 4.90-5.00 (m, 1H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.92 (s, 1H)。
【0218】
実施例28:N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)ブチル)エタンスルホンアミド
【化62】
実施例25に記載した一般的グリニヤール付加反応方法をここで使用した。をキラルHPLC(ChiralpaK IA-Hカラム、ヘプタン−エタノール、v/v、60:40)で分離した。鏡像体1:t1=10分、鏡像体2:t2=16.9分間。ESI-MS m/z: 378.2 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, MeOD): δ 0.99 (m, 3H), 1.17 (m, 3H), 1.29-1.52 (m, 2H), 1.73-1.91 (m, 2H), 2.79-2.99 (m, 2H), 4.56 (m, 1H), 7.82 (dd, J = 1.6, 8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.80 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0219】
実施例29:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化63】
工程1(方法1):N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化64】
チタン(IV)イソプロポキシド(0.365mL、1.245mmol)を、2−クロロ−4−(5−ホルミルピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(実施例23の通りに製造、工程1;0.151g、0.622mmol)、エタンスルホンアミド(0.085g、0.778mmol)のトルエン(10mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物を4時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(5mL)に溶解し、−40℃に冷却した。シクロプロピルマグネシウムブロマイド(3.73mL、1.867mmol)を滴下し、得られた混合物をゆっくり室温に温め、一夜撹拌した。飽和NHCl溶液でクエンチ後、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル−ヘプタン、v/v、40%−60%)で精製して、僅かに黄色固体を得た。
【0220】
工程1(方法2):N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化65】
5−ブロモニコチンアルデヒド(372mg、2mmol),エタンスルホンアミド(273mg、2.500mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(1172μl、4.00mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(25mL)に溶解し、−40℃に冷却した。A溶液ofシクロプロピルマグネシウムブロマイド(10mL、5.00mmol)を滴下し、得られた混合物を−20℃までゆっくり温め、その温度で4時間撹拌した。飽和NHCl溶液でクエンチ後、濾過、CHClでの抽出、溶液をNaSOで乾燥させおよび濃縮した。残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%−35%)で精製して、表題生成物を油状物として得た(430mg)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.2-0.3 (m, 1H), 0.4-0.5 (m, 1H), 0.5-0.6 (m, 1H), 0.6-0.7 (m, 1H), 1.0-1.1 (m, 1H), 1.1-1.2 (m, 3H), 2.55-2.75 (m, 2H), 3.6-3.7 (m, 1H), 4.51 (brd, J = 4.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.51 (s, 1H)。
【0221】
工程2(方法2):N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化66】
N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(5g、15.66mmol)、2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(実施例1の通りに製造、工程1;4.13g、15.66mmol)、炭酸ナトリウム(15.66mL、31.3mmol)およびPdCl(dppf).CHCl付加物(0.320g、0.392mmol)のDMF(100mL)中の混合物を100℃で25分間加熱した。濃縮後、残留物をCHClに溶解し、NaSOのパッドを通して濾過した。溶液をセライトに吸着させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、30%−50%−80%、v/v)で精製して、表題化合物を無色固体として得た(5.0g)。キラルHPLC(超臨界流体クロマトグラフィーを使用するChiralpak AD-H。超臨界COと共に、65gで1分間あたり25%メタノール)でキラル分割して、鏡像体1(S)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=3分)および鏡像体2(R)−N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=4分)を得た。ESI-MS m/z: 376.2 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.37-0.40 (m, 1H), 0.51-0.55 (m, 1H), 0.57-0.68 (m, 1H), 0.70-0.77 (m, 1H), 1.15-1.27 (m, 3H), 2.70-2.88 (m, 2H), 3.85 (dd, J = 5 Hz, 9 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 5 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 1.5 Hz, 8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8Hz, 1H), 7.80 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 2 Hz, 1H)。
【0222】
実施例30:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)メタンスルホンアミド:
【化67】
チタンイソプロポキシド(1.16mL、3.96mmol)を、2−クロロ−4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリル(480mg、1.98mmol)およびメタンスルホンアミド(188mg、1.98mmol)のトルエン(15mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物を2時間還流した。濃縮後、残留物をTHF(10mL)に溶解し、−40℃に冷却した。c−PrMgBr(THF中0.5M、11.9mL、5.93mmol)溶液を滴下し、得られた混合物を−36℃で1時間撹拌した。反応を飽和NHCl溶液の添加によりクエンチした。得られた混合物を濾過し、有機層を分離した。濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CHCl、v/v、0−3%)で精製して、N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)メタンスルホンアミドを得た(351mg、49%);ESI-MS m/z: 362 [M+1]+, 1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.83 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.69 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.24 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.93 (4H, s), 3.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.06-2.93 (m, 2H), 1.35-1.30 (m, 1H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 0.81-0.76 (m, 1H), 0.67-0.61 (m, 2H), 0.54-0.49 (m, 1H)。鏡像体を、キラルHPLC(Chiralpak IA-Hカラム、EtOH/ヘプタン、v/v、60/40)で鏡像体1(第一ピーク、t=12.46分)、鏡像体2(第二ピーク、t=17.09分)に分けた。
【0223】
実施例31:N−((5−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化68】
実施例25に記載した一般的グリニヤール付加反応方法をここで使用した。鏡像体をキラルHPLC(超臨界流体クロマトグラフィー15%MeOH:IPA(1:1)を使用するChiralpak AD-H)で分けた。ESI-MS m/z: 372.2 [M+H]+, 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.3-0.8 (m, 4H), 1.20 (m, 1H), 1.24 (t, J = 7 Hz, 3H), 2.72-2.86 (m, 2H), 3.86 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 4.73 (brS, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.15 (dd, J = 7.8 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.72 (s, 1H)。
【0224】
実施例32:N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化69】
工程1:4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−3−メトキシ−ベンゾニトリルの合成
【化70】
4−ブロモ−3−メトキシ−ベンゾニトリル(400mg、1.88mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(440mg、1.88mmol)、PdCl(PPh)(108mg、0.15mmol)およびNaCO(水中2M、1.88mL、3.77mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中の混合物を、100℃で1.5時間加熱した。真空濃縮後、得られた残留物をフラッシュカラムで精製して、表題化合物(449mg、100%)を白色固体として得た; ESI-MS m/z: 239 [M+1]+
【0225】
工程2:N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド
【化71】
チタンイソプロポキシド(1.1mL、3.77mmol)を、4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−3−メトキシ−ベンゾニトリル(449mg、1.88mmol)およびエタンスルホンアミド(226mg、2.07mmol)のトルエン(10mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(7mL)に溶解し、c−PrMgBr溶液(THF中0.5M、18.8mL、9.42mmol)を−40℃で滴下した。得られた混合物を−36℃で1時間撹拌した。飽和NHCl溶液を反応混合物に添加した。得られた混合物を酢酸エチルおよび塩水で希釈し、濾過した。有機層を分離し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−60%)で精製して、表題化合物を得た(182mg、26%収率);ESI-MS m/z: 372 [M+1]; 1H-NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.59 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.57 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.07 (1H, t, J = 2.0Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.6Hz), 7.49 (1H, s), 7.45 (1H, d, J = 7.6Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.4Hz), 3.89 (3H, s), 3.88 (1H, d, J = 9.2Hz), 3.01-2.88 (2H, m), 1.30-1.25 (1H, m), 1.25 (1H, t, J = 7.2Hz), 0.77-0.70 (1H, m), 0.64-0.54 (2H, m), 0.48-0.42 (1H, m)
鏡像体を、キラルHPLC(Chiralpak AD-Hカラム、EtOH/ヘプタン、v/v、50/50)で鏡像体1(R)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=11.38分)および鏡像体2(S)−N−((5−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=16.62分)に分けた。
【0226】
実施例33:N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化72】
工程1:2−フルオロ−4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリルの合成
【化73】
4−シアノ−3−フルオロフェニルボロン酸(0.495g、3mmol)、5−ブロモニコチンアルデヒド(0.558g、3.00mmol)、炭酸ナトリウム(水中2M、3.00mL、6.00mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.053g、0.075mmol)のDMF(10mL)中の混合物を95℃で3時間加熱した。濃縮後、残留物をCHCl−MeOHに溶解し、シリカゲルと混合し、濃縮した。フラッシュカラム(MeOH−CHCl、v/v、0.5%−1%)後、無色固体を得た(170mg)。ESI-MS m/z: 227 [M+1]+
【0227】
工程2:N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)−メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化74】
チタンイソプロポキシド(0.98mL、3.36mmol)を、2−フルオロ−4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリル(380mg、1.68mmol)およびエタンスルホンアミド(183mg、1.68mmol)のトルエン(14mL)中の混合物にRTで添加した。得られた混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(10mL)に溶解し、c−PrMgBr溶液(THF中0.5M、16.8mL、8.40mmol)を−40℃で滴下した、得られた混合物を−36℃で1時間撹拌した。飽和NHCl溶液を反応混合物に添加した。得られた混合物を酢酸エチルおよび塩水で希釈し、濾過した。有機層を分離して濃縮し、フラッシュカラム(10%MeOH/DCM=0−30%)で精製して、表題化合物を得た(185mg、30%);ESI-MS m/z: 360 [M+1]+, 1H NMR (MeOD, 400MHz) δ ppm 8.85 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.72 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.25 (1H, t, J = 2.0Hz), 7.94 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.82-7.77 (2H, m), 3.95 (1H, d, J = 9.2Hz), 3.89 (3H, s), 3.07-2.96 (2H, m), 1.34-1.29 (1H, m), 1.31 (1H, t, J = 7.2Hz), 0.81-0.76 (1H, m), 0.67-0.62 (2H, m), 0.55-0.51 (1H, m)
鏡像体を、キラルHPLC(Chiralpak IA-H、EtOH/ヘプタン、v/v、70/30)で鏡像体1(S)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=10.51分)、鏡像体2(R)−N−((5−(4−シアノ−3−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(保持時間=18.59分)に分けた。
【0228】
実施例34:N−((5−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化75】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミドの合成
【化76】
5−ブロモニコチンアルデヒド(1.860g、10mmol),エタンスルホンアミド(1.091g、10.00mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(5.86mL、20.00mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(25mL)に溶解し、−40℃に冷却した。シクロプロピルマグネシウムブロマイド(50.0mL、25.00mmol)の溶液を滴下し、得られた混合物を−20℃までゆっくり温め、その温度で4時間撹拌した。NHCl溶液でのクエンチ、濾過およびCHClでの抽出後、溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、それをフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%−35%)で精製して、表題化合物を得た(1.5g)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.2-0.3 (m, 1H), 0.4-0.5 (m, 1H), 0.5-0.6 (m, 1H), 0.6-0.7 (m, 1H), 1.0-1.1 (m, 1H), 1.1-1.2 (m, 3H), 2.55-2.75 (m, 2H), 3.6-3.7 (m, 1H), 4.51 (brd, J = 4.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.51 (s, 1H)。
【0229】
工程2:N−((5−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化77】
(一般的鈴木反応方法2)3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリル(333mg、1.35mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(430mg、1.35mmol)、PdCl(PPh)(77mg、0.10mmol)およびNaCO(水中2M、1.35mL、2.70mmol)のDMF(6mL)中の混合物を、100℃でN下、2時間加熱した。溶媒を真空で除去し、残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン、v/v、0−50%)で精製して、表題化合物を得た(270mg、56%収率); ESI-MS m/z: 360 [M+1]+. 1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.72 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.71 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.17 (1H, bs), 7.83-7.75 (3H, m), 3.95 (1H, d, J = 8.8Hz), 3.52 (3H, s), 3.05-2.92 (2H, m), 1.32-1.28 (1H, m), 1.30 (1H, t, J = 7.2Hz), 0.80-0.76 (1H, m), 0.67-0.61 (2H, m), 0.52-0.48 (1H, m)。鏡像体を、キラルHPLC(Chiralpak AS-H、EtOH/ヘプタン、v/v、30/70)で第一ピーク(鏡像体1、t=9.68分)、第二ピーク(鏡像体2、t=13.68分)に分離した。
【0230】
実施例35:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロペンチル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化78】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロペンチル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化79】
5−ブロモニコチンアルデヒド(930mg、5mmol),エタンスルホンアミド(546mg、5.00mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(2930μl、10.00mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を4時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(25mL)に溶解し、−40℃に冷却した。シクロペンチルマグネシウムブロマイド(THF中2M、6.25mL、12.5mmol)の溶液を滴下し、得られた混合物を4時間かけてゆっくり0℃に温めた。反応を飽和NHCl溶液でクエンチした。この混合物を濾過し、分離し、CHClで抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%−30%)で精製して、黄色油状物を得た(480mg)。ESI-MS m/z: 348.9 [M+1]+; 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.13-1.80 (m, 7H), 1.26 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.97-2.05 (m, 1H), 2.20-2.29 (m, 1H), 2.67-2.92 (m, 2H), 4.27 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.59 (brs, 1H), 7.87 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.68 (s, 1H)。
【0231】
工程2:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロペンチル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化80】
2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリル(205mg、0.77mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロペンチル)メチル)エタン−スルホンアミド(270mg、0.77mmol)、PdCl(PPh)(45mg、0.06mmol)およびNaCO(水中2M、0.97mL、1.94mmol)のDMF(4mL)中の混合物を、100℃で2時間加熱した。溶媒を真空で除去した。残留物をDCMに溶解し、濾過した。DCM層を濃縮し、フラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン、v/v、0−50%)で精製して、表題化合物を得た(104mg、33%);ESI-MS m/z: 404 [M+1]+; 1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.80 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.61 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.15 (1H, t, J = 2.0Hz), 8.01 (1H, d, J = 1.6Hz), 7.94 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.82 (1H, dd, J = 8.0, 1.6Hz), 4.29 (1H, d, J = 10Hz), 2.92-2.72 (2H, m), 2.34-2.27 (1H, m), 2.03-1.97 (1H, m), 1.77-1.53 (6H, m), 1.38-1.28 (1H, m), 1.15 (1H, t, J = 7.2Hz)。
【0232】
実施例36:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)プロパン−2−スルホンアミド
【化81】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)プロパン−2−スルホンアミドの合成
【化82】
5−ブロモニコチンアルデヒド(0.930g、5mmol),プロパン−2−スルホンアミド(0.616g、5.00mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(2.93mL、10.00mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を4時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(25mL)に溶解し、−40℃に冷却した。シクロプロピルマグネシウムブロマイド(25mL、12.50mmol)の溶液を滴下し、得られた混合物を4時間かけてゆっくり0℃に温めた。NHCl溶液でのクエンチ、濾過およびCHClでの抽出後、有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、それをフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%−35%)で精製して、黄色固体を得た(1.1g)。ESI-MS m/z: 335.0 [M+1]+
【0233】
工程2:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−プロパン−2−スルホンアミドの合成
【化83】
2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリル(198mg、0.75mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)プロパン−2−スルホンアミド(250mg、0.75mmol)、PdCl(PPh)(43mg、0.06mmol)およびNaCO(水中2M、0.94mL、1.88mmol)のDMF(6mL)中の混合物を、100℃で2時間加熱した。濃縮後、得られた残留物をDCMに溶解し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン、v/v、0−40%)で精製して、表題化合物を得た(195mg、67%);ESI-MS m/z: 390 [M+1]+; 1H-NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.84 (1H, s), 8.71 (1H, s), 8.25 (1H, s), 8.05 (1H, bs), 7.98 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.86 (1H, d, J = 8.0Hz), 3.97 (1H, d, J = 9.2Hz), 3.16-3.09 (1H, m), 1.37-1.33 (1H, m), 1.36 (3H, d, J = 7.2Hz), 1.29 (3H, d, J = 7.2Hz), 0.81-0.76 (1H, m), 0.66-0.63 (2H, m), 0.53-0.48 (1H, m);鏡像体を、キラルHPLC(ChiralPak IA-H、EtOH/ヘプタン、v/v、60/40)で分離して、第一ピーク(鏡像体1、t=10.11分)および第二ピーク(鏡像体2、t=12.95分)を得た。
【0234】
実施例37:N−(シクロプロピル(5−(2−メトキシフェニル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化84】
【化85】
3−メトキシフェニルボロン酸(48mg、0.31mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(100mg、0.31mmol)、PdCl(PPh)(18mg、0.02mmol)およびNaCO(水中2M、0.39mL、0.78mmol)のDMF(2mL)中の混合物を、100℃で2時間加熱した。濃縮後、得られた残留物をDCMに溶解し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン、v/v、0−40%)で精製して、表題化合物を得た(38mg、35%);ESI-MS m/z: 347 [M+1]+. 1H-NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.75 (1H, bs), 8.61 (1H, bs), 8.17 (1H, bs), 7.46 (1H, t, J = 8.0Hz), 7.27 (1H, dd, J = 8.0, 2.4Hz), 7.24 (1H, t, J = 2.4Hz), 7.05 (1H, dd, J = 8.0, 2.4Hz), 3.94 (1H, d, J = 9.2Hz), 3.91 (3H, s), 3.03-2.89 (2H, m), 1.35-1.29 (1H, m), 1.29 (3H, t, J = 7.2Hz), 0.81-0.75 (1H, m), 0.676-0.60 (2H, m), 0.53-0.48 (1H, m)
【0235】
実施例38:N−((5−(2−クロロフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド:
【化86】
【化87】
2−クロロフェニルボロン酸(24mg、0.16mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(50mg、0.16mmol)、PdCl(PPh)(9mg、0.01mmol)およびNaCO(水中2M、0.16mL、0.32mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物を、100℃で2時間加熱した。濃縮後、残留物をDCMに溶解し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン、v/v、0−40%)で精製して、表題化合物を得た(12mg、23%);ESI-MS m/z: 351 [M+1]+, 1H-NMR (MeOD, 400MHz) δ 8.65 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.55 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.04 (1H, t, J = 2.0Hz), 7.61-7.58 (1H, m), 7.48-7.44 (3H, m), 4.29 (1H, d, J = 8.8Hz), 3.02-2.89 (2H, m), 1.34-1.28 (1H, m), 1.28 (1H, t, J = 7.2Hz), 0.80-0.75 (1H, m), 0.67-0.60 (2H, m), 0.51-0.47 (1H, m)
【0236】
実施例39:N−((5−(4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド
【化88】
工程1:4−(5−ホルミルピリジン−3−イル)ベンゾニトリルの合成
【化89】
4−シアノフェニルボロン酸(735mg、5.00mmol)、5−ブロモニコチンアルデヒド(930mg、5.000mmol)、炭酸ナトリウム(5000μl、10.00mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(88mg、0.125mmol)のDMF(15mL、乾燥)中の混合物を、120℃で3時間加熱した。濃縮後、残留物をCHCl−MeOHに溶解し、シリカゲルと混合し、濃縮した。フラッシュカラム(MeOH−CHCl、v/v、0%−1%)での精製により、4−(5−ホルミルピリジン−3−イル)ベンゾニトリルを無色固体として得た(550mg)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.55 (d, J = 8.57 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 8.57 Hz, 2H), 8.36 (s, 1H), 9.08 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.12 (d, J = 2 Hz, 1H), 10.21 (s, 1H)。
【0237】
工程2:N−((5−(4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化90】
チタンイソプロポキシド(0.70mL、2.40mmol)を、4−(5−ホルミル−ピリジン−3−イル)−ベンゾニトリル(250mg、1.20mmol)およびエタンスルホンアミド(144mg、1.32mmol)のトルエン(10mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(10mL)に溶解し、−40℃に冷却した。c−PrMgBr(THF中0.5M、12.0mL、6.00mmol)を滴下し、得られた混合物を−36℃で1時間撹拌した。飽和NHCl溶液を反応混合物に添加した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、塩水。この混合物を濾過し、有機層を分離した。濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH/DCM、v/v、0−3%)で精製して、N−((5−(4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドを得た(210mg、51%);ESI-MS m/z: 342 [M+1]+, 1H-NMR (MeOD, 400MHz) d 8.83 (d, J = 2.0Hz, 1H), 8.69 (d, J = 2.0Hz, 1H), 8.24 (t, J = 2.0Hz, 1H), 7.92 (s, 4H), 3.96 (d, J = 9.2Hz, 1H), 3.06-2.93 (m, 2H), 1.35-1.31 (m, 1H), 1.31 (t, J = 7.2Hz, 3H), 0.81-0.76 (m, 1H), 0.67-0.61 (m, 2H), 0.54-0.49 (m, 1H);鏡像体をキラルHPLC(Chiralpak IA-H、EtOH/ヘプタン、v/v、70/30)で分離して、第一ピーク(鏡像体1、t=10.20分)および第二ピーク(鏡像体2、t=15.99分)を得た。
【0238】
実施例40:N−(2−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−イル)エタンスルホンアミド
【化91】
工程1:N−(2−(5−ブロモピリジン−3−イル)プロパン−2−イル)エタンスルホンアミドの合成
【化92】
1−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−エタノン(200mg、1.000mmol)、エタンスルホンアミド(136mg、1.250mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(586μL、2.0mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を、8時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(5mL)に溶解した。メチルマグネシウムブロマイド(1000μl、3.00mmol)の溶液を−50℃で滴下した。得られた混合物を2時間かけてゆっくり室温に温めた。この混合物をこの温度で一夜撹拌し、NHCl溶液でクエンチした。濾過後、CHClで洗浄し、濃縮し、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%〜50%)で精製して、黄色油状物(35mg)を得た。ESI-MS m/z: 309.1 [M+1]+, 保持時間 = 1.22分間. 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.43 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.84 (s, 6H), 2.98 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 5.07 (brs, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.77 (s, 1H)。
【0239】
工程2:N−(2−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−イル)エタンスルホンアミドの合成
【化93】
N−(2−(5−ブロモピリジン−3−イル)プロパン−2−イル)エタンスルホンアミド(30mg、0.098mmol)、2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(27.0mg、0.103mmol)、PdCl(dppf).CHCl付加物(1.994mg、2.441μmol)および炭酸ナトリウム(98μl、0.195mmol)のDMF(10mL)中の混合物を、100℃で一夜加熱した。濃縮後、残留物をカラム(MeOH−CHCl、v/v、10−20%)で精製して、表題化合物を油状物として得た(1mg)。ESI-MS m/z: [M+1]+ 364.0, 保持時間 = 1.40分間. 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.31 (t, J = 7.37 Hz, 3H), 1.76 (s, 6H), 2.86-2.91 (m, 2H), 4.54 (brs, 1H), 7.52 (dd, J = 1.7, 8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.95 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 2.2 Hz, 1H)。
【0240】
実施例41−53:
N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミドとボロン酸類/エステル類の鈴木カップリング反応の一般的方法。
各マイクロ波バイアルで、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(63μmol、1当量)をDMF:HO(600μL:100μL)に溶解した。NaCO(125μmol、2当量)および1種のボロン酸(69μmol、1.1当量)を添加した。撹拌している混合物に、Pd(PPh)Cl(1.25μmol、0.02当量)を添加した。反応物を密閉容器中、Biotage InitiatorTM(前撹拌:10秒、吸収レベル:極めて高い)を使用して、150℃で10分間マイクロ波加熱することにより行った。この混合物を室温に冷却し、Pd触媒を濾去した。この混合物をメタノールで希釈し、粗生成物を直接分取LC−MS(溶媒1:水0.1%TFA、溶媒2:メタノール0.1%TFA)で精製した。単離した生成物をLC−MSで同定した。
【0241】
【表6】
【表7】
【0242】
【表8】
【表9】
【0243】
【表10】
【表11】
【0244】
【表12】
【表13】
【0245】
【表14】
【0246】
実施例66:N−((5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
【化94】
工程1:6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
【化95】
マイクロ波フラスコに、塩化銅(I)(1.87g、18.95mmol)、ヨウ化銅(I)(0.36g、1.895mmol)および6−ブロモ−1−メチル−ベンゾイミダゾール(2.00g、9.48mmol)を入れ、バイアルに窒素を通気した。NMP(18mL)を添加した。フラスコを、マイクロ波照射下、200℃で1.5時間加熱した。この混合物を酢酸エチル(1.5L)で希釈し、9:1 飽和水性塩化アンモニウム−水酸化アンモニウム溶液(0.25L)を添加した。この混合物を15分間激しく撹拌し、セライトを通して濾過した。2相を分離し、有機相を水で洗浄した(0.2L×5)。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、NMPで汚染された湿性の薄褐色固体を得た。固体を酢酸エチルに再溶解し、水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを得た。ESI-MS: m/z 167.1, (M+H)+
【0247】
工程2:6−クロロ−2−ヨード−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
【化96】
フラスコに、6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(2g、12mmol)のTHF(100mL)溶液を入れ、−78℃に冷却し、THF/ヘキサン/エチルベンゼン中1.8M LDA(9.34mL、16.81mmol)を滴下し、混合物を−78℃で1時間撹拌した。1,2−ジヨードエタン(3.72g、13.2mmol)のTHF(50mL)溶液を滴下し、混合物を−78℃で1時間撹拌した。水(0.3mL)、シリカゲル(20g)を添加し、混合物を真空で濃縮した。残留物をEtOAcのヘプタン溶液(v/v、10〜50%)で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、6−クロロ−2−ヨード−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.76 (s, 3 H) 7.19 (dd, J = 8.59, 2.02 Hz, 1 H) 7.58 (d, J = 8.59 Hz, 1 H) 7.78 (d, J = 2.02 Hz, 1 H)。
【0248】
工程3:5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ニコチンアルデヒドの合成
【化97】
フラスコに6−クロロ−2−ヨード−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(627mg、2.145mmol)、DMF(10mL)、2M 水性炭酸ナトリウム(2.145mL、4.29mmol)および5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチンアルデヒド(1g、4.29mmol)を入れた。窒素を、混合物を10分間通してバブリングし、ポリマー結合Pd(PPh)(1.19g、0.107mmol)を添加した。この混合物を30分間、マイクロ波照射下、160℃で加熱した。この混合物をセライトの薄パッドを通して濾過し、それをEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を水(200mL)に注ぎ、EtOAc(500mL)で抽出した。有機相を水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物を20〜100%EtOAcのヘプタン溶液で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ニコチンアルデヒドを得た。
ESI-MS: m/z 272.1 (M+H)+
【0249】
工程4:N−((5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化98】
フラスコに5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ニコチンアルデヒド(100mg、0.368mmol)、エタンスルホンアミド(80mg、0.736mmol)およびトルエン(3mL)を入れ、チタニウムイソプロポキシド(157mg、0.552mmol)を滴下した。この混合物を120℃で一夜撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、残留物をDCM(20mL)およびMeOH(20mL)に溶解し、NaBH(0.0557g、1.47mmol)を0℃で添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌した。水(1mL)を添加し、混合物を5分間撹拌した。DMF(5mL)を添加し、懸濁液を濾過した。濾液を20〜70%ACN−水勾配で溶出するXbridge RP 18で精製して、表題化合物を得た。HRMS: (ESI)m/z 365.0839 [(M+H)+ C16H18ClN4O2Sの計算値 365.0834]. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.21 (t, J = 7.33 Hz, 3 H) 3.06 (q, J = 7.33 Hz, 2 H) 3.92 (s, 3 H) 4.33 (s, 2 H) 7.30 (dd, J = 8.46, 2.15 Hz, 1 H) 7.73 (d, J = 8.59 Hz, 1 H) 7.77 (s, 1 H) 7.86 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 8.25 (t, J = 2.02 Hz, 1 H) 8.72 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 8.97 (d, J = 2.27 Hz, 1 H)。
【0250】
実施例67:エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド
【化99】
工程1:6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの合成
【化100】
6−クロロ−7−アザインドール(1.00g、6.55mmol)のDMF(30mL)溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(0.524g、13.11mmol)を添加し、混合物を0℃で20分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.512mL、8.19mmol)を0℃で添加し、混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応を停止させ、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した。それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、1.01gの所望の生成物を褐色油状物として得た。ESI-MS: m/z 167.0(M+H)+
【0251】
工程2:6−クロロ−N−メチル−7−アザインドール−2−ボロン酸の合成
【化101】
6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.02g、6.12mmol)のTHF(60mL)溶液に、−78℃で、ペンタン中1.7M t−BuLi(9.00mL、15.31mmol)を添加し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。トリメチルボレート(1.026mL、9.18mmol)を−78℃で添加し、混合物を室温に温め、室温で一夜撹拌した。水(2mL)を添加し、混合物を真空で濃縮した。固体を高真空に一夜付して、2.1gの6−クロロ−N−メチル−7−アザインドール−2−ボロン酸を得た。ESI-MS: m/z 211.1(M+H)+
【0252】
工程3:5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドの合成
【化102】
6−クロロ−N−メチル−7−アザインドール−2−ボロン酸(1.00g、4.75mmol)のジオキサン(40mL)溶液に、N下、5−ブロモ−3−ピリジンカルバルデヒド(0.589g、3.17mmol)、水性NaCO(2M、4.75mL、9.50mmol)およびポリマー結合Pd(PPh)(1.760g、0.158mmol)を添加した。反応物を2時間、85℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。固体を濾去し、沈殿をメタノールで徹底的に洗浄した。濾液を真空で濃縮して、褐色油状物を得た。粗物質を粗物質をDCM−MeOH(90−10、v/v)を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、純粋生成物5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドを固体として得た。ESI-MS: m/z 272.1(M+H)+
【0253】
工程4:エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミドの合成
【化103】
25mLフラスコに5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(91mg、0.335mmol)、エタンスルホンアミド(73.1mg、0.670mmol)およびトルエン(5mL)を入れた。チタン(IV)イソプロポキシド(0.147mL、0.502mmol)を滴下した。この混合物を120℃で一夜撹拌した。この混合物を真空で濃縮した。残留物をDCM(5mL)およびMeOH(5mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(50.7mg、1.340mmol)を0℃で添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌した。水(1mL)を添加し、混合物を5分間撹拌し、真空で濃縮した。DMF(5mL)を添加し、懸濁液を濾過した。濾液を5〜95%ACN−水勾配で溶出するXbridge RP 18で精製して、エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミドを得た。ESI-MS: m/z 365.2(M+H)+ 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.38 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.23 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 4.08 - 4.17 (m, 2 H), 4.59 (dd, J = 8.8, 7.3 Hz, 2 H), 7.10 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 7.53 (dd, J = 8.6, 2.3 Hz, 1 H), 7.63 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 7.92 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.40 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.56 (d, J = 2.0 Hz, 2 H)
HRMS: (ESI)m/z 365.08373 [(M+H)+ C16H17ClN4O2Sの計算値365.08335]。
【0254】
実施例68:エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミド
【化104】
工程1:2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イルアミンの合成
【化105】
100mL丸底フラスコに、2−クロロ−4−アミノピリジン(3.0g、23.34mmol)、酢酸ナトリウム(11.49g、140mmol)および酢酸(60mL)を入れた。これに、一塩化ヨウ素(3.98g、24.50mmol)を添加し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、1N 飽和亜硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗物質をDCM−MeOH:95−5を使用して、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製した。2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イルアミンを白色固体として得た。ESI-MS: m/z 255.0(M+H)+
【0255】
工程2:5−エチニル−ニコチン酸メチルエステルの合成
【化106】
メチル5−ブロモニコチネート(3.0g、13.89mmol)のTEA(50mL)溶液に、N下、エチニルトリメチルシラン(5.83mL、41.7mmol)、ヨウ化銅(I)(0.132g、0.694mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.487g、0.694mmol)を添加した。反応物を50℃で1時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濾過して固体を除いた。沈殿を酢酸エチルで徹底的に洗浄した。濾液を水で2回洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、黒色固体を得た。100%変換と仮定して、これをTMS除去のための次工程に用いた。粗物質をMeOH(50mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.480g、3.47mmol)をそれに添加した。反応混合物を30分間撹拌した。固体を濾去し、濾液を真空で濃縮した。粗物質をDCM−MeOH:90−10を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、純粋生成物5−エチニル−ニコチン酸メチルエステルを明黄色固体として得た。ESI-MS: m/z 162.1(M+H)+
【0256】
工程3:5−(4−アミノ−6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ニコチン酸メチルエステルの合成
【化107】
を通した250mL丸底フラスコに、2−クロロ−5−ヨード−ピリジン−4−イルアミン(1.00g、3.93mmol)、5−エチニル−ニコチン酸メチルエステル(0.633g、3.93mmol)、ヨウ化銅(I)(0.037g、0.196mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.138g、0.196mmol)およびトリエチルアミン(50mL)を入れた。反応混合物を100℃で3時間で撹拌した。反応物を室温に冷却し、濾過し、沈殿を酢酸エチルで徹底的に洗浄した。濾液を水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、粗生成物5−(4−アミノ−6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ニコチン酸メチルエステルを褐色固体として得て、それを何等精製せずに次工程に使用した。ESI-MS: m/z 288.0(M+H)+
【0257】
工程4:5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ニコチン酸メチルエステルの合成
【化108】
5−(4−アミノ−6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ニコチン酸メチルエステル(0.950mg、3.30μmol)のNMP(15mL)溶液に、KOBu(1.112mg、9.91μmol)を添加し、反応物を一夜室温で撹拌した。反応物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル(0.619μl、9.91μmol)を添加した。反応混合物を30分間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、所望の生成物5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ニコチン酸メチルエステルを褐色油状物として得て、それをさらに精製せずに次工程に使用した。ESI-MS: m/z 302.0(M+H)+
【0258】
工程5:5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イル]−メタノールの合成
【化109】
5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ニコチン酸メチルエステル(0.780g、2.59mmol)のTHF(10mL)溶液に、0℃で、LAH(5.17mL、5.17mmol)を添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。反応混合物を水(1mL)でクエンチし、2N NaOH溶液(2mL)で洗浄し、DCMで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗物質をDCM−MeOH:90−10を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イル]−メタノールを明黄色固体として得た。ESI-MS: m/z 274.1(M+H)+
【0259】
工程6:5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドの合成
【化110】
5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イル]−メタノール(128mg、0.468mmol)のジオキサン(5ml)溶液に、二酸化マンガン(407mg、4.68mmol)を添加した。反応混合物を一夜還流した。反応物を室温に冷却し、セライトを通して濾過した。セライト層をMeOHで徹底的に洗浄した。濾液を真空で濃縮して、純粋生成物5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドを黄色固体として得た。ESI-MS: m/z 272.0(M+H)+
【0260】
工程7:エタンスルホン酸[5−(6−クロロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−アミドの合成
【化111】
実施例55に準じる方法をここで使用した。ESI-MS: m/z 365.1(M+H)+ 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.38 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 3.15 (q, J = 7.3 Hz, 3 H), 3.83 (s, 3 H), 4.44 (s, 2 H), 6.91 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 8.14 (t, J = 1.9 Hz, 1 H), 8.67 (s, 1 H), 8.69 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.75 (d, J = 2.0 Hz, 1 H) HRMS: (ESI)m/z 365.08448 [(M+H)+ C16H17ClN4O2Sの計算値365.08338]。
【0261】
実施例69:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルエタンスルホンアミド
【化112】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルエタンスルホンアミドの合成
【化113】
ヨードメタン(0.059mL、0.940mmol)を、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(200mg、0.627mmol)および炭酸カリウム(130mg、0.940mmol)のDMF(6mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物を60℃で24時間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、混合物をHOおよび塩水で洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラムで精製して、32mgのN−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルエタンスルホンアミドを得た。ESI-MS: m/z 334.9 (M+H)+
【0262】
工程2:N−((5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルエタンスルホンアミドの合成
【化114】
実施例34に準ずる鈴木カップリング条件をここで使用した。ESI-MS: m/z 390.1(M+H)+; 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.44-0.50 (m, 1H), 0.61-0.67 (m ,1H), 0.79-0.91 (m, 2H), 1.35 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.60-1.69 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 3.19 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 4.31 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8, 1.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.25 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.79 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 1.6 Hz, 1H)。
【0263】
実施例70:2−クロロ−4−[5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−ベンゾニトリル
【化115】
工程1:3−ブロモ−5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジンの合成
【化116】
40mLシンチレーションバイアルに、1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン(115mg、0.949mmol)およびDMF(3mL)を入れた。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(95mg、2.373mmol)を添加した。反応物を室温で20分間撹拌し、3−ブロモ−5−(クロロメチル)ピリジンヒドロクロライド(277mg、1.139mmol)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗物質をヘプタン−酢酸エチル(60−40、v/v)を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、3−ブロモ−5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジンを無色油状物として得た。MS(ESI)m/z 292.9 (M+H)+
【0264】
工程2:2−クロロ−4−[5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−ベンゾニトリルの合成
【化117】
2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾニトリル(217mg、0.824mmol)のDMF(4mL)溶液に、3−ブロモ−5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジン(200mg、0.687mmol)および2M 水性炭酸ナトリウム(0.687mL、1.374mmol)を添加した。反応混合物をフラッシュし、Nを用いて3回排気し、PdCl(dppf).CHCl付加物(28.0mg、0.034mmol)を添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で3回洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗物質をDMF(5mL)に溶解し、10〜100%ACN−水で溶出するXbridge C18で精製して、2−クロロ−4−[5−(1,1−ジオキソ−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−ベンゾニトリルを白色固体として得た。HRMS: (ESI)m/z 348.0575 [(M+H)+ C16H14ClN3O2Sの計算値348.0573]. 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 2.33 - 2.47 (m, 2 H), 3.24 - 3.33 (m, 4 H), 4.37 (s, 2 H), 7.87 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1 H), 7.97 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.06 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.22 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.68 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.87 (d, J = 2.3 Hz, 1 H)。
【0265】
実施例71:エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エチル−アミド
【化118】
40mLシンチレーションバイアルに、エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−アミド(0.075g、0.200mmol)およびDMF(3mL)を入れた。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(0.012g、0.299mmol)を添加した。反応物を室温で20分間撹拌し、ヨードエタン(0.050g、0.319mmol)を添加した。反応物を室温で一夜撹拌した。反応を水でクエンチした(0.5mL)および濾過した。濾液をDMF(3mL)に溶解し、10〜100%ACN−水で溶出するXbridge C18で精製して、純粋生成物エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エチル−アミドを白色固体として得た。HRMS: (ESI)m/z 404.1190[(M+H)+ C20H22ClN3O2Sの計算値404.1199]. 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.52 - 0.68 (m, 1 H), 0.71 - 0.82 (m, 1 H), 0.91 - 1.05 (m, 2 H), 1.22 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.43 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.60-1.88 (m, 1 H), 3.28 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.39 - 3.51 (m, 1 H), 3.55 - 3.66 (m, 1 H), 4.32 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 7.93 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1 H), 8.06 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 8.15 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.87 (s, 1 H), 9.04 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 9.14 (d, J = 1.8 Hz, 1 H)。
【0266】
実施例72−74を、実施例71に記載する方法に従い製造した。
実施例72:エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−(3−メチル−ブチル)−アミド
【化119】
HRMS:(ESI)m/z 446.1660 [(M+H)+ C23H28ClN3O2Sの計算値446.1669]。
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.56 - 0.69 (m, 1 H), 0.72 - 0.82 (m, 1 H), 0.87 (d, J = 6.3 Hz, 3 H), 0.89 (d, J = 6.3 Hz, 3 H), 0.93 - 1.08 (m, 2 H), 1.32 - 1.40 (m, 1 H), 1.43 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.50-1.62 (m, 2 H), 1.67 - 1.80 (m, 1 H), 3.28 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.37 - 3.44 (m, 1 H), 3.54 - 3.60 (m, 1 H), 4.31 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 7.92 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1 H), 8.06 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.14 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.85 (s, 1 H), 9.04 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 9.13 (d, J = 2.0 Hz, 1 H)。
【0267】
実施例73:({[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エタンスルホニル−アミノ)−酢酸メチルエステル
【化120】
HRMS: (ESI)m/z 448.1088 [(M+H)+ C21H22ClN3O4Sの計算値448.1098]。
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.55 - 0.60 (m, 1 H), 0.76 - 0.81 (m, 1 H), 0.87 - 0.91 (m, 2 H), 1.38 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.54 - 1.61 (m, 1 H), 3.34 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.66 (s, 3 H), 4.27 (d, J = 18.7 Hz, 1 H), 4.36 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 4.38 (d, J = 18.7 Hz, 1 H), 7.92 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1 H), 8.02 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 8.14 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.94 - 8.96 (m, 1 H), 9.05 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 9.09 (d, J = 2.0 Hz, 1 H)
【0268】
実施例74:エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−イソブチル−アミド
【化121】
HRMS: (ESI)m/z 432.1503 [(M+H)+ C22H26ClN3O2Sの計算値432.1512]。
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.38 - 0.56 (m, 1 H), 0.71 - 0.80 (m, 1 H), 0.85 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 0.87 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 0.92 - 1.01 (m, 2 H), 1.42 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.70-1.88 (m, 2 H), 3.11 (dd, J = 14.3, 8.7 Hz, 1 H), 3.19 - 3.29 (m, 2 H), 3.36 - 3.37 (m, 1 H), 4.25 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 7.88 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1 H), 8.02 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.08 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 8.62 (s, 1 H), 8.97 (d, J = 4.3 Hz, 2 H)。
【0269】
実施例75:エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
【化122】
40mLシンチレーションバイアルに、({[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−エタンスルホニル−アミノ)−酢酸メチルエステル(130mg、0.290mmol)のTHF(5mL)溶液を添加した。反応混合物を−78℃に冷却し、リチウムアルミニウムハイドライド(THF中1M、0.726mL、0.726mmol)を添加した。反応物を−78℃で1時間撹拌した。反応を水(1mL)でクエンチし、室温に温め、真空で濃縮した。粗物質をDMSO(4mL)に溶解し、10〜100%ACN−水で溶出するXbridge C18を使用して精製して、エタンスルホン酸{[5−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−シクロプロピル−メチル}−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミドを白色固体として得た。
HRMS: (ESI)m/z 420.1130 [(M+H)+ C20H22ClN3O3Sの計算値420.1148]。
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.48 - 0.59 (m, 1 H), 0.70 - 0.79 (m, 1 H), 0.85 - 1.02 (m, 2 H), 1.40 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.66 - 1.79 (m, 1 H), 3.29 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.41 - 3.49 (m, 1 H), 3.54 - 3.63 (m, 2 H), 3.63 - 3.71 (m, 1 H), 4.27 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 7.87 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1 H), 7.98 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.06 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.41 (t, J = 1.9 Hz, 1 H), 8.85 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.89 (d, J = 2.0 Hz, 1 H)
【0270】
実施例76:N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタン−スルホンアミド
【化123】
工程1:メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)アセテートの合成
【化124】
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)酢酸(5g、23.14mmol)のMeOH(100mL)懸濁液に、塩化チオニル(1.858mL、25.5mmol)を0℃で添加し、混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、DCM(100mL)およびMeOH(10mL)に再溶解し、飽和NaHCO水溶液(5mL)、NaHCO(10g)を添加した。混合物に、シリカゲル(10g)を添加し、混合物を濃縮した。残留物を0−50%EtOAc−ヘプタンで溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)アセテートを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.64 (s, 3 H), 3.80 (s, 2 H), 8.01 (dd, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.48 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.61 (d, J = 2.3 Hz, 1 H)。
【0271】
工程2:メチル1−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートの合成
【化125】
メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)アセテート(4.8g、20.86mmol)のDMF(100mL)溶液に、鉱油中60%NaH(1.1g、45.9mmol)を添加し、混合物を0℃で15分間撹拌した。1,2−ジブロモエタン(3.92g、20.86mmol)のDMF(20mL)溶液を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。さらに2回鉱油中60%NaH(200および450mg)を、変換が完了するまで添加した。この混合物をEtOAc(1L)に注ぎ、水で洗浄した(60mL)、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、油状物を得て、それをさらに精製せずに次工程に使用した。
【0272】
工程3:カリウム1−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートの合成
【化126】
メチル1−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレート(1g、3.9mmol)のTHF(40mL)溶液に、90%KOTMS(0.557g、3.9mmol)を添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。この混合物を濾過し、THFで洗浄して、カリウム1−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートを得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.63-0.69 (m, 2 H), 1.09-1.15 (m, 2 H), 7.79-7.80 (m, 1 H), 8.34-8.37 (m, 2 H)。
【0273】
工程4:1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボン酸の合成
【化127】
カリウム1−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレート(28mg、0.1mmol)、2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(26mg、0.1mmol)、PdCl(dppf).CHCl(4.08mg、5.0μmol)のDMF(1mL)懸濁液に、2M NaCO(0.1mL、0.2mmolを添加し、混合物を100℃で2時間加熱した。この混合物を濃縮し、0−10%MeOH−DCM勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボン酸を得た。MS: (ESI)m/z 299.0, 301.0 (M+H)+
【0274】
工程5:4−(5−(1−アミノシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2−クロロベンゾニトリルの合成
【化128】
1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボン酸(900mg、3.01mmol)のトルエン(50mL)溶液に、TEA(0.63mL、4.52mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.977mL、4.52mmol)を添加し、混合物を100℃で4時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物をTHF(100mL)に再溶解し、KOtBu(2.03g、18.08mmol)のTHF(40mL)溶液を添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した。この混合物を室温で一夜温めた。シリカゲル(10g)を添加し、混合物を真空で濃縮した。残留物を0−10%MeOH−DCM勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、4−(5−(1−アミノシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2−クロロベンゾニトリルを得た。m/z 270.0, 272.0 (M+H)+
【0275】
工程6:N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタンスルホンアミドの合成
【化129】
4−(5−(1−アミノシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2−クロロベンゾニトリル(70mg、0.26mmol)のDCM(3mL)溶液に、室温で、TEA(0.109mL、0.779mmol)およびEtSOCl(74μL、0.779mmol)を滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、DMF(3mL)に再溶解し、濾過した。濾液を20−80%ACN−水勾配で溶出するXbridge Phenyl、続いてXbridge C18で精製して、N−(1−(5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタンスルホンアミドを得た。HRMS: (ESI)m/z 362.0712 [(M+H)+ C17H16ClN3O2Sの計算値362.0725]. 1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.32 - 1.38 (m, 2 H), 1.49 - 1.54 (m, 2 H), 2.90 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.60 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1 H), 7.74 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.01 (t, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.67 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.72 (d, J = 2.3 Hz, 1 H)。
【0276】
実施例77:N−((4−クロロ−5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミド(LHV599)
【化130】
工程1:N−(シクロプロピルメチレン)メタンスルホンアミドの合成
【化131】
シクロプロパンカルバルデヒド(0.374mL、5mmol)およびメタンスルホンアミド(0.523g、5.5mmol)のトルエン(15mL)溶液に、チタン(IV)イソプロポキシド(2.93mL、10mmol)を添加し、混合物を100℃で1日間加熱した。混合物を室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物を30分間高真空下に置いて、2相混合物を得た。上層を廃棄した。残留物をさらに精製せずに次工程に使用した。
【0277】
工程2:N−((5−ブロモ−4−クロロピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミドの合成
【化132】
DIPA(1.71mL、12mmol)のTHF(50mL)溶液に、−78℃で、1.6M BuLi(7.5mL、12.0mmol)を添加し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。LDA溶液を3−ブロモ−4−クロロピリジン(2.117g、11mmol)のTHF(50mL)溶液に−78℃でカニューレで添加し、混合物を−78℃で1時間撹拌した。N−(シクロプロピルメチレン)メタンスルホンアミド(10mmol、粗混合物)のTHF(50mL)溶液を添加し、混合物を−78℃で1時間撹拌した。MeI(0.625mL、10mmol)のTHF(10mL)溶液を添加し、混合物を室温に温め、一夜撹拌した。水(0.5mL)を添加し、混合物を真空で濃縮した。残留物を0−50%EtOAc−ヘプタン勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、N−((5−ブロモ−4−クロロピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミドを得た。MS(ESI): m/z 353.0, 355.0 (M+H)+
【0278】
工程3:N−((4−クロロ−5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミドの合成
【化133】
N−((5−ブロモ−4−クロロピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミド(1.03g、2.9mmol)および2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル(2.29g、8.7mmol)のDMF(20mL)溶液に、PdCl(dppf).CHCl(118mg、0.145mmol)および2M NaCOの水溶液(2.9mL、5.8mmol)を添加し、混合物を85℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水(100mL)に注ぎ、EtOAc(200mL×3)で抽出し、水(20mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。この混合物を0−50%EtOAc−ヘプタン勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、N−((4−クロロ−5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミドを得た。MS(ESI): m/z 410.1, 412.1 (M+H)+
【0279】
工程4:2−クロロ−4−(4−シクロプロピル−3−メチル−2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−チア−3,6−ジアザ−ナフタレン−8−イル)−ベンゾニトリルの合成
【化134】
N−((4−クロロ−5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)−N−メチルメタンスルホンアミド(51mg、0.124mmol)のTHF(10mL)およびDMSO(0.1mL)中の溶液に、THF中1M KOtBu(0.37mL、0.37mmol)を添加し、混合物を65℃で10分間、マイクロ波照射下に加熱した。この混合物をMeOH(2mL)でクエンチし、濃縮した。残留物を20−100%ACN−水で溶出するXbridge C18で精製して、2−クロロ−4−(4−シクロプロピル−3−メチル−2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−チア−3,6−ジアザ−ナフタレン−8−イル)−ベンゾニトリルを得た。HRMS: (ESI)m/z 374.0731 [(M+H)+ C18H16ClN3O2Sの計算値374.0725]。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm -0.79 - -0.69 (m, 1 H), 0.12 - 0.21 (m, 1 H), 0.29 - 0.41 (m, 2 H), 0.99 - 1.11 (m, 1 H), 2.86 (s, 3 H), 3.98 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 4.71 - 4.84 (m, 2 H), 7.35 (d, J = 4.8 Hz, 1 H), 7.63 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1 H), 7.84 (d, J = 1.3 Hz, 1 H), 8.07 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 8.57 (d, J = 5.1 Hz, 1 H)。
【0280】
実施例78:N−((5−(6−シアノナフタレン−2−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミド
【化135】
工程1:6−ブロモ−2−ナフトアミドの合成
【化136】
6−ブロモ−2−ナフトエ酸(2g、7.97mmol)を、塩化チオニル(13.28ml)中、70℃で16時間撹拌した。真空濃縮後、残留物をCHClで再希釈し、再濃縮した。酸クロライド中間体に、アンモニアのMeOH溶液(7M、13.66ml、96mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物を濃縮した。残留物をAcOEtに溶解し、濾過し、AcOEtで濯ぎ、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。表題化合物(1.802g、90%)を、ベージュ色固体として単離した。LC-MS(M+1) 251.9, t = 1.34分間。
【0281】
工程2:6−ブロモ−2−ナフトニトリルの合成
【化137】
6−ブロモ−2−ナフトアミド(1g、4.00mmol)のジオキサン(8.00ml)溶液に、0℃で、ピリジン(0.647ml、8.00mmol)およびTFAA(0.621ml、4.40mmol)を滴下した。反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物をHOでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。表題化合物を得た(653mg、70%)を、ベージュ色固体として単離し、そのまま次工程に使用した。
【0282】
工程3:6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−ナフトニトリルの合成
【化138】
6−ブロモ−2−ナフトニトリル(653mg、2.81mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(857mg、3.38mmol)、酢酸カリウム(552mg、5.63mmol)およびPdCl(dppf).CHCl付加物(115mg、0.141mmol)の1,4−ジオキサン(9.379mL)中の混合物を、100℃で1時間加熱した。この混合物を濃縮し、残留物をBiotage(0−10%EtOAc/ヘプタン;SNAP50カラム)で精製して、表題化合物(466mg、59%)をベージュ色固体として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.33 (s, 12 H) 7.53 (dd, J = 8.53, 1.58 Hz, 1 H) 7.80 (d, J = 8.27 Hz, 1 H) 7.83 - 7.92 (m, 2 H) 8.15 (s, 1 H) 8.32 (s, 1 H)。
【0283】
工程4:N−((5−(6−シアノナフタレン−2−イル)ピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミドの合成
【化139】
6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−ナフトニトリル(335mg、1.200mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタンスルホンアミド(319mg、1mmol)、炭酸ナトリウム(2M)の水(1.000mL、2.000mmol)溶液、PdCl(dppf).CHCl付加物(40.8mg、0.050mmol)のDMF(4.000mL)溶液の混合物を、100℃で30分間加熱した。この混合物を飽和水性NaHCOでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をBiotage(10−100%EtOAc/ヘプタン;SNAP25カラム)で精製して、表題化合物(106mg、27%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 0.43 - 0.55 (m, 1 H) 0.56 - 0.69 (m, 2 H) 0.69 - 0.83 (m, 1 H) 1.28 (t, J = 7.36 Hz, 3 H) 1.25 - 1.39 (m, 1 H) 2.82 - 3.10 (m, 2 H) 3.95 (d, J = 9.09 Hz, 1 H) 7.73 (dd, J = 8.53, 1.45 Hz, 1 H) 8.00 (dd, J = 8.59, 1.71 Hz, 1 H) 8.15 (s, 1 H) 8.17 (s, 1 H) 8.28 - 8.35 (m, 2 H) 8.44 (s, 1 H) 8.65 (d, J = 2.02 Hz, 1 H) 8.90 (d, J = 2.08 Hz, 1 H)。LC-MS(M+1) 392.2。鏡像体を、キラルHPLC(IA 21×250mm、流速:14mL/分、60%ヘプタン20%メタノール20%エタノールで分離して、保持時間(14.10分)の鏡像体1および保持時間(18.16分)の鏡像体2を得た。
【0284】
実施例79−83を、実施例78の工程4に記載するのと同じ方法を使用して製造した。対応する中間体の合成を以下に記載する。
2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルの合成
【化140】
4−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル(1g、5.10mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.554g、6.12mmol)、酢酸カリウム(1.001g、10.20mmol)およびPdCl(dppf).CHCl付加物(0.208g、0.255mmol)の1,4−ジオキサン(12.75ml)中の混合物を80℃で5時間加熱した。この混合物を濃縮し、残留物をBiotage(0−10%EtOAc/ヘプタン;SNAP50カラム)で精製して、化合物2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルを白色固体として得た(860mg、69%)。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) d ppm 1.28 (s, 12 H) 2.38 - 2.52 (m, 3 H) 7.51 (d, J = 7.64 Hz, 1 H) 7.55 - 7.64 (m, 1 H) 7.67 (s, 1 H)。
【0285】
5−シアノベンゾフラン−2−イルボロン酸の合成
【化141】
ベンゾフラン−5−カルボニトリル(500mg、3.49mmol)のTHF(9.98mL)溶液に、−78℃で、ヘキサン中1.6M nBuLi(2.401mL、3.84mmol)を滴下した。この混合物を30分間この温度で撹拌し、トリメチルボレート(0.858mL、7.68mmol)を滴下した。この混合物を20分間撹拌し、2N HCl(11.52mL、23.05mmol)を添加した。浴を除き、撹拌を30分間続けた。この混合物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗5−シアノベンゾフラン−2−イルボロン酸(623mg、87%)を乾燥させ、そのまま次工程に使用した。
【0286】
【化142】
【表15】
【表16】
【0287】
実施例84:N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(4−フルオロフェニル)メチル)エタン−スルホンアミド
【化143】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(4−フルオロフェニル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
【化144】
5−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(0.930g、5mmol)、エタンスルホンアミド(0.682g、6.25mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(2.93ml、10.00mmol)のトルエン(10mL)中の混合物を100℃で4時間加熱した。濃縮後、残留物をTHF(12.5ml)に溶解し、(4−フルオロフェニル)マグネシウムブロマイド(THF中1M、12.50mL、12.50mmol)を−78℃で滴下した。この混合物を−78℃で45分間撹拌した。この混合物を飽和NHClでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をBiotage(10−40%AcOEt/ヘプタン;SNAP25カラム)で精製して、表題化合物(986mg、53%)をベージュ色固体として得た。LC-MS(M+1) 375.0。
【0288】
工程2:N−((5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)(4−フルオロフェニル)メチル)エタン−スルホンアミドの合成
【化145】
表題化合物(413mg、収率75%)を実施例78の工程4に記載する方法に従い得た。1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.19 (t, J = 7.39 Hz, 3 H) 2.61 (s, 3 H) 2.92 - 3.00 (m, 2 H) 5.89 (s, 1 H) 7.06 - 7.22 (m, 2 H) 7.37 - 7.51 (m, 2 H) 7.57 - 7.69 (m, 1 H) 7.69 - 7.75 (m, 1 H) 7.78 (d, J = 8.02 Hz, 1 H) 8.12 (td, J = 2.15, 0.63 Hz, 1 H) 8.55 (d, J = 2.08 Hz, 1 H) 8.78 (d, J = 2.21 Hz, 1 H). LC-MS(M+1) 410.3。
【0289】
実施例85:N−(1−(5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)エタン−スルホンアミド
【化146】
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)メチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドの合成
【化147】
5−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(2g、10.75mmol)、2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.434g、11.83mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(12.60ml、43.0mmol)のトルエン(53.8ml)中の混合物を16時間、室温で撹拌した。塩水を添加し、沈殿を取り、AcOEtで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得て、それをそのまま次工程に使用した。LC-MS(M+1) 291.0。
【0290】
工程2:N−(1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドの合成
【化148】
N−((5−ブロモピリジン−3−イル)メチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(10.75mmol)およびテトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(IV)(6.38g、11.83mmol)のTHF(53.8ml)中の混合物を−78℃に冷却した。THF中(トリフルオロメチル)トリメチルシラン2M溶液(6.45ml、12.90mmol)を滴下し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。塩水を添加し、沈殿を取り、AcOEtで洗浄した。濾液をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をBiotage(0−15%MeOH/CHCl;SNAP50カラム)で精製して、表題化合物(2.96g、77%)を明黄色固体として得た。LC-MS(M+1) 361.0。
【0291】
工程3:1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタナミンの合成
【化149】
N−(1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.5g、4.18mmol)のMeOH(8.35ml)溶液に、ジオキサン中4N HCl(2.088ml、8.35mmol)を滴下し、混合物を室温で16時間撹拌した。濃縮し、混合物を飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。表題化合物を明黄色油状物として単離し、そのまま次工程に使用した。LC-MS(M+1) 257.0, t = 1.05分
【0292】
工程4:4−(5−(1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−3−イル)−2−メチルベンゾニトリルの合成
【化150】
表題化合物(322mg、53%)を上の実施例78の工程4に記載する方法に従い得た。LC-MS(M+1) 292.2。
【0293】
工程5:N−(1−(5−(4−シアノ−3−メチルフェニル)ピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)エタン−スルホンアミドの合成
【化151】
4−(5−(1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−3−イル)−2−メチルベンゾニトリル(322mg、1.105mmol)のCHCl(5.5mL)溶液に、0℃で、トリエチルアミン(462μl、3.32mmol)およびエタンスルホニルクロライド(115μl、1.216mmol)を添加した。この混合物を16時間、室温で撹拌した。この混合物を飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をBiotage(10−50%EtOAc/ヘプタン;SNAP25カラム)で精製して、表題化合物を得た(67mg、16%)。LC-MS(M+1) 384.1. 1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.28 (t, J = 7.33 Hz, 3 H) 2.63 (s, 3 H) 2.96 - 3.19 (m, 2 H) 5.47 (q, J = 7.89 Hz, 1 H) 7.66 - 7.72 (m, 1 H) 7.76 - 7.79 (m, 1 H) 7.81 (d, J = 8.02 Hz, 1 H) 8.24 - 8.43 (m, 1 H) 8.76 (d, J = 2.27 Hz, 1 H) 8.93 (d, J = 2.21 Hz, 1 H)。
鏡像体を、キラルHPLC(OD−H、21×250mm、18mL/分、70%ヘプタン30%エタノール)で、保持時間(7.03分)の鏡像体1および保持時間(11.46分)の鏡像体2に分離した。
【0294】
実施例86:N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド
【化152】
工程1:3−(5−ブロモピリジン−3−イル)アクリレートの合成
【化153】
メチルジエチルホスホノアセテート(2.4ml、13.13mmol)のTHF(40mL)溶液に、0℃で、BuLi(8.21ml、13.13mmol)を滴下した。10分間後、5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(2.443g、13.13mmol)のTHF(10mL)溶液をこの温度で添加した。反応混合物を室温に温め、30分間撹拌し、水でクエンチした。この混合物をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−(5−ブロモピリジン−3−イル)アクリレート(3.25g、13.43mmol、100%収率)を白色固体として得た。
ESI-MS m/z: 243 [M+1]+; 1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 3.80 (s, 3H), 6.52 (d, J = 16 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 16 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.72 (s, 1H)。
【0295】
工程2:3−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アクリル酸メチルエステルの合成
【化154】
3−(5−ブロモピリジン−3−イル)アクリレート(180mg、0.744mmol)およびニッケルクロライド6水和物(17.6mg、0.074mmol)のMeOH(3ml)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(56.3mg、1.487mmol)を0℃で添加した。この混合物を30分間、室温で撹拌した。塩水および酢酸エチルを添加し、有機層を分離し、塩水で2回洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、155mgの粗3−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステルを得た。ESI-MS m/z: 246[M+1]+
【0296】
工程3:3−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−プロピオン酸メチルエステルの合成
【化155】
3−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル(155mg)、2,3−ジクロロベンゼンボロン酸(142mg、0.744mmol)、PdCl(dppf).CHCl付加物(48.6mg、0.059mmol)およびNaCO(2M、0.929ml、1.859mmol)のDMF(5ml)中の混合物を、100℃で加熱した。40分間後、溶媒を真空で除去した。残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−20−25%、v/v)で精製して、3−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−プロピオン酸メチルエステルを得た(101mg、0.326mmol、43%収率)。ESI-MS m/z: 310[M+1]+; 1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 2.71 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.05 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H), 7.23 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.30 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 8.52 (s, 2H)。
【0297】
工程4:3−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−プロピオンアミドの合成
【化156】
3−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−プロピオン酸メチルエステルおよびアンモニア(MeOH中7M、2ml、14.00mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。アンモニア(MeOH中7M、1ml、7.00mmol)を添加し、反応混合物をさらに24時間撹拌した。溶媒を真空で除去した。粗生成物を、精製せずに次工程に使用した。ESI-MS m/z: 295 [M+1]+
【0298】
工程5:2−[5−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エチルアミンの合成
【化157】
水酸化ナトリウム(78mg、1.951mmol)の水(4ml)溶液を0℃に冷却し、臭素(0.020ml、0.390mmol)を添加した。混合物を数分間撹拌後、3−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)プロパンアミド(96mg、0.325mmol)のEtOH(1.000ml)溶液を添加した。撹拌を、溶液が透明になるまで0℃で続けた。反応温度を95℃に上げ、1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。粗2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エタナミン(35mg、0.131mmol、40.3%収率)を得て、さらに精製せずに次工程に使用した。
ESI-MS m/z: 267 [M+1]+
【0299】
工程6:N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミドの合成
【化158】
2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エタナミン(35mg、0.131mmol)のピリジン(3ml)溶液に、0℃で、エタンスルホニルクロライド(0.037ml、0.393mmol)を添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。PTLC(溶離剤;60%EtOAc/ヘプタン、v/v)での精製により、N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)エチル)エタンスルホンアミド(8.1mg、0.023mmol、17%収率)を得た。
ESI-MS m/z: 359 [M+1]+
1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.99 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.01 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.47 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.33 (s, 1H), 7.25 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.57 (s, 1H)。
【0300】
実施例87:N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタン−スルホンアミド
【化159】
工程1:メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートの合成
【化160】
DMSO(20ml)を、水素化ナトリウム(0.215g、5.37mmol)およびトリメチルスルホキソニウムアイオダイド(1.227g、5.58mmol)の混合物にゆっくり添加した。この混合物を室温で15分間撹拌し、(E)−メチル3−(5−ブロモピリジン−3−イル)アクリレート(1g、4.13mmol)のDMSO(8ml)を添加した。反応混合物を室温で3分間撹拌した。氷水およびEtOAcを添加した。有機層を水および塩水で洗浄した。水性層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−30%、v/v)で精製して、メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレート(257mg、1.004mmol、24%収率)を得た。ESI-MS m/z: 358[M+1]+1H NMR (CDCl3, 400MHz); δ 1.33-1.38 (m, 1H), 1.66-1.71 (m, 1H), 1.94-1.98 (m, 1H), 2.49-2.54 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 7.51 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.53 (t, J = 2.0 Hz, 1H)。
【0301】
工程2:メチル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートの合成
【化161】
2,3−ジクロロフェニルボロン酸(279mg、1.464mmol)、メチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレート(357mg、1.394mmol)、PdCl(dppf).CHCl付加物(114mg、0.139mmol)およびNaCO(水中2M、1.743ml、3.49mmol)のDMF(7ml)中の混合物を、100℃で、窒素下雰囲気加熱した。1時間後、溶媒を真空で除去した。残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−25%、v/v)で精製して、メチル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレートを得た(335mg、1.040mmol、74%収率)。ESI-MS m/z: 322[M+1]+; 1H NMR (CDCl3, 400MHz) 1.38-1.41 (m, 1H), 1.68-1.73 (m, 1H), 1.97-2.01 (m, 1H), 2.58-2.63 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 7.21 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.30 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.43 (bs, 1H), 7.53 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 8.48 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 1.6 Hz, 1H)。
【0302】
工程3:ベンジル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピルカルバメートの合成
【化162】
メチル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンカルボキシレート(270mg、0.838mmol)のMeOH(3ml)溶液に、NaOH(5M水溶液、0.503ml、2.51mmol)を室温で添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。反応をHCl(5M水溶液)の添加によりクエンチし、混合物をAcOEt/トリフルオロエタノール(10:1)で抽出した。抽出物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた粗物質をトルエン(7ml)に溶解した。ジフェニルホスホノアジド(0.272ml、1.257mmol)、トリエチルアミン(0.175ml、1.257mmol)を溶液に添加し、それを12時間、100℃で撹拌した。ベンジルアルコール(0.523ml、5.03mmol)を反応混合物に添加し、この混合物をさらに4時間撹拌した。飽和NaHCO溶液を室温で添加し、混合物をAcOEtで抽出した。抽出物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。
フラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−50%、v/v)での精製により、ベンジル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピルカルバメート(94.1mg、0.228mmol、27%収率)を得た。
ESI-MS m/z: 413[M+1]+. 1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ ppm 1.27-1.33 (m, 2H), 2.15-2.28 (m, 1H), 2.81-2.87 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 7.21 (bs, 1H), 7.29 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 5H), 7.52 (dd, J = 8.0, 0.6 Hz, 2H), 8.48 (s, 2H)
【0303】
工程4:N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタンスルホンアミドの合成
【化163】
ベンジル2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピルカルバメート(94mg、0.227mmol)のDCM(3ml)溶液に、BBr(0.682ml、0.682mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を1時間、0℃で撹拌した。反応を飽和NaHCO溶液の添加によりクエンチし、混合物をAcOEtで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をピリジン(3.00ml)に溶解し、エタンスルホニルクロライド(0.086ml、0.910mmol)を溶液に添加した。この反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、飽和NHCl水溶液を添加した。この混合物をAcOEtで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュカラム(EtOAc/ヘプタン=0−50%、v/v)で精製して、N−(2−(5−(2,3−ジクロロフェニル)ピリジン−3−イル)シクロプロピル)エタンスルホンアミド(6.2mg、0.017mmol、7%収率)を得た。ESI-MS m/z: 371[M+1]+. 1H NMR (CDCl3, 400MHz) 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.38-1.43 (m, 2H), 2.35-2.38 (m, 1H), 2.86-2.91 (m, 1H), 3.14 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 7.41 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 1H), 8.46 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.4 Hz, 1H)。
【0304】
本発明の化合物はアルドステロンシンターゼの阻害剤として有用であり、アルドステロンシンターゼが仲介する疾患および状態、例えば、ここに開示する代謝障害の処置に有用であることを見ることができる。
【0305】
本発明は例示の方法でのみ記載されており、本発明の範囲内および精神内のまま修飾をなし得ると解釈されるべきである。