特許第5659249号(P5659249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5659249
(24)【登録日】2014年12月5日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】シート処理装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20150108BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   G03G15/20 510
   G03G15/00 554
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-17728(P2013-17728)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2014-149397(P2014-149397A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2013年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】土橋 宏行
【審査官】 山本 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−206562(JP,A)
【文献】 特開2010−002622(JP,A)
【文献】 特開2010−002710(JP,A)
【文献】 特開2012−101888(JP,A)
【文献】 特開2004−294810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/16
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート処理装置の本体内に収納され、シートを加熱する加熱手段と、
前記シート処理装置の本体に開閉可能に設けられた扉と、
前記扉の閉鎖時に、前記加熱手段を支持するレールと、
前記レールに対して支点を中心に回動可能に連結され、前記扉の開放時に前記支点を中心に回動して、前記シート処理装置の本体の外側に引き出された引出位置まで延出させ、前記加熱手段を前記引出位置まで案内する補助レールと、
前記補助レールに設けられ、前記加熱手段の前記引出位置の方向への移動を終了する位置を規定する突き当て部と、
前記加熱手段に設けられ、前記引出位置で前記突き当て部と当接することで前記加熱手段の引出位置の方向への移動を終了させるとともに、前記引出位置で、前記加熱手段が自重により回動する際の回動中心となるスタッドと、
を具備するシート処理装置。
【請求項2】
前記補助レールは、前記加熱手段の動作時に、前記シート処理装置内に格納され、前記扉の開放時に、前記突き当て部において前記加熱手段を自重により回動可能に支持する請求項1のシート処理装置。
【請求項3】
前記補助レールの前記移動を終了する位置は、前記加熱手段に、前記スタッドを回転中心とした所定角度の回転を可能とする請求項1または2のシート処理装置。
【請求項4】
前記補助レールは、前記スタッドを案内する溝部を含み、
前記溝部は、前記加熱手段を前記水平方向よりも重力方向に向けて案内する第一の傾きと、前記加熱手段を前記第一の傾きと傾きの方向が異なる方向に向けて案内する第二の傾きと、前記加熱手段の前記スタッドの前記水平方向への移動を終了する位置を規定する端部と、を含む
請求項1〜3のいずれかのシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、顕像化材すなわち色材により可視化した画像をシートに固定する定着装置や可視化した画像の色を消色する消去装置に用いる加熱装置を有するシート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顕像化材すなわち色材により可視化した画像をシートに固定する定着装置や可視化した画像の色を消去し、シートを再利用する消去装置に用いる加熱装置を有するシート処理装置がある。
【0003】
加熱装置は、例えば熱源を備えたヒートローラとヒートローラに押圧するプレスローラとからなる加熱機構を有し、加熱機構に色材を支持するシート及び色材を搬送し、加熱処理を行う構成が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−266157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、加熱により、色材を支持するシートに熱カールが生じることが知られている。このため、加熱機構に移動するシートの端部がヒートローラの外周面に一定以上の角度で当たり易く、ヒートローラの表面のコーティングを傷つけ、ヒートローラの耐久性を低下することがある。このような背景から、加熱機構のヒートローラに傷がつく、等の理由で加熱機構をユーザが交換することが必要である。
【0006】
本発明の目的は、ヒートローラが提供する加熱機構を容易に交換可能な加熱装置を有するシート処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態において、シート処理装置は、加熱手段と、扉と、レールと、補助レールと、突き当て部と、スタッドと、を具備する。加熱手段は、シート処理装置の本体内に収納され、シートを加熱するは、前記シート処理装置の本体に開閉可能に設けられる。レールは、前記扉の閉鎖時に、前記加熱手段を支持する補助レールは、前記レールに対して支点を中心に回動可能に連結され、前記扉の開放時に前記支点を中心に回動して、前記シート処理装置の本体の外側に引き出された引出位置まで延出させ、前記加熱手段を前記引出位置まで案内する。突き当て部は、前記補助レールに設けられ、前記加熱手段の前記引出位置の方向への移動を終了する位置を規定する。スタッドは、前記加熱手段に設けられ、前記引出位置で前記突き当て部と当接することで前記加熱手段の引出位置の方向への移動を終了させるとともに、前記引出位置で、前記加熱手段が自重により回動する際の回動中心となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のシート処理装置の一例を示す。
図2】実施形態のシート処理装置の主要部の一例を示す。
図3】実施形態のシート処理装置の加熱装置の一例を示す。
図4】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図5】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図6】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図7】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図8】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図9】実施形態のシート処理装置の加熱装置の案内機構の一例を示す。
図10】実施形態の加熱装置を適用する画像形成装置の一例を示す。
図11】実施形態の加熱装置の案内機構の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1及び図2に示すシート処理装置101は、給紙部10、消去部20、読取部30、搬送部40、消色装置制御部50、排紙部60、表示部70及び操作部80を少なくとも含む。なお、図2は、シート処理装置101について主要なブロックを単位として説明するブロック図であり、図1は、シート処理装置101を、シート(用紙)の搬送及び消色部へのシートの循環(搬送)を中心に説明する概略図である。なお、シート処理装置101は、例えば顕像化材すなわち色材により可視化した画像の色を消去し、シートを再利用する消去装置の例である。
【0011】
給紙部10は、消色対象の画像(色材)を有する消色前のシート(用紙)を受けつける(シートがセットされる)消色前シート保持部(以下給紙カセットと称する)11、給紙カセット11が保持する消色前シートを後段で詳述する消去部20へ案内する搬送路41(搬送部40)及び搬送路41による消色前シートの搬送(移動)を可能とする推進力(搬送力)を消色前シートに与える給紙ローラ12、搬送ローラ13及び搬送ローラ14を、少なくとも含む。
【0012】
搬送路41は、後段で詳述する読取部30と一部が共通の搬送路42(搬送部40)と接続する。
【0013】
搬送路42(搬送部40)は、消去部20へ案内する消色前シートもしくは消去部20において画像の色が消去(色材の発色が消色)され、消色後のシート(以下消色済シートと称する)を消色シート保持部(以下排紙部と称する)60へ案内する。搬送路42は、搬送路42によるシートの搬送を可能とする推進力を、消色前シート及び消色済シートのそれぞれに与える搬送ローラ33及び34を、少なくとも含む。
【0014】
消去部20は、以下に説明する読取部30による読取結果に基づいて、加熱装置すなわち消色装置21に向けて消色前シートを搬送路42から分岐する分岐器22、分岐器22が分岐した消色前シートを消色装置21に案内する搬送路47(搬送部40)及び消色前シートを消色装置21に搬送可能とする推進力を消色前シートに与える搬送ローラ23〜25、消色装置21による消色後の消色済シートを搬送路42へ案内する搬送ローラ26〜28を、少なくとも含む。消色装置21は、回転中心を規定する軸線が実質的に平行になるよう位置する一対のローラ間が規定する加熱機構を通るシートに所定の温度以上の消色温度(熱)を与え、顕色剤の作用を受けて発色する呈色性化合物(色素の前駆体化合物)への顕色剤の効力を低減し、発色状態を解消して消色する第1の加熱ユニット210及び第2の加熱ユニット220を含む。消色装置21については図3により後段で詳しく説明する。なお、消色装置21の近傍のシート処理装置101の所定位置には、消色装置21の交換時に開放する扉(カバー)111が位置する。扉111は、例えば支点101aを回転中心とする矢印方向の開閉動作により、開放/閉鎖可能である。また、消色装置21は、扉111との間に位置するレール121に沿って、移動する。
【0015】
読取部30は、搬送路42を通るシートが消色前シートであることを検出する第1及び第2の画像センサ31,32を、少なくとも含む。第1及び第2の画像センサ31,32は、例えば反射濃度センサあるいは誘電率測定センサ等であり、搬送路42を通るシートの両面の画像の有無を検出する。
【0016】
なお、読取部30の第1及び第2の画像センサ31,32は、例えばCMOSセンサであり、搬送路42を通るシートの画像情報を取得する。それぞれの画像センサ31,32が取得する画像情報は、記憶装置36が保持する。記憶装置36が保持する画像情報は、A−D(アナログ−デジタル)変換の後、ページメモリ35を通り、ページ単位である。
【0017】
搬送路42は、分岐器22が分岐する消色済シートを排紙部60へ案内する搬送路43と接続する。
【0018】
搬送路43(搬送部40)は、排紙分岐器16及び搬送ローラ15を、少なくとも含み、分岐器22が分岐する消色済シートを、排紙部60の第1の消色済シート保持部(以下再利用カセットと称する)61または第2の消色済シート保持部(以下ストッカと称する)62のいずれかへ、案内する。なお、再利用カセット61が収容する消色済シートは、搬送ローラ63及び搬送路44(搬送部40)が案内する。また、ストッカ62が収容する消色済シートは、搬送ローラ63〜65及び搬送路45,46(それぞれ搬送部40)が案内する。
【0019】
なお、搬送路42に対してシートを供給可能な所定の位置、例えば給紙カセット11が供給するシートを搬送する搬送路41あるいは消色装置21による消色後の消色済シートを搬送路42へ搬送する搬送路47の搬送路42に対して上流となる位置には、給紙カセット11を経由することなく消色前シートを消色装置21すなわち消去部20へ供給する手差し給紙部17及び搬送ローラ18を含む手差し搬送路48が接続する。
【0020】
制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit,主制御装置)51、ROM(Read Only Memory,読出専用メモリ)52、RAM(Random Access Memory,書き換え可能メモリ)53、入出力(I/O)ポート54、モータドライバ56、搬送路切換制御部(分岐器駆動部)57、温度制御部58及び電源部59等を、少なくとも含む。なお、表示部70及び操作部80が制御部50と接続する。また、表示部70及び操作部80は、例えばタッチパネル等を用いて、一体的に形成することも可能である。
【0021】
主制御装置(CPU)51は、ROM52が保持する動作プログラムに従い各部の動作を制御する。
【0022】
ROM52は、消色装置21を動作するための動作プログラムや、第1及び第2の画像センサ31,32による検出結果との比較に用いる参照値、等を保持する。
【0023】
RAM53は、I/Oポート54を通じて入力する、例えば第1及び第2の画像センサ31,32による検出結果、入出力ポート54を通じて入力する各搬送路41〜48(搬送部40)の所定の位置に用意されるJAMセンサからの入力の受けつけ、操作部80による指示入力(操作情報)に従う処理ルーチンの実行時の一時的なデータの保持等を受け持つ。
【0024】
I/Oポート54は、例えば第1及び第2の画像センサ31,32からの検出結果を、CPU(主制御部)51が処理可能な形式に変換する。I/Oポート54はまた、操作部80からの指示入力をCPU51が処理可能に変換する。I/Oポート54はまた、給紙部10、消去部20、読取部30、搬送部40及び排紙部60、が含むさまざまな要素、例えばモータや分岐器への制御指示、任意のセンサ等が検出する検出値の受け取り等に寄与する。
【0025】
モータドライバ56は、例えば消色装置21の前後(上流側及び下流側)に位置する搬送ローラ23〜28を駆動する搬送モータ29あるいは任意のモータ他の各部のローラを駆動する。
【0026】
排紙部60は、図1により説明した搬送路43を経由した消色済シートを、分岐器16を通じて再利用カセット(第1の消色済シート保持部)61またはストッカ(第2の消色済シート保持部)62のいずれかへ、案内する。
【0027】
操作部80は、例えばユーザからの制御指示の入力を受けつけ、同制御指示に対応する制御コマンドを、CPU51が読み取り可能に、出力する。
【0028】
消色装置21は、図1により説明したが、給紙カセット11から、搬送路41、搬送路42(読取部30)、搬送路43及び搬送路44(排紙部60)を通り、再利用カセット61またはストッカ62相互間に位置する第1の搬送経路から読取部30(搬送路42)において分岐する搬送路47である第2の搬送経路の所定の位置に位置する。
【0029】
消色装置21は、図3に示すが、第1の加熱ユニット210及び第2の加熱ユニット220を含む。なお、第2の搬送経路すなわち搬送路47の搬送ローラ23〜25側を、搬送上流側と称する。また、第2の搬送経路すなわち搬送路47の搬送ローラ26〜28側を、搬送下流側と称する。
【0030】
第1の(搬送上流側)加熱ユニット210は、一対のヒートローラ211及びプレスローラ212からなる。ヒートローラ211は、ローラ内部に熱源ランプ213を、ローラ外周に温度検知部214を備える。
【0031】
第2の(搬送下流側)加熱ユニット220は、一対のヒートローラ221及びプレスローラ222からなる。ヒートローラ221は、ローラ内部に熱源ランプ223を、ローラ外周に温度検知部224を備える。
【0032】
第1の加熱ユニット210のヒートローラ211の熱源ランプ213の熱容量は、第2の加熱ユニット220のヒートローラ221の熱源ランプ223の熱容量と概ね等しい。
【0033】
第1の加熱ユニット210及び第2の加熱ユニット220は、ヒートローラ211,221の位置が第2の搬送経路に対して逆向きに位置する。実施の形態における配列では、ヒートローラ211が第2の搬送経路を通るシートの一方の面(第2の画像センサ32側の面、以下必要に応じて表面と称する)と接する。従い、ヒートローラ221が第2の搬送経路を通るシートの他の一方の面(第1の画像センサ31側の面、以下必要に応じて背面と称する)と接する。
【0034】
第1の加熱ユニット210あるいは第2の加熱ユニット220のいずれか、もしくはそれぞれは、例えば1本のローラとエンドレスベルトによりニップを形成するものであってもよい。第1の加熱ユニット210の熱源ランプ213あるいは第2の加熱ユニット220の熱源ランプ223は、例えばヒートローラの金属面(あるいはベルトの金属層)に誘導熱を生じさせるIH(誘導加熱)ヒータであってもよい。
【0035】
消色装置21はまた、内部の温度を維持するとともに外部温度が安全基準温度を超えることの無いよう、第1及び第2の加熱ユニット210、220の周りを覆うカバー201を有する。カバー201の第1の加熱ユニット210のプレスローラ212側には、消色装置21の交換時に消色装置21の移動を容易とするスタッド(ガイドピン)202及び消色装置21の交換を容易とするもち手203が位置する。
【0036】
次に、搬送動作を説明する。
【0037】
消色及び読み取りのモードにおいては、画像の色(顕像化材すなわち色材が発する色)を消色すべきシートは、給紙部10から第1の搬送経路を通り、読取部30に位置する。
【0038】
読取部30において、第1及び第2の画像センサ31,32が、シート上の画像情報を読み取る。第1及び第2の画像センサ31,32が読み取ったシート上の画像情報は、記憶装置36が保持する。
【0039】
読取部30を通過するシートは、第2の搬送経路(搬送路47)を通り、搬送上流側の搬送ローラ25を経由して消色装置21の第1の加熱ユニット210に位置し、搬送下流側の第2の加熱ユニット220を通過するまでの間に、画像の色を消色する消色処理される。
【0040】
消色装置21が消色したシートは、第2の加熱ユニット220の搬送下流側の搬送ローラ26を経由して第2の搬送経路に位置する。
【0041】
第2の搬送経路に位置する消色済シートは、再度第1の搬送経路に位置し、第1の搬送経路を介して排出部60の第1の排紙トレイ(再利用カセット)61あるいは第2の排紙トレイ(ストッカ)62内に、位置する。
【0042】
次に、図4図6により、加熱装置すなわち消色装置を交換する手順及び交換を容易とするシート処理装置の構造の特徴を示す。
【0043】
図4は、図1が示すシート処理装置101の消色装置21及び消色装置21を支持するガイド機構を抜き出した状態を示す。図5は、図4における消色装置21の近傍のカバー111を開放した状態に対応し、カバー111を省略し、以下に説明する補助レール122を展開した状態を示す。
【0044】
図4が示すように、消色装置21は、シート処理装置101内の所定の位置において、ガイド機構すなわちレール121上に位置する。なお、図4においては、カバー(扉)111側が閉じた状態であり、消色装置21が移動することは無い。また、図4において、カバー111を開放することで、消色装置21が矢印A方向へ移動可能になる。
【0045】
レール121には、カバー111が開放した時点で支点122aを回転中心として展開(90度程度の回転)が可能な補助レール122が接続する。補助レール122は、消色装置21のスタッド(ガイドピン)202を受け止める突き当て部122bを有する。
【0046】
カバー111を開放すると、補助レール122が矢印B方向に展開可能となる。従い、図5に示すように、消色装置21は、レール121及び補助レール122上を矢印A方向に、移動できる。なお、レール121及び展開した補助レール122が伸びる矢印A方向は、重力が作用する重力方向と概ね直交する水平方向である。
【0047】
図5に示すように、補助レール122上を移動する消色装置21は、スタッド202が突き当て部122bに接することにより、突き当て部122bの位置で停止する(突き当て部122bを超えて矢印A方向に移動することは無い)。
【0048】
図6は、図5が示す展開した補助レール122上を、突き当て部122bまで移動した消色装置21の動作を示す。
【0049】
補助レール122上を突き当て部122bまで移動した消色装置21は、自重により、スタッド202を回転中心として、図6に示すように、レール121及び展開した補助レール122が伸びる矢印A方向と実質的に直交し、重力が作用する重力方向である矢印C方向に90度程度回転する。すなわち、消色装置21は、もち手203がレール121及び展開した補助レール122が伸びる矢印A方向と直交し、重力方向と逆向きの補助レール122が伸びる方向と直交する矢印D方向(矢印A方向と概ね直交する取出し方向)になるよう、概ね90度旋回する。従い、消色装置21が、消色装置21の取り出しが容易な取り出し方向による取り出しが可能となる。すなわち、比較的重量がある構造物を移動する際には、水平方向(矢印A方向)への移動に比較して矢印D方向のような重力方向の移動が有利であるため、消色装置21を取り外す利用者(ユーザ)が感じることのある重量感を低減できる。
【0050】
展開時の補助レール122の支点122aと突き当て部122bとの間の距離x1は、図7(a)及び図7(b)に示すように、消色装置21の高さ方向yに比較して、
x1−x2 > y
x2 < y < x1
となる飛び出し防止距離x2に基づいて設定されている。飛び出し防止距離x2は、シート処理装置101のカバー111を閉じた状態の外形位置と補助レール122の支点122aとの間の距離である。
【0051】
すなわち、補助レール122のスタッド122bまでの距離x1を、飛び出し防止距離x2と関連付けて規定することで、補助レール122の突き当て部122bまで消色装置21を引き出した場合に、消色装置21が突然、シート処理装置101本体から外れる(抜け落ちる)ことが防止できる。
【0052】
これにより、消色装置21を取り外す利用者(ユーザ)は、スタッド202が突き当て部122bに接し、消色装置21が概ね90度旋回した以降に、図6の矢印D方向の重量感を感じにくい方向へ、消色装置21を取り外すことができる。また、消色装置21が突然シート処理装置101本体から外れる(抜け落ちる)ことが防止できるため、消色装置21の交換時の安全性が向上する。
【0053】
なお、補助レール131(図4図6の実施形態との識別のためを131と記載)は、図8及び図9に示すように、消色装置21のスタッド202を案内する案内溝131bを有してもよい。
【0054】
図8及び図9が示す案内溝131bは、矢印A方向に伸びるレール121との接続点である支点131aを回転中心として、レール121と概ね水平となるよう、矢印B方向に概ね90度、展開する補助レール131において、消色装置21の移動を案内する。
【0055】
案内溝131bは、例えばレール121からの消色装置21の離脱を容易とするため、レール121が伸びる水平方向(矢印A方向)よりも、僅かに重力方向に消色装置21を誘導する。
【0056】
案内溝131bは、補助レール131の端部の近傍に、消色装置21にかかる重力方向の力を受けとめる終端部131cを有する。
【0057】
より詳細には、案内溝131bは、レール121を離脱して終端部131cに移動する消色装置21を、消色装置21の自重を利用して容易にレール121から離脱するとともに、終端部131cを飛び越えることの無いよう、重力方向と概ね逆向きの力が作用する勾配を伴う。
【0058】
従って、消色装置21は、終端部131cまでの区間を、案内溝131bに沿ってスムースに移動する。
【0059】
終端部131cまで案内溝131bを移動する消色装置21は、終端部131cにおいて、自重により、スタッド202を回転中心として、レール121及び展開した補助レール131が伸びる矢印A方向と実質的に直交し、重力が作用する重力方向である矢印C方向に90度程度回転する。すなわち、消色装置21は、もち手203がレール121及び展開した補助レール122が伸びる矢印A方向と直交し、重力方向と逆向きの補助レール122が伸びる方向と直交する矢印D方向(矢印A方向と概ね直交する取出し方向)になるよう、概ね90度旋回する。
【0060】
図8図9)のような案内溝131bを用いることで、より安全に、しかも確実に消色装置21をシート処理装置101から取り外すことができる。
【0061】
なお、案内溝131bの終端部131cを、平坦(重力による自由落下を抑止できる形状)とすることで、一時的に消色装置21の荷重をユーザ(利用者)に感じさせない状態を提供でき、消色装置21の取り外し、あるいは装着がより安定に実行できる。
【0062】
図10に、加熱装置が顕像化材すなわち色材により可視化した画像をシートに固定する定着装置である画像形成装置の一例を示す。
【0063】
図10に示す画像形成装置301は、C,M,Y,Bkの4色の色材で4つの単色画像を形成してカラー画像を形成する4つの画像形成ステーション311,312,313及び314を有する。
【0064】
4つの単色画像は、転写ベルト334上で重なり、転写装置335において、カセット342からのシートに移動する。
【0065】
シート上の画像は、定着装置341からの熱及び圧力によりシートに固着(定着)する。定着装置341は、図11に示す(図5及び図6に説明したレール121及び補助レール122と同様に)構成するレール321及び支点322aを回転中心として展開した補助レール322上を移動し、スタッド302が突き当て部322bに接することにより、突き当て部322bで停止する。
【0066】
補助レール322上を突き当て部322bまで移動した定着装置341は、スタッド302を回転中心として、自重によりレール321及び展開した補助レール322が伸びる矢印A方向と実質的に直交し、重力が作用する重力方向である矢印C方向に90度程度回転する。すなわち、定着装置341は、もち手303がレール321及び展開した補助レール322が伸びる矢印A方向と直交し、重力方向と逆向きの補助レール122が伸びる方向と直交する矢印D方向(矢印A方向と概ね直交する取出し方向)になるよう、概ね90度旋回する。従い、定着装置341が、定着装置341の取り出しが容易な取り出し方向による取り出しが可能となる。すなわち、比較的重量がある構造物を移動する際には、水平方向(矢印A方向)への移動に比較して矢印D方向のような重力方向の移動が有利であるため、消色装置21を取り外す利用者(ユーザ)が感じることのある重量感を低減できる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
20…消去部、21…消色装置(加熱装置)、40…搬送部、50…制御部(主制御装置)、101…シート処理装置、111…カバー(扉)、121…レール、122(131)…補助レール、201…カバー、202…スタッド、210…第1の加熱ユニット、211…ヒートローラ、220…第2の加熱ユニット、221…ヒートローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11