特許第5659338号(P5659338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5659338
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150108BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 320
   A63F7/02 317
【請求項の数】4
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2010-224286(P2010-224286)
(22)【出願日】2010年10月1日
(65)【公開番号】特開2012-75720(P2012-75720A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】西ヶ谷 道雄
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−291292(JP,A)
【文献】 特開2008−029550(JP,A)
【文献】 特開2000−157686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた第1大入賞口を連続して開放作動させる役物連続作動装置と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球すると普通図柄を作動させる普通図柄始動口と、
前記普通図柄が当ると開放される翼片を備え、該翼片が開放されると開放されない状態よりも容易に入球させることが可能な特別図柄始動口と、
特別図柄を表示するための特別図柄表示装置と、
前記特別図柄始動口に入球すると前記特別図柄表示装置に確定表示する特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、
該特別図柄決定手段により決定された特別図柄を前記特別図柄表示装置にて変動表示を行なった後に確定表示する特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が、予め定められた当り図柄であった場合に開放される第2大入賞口と、
該第2大入賞口に入球した遊技球が到達可能な特定領域と、
該特定領域に遊技球が到達すると、前記役物連続作動装置を作動させる役物連続作動装置制御手段と、
前記翼片の開放頻度を、通常状態と、該通常状態よりも上昇した開放延長状態との少なくとも2状態に変化させるものであって、前記役物連続作動装置の作動終了後の開放頻度を、前記当りとなった特別図柄に応じて何れの状態にするかを決定する開放頻度決定手段と、
前記役物連続作動装置の作動が終了すると、前記開放頻度決定手段による決定に従って、前記翼片の開放頻度を設定する開放頻度制御手段と、
前記遊技領域の略中央に設けられ、前記特別図柄の演出用の図柄である演出図柄を表示するための演出図柄表示装置と、
該演出図柄表示装置、当該遊技機が備えるスピーカ、および当該遊技機が備えるランプの少なくとも一つを制御するサブ制御装置と
を備えた遊技機において、
前記当り図柄として少なくとも、前記開放頻度決定手段によって前記開放延長状態にすると決定される開放延長図柄、並びに前記通常状態にすると決定される第1通常図柄および第2通常図柄が設定されており、
前記サブ制御装置は、前記特別図柄決定手段により、前記第1通常図柄を前記特別図柄表示装置に表示すると決定された場合は、役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知せず、前記第2通常図柄を前記特別図柄表示装置に表示すると決定された場合は、前記役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知する終了報知手段
を備え、
該終了報知手段は、前記翼片の開放頻度が前記通常状態である場合には作動しないものであり、
前記翼片の開放頻度が前記開放延長状態であって、且つ前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が前記当り図柄でなかった場合に前記終了報知手段を作動させる終了報知作動手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記サブ制御装置は、少なくとも、前記演出図柄表示装置に前記演出図柄を含む画像の表示を制御するものであり、
前記特別図柄決定手段により決定された特別図柄に対して、前記サブ制御装置により行なわれる前記演出図柄の変動表示の時間を設定する変動時間設定手段を備え、
該変動時間設定手段は、前記開放延長図柄および前記第1通常図柄に対しては互いに同じ共通変動時間を設定し、前記第2通常図柄に対しては、前記共通変動時間とは異なる変動時間を設定するものであり、
前記終了報知手段が、前記変動時間設定手段によって設定された変動時間、前記演出図柄を変動させることにより、前記役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記終了報知作動手段は、前記翼片の開放頻度が前記開放延長状態となって以降、予め定められた回数、前記特別図柄が確定表示されるまでの間に、前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が前記当り図柄でなかった場合に限り、前記終了報知手段を作動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記終了報知手段が作動している状態において、予め定められた回数、前記特別図柄が確定表示されると、前記終了報知手段の作動を停止させる報知動作停止手段
を備えたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、特に、開閉可能な翼片を備えた始動口を有し、該翼片が開放される頻度が高まることにより遊技者にとって有利な遊技状態を創出する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技機は、開閉可能な翼片を備えた始動口を有し、該翼片が開放される頻度が高まることにより遊技者にとって有利な遊技状態を創出するものがある。例えば、特許文献1に開示された遊技機では、普図始動口を遊技球が通過すると、普通図柄変動表示ゲームが開始され、普通図柄変動表示ゲームが当ると普通変動入賞装置(開閉可能な翼片を備えた始動口)が開放し、始動入賞口(第2始動入賞口)への遊技球の入賞率が高まるよう構成されている。第2始動入賞口への遊技球の入賞率が高まると、第2特別図柄ゲームの開始機会が増加し、この第2特別図柄ゲームで当ると、特定変動入賞装置(大入賞口)が開放され、ここに入球した遊技球が特定領域を通過すると、別の大入賞口が連続して開放される状態(大当り)となる。
【0003】
大当りが終了すると、その大当りの発生契機となった始動入賞口への入賞に基づく抽選により、大当り、低始動入賞小当たり、高始動入賞小当たりの何れかを発生させる。これらの内、高始動入賞小当たりが発生されると、高始動入賞状態(普通変動入賞装置が開放されている期間が長い状態。開放延長状態、あるいは時短ともいう)となり、第2始動入賞口に頻繁に遊技球が入賞し、第2特別図柄ゲームの開始機会が増加し、特定領域通過を契機とする大当たりが発生しやすくなる。一方、低始動入賞小当たりが発生されると、低始動入賞状態(普通変動入賞装置が開放されている期間が短い状態。通常状態)となり、第2特別図柄ゲームの開始機会が減少し、特定領域通過を契機とする大当たりが発生しにくくなる。
そこで、低始動入賞小当たりが発生することが決定されると、抽選でこれを遊技者に報知するか否かを決定する。この報知が行なわれると、遊技者は遊技球の発射を停止することにより、特定変動入賞装置に入球するのを防止する。これに成功すると、遊技球が特定領域を通過しないことになるので、大当りは発生せず、従って低始動入賞状態も発生しないことになる。従って、遊技者は低始動入賞状態が発生するのを防止することができ、有利な遊技を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−291292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機を製造する際に、基本的な遊技性やモチーフを共通にして、当り確率や出球数が異なる複数種類の機種が製造されることがよくある。特に、前記のような仕様の遊技機であれば、報知を行なう確率の異なる複数種類の機種を製造する可能性もある。例えば機種Aでは、低始動入賞小当たりが発生することが決定された場合に、これを報知する確率(以下、報知確率という)を50%とし、機種Bでは報知確率を30%とし、機種Cでは報知確率を70%としたい場合がある。しかしながら、前記遊技機によれば、報知動作が可変表示装置にて行なわれ、報知動作を行なうか否かの判断は可変表示装置を制御する図柄制御装置が行なうので、報知確率を機種ごとに変更する際には、図柄制御装置の処理内容を変更する必要が生じる。しかも、図柄制御装置を構成し直すだけでは、当り確率や継続率(報知を受けて打ち出しを停止することによる継続率の上昇を無視した値)は変化しないので、機種のバリエーションとして意味の小さいものとなり、結局、図柄制御装置以外の抽選手段なども変更する必要が生じる。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、同一の遊技性やモチーフで、報知確率が異なる複数の機種を容易に構成できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の遊技機は、遊技領域に設けられた第1大入賞口を連続して開放作動させる役物連続作動装置と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球すると普通図柄を作動させる普通図柄始動口と、前記普通図柄が当ると開放される翼片を備え、該翼片が開放されると開放されない状態よりも容易に入球させることが可能な特別図柄始動口と、特別図柄を表示するための特別図柄表示装置と、前記特別図柄始動口に入球すると前記特別図柄表示装置に確定表示する特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、該特別図柄決定手段により決定された特別図柄を前記特別図柄表示装置にて変動表示を行なった後に確定表示する特別図柄表示制御手段と、前記遊技領域に設けられ、前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が、予め定められた当り図柄であった場合に開放される第2大入賞口と、該第2大入賞口に入球した遊技球が到達可能な特定領域と、該特定領域に遊技球が到達すると、前記役物連続作動装置を作動させる役物連続作動装置制御手段と、前記翼片の開放頻度を、通常状態と、該通常状態よりも上昇した開放延長状態との少なくとも2状態に変化させるものであって、前記役物連続作動装置の作動終了後の開放頻度を、前記当りとなった特別図柄に応じて何れの状態にするかを決定する開放頻度決定手段と、前記役物連続作動装置の作動が終了すると、前記開放頻度決定手段による決定に従って、前記翼片の開放頻度を設定する開放頻度制御手段と、前記遊技領域の略中央に設けられ、前記特別図柄の演出用の図柄である演出図柄を表示するための演出図柄表示装置と、該演出図柄表示装置、当該遊技機が備えるスピーカ、および当該遊技機が備えるランプの少なくとも一つを制御するサブ制御装置とを備えた遊技機において、前記当り図柄として少なくとも、前記開放頻度決定手段によって前記開放延長状態にすると決定される開放延長図柄、並びに前記通常状態にすると決定される第1通常図柄および第2通常図柄が設定されており、前記サブ制御装置は、前記特別図柄決定手段により、前記第1通常図柄を前記特別図柄表示装置に表示すると決定された場合は、役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知せず、前記第2通常図柄を前記特別図柄表示装置に表示すると決定された場合は、前記役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知する終了報知手段を備え、該終了報知手段は、前記翼片の開放頻度が前記通常状態である場合には作動しないものであり、前記翼片の開放頻度が前記開放延長状態であって、且つ前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が前記当り図柄でなかった場合に前記終了報知手段を作動させる終了報知作動手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
ここで普通図柄作動口は、いわゆる入賞口として構成してもよいが、遊技領域を流下する遊技球が通過するだけのゲートとして構成しても構わない。また、第2大入賞口は、役物連続作動装置によって作動されるとは限らないので、第1大入賞口のように連続して開放されない可能性がある。また、役物連続作動装置を作動させるための条件が、遊技球の特定領域への到達以外に存在しても構わない。
なお、翼片が閉鎖された状態では、特別図柄始動口への入球が不可能になっても構わない。また、翼片の開放頻度が高い状態とは、普通図柄が1回当るごとに、翼片が開放される時間が延長されたり、開放される回数が増加されたりする態様を挙げることができる。また、普通図柄が当る確率が上昇してもよいし、これらの内の幾つか(全てを含む)が同時に発生しても良い。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記サブ制御装置は、少なくとも、前記演出図柄表示装置に前記演出図柄を含む画像の表示を制御するものであり、前記特別図柄決定手段により決定された特別図柄に対して、前記サブ制御装置により行なわれる前記演出図柄の変動表示の時間を設定する変動時間設定手段を備え、該変動時間設定手段は、前記開放延長図柄および前記第1通常図柄に対しては互いに同じ共通変動時間を設定し、前記第2通常図柄に対しては、前記共通変動時間とは異なる変動時間を設定するものであり、前記終了報知手段が、前記変動時間設定手段によって設定された変動時間、前記演出図柄を変動させることにより、前記役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の本発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記終了報知作動手段は、前記翼片の開放頻度が前記開放延長状態となって以降、予め定められた回数、前記特別図柄が確定表示されるまでの間に、前記特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が前記当り図柄でなかった場合に限り、前記終了報知手段を作動させるものであることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の本発明は、請求項1からの何れか1項に記載の遊技機において、前記終了報知手段が作動している状態において、予め定められた回数、前記特別図柄が確定表示されると、前記終了報知手段の作動を停止させる報知動作停止手段を備えたことを特徴とする。
ここで「予め定められた回数」とは、請求項における「予め定められた回数」とは無関係である。ただし同じ値に設定しても構わない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の遊技機において、役物連続作動装置を作動させるには、まず普通図柄始動口に入球させ、普通図柄を変動させて、特別図柄始動口の翼片を開放させ、特別図柄始動口に入球させて特別図柄表示装置上で特別図柄を変動させる。なお、特別図柄始動口の翼片が開かなくとも特別図柄始動口へ入球させることが可能な構成では、直接、特別図柄始動口へ入球させても良い。この変動の結果、確定表示された特別図柄が当り図柄であれば、第2大入賞口が開放する。第2大入賞口に入球した遊技球が特定領域に到達すると、役物連続作動装置が作動する。役物連続作動装置が作動すると、第1大入賞口が連続して開放する。
【0013】
役物連続作動装置の作動が終了すると、開放頻度制御手段が翼片の開放頻度(以下、単に開放頻度ともいう)を設定する。この設定は、開放頻度決定手段によって行なわれ、開放頻度が通常状態か、通常状態よりも上昇した開放延長状態かに選択される。その選択の要因となるのは特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄であり、開放延長図柄が確定表示された場合は開放延長状態となり、第1通常図柄または第2通常図柄が確定表示された場合は通常状態となる。換言すると、特別図柄に応じて第2大入賞口の開放と、役物連続作動装置の作動後の開放頻度が決定される。開放延長状態になると、通常状態よりも容易に第2始動口に入球させることができるので、通常状態よりも頻繁に特別図柄が確定表示されることとなり、平均して、より少ない遊技球数で当り図柄を表示させることが可能となる。つまり、開放延長状態の方が通常状態よりも遊技者にとって有利となる。
【0014】
また、開放延長状態において特別図柄が変動されて、確定表示された特別図柄に応じ、役物連続作動装置の作動後の開放頻度として通常状態が選択されても、役物連続作動装置が作動しなければ、開放頻度は通常状態にならない(逆に、通常状態において確定表示された特別図柄により開放延長状態が選択されても、役物連続作動装置が作動しなければ、開放延長状態にならない)。
そして、第2通常図柄が確定表示される場合には、終了報知手段が、役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知し、第1通常図柄が確定表示される場合には、役物連続作動装置の作動終了後に通常状態となることを報知しない。これにより開放延長状態を得た遊技者は、終了報知手段による報知動作が行なわれた場合には第2大入賞口に入球させないようにすることで、遊技球が特定領域に到達するのを防止し、役物連続作動装置を作動させなければ、通常状態になるのを防止することができる。なお、第1通常図柄が確定表示される場合には報知が行なわれないので、この場合に第2大入賞口に入球させた遊技球が特定領域に到達すれば、開放延長状態は終了する。従って過剰に遊技者が有利になるのを防止できる。
【0015】
また、報知動作の有無を、第1通常図柄か第2通常図柄かによって決定するので、大当り終了後に開放延長状態が発生しない場合に報知動作を行なう確率(報知確率)が異なり、その他の部分(例えば演出やモチーフ)が同じ機種を、容易に作成することができる。例えば、前記報知確率が50%である遊技機を構成したい場合は、第1通常図柄が特別図柄表示装置に表示される確率(単に第1通常図柄の表示確率ともいう)と第2通常図柄の表示確率を、互いに等しくすればよく、前記報知確率を30%にしたい場合は、第1通常図柄の表示確率と第2通常図柄の表示確率の割合を、7:3に等しくすればよく、前記報知確率を100%にしたい場合は、第1通常図柄の表示確率を0%にし、第2通常図柄の表示確率を0%以外の値にすればよい。このように前記報知確率を設定するには、特別図柄決定手段を変更すればよく、サブ制御装置を構成し直す必要はない。
そして、特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が当り図柄でなかった場合(つまり外れた場合)に初めて終了報知手段が作動するため、遊技者はハズレることに期待を掛ける、という今までに無い遊技興趣を備えた遊技機となる。なお、特別図柄が当り図柄であっても、遊技球が特定領域に到達できない場合があり、この場合、役物連続作動装置が作動せず、しかも終了報知手段も作動しないという状況になる。従って、遊技者がハズレることを望むことには合理性がある。
なお、ハズレ図柄を複数種類設定し、その中の特定のハズレ図柄が確定表示された場合にのみ、終了報知作動手段が終了報知手段を作動させる構成としてもよい。ハズレた場合には必ず終了報知手段が作動する構成とすると、終了報知手段が作動する確率がハズレ確率と等しくなってしまう。この点、特定のハズレ図柄が表示される場合に限り、終了報知手段が作動する構成とすることにより、終了報知手段が作動する確率を自由に設定することが可能となる。
【0016】
なお、前記特許文献1に記載の遊技機においては、図柄制御装置(報知制御手段。本発明のサブ制御装置に相当)により報知されるか否かが決定されるので、前記報知確率を変更するには、サブ制御装置を構成し直す必要がある。しかも、サブ制御装置を構成し直すだけでは、当り確率や継続率(報知を受けて打ち出しを停止することによる継続率の上昇を無視した値)は変化しないので、機種のバリエーションとして意味の小さいものとなる。つまり、特許文献1に記載の技術において、意味の大きい機種展開をするには、大当り確率や継続率を変更(抽選手段を変更すること。本発明では特別図柄決定手段の処理を変更することに相当)した上で、更にサブ制御手段を構成し直す必要がある。この点、請求項1に記載の本発明によれば、サブ制御装置を構成し直すことなく、特別図柄決定手段の処理を変更するだけで、当り確率、継続率、報知確率を変更することができ、意味の大きな機種展開をすることができる。
報知動作の態様としては、演出図柄表示装置に、報知用の画像を表示したり、ランプを点灯・消滅・点滅させたり、スピーカからの音を出力させたりすることが考えられる。また、サブ制御装置を役物などの可動物を制御可能なものとして構成し、この可動物を動かすことにより報知動作を行なっても構わない。もちろん、これらの報知動作を組み合わせて行なってもよい。
【0017】
請求項2に記載の遊技機によれば、演出図柄の変動時間の違いにより第2通常図柄が表示されるか否かを報知するので、報知態様がこれのみであれば、極めて簡素な構成にて遊技者に報知を行なうことができる。また、第2通常図柄か否かに応じて変動時間の差を大きくすることにより、遊技者が報知動作に気付き易くなる。
【0018】
請求項3に記載の遊技機によれば、特別図柄表示装置に確定表示された特別図柄が当り図柄でなかった場合(つまり外れた場合)に初めて終了報知手段が作動するため、遊技者はハズレることに期待を掛ける、という今までに無い遊技興趣を備えた遊技機となる。なお、特別図柄が当り図柄であっても、遊技球が特定領域に到達できない場合があり、この場合、役物連続作動装置が作動せず、しかも終了報知手段も作動しないという状況になる。従って、遊技者がハズレることを望むことには合理性がある。
なお、ハズレ図柄を複数種類設定し、その中の特定のハズレ図柄が確定表示された場合にのみ、終了報知作動手段が終了報知手段を作動させる構成としてもよい。ハズレた場合には必ず終了報知手段が作動する構成とすると、終了報知手段が作動する確率がハズレ確率と等しくなってしまう。この点、特定のハズレ図柄が表示される場合に限り、終了報知手段が作動する構成とすることにより、終了報知手段が作動する確率を自由に設定することが可能となる。
【0019】
請求項に記載の遊技機によれば、開放延長状態になって以降、特別図柄が確定表示された回数が、予め定められた値を超えると、たとえ特別図柄がハズレても終了報知手段が作動しない。従って、早い時点で特別図柄がハズレることを遊技者が望むことになる。この結果、いたずらに開放延長状態を伸ばす(例えば、普通図柄始動口に賞球がある構成では、翼片が開放延長状態となった普通図柄始動口に入球させて賞球を過分に得ることができる)といった行為を遊技者が行なわなくなる可能性が高く、遊技の進行が早くなることを期待できる。
【0020】
請求項に記載の遊技機によれば、予め定められた回数、特別図柄が確定表示されると、報知動作停止手段が、終了報知手段の作動を停止される。このため、報知動作が行なわれる回数に制限を設定することができ、遊技者が過剰に有利になることを防止することができる。
特に、特別図柄始動口に賞球が設定されている場合は、特別図柄を変動させて、報知の有無に関わらず第2大入賞口には入賞させない(当りの発生を所定期間放棄する)ことにより、不当に賞球を得るという遊技が行なわれる可能性がある。この点、本発明の遊技機によれば、早い時点で当てないと、報知動作が行なわれなくなるので、こうした不当な遊技を防止することができる。なお、終了報知手段の作動停止の契機を、単に特別図柄が確定表示される回数ではなく、当り図柄が確定表示される回数としたり、第2通常図柄が確定表示される回数としたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の参考例のパチンコ機50の正面図
図2】パチンコ機50の遊技盤1の正面図
図3】パチンコ機50の振分装置の説明図
図4】パチンコ機50の背面図
図5】パチンコ機50の電気構成図
図6】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
図7】主制御装置80が行う始動入賞確認処理のフローチャート
図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
図11】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
図14】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
図15】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート4
図16】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート
図17】主制御装置80がS285において実行する変動パターン決定処理のフローチャート
図18】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理のフローチャート
図19】サブ統合制御装置83が実行する小当り演出開始処理のフローチャート
図20】サブ統合制御装置83が実行する図柄確定表示処理のフローチャート
図21】サブ統合制御装置83が実行するモード振分け処理のフローチャート
図22】図柄の名称と大当り図柄決定用乱数と特別図柄の対応を示すテーブル
図23】パチンコ機50の基本的仕様を示すテーブル
図24】(a)は小当り時に通常状態に移行することを報知しない場合に演出図柄表示装置6に表示される画像、(b)は小当り時に通常状態に移行することを報知する場合に演出図柄表示装置6に表示される画像、
図25本発明の実施例のサブ統合制御装置83が実行する図柄確定表示処理のフローチャート1
図26本発明の実施例のサブ統合制御装置83が実行する図柄確定表示処理のフローチャート2
図27本発明の実施例のサブ統合制御装置83が実行するモード振分け処理のフローチャート
図28本発明の実施例の図柄の名称と大当り図柄決定用乱数と特別図柄の対応を示すテーブル
図29】第2実施例のパチンコ機50の基本的仕様を示すテーブル
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
参考例
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0023】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0024】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0025】
図2は、本参考例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0026】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0027】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0028】
第1左入賞口31の左上には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、および第1特別図柄保留数表示装置18が配置されている。なお、第2特別図柄保留数表示装置は、備えていない。
【0029】
また第1始動口11の下方には特定役物100が配置されている。特定役物100の拡大図を図3に示す。特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分け羽根105が設けられており、周期的に開閉している。振分け羽根105が開放されているときに振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが特定入球口スイッチ106a(図5も参照)に検出されると、大当り(特別遊技ともいう)が発生する。振分け羽根105が閉鎖されているときに振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して大当りは発生しない。
【0030】
パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0031】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本参考例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0032】
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本参考例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0033】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ15a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a、特定領域106に入球した遊技球を検出する特定入球口スイッチ106aの検出信号が入力される。
【0034】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0035】
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分け羽根ソレノイド105aを制御することで振分け羽根105を周期的に開閉させる。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0036】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本参考例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0037】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0038】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0039】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本参考例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0040】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0041】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者がボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0042】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0043】
メインルーチンを図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S70までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0044】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0045】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S75)に移行する。
【0046】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0047】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0048】
なお、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の99個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0049】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「299」の300個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常確率状態時は1個、時短(後述)時は297個である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0050】
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、時短時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0051】
変動パターン決定用乱数更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0052】
続く入賞確認処理(S55)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
参考例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11は4個まで、第2始動口12は無しとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0053】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S60)を行う。この当否判定処理(S60)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、第1大入賞口ソレノイド14b、第2大入賞口ソレノイド15b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0054】
続く不正監視処理(S70)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0055】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S75)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S40)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0056】
S55の入賞確認処理は図7に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0057】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ(S110)、本処理を終了(リターン)する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了する。また、第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)も、本処理を終了する。なお、第2始動口12への入球については、通常状態では発生せず、また保留記憶も存在しないので別処理で対応する。
【0058】
図8〜11に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図9のS215に移行し、第1保留記憶(上記S110による保留記憶)があるか否かを判断する。
【0059】
この保留記憶があれば(S215:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S230)、保留記憶された乱数の中で最も古い乱数を読み込み(その乱数は保留記憶から消去する)、S240に進む。第1保留記憶がなければ(S215:no)、第2始動口12(図9では第2特図始動口と表記)への入賞があったか否かを判定し、肯定判断(S225:yes)なら乱数抽出処理を行い(S235)、S240に進む。前述のように第2始動口12には、その翼片が開放されないと入賞せず、翼片が開放するのは、遊技球がゲート17を通過し、これを契機として普通図柄表示装置7において変動表示される普通図柄が当選した場合である。この当選確率は通常状態において1/300、時短状態において1/1.0101となっている。ここで時短とは、本参考例では特別図柄の平均変動時間が短縮され、普通図柄の平均変動時間が短縮され、第2始動口12の翼片の開放時間が延長された状態を意味する。なお時短状態を開放延長状態とも言う。時短状態においては普通図柄が1回当選するごとに第2始動口12の翼片が3回開放し、開放時間は最長各1秒間となっている。なお通常状態で普通図柄が当選した場合は翼片は0.2秒間、1回開放するのみである。また、乱数抽出処理(S235)の内容は、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込むものである。
【0060】
S240ではS230で読み込まれた乱数またはS235で抽出された乱数を読み込んで、大当りか否かを判定する(S250)。肯定判断であれば(S250:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S255)。この当り図柄は図22のように決定される。判定対象の乱数がS230で読み込まれたものであれば、図22(a)に示すように、大当り図柄決定用乱数が0〜9のときは図柄1、10〜19のときは図柄2、20〜29のときは図柄3、30〜39のときは図柄4、40〜49のときは図柄5、50〜57のときは図柄7、58〜65のときは図柄8、66〜82のときは図柄9、83〜99のときは図柄10となっている。これらの内、図柄1〜5が15ラウンド(図22ではRと記載)時短有図柄1であり、図柄7および8が15R時短有図柄2であり、図柄9および10が15R時短無図柄となっている。つまり第1始動口11へ入球したことを契機として抽出された乱数が当った場合、50%の確率で大当り終了後に時短が発生する。なお、時短作動時に15R時短有図柄2であたった場合は、時短が作動する。因みにハズレの場合は図柄22が表示される。
【0061】
また、判定対象の乱数がS235で抽出されたもの(第2始動口12への入賞に係るもの)であれば、図22(b)に示すように、大当り図柄決定用乱数が0〜10のときは図柄1、11〜21のときは図柄2、22〜32のときは図柄3、33〜43のときは図柄4、44〜54のときは図柄5、55〜65のときは図柄6、66〜82のときは図柄9、83〜99のときは図柄10となっている。これらの内、図柄1〜6が15R時短有図柄1であり、図柄9および10が15R時短無図柄となっている。つまり66%の確率で大当り終了後に時短が発生する。なお、第2始動口12へ入球したことを契機として抽出された乱数にはハズレがない。
【0062】
図9に戻る。大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S260)、大当り情報設定処理を行う(S265)。大当り情報設定処理とは、大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を設定する処理である。そして続くS270の遊技状態設定処理にて、大当り後の遊技状態を設定する。これはS255で決定した大当り図柄に応じて設定され、大当り図柄が時短有りの図柄であれば開放延長設定フラグを1にし、時短有りの図柄でなければ開放延長設定フラグを0にする。遊技状態設定処理(S270)が終了すると、S305に移行する。
【0063】
S250において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S275)。小当りとは、最大1秒の第2大入賞口15の開放を1回行なうものである。なお、小当りは第2始動口12への入球を契機とする場合のみ発生し、大当りでない場合が全て小当りとなる(第1始動口11への入球を契機として抽出・保留された乱数については、大当りでない乱数は全てハズレ)。つまり小当たり確率は299/300=約1/1.003であり、第2始動口12へ入球した場合にはハズレがない(図23も参照)。肯定判断(S275:yes)であれば、小当り図柄を決定し(S280)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S285)。小当り図柄の決定は、第2始動口12に入球したときに取得される大当り図柄決定用乱数によって行なわれ、図22(b)に示すように、大当り図柄決定用乱数が0〜10のときは図柄11、11〜21のときは図柄12、22〜32のときは図柄13、33〜43のときは図柄14、44〜54のときは図柄15、55〜65のときは図柄16、66〜72のときは図柄17、73〜79のときは図柄18、80〜87のときは図柄19、88〜93のときは図柄20、94〜99のときは図柄21となっている。これらの内、図柄11〜16が小当り図柄1であり、図柄17〜19が小当り図柄2であり、図柄20および21が小当り図柄3となっている。小当り図柄の振分は、小当り図柄1が66%、小当り図柄2が22%、小当り図柄3が12%となる。時短が発生している状態において、小当り図柄1で小当りになった場合には、該小当りにより開放された第2大入賞口15に入球した遊技球が、特定領域106に入ると時短が発生する。時短が発生していない状態で小当り図柄1が第2特別図柄表示装置10に表示され、特定領域106に入球した場合や、時短状態で小当り図柄1が表示されたが特定領域106に入球しなかった場合には、時短は発生しない。また、小当り図柄2,3により小当りが発生した場合には、時短の有無・特定領域106への入球の有無に関わらず時短は発生しない。ただし、時短が発生している状態で小当り図柄2または小当り図柄3が表示されただけでは時短は終了せず、小当りにより開放された第2大入賞口15に遊技球が入り、特定領域106に入球することにより時短が終了する。
【0064】
図9に戻る。小当りも外れのときは(S275:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S290)。前述のように、小当りも外れとなるのは、第1始動口11への入球を契機として抽出・保留された乱数に限られる。こうしてS285またはS290により変動パターンが設定されると、開放延長フラグが1か否かを判定(S295)し、肯定判断なら開放延長回数を−1し、S305に移行する。否定判断(S295:no)ならそのままS305に移行する。開放延長フラグが1とは、時短状態が発生していることを示す。
【0065】
S305では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、特別遊技処理を行なう。なお、S305の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0066】
図8のS205において特別図柄が変動中と判定された場合には、図10のS400に移行し、図柄変動時間(S260、S285、又はS290の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示設定を行い(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、開放延長フラグが1か否かを判定する(S425)。肯定判断(S425:yes)であれば、S430にて開放延長フラグを0にし、S435に移行する。開放延長フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。役物連続作動装置が作動されると、特別電動役物を連続して作動させることが可能となり、特別電動役物が作動すると、第1大入賞口14が開放される。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。なお、本参考例の遊技機では、大当りはすべて15ラウンドであるが、ラウンド数もサブ統合制御装置83に送信される。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0067】
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450で開放延長フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、開放延長回数が0か否かを判定する(S455)。開放延長回数が0であれば(S455:yes)、S460にて開放延長フラグを0にしてS465に進む。開放延長フラグが1でないとき(S450:no)又は開放延長回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS465に移行する。
S465では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判断であれば(S465:yes)、S470にて特別電動役物作動開始処理を実行し、S475にて小当り開始演出処理を行ない、特別遊技処理を行なう。
【0068】
図8のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図11のS480に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断の場合(S480:no)は特別遊技処理を行う。肯定判断(S480:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S485)、特別遊技処理を行う。なお、S200において、特別電動役物が作動中と判定された場合(S200:yes)も、特別遊技処理を行う。
【0069】
図12に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、第1大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。第1大入賞口14が開放中でない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により第1大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、第1大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
【0070】
S505で第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図13のS530に進み、第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本参考例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口14に10個入賞した場合(S530:yes)にはS540に進み、第1大入賞口14を閉鎖する。そして大当りインターバル処理(S545)を行なって、特別遊技処理を終了する。第1大入賞口14に10個入賞していない場合(S530:no)にはS535に進み、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本参考例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は29秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S535:yes)には、S540に合流し、終了していない場合(S535:no)は特別遊技処理を終了する。
【0071】
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は、図14のS550に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S550:yes)は、直前に第1大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S555)。最終ラウンドであれば(S555:yes)、大当り終了演出処理(S560)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S555:no)、再び第1大入賞口14を開放する処理(S565)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S550:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、第1大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0072】
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図15のS570に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S570:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S575)、条件装置の作動を停止する(S580)。そして、開放延長設定フラグが1か否かを判定する(S585)。肯定判断の場合(S585:yes)は、時短回数(本参考例では100)を設定し(S590)、開放延長フラグを1に設定し(S595)、S600に移行する。開放延長設定フラグが1ではない場合(S585:no)はS600に直行する。S600では、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S600)を行ない、特別遊技処理を終了する。S570で大当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S570:no)も特別遊技処理を終了する。
【0073】
図12で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図16に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S605にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S605:yes)、小当り開始演出中か否かを判定する(S610)。肯定判断の場合(S610:yes)、小当り開始演出の時間が経過したか否かを判定し(S615)、肯定判断(S615:yes)なら第2大入賞口開放処理を行なって当処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動中ではないと判定された場合(S605:no)、または小当り開始演出の時間が経過していないと判定された場合(S615:no)にも当処理を終了する。
【0074】
S610で小当り開始演出中ではないと判定された場合には、第2大入賞口15が開放中か判断する(S625)。肯定判断の場合(S625:yes)は、第2大入賞口15に10個入賞したか否かを判定する。否定判断(S630:no)なら、第2大入賞口15の開放時間(1秒)が経過したか否かを判定する。第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S635:no)、当処理を終了する。第2大入賞口15の開放時間が経過していた場合(S635:yes)または第2大入賞口15に10個入賞していた場合(S630:yes)は、S640に移行し、第2大入賞口15を閉鎖(S640)してから当処理を終了する。
【0075】
S625で、第2大入賞口15が開放中ではないと判定された場合には、S645に進み、特定領域106に入球したか否かを判定する。否定判断の場合(S645:no)は、小当り終了時間が経過したか否かを判定する(S650)。肯定判断(S650:yes)なら、特別電動役物の作動を停止させ(S655)、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して当処理を終了する。小当り終了時間が経過していない場合(S650:no)も当処理を終了する。
【0076】
特定領域106に入球したと判定された場合(S645:yes)は、S665にて大当り情報を設定し、遊技状態を設定する(S670)。S665,S670はそれぞれS265,S270と同じ処理である。そして開放延長フラグが1か否かを判定(S675)し、肯定判断なら開放延長フラグをゼロにし、S685に移行する。否定判断(S675:no)ならそのままS685に移行する。S685では、条件装置作動開始処理を行い、続くS690にて役物連続作動装置を作動させ、S695にて大当り開始演出処理を行なって当処理を終了する。これらS685〜S695の一連の処理は、前述した当否判定処理のS435〜S445の処理と同じである。役物連続作動装置が作動(S690)されることにより、特別電動役物が作動するので、図8の当否判定処理においてS200が肯定判断され、特別遊技処理が開始される。つまり、小当り遊技処理によれば、第2大入賞口15を開放し、この開放された第2大入賞口15に遊技球が入賞し、更に特定領域106に入球すると、大当りが発生する。
【0077】
当否判定処理のS285において行なわれる変動パターン決定処理の概要を図17に示す。当処理が起動されると、小当り図柄が小当り図柄3か否かを判定し、肯定判断なら変動パターンとして小当り変動パターン1を設定し、当処理を終了(リターン)する。否定判断(S696:no)なら変動パターンとして小当り変動パターン2を設定し、当処理を終了(リターン)する。
【0078】
サブ統合制御装置83にて行なわれる演出開始処理の概要を図18に示す。当処理は主制御装置80から変動開始コマンドを受信すると起動する。変動開始コマンドとは当否判定処理のS305(図9参照)にて送信されるものである。変動開始コマンドを受信(S700:yes)すると、変動開始コマンドに含まれるデータから当否結果が大当りか否かを判定(S705)し、肯定判断なら大当り演出開始処理(S710)を行なって当処理を終了(リターン)する。否定判断(S705:no)なら、当否結果が小当りか否かを判定(S715)し、肯定判断なら小当り演出開始処理(S720)を行なって当処理を終了する。否定判断(S715:no)ならハズレ演出開始処理(S725)を行なって当処理を終了する。
【0079】
小当り演出開始処理(S720)の概要を図19に示す。当処理が起動されると、現在の遊技状態が開放延長中か否かを判定する(S750)。肯定判断(S750:yes)なら変動パターンが小当り変動パターン1か否かを判定(S755)する。変動パターンは、主制御装置80から受信した変動開始コマンドから知ることができる。なお、同様にして大当り図柄も知ることができ、これらにより、開放延長フラグの値を受信しなくとも、現在の遊技状態が開放延長中か否かを判定する(S750)ことができる。肯定判断(S755:yes)なら終了報知フラグ(後述)が1か否かを判定する(S760)。肯定判断(S760:yes)なら終了小当り報知処理(S765)を行なって当処理を終了(リターン)する。終了小当り報知処理では、演出図柄制御装置82を制御して演出図柄表示装置6に、図24(b)のような画像を表示する。この画像は、第2特別図柄の演出図柄(本図では「246」)と、キャラクタと、このキャラクタのセリフとして「発射を停止してください!!」が表示され、遊技者に発射の停止を促す。
【0080】
否定判断(S760:no)なら、小当り演出表示処理(S770)を行なって当処理を終了する。なお、S750が否定判断された場合、またはS755で変動パターンが小当り変動パターン1ではないと判定された場合も、小当り演出表示処理(S770)を行なって当処理を終了する。小当り演出表示処理では、演出図柄制御装置82を制御して演出図柄表示装置6に図24(a)に示すような画像を表示する。この画像では、第2特別図柄の演出図柄(本図では「246」)と、キャラクタが表示され、遊技者に発射の停止を促すことはない。また少なくとも、S755が否定判断されることにより小当り演出表示処理が実行された場合と、終了小当り報知処理(S765)が実行された場合とでは、異なる第2特別図柄が第2特別図柄表示装置10に表示されるが、両者の演出図柄として同じ図柄「246」が演出図柄表示装置6に表示される。
【0081】
サブ統合制御装置83が主制御装置80から確定図柄表示コマンドを受信した際に実行される図柄確定表示処理を図20に示す。確定図柄表示コマンドとは、当否判定処理のS405(図10参照)にて主制御装置80が送信するコマンドである。主制御装置80から確定図柄表示コマンドを受信すると(S800:yes)、図柄停止処理を実行(S805)し、演出図柄表示装置6にて行なわれている演出図柄の変動表示を停止させる。続くS810にて、停止された演出図柄が大当り図柄か否かを判定し、肯定判断(S810:yes)であれば、S815にて終了報知フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S815:yes)なら終了報知フラグおよび終了報知カウンタをクリア(S820)して、当処理を終了(リターン)する。終了報知フラグが1ではないと判定された場合(S815:no)は、そのまま当処理を終了する。
【0082】
停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(S810:no)は、S825にて終了報知フラグが1か否かを判定し、否定判断(S825:no)なら当処理を終了し、肯定判断(S825:yes)なら終了報知カウンタを+1する(S830)。そして、S835にて終了報知カウンタが10か否かを判定し、肯定判断(S835:yes)ならS820に移行し、否定判断(S825:no)なら当処理を終了する。
【0083】
つまり、図柄確定表示処理によれば、終了報知フラグが1である状況で、確定表示された図柄が大当り図柄でなかった場合に、終了報知カウンタを+1し、終了報知カウンタが10に達すると終了報知フラグ、終了報知カウンタともにゼロとなる。ただし、確定表示された図柄が大当り図柄であった場合は、その時点で終了報知フラグ、終了報知カウンタともにゼロとなる。つまり、終了報知カウンタが10になるのは10回連続で大当りにならなかった場合となる。
【0084】
サブ統合制御装置83が主制御装置80から大当り終了コマンドを受信した際に実行されるモード振分け処理を図21に示す。大当り終了コマンドとは、特別遊技処理のS600(図15参照)にて主制御装置80が送信するコマンドである。主制御装置80から大当り終了コマンドを受信すると(S850:yes)、大当り終了後に第2始動口12の開放延長が作動するか否かを判定する(S855)。これは、大当り終了コマンドに含まれる大当り終了後の状態に関する情報から実行することができる。なお、この情報は、大当り終了コマンドとは異なるコマンドとして別途、主制御装置80から受信する構成としてもよい。肯定判断(S855:yes)であれば、開放延長モードになる旨を報知する画像を演出図柄表示装置6に表示するための設定処理を実行(S860)し、終了報知フラグを1にし(S865)、当処理を終了(リターン)する。大当り終了後に第2始動口12の開放延長が作動しないと判定された場合(S855:no)は、通常モードになる(開放延長モードにならない)旨を報知する画像を演出図柄表示装置6に表示する設定処理を実行(S870)し、当処理を終了する。
つまりモード振分け処理によれば、大当り終了後に開放延長状態となるか否かを判定し、その判定結果を演出図柄表示装置6にて報知するための処理を行なう。そして大当り終了後に開放延長状態となる場合は、終了報知フラグを1にする。
【0085】
以上、説明した遊技機における遊技の流れは次のようになる。通常状態において、第1始動口11に入賞すると、1/300の確率で第1特別図柄が当選し、大当りが発生する(第1大入賞口14が15回開放される)。大当りが発生すると、50%の確率でその終了後に時短状態となる。なお、これに反し、通常状態で第2始動口12に入賞させるのは規制部材40に阻まれて不可能である。遊技球を遊技領域3の右部を狙って発射させ、ゲート17を通過させると、1/300の確率(通常状態の場合)で普通図柄が当選して第2始動口12の翼片が開放する。しかし、小当りを契機として発生させた大当りは、その終了後に時短状態となる確率が0%であるため、遊技者にとって非常に不利である。従って通常状態において遊技者は、第1始動口11を狙って遊技することになる。
【0086】
時短状態が発生すると、普通図柄の当選確率が1/300から1/1.0101に上昇し、しかも普通図柄の1回当選した際の第2始動口12の翼片の開放頻度が0.2秒間×1回から1秒間×3回に上昇するので、容易に第2特別図柄を変動可能となる。しかも第2特別図柄は1/1.003の確率で小当りとなり、その際には第2大入賞口15が1秒間、開放される。開放された第2大入賞口15に入球した遊技球が、ワープ出口101、クルーン102、振分け口103、振分け羽根105を通過して特定領域106に到達すると、大当りが発生する(第1大入賞口14が15回開放される)。この大当りの終了後には、66%の確率で時短状態となる。時短状態でなくなれば、普通図柄の当選確率が1/300に低下し、第2始動口12の翼片の開放頻度が1回の普通図柄の当選あたり0.2秒間×1回に戻る(つまり通常状態に戻る)ので、第1始動口11を狙った方が遊技者にとって有利な状態となる。
【0087】
特定領域106への入球を契機として発生した大当りの終了後に、時短状態となるか否かは、小当りを発生させることとなった第2特別図柄により決定され、第2特別図柄が小当り図柄1であれば時短あり、小当り図柄2または小当り図柄3であれば時短なしとなる。なお、時短状態は、第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動することによっても終了するが、遊技者が遊技領域3の右部を狙って継続的に打つと、第2特別図柄が100回変動する前に大当りが発生する場合が殆どで、特別図柄が100回変動することは極めて稀である。従って、ここでは特別図柄が100回変動されたことにより時短が消滅するという事態は考慮しないこととする。
【0088】
なお、時短状態において小当り図柄3で小当りになると小当り変動パターンが1となり、終了小当り報知処理(S765)が実行され、図24(b)のような画像が演出図柄表示装置6に出力され、小当り図柄3で当ったことが報知される。これを見た遊技者が遊技球の発射を停止すると、第2大入賞口15への入球を防ぐことができる。従って、遊技球は特定領域106へ入球することはなく、時短が終了することもなくなる。遊技者は、終了小当り報知処理により表示される画像に従えば、時短状態が消滅する可能性を低くすることができる。なお、小当り図柄2で小当りになった場合は報知されないので、終了小当り報知処理により表示される画像に従っても、22%の確率で時短は終了することになる。ただし、小当り図柄3が表示された場合も合わせると、34%の確率で時短は終了するので、終了小当り報知処理により表示される画像に従えば、時短終了の危険性を確実に低くすることができる。
【0089】
この報知は、10回連続で、第2特別図柄が小当りするか、または第1特別図柄がハズレる(これら両者は混在しても良い。例えば、第2特別図柄の小当りと、第1特別図柄のハズレとが交互に5回ずつ発生しても、これらが10回連続で発生したとみなす)まで継続し、それ以降は小当り図柄3が表示されても行なわれない。第2大入賞口15への入球を遊技者の意思により確実に防げると仮定すると、特別図柄が10回変動されるまでは継続率が75%(小当り図柄3が表示される場合を無視できるので、66/(66+22)=0.75)、11回以降は66%となる。従って、時短状態の間中、報知を行なうという遊技者にとって過剰に有利な状態が発生するのを防止することができる。また、遊技者にとっては、特別図柄が10回変動するまでとそれ以降とで、有利度の異なる遊技を体験することができるので、面白みが増す。なお、前記報知がされずとも、翼片が開放された第2始動口12に大量の遊技球を入賞させてから、遊技球の発射を止めて第2大入賞口15への入球を防ぐことにより、賞球を稼ぐという遊技が行なわれる可能性がある。しかし、本参考例の遊技機によれば、早く小当りを発生させたほうが有利であるため、遊技者が前記のようにいたずらに時短状態を伸ばして賞球を稼ぐのを防止することができる。
【0090】
また、大当り後に時短状態とならない場合に、これが報知される確率(報知確率)は、特別図柄が小当り図柄2か小当り図柄3かによって決定されるので、主制御装置80が実行するプログラム、具体的には図22(b)において小当り図柄2と小当り図柄3が発生される割合を変更するだけで、その他(例えば、演出、モチーフ、サブ統合制御装置83が実行するプログラムなど)は同じ遊技機を構成することができる。例えば本参考例における報知確率は、小当り図柄2が選択される割合が22%、小当り図柄3が選択される割合が12%となっているので12/(22+12)=約35%となる。これを50%に変更したければ、小当り図柄2が選択される割合を17%、小当り図柄3が選択される割合を17%とすればよい。ここでは小当り図柄1が選択される割合を変更しなかったが、勿論、変更しても構わない。当否判定も含め、これらは主制御装置80のプログラムにより実現されるので、当り確率や継続率も変更することが可能であり、その際にサブ統合制御装置83のプログラムに変更を加える必要はない。従って、主制御装置80のプログラムを変更するのみで、意味の大きい機種展開を行なうことができる。なお、小当り図柄2と小当り図柄3は変動パターンが異なるが、その差はわずか(例えば長さの差が0,1秒)に設定されているので、変動パターンのみから遊技者が判断するのは困難に構成されている。
【0091】
ここで本参考例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。ゲート17が本発明の「普通図柄始動口」に相当し、第2始動口12が本発明の「特別図柄始動口」に相当し、S255,S280の処理が本発明の「特別図柄決定手段」と「開放頻度決定手段」を兼ねた処理に相当し、S305の処理が本発明の「特別図柄表示制御手段」に相当し、S645からS665を経てS685に至る処理が本発明の「役物連続作動装置制御手段」に相当し、S585〜S595の処理が本発明の「開放頻度制御手段」に相当し、図19の小当り演出開始処理が本発明の「終了報知手段」に相当し、図17の変動パターン決定処理が本発明の「変動時間設定手段」に相当し、S835からS820に至る処理が本発明の「報知動作停止手段」に相当し、小当り図柄1が本発明の「開放延長図柄」に相当し、小当り図柄2が本発明の「第1通常図柄」に相当し、小当り図柄3が本発明の「第2通常図柄」に相当する。
[実施例]
【0092】
本発明の実施例について図25〜29を用いて説明する。なお、本実施例は参考例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
【0093】
施例のサブ統合制御装置83が実行する図柄確定表示処理を図25に示す。主制御装置80から確定図柄表示コマンドを受信すると(S900:yes)、図柄停止処理を実行(S905)し、演出図柄表示装置6にて行なわれている演出図柄の変動表示を停止させる。なお、当り図柄は図28に示すように設定されており、大当り図柄決定用乱数と図柄の関係、時短の有無の振分確率は、第1特別図柄、第2特別図柄とも参考例と同じであるが、ラウンド数が5となっている点が異なる(ただし特定入球口に入球した際に発生する大当りは15ラウンド(図29も参照))。演出図柄もこれら特別図柄に対応して停止表示される。また、第2特別図柄の抽選結果の中にもハズレがあり、大当り図柄決定用乱数が0〜49のときは図柄22(ハズレ図柄1)、50〜99のときは図柄22(ハズレ図柄2)となっている(振分率は共に50%)。演出図柄もこれら特別図柄に対応して停止表示される。また、ハズレがあることにより、小当り確率が1/1.115と参考例(1/1.003)よりも低くなっており(図29も参照)、これにより第2特別図柄のハズレ確率は1/10となっている。
【0094】
続くS910にて、停止された演出図柄が大当り図柄か否かを判定し、肯定判断(S910:yes)であれば、S915にて終了報知フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S915:yes)なら終了報知フラグをクリア(S920)して、当処理を終了(リターン)する。終了報知フラグが1ではないと判定された場合(S915:no)は、終了報知抽選フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S925:yes)なら終了報知抽選フラグをクリア(S930)して、当処理を終了する。なお、S930では終了報知抽選カウンタもクリアされる。S925が否定判断された場合は、そのまま当処理を終了する。
【0095】
停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(S910:no)は、図26のS950に移行し、停止図柄が小当り図柄か否かを判定する。肯定判断(S950:yes)なら終了報知抽選フラグが1か否かを判定し、肯定判断なら終了報知抽選カウンタを+1し(S960)、終了報知抽選カウンタが10になったか否かを判定する(S965)。肯定判断(S965:yes)なら、S970にて終了報知抽選フラグを0にして当処理を終了する。なお、S970では終了報知抽選カウンタもクリアされる。S965が否定判断された場合はそのまま当処理を終了する。S955にて終了報知抽選フラグが1でないと判定された場合も当処理を終了する。
【0096】
S950で停止図柄が小当り図柄でないと判定された場合は、S975にて、停止された図柄がハズレ図柄2か否かを判定し、肯定判断(S975:yes)なら終了報知抽選フラグが1か否かを判定し、肯定判断(S980:yes)なら終了報知フラグを1にしてS970に移行し、否定判断(S980:no)すなわちハズレ図柄1なら当処理を終了する。なお、S975で停止された図柄がハズレ図柄2ではないと判定された場合はS955に移行する。
【0097】
施例のサブ統合制御装置83が実行するモード振分け処理を図27に示す。主制御装置80から大当り終了コマンドを受信すると(S850:yes)、大当り終了後に第2始動口12の開放延長が作動するか否かを判定する(S855)。肯定判断(S855:yes)であれば、開放延長モードになる旨を報知する画像を演出図柄表示装置6に表示するための設定処理を実行(S860)し、終了報知抽選フラグを1にし(S1000)、当処理を終了(リターン)する。大当り終了後に第2始動口12の開放延長が作動しないと判定された場合(S855:no)は、通常モードになる旨を報知する画像を演出図柄表示装置6に表示する設定処理を実行(S870)し、当処理を終了する。
つまりモード振分け処理によれば、大当り終了後に開放延長状態となるか否かを判定し、その判定結果を演出図柄表示装置6にて報知するための処理を行なう。そして大当り終了後に開放延長状態となる場合は、終了報知抽選フラグを1にする。
【0098】
以上、説明した遊技機における遊技の流れは、参考例におけるものと基本的に同じであるが、図23(b)の画像を演出図柄表示装置6に出力することによる報知動作が開始される条件と、同報知動作が終了される条件が異なる。まず、開始される条件は、大当り終了後に時短が作動した状態(S855:yes)において、ハズレ図柄2でハズレること(S975:yes)である。ただし、時短が発生してから10回連続で小当りまたはハズレ図柄1によるハズレ(これら両者は混在しても良い)が発生(S965:yes)すると、それ以降はハズレ図柄2でハズレても前記報知動作は行なわれなくなる。これは10回連続で小当りまたはハズレ図柄1によるハズレが発生することにより終了報知抽選フラグが0となるので(S970)、たとえハズレ図柄2でハズレても(S975:yes)、S980の判定が否定され、終了報知フラグが1にならないからである。
前記報知動作の終了条件は、大当りが発生することである(S920)。すなわち、一旦、報知動作が作動すると、大当りが発生するまで終了せず(参考例では、10回、小当りするか又はハズレると終了)、それまでは小当り図柄3が表示される都度、何度でも前記報知動作が行なわれる。
【0099】
以上のように構成された遊技機によれば、時短の発生後、ハズレ図柄2でハズレたときのみ報知動作が作動するので、遊技者に「ハズレ図柄2で外れて欲しい」という新たな遊技上の興味を持たせることができる。しかも「ハズレ図柄2が確定表示されると前記報知動作が作動」という条件が成立するのは、時短が発生してから10回、特別図柄が変動するまでの間に限定される。この限定がない態様では、ハズレ図柄2が表示されるまで第2大入賞口15に入球させないようにすると、ハズレ図柄2が表示されるまでに発生した第2始動口12への入球による出球と、ハズレ図柄2が表示されたことによる報知動作の作動との双方を、遊技者が獲得できてしまう。この点、実施例の遊技機によれば、ハズレ図柄2が表示されることにより、前記報知動作が行なわれるようになるのは、時短の発生後に特別図柄が10回変動されるまでに限られ、早い時点でハズレ図柄2を表示させないと継続率が上昇しない。従って、遊技者が前記のように出球と報知動作の作動の双方を獲得するのを防止することができる。
なお、S975からS980を経てS985に至る処理が本発明の「終了報知作動手段」に相当する。
[他の実施例]
【0100】
参考例では小当りを全て終了報知カウンタでカウントしていたが、小当り図柄3のみをカウントしても良い。こうすると、確実に10回、小当り図柄3が表示されることの報知を受けることが可能となる(ただし、その途中で大当りが発生した場合を除く)。
記実施例においても、第2始動口12に入球したことにより発生した乱数については保留しない構成となっていたが、保留をしても構わない。その際には、保留数に応じて付与される時短の回数が変化するように構成してもよい。この保留数は、大当り発生時の保留数でも良いし、入賞時の保留数でも構わない。
前記参考例では、小当り図柄3とそれ以外の図柄の場合の変動パターンの差を小さくしたが、これを大きくして、変動パターンの違いにより、小当り図柄3が表示されることを報知してもよい。ただしこの場合は、実施例のように、ハズレ図柄2が出るまでは報知しないといったことを主制御基板80で行なうことになる。
前記参考例では、大当り終了後に時短を付与しない小当り図柄は小当り図柄2および小当り図柄3のみであったが、こうした小当り図柄を更に増やしても良い。そして、変動回数が増えるほど報知する子当り図柄を減らしていく構成としてもよい。このような構成にすると、早く当てるほど、継続率が高くなるので、遊技者がいたずらに開放延長状態を維持しようとする行為を防止することを期待できる。
【符号の説明】
【0101】
7:普通図柄表示装置
8:普通図柄保留数表示装置
9:第1特別図柄表示装置
10:第2特別図柄表示装置
11:第1始動口
12:第2始動口
14:第1大入賞口
15:第2大入賞口
17:ゲート
18:第1特別図柄保留数表示装置
40:規制部材
50:パチンコ機
80:主制御装置
83:サブ統合制御装置
100:特定役物
101:ワープ出口
102:クルーン
103:振分け口
104:ハズレ口
105:振分け羽根
106:特定領域
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