特許第5659413号(P5659413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5659413
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】電気式ウォーターポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/06 20060101AFI20150108BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20150108BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20150108BHJP
   H02K 11/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   F04D13/06 H
   F04D13/06 C
   F04D29/00 B
   H02K7/14 B
   H02K11/00 X
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-119355(P2010-119355)
(22)【出願日】2010年5月25日
(65)【公開番号】特開2011-106438(P2011-106438A)
(43)【公開日】2011年6月2日
【審査請求日】2013年5月7日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0112234
(32)【優先日】2009年11月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510145439
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506321528
【氏名又は名称】アモテック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 在 雄
(72)【発明者】
【氏名】李 承 ヨン
(72)【発明者】
【氏名】金 圭 煥
(72)【発明者】
【氏名】金 允 錫
(72)【発明者】
【氏名】朴 庸 善
(72)【発明者】
【氏名】呉 泰 星
(72)【発明者】
【氏名】金 敬 煥
(72)【発明者】
【氏名】李 正 勳
(72)【発明者】
【氏名】李 グァン 鎬
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−512462(JP,A)
【文献】 特開2003−003984(JP,A)
【文献】 特開2009−177985(JP,A)
【文献】 特開平09−324787(JP,A)
【文献】 特開2008−008222(JP,A)
【文献】 特開2000−278924(JP,A)
【文献】 特開2008−175090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 13/06
F04D 13/02
F04D 29/00
H02K 7/14
H02K 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から印加される制御信号によって磁場を発生させる固定子、
前記固定子で発生する磁場によって回転する回転子、
冷却水が流入する入口及び加圧された冷却水が流出する出口を含むポンプカバー、
前記ポンプカバーとの間に渦室を形成する前面、外周部に形成されて、前記固定子が装着される固定子チャンバー、そして前記固定子チャンバーの内周部に形成されて、前記回転子が装着される回転子チャンバーを含むボディー、
中心軸を有し、前記回転子に固定されて前記回転子と共に前記中心軸を中心に回転して、前記回転子チャンバーに装着されているシャフト、
前記シャフトの前端部に固定されて前記シャフトと共に回転し、前記入口を通じて流入した冷却水を加圧して、前記渦室に装着されるインペラ、
前記ボディーの後端部に装着されて、前面にはケース面が形成され、後面は開口されて、その内部にドライバーチャンバーが形成されたドライバーケース、そして
前記ドライバーチャンバーに装着されて、前記固定子に制御信号を印加するドライバー、を含み、
前記ケース面の外周部は前方に突出され、前記ボディーの後端部に挿入される挿入部が形成されて、前記固定子の後端外周部には前記挿入部が挿入されて前記固定子の回転を防止する固定溝が形成され、
前記固定子は、
磁性体の複数の片が積層されて形成される固定子コア、
前記固定子コアの片を連結するインシュレ−タ、
前記固定子コアを囲んで磁路を形成するコイル、そして
前記固定子コア、インシュレ−タ、そしてコイルを囲んで密封する固定子ケース、を含み、
前記固定子ケースの内周面は前記回転子チャンバーの一部を構成し、
前記回転子チャンバーは流体が流れるように前記渦室と連結され、前記固定子チャンバーは前記回転子チャンバーに対して流体的に密閉され、
前記固定子ケースの内周面には前記固定子の長さ方向に固定子溝が形成されて、固定子に付着した物質が回転子チェンバーでの冷却水の流れによって前記固定子溝に沿って除去されることを特徴とする電気式ウォーターポンプ。
【請求項2】
前記シャフトの回転摩擦を減少させるために、前記シャフトと前記前面との間には第1ベアリングが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項3】
推力によるシャフトと第1ベアリングとの間の干渉及び衝突を防止するために、前記第1ベアリングと前記シャフトとの間にはカップが装着され、シャフトの円滑な回転のために、前記カップと前記第1ベアリングとの間にはスラストリングが装着されていることを特徴とする、請求項2に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項4】
前記カップは弾性力があるゴム材質で形成され、前記スラストリングはセラミック材質で形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項5】
前記シャフトの回転摩擦を減少させるために、前記シャフトの後端部と前記ドライバーケースの前面との間には第2ベアリングが配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項6】
前記固定溝は前記固定子ケースの後端外周部に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項7】
前記固定子ケースには回転子の回転による振動及び騒音を減殺する複数のダンピングホールが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項8】
前記固定子ケースは低収縮材であるカリウム系を含む複合原料で製造されることを特徴とする、請求項1に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項9】
前記固定子は、
回転子の位置を感知するホールセンサー、そして
前記ホールセンサーで感知した回転子の位置によって固定子に印加される制御信号を制御するホールセンサー基板、をさらに含み、
前記ホールセンサー及び前記ホールセンサー基板も前記固定子ケースの内部に密封されることを特徴とする、請求項8に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項10】
前記回転子は、
中空の円筒形状で磁性体である回転子コア、
前記回転子コアの外周面に装着される永久磁石、
前記回転子コア及び前記永久磁石の両端部に装着されて、前記回転子コア及び永久磁石を一次的に固定する回転子カバー、そして
前記回転子コア及び永久磁石が前記回転子カバーに装着された状態で前記回転子コア及び前記永久磁石の外周面を囲んで2次的に固定する回転子ケース、を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気式ウォーターポンプ。
【請求項11】
前記回転子ケースは低収縮材であるカリウム系を含む複合原料で製造されることを特徴とする、請求項10に記載の電気式ウォーターポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式ウォーターポンプに関し、より詳細には、作動性能が向上して、耐久性が向上した電気式ウォーターポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウォーターポンプは、エンジンの冷却及び室内の暖房のためにエンジン及びヒーターに冷却水を循環させるための装置である。ウォーターポンプから吐出された冷却水は、エンジン、ヒーター、またはラジエータと熱交換しながら循環した後、ウォーターポンプに再び流入する。このようなウォーターポンプは、大まかに機械式ウォーターポンプ(mechanical water pump)及び電気式ウォーターポンプ(electric water pump)に区分される。
【0003】
機械式ウォーターポンプは、エンジンのクランクシャフトに固定されたプーリに連結されて、クランクシャフトの回転(つまりエンジンの回転)によって駆動される。したがって、機械式ウォーターポンプから吐出される冷却水の流量はエンジンの回転速度によって決定される。しかし、ヒーター及びラジエータで必要とする冷却水の流量はエンジンの回転速度と関係なく決定されている。したがって、エンジン回転数が低い領域ではヒーター及びラジエータが正常に作動することができず、ヒーター及びラジエータを正常に作動させるためにエンジン回転数を高めなければならなかった。これによって、車両の燃費が低下する問題が発生した。
【0004】
電子式ウォーターポンプは、制御装置によって制御されるモータによって駆動される。したがって、電子式ウォーターポンプは、エンジンの回転速度とは関係なく冷却水の流量を決定することができる長所がある。しかし、電子式ウォーターポンプに使用される部品は電気によって作動するので、電気的に作動する部品が十分な防水性能を有するようにすることが重要である。十分な防水性能の確保は電子式ウォーターポンプの性能を向上させて、耐久性を向上させる。
【0005】
現在は、車両に電子式ウォーターポンプの適用が増加する傾向にある。それによって、電子式ウォーターポンプの性能を向上させて、耐久性を向上させるための多様な技術が開発されている。特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−257912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の主な目的は、作動性能及び耐久性が向上した電子式ウォーターポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明の電気式ウォーターポンプは、外部から印加される制御信号によって磁場を発生させる固定子、前記固定子で発生する磁場によって回転する回転子、冷却水が流入する入口及び加圧された冷却水が流出する出口を含むポンプカバー、前記ポンプカバーとの間に渦室を形成する前面、外周部に形成されて、前記固定子が装着される固定子チャンバー、そして前記固定子チャンバーの内周部に形成されて、前記回転子が装着される回転子チャンバーを含むボディー、中心軸を有し、前記回転子に固定されて前記回転子と共に前記中心軸を中心に回転して、前記回転子チャンバーに装着されているシャフト、前記シャフトの前端部に固定されて前記シャフトと共に回転し、前記入口を通じて流入した冷却水を加圧して、前記渦室に装着されるインペラ、前記ボディーの後端部に装着されて、前面にはケース面が形成され、後面は開口されて、その内部にドライバーチャンバーが形成されたドライバーケース、そして前記ドライバーチャンバーに装着されて、前記固定子に制御信号を印加するドライバー、を含み、前記ケース面の外周部は前方に突出され、前記ボディーの後端部に挿入される挿入部が形成されて、前記固定子の後端外周部には前記挿入部が挿入されて前記固定子の回転を防止する固定溝が形成されていることを特徴とする。
【0009】
以下、下記の特徴を有する。
前記シャフトの回転摩擦を減少させるために、前記シャフトと前記前面との間には第1ベアリングが配置されている。
【0010】
前記回転子は前記前面側に推力が発生するように非対称に形成されている。
【0011】
前記推力によるシャフトと第1ベアリングとの間の干渉及び衝突を防止するために、前記第1ベアリングと前記シャフトとの間にはカップが装着され、シャフトの円滑な回転のために、前記カップと前記第1ベアリングとの間にはスラストリングが装着されている。
【0012】
前記カップは弾性力があるゴム材質で形成され、前記スラストリングはセラミック材質で形成されている。
【0013】
前記シャフトの回転摩擦を減少させるために、前記シャフトの後端部と前記ドライバーケースの前面との間には第2ベアリングが配置されている。
【0014】
前記固定子は、磁性体の複数の片が積層されて形成される固定子コア、前記固定子コアの片を連結するインシュレ−タ、前記固定子コアを囲んで磁路を形成するコイル、そして前記固定子コア、インシュレ−タ、そしてコイルを囲んで密封する固定子ケース、を含む。
【0015】
前記固定溝は前記固定子ケースの後端外周部に形成されている。
【0016】
前記固定子ケースの内周面は前記回転子チャンバーの一部を構成する。
【0017】
前記回転子チャンバーは流体が流れるように前記渦室と連結され、前記固定子チャンバーは前記回転子チャンバーに対して流体的に密閉されている。
【0018】
前記固定子ケースの内周面には前記固定子の長さ方向に固定子溝が形成されて、固定子に付着した物質が回転子チャンバーでの冷却水の流れによって前記固定子溝に沿って除去される。
【0019】
前記固定子ケースには回転子の回転による振動及び騒音を減殺する複数のダンピングホールが形成されている。
【0020】
前記固定子ケースは低収縮材であるカリウム系を含む複合原料で製造される。
【0021】
前記固定子は、回転子の位置を感知するホールセンサー、そして前記ホールセンサーで感知した回転子の位置によって固定子に印加される制御信号を制御するホールセンサー基板、をさらに含み、前記ホールセンサー及び前記ホールセンサー基板も前記固定子ケースの内部に密封される。
【0022】
前記回転子は、中空の円筒形状で磁性体の回転子コア、前記回転子コアの外周面に装着される永久磁石、前記回転子コア及び前記永久磁石の両端部に装着されて、前記回転子コア及び永久磁石を一次的に固定する回転子カバー、そして前記回転子コア及び永久磁石が前記回転子カバーに装着された状態で前記回転子コア及び前記永久磁石の外周面を囲んで2次的に固定する回転子ケース、を含む。
【0023】
前記回転子ケースは低収縮材であるカリウム系を含む複合原料で製造される。
【発明の効果】
【0024】
本発明による電子式ウォーターポンプによれば、電気的に作動する固定子及び回転子が防水性能を有する樹脂材のケースで覆われているので、その性能及び耐久性が向上する。
【0025】
また、ホールセンサー及びホールセンサー基板を固定子内に装着し、回転子の初期位置によって制御信号を変化させることによって、初期機動性が高まる。
【0026】
さらに、回転子が装着される回転子チャンバーに冷却水が出入するので、回転子の冷却及び回転子チャンバー内の異物の除去が可能である。
【0027】
そして、回転子チェンバーにおける冷却水の流れによって固定子に付着した物質を除去することによって、電気式ウォーターポンプの性能が向上する。
【0028】
また、固定子ケースに形成されたダンピングホールによって振動及び騒音が減衰される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例による電気式ウォーターポンプの斜視図である。
図2図1のA−A線によって切開した断面図である。
図3】本発明の実施例による電気式ウォーターポンプにおける固定子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例による電気式ウォーターポンプの斜視図であり、図2図1のA−A線によって切開した断面図である。
【0031】
図1及び図2に示しているように、本発明の実施例による電気式ウォーターポンプ1は、ポンプカバー10、ボディー30、ドライバーケース50、そしてドライバーカバー70を含む。ポンプカバー10の後端部にはボディー30が結合されて渦室(volute chamber)16が形成され、ボディー30の後端部にドライバーケース50が結合されることによって回転子チャンバー38及び固定子チャンバー42が形成され、前記ドライバーケース50の後端部にドライバーカバー70が結合されることによってドライバーチャンバー64が形成される。
【0032】
また、前記渦室16にはインペラが装着され、前記回転子チャンバー38にはシャフト82に固定された回転子(rotor)84、86、88、90が装着されていて、前記固定子チャンバー42には固定子(stator)101が装着され、前記ドライバーチャンバー64にはドライバー80が装着されている。前記シャフト82は中心軸(x)を有し、前記回転子84、86、88、90は前記シャフト82と共に中心軸(x)を中心に回転する。前記固定子101は前記シャフト82の中心軸(x)に同心に配置される。
【0033】
ポンプカバー10は、その前端部に入口12が形成されて、冷却水が前記入口12を通じて電気式ウォーターポンプ1内に流入し、その側面部に出口14が形成されて、加圧された冷却水が前記出口14を通じて流出する。前記ポンプカバー10の入口12の後端部には傾斜面18が形成され、ポンプカバー10の後端部20は前記傾斜面18から後側に延長されている。前記ポンプカバー10の後端部20は前記ボディー30のカバー装着部44にボルト(B)などの固定手段で結合される。前記傾斜面18は前記シャフト82の中心軸(x)に対して傾いていて、前記傾斜面18の延長線の交差点(P)は前記シャフト82の中心軸(x)上に位置する。
【0034】
前記ポンプカバー10の内部には冷却水が加圧される渦室16が形成され、前記渦室16には前記冷却水を加圧して出口14を通じて流出させるインペラ(impeller)22が装着されている。前記インペラ22はシャフト82の前端部に固定されて、シャフト82と共に回転する。このために、前記インペラ22の中央にはボルトホール29が形成され、前記ボルトホール29の内周面にはねじ山が形成されている。したがって、前記ボルトホール29に挿入されたインペラボルト28が前記シャフト82の前端部にねじ結合されることによって、インペラ22がシャフト82に固定される。前記インペラ22と前記インペラボルト28との間にはワォッシャー(w)が介在される。
【0035】
前記インペラ22は、その前端部に前記傾斜面18に対応する対向面26を有している。したがって、前記対向面26の延長線の交差点も前記シャフト82の中心軸(x)上に位置する。電気式ウォーターポンプ1における回転要素であるインペラ22及び回転子84、86、88、90の中心及び電気式ウォーターポンプ1における固定要素である固定子101の中心を中心軸(x)上に配置することによって、電気式ウォーターポンプ1に流入した冷却水が円滑にガイドされて、電気式ウォーターポンプ1の作動性能が向上する。
【0036】
また、インペラ22は、複数の羽24によって複数の空間に区画されている。このような複数の空間に流入した冷却水は、インペラ22の回転によって加圧される。
【0037】
ボディー30は、前記後面が開いている中空の円筒形状で、前記ポンプカバー10の後端部に結合される。前記ボディー30は、前記ポンプカバー10との間に渦室16を形成する前面32と、前記ボディー30の内部の外周部に形成されて、固定子101が装着される固定子チャンバー42と、前記固定子チャンバー42の内周部に形成されて、回転子84、86、88、90が装着される回転子チャンバー38とを含む。
【0038】
前記ボディー30の前面32には外側から中心に向かってカバー装着部44、第1固定子装着面40、第1ベアリング装着面48、そして貫通ホール34が順次に形成されている。
【0039】
カバー装着部44は、前記ポンプカバー10の後端部20に結合される。前記カバー装着部44と前記後端部20との間にはOリング(O)などの密封手段が介在されて、渦室16内の冷却水が外部に漏出するのを防止する。
【0040】
第1固定子装着面40は、前記前面32から後方に突出されて、固定子チャンバー42と回転子チャンバー38との間の境界を定義する。前記第1固定子装着面40にはOリング(O)などの密封手段を介在した状態で固定子101の前端が装着される。
【0041】
第1ベアリング装着面48は、前記前面32から後方に突出されている。前記第1ベアリング装着面48と前記シャフト82の前端部との間には第1ベアリング94が介在されて、シャフト82の回転を円滑にするだけでなく、シャフト82が傾くのを防止する。
【0042】
前記前面32の中央部には貫通ホール34が形成されて、シャフト82の前端部が前記貫通ホール34を通じて前記渦室16に突出され、前記シャフト82の前端部にインペラ22が固定される。本明細書では、インペラ22が前記シャフト82にインペラボルト28によって固定されることを例示した。しかし、前記インペラ22はシャフト82の外径に圧入されてもよい。
【0043】
一方、前記第1固定子装着面40と前記第1ベアリング装着面48との間の前面32には連結具36が形成されている。したがって、回転子チャンバー38は、流体が流れるように渦室16と連結されている。このような連結具36を通じて冷却水が出入することにより、電気式ウォーターポンプ1の作動によってシャフト82、回転子84、86、88、90、そして固定子101で発生する熱が冷却される。したがって、電気式ウォーターポンプ1の耐久性を向上させることができる。また、冷却水に含まれている浮遊物が回転子チャンバー38に蓄積されるのを防止することができる。
【0044】
前記ボディー30の内部の中央部には回転子チャンバー38が形成されている。前記回転子チャンバー38にはシャフト82及び回転子84、86、88、90が装着されている。
【0045】
シャフト82の中間部にはその直径が他の部分の直径より大きい段差部83が形成されている。本発明の実施例によれば、中空のシャフト82を使用することもできる。
【0046】
回転子84、86、88、90は、前記シャフト82の段差部83に固定されていてシャフト82には前面32側に推力が発生する。シャフト82に発生した推力は、シャフト82を前面32側に押して、シャフト82の段差部83と第1ベアリング94との間に干渉及び衝突が発生し、それによって第1ベアリング94が破損される。このようなシャフト82の段差部83と第1ベアリング94との間の干渉及び衝突を防止するために、前記シャフト82の段差部83と前記第1ベアリング94との間にはカップ100が装着されている。このようなカップ100は、弾力性があるゴム材質から製造されていて、シャフト82の推力が第1ベアリング94に伝達されるのを緩和させる。
【0047】
一方、カップ100が第1ベアリング94と直接接触する場合、シャフト82の推力が第1ベアリング94に伝達されるのを緩和させることができるが、第1ベアリング94とゴム材質のカップ100との間で回転摩擦が発生して、電気式ウォーターポンプ1の性能を悪化させる。したがって、前記カップ100と第1ベアリング94との間にはスラストリング(thrust ring)98が装着されて、第1ベアリング94とカップ100との間の回転摩擦を減少させる。つまり、カップ100はシャフト82の推力を減少させ、スラストリング98はシャフト82の回転摩擦を減少させる。本明細書では、カップ100の外周面に溝を形成し、前記溝にスラストリング98が装着されたことを例示したが、これに限定されない。例えば、カップ100の中間部に溝を形成し、前記溝にスラストリング98を装着することもできる。さらに、前記カップ100と前記第1ベアリング94との間にスラストリング98が介在される構成であれば、いずれのものでも本発明の思想に含まれるものとして理解されなければならない。
【0048】
前記回転子84、86、88、90は、回転子コア86、永久磁石88、回転子カバー84、そして回転子ケース90を含む。
【0049】
磁性体である回転子コア86は、円筒形状で、前記シャフト82の段差部83に圧入や溶接などの方法によって固定される。前記回転子コア86は、その外周面に複数の溝(図示せず)が長さ方向に形成されて、各溝に永久磁石88が挿入されて装着される。
【0050】
永久磁石88は、回転子コア86の外周面に装着される。
【0051】
一対の回転子カバー84は、回転子コア86及び永久磁石88の両端部にそれぞれ装着される。前記回転子カバー84は、前記回転子コア86及び永久磁石88を一次的に固定して、比重の高い銅やステンレス鋼で製造される。
【0052】
回転子ケース90は、前記回転子コア86及び永久磁石88が前記回転子カバー84に装着された状態で前記回転子コア86及び前記永久磁石88の外周面を囲んで2次的に固定する。前記回転子ケース90は、低収縮材であるカリウム系を含む複合原料(Bulk Mold Compound;BMC)で製造される。このような回転子ケース90の製造過程に対して簡略に説明する。
【0053】
回転子コア86及び永久磁石88を回転子カバー84に装着して、金型(図示せず)に前記回転子コア86及び永久磁石88が装着された回転子カバー84を入れる。その後、カリウム系を含む複合原料を溶解して、高温(150℃)、高圧の状態で前記金型に挿入した後で冷却する。このように低収縮材で回転子ケース90を製造すれば、回転子ケース90の精密な製造が可能になる。通常の樹脂の収縮率は4/1000〜5/1000であるのに対し、低収縮材樹脂の収縮率は5/10000程度である。高温の樹脂を金型に挿入して回転子ケース90の形状を形成した後で冷却すると、回転子ケース90が収縮して、所望の形状を形成することができない。したがって、低収縮率のカリウム系を含む複合原料で回転子ケース90を製造すれば、冷却による回転子ケース90の収縮が減少して、回転子ケース90を精密に製造することができる。また、カリウム系を含む複合原料は、放熱性能が優れていて、回転子の熱を自ら冷却することができる。したがって、高熱による電気式ウォーターポンプの性能低下を防止する。
【0054】
また、従来の回転子の製造方法によれば、回転子コアの外周面に永久磁石を接着剤を利用して接着した。しかし、回転子が回転することによって回転子に高温、高圧が発生するようになって、接着剤が溶解したり、永久磁石が離脱する問題が発生した。しかし、本発明の実施例によれば、回転子コア86に装着された永久磁石88が回転子カバー84及び回転子ケース90によって二重に固定されるので、永久磁石88が回転子コア86から離脱する問題を予防することができる。
【0055】
前記ボディー30の内部の前記回転子チャンバー38の半径方向の外側には固定子チャンバー42が形成されている。前記固定子チャンバー42には固定子101が装着されている。
【0056】
固定子101は、前記ボディー30に直接または間接的に固定されていて、固定子コア102、インシュレ−タ104、コイル108、そして固定子ケース109を含む。
固定子コア102は、磁性体である複数の片が積層されて形成される。つまり、厚さが薄い複数の片を積んで、所望の厚さの固定子コア102を形成する。
【0057】
インシュレ−タ104は、前記固定子コア102を構成する各片を互いに連結するもので、樹脂をモールディングすることによって形成される。つまり、複数の片が積層された固定子コア102を金型(図示せず)に挿入し、溶融した樹脂を前記金型に注入することによって、インシュレ−タ104が装着された固定子コア102を製造する。この時、固定子コア102及びインシュレ−タ104の前後端部にはコイル装着溝106が形成されている。
【0058】
コイル108は、前記固定子コア102の外周面を囲んで磁路を形成する。
【0059】
固定子ケース109は、前記固定子コア102、インシュレ−タ104、そしてコイル108を囲んで密封する。このような固定子ケース109は、前記回転子ケース90と同様に、低収縮材であるカリウム系を含む複合原料(BMC)でインサートモールディングによって製造される。
【0060】
また、固定子ケース109のインサートモールディング時に、ホールセンサー112及びホールセンサー基板110を共にインサートモールディングすることができる。つまり、固定子101、ホールセンサー112、そしてホールセンサー基板110が一つの部品に製造される。
【0061】
ホールセンサー112は、回転子84、86、88、90の位置を感知する。前記回転子84、86、88、90には位置を検出するための表示(図示せず)が形成されていて、ホールセンサー112が前記表示を読み取って回転子84、86、88、90の位置を検出する。
【0062】
ホールセンサー基板110は、前記ホールセンサーで感知した回転子84、86、88、90の位置によって固定子に印加される制御信号を制御する。つまり、回転子84、86、88、90の位置によって固定子101の特定の部分には磁場の強さを強くし、他の部分には磁場の強さを弱くする。これによって、電気式ウォーターポンプ1の初期機動性が高まる。
【0063】
前記ボディー30の後端外周面にはケース装着部46が形成されている。
【0064】
ドライバーケース50は、前記ボディー30の後端部に結合されるもので、その前端部にケース面52が形成されている。前記ドライバーケース50が前記ボディー30の後端部に結合されることによって、前記ボディー30内に回転子チャンバー38及び固定子チャンバー42が形成される。前記ドライバーケース50の前端外周側にボディー装着部60が形成されて、前記ケース装着部46にボルト(B)などの固定手段で結合される。
【0065】
前記ケース面52は、外側から中心に挿入部54、第2固定子装着面56、そして第2ベアリング装着面58が順次に形成されている。
【0066】
挿入部54は、ケース面52の外周部に形成されていて、前方に突出されている。このような挿入部54は、前記ボディー30の後端部に挿入されて密着する。前記挿入部54と前記ボディー30の後端部との間にはOリング(O)などの密封手段が介在されて、固定子チャンバー42を密封する。
【0067】
第2固定子装着面56は、前記ケース面52から前方に突出されて、固定子チャンバー42と回転子チャンバー38との間の境界を定義する。前記第2固定子装着面56にはOリング(O)などの密封手段を介在した状態で固定子101の後端が装着される。前記第1固定子装着面40と前記固定子101の前端との間に介在されたOリング(O)及び前記第2固定子装着面56と前記固定子101の後端との間に介在されたOリング(O)によって、前記固定子チャンバー42は前記回転子チャンバー38と連通しない。したがって、回転子チャンバー38に流入した冷却水は固定子チャンバー42に流入しない。
【0068】
第2ベアリング装着面58は、前記ケース面52から前方に突出されている。前記第2ベアリング装着面58と前記シャフト82の後端部との間には第2ベアリング96が介在されて、シャフト82の回転を円滑にするだけでなく、シャフト82が傾くのを防止する。
【0069】
前記ドライバーケース50の後端は開いている。このように開口された後端にディスク形状のドライバーカバー70がボルト(B)などの結合手段で結合されることによって、ドライバーケース50とドライバーカバー70との間にドライバーチャンバー64が形成される。このために、ドライバーカバー70の外周面には前方に突出された突出部72が形成され、前記突出部72が前記ドライバーケース50の後端外周面62に挿入されて密着する。前記突出部72と前記外周面62との間にはOリング(O)などの密封手段が介在されて、埃などがドライバーチャンバー64に入るのを防止する。
【0070】
ドライバーチャンバー64には電気式ウォーターポンプ1の作動を制御するドライバー80が装着されている。前記ドライバー80は、マイクロプロセッサー及び印刷回路基板(Printed−Circuit−Boardd;PCB)を含み、外部の制御器(図示せず)にコネクタ74を通じて電気的に連結されることによって、制御器の制御信号の印加を受ける。また、前記ドライバー80は、前記ホールセンサー基板110に電気的に連結されて、制御器から印加された制御信号を前記ホールセンサー基板110に印加する。
【0071】
一方、前記ドライバーチャンバー64は、前記ケース面52によって前記回転子チャンバー38から遮られている。したがって、回転子チャンバー38の冷却水はドライバーチャンバー64に流入しない。
【0072】
以下、図3を参照して、本発明の実施例による電気式ウォーターポンプ1における固定子101をより詳細に説明する。
【0073】
図3は本発明の実施例による電気式ウォーターポンプにおける固定子の斜視図である。
【0074】
図3に示されているように、固定子ケース109の後端外周部には複数の固定溝105が形成されている。このような固定溝105には前記挿入部54が挿入されて、回転子84、86、88、90の回転による固定子101の回転及び軸方向の動きを制限する。このような固定溝105は、別途の工程や装置が必要なく、固定子ケース109のインサートモールディング時に形成されるので、製造工程が増加しない。また、固定子101を接着剤でボディー30に接着したり、固定子101をボディーに圧入する方式で固定子101を固定するのではないので、固定子101の分離が容易である。したがって、固定子101が故障しても容易に交換することができる。
【0075】
また、図2から分かるように、固定子ケース109の内周面は前記回転子チャンバー38の一部を構成する。前記で言及したように、回転子チャンバー38には冷却水が流入し、前記冷却水はシャフト82及び回転子84、86、88、90の回転によって回転子チャンバー38内で流動するようになる。したがって、前記固定子ケース109の内周面にその長さ方向に固定子溝122を形成すれば、回転子チャンバー38内の冷却水が前記固定子溝122に沿って流れて、固定子ケース109の内周面に付着した浮遊物を除去するようになる。このような固定子溝122の形状は、回転子チャンバー38での冷却水の流れを考慮して、当業者が容易に設定することができる。
【0076】
さらに、回転子84、86、88、90の回転による振動、騒音、及び車両運転中に発生する振動を減殺するために、前記固定子ケース109には複数のダンピングホール120が形成されている。固定子チャンバー42内の気体がこのようなダンピングホール120を通じて移動することによって、回転子84、86、88、90の回転による振動、騒音、及び車両運転中に発生する振動が吸収される。このようなダンピングホール120の位置及び形状は、固定子101の振動周波数及び圧力周波数によって当業者が容易に設定することができる。また、前記ダンピングホール120に発泡樹脂材または吸音材を充填して、振動及び騒音をさらに減殺することができる。
【0077】
一方、前記固定子溝122及びダンピングホール120は、回転子84、86、88、90にも形成することができる。つまり、回転子ケース90の外周面に溝(図示せず)を形成し、回転子チャンバー38内の冷却水が前記溝に沿って流れて、回転子ケース90の外周面に付着した浮遊物を除去するようにする。また、回転子ケース90にホール(図示せず)を形成して、回転子84、86、88、90の回転による振動、騒音、及び車両運転中に発生する振動を吸収するようにしてもよい。
【0078】
前述のように、本発明による電子式ウォーターポンプによれば、電気的に作動する固定子及び回転子が防水性能を有する樹脂材のケースで覆われているので、その性能及び耐久性が向上する。
【0079】
また、ホールセンサー及びホールセンサー基板を固定子内に装着し、回転子の初期位置によって制御信号を変化させることによって、初期機動性が高まる。
【0080】
さらに、回転子が装着される回転子チャンバーに冷却水が出入するので、回転子の冷却及び回転子チャンバー内の異物の除去が可能である。
【0081】
そして、回転子チェンバーにおける冷却水の流れによって固定子に付着した物質を除去することによって、電気式ウォーターポンプの性能が向上する。
【0082】
また、固定子ケースに形成されたダンピングホールによって振動及び騒音が減衰される。
【0083】
以上で本発明に関する好ましい実施例を説明したが本発明は前記実施例に限定されない。
本発明の実施例から当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は技術的範囲内において容易に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、作動性能が向上して耐久性が向上した電気式ウォーターポンプの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
1 電気式ウォーターポンプ
10 ポンプカバー
12 入口
14 出口
16 渦室
22 インペラ
30 ボディー
38 回転子チャンバー
42 固定子チャンバー
50 ドライバーケース
80 ドライバー
82 シャフト
83 段差部
84 回転子カバー
86 回転子コア
88 永久磁石
90 回転子ケース
94 第1ベアリング
96 第2ベアリング
100 カップ
101 固定子
102 固定子コア
104 インシュレータ
108 コイル
109 固定子ケース
110 ホールセンサー基板
112 ホールセンサー
120 ダンピングホール
122 固定子溝
図1
図2
図3