特許第5659968号(P5659968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特許5659968-水質分析計 図000002
  • 特許5659968-水質分析計 図000003
  • 特許5659968-水質分析計 図000004
  • 特許5659968-水質分析計 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5659968
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】水質分析計
(51)【国際特許分類】
   G01N 31/00 20060101AFI20150108BHJP
   G01N 31/12 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   G01N31/00 D
   G01N31/00 Y
   G01N31/12 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-147868(P2011-147868)
(22)【出願日】2011年7月4日
(65)【公開番号】特開2013-15387(P2013-15387A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2013年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085464
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 繁雄
(72)【発明者】
【氏名】神吉 良英
(72)【発明者】
【氏名】北田 佳夫
【審査官】 三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−121626(JP,A)
【文献】 特開2010−216977(JP,A)
【文献】 特開2000−304751(JP,A)
【文献】 特開昭52−048391(JP,A)
【文献】 特開平11−051931(JP,A)
【文献】 特開2011−080991(JP,A)
【文献】 特開平09−145705(JP,A)
【文献】 特開平05−052832(JP,A)
【文献】 特開2010−139421(JP,A)
【文献】 特開2006−234622(JP,A)
【文献】 実開平08−000754(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00
G01N 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼管を備えて導入された試料水中の測定成分を酸化して酸化ガスに変換する酸化反応部と、前記酸化反応部に試料水を導入する試料導入部と、測定セルを備えて該測定セル中の酸化ガス濃度を測定する検出部と、前記酸化反応部での酸化ガスを含むガスをキャリアガスによって前記検出部へ送るキャリアガス供給部と、前記試料導入部及びキャリアガス供給部の制御を行なう制御部とを備えた燃焼式酸化法による水質分析計において、
前記キャリアガス供給部でのキャリアガスの供給が停止されているときのキャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の酸化ガス濃度が飽和状態になるまでのキャリアガス供給停止時間T又はその飽和状態でのキャリアガスによる前記検出部による検出信号値Sと、キャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の酸化ガス濃度が飽和状態にあるときから前記キャリアガス供給部によるキャリアガスの供給を開始したときに前記検出部での酸化ガスの検出信号がなくなるまでの時間tを待機時間情報として保持している待機時間情報保持部と、
測定開始時にキャリアガスの供給を開始したときに、前記キャリアガス供給部でのキャリアガス供給停止時間の計測値T’又は前記検出部によるキャリアガスの検出信号値sと、前記待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報T又はSと、tから、試料水の導入までの待機時間t’を算出する演算部とを備え、
前記制御部は、測定を行っていないときは前記キャリアガス供給部でのキャリアガス供給を停止し、測定開始時に前記キャリアガス供給部でのキャリアガス供給を開始し、キャリアガスの供給を開始してから前記演算部により算出された待機時間t’が経過した後に前記試料導入部による試料水の導入を開始するように構成されている水質分析計。
【請求項2】
導入された試料水中の測定成分である炭素成分を紫外線照射により酸化して二酸化炭素に変換する酸化反応部と、前記酸化反応部に試料水を導入する試料導入部と、気液分離膜を備えて測定水と前記酸化反応部を経た試料水とを前記気液分離膜を介して接触させることにより試料水中の二酸化炭素を測定水へ移行させる二酸化炭素抽出部と、イオン交換部を備えてイオン交換部による脱イオン水を測定水として前記二酸化炭素抽出部へ供給する測定水供給部と、前記二酸化炭素抽出部からの測定水の導電率を測定する検出部と、前記試料導入部及び測定水供給部の制御を行なう制御部とを備えた湿式酸化法による水質分析計において、
前記測定水供給部での測定水の供給が停止されているときの測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態になるまでの測定水供給停止時間T又はその飽和状態での測定水による前記検出部による検出信号値Sと、測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態にあるときから前記測定水供給部による測定水の供給を開始したときに前記検出部での二酸化炭素の検出信号がなくなるまでの時間tを待機時間情報として保持している待機時間情報保持部と、
測定開始時に測定水の供給を開始したときに、前記測定水供給部での測定水供給停止時間の計測値T’又は前記検出部による測定水の検出信号値sと、前記待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報T又はSと、tから、試料水の導入までの待機時間t’を算出する演算部とを備え、
前記制御部は、測定を行っていないときは前記測定水供給部での測定水供給を停止し、測定開始時に前記測定水供給部での測定水供給を開始し、測定水の供給を開始してから前記演算部により算出された待機時間t’が経過した後に前記試料導入部による試料水の導入を開始するように構成されている水質分析計。
【請求項3】
前記演算部は、前記キャリアガス供給停止時間又は測定水供給停止時間の計測値T’を用いて、
T’<Tの場合、
t’=t×T’/Tとし、
T’≧Tの場合、
t’=t
として待機時間t’を求めて設定する請求項1又は2に記載の水質分析計。
【請求項4】
前記待機時間情報保持部は、待機時間情報としてT及びTよりも短い1又は複数の基準時間と、T及び各基準時間に対応した待機時間を保持しており、
前記演算部は、前記キャリアガス供給停止時間又は測定水供給停止時間の計測値T’を前記待機時間情報保持部に保持されているT及び前記基準時間と比較し、前記待機時間情報保持部に保持されている対応した待機時間を待機時間t’として設定する請求項1又は2に記載の水質分析計。
【請求項5】
前記演算部は、測定開始時に、キャリアガスの供給を開始したときの前記検出部によるキャリアガスの検出信号値s又は測定水の供給を開始したときの前記検出部による測定水の検出信号値sを取り込み、前記待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報Sとtから、
s<Sの場合、
t’=t×s/Sとし、
s≧Sの場合、
t’=t
として待機時間t’を求めて設定する請求項1又は2に記載の水質分析計。
【請求項6】
前記待機時間情報保持部は、待機時間情報としてS及びSよりも小さい1又は複数の基準信号レベルと、S及び各基準信号レベルに対応した待機時間を保持しており、
前記演算部は、測定開始時に、キャリアガスの供給を開始したときの前記検出部によるキャリアガスの検出信号値s又は測定水の供給を開始したときの前記検出部による測定水の検出信号値sを取り込み、検出信号値sを前記待機時間情報保持部に保持されているS及び基準信号レベルと比較し、前記待機時間情報保持部に保持されている対応した待機時間を待機時間t’として設定する請求項1又は2に記載の水質分析計。
【請求項7】
前記試料水中の測定対象となる測定成分は全有機体炭素であり、該水質分析計は全有機体炭素測定装置である請求項1から6のいずれか一項に記載の水質分析計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水、河川水、工場排水などに含まれる汚濁成分などの測定に用いる水質分析計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水質分析計としては、試料中に含まれる全有機体炭素(TOC)や全窒素(TN)をそれぞれ測定するものや、一台の測定装置でともに測定できるものがある。
【0003】
TOC計は試料水に含まれる有機物を酸化させて二酸化炭素に変換し、その二酸化炭素濃度を測定することにより有機物に含まれていた有機物濃度を定量する装置である。有機物を酸化させる方法には、高温の炉で有機物を燃焼酸化させる燃焼式酸化法と紫外光を用いて有機物を酸化する湿式酸化法がある
【0004】
燃焼酸化式のTOC計は、加熱炉内に収容された触媒入りの燃焼管に試料水を注入して試料中の炭素成分を酸化して二酸化炭素に変換し、その二酸化炭素を含むガスをキャリアガスによって検出部のセルへ送ることによってそのガス中の二酸化炭素濃度を測定し、その測定値に基づいてTOCを定量する(例えば、特許文献1参照。)。検出部としては、一般に非分散型赤外吸光式の検出器が使用される。
【0005】
湿式酸化法のTOC計はIC(無機炭素)除去部、酸化反応部、二酸化炭素抽出部及び検出部としての導電率測定部を含んでいる。試料水は溶存しているICを除去しやすくするために酸性にされ、IC除去部においてICが除去された後、酸化反応部に導かれる。酸化反応部では試料水中の有機物が紫外線照射されることにより酸化分解され、二酸化炭素に変換される。酸化反応部を経た試料水は二酸化炭素抽出部に導入され、二酸化炭素抽出部では試料水が測定水と気液分離膜を介して接することにより試料水中の二酸化炭素が気液分離膜を透過して測定水へ移行する。試料水から二酸化炭素を抽出した測定水は導電率測定部において導電率を測定され、二酸化炭素濃度(TOC濃度)に換算される。湿式酸化法のTOC計では、二酸化炭素抽出部を流れる測定水としては、イオン交換部で二酸化炭素などの不純物が除去された脱イオン水が使用される(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−352058号公報 特開2010−216977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TOC計などの水質分析計は、測定と測定の間にある程度の期間をおいて断続的に測定を行なう場合がある。
【0008】
燃焼酸化式のTOC計では、測定を中断している間も検出部へ通じる検出流路においてキャリアガスを常時流通させているのが一般的である。そのため、キャリアガスとしてボンベガスを使用した場合には、ボンベガスを大量に消費してしまい、無駄が生じるという問題があった。また、外気を取り込んで不要成分を除去することによりキャリアガスを精製する場合でも、測定中断中も常時キャリアガスの精製部を稼働させることで、不要成分を除去する除去部の劣化を早めてしまうという問題がある。
【0009】
湿式酸化法のTOC計でも同様であり、測定を中断している間も検出部へ通じる測定水流路には測定水供給部から測定水を常時流通させているのが一般的である。そのため、測定水としてタンクに収容した純水を使用する場合には純水を大量に消費してしまう。測定水の流路にイオン交換樹脂を配置し、検出部を経由した測定水をそのイオン交換樹脂により脱イオン化して測定水とする循環流路を備えたものを使用することも行われている。その場合もイオン交換樹脂を常時使用することによりイオン交換樹脂の劣化を早めてしまうという問題がある。
【0010】
しかし、測定を中断している間、キャリアガスや測定水の流通を停止させるようにすると、検出信号のベースラインが安定せず正確な測定を行なうことができないという問題が生じることがあった。これはキャリアガス流路や測定水流路として樹脂製チューブを使用している場合に顕著にみられる現象であったことから、キャリアガスや測定水の流通を停止させている間にキャリアガス流路や測定水流路の壁面を通して外気の二酸化炭素がキャリアガスや測定水に拡散し、検出部における検出信号を変化させているためであると考えられる。そのため、二酸化炭素がキャリアガスに外気から拡散した二酸化炭素が残った状態で試料の測定を行なっているために検出信号が安定しなかったものと考えられる。キャリアガス流路や測定水流路として樹脂製チューブを使用していない場合であっても流路の接続部分からの外気中の二酸化炭素の拡散はあり得る。
【0011】
そこで、本発明は、測定を中断している間のキャリアガスや測定水の流通を停止させても、キャリアガスや測定水の流通を再開させた後の測定における測定精度が低下しないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の水質分析計は、酸化反応部が燃焼酸化式であっても湿式酸化式であっても適用できる。
【0013】
酸化反応部が燃焼酸化式である場合の水質分析計は、燃焼管を備えて導入された試料水中の測定成分を酸化して酸化ガスに変換する酸化反応部と、酸化反応部に試料水を導入する試料導入部と、測定セルを備えて測定セル中の酸化ガス濃度を測定する検出部と、酸化反応部での酸化ガスを含むガスをキャリアガスによって検出部のセルへ送るキャリアガス供給部と、試料導入部及びキャリアガス供給部の制御を行なう制御部とを備えている。酸化ガスは、炭素酸化物及び窒素酸化物を含む。
【0014】
そして、燃焼酸化式水質分析計の場合は、キャリアガス供給部でのキャリアガスの供給が停止されているときのキャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の酸化ガス濃度が飽和状態になるまでのキャリアガス供給停止時間T又はその飽和状態でのキャリアガスによる検出部による検出信号値Sと、キャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の酸化ガス濃度が飽和状態にあるときからキャリアガス供給部によるキャリアガスの供給を開始したときに検出部での酸化ガスの検出信号がなくなるまでの時間tを待機時間情報として保持している待機時間情報保持部と、測定開始時にキャリアガスの供給を開始したときに、キャリアガス供給部でのキャリアガス供給停止時間の計測値T’又は検出部によるキャリアガスの検出信号値sと、待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報T又はSと、tから、試料水の導入までの待機時間t’を算出する演算部とを備え、制御部は、測定を行っていないときはキャリアガス供給部でのキャリアガス供給を停止し、測定開始時にキャリアガス供給部でのキャリアガス供給を開始し、キャリアガスの供給を開始してから演算部により算出された待機時間t’が経過した後に試料導入部による酸化反応部への試料水の導入を開始するように構成されている。
【0015】
酸化反応部が湿式酸化式である場合の水質分析計は、導入された試料水中の炭素成分を紫外線照射により酸化して二酸化炭素に変換する酸化反応部と、酸化反応部に試料水を導入する試料導入部と、気液分離膜を備えて測定水と酸化反応部を経た試料水とを気液分離膜を介して接触させることにより試料水中の二酸化炭素を測定水へ移行させる二酸化炭素抽出部と、イオン交換部を備えてイオン交換部による脱イオン水を測定水として二酸化炭素抽出部へ供給する測定水供給部と、二酸化炭素抽出部からの測定水の導電率を測定する検出部と、試料導入部及び測定水供給部の制御を行なう制御部とを備えている。
【0016】
そして、湿式酸化式水質分析計の場合は、測定水供給部での測定水の供給が停止されているときの測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態になるまでの測定水供給停止時間T又はその飽和状態での測定水による検出部による検出信号値Sと、測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態にあるときから測定水供給部による測定水の供給を開始したときに検出部での二酸化炭素の検出信号がなくなるまでの時間tを待機時間情報として保持している待機時間情報保持部と、測定開始時に測定水の供給を開始したときに、測定水供給部での測定水供給停止時間の計測値T’又は検出部による測定水の検出信号値sと、待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報T又はSと、tから、試料水の導入までの待機時間t’を算出する演算部とを備え、制御部は、測定を行っていないときは測定水供給部での測定水供給を停止し、測定開始時に測定水供給部での測定水供給を開始し、測定水の供給を開始してから演算部により算出された待機時間t’が経過した後に試料導入部による酸化反応部への試料水の導入を開始するように構成されている。
【0017】
燃焼酸化式水質分析計の場合、キャリアガス供給部でのキャリアガスの供給が停止されているときのキャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の二酸化炭素濃度が飽和状態になるまでのキャリアガス供給停止時間Tは、キャリアガス供給停止時間と、その供給停止時間後のキャリアガスを検出部に導いて検出したときの検出信号の関係を測定することにより実験的に求めることができる。その飽和状態でのキャリアガスによる検出部による検出信号値Sもそのようにして求めることができる。キャリアガス供給部から検出部までの流路のキャリアガス中の二酸化炭素濃度が飽和状態にあるときからキャリアガス供給部によるキャリアガスの供給を開始したときに検出部での二酸化炭素の検出信号がなくなるまでの時間tも実験的に求めることができる。
【0018】
湿式酸化式水質分析計の場合、測定水供給部での測定水の供給が停止されているときの測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態になるまでの測定水供給停止時間Tも、測定水供給停止時間と、その供給停止時間後の測定水を検出部に導いて検出したときの検出信号の関係を測定することにより実験的に求めることができる。その飽和状態での測定水による検出部による検出信号値Sもそのようにして求めることができる。測定水供給部から検出部までの流路の測定水中の二酸化炭素濃度が飽和状態にあるときから測定水供給部による測定水の供給を開始したときに検出部での二酸化炭素の検出信号がなくなるまでの時間tも実験的に求めることができる。
【0019】
これらの値T、S及びtは水質分析計の設計により決まる装置定数であるので、標準的な装置について実験的に求めておけば他の装置についても装置定数として保持させることができる。もちろん、各水質分析計について個別にこれらの値T、S及びtを実験により求めて保持させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の水質分析計によれば、測定の中断中はキャリアガス又は測定水の供給を停止させ、キャリアガス又は測定水の供給の再開時に、検出部の検出信号が安定するまで測定を行なわずに待機するので、キャリアガス又は測定水の供給の再開後の測定が検出信号のベースラインの不安定な状態で開始されることがなく、測定を中断した後で開始される測定における測定精度の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】水質分析計の一つである燃焼酸化式TOC計の一実施例を示す概略構成図である。
図2】同実施例においてキャリアガスの供給を一時停止し、その後キャリアガスの供給を再開したときの検出部(赤外線ガス分析部)の検出信号の時間変化を示すグラフである。
図3】同実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】水質分析計の他の形式である湿式酸化式TOC計の一実施例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施の形態の一つは、演算部は、キャリアガス供給停止時間又は測定水供給停止時間の計測値T’を用いて、
T’<Tの場合、
t’=t×T’/Tとし、
T’≧Tの場合、
t’=t
として待機時間t’を求めて設定するものである。
【0023】
また、別の好ましい実施の形態は、待機時間情報保持部は、待機時間情報としてT及びTよりも短い1又は複数の基準時間と、T及び各基準時間に対応した待機時間を保持しており、演算部は、キャリアガス供給停止時間又は測定水供給停止時間の計測値T’を待機時間情報保持部に保持されているT及び基準時間と比較し、待機時間情報保持部に保持されている対応した待機時間を待機時間t’として設定するものである。
【0024】
上記二つの実施の形態は、停止時間の計測値T'に基づいて待機時間t’を設定するものである。これに対し、検出信号値sに基づいてt’を設定することも可能である。
そのような好ましい実施形態の一つは、待機時間演算部は、測定開始時に、キャリアガスの供給を開始したときの検出部によるキャリアガスの検出信号値s又は測定水の供給を開始したときの検出部による測定水の検出信号値sを取り込み、待機時間情報保持部に保持されている待機時間情報Sとtから、
s<Sの場合、
t’=t×s/Sとし、
T’≧Tの場合、
t’=t
として待機時間t’を求めて設定するものである。
【0025】
また、検出信号値sに基づいてt’を設定する別の好ましい実施の形態は、待機時間情報保持部は、待機時間情報としてS及びSよりも小さい1又は複数の基準信号レベルと、S及び各基準信号レベルに対応した待機時間を保持しており、演算部は、測定開始時に、キャリアガスの供給を開始したときの検出部によるキャリアガスの検出信号値s又は測定水の供給を開始したときの検出部による測定水の検出信号値sを取り込み、検出信号値sを待機時間情報保持部に保持されているS及び基準信号レベルと比較し、待機時間情報保持部に保持されている対応した待機時間を待機時間t’として設定するものである。
【0026】
試料水中の測定対象となる炭素成分としては全有機体炭素を挙げることができ、該水質分析計を全有機体炭素測定装置とすることができる。
【0027】
[実施例1]
以下、図面を参照して本発明のより具体的な一実施例を説明する。
図1は、本発明が適用される水質分析計として、TOCとTNをともに測定できるようにしたTOC/TN計の概略構成図である。
【0028】
環境水などの試料が連続して流れる採水管1には、その試料の一部をTOC/TN計本体内の分岐部3を経てドレン出口12へ排出する流路が接続されている。分岐部3には、採水した試料を分析部に導くための試料導入部である試料注入機構18の8ポートバルブ14の1つのポートが接続されている。
【0029】
試料注入機構18は8ポートバルブ14とそれに接続されたマイクロシリンジ16によって構成されており、マイクロシリンジ16は8ポートバルブ14のいずれのポートとも接続できるように共通ポートに接続されている。8ポートバルブ14のそれぞれのポートには、分岐部3のほか、無機炭素(IC)を測定するときに試料を酸性にするために添加する酸添加部20、校正用の標準液22、希釈や洗浄に使用するための希釈水24、オフライン試料26、試料中の炭素成分の全てをCO2に変換する触媒を備えたTC(全炭素)酸化反応部32の試料注入部34、不要な気体を排出するためのドレン出口28、及び不要な液体を排出するためのドレン出口12が、それぞれ接続されている。
【0030】
空気入口42から取り込んだ空気から炭素成分を除去して精製ガスを生成し、流量を調節して送り出すためのガス精製・流量制御部40が設けられている。ガス精製・流量制御部40のガス出口には、ガス精製・流量制御部40で生成された精製ガスをスパージガス又はキャリアガスとしてマイクロシリンジ16に供給する流路41a、キャリアガスとしてTC酸化反応部32に供給する流路41b、及びオゾン発生部50に精製ガスを供給する流路41cが接続されている。
【0031】
TC酸化反応部32は、試料中の炭素成分をCO2に変換し、窒素成分をNOに変換する酸化触媒が充填されたTC燃焼管36、そのTC燃焼管36に試料とキャリアガスを導入する試料注入部34、及びTC燃焼管36を加熱する加熱炉38から構成されている。
TC燃焼管36の下流部は、水分を除去する除湿器やハロゲン成分を除去するハロゲンスクラバーなどを備えた除湿・ガス処理部44を経て、CO2を検出する赤外線ガス分析部46に接続されている。赤外線ガス分析部46の下流部はNOを検出するための化学発光分析部48に接続されている。化学発光分析部48にはオゾン発生部50からオゾンが供給されている。化学発光分析部48の下流部は、オゾンキラー52を介してドレン出口54に接続されている。赤外線ガス分析部46及び化学発光分析部48は検出部を構成しており、赤外線ガス分析部46及び化学発光分析部48に通じる流路は検出流路を構成している。
【0032】
このTOC/TN計の動作の制御及び演算処理を行なうための演算制御部56と、ガス精製・流量制御部40によるキャリアガスの供給の停止時間を計測するための停止時間計測部58と、TOC又はTNの測定を開始する際の試料注入前の待機時間を設定するために用いる待機時間情報保持部59が設けられている。
【0033】
演算制御部56は、8ポートバルブ14、マイクロシリンジ16、ガス精製・流量制御部40及び停止時間計測部58の動作を制御する。また、演算制御部56は赤外線ガス分析部46及び化学発光分析部48からの出力信号を取り込んでTOCやTNを求めるための演算を行なう。演算制御部56には、キーボードなどの入力手段60及びレコーダ62が接続されている。演算制御部56は演算制御部56はCPU(中央処理装置)と記憶装置により実現される。
【0034】
演算制御部56は、測定が中断しているときはガス精製・流量制御部40にキャリアガスの供給を停止させる制御をするように構成されている。キャリアガスの供給が停止すると、赤外線ガス分析部46へ通じる流路内に外気の二酸化炭素が拡散し、赤外線ガス分析計6を作動させたとすれば、図2に示されているように、赤外線ガス分析部46の検出信号が上昇する。この状態で、測定を開始すると、赤外線ガス分析部46の検出信号のベースラインが安定していない状態で測定が行なわれることになり、測定の正確性が損なわれる。そのため、演算制御部56は、キャリアガスの供給を開始してから所定の待機時間が経過するまで試料を酸化反応部32へ導入しないように構成されている。
【0035】
試料の測定を開始する前の待機時間は次のように設定される。
停止時間計測部58は、ガス精製・流通制御部40によるキャリアガスの供給が停止していた時間を計測している。キャリアガスの供給が停止していた時間と赤外線ガス分析部46を作動させたときの赤外線ガス分析計6の検出信号との間には、図2に示されているように、ある程度一定の相関関係がある。図2に示されているような相関関係は予め測定によって求められ、待機時間情報保持部59に保持されている。
【0036】
演算制御部56は、待機時間情報保持部59に保持されている情報によりキャリアガスの供給が停止されてから飽和によって赤外線ガス分析部46の検出信号が安定する飽和状態になるまでに要する時間T及び飽和状態でキャリアガスの供給を再開してから検出部の検出信号が安定する安定状態となるまでに要する時間tを得るようになっており、それらの情報と停止時間計測部58が計測した停止時間T’を用いて、
T’<Tの場合、
t’=t×T’/T
T’≧Tの場合、
t’=t
を演算することにより待機時間t’を設定する。
【0037】
また、待機時間t’の別の設定方法としては、キャリアガスの供給が停止されてから飽和によって赤外線ガス分析部46の検出信号が安定する飽和状態になるまでに要する時間Tまでの間に停止時間のしきい値T1とそのT1に対応する待機時間t1を設定しておく。そして、停止時間計測部58が計測した停止時間T’をT1と比較し、
T’≦T1のときは、t’=0
T’>T1のときは、t’=t1
として待機時間t’が設定されるようにしてもよい。なお、しきい値は1つに限らず、2以上のしきい値とそのしきい値それぞれに対応する待機時間を設定しておいてもよい。
【0038】
演算処理部56がこのように構成されていることにより、このTOC/TN計の動作の全体的な流れは、図3に示したものとなる。
測定を開始する前に、まず、演算処理部56が停止時間計測部58からキャリアガスの供給が停止していた時間を取り込み、待機時間情報保持部59の情報を用いて上述の方法により待機時間t’を設定する。このとき、ガス精製・流通制御部40からのキャリアガスの供給は前回の測定が終了したときから停止した状態となっている。
【0039】
その後、キャリアガスの供給を開始するが、待機時間t’が経過するまで試料注入機構18は酸化反応部32への試料の注入は行なわずに待機する。待機時間t’が経過した後、試料注入機構18は酸化反応部32へ試料を注入して測定を開始し、測定が終了すればガス精製・流通制御部40からのキャリアガスの供給を停止する。ガス精製・流通制御部40からのキャリアガスの供給を停止したときに停止時間計測部58が停止時間の計測を開始する。停止時間の計測は次回の測定が開始される前まで行なわれ、その停止時間が次回測定前の待機時間t’の設定に使用される。
【0040】
また、待機時間t’がキャリアガスの供給を再開する直前の赤外線ガス分析部46の検出信号に基づいて設定されるようにすることもできる。この場合、演算処理部56は、待機時間情報保持部59の情報から、キャリアガスの供給が停止されてから赤外線ガス分析部46の検出信号が安定する飽和状態になったときの検出信号S及び飽和状態でキャリアガスの供給を再開してから赤外線ガス分析部46の検出信号が安定する安定状態となるまでに要する時間tを得るようにし、これらの情報とキャリアガスの供給を再開する直前の検出信号sを用いて、
s<Sの場合、
t’=t×s/S
s≧Sの場合、
t’=t
を演算することにより待機時間t’を設定するようにする。この待機時間t’の設定の過程ではキャリアガス供給の停止時間を使用しないため、停止時間計測部58を装置の構成から省いてもよい。
【0041】
上記のように、赤外線ガス分析部46の検出信号S,sを用いて待機時間t’を設定する方法においても、キャリアガスの供給が行なわれて赤外線ガス分析部46の検出信号が安定しているときの検出信号と、キャリアガスの供給が停止してから赤外線ガス分析部46の検出信号が安定している状態での検出信号Sとの間にしきい値S1を設定し、そのしきい値に応じた待機時間t1を設定しておく。そして、キャリアガスの供給再開直前の赤外線ガス分析部46の検出信号sとしきい値S1を比較し、
s≦S1のときは、t’=0
s>S1のときは、t’=t1
として待機時間t’を設定されるようにしてもよい。なお、しきい値は1つに限らず、2以上のしきい値とそのしきい値それぞれに対応する待機時間を設定しておいてもよい。
【0042】
次に、図1に戻って、同実施例におけるTC測定、TN測定及びTOC測定の動作を説明する。
(TC測定及びTN測定)
制御部58からの制御信号により、8ポートバルブ14によりマイクロシリンジ16が分岐部3に接続され、マイクロシリンジ16が駆動されてマイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
【0043】
次に、マイクロシリンジ16中の試料がTC酸化反応部32の試料注入口34を経てTC燃焼管36に注入され、試料中の炭素成分はCO2に変換され、窒素成分はNOに変換される。
TC燃焼管36で発生したCO2及びNOは、ガス精製・流量制御部40から流路41bを経て、供給されたキャリアガスとともに除湿・ガス処理部44に送られ、冷却、除湿及びハロゲン除去された後、赤外線ガス分析部46でCO2が検出され、続いて化学発光分析部48でNOが検出される。それらの検出信号は演算部56に送られ、その信号からピークの面積値が求められて検量線に基づいてTC濃度とTN濃度が求められる。
【0044】
(IC測定、TOC測定)
TC測定及びTN測定の時と同様にして、マイクロシリンジ16に一定量の試料が採水される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が希釈水24に接続されて、マイクロシリンジ16中の試料に所定量の希釈水が加えられる。
【0045】
次に、マイクロシリンジ16は酸添加部20に接続されてマイクロシリンジ16中の試料に少量の酸が加えられる。その後、マイクロシリンジ16は試料注入口34に接続され、ガス精製・流量制御部40から流路41aを経てスパージガスがマイクロシリンジ16に供給される。試料中のICから発生したCO2はスパージガスとともにTC燃焼管36を経て除湿・ガス処理部44に送られ、冷却、除湿及びハロゲン除去された後、赤外線ガス分析部46でCO2が検出される。検出信号は演算部56に送られ、その信号からピークの面積値が求められて検量線に基づいてIC濃度が求められる。
演算部56では、TC濃度とIC濃度の差からTOC濃度も求められる。
【0046】
TOC濃度を単独で測定することもできる。TC測定及びTN測定の時と同様にして、マイクロシリンジ16に一定量の試料が採取される。所定の希釈率が設定されている場合は、マイクロシリンジ16が純水24に接続されてマイクロシリンジ16中の試料に所定量の純水が加えられる。次に、マイクロシリンジ16が酸20に接続されてマイクロシリンジ16中の試料に少量の酸が加えられる。次に、マイクロシリンジ16がドレン出口28に接続され、ガス精製・流量制御部40から流路41aを経てスパージガスがマイクロシリンジ16に供給される。試料中のICから発生したCO2はスパージガスとともにドレン出口28から排出され、マイクロシリンジ16にはTOCが残る。その後、マイクロシリンジ16の試料がTC酸化反応部32のTC試料注入口34を経てTC燃焼管36に注入され、試料中の炭素成分がCO2に変換され、TC燃焼管36で発生したCO2はキャリアガスとともに除湿・ガス処理部44を経て赤外線ガス分析部46に送られてTOCがCO2として検出される。
【0047】
なお、この実施例において、停止時間計測部58及び待機時間情報保持部59が演算制御部56とは独立して設けられているが、停止時間計測部58、待機時間情報保持部59の一方又は両方が演算制御部56の一つの機能として実現されるものであってもよい。
【0048】
[実施例2]
実施例1は、キャリアガスを用いて試料を搬送する装置に本発明を適用したものであるが、本発明は純水を測定水として使用する装置に対しても適用することができる。その一実施例を図4を用いて以下に説明する。
【0049】
pH調整部104は、例えばイオン交換膜を間に挟んで重ね合わされた2枚の流路基板で構成されており、その内部において試料水とpH調整液とがイオン交換膜を介して接する構造となっている。pH調整部104の内側の流路の底部にそれぞれ電極が設けられており、互いの電極間に電圧が印加されるようになっている。pH調整液流路114はpH調整液リザーバ116に貯留されたpH調整液を流通させるための流路である。pH調整部104の電極間に電圧が印加されることで試料水とpH調整液との間でイオン交換が行なわれて試料水が酸性になり、試料水中のIC(無機体炭素)が二酸化炭素に変換される。
【0050】
酸化反応部108は試料水流路102を流れる試料水に短波長の紫外線を照射することにより、試料水中の有機物を酸化分解して二酸化炭素に変換するものである。
【0051】
二酸化炭素抽出部110は、例えば気液分離膜を間に挟んで重ね合わされた2枚の基板で構成されており、互いの基板の気液分離膜側の面の対向する位置に試料水流路102及び測定水流路118の一部をなす流路が形成されている。気液分離膜110の試料水流路102を流れる試料水は試料水に含まれていた有機物が酸化反応部108において酸化分解されて生成された二酸化炭素を含んでおり、その試料水流路102と測定水流路118が気液分離膜を介して接していることにより、ガス成分である二酸化炭素のみが気液分離膜を透過して測定水流路118側へ移行する。
【0052】
測定水流路118では測定水が送液ポンプ123によって送液されており、測定水リザーバ120−イオン交換部122−二酸化炭素抽出部110−導電率測定部124−測定水リザーバ120の順で測定水が循環する。測定水リザーバ120に貯留された測定水はイオン交換部122で二酸化炭素などの不純物を取り除かれた後、二酸化炭素抽出部110において試料水から抽出された二酸化炭素を保持し、導電率測定部124で導電率を測定される。
【0053】
イオン交換部122では、測定水がイオン交換膜に通されることによって不純物が取り除かれる。
導電率測定部124は二酸化炭素抽出部110を経た測定水の導電率を測定する。導電率測定部124で得られた導電率は後述する演算制御部126に入力される。演算制御部126は、導電率測定部124による二酸化炭素抽出部110を経た測定水の導電率の測定結果に基づいて、二酸化炭素抽出部110において試料水から測定水へ移行した二酸化炭素濃度を求め、その二酸化炭素量から試料水のTOCを定量する。
【0054】
陰イオン回収部112は、イオン交換膜を間に挟んで重ね合わされた2枚の基板で構成され、それらの基板のイオン交換膜側の面に試料水流路102及びpH調整液流路114の一部をなす流路が形成されている。2枚の基板の内側の各流路の底面にそれぞれ電極が形成されており、両電極間に電圧が印加されることにより試料水とpH調整液との間でイオン交換が行なわれ、pHが上昇して中性付近になった状態で試料水が外部へ排出される。
【0055】
このTOC計の動作の制御やTOC算出の演算処理を行なう演算制御部126も、実施例1の演算制御部56と同様に、試料の測定を行なわないときには、測定水の測定水流路118における循環が停止されるように送液ポンプ123を制御する。測定水が常時循環していると、イオン交換部122のイオン交換膜が劣化が進むため、測定中断時に測定水の循環を停止させることでそのような劣化の進行を抑制して維持コストの低減を図る。しかし、測定水の循環を停止させると、実施例1と同様に外部から測定水流路118内に外気が拡散し、導電率測定部124で得られる導電率が変化し、図2に示したものと同様の現象が起こる。このような状態で測定を開始すると、測定結果の正確性が損なわれる。
【0056】
そこで、演算制御部126は測定水の循環の再開後、所定の待機時間が経過するまで待機してから測定を行なうように構成されている。待機時間の設定方法は、実施例1の方法と同様である。待機時間情報保持部130には、実施例1の図2に対応するような予め測定された待機時間情報が保持されており、待機時間情報保持部130の情報と、停止時間計測部128によって計測される測定水の循環の停止時間又は測定水の循環を再開する直前の導電率測定部124で得られる導電率に基づいて待機時間が設定される。
【0057】
なお、この実施例において、停止時間計測部128及び待機時間情報保持部130が演算制御部126とは独立して設けられているが、停止時間計測部128、待機時間情報保持部130の一方又は両方が演算制御部126の一つの機能として実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
14 6ポートバルブ
16 マイクロシリンジ
18 試料注入機構(試料導入部)
32 TC酸化反応部
34 試料注入部
36 燃焼管
38 加熱炉
40 ガス精製・流量制御部
44 除湿・ガス処理部
46 赤外線ガス分析部
48 化学発光分析部
56 演算制御部
58 停止時間計測部
59 待機時間情報保持部
図1
図2
図3
図4