(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
室内の人の存在の有無を検知する人検知センサ(40)と、この人検知センサ(40)から受ける情報に基づいた制御を行う制御部と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第一ハーネス(42)と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第二ハーネス(45)と、前記制御部を収容し、かつ、室内側に開いた開口と、室内から取り込んだ空気を第一方向に吹き出す第一吹出口(b1)、第二方向に吹き出す第二吹出口(b2)、第三方向に吹き出す第三吹出口(b3)及び第四方向に吹き出す第四吹出口(b4)とを有するケーシングと、各吹出口(b1〜b4)から吹き出すそれぞれの風の方向を変更する第一風向板(d1)、第二風向板(d2)、第三風向板(d3)及び第四風向板(d4)と、室内の空気を取り込む吸込口(11a)を有し、かつ、前記ケーシングの開口を塞ぐように当該ケーシングに取り付けられるとともに前記人検知センサ(40)を室内と対向させることが可能な形状を有する化粧板(11)とを備える室内機であって、
前記制御部は、前記第一風向板(d1)の制御を行う第一制御部と、前記第二風向板(d2)の制御を行う第二制御部と、前記第三風向板(d3)の制御を行う第三制御部と、前記第四風向板(d4)の制御を行う第四制御部とを有し、
前記人検知センサ(40)は、各吹出口のうちの所定の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第一センサ部(40a)と、前記第一センサ部(40a)が検知する方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第二センサ部(40b)と、前記第一センサ部(40a)及び前記第二センサ部(40b)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第三センサ部(40c)と、前記第一センサ部(40a)、前記第二センサ部(40b)及び前記第三センサ部(40c)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第四センサ部(40d)とを有し、所定の向きで前記化粧板(11)に対して位置決めされており、
前記化粧板(11)は、前記吸込口(11a)内に設けられる吸込グリル(11b)をさらに有し、この吸込グリル(11b)は、方向性のあるデザインを有し、
前記化粧板(11)は、前記デザインが特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有し、
前記第一ハーネス(42)は、前記化粧板(11)が前記第一態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第一態様における各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送り、前記第二ハーネス(45)は、前記化粧板(11)が前記第二態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第二態様における各センサ部で検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る室内機。
室内の人の存在の有無を検知する人検知センサ(40)と、この人検知センサ(40)から受ける情報に基づいた制御を行う制御部と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第一ハーネス(42)と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第二ハーネス(45)と、前記制御部を収容し、かつ、室内側に開いた開口と、室内から取り込んだ空気を第一方向に吹き出す第一吹出口(b1)、第二方向に吹き出す第二吹出口(b2)、第三方向に吹き出す第三吹出口(b3)及び第四方向に吹き出す第四吹出口(b4)とを有するケーシングと、各吹出口(b1〜b4)から吹き出すそれぞれの風の方向を変更する第一風向板(d1)、第二風向板(d2)、第三風向板(d3)及び第四風向板(d4)と、室内の空気を取り込む吸込口(11a)を有し、かつ、前記ケーシングの開口を塞ぐように当該ケーシングに取り付けられるとともに前記人検知センサ(40)を室内と対向させることが可能な形状を有する化粧板(11)とを備える室内機であって、
前記制御部は、前記第一風向板(d1)の制御を行う第一制御部と、前記第二風向板(d2)の制御を行う第二制御部と、前記第三風向板(d3)の制御を行う第三制御部と、前記第四風向板(d4)の制御を行う第四制御部とを有し、
前記人検知センサ(40)は、各吹出口のうちの所定の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第一センサ部(40a)と、前記第一センサ部(40a)が検知する方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第二センサ部(40b)と、前記第一センサ部(40a)及び前記第二センサ部(40b)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第三センサ部(40c)と、前記第一センサ部(40a)、前記第二センサ部(40b)及び前記第三センサ部(40c)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第四センサ部(40d)とを有し、所定の向きで前記化粧板(11)に対して位置決めされており、
前記化粧板(11)は、互いに対向する二つの辺を有し、そのうちの一方の辺を回動中心として他方の辺が室内側に開いた開状態と当該他方の辺が前記ケーシングに固定された閉状態との間で変位可能であり、かつ、前記一方の辺と前記他方の辺とを結ぶ方向が特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有し、
前記第一ハーネス(42)は、前記化粧板(11)が前記第一態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第一態様における各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送り、前記第二ハーネス(45)は、前記化粧板(11)が前記第二態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第二態様における各センサ部で検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る室内機。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置における天井埋込型の室内機として、例えば下記特許文献1に示すものが知られている。この特許文献1に記載の室内機は、ケーシングの下面中央部から室内の空気を吸い込み、その空気を熱交換器で熱交換させた後、ケーシング下面に設けられた四つの吹出口から風を吹き出すものである。
【0003】
この室内機は、室内の人の存在の有無を検知する人検知センサと、この人検知センサから受ける情報に基づいた制御を行う制御部と、前記制御部を収容し、かつ、室内側に開いた開口と、室内から取り込んだ空気を第一方向に吹き出す第一吹出口、第二方向に吹き出す第二吹出口、第三方向に吹き出す第三吹出口及び第四方向に吹き出す第四吹出口とを有するケーシングと、各吹出口から吹き出すそれぞれの風の方向を変更する第一風向板、第二風向板、第三風向板及び第四風向板と、前記ケーシングの開口を塞ぐ形状を有する化粧パネルとを備える。前記化粧パネルは、各吹出口と対応する位置に設けられた第一吹出部〜第四吹出部及び前記人検知センサを支持する支持部を有するパネル本体と、このパネル本体の中央部に設けられており室内側に開閉可能な化粧板とを有する。
【0004】
前記化粧板は、室内の空気を吸い込む吸込口と、この吸込口内に設けられた吸込グリルとを有する。この化粧板は、略矩形状を呈し、その特定の一端側の辺を回動中心として、その他端側の辺が室内側に変位するように回動しながら開くことができる。前記吸込グリルは、前記第一吹出部が設けられた側の辺と前記第三吹出部が設けられた側の辺とを結ぶ方向に延びる第一桟部材と、前記第二吹出部が設けられた側の辺と前記第四吹出部が設けられた側の辺とを結ぶ方向に延びる第二桟部材とを有する。前記第一桟部材は、その数が前記第二桟部材の数よりも多く、かつ、両者は互いに直交している。つまり、この吸込グリルは、方向性のあるデザインを有する。
【0005】
前記人検知センサは、人の有無を検知する方向が各吹出口と対応付けられている。すなわち、この人検知センサは、前記第一吹出口から風を吹き出す第一方向の人の有無を検知する第一センサ部と、前記第二吹出口から風を吹き出す第二方向の人の有無を検知する第二センサ部と、前記第三吹出口から風を吹き出す第三方向の人の有無を検知する第三センサ部と、前記第四吹出口から風を吹き出す第四方向の人の有無を検知する第四センサ部とを有する。
【0006】
前記制御部は、前記第一センサ部から受けた情報に基づいて前記第一風向板の制御を行う第一制御部と、前記第二センサ部から受けた情報に基づいて前記第二風向板の制御を行う第二制御部と、前記第三センサ部から受けた情報に基づいて前記第三風向板の制御を行う第三制御部と、前記第四センサ部から受けた情報に基づいて前記第四風向板の制御を行う第四制御部とを有する。
【0007】
したがって、この室内機は、各吹出口から吹き出す風の向き等が調整可能である。また、この室内機は、天井内に引き回された天井内配管と接続するための配管を有し、この配管は、前記ケーシングから所定の方向に突出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記文献1に記載される人検知センサは、パネル本体の隅角部に配置されているが、より化粧パネルの中央寄りに配置したいという要望がある。そこで、この人検知センサを、化粧板における前記吸込口のすぐ外側に配置させることが考えられる。
【0010】
ここで、上記文献1に記載される室内機を設置する際、当該室内機の配管と天井内配管との接続が行われる。この室内機の配管は特定の方向に突出しているので、天井内配管の向きによって、前記吸込グリルの第一桟部材の長手方向、すなわち、当該吸込グリルのデザインの方向や、前記化粧板の開く方向が決定される。この点に関し、前記天井内配管の向きにかかわらず、前記デザインの方向や、前記化粧板の開く方向を所望の方向と一致させたいという要望がある。
【0011】
そこで、前記吸込グリルを有する化粧板を、前記第一桟部材の長手方向が前記第一吹出部が設けられる側の辺と前記第三吹出部が設けられる側の辺とを結ぶ方向と平行となる第一態様(従来の態様)と、前記第一桟部材の長手方向が前記第二吹出部が設けられる側の辺と前記第四吹出部が設けられる側の辺とを結ぶ方向と平行となる第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造とすること、あるいは、この化粧板を、前記特定の一端側の辺と前記他端側の辺とを結ぶ方向が特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造とすることが考えられる。
【0012】
しかしながら、上記のように、人検知センサの各センサは、人の有無を検知する方向が各吹出口と対応付けられているので、前記化粧板が前記第一態様から90度回転された前記第二態様で取り付けられた場合、この室内機は、実際の人の有無に応じた制御を行うことができなくなる。すなわち、前記化粧板が前記第二態様で取り付けられた場合、例えば、前記第二センサは前記第一方向を向き、この方向の人の有無を検知してその情報を前記第二制御部へ送る。そうすると、この第二センサが検知した情報は前記第一方向の人の有無であるにもかかわらず、前記第二制御部は、当該第二センサからの情報に応じて、前記第一風向板ではなく前記第二風向板を調整するといった不具合が生じる。そして、この不具合を解消するには、室内機の据付作業時に、各センサの検知方向に合わせて、前記人検知センサと前記制御部との結線を変えるという非常に煩わしい作業が必要となる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、化粧板のケーシングへの取り付け方向を異ならせることが可能であり、かつ、人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御させるための結線が容易な室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、室内の人の存在の有無を検知する人検知センサ(40)と、この人検知センサ(40)から受ける情報に基づいた制御を行う制御部と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第一ハーネス(42)と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第二ハーネス(45)と、前記制御部を収容し、かつ、室内側に開いた開口と、室内から取り込んだ空気を第一方向に吹き出す第一吹出口(b1)、第二方向に吹き出す第二吹出口(b2)、第三方向に吹き出す第三吹出口(b3)及び第四方向に吹き出す第四吹出口(b4)とを有するケーシングと、各吹出口(b1〜b4)から吹き出すそれぞれの風の方向を変更する第一風向板(d1)、第二風向板(d2)、第三風向板(d3)及び第四風向板(d4)と、室内の空気を取り込む吸込口(11a)を有し、かつ、前記ケーシングの開口を塞ぐように当該ケーシングに取り付けられるとともに前記人検知センサ(40)を室内と対向させることが可能な形状を有する化粧板(11)とを備える室内機であって、前記制御部は、前記第一風向板(d1)の制御を行う第一制御部と、前記第二風向板(d2)の制御を行う第二制御部と、前記第三風向板(d3)の制御を行う第三制御部と、前記第四風向板(d4)の制御を行う第四制御部とを有し、前記人検知センサ(40)は、各吹出口のうちの所定の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第一センサ部(40a)と、前記第一センサ部(40a)が検知する方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第二センサ部(40b)と、前記第一センサ部(40a)及び前記第二センサ部(40b)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第三センサ部(40c)と、前記第一センサ部(40a)、前記第二センサ部(40b)及び前記第三センサ部(40c)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第四センサ部(40d)とを有し、所定の向きで前記化粧板(11)に対して位置決めされており、前記化粧板(11)は、前記吸込口(11a)内に設けられる吸込グリル(11b)をさらに有し、この吸込グリル(11b)は、方向性のあるデザインを有し、前記化粧板(11)は、前記デザインが特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有し、前記第一ハーネス(42)は、前記化粧板(11)が前記第一態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第一態様における各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送り、前記第二ハーネス(45)は、前記化粧板(11)が前記第二態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第二態様における各センサ部で検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る室内機を提供する。
【0015】
この発明の室内機によれば、前記吸込グリルのデザインの方向性を異ならせることが可能であり、かつ、人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御させるための結線が容易となる。すなわち、前記化粧板は、前記デザインが特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有するので、前記天井内配管の向きにかかわらず、前記吸込グリルのデザインの方向を所望の方向と一致させることができる。さらに、前記人検知センサは、前記第一態様で取り付けられた場合は、当該第一態様において各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る第一ハーネスと接続され、前記第二態様で取り付けられた場合は、当該第二態様において各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る第二ハーネスと接続されるので、当該人検知センサがいずれの態様で取り付けられた場合であっても、この人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御することができる。具体的には、例えば、前記第二センサ部が、前記第一態様において前記第二方向を向いており、前記第二態様において前記第一方向を向いている場合、前記第一態様において前記第二センサ部により検知された情報は、前記第一ハーネスを介して前記第二制御部に送られることにより、この第二制御部は前記第二風向板を制御する。そして、前記第二態様において前記第二センサ部により検知された前記第一方向の情報は、前記第二ハーネスを介して前記第一制御部に送られることになるので、この第一制御部により前記第一風向板が制御される。したがって、前記人検知センサが取り付けられる向きに応じて前記第一ハーネス、あるいは、前記第二ハーネスを選択するだけでよく、室内機の据付時に、当該人検知センサの向きに応じて結線を変えるという煩わしい作業が省かれる。
【0016】
また、本発明は、室内の人の存在の有無を検知する人検知センサ(40)と、この人検知センサ(40)から受ける情報に基づいた制御を行う制御部と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第一ハーネス(42)と、前記人検知センサ(40)と前記制御部とを接続する第二ハーネス(45)と、前記制御部を収容し、かつ、室内側に開いた開口と、室内から取り込んだ空気を第一方向に吹き出す第一吹出口(b1)、第二方向に吹き出す第二吹出口(b2)、第三方向に吹き出す第三吹出口(b3)及び第四方向に吹き出す第四吹出口(b4)とを有するケーシングと、各吹出口(b1〜b4)から吹き出すそれぞれの風の方向を変更する第一風向板(d1)、第二風向板(d2)、第三風向板(d3)及び第四風向板(d4)と、室内の空気を取り込む吸込口(11a)を有し、かつ、前記ケーシングの開口を塞ぐように当該ケーシングに取り付けられるとともに前記人検知センサ(40)を室内と対向させることが可能な形状を有する化粧板(11)とを備える室内機であって、前記制御部は、前記第一風向板(d1)の制御を行う第一制御部と、前記第二風向板(d2)の制御を行う第二制御部と、前記第三風向板(d3)の制御を行う第三制御部と、前記第四風向板(d4)の制御を行う第四制御部とを有し、前記人検知センサ(40)は、各吹出口のうちの所定の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第一センサ部(40a)と、前記第一センサ部(40a)が検知する方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第二センサ部(40b)と、前記第一センサ部(40a)及び前記第二センサ部(40b)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第三センサ部(40c)と、前記第一センサ部(40a)、前記第二センサ部(40b)及び前記第三センサ部(40c)が検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知可能な第四センサ部(40d)とを有し、所定の向きで前記化粧板(11)に対して位置決めされており、前記化粧板(11)は、互いに対向する二つの辺を有し、そのうちの一方の辺を回動中心として他方の辺が室内側に開いた開状態と当該他方の辺が前記ケーシングに固定された閉状態との間で変位可能であり、かつ、前記一方の辺と前記他方の辺とを結ぶ方向が特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有し、前記第一ハーネス(42)は、前記化粧板(11)が前記第一態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第一態様における各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送り、前記第二ハーネス(45)は、前記化粧板(11)が前記第二態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものであって、前記第二態様における各センサ部で検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る室内機を提供する。
【0017】
この発明の室内機によれば、前記化粧板の開閉方向を異ならせることが可能であり、かつ、人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御させるための結線が容易となる。すなわち、前記化粧板は、前記一方の辺と前記他方の辺とを結ぶ方向が特定の方向を向く第一態様と、前記特定の方向と直交する方向を向く第二態様との間で前記ケーシングに対して着脱可能な構造を有するので、前記天井内配管の向きにかかわらず、前記化粧板開閉方向を所望の方向と一致させることができる。さらに、前記人検知センサは、前記第一態様で取り付けられた場合は、当該第一態様において各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る第一ハーネスと接続され、前記第二態様で取り付けられた場合は、当該第二態様において各センサ部が検知した情報を、それぞれのセンサ部が検知した方向の風向板を制御する各制御部に送る第二ハーネスと接続されるので、当該人検知センサがいずれの態様で取り付けられた場合であっても、この人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御することができる。具体的には、例えば、前記第二センサ部が、前記第一態様において前記第二方向を向いており、前記第二態様において前記第一方向を向いている場合、前記第一態様において前記第二センサ部により検知された情報は、前記第一ハーネスを介して前記第二制御部に送られることにより、この第二制御部は前記第二風向板を制御する。そして、前記第二態様において前記第二センサ部により検知された前記第一方向の情報は、前記第二ハーネスを介して前記第一制御部に送られることになるので、この第一制御部により前記第一風向板が制御される。したがって、前記人検知センサが取り付けられる向きに応じて前記第一ハーネス、あるいは、前記第二ハーネスを選択するだけでよく、室内機の据付時に、当該人検知センサの向きに応じて結線を変えるという煩わしい作業が省かれる。
【0018】
この場合において、前記第一ハーネス(42)は、前記人検知センサ(40)が前記第一態様に配置されたときに前記制御部と接続可能な長さ寸法を有し、前記第二ハーネス(45)は、前記第一ハーネス(42)の長さ寸法と異なり、かつ、前記人検知センサ(40)が前記第二態様に配置されたときに前記制御部と接続可能な長さ寸法を有することが好ましい。
【0019】
このようにすれば、前記人検知センサを取り付ける場合、各態様に応じたハーネスの選択が容易となる。さらに、各ハーネスはその長さが異なることから、据付作業時に、接続すべきハーネスとは異なるハーネスで接続するという間違いが抑制される。
【0020】
また、本発明において、前記化粧板(11)は、前記人検知センサ(40)を室内側に露出させる形状のセンサ用開口(11e)を有し、前記ケーシング内には、前記第一態様にある化粧板(11)の前記センサ用開口(11e)に応じた位置で前記人検知センサ(40)を支持可能な第一支持部(41a)と、前記第二態様にある化粧板(11)の前記センサ用開口(11e)に応じた位置で前記人検知センサ(40)を支持可能な第二支持部(41b)が設けられていることが好ましい。
【0021】
このようにすれば、前記化粧板を前記ケーシングから取り外す際に、前記人検知センサ及びこれに接続されたハーネスが当該化粧板に付随しないので、前記吸込グリルの方向性の変更や、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0022】
また、本発明において、前記第一センサ部(40a)、前記第二センサ部(40b)、前記第三センサ部(40c)及び前記第四センサ部(40d)は、この順で周方向に右回り、あるいは、左回りに90度間隔で配置されており、前記第一態様では、前記第一センサ部(40a)が前記第一吹出口(b1)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第二センサ部(40b)が前記第二吹出口(b2)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第三センサ部(40c)が前記第三吹出口(b3)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第四センサ部(40d)が前記第四吹出口(b4)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第二態様では、前記第一センサ部(40a)が前記第四吹出口(b4)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第二センサ部(40b)が前記第一吹出口(b1)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第三センサ部(40c)が前記第二吹出口(b2)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第四センサ部(40d)が前記第三吹出口(b3)から吹き出される風の方向における人の有無を検知するか、あるいは、前記第一センサ部(40a)が前記第二吹出口(b2)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第二センサ部(40b)が前記第三吹出口(b3)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第三センサ部(40c)が前記第四吹出口(b4)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第四センサ部(40d)が前記第一吹出口(b1)から吹き出される風の方向における人の有無を検知し、前記第一ハーネス(42)は、前記第一センサ部(40a)が検知した前記第一方向の情報を前記第一制御部に送る第一電線(42a)と、前記第二センサ部(40b)が検知した前記第二方向の情報を前記第二制御部に送る第二電線(42b)と、前記第三センサ部(40c)が検知した前記第三方向の情報を前記第三制御部に送る第三電線(42c)と、前記第四センサ部(40d)が検知した前記第四方向の情報を前記第四制御部に送る第四電線(42d)とを有し、前記第二ハーネス(45)は、前記第二センサ部(40b)が検知した前記第一方向又は前記第三方向の情報を前記第一制御部又は前記第三制御部に送る第一電線(45a)と、前記第三センサ部(40c)が検知した前記第二方向又は前記第四方向の情報を前記第二制御部又は前記第四制御部に送る第二電線(45b)と、前記第四センサ部(40d)が検知した前記第三方向又は前記第一方向の情報を前記第三制御部又は前記第一制御部に送る第三電線(45c)と、前記第一センサ部(40a)が検知した前記第四方向又は前記第二方向の情報を前記第四制御部又は前記第二制御部に送る第四電線(45d)とを有することが好ましい。
【0023】
このようにすれば、前記第一ハーネスは、前記第一センサ部〜前記第四センサ部により検知される情報を前記第一制御部〜前記第四制御部に送ればよいので、その構造が簡素化される。また、前記第二ハーネスについても、各センサ部と各制御部とを結ぶ構造が単純化される。そして、前記人検知センサの各センサ部が周方向に順に並ぶので、当該人検知センサの製造が容易となる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、化粧板のケーシングへの取り付け方向を異ならせることが可能であり、かつ、人検知センサの検知する情報に基づいて各吹出口から吹き出す風を適切に制御させるための結線が容易な室内機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態の室内機について、
図1〜
図5を参照しながら説明する。
図2は、後述する化粧板11を取り外して室内側から見た状態を示すものである。
図2〜
図4は、後述のカバー40eを取り外した状態を示すものである。また、以下の説明では、天井と床とを結ぶ方向、すなわち、室内機の厚み方向を上下方向とする。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における室内機は、天井から吊下げる形式、すなわち、天井吊下型の室内機である。この室内機は、ケーシングと化粧板11とを備え、これらケーシング及び化粧板11内に、熱交換器12と、送風機14と、ベルマウス16と、各種制御を行う制御部を有する電装ユニット30と、室内の人の居場所を検知する人検知センサ40と、電装ユニット30と人検知センサ40とを接続する第一ハーネス42及び第二ハーネス45とを備える。さらに、この室内機は、ケーシング及び化粧板11内に、熱交換器12から生じる水滴を受けるドレンパン(図示せず)、ドレンパンに溜まった水を吸い上げて室内機外へ排出するドレンポンプ18、床の温度を検知する床温度センサ46、室内から取り込む空気中の塵埃を捕捉するエアフィルター(図示せず)等を備える。
【0028】
ケーシングは、略矩形状を呈し、天井から吊下げられる。このケーシングは、略矩形状の化粧枠10aと、化粧枠10aの四隅に取り付けられるコーナーカバー10cと、化粧枠10aに取り付けられる4つの風向板d1〜d4と、化粧枠10aの上部に取り付けられる天板10eと有する。
【0029】
化粧枠10aは、その各辺のそれぞれに設けられた第一表示部a1〜第四表示部a4と、その各辺のそれぞれに設けられており、室内に向けて風を吹き出すための第一吹出口b1〜第四吹出口b4と、第四吹出口b4が設けられる辺に設けられた第一係止部10fと、第三吹出口表示部b3が設けられる辺に設けられた第二係止部10gと、第一係止部10fが設けられた辺と対向する辺に設けられた第一レバー係止部10hと、第二係止部10gが設けられた辺と対向する辺に設けられた第二レバー係止部10jとを有する。各表示部a1〜a4は、それぞれ化粧枠10aの下面に設けられる。
図2に示すように、室内(下)から見て、第一表示部a1、第二表示部a2、第三表示部a3及び第四表示部a4は、この順に右回りに設けられる。第一吹出口b1は、第一表示部a1が設けられる第一辺に、第二吹出口b2は、第二表示部a2が設けられる第二辺に、第三吹出口b3は、第三表示部a3が設けられる第三辺に、第四吹出口b4は、第四表示部a4が設けられる第四辺にそれぞれ設けられる。各吹出口b1〜b4は、送風機14から見て、それぞれが第一方向〜第四方向に位置する。各吹出口b1〜b4は、それぞれが各辺の長手方向に沿った一方向に長い形状を有する。第一係止部10fは、ドレンポンプ18が配置される側である第四辺に設けられており、この辺の長手方向に沿って延びる形状の円筒状、あるいは、円柱状を呈する。なお、本実施形態では、この第一係止部10fは、その長手方向に並ぶように三箇所に設けられている。第二係止部10gは、第一係止部10fが設けられた辺と直交する側の第三辺に設けられており、この辺の長手方向に沿って延びる形状の円筒状、あるいは、円柱状を呈する。なお、本実施形態では、この第二係止部10gも、その長手方向に並ぶように三箇所に設けられている。第一レバー係止部10h及び第二レバー係止部10jは、後述のレバー11fを係止可能な形状を有する。本実施形態では、いずれのレバー係止部10h,10jも平板状に形成されている。
【0030】
コーナーカバー10cは、略L字状であり、化粧枠10aの四隅を覆うように当該化粧枠10aに取り付けられる。各風向板d1〜d4は、各吹出口b1〜b4から吹き出すそれぞれの風の向きを調整するものである。各風向板d1〜d4は、一方向に長い形状を有し、その長手方向が各吹出口b1〜b4の長手方向と一致するように化粧枠10aに取り付けられる。各風向板d1〜d4は、その長手方向の両端に回動軸(図示せず)を有し、この回動軸が化粧枠10aに取り付けられることにより、風向を調整可能となっている。天板10eは、化粧枠10aの上部に設けられた開口を覆うように当該化粧枠10aに取り付けられる。
【0031】
化粧板11は、化粧枠10aの下部に取り付けられるものであり、当該化粧枠10aの下部に設けられた開口を覆う形状を有する。この化粧板11は、その略中央に設けられた吸込口11aと、この吸込口11a内に設けられた吸込グリル11bと、人検知センサ40及び床温度センサ46を室内に露出させるためのセンサ用開口11eと、当該化粧板の一方側の辺近傍に設けられたレバー11fと、このレバー11fが設けられた辺と対向する辺近傍に設けられた被係止部(図示せず)とを有する。
【0032】
吸込口11aは、室内の空気を吸い込む部分であり、略矩形状を呈する。なお、この吸込口11aのすぐ上方にエアフィルターが配置される。吸込グリル11bは、吸込口11a内に設けられる桟であり、第一桟部材11c及び第二桟部材11dを有する。第一桟部材11cは、一方向に長い形状を有し、その長手方向が、吸込口11a内を直線的に横断する第一横断方向と平行な方向となるように配置される。第二桟部材11dは、一方向に長い形状を有し、その長手方向が、前記第一横断方向と直交する第二横断方向と平行な方向となるように配置される。本実施形態では、第一横断方向は、第一表示部a1と第三表示部a3とを結ぶ方向とし、第二横断方向は、第二表示部a2と第四表示部a4とを結ぶ方向としている。この第一横断方向は、第一表示部a1と第三表示部a3とを結ぶ方向から0度より大きく90度より小さい範囲で所定角度だけ傾いた方向であってもよい。そして、第二桟部材11dは、その数が第一桟部材11cの数よりも少なく、これにより、吸込グリル11bは方向性を有するデザインとなっている。センサ用開口11eは、吸込グリル11bの近傍に設けられており、略矩形状を呈する。具体的には、センサ用開口11eは、第一桟部材11cの長手方向と同方向に長い形状を有し、この内側に、人検知センサ40と床温度センサ46とが第一桟部材11cの長手方向と同方向に並んで配置される。
【0033】
この化粧板11は、第一桟部材11cの長手方向が前記第一横断方向と一致する第一態様(
図3に示す態様)と、第一桟部材11cの長手方向が前記第二横断方向と一致する第二態様(
図4に示す態様)との間で化粧枠10aに対して着脱可能な構造を有する。具体的には、化粧板11を化粧枠10aに対して前記第一態様で取り付ける場合、化粧板11の被係止部を化粧枠10aの第一係止部10fと係合させ、レバー11fを第一レバー係止部10hと係合させる。同様に、第二態様で取り付ける場合、化粧板11の被係止部を化粧枠10aの第二係止部10gと係合させ、レバー11fを第二レバー係止部10jと係合させる。なお、化粧板11の被係止部は、化粧枠10aの第一係止部10f、第二係止部10gのいずれにも係合可能な形状を有し、例えば、この被係止部は、各係止部10f,10gを把持する形状とされる。一対のレバー11fは、互いに近づく方向に変位させたときに、レバー係止部との係合が解除される。すなわち、化粧板11は、一対のレバー11fが互いに近づく方向に変位されると、その被係止部を回動中心として、レバー11fが設けられた側の辺が室内側に変位するように回動しながら開く。
【0034】
熱交換器12は、その内部を冷媒が流れており、室内から取り込まれた空気と熱交換するものである。この熱交換器12は、
図2に示すように、送風機14を取り囲む形状を有する。具体的には、この熱交換器12は、化粧枠10aの外形に沿うとともに、その両端が同一の角部(
図2では右上の角部)で対向する形状を有する。また、この熱交換器12は、その一方側(
図2では下側)の端部が、前記角部の近傍に設置されたドレンポンプ18と干渉しないように、化粧枠10aの内側へ折れ曲がった形状を有する。
【0035】
送風機14は、ケーシングの略中央に設けられており、室内から空気を取り込み、熱交換器12に向けて風を送るものである。具体的には、この送風機14は、吸込口11aを通じて室内から取り込まれた空気が、熱交換器12を経由して各吹出口b1〜b4から室内に吹き出されるような気流を発生させる。この送風機14は、前記気流を発生させる形状の羽根車と、この羽根車を回転駆動させるモータとを有する。本実施形態では、このような送風機14として、遠心送風機(ターボファン)、すなわち、下方から取り込んだ空気を側方へ送り出すことが可能なファンを用いている。なお、送風機14としては、遠心送風機に限らず、例えば、斜流送風機等を用いることができる。
【0036】
ベルマウス16は、室内から取り込まれる空気を送風機14に導くものである。具体的に、このベルマウス16は、その中央に上下方向に解放する開口を有しており、この開口の径がケーシングの下面側から上面側に向かって次第に小さくなる形状を有する。このベルマウス16は、人検知センサ40を支持する第一支持部41a及び第二支持部41bを有する。第一支持部41aは、第一表示部a1が設けられた辺と第二表示部a2が設けられた辺とに挟まれる角部の近傍に形成される。第二支持部41bは、第一表示部a1が設けられた辺と第四表示部a4が設けられた辺とに挟まれる角部の近傍に形成される。なお、第一支持部41a及び第二支持部41bを設ける位置としては、前記各角部に限られない。第一支持部41aは、化粧板11が前記第一態様のときのセンサ用開口11eの位置に対応する位置に設けられ、第二支持部41bは、化粧板11が前記第二態様のときのセンサ用開口11eの位置に対応する位置に設けられる。
【0037】
人検知センサ40は、空調室内における人の有無を検知するものである。具体的に、この人検知センサ40は、第一センサ部40a〜第四センサ部40dと、各センサ部40a〜40dを覆うように設けられるカバー40eとを有する。
【0038】
第一センサ部40aは、各吹出口b1〜b4のうちの所定の吹出口から吹き出す風の方向における人の有無を検知する。第二センサ部40bは、第一センサ部40aが検知する方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知する。第三センサ部40cは、第一センサ部40a及び第二センサ部40bが検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知する。第四センサ部40dは、第一センサ部40a、第二センサ部40b及び第三センサ部40cが検知するそれぞれの方向とは異なる方向の吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知する。各センサ部40a〜40dとしては、物体から放射される赤外線放射エネルギーの変動によって、室内における人の有無を検知する指向性を有する赤外線センサが用いられる。
【0039】
これら各センサ部40a〜40dは、いずれの吹出口から吹き出される風の方向における人の有無を検知するように方向付けされてもよいが、本実施形態では、化粧板11が前記第一態様(
図3に示す態様)で取り付けられる場合は、第一センサ部40aが第一吹出口b1から吹き出される風の方向(第一方向)における人の有無を、第二センサ部40bが第二吹出口b2から吹き出される風の方向(第二方向)における人の有無を、第三センサ部40cが第三吹出口b3から吹き出される風の方向(第三方向)における人の有無を、第四センサ部40dが第四吹出口b4から吹き出される風の方向(第四方向)における人の有無をそれぞれ検知するように方向付けされる(第一姿勢)。そして、化粧板11が前記第二態様(
図4に示す態様)で取り付けられる場合は、第一センサ部40aが第四吹出口b4から吹き出される風の方向(第四方向)における人の有無を、第二センサ部40bが第一吹出口b1から吹き出される風の方向(第一方向)における人の有無を、第三センサ部40cが第二吹出口b2から吹き出される風の方向(第二方向)における人の有無を、第四センサ部40dが第一吹出口b1から吹き出される風の方向(第三方向)における人の有無をそれぞれ検知するように方向付けされる(第二姿勢)。すなわち、化粧板11が前記第一態様のときは、第一センサ部40aが第一吹出口b1を向く第一姿勢でこの人検知センサ40が第一支持部41aに支持され、前記第二態様のときは、第一センサ部40aが第四吹出口b4を向く第二姿勢でこの人検知センサ40が第二支持部41bに支持される。このように人検知センサ40が第一支持部41aに支持されるときは、化粧板11は第一態様で取り付けられるので、この人検知センサ40は、センサ用開口11eから室内側に露出し、人検知センサ40が第二支持部41bに支持されるときは、化粧板11は第二態様で取り付けられるので、この人検知センサ40は、センサ用開口11eから室内側に露出する。つまり、各センサ部40a〜40dは、化粧板11に対して所定の向きとなるように位置決めされる。
【0040】
これら各センサ部40a〜40dは、どのように配置されてもよいが、本実施形態では、第一センサ部40a、第二センサ部40b、第三センサ部40c及び第四センサ部40dは、この順で同心円状に、かつ、下から見て右回りに90度間隔で配置している。
【0041】
カバー40eは、赤外線を通過可能な材料からなり、半球状を呈する。
【0042】
電装ユニット30は、人検知センサ40から受ける情報に応じた制御を行う制御部を有する。この制御部は、第一風向板d1の制御を行う第一制御部と、第二風向板d2の制御を行う第二制御部と、第三三風向板d3の制御を行う第三制御部と、第四風向板d4の制御を行う第四制御部とを有する。具体的に、各制御部は、それぞれの風向板d1〜d4の向きを制御する。
【0043】
第一ハーネス42は、化粧板11が前記第一態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものである。
図5(a)に示すように、この第一ハーネス42は、電装ユニット30に接続される制御部側コネクタ43と、人検知センサ40に接続されるセンサ側コネクタ44と、これら各コネクタ間を接続する第一電線42a〜第四電線42dとを有する。第一ハーネス42は、前記第一姿勢で各センサ部40a〜40dが検知した情報を、それぞれのセンサ部40a〜40dが検知した方向の風向板を制御する各制御部に送るものである。つまり、本実施形態では、第一電線42aは、第一センサ部40aと第一制御部とを接続し、第二電線42bは、第二センサ部40bと第二制御部とを接続し、第三電線42cは、第三センサ部40cと第三制御部とを接続し、第四電線42dは、第四センサ部40dと第四制御部とを接続する。よって、前記第一姿勢で第一センサ部40aが検知した情報は、第一電線42aを介して第一風向板d1を制御する第一制御部へ送られ、第二センサ部40bが検知した情報は、第二電線42bを介して第二風向板d2を制御する第二制御部へ送られ、第三センサ部40cが検知した情報は、第三電線42cを介して第三風向板d3を制御する第三制御部へ送られ、第四センサ部40dが検知した情報は、第四電線42dを介して第四風向板d4を制御する第四制御部へ送られる。
【0044】
第二ハーネス45は、化粧板11が前記第二態様で取り付けられたときに選択的に用いられるものである。
図5(b)に示すように、この第二ハーネス45は、第一ハーネス42と同一の制御部側コネクタ43及びセンサ側コネクタ44と、これら各コネクタ間を接続する第一電線45a〜第四電線45dとを有する。第二ハーネス45は、前記第二姿勢における各センサ部40a〜40dが検知した情報を、それぞれのセンサ部40a〜40dが検知した方向の風向板を制御する各制御部に送るものである。つまり、本実施形態では、第一電線45aは、第二センサ部40bと第一制御部とを接続し、第二電線45bは、第三センサ部40cと第二制御部とを接続し、第三電線45cは、第四センサ部40dと第三制御部とを接続し、第四電線45dは、第一センサ部40aと第四制御部とを接続する。よって、前記第二姿勢で第一センサ部40aが検知した情報は、第四電線45dを介して第四風向板d4を制御する第四制御部へ送られ、第二センサ部40bが検知した情報は、第一電線45aを介して第一風向板d1を制御する第一制御部へ送られ、第三センサ部40cが検知した情報は、第二電線45bを介して第二風向板d2を制御する第二制御部へ送られ、第四センサ部40dが検知した情報は、第三電線45cを介して第三風向板d3を制御する第三制御部へ送られる。
【0045】
次に、人検知センサ40及び化粧板11のそれぞれの態様での取り付け、及びその態様における風の制御について説明する。
【0046】
まず、化粧板11を前記第一態様で取り付ける場合について説明する。この場合、人検知センサ40を第一支持部41aに取り付ける。このとき、人検知センサ40は前記第一姿勢で取り付けられることになり、当該人検知センサ40と電装ユニット30とを第一ハーネス42により接続する。そして、化粧板11の被係止部(図示せず)を化粧枠10aの第一係止部10fと係合させ、レバー11fを第一レバー係止部10hと係合させる。その後、室内機側の配管と天井内に引き回された天井内配管とを接続して当該室内機を天井に設置する。
【0047】
この状態で室内機を駆動動作させると、第一センサ部40aは、第一方向の人の有無を検知し、この情報が第一ハーネス42の第一電線42aを介して電装ユニット30の第一制御部に送られる。そうすると、第一制御部は、その情報に基づいて第一風向板d1の向き等を調整する。このことは、その他のセンサ部に関しても同様である。
【0048】
続いて、化粧板11を前記第二態様で取り付ける場合について説明する。この場合、人検知センサ40を第二支持部41bに取り付ける。このとき、人検知センサ40は前記第二姿勢で取り付けられることになり、当該人検知センサ40と電装ユニット30とを第二ハーネス45により接続する。なお、このとき、第一センサ部40aが第四方向を向いている。そして、化粧板11の被係止部(図示せず)を化粧枠10aの第二係止部10gと係合させ、レバー11fを第二レバー係止部10jと係合させる。その後、室内機側の配管と天井内に引き回された天井内配管とを接続して当該室内機を天井に設置する。
【0049】
この状態で室内機を駆動動作させると、第一センサ部40aは、第四方向の人の有無を検知し、この情報が第二ハーネス45の第四電線45dを介して電装ユニット30の第四制御部に送られる。そうすると、第四制御部は、その情報に基づいて第四風向板d4の向き等を調整する。このことは、その他のセンサ部に関しても同様である。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の室内機によれば、化粧板11が第一態様及び第二態様で化粧枠10aに対して取り付け可能であるので、第一桟部材11cの長手方向及び当該化粧板11の開く方向を異ならせることができる。さらに、その方向がいずれの場合であっても、人検知センサ40の検知する情報に基づいて各吹出口b1〜b4から吹き出す風を適切に制御することができる。換言すれば、本実施形態の室内機では、第一桟部材11cの長手方向を調整したことに伴う人検知センサ40のもつ方向性のずれは、二種類のハーネスを用いることにより修正される。
【0051】
また、本実施形態の室内機では、第一ハーネス42と第二ハーネス45との長さ寸法が異なるので、人検知センサ40を取り付ける場合、各姿勢に応じたハーネスの選択が容易となる。
【0052】
また、本実施形態の室内機は、化粧板11がセンサ用開口11eを有し、ベルマウス16が人検知センサ40を前記第一姿勢に支持可能な第一支持部41a及び前記第二姿勢に支持可能な第二支持部41bを有する。よって、化粧板11を化粧枠10aから取り外す際に、人検知センサ40及びこれに接続されたハーネスが当該化粧板11に付随しないので、第一桟部材11cの長手方向の変更や、当該室内機のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0053】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0054】
例えば、上記本実施形態では、各センサ部40a〜40dの方向付けを上記のように決定したが、例えば、前記第一態様において、第一センサ部40aが第三吹出口b3から吹き出される風の方向(第三方向)における人の有無を、第二センサ部40bが第四吹出口b4から吹き出される風の方向(第四方向)における人の有無を、第三センサ部40cが第一吹出口b1から吹き出される風の方向(第一方向)における人の有無を、第四センサ部40dが第二吹出口b2から吹き出される風の方向(第二方向)における人の有無をそれぞれ検知するように方向付けてもよい。この場合、第一ハーネス42として、第一電線42aが第三センサ部40cと第一制御部とを接続し、第二電線42bが第四センサ部40dと第二制御部とを接続し、第三電線42cが第一センサ部40aと第三制御部とを接続し、第四電線42dが第二センサ部40bと第四制御部とを接続するものを用いればよい。この場合の第二態様で用いる第二ハーネス45としては、化粧板11が右回りに90度回転される場合と左回りに90度回転される場合とで異なるが、上記実施形態で説明したように、各センサ部が検知する方向の吹出口を制御する制御部と接続するように各電線を結線すればよい。
【0055】
また、本実施形態では、各センサ部40a〜40dが、同心円状に右回りに90度間隔で配置された例を示すが、各センサ部40a〜40dは、各方向の人の有無が検知可能であれば、左回りの配置でもよく、また、同心円状でない配置でもよく、さらには、直線状に並ぶような配置でもよい。つまり、各センサ部40a〜40dは、上記実施形態の方向付け及び配置に限らず、様々な方向付け及び配置が可能である。
【0056】
また、本実施形態では、第一支持部41a及び第二支持部41bがベルマウス16に設けられた例について示したが、これら支持部は、ベルマウス16に限らず、ドレンパン等のケーシング内に配置される機器に設けられてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、天井吊下型の室内機を例に挙げて説明したが、本発明は、ケーシングを天井内に埋め込んだ天井埋込型の室内機にも適用が可能である。この場合、ケーシングにおける各吹出口b1〜b4は、天井から室内に向けて開放する形状の開口となる。また、この場合の各風向板d1〜d4は、ケーシングに取り付けられてもよく、あるいは、化粧板に取り付けられてもよい。そして、この場合、化粧板とは、前記ケーシングの下部に取り付けられる化粧パネルのうち、吸込グリルを有し、かつ、前記ケーシングに対して前記第一態様と前記第二態様との間で着脱可能な部分を指す。