(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信手段により、受け付けた文書特定情報に含まれるバージョンが最新バージョンではない場合に、当該文書特定情報のバージョンと、当該バージョンよりも新しいバージョンと、を指定して前記差分抽出手段により差分を抽出し、前記画像形成装置の表示部に表示させるべく、当該差分に関する情報を、当該画像形成装置に送信する第2の差分送信手段
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の文書管理サーバ。
前記文書は、履歴情報を含むものであって、前記差分抽出手段は、当該履歴情報に基づき差分を取得するものであることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の文書管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係わるシステム構成の一例を示す図である。
【0013】
図1において、ワークフローシステムは、少なくとも1つの複合機103(画像形成装置)と文書管理サーバ102がネットワーク104を介して接続されている。更にクライアント装置101もシステム構成に含まれ、ネットワーク104を介して複合機103と文書管理サーバ102に接続されていてもよい。クライアント装置101からは、不図示の文書管理、例えば、文書の詳細のバージョン設定、後述のプロジェクトに対するユーザ設定と各ユーザ権限設定、など
図6および
図7で説明するデータベースの情報、文書管理サーバ102で管理する文書データの登録ができるようにシステムを構成してもよい。また、文書データの登録は、複合機103からスキャンしたデータを文書管理サーバ102に送信して処理するようにシステムが構成されていてもよい。
【0014】
文書管理サーバ102は、複合機103からの要求に応じた文書データベースに対する処理、管理をおこない、必要があれば文書管理サーバ102に対して結果などを送信する。また、前述の通り、クライアント装置101からの要求に対応し、その結果をクライアント装置101に送信してもよい。
【0015】
文書管理サーバ102、クライアント装置101、複合機103の間の通信は、通常のHTTPのリクエストでもよいし、SOAPなどを利用したウェブサービスのリクエストでもよい。
【0016】
文書管理サーバ102、クライアント装置101、複合機103は、それぞれLANにおいて接続されてもよい。また、それぞれインターネット上において構成されてもよい。前述の構成が混在するものであってもよい。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係わる文書管理サーバ、クライアント装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、文書管理サーバ102、クライアント装置101は、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。 CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0019】
また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、各サーバあるいは各PCが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。また、本発明を実施するために必要な情報が記憶されている。なお外部メモリはデータベースであってもよい。
【0020】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0021】
また、入力コントローラ205は、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0022】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。尚、表示器は液晶ディスプレイ等の表示器でもよい。これらは、必要に応じて管理者が使用する。
【0023】
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、あるいは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0024】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク104を介して外部機器と接続・通信し、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いた通信等が可能である。
【0025】
尚、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上に表示することが可能である。また、CPU201は、ディスプレイ210上のマウスカーソル(図示しない)等によるユーザ指示を可能とする。
【0026】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルおよび各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係わる複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。すなわち、
図1に示した複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、
図1に示したネットワーク104、例えばLANや公衆回線(WAN:例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0029】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0030】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0031】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0032】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)600に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0033】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0034】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0035】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0036】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0037】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0038】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0039】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0040】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0041】
尚、表示部は複合機によって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできる複合機、単に液晶画面を備え、ハードキーで操作できる複合機によって本発明は構成されている。
【0042】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0043】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0044】
以上のような構成によって、複合機103は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをネットワーク104上に送信したり、ネットワーク104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力したりすることができる。
【0045】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にファクシミリ(FAX)送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力したりすることできる。
【0046】
図4は、本発明の実施形態に係わる複合機、文書管理サーバにおけるソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
ユーザ情報受付部401は、複合機103の操作部308またはカードリーダ319から入力され、認証されたユーザのアカウントを受け付ける。このユーザアカウントにより、本発明の実施形態に係わるユーザ情報を特定するために用いる。ユーザ情報(スキャンされた文書のいずれのバージョンを印刷する権限があるか否かを含む)は、ユーザ情報記憶部422に登録されている。
【0048】
文書画像受付部402は、複合機103のスキャナ部にてスキャンされた文書画像を受け付ける。すなわち、本発明の実施形態に係わる印刷済みの紙媒体をスキャンして得られる画像である。
【0049】
文書情報抽出部403は、文書画像受付部402にて受け付けた画像から、文書ID(文書識別子)とバージョン情報を抽出する。ただし、本発明の文書管理サーバ102で管理されていない文書をスキャンした場合など、文書IDが付与されていない場合もある。文書情報抽出部403で抽出した文書IDとバージョン情報は文書管理サーバ102に送られる。このうち文書IDは、バージョン一覧取得部411において、文書情報記憶部421に記憶されている文書情報の中から文書IDに対応するバージョン一覧を取得するために用いられる。
【0050】
最新バージョン判定部412は、印刷権限ルール記憶部423に登録されている印刷権限ルールと、前述のユーザ情報記憶部422に登録されているユーザの印刷権限に基づいて、印刷する権限のあるバージョン一覧から、いずれのバージョンが最新バージョンであるか判定する。後述するとおり、同じ文書であってもユーザの権限によって印刷可能な最新バージョンが異なる。
【0051】
バージョン一覧取得部411において文書IDに対応する文書がない場合や印刷権限のあるバージョンがない場合には、文書が存在しない旨、印刷権限のあるバージョンがある場合にはその旨およびユーザがスキャンした文書が最新版か否かを、文書情報取得結果通知部413により複合機103に通知する。複合機103において、取得結果受付部404は、文書情報取得結果通知部413により通知された結果を受け付ける。本発明の実施形態においては、“文書が存在しない”または“登録されていない”とは、物理的に文書が削除されている場合、また実際には存在しても、(例えば特定のユーザの権限において、あるいは削除フラグなどが設定されていて)確認できない場合、のいずれの場合をも含む。
【0052】
表示制御部405は、取得結果受付部404において受け付けた通知に基づき、文書管理サーバ102における文書IDに対応する文書データの有無、最新版か否かをユーザが識別可能に表示し、ユーザが指定する処理を指示受付部406において受け付ける。ユーザの指示は、コピーまたは印刷処理のキャンセル、あるいは印刷する文書のバージョンなどである。
【0053】
文書要求部407は、前述のユーザ指示に基づき、文書管理サーバ102に要求を通知する。文書取得部414は、前記要求に基づき文書管理サーバ102から対応する文書の対応するバージョンの文書データを取得する。
【0054】
文書データ送信部415は、前記取得した文書データを複合機103に送信し、複合機103においては、文書データ受付部408が前記文書データを受け付ける。印刷部409において、前記受け付けた文書データを印刷する。
【0055】
図5は、本発明の実施形態に係わる文書識別子(文書ID)を印刷された紙媒体としての文書の一例を示す図である。
【0056】
501の文書は、過去に前記ユーザまたは他のユーザにより印刷された紙媒体である。そのタイトルは「顧客管理システム 詳細設計書」、バージョンは「2.2」(メジャーバージョン2、マイナーバージョン2)、改訂日は「2012年8月19日」である。
【0057】
また、502は文書識別子(文書ID)、バージョンを含むイメージの印刷結果であり、スキャンされた画像から、複合機103または文書管理サーバ102で502に対応するイメージを抽出し、さらに該イメージから、文書識別子、バージョンを抽出する。本実施形態の
図5の例ではQRコード(登録商標)を用いたが、その他、バーコードなど文書識別子、バージョンを記憶できればよい。以下、QRコード、バーコード、その他を総称してバーコードと呼ぶ。また、必ずしもバーコードである必要はない。例えば、OCR(文字認識)を行って、表紙の文書名(
図5の例では“顧客管理システム 詳細設計書”)、バージョン(
図5では“2.2”)を読み取ってもよい。これらを総称して、以下、文書特定情報またはバーコードのいずれの文言も用いる。
【0058】
以上で、
図4の説明を完了する。
図4の構成はあくまで一例であり、例えば文書情報抽出部403は、複合機103に記載しているが、紙媒体をスキャンした画像データを文書管理サーバ102に送信して、文書管理サーバ102にて文書のイメージデータからバーコード(文書特定情報)部分を抽出し、さらにそこから文書識別子、バージョンを抽出するようにしてもよい。また、最新バージョン判定部412は、複合機103にあって、バージョン一覧取得部411が取得したバージョン一覧を、文書管理サーバ102から複合機103に送信して、複合機側で処理をしてもよい。
【0059】
図6は、本発明の実施形態に係わる文書データベース(文書情報記憶部)のデータ構成の一例を示す図である。
【0060】
文書データベースA−600は、文書のファイルの格納位置、及びファイルを特定するための項目を含む。文書ID601に対応して、その文書が管理されるプロジェクト602が設定される。これは、文書が何らかの目的を持ったグループ(例えば、開発プロジェクトであれば異なるプロジェクト毎、あるいは部門単位など)に分類するための名称であり、分類する必要がなければ本項目は必須ではない。
【0061】
サーバ603、文書管理種別604、フォルダ名605、ファイル名606は、ファイルの格納場所を示している。サーバ603でその文書が格納されている物理的(または仮想的、論理的)なサーバを指定し、文書管理種別604(文書管理製品や、技術的な方式の種別を記載し)その方式に基づき、フォルダ名605と、ファイル名606を用いて、文書データにアクセスする。ここでも、文書管理種別604が1パターンであれば、文書管理種別604の項目は必須ではない。論理的にはファイル名が同一であっても、文書データベースB−610で後述するバージョン611を物理的なファイル名に付与する、などにより上書きされないように全てのバージョンが保存されている。この方法はあくまで例であり、他の方法で、同一ファイル名の複数バージョンを管理してもよい。
【0062】
次に、文書データベースB−610について説明する。本データベースは、各文書のバージョンと、各バージョンの印刷権限を管理するものである。文書ID601は、文書データベースA−600に登録されている文書の文書IDと対応付けられており、本データベースに登録されているバージョン情報(1つまたは複数)が、いずれの文書に対応するかを特定するものである。バージョン611は、文書ID601に対応するバージョンを1つ登録する。バージョンが複数ある場合には、複数のレコードが登録される。さらに、対応するバージョンの最終更新日付612が登録されてもよいが、本発明の実施形態においては特に必要はない。あくまで例である。
【0063】
ステータス613は、上記例では設計者が作成した「詳細設計書」が、プロジェクトマネージャや管理職により承認されたことを示す。例えば、承認されたときにメジャーバージョンが1つあがるように文書が管理されていることが考えられる。すなわち、バージョン1.2は、編集中であり、マイナーバージョン(少数以下の2の部分)は、設計者同士の都合で付与されるものであり、承認された場合、バージョン2(メジャーバージョン1が2にあがり、マイナーバージョンは0となる)となることが考えられる。このバージョン設定基準も1つの例であり、何らかの方法で上記設計者が印刷権限を持つバージョンであるにもかかわらず、それ以外のものが印刷権限を持たないバージョンを区別できればよい。
【0064】
印刷権限614は、実際に印刷権限を持つユーザに関連付けられる。詳細には、後述する
図7において文書の閲覧権限を持つユーザ(本例では設計者)は印刷権限を持つため、全てのバージョンを印刷することができる。また、メジャーバージョン(1.0、2.0)などは、プロジェクト全員が印刷できるよう設定されている。
【0065】
次に文書データベースC−620(印刷権限ルール記憶部423)について説明する。文書データベースB−610の説明では、各文書のバージョン毎に印刷権限を登録する例を示していた(印刷権限614)。しかしながら、印刷権限614を登録するのではなく、文書IDに対応して、そのバージョンをどのように解釈するか、すなわちバージョンの記載がどのような場合に、例えば設計者のみが印刷でき、その他のユーザは印刷できないようにするか、などを「ルール」として定義してもよい。前述で「文書IDに対応して」と述べたが、「プロジェクトに対応して」、「文書管理種別に対応して」、「サーバに対応して」、あるいは「システムの全てを通して」ルールが定義されていてもよい。いずれの場合も本発明の実施形態に含む。またルールは、如何なる方法で記載してもよい。
【0066】
例えば、本実施形態においては、正規表現などを用いて、バージョンの文字列を解析し、マイナーバージョンがある場合には、後述する
図7の閲覧権限702において、閲覧権限があるユーザに印刷権限もある、と定義するようにしてもよい。
【0067】
図7は、本発明の実施形態に係わるユーザ定義データベース(ユーザ情報記憶部)のデータ構成の一例を示す図である。
【0068】
ユーザ定義700−Aはユーザの権限(処理権限)を定義するデータベースである。文書ID601とプロジェクト602に対応して、ユーザ種別701および対応する閲覧権限702が登録されている。本構成はあくまで一例であり、ユーザ種別701は、文書ID601とプロジェクト602の両方に基づき定義されているが、例えば、いずれか一方にのみ対応していてもよい。その場合、他方のデータ項目は不要である。
【0069】
ユーザ定義710−Bは、前述のプロジェクト602に所属している各担当者(ユーザ名(ユーザアカウント)711)が、いずれのユーザ種別701に対応しているかを定義するものである。プロジェクト毎に対応付けられているため、プロジェクト毎に異なるユーザ種別であってもよい。本例はあくまで一例である。例えば、同一の担当者であれば、プロジェクト毎にユーザ種別が変わらないのであればプロジェクト602のデータ項目は不要である。
【0070】
図8は、本発明の実施形態に係わるコピーするユーザ、タイミング、コピー可能な文書の対応の一例を示す図である。この説明では、
図6の文書データベースに登録されている「顧客管理システム 詳細設計」、マイナーバージョンを印刷できるのは設計者だけであり、それ以外のユーザは、メジャーバージョン(設計バージョンの小数点以下が0のもの)しか印刷する権限がない、と仮定している。
【0071】
図8の中央の線は、文書「顧客管理システム 詳細設計書」のバージョンを上(古いバージョン)から下(新しいバージョン)に時系列に並べたものである。
【0072】
左には、コピーするユーザとして「設計者」が記載されている。設計者は、801、802を除き、手元に最新版を持っていると仮定する(マイナーバージョンまで含め最新版)。設計者が文書をコピーしようとすると、複合機103は、文書管理サーバ102に問い合わせ、最新版を検索し、印刷される。801、802の場合、設計者は最新版と同じものを持ってないが、マイナーバージョンまで含め最新版を印刷する。
【0073】
一方、右には、コピーするユーザとして「設計者以外」が記載されている。設計者以外であるユーザは、803、804を除き、手元に最新版を持っていると仮定する(ただしメジャーバージョンの最新版、すなわち1.0または2.0)。設計者以外のユーザが文書をコピーしようとすると、複合機103は、文書管理サーバ102に問い合わせ、最新版を検索し、印刷される。803、804の場合、ユーザは最新版と同じものを持ってないが、最新版としてバージョン1.0または2.0を印刷する。ここで、803の場合には、マイナーバージョンも含めると最新版2.0が印刷可能である。しかしながら、804においては、文書データベースにはバージョン2.3が存在するにもかかわらず、設計者以外のユーザの権限として、バージョン2.0の文書が最新版として印刷される。このように、ユーザの権限に応じて「最新版」の定義が異なる。
【0074】
図9は、本発明の実施形態に係わる複合機の表示部に表示されるメッセージとユーザ操作の一例を示す図である。すなわち、複合機103においてユーザがスキャンした文書のデータを文書管理サーバ102に送信し、文書管理サーバ102において文書情報記憶部421から文書IDに対応する文書のバージョン情報を取得した後、取得できたバージョンに応じてどのような処理を提供するかをユーザに問い合わせる際の表示画面(メッセージなど)である。
【0075】
画面901〜903の例はタッチパネルであり、パネル上に前記問い合わせのメッセージの他に操作を指示するためのボタンが表示されている。しかしながら、画像形成装置の種類によってはパネルにはメッセージを含む画像の表示のみ可能であり、操作の指示はハード的なボタンから実行する機種もある。本発明の実施形態にはいずれの場合も含む。
【0076】
901は、対応する紙媒体に対応する文書が文書管理サーバ102に存在しない場合に如何なる操作をするかの問い合わせ画面である。本例では、ユーザが所持している紙媒体をもとにして通常のコピーを行うか、印刷(コピー)をキャンセルするかを選択する。
【0077】
902は、ユーザが所持している紙媒体が最新版(ただし最新版となる文書データはユーザにより異なる)であるが、文書管理サーバ102が管理している文書データを複合機103に送信し印刷するか、ユーザが所有している文書をコピーするか、あるいは処理をキャンセルするか、から操作を選択する。ユーザが所有している文書が最新版であっても、汚れがあったり書き込みがあったりしてユーザは改めて印刷したい場合がある。一方、その時点でユーザの所有している文書が最新なら書き込み情報などをそのまま残したいため、通常コピーをする方を指示することもできる。いずれにしても、ユーザが所有する文書が最新であっても、ユーザは目的に応じて新たに印刷するか、通常コピーするかにより、適切な出力結果を得ることができるという効果がある。
【0078】
903は、ユーザが所有している紙媒体が、文書管理サーバ102において最新ではない場合に、如何なる操作をするかをユーザに選択させるための画面である。ユーザから、最新版を印刷する(ただしユーザにより最新版は異なる)、ユーザが所有する文書のバージョンと同一の文書を印刷する、通常のコピーをする、キャンセルする、の操作の指示を受け付ける。同じバージョンであっても、新たに印刷するか、通常のコピーをするかの効果は前述と同じである。
【0079】
また、最新のバージョンがあることを提示することにより、ユーザは最新版があることを認識していなかったり、あるいは認識していても入手方法が分からなかったりする場合に自動的に最新版を印刷できることになる効果がある。もちろん入手方法を知っていたとしても、クライアント装置101にて文書管理ソフト(クライアント側)を起動し、文書管理ソフト(サーバ側)にアクセスして文書を探し出して入手してから印刷するのではなく、本発明の実施形態における文書管理システムが自動的に対応するため、操作手順が簡易になるという効果が得られる。
【0080】
以上で
図9の説明を完了するが、画面の例はあくまで一例である。ユーザが操作を選択するために必要なメッセージを認識可能であり、バージョンの文書の出力(印刷またはコピー)の操作が簡易に実施できる構成であればよい。また、文書管理サーバ102から必ず印刷する前提で、通常コピーの選択肢はなくともよい。また、
図9では、ユーザがスキャンした紙媒体と同一のバージョンか最新のバージョンからの指定となっていたが、ユーザに印刷権限がある全てのバージョンから指定できるようにしてもよい。
【0081】
図10は、本発明の実施形態に係わる文書コピーまたは印刷の処理の一例を示すフローチャートである。
図10のフローチャートのステップS1001〜S1009は、複合機103上のCPU201で、またステップS1011〜S1014は、文書管理サーバ102上のCPU201で実行される。
【0082】
ステップS1001においては、ユーザログイン情報を受け付ける(ユーザ特定情報)。具体的には、複合機103の操作部308またはカードリーダ319から入力され、認証されたユーザのアカウントを受け付ける。
【0083】
ステップS1002においては、スキャンした文書イメージを受け付ける(文書情報受付部)。具体的には、複合機103のスキャナ部にてユーザの操作によりスキャンされた文書をイメージデータに変換したものを文書イメージとして受け付ける。
【0084】
ステップS1003においては、前述の文書イメージから、バーコード(前述の通りQRコードなど情報を埋め込むイメージ)または文書特定情報を抽出する。さらに、そのバーコードまたは文書特定情報から文書IDおよび文書IDのバージョンを抽出する。
【0085】
ステップS1004においては、文書IDおよびバージョンが抽出できたか否か判定する。具体的には、文書イメージにバーコード(または文書特定情報)がない場合、またはバーコードまたは文書特定情報がある場合でも正しい形式の文書IDおよびバージョンが情報として格納されていない場合などがあり得る(いずれも本発明の実施形態に係わる文書管理システムで管理されていない紙媒体をスキャンしたイメージデータなど)。文書IDおよびバージョンが抽出できない場合には、ステップS1009に進む。抽出できた場合には、ステップS1005に進む。
【0086】
ステップS1005においては、抽出した文書ID、バージョン、ユーザアカウントを文書管理サーバ102に送信する。
【0087】
ステップS1011においては、抽出した文書ID、バージョン、ユーザアカウントを複合機103から受信する(文書情報取得結果受付部)。
【0088】
ステップS1012においては、文書IDとユーザ情報に基づき文書を特定し、バージョン一覧を取得する。具体的には、文書IDによって
図6の文書データベースB−610を検索し、関連するバージョンの一覧を取得する。さらにユーザアカウントによって
図7のユーザ定義710−Bを検索し、ユーザのユーザ種別を特定する。さらに、文書IDと検索結果であるユーザ種別によってユーザ定義700−Aを検索し、閲覧権限702を取得する(本実施例では、閲覧権限によってマイナーバージョンが設定されている文書も印刷できるか否かも判断する)。前記取得したバージョン一覧から、現在のユーザの印刷可能なバージョンを取得する。例えば、設計者であればマイナーバージョンを含む全バージョンの一覧、それ以外のユーザであればメジャーバージョンのみの一覧である。前述の説明では、バージョン一覧を取得する際に、ユーザの権限に応じて印刷可能なバージョンのみを取得している。しかし、本ステップにおいては、ユーザ権限において印刷できないバージョンを含め、全てのバージョンによるバージョン一覧を作成しておき、後述する(該ユーザ権限にとって)“最新版であるか否か”を判定する際に印刷権限がないものを除いて判定してもよい。
【0089】
ステップS1013においては、ステップS1012での検索結果、対応する文書の1または複数のバージョンが取得できたか否かを判断する。具体的には、文書が存在しないか、または例えば設計者以外のユーザで、バージョン“0.9”などのメジャーバージョンよりも前(例えば“1”よりも前)のバージョンを何らかの理由で所持しており、スキャンした場合である。この場合、当該ユーザが印刷できるバージョンはない。ここで“NO”の場合(対応する文書のバージョン一覧が取得できなかった場合)ステップS1014に進む。“YES”の場合(対応する文書のバージョン一覧が取得できた場合)「A」(
図11のステップS1111)に進む。
【0090】
ステップS1014においては、対応する文書のバージョン一覧が取得できない旨を、複合機103に通知する。
【0091】
ステップS1006においては、対応する文書のバージョン一覧が取得できない旨の通知を、文書管理サーバ102から受信する。
【0092】
ステップS1007においては、文書管理サーバ102から通知された“印刷できるバージョンがない旨”を複合機の表示部に表示する(表示画面制御部により表示される、例えば
図9の901)。ユーザからは、表示された内容に基づいて、次の処理が指示として入力され、複合機103は受け付ける。“通常コピー”の指示を受け付けた場合には、ユーザがスキャンした紙媒体を、複合機103においてコピーする。“キャンセル”の指示を受けて受けた場合には、何もせずに処理を完了する。
【0093】
図11は、本発明の実施形態に係わる文書コピーまたは印刷の処理の一例を示すフローチャートである。
図11のフローチャートのステップS1101〜S1008は、複合機103上のCPU201で、またステップS1111〜S1118は、文書管理サーバ102上のCPU201で実行される。前述の通り、
図10のフローチャートのステップS1013において、“YES”の場合(対応する文書のバージョン一覧が取得できた場合)「A」(
図11のステップS1111)に進む。
【0094】
ステップS1111においては、スキャンした文書のバージョンが最新であるか否かを判定する。具体的には、
図10のステップS1003で抽出されたバーコード内(または文書特定情報)のバージョンであって、ステップS1011において文書管理サーバ102が受信したバージョンと、同じく
図10のステップS1012で取得した文書のバージョン一覧を比較する。ただし、前述同様、最新版の文書はユーザによって異なる。“YES”の場合(スキャンした文書のバージョンが最新版である場合)ステップS1112に進む。
【0095】
“NO”の場合(最新版ではない場合)ステップS1113に進む。
【0096】
ステップS1112においては、スキャンした文書のバージョンが最新版である旨を、複合機103に通知する。
【0097】
ステップS1113においては、スキャンした文書のバージョンが最新版ではない旨を、複合機103に通知する。
【0098】
ステップS1101においては、文書管理サーバ102がステップS1112またはS1113において通知した旨を受信する。
【0099】
ステップS1102においては、文書管理サーバ102のステップS1112またはS1113から通知の通知に応じて“ユーザがスキャンしたバージョンが最新版である旨”(表示画面制御部により表示される、例えば
図9の902)または、“ユーザがスキャンしたバージョンが最新版でない旨”(例えば
図9の903)を、複合機103の表示部に表示する。前記表示に対して、複合機103はユーザからの次のいずれかの指示を受け付ける。すなわち、“最新版を印刷”、“同一版を印刷”、“通常コピー”、“キャンセル”のいずれかである。
【0100】
ステップS1103により、前述の指示の種類が判定される。“最新版を印刷”が選択された選択した場合には、ステップS1106に進む。“同一版を印刷”が選択された場合には、ステップS1105に進む。“通常コピー”が選択された場合には、S1104に進む。“キャンセル”が選択された場合には、処理を終了する。
【0101】
ステップS1104においては、複合機103のスキャナ部においてユーザがスキャンした文書が、そのまま印刷される。すなわち、通常のコピー処理が行われる。その後、処理を終了する。
【0102】
ステップS1105においては、ユーザがスキャンした文書と同一バージョンを複合機103において印刷をするため、対応する文書データを送信するよう文書管理サーバ102に要求する。
【0103】
ステップS1106においては、ユーザがスキャンした文書の最新バージョンを複合機103において印刷をするため、対応する文書データを送信するよう文書管理サーバ102に要求する(S1105、S1106をあわせて要求受付部)。
【0104】
ステップS1114においては、複合機103のステップS1105またはS1106から送信された要求を受信する。
【0105】
ステップS1115は、ステップS1114で受信した要求を判定する。要求が“同一版を印刷”するである場合には、ステップS1116に進む。要求が“最新版を印刷”するである場合には、ステップS1117に進む。
【0106】
ステップS1116においては、ユーザがスキャンした文書、具体的には、複合機103から
図10のステップS1011で受信した文書IDとバージョンに基づき、文書管理サーバから文書データを取得する。
【0107】
ステップS1117においては、ユーザがスキャンした文書、具体的には、複合機103から
図10のステップS1011で受信した文書IDと、その文書IDについて
図10のステップS1012で取得したバージョンの最新版について、文書管理サーバ102から文書データを取得する。この場合、ユーザがスキャンした文書と(スキャンしたバージョンと)、最新バージョンの文書の差分のみを取得してもよい。
【0108】
ステップS1118においては、ステップS1116またはステップS1117において取得した文書データを複合機103に送信する。ステップS1117において、差分のみを取得した場合には、差分のみを複合機103に送信してもよい。
【0109】
ステップS1107においては、ステップS1118において文書管理サーバ102から送信された文書データを受信する(文書データ受信部)。
【0110】
ステップS1108においては、ステップS1107において受信した文書データを印刷する。すなわち、ユーザがスキャンした文書の同一バージョン、または最新バージョンの文書を印刷する。
【0111】
以上で、
図10〜
図11のフローチャートの説明を完了する。また、
図10〜
図11のフローチャートでは、ユーザがスキャンした紙媒体と同一のバージョンか最新のバージョンからの指定となっていたが、ユーザに印刷権限がある全てのバージョンから指定できるようにしてもよい。
【0112】
図12は、本発明の実施形態に係わる文書が更新された際に差分情報をメールで関係者に通知する処理の一例を示すフローチャートである。
図12のフローチャートにおける各ステップは、文書管理サーバ102上のCPU201で実行される。
図12の処理は、プロジェクトに新規文書データ、または既存文書データの最新版を登録する権限があるユーザが、文書データを登録した際に、関係者にその旨を通知する処理である。
【0113】
ステップS1201においては、更新する文書(文書管理サーバに登録されている文書の最新版)を、受け付ける。具体的には、クライアント装置101または複合機103から送信された更新データを受け付ける。
【0114】
ステップS1202においては、ステップS1201において受け付けた更新データを元に、既に(古い日付に登録された)同一の文書データが登録されているか否かを判定する。登録されていない場合(“NO”の場合)には、ステップS1203に進む。既に登録されている場合(“YES”の場合)には、ステップS1206に進む。
【0115】
ステップS1203においては、受け付けた文書データを新規のものとして文書管理サーバ102に登録する。
【0116】
ステップS1204においては、新規の文書データが登録された旨を通知するための通知先を取得する。具体的には、文書データを登録したユーザが所属するグループから、他のユーザ一覧を取得する。例えば、
図7におけるプロジェクトを前述のグループとすることが可能である。また、不図示の組織図に基づいて、同一の部門をグループとすることが可能である。
【0117】
ステップS1205においては、ステップS1204において取得した通知先に対して、新規文書が登録された旨を通知する。具体的には、通知先のユーザに対応するメールアドレスを取得し、登録した文書名やその属性などをメールにより送信する。送信されたメールは、通常、送信先に対応するユーザが使用するクライアント装置101で受信され、ユーザが確認できるが、他の端末でもよい。例えば、携帯端末に転送したり、Webメールの場合であればWebブラウザさえあれば、如何なる端末からでも確認したりすることが可能となる。
【0118】
ステップS1206においては、ステップS1201において受け付けた更新データを元に、文書データを更新し、その更新データを最新版のデータとする。
【0119】
ステップS1207においては、更新文書の文書内に、履歴情報が記載されているか否かを判定する。履歴情報が記載されている場合(“YES”の場合)には、ステップS1208に進む。記載されていない場合(“NO”の場合)には、ステップS1209に進む。
【0120】
ステップS1208においては、履歴情報を解析し、直前の版からの差分を取得する(差分抽出部)。取得される情報をメール本文とするが、例として後述する
図13の1302が対応する。ただし、
図13の1302は、他の説明にも用いるため、複数のバージョン(2012/8/7、2012/8/10、2012/8/19の3つのバージョン)からの履歴情報を記載しているが、本ステップでは直前のバージョンとの違いのみであってもよい。
【0121】
ステップS1209においては、直前の版の文書データを取得する。
【0122】
ステップS1210においては、ステップS1201において受け付けた更新データと、ステップS1209において取得した直前の版の文書データを機械的に比較し、差分を抽出する(差分抽出部)。例として後述する
図13の1301における“差分が確認されたページ番号”、“差分が確認されたページの総数”に対応する情報を抽出する。
【0123】
ステップS1211においては、更新データが登録された旨を通知するための通知先を取得する。具体的には、ステップS1204と同様に特定のグループを用いることで実現する。また、不図示ではあるが、以前に本文書データを印刷した履歴をログとして記憶し、そのログに記憶されているユーザを通知先としてもよい。
【0124】
ステップS1212においては、ステップS1211において取得した通知先に対して、文書データが更新された旨を通知する(差分送信部)。通知は、例えば後述する
図13の1301に記載されている内容を、メールにて送信する。その他詳細はステップS1205と同様のため説明を省略する。
【0125】
図12のフローチャートによる処理により、新規登録、更新登録された文書データに関する情報を、その文書を必要とする関係者にリアルタイムに通知することが可能となる効果を得る。
以上で、
図12のフローチャートの説明を完了する。
【0126】
図13は、本発明の実施形態に係わるスキャンした文書と最新版の文書の差分を複合機の表示部に表示する画面の一例を示す図である。すなわち、スキャンした文書が、複数世代古いものである場合には、それら複数世代の履歴が複合機のパネルに表示される(1300)。
【0127】
本画面の表示は、例えば
図9のダイアログ(903)が表示され、ユーザがコピーしようとした文書が最新ではないことが判明した場合に表示可能であってもよい。そのため、不図示ではあるが、ダイアログ(903)に更に“差分情報表示ボタン”を配置して、そのボタンを押下することにより
図13の画面が表示されるように構成してもよい。
【0128】
1302は、文書データの変更履歴として記載された情報である。変更履歴は、例えば、文書データ内に記載されていてもよいし、
図6の文書データベースB−610(バージョン管理)に履歴情報として記載されていてもよい。
図6の文書データベースB−610(バージョン管理)に履歴情報として記載されていている場合には、クライアント装置101からユーザが履歴情報を記載可能としてもよい。例えば、
図6の文書データベースB−610(バージョン管理)において、文書IDが1である文書のバージョン2.3まで登録されているとする。その際に、ユーザがバージョン2.0の文書をスキャンすると、2.0と2.1の差分、2.1と2.2の差分、2.2と2.3の差分が全て表示される。
【0129】
“差分が確認されたページ番号”は、
図13においては、頁番号の一覧を表示している。また、他の実施例として、対応する各ページのサムネイルが表示されるようにしてもよい。また、ユーザにより可読可能なサイズで1ページずつ表示し、スクロールや「前のページ」「次のページ」などにより、全てのページをユーザが確認できるようにしてもよい。
【0130】
“差分が確認されたページの総数”は、スキャンしたデータに対して、文書管理サーバ102に登録された最新版の文書データのページ数のうち、何ページ分に違いが発生しているかを表すものである。例では、51ページの文書のうち、10ページに差分があることが分かる。
【0131】
ユーザは、ユーザ自身が所持している文書が多少古いバージョンのものであっても、書き込みなどをしているため、それに対応する同じバージョンの文書を印刷したい場合がある。しかし、これら差分情報を確認し、ユーザは例えば、変更ページが多く内容も多岐にわたって変更されているのか否かによって、全て印刷する(1303)、差分のみ印刷する(1304)、キャンセル(1305)、などの判断を行って、処理を選択することが可能になる。
以上で
図13の説明を完了する。
【0132】
図14は、本発明の実施形態に係わるスキャンした文書と最新版の文書の差分を複合機の表示部に表示する処理の一例を示すフローチャートである。
図14のフローチャートにおける各ステップは、文書管理サーバ102上のCPU201で実行される。
図14の処理は、ユーザが複合機103において文書をスキャンした際に、
図13で説明した差分確認結果1300を表示するための処理を説明するためのフローチャートである。
【0133】
ステップS1401においては、スキャンデータを取得する。すなわち、複合機103においてスキャンされたデータを文書管理サーバ102に送信させ、受け付ける。実際には、スキャンした画像データ全てを送信するのではなく、文書を特定し、バージョンを判定できる情報、すなわち、
図10のステップS1005と同様に、文書IDとバージョンを認識する情報のみを受け付ければよい。
【0134】
ステップS1402においては、スキャンデータは最新版か否かを判定する。最新版である場合(“YES”の場合)には、
図14のフローチャートを完了する。最新版ではない場合(“NO”の場合)には、ステップS1403に進む。
【0135】
ステップS1403においては、管理されているデータ(すなわちスキャンした文書よりも新しいバージョンの文書データ)に履歴情報があるか否かを判定する。履歴情報がある場合(“YES”の場合)には、ステップS1404に進む。履歴情報がない場合(“NO”の場合)には、ステップS1405に進む。
【0136】
ステップS1404においては、前述の履歴情報を解析し、スキャンした版の文書データから、最新版までの履歴情報を取得する(差分抽出部)。
【0137】
ステップS1405においては、スキャンした版の文書データを文書管理サーバ102から取得する。
【0138】
ステップS1406においては、スキャンした版の文書データと、最新版の文書データの差分を抽出する(差分抽出部)。具体的には、
図13で説明した“差分が確認されたページ番号”(あるいはサムネイル、差分のあるページの画像など)、“差分が確認されたページの総数”などを抽出する。
【0139】
ステップS1407においては、前述のステップS1404において取得した履歴情報(ある場合のみ)、ステップS1406において取得した差分情報を、
図13のように表示させるため複合機103に送信する((差分送信部))。
以上で、
図14のフローチャートの処理の説明を完了する。
【0140】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0141】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0142】
また、本発明におけるプログラムは、
図10〜
図11に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図10〜
図11の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図10〜
図11の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0143】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0144】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0145】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0146】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0147】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0148】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。 さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。