(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動部は、前記第2支持部に前記交差方向に沿って設けられたねじ孔に螺合され、一端が前記第1支持部と接触するボルトを有することを特徴とする請求項2に記載の機械式駐車場。
前記検出面を前記検出面に直交する回転軸の周りで回転させることで前記検出面を位置決めする回転機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の機械式駐車場。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0017】
実施の形態に係る機械式駐車場は、乗降室に進入した自動車などの車両を格納棚へ導入する。この機械式駐車場は、乗降室へ進入中の車両を誘導するときおよび停車した車両を入庫するとき、正常な収容領域からの車両のはみ出しがあればそれを検知するはみ出しセンサを有する。このはみ出しセンサは、検出面内をレーザ光で走査し、検出面からはみ出している車両の個所からの反射光を受ける光学検知装置である。はみ出しセンサは、ブラケットすなわち取付装置を介して乗降室内の所定の位置に取り付けられる。
【0018】
ブラケットは、乗降室の一部、例えばフレーム、に取り付けられる乗降室側支持プレートと、はみ出しセンサが取り付けられるセンサ側支持プレートと、乗降室側支持プレートとセンサ側支持プレートとの検出面と交差する方向、例えば検出面に直交する直交方向、における相対位置を変化させる押しボルト方式の平行移動機構と、を備える。機械式駐車場の設置時やメンテナンス時に作業者が検出面を例えば収容領域の境界面と一致するように位置決めする場合、まず作業者は乗降室のフレームに乗降室側支持プレートを取り付ける。この際、作業者はフレームと乗降室側支持プレートとを固定するボルト、ナット等の締結手段を緩めたり締めたりすることで、はみ出しセンサおよびブラケット全体をフレームに対して動かし、検出面を粗く位置決めする。
【0019】
次に、作業者は平行移動機構の押しボルトによってセンサ側支持プレートを乗降室側支持プレートに対して直交方向に沿って移動させることで、検出面の直交方向における位置を微調整する。このように粗調整、微調整の二段階調整を可能とすることにより、検出面の直交方向における位置合わせがより容易となり、作業時間を短縮できる。本発明者が行ったテストによると、実施の形態に係るブラケットを使用しない場合、1つのはみ出しセンサの検出面の位置合わせに2時間から3時間かかったが、実施の形態に係るブラケットを使用した場合、位置合わせに要した時間は20分から30分であった。
【0020】
図1は、実施の形態に係る機械式駐車場10の正面図である。
図2は、2F格納棚14の平面図である。機械式駐車場10は、地上に設けられた建物24のなかに設けられた地上式の機械式駐車場である。機械式駐車場10は、建物24の2階部分、3階部分、4階部分のそれぞれに設けられた2F格納棚14、3F格納棚16、4F格納棚18を備える。建物24の一階部分は商業スペースなどの駐車以外の用途で使用される。
【0021】
機械式駐車場10はさらに、複数のパレット32と、第1移載装置56と、複数の第2移載装置58と、リフトフレーム88と、断面が略矩形の昇降路96の四隅に支柱として設けられた4本のマスト90と、昇降装置94と、左はみ出しセンサ36と、右はみ出しセンサ38と、ブラケット46と、を備える。左はみ出しセンサ36、右はみ出しセンサ38およびブラケット46は
図3以降で後述する。
【0022】
パレット32は平板状の部材であり、車両が搭載される上面すなわち車両搭載面は略矩形である。機械式駐車場10は、パレット32を用いたパレット式の駐車場である。このパレット式の機械式駐車場10は、昇降装置94を用いて車両20が搭載された状態のパレット32を昇降させたり、あるいは第1移載装置56や第2移載装置58を使用してパレット32を面方向に移動させたりすることにより、格納棚に車両20を駐車させる構成とされている。
【0023】
2F格納棚14、3F格納棚16、4F格納棚18はそれぞれ10の駐車スペースを含む。それら10の駐車スペースは、平面視した場合に5行2列のマトリクス状に配列される。各駐車スペースはパレット32を収容可能に構成される。駐車スペースはパレットと共に車両20が駐車されうる駐車室内の1駐車領域(駐車の1単位)である。
【0024】
乗降室12は建物24の一階部分に設けられている。乗降室12は昇降路96の下端すなわち地表側に設けられている。乗降室12と昇降路96とはパレット32が通過できる程度の大きさの連通孔26を介して連結されている。昇降路96は鉛直方向(図のz方向)に沿って設けられる。昇降路96は、2F格納棚14、3F格納棚16、4F格納棚18のそれぞれと連通する。したがって、各格納棚と乗降室とは昇降路96によって連結される。
【0025】
平面視した場合に略矩形のリフトフレーム88は、4本のマスト90に昇降自在に支持される。リフトフレーム88の上部には第1移載装置56が搭載される。昇降装置94は乗降室12の床下に設置され、昇降路96に沿ってリフトフレーム88を昇降させる。なお、リフトフレーム88、4本のマスト90、および昇降装置94には、本出願人が先に出願した特開2009−197417号公報や特開2008−261159号公報に記載のリフトフレーム、4本のマスト、昇降装置、をそれぞれ適用することができる。
【0026】
第1移載装置56の上部にはパレット32が搭載される。第1移載装置56は、1方向(図のx方向)にパレット32を移動可能に構成される。第2移載装置58は各駐車スペースに設けられており、駐車スペースをまたいでパレット32をx方向およびy方向に移動させる。y方向はx方向およびz方向の両方に直交する方向である。駐車スペースと駐車スペースとの間には、駐車スペースをまたいでパレット32が移動する際にそれを支持する転倒防止ローラ38が設置される。なお、第2移載装置58には、例えば本出願人が先に出願した特公平7−29681号公報に記載の搬送装置を適用することができる。
【0027】
図3は、乗降室12の平面図である。
図4は、
図3のA−A線断面透視図である。説明をより明瞭とするため、
図3、
図4ではマスト90、第1移載装置56、リフトフレーム88、昇降装置94の表示は省略する。
図3は乗降室12に車両が進入する前に乗降室12にパレット32が呼び出された状態を示す。乗降室12は平面視で略矩形であり、以下、x方向を左右方向、y方向を前後方向とする。前後方向は車両20が外部から乗降室12に進入する方向である。
【0028】
センサフレーム34は左右方向に延在する角パイプであり、一端が乗降室12の左側の壁に固定され、他端が乗降室12の右側の壁に固定される。センサフレーム34は乗降室12の車両進入口44とは反対側かつ天井側に設けられる。左はみ出しセンサ36はセンサフレーム34にブラケット46を介して取り付けられる。右はみ出しセンサ38はブラケット46と同様のブラケット(不図示)を介してセンサフレーム34に取り付けられる。
【0029】
左はみ出しセンサ36は左検出面50からの乗降室12に進入した車両20のはみ出しを検知する光学検知装置であり、所定の波長のレーザ光を発する投光部(不図示)と、その波長と同等の波長の光を検知するよう構成された受光部(不図示)と、を備える。投光部は、yz平面に平行な左検出面50内にレーザ光を発する。投光部はこのレーザ光の経路をx軸の周りで回転させることによって、左検出面50の全体をレーザ光により走査する。左検出面50はパレット32の左端に沿って設けられる。左検出面50に直交する直交方向は左右方向である。
【0030】
乗降室12に進入しパレット32上で停車した車両20の一部が左検出面50からはみ出すすなわち左検出面50を横切る場合を考える。左はみ出しセンサ36の投光部は左検出面50をレーザ光により走査する。そのようなレーザ光の一部ははみ出している車両20の一部によって反射される。反射されたレーザ光の一部は左はみ出しセンサ36に戻る。左はみ出しセンサ36の受光部はそのようにして戻ってきた反射光を検知し、左はみ出しセンサ36は不図示の制御装置に検知結果を送信する。制御装置は左はみ出しセンサ36が反射光を検知した場合、乗降室12から格納棚への車両の移動を制限してもよい。
【0031】
右はみ出しセンサ38は左はみ出しセンサ36と同様に構成される。左はみ出しセンサ36の左検出面50と右はみ出しセンサ38の右検出面64とで挟まれる領域が収容領域48である。言い換えると、収容領域48はパレット32の大きさを基に設定される。ブラケット46によって、左検出面50は収容領域48の左側面を形成するよう位置決めされる。同様なブラケット(不図示)によって、右検出面64は収容領域48の右側面を形成するよう位置決めされる。より確実に車両20のはみ出しを防止するために、収容領域48をパレット32の大きさよりも小さく設定してもよい。
【0032】
図5は、
図4の左はみ出しセンサ36およびブラケット46付近を拡大した拡大図である。
図6は、
図4の矢印Bに対応する側面図である。
図7は、ブラケット46の上面図である。ブラケット46は、プレート類、ボルトおよびナット群等を有する。
【0033】
乗降室側支持プレート104は、乗降室側支持プレート104と第1連結プレート102との間および乗降室側支持プレート104と第2連結プレート112との間でセンサフレーム34を挟み込む形でセンサフレーム34に取り付けられる。乗降室側支持プレート104と第1連結プレート102との間でセンサフレーム34を挟む強さは、第2ボルト118、第2ナット120、第15ボルト198、第1ナット116を含む第1締結手段によって調整される。乗降室側支持プレート104と第2連結プレート112との間でセンサフレーム34を挟む強さは、第12ボルト180、第17ナット182、第16ボルト200を含む第2締結手段によって調整される。
【0034】
図8は、第1中間プレート106の上面図である。第1中間プレート106は、第3ボルト122、第3ナット124、第4ナット126、第5ナット128、第4ボルト130、第6ナット132、第7ナット134、第8ナット136、第9ボルト168、第14ナット170、第15ナット172、第16ナット174、第18ボルト204、を含む第3締結手段によって乗降室側支持プレート104に対して固定される。
【0035】
第3ボルト122は第3ナット124が乗降室側支持プレート104に対して締め付けられることによって乗降室側支持プレート104に固定される。第3ボルト122は第1中間プレート106に設けられた第2開口212に遊嵌される。第3ボルト122に螺合された第4ナット126および第5ナット128はそれらの間に第1中間プレート106を挟んで締め付けることで、第1中間プレート106を乗降室側支持プレート104に対して固定する。第4ナット126および第5ナット128の第3ボルト122に沿った位置を調整することで、第2開口212付近における乗降室側支持プレート104と第1中間プレート106との距離を調整できる。
第4ボルト130、第6ナット132、第7ナット134、第8ナット136、第1中間プレート106に設けられた第1開口210、についても同様である。また、第9ボルト168、第14ナット170、第15ナット172、第16ナット174、第1中間プレート106に設けられた第3開口214、についても同様である。また、第18ボルト204、対応する不図示の3つのナット、第1中間プレート106に設けられた第4開口216、についても同様である。
【0036】
第1中間プレート106は、略矩形のプレート部106aと、プレート部106aの右辺に設けられた第3ボルト座部154と、プレート部106aの左辺に設けられた第4ボルト座部196と、を有する。第3ボルト座部154および第4ボルト座部196のそれぞれには、左右方向に沿ってねじ孔が貫通して設けられる。第5ボルト140は第3ボルト座部154のねじ孔に螺合する。第9ナット138を第3ボルト座部154に対して締め付けることで第5ボルト140の左右方向における位置が固定される。第14ボルト192、第19ナット194、第4ボルト座部196についても同様である。
【0037】
第1中間プレート106のプレート部106aの左はみ出しセンサ36側の面には左右方向に沿って第1ガイド溝162および第2ガイド溝188が形成される。第5ボルト140の一端は第1ガイド溝162に進入し、第14ボルト192の一端は第2ガイド溝188に進入する。
【0038】
第1中間プレート106のプレート部106aにはさらに、左右方向に細長い第5開口218、第6開口220、第7開口222、第8開口224が設けられる。第5開口218、第6開口220、第7開口222、第8開口224はそれぞれ第2中間プレート108の四隅に設けられた第9開口226、第10開口228、第11開口230、第12開口232(
図9で図示)と対応する。第8ボルト156は第5開口218および第9開口226に遊嵌され、第13ボルト184は第7開口222および第11開口230に遊嵌される。第12ナット158、第18ナット186はそれぞれ第8ボルト156、第13ボルト184のねじ先側に螺合されている。第6開口220および第10開口228、第8開口224および第12開口232についても同様にボルト(不図示)が遊嵌されナット(不図示)が螺合される。
【0039】
第12ナット158、第18ナット186を含む4つのナットを締めたり緩めたりすることで第1中間プレート106に対して第2中間プレート108を固定したり左右方向に移動可能としたりすることができる。特に4つのナットがそれぞれ所定のトルクで締められる場合、第1中間プレート106と第2中間プレート108とは仮止めされる。この仮止め状態では、押しボルトである第5ボルト140や第14ボルト192を回さない限り第2中間プレート108は第1中間プレート106に対して固定される。第5ボルト140や第14ボルト192が回されるとそれに合わせて第2中間プレート108は第1中間プレート106に対して移動する。
【0040】
図9は、第2中間プレート108およびセンサ側支持プレート110の上面図である。
図10は、
図6の矢印Cに対応する側面図である。第2中間プレート108は、プレート部108aと、プレート部108aの左はみ出しセンサ36側の面上に設けられた第1ボルト座部142および第2ボルト座部144と、を有する。第1ボルト座部142および第2ボルト座部144のそれぞれには、前後方向に沿ってねじ孔が貫通して設けられる。第6ボルト146は第1ボルト座部142のねじ孔に螺合する。第10ナット148を第1ボルト座部142に対して締め付けることで第6ボルト146の前後方向における位置が固定される。第7ボルト150、第11ナット152、第2ボルト座部144についても同様である。
【0041】
第1皿ねじ206、第2皿ねじ208はそれぞれ第1突出部160、第2突出部190をプレート部108aの左はみ出しセンサ36とは反対側の面の左右にねじ止めにより固定する。第1突出部160、第2突出部190はいずれもワッシャ状の部材である。第1突出部160、第2突出部190はそれぞれ第1中間プレート106の第1ガイド溝162、第2ガイド溝188に左右方向に摺動可能に嵌る。第1突出部160は第2中間プレート108の右側面108bと共に第5ボルト140のねじ先に当接する。第2突出部190は第2中間プレート108の左側面と共に第14ボルト192のねじ先と当接する。
【0042】
センサ側支持プレート110は、プレート部110aと、プレート部110aの右辺に設けられたボルト当接部110bと、プレート部110aの略中央に鉛直方向に立設されたねじ軸166と、を有する。ボルト当接部110bは平面視で略矩形であり、ボルト当接部110bの前側面110c、後側面110dはそれぞれ第6ボルト146、第7ボルト150のねじ先と当接する。
【0043】
ねじ軸166の一端はプレート部110aに溶接により固定され、他端側は第2中間プレート108の略中央に設けられた開口(不図示)に遊嵌される。ねじ軸166に螺合される第13ナット164を締めたり緩めたりすることで第2中間プレート108に対してセンサ側支持プレート110を固定したりねじ軸166の周りに回転可能としたりすることができる。特に第13ナット164が所定のトルクで締められる場合、第2中間プレート108とセンサ側支持プレート110とは仮止めされる。この仮止め状態では、押しボルトである第6ボルト146や第7ボルト150を回さない限りセンサ側支持プレート110は第2中間プレート108に対して固定される。第6ボルト146や第7ボルト150が回されるとそれに合わせてセンサ側支持プレート110は第2中間プレート108に対してねじ軸166の周りで回転する。
【0044】
第10ボルト176、第11ボルト178はそれぞれセンサ側支持プレート110のプレート部110aに設けられた第13開口234、第14開口236に遊嵌され、左はみ出しセンサ36の背面の対応するねじ孔に螺合される。センサ側支持プレート110のプレート部110aに設けられた第15開口238、第16開口240についても同様である。第10ボルト176、第11ボルト178を含む4つのボルトによって左はみ出しセンサ36はセンサ側支持プレート110に取り付けられる。
【0045】
左検出面50を左右方向に沿って位置決めする場合、作業者はまず第1締結手段および第2締結手段を緩め、左はみ出しセンサ36およびブラケット46全体をセンサフレーム34に沿って動かす。作業者は、左検出面50が左右方向における所望の位置に合わせられたと判断すると、第1締結手段および第2締結手段を締め、左はみ出しセンサ36およびブラケット46全体をセンサフレーム34に対して固定する。ここで作業者は左はみ出しセンサ36およびブラケット46全体を手で直接動かすのでその位置決め精度は高くなく、左検出面50は所望の位置から比較的大きな第1誤差範囲内にある。すなわち、この段階では誤差が比較的大きくても許容されるので、その分作業を速く進めることができる。
【0046】
次に作業者は、第12ナット158、第18ナット186を含む4つのナットを所定のトルクで締めることで第2中間プレート108を第1中間プレート106に対して仮止めする。作業者は仮止め状態にある第2中間プレート108と第1中間プレート106との左右方向における相対位置を第5ボルト140、第14ボルト192を回すことで変化させる。この相対位置が変化すると、左検出面50は左右方向に平行移動する。作業者は、このような平行移動により左検出面50が左右方向における所望の位置に合わせられたと判断すると、第12ナット158、第18ナット186を含む4つのナットを締めて第2中間プレート108を第1中間プレート106に対して固定する。ここでの左検出面50の位置決めは押しボルト方式で行われるので作業者が手で直接動かす場合よりも位置決め精度は高い。すなわち、左検出面50は所望の位置から第1誤差範囲よりも小さな第2誤差範囲内にある。
【0047】
左検出面50の左右方向に沿った位置決めの観点からは、第2中間プレート108およびセンサ側支持プレート110を合わせて、左はみ出しセンサ36が取り付けられるべき第1支持部としてもよい。乗降室側支持プレート104および第1中間プレート106を合わせて、左検出面50が左右方向に沿って第1誤差範囲内で位置決めされるように第1支持部に作用する、乗降室12に取り付けられる第2支持部としてもよい。第1中間プレート106、第5ボルト140、第9ナット138、第1突出部160、第14ボルト192、第19ナット194、第2突出部190、第8ボルト156、第12ナット158、第13ボルト184、第18ナット186、を合わせて、第1支持部と第2支持部との左右方向における相対位置を変化させることで、左検出面50が左右方向に沿って第2誤差範囲内で位置決めされるように左検出面50を左右方向に平行移動させる平行移動機構としてもよい。この場合、第8ボルト156、第12ナット158、第13ボルト184、第18ナット186、第1中間プレート106を合わせて、第1支持部を第2支持部に対して仮止めする仮止め部としてもよい。また、第5ボルト140、第9ナット138、第1突出部160、第14ボルト192、第19ナット194、第2突出部190、を合わせて、仮止め部によって仮止めされた状態の第1支持部を第2支持部に対して左右方向に沿って移動させる移動部としてもよい。
【0048】
左検出面50を鉛直方向に沿って位置決めする場合、第3ボルト122に螺合される第4ナット126および第5ナット128、第4ボルト130に螺合される第7ナット134および第8ナット136、第9ボルト168に螺合される第15ナット172および第16ナット174、ならびに第18ボルト204に螺合される同様の2つのナット、の位置を同じ量だけずらすことで、第1中間プレート106を鉛直方向に平行移動させる。
【0049】
左検出面50を左右方向または前後方向に沿った軸の周りで位置決めする場合、第3ボルト122に螺合される第4ナット126および第5ナット128、第4ボルト130に螺合される第7ナット134および第8ナット136、第9ボルト168に螺合される第15ナット172および第16ナット174、ならびに第18ボルト204に螺合される同様の2つのナット、の位置を異なる量だけずらすことで、第1中間プレート106を左右方向または前後方向に沿った軸の周りで回転させる。
【0050】
左検出面50を鉛直方向に沿った軸の周りで位置決めする場合、作業者は第13ナット164を所定のトルクで締めることでセンサ側支持プレート110を第2中間プレート108に対して仮止めする。作業者は、第6ボルト146、第7ボルト150を回すことで仮止め状態にあるセンサ側支持プレート110を第2中間プレート108に対してねじ軸166の周りで回転させる。センサ側支持プレート110がこのように回転すると、左検出面50もまたねじ軸166の周りで回転する。作業者は、このような回転により左検出面50がねじ軸166の周りの所望の角度位置に合わせられたと判断すると、第13ナット164を締めてセンサ側支持プレート110を第2中間プレート108に対して固定する。
【0051】
図11は、左検出面50の左右方向に沿った位置決めを説明する説明図である。
図11は左検出面50を鉛直方向から見た場合に対応する。実線は左検出面50を示し、破線は左検出面50の左右方向(x方向)における所望の位置70を示す。破線と2点鎖線との距離は第1誤差範囲72を示し、破線と1点鎖線との距離は第2誤差範囲74を示す。
【0052】
以上のように構成された機械式駐車場10の動作について説明する。
車両20を機械式駐車場10に入庫する場合、ドライバまたは係員は乗降室12内に呼び出されているパレット32上で車両20を停車させる。ドライバまたは係員は停車後下車し、乗降室12に備え付けの不図示の制御装置に入庫の指示を入力する。ここで左はみ出しセンサ36および右はみ出しセンサ38は、車両20が車両進入口44から進入してからパレット32上で停車するまでの間、および入庫指示があってから実際にパレット32が動き出すまでの間に受光部が反射光を検知した場合、はみ出しを知らせるための信号を制御装置に送信する。制御装置はそのような信号を受信すると、車両誘導案内灯などの表示手段を介してドライバまたは係員にはみ出しを警告する。
【0053】
本実施の形態に係る機械式駐車場10によると、左はみ出しセンサ36の左検出面50の左右方向における位置決めについて、左はみ出しセンサ36およびブラケット46全体を動かすことによる調整に加えて、センサ側支持プレート110と乗降室側支持プレート104との左右方向における相対位置を変化させることによる調整も行われる。後者の調整の精度は前者の調整の精度よりも高い。このようにブラケット46の部材間の相対運動による位置決め機構を導入することにより、左検出面50をより容易に短時間で精度良く位置決めすることができる。
【0054】
また、本実施の形態に係る機械式駐車場10では、左検出面50の位置調整に加えて、左検出面50の3軸周りでの角度の微調整も可能とされる。これにより、ブラケット46による左検出面50の調整の自由度が高まる。
【0055】
以上、実施の形態に係る機械式駐車場10の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0056】
実施の形態では、ブラケット46に光学式の左はみ出しセンサ36が取り付けられる場合について説明したが、これに限られず、例えば検出面が定義される他の種類の検知装置が取り付けられてもよい。
【0057】
実施の形態では、乗降室12が昇降路96の下端に位置する地上式の機械式駐車場10について説明したが、これに限られず、本実施の形態の技術的思想は乗降室が昇降路の上端に位置する場合や、昇降路の中間に乗降室を設ける場合にも適用できる。また、昇降路の四隅に支柱としてマスト90が設置されている例について説明したが、2本のマストを昇降路の両側に設置しても良い。
【0058】
実施の形態では、機械式駐車場10はパレット32を使用して車両20を移動させる場合について説明したが、これに限られず、本実施の形態の技術的思想は乗降室でセンサによってはみ出し検知が行われる任意の機械式駐車場に適用できる。
【0059】
実施の形態では、左右のはみ出しセンサがブラケットを介して乗降室に取り付けられる場合について説明したが、これに限られず、例えば前後のはみ出しセンサが同様のブラケットを介して乗降室に取り付けられてもよいし、車両の高さのはみ出しセンサが同様のブラケットを介して乗降室に取り付けられてもよい。