【実施例】
【0024】
図1は、本発明の実施例に係る多機能情報端末の構成例を示すブロック図である。図において、多機能情報端末100は、その表面にタッチパネルモジュールを配置した液晶ディスプレイなどで構成されるタッチパネル式ディスプレイ101、多機能情報端末の機能を実現するためのアプリケーションプログラム群102、ディスプレイ101上にショートカットキーなどを含む画像標記であるアイコンを形成し、その機能を実現するためのアイコン操作制御部103、およびアイコンの実行にかかる各種情報を格納するデータストア104を含んで構成される。
【0025】
アプリケーションプログラム群102には、移動体の走行支援を行うためのナビゲーションプログラム106、内蔵メモリ、外付けメモリおよび/または広域ネットワーク上のサーバに格納された音楽データまたは映像データを再生するための音楽再生プログラム107と映像再生プログラム108、電子メールアドレス、住所、電話番号その他の属人情報を管理するためのアドレス帳プログラム109、WWW(World Wide Web)にアクセスして指定ワードに対する検索を実行するためのWeb検索プログラム110が含まれる。後に説明するが多機能情報端末100は、インターネットに接続するための無線ネットワークインタフェースや、母艦と呼ばれるデスクトップコンピュータなどに接続するためのI/Oインタフェースを備えており、これらのインタフェースを介して、ユーザが後から各種のアプリケーションプログラムをインストールして、その機能を追加することが可能であり、ここに掲げたアプリケーションプログラムはそれらのほんの一例に過ぎない。また、多機能情報端末100は、各アプリケーションプログラムを機能させるための各種のハードウェア構成を備えるか、そのようなハードウェアを備えた機器に接続して使用される。例えば、ナビゲーションプログラム106に関し、多機能情報端末100は、自車位置情報を取得するためのGPS受信機、道路交通情報を取得するためのVICS受信機などのハードウェア構成を備えてもよいし、車両に搭載され、そのような機能を備えたナビゲーション装置に接続して使用されるものであってもよい。
【0026】
アイコン操作制御部103は、主として、メモリ上に読み出されCPUで実行されるプログラムによって実現され、その実現機能として、アイコン作成部111、アクション表示部112、アクション実行制御部113、および操作履歴記録部114を含む。アイコン操作制御部103は、その実行の過程においてデータストア104にアクセスし、そのデータテーブル、すなわちアイコン情報テーブル115、アクションデータテーブル116、および操作履歴テーブル117から必要なデータを取得し、また、生成したデータを格納する。
【0027】
ここでアイコン作成部111は、ユーザの指示に基づいて、タッチパネル式ディスプレイ101上にアイコンを生成するための機能を提供する。アイコンの作成は、ユーザが多機能情報端末100の特定のアプリケーションをアクティブにしている状態で、ディスプレイ101上に表示されるアイコン作成ボタンをユーザがタッチすることで開始される。すなわちアイコン作成部111は、特定の機能のコンテキストで表示されるアイコン作成ボタンを含んでいる。アイコン作成の具体的な処理については後述するが、ユーザの指示に基づき作成されるアイコンは、任意の文字情報とその作成時のコンテキストに係る情報を有しており、これらの情報は、アイコン情報テーブル115に格納される。アイコン作成部111で作成されるアイコンは、その表示態様として、少なくとも前記文字情報とコンテキストに係る情報を含んでいる。本実施例における具体的な表示例については、後述する。
【0028】
前記任意の文字情報は、その作成時のコンテキストに応じてシステム側がデフォルト値を用意し、それをユーザが必要に応じで編集することで決定される。ここで言う機能のコンテキストとは、アイコン作成時における多機能情報端末100の動作状態ほどの意味であり、例えばユーザがナビゲーションプログラムを実行しているときに、アイコンの作成指示がなされた場合には、当該ナビゲーションプログラムがコンテキストとなり、音楽再生時にアイコン作成指示がなされた場合には、当該音楽再生プログラムがそのコンテキストとなる。また、ナビゲーションプログラムにおいて、周辺施設検索が実行されている状況で、アイコンが作成される場合には、当該ナビゲーションプログラムにおける周辺施設検索をそのコンテキストとして記録することができる。
【0029】
アクション表示部112は、ユーザがディスプレイ上のアイコンをタッチ操作することに反応して起動し、その対応する複数のアクションの選択肢をディスプレイ上に描画、表示させる。表示するアクションの選択肢は、データストア104のアクションデータテーブル116および操作履歴テーブル117に格納した情報に基づいて決定される。アクションデータテーブル116には、事前に、各機能のコンテキスト毎に、既定の複数のアクションに係る選択肢が決定、格納されており、アクション表示部112は、タッチされたアイコンのコンテキストをキーとして、対応する複数のアクションを抽出する。このときアクション表示部112は、データストア104のアイコン情報テーブル115にアクセスして、対応アイコンのコンテキストおよび情報を取得する。アクション表示部112は、また、操作履歴テーブル117に格納された操作履歴情報に基づいて、最終的に表示するアクションを決定する。その詳細については後述する。
【0030】
表示の一実施態様においてそれらの選択肢は、対象のアイコンの周囲に円周状に配置される、略方形状のボタンである。しかしながら、その配置、形状、数、サイズなどの表示態様は限定的なものではなく、多機能情報端末側の要求仕様などに応じて種々のものが考えられる。本実施例における具体的な表示態様については、後述する。
【0031】
アクション実行制御部113は、ユーザが前記表示された複数のアクションの選択肢の中からその一つを選択する操作に応じて、対応のアクションを実行させる。例えば、ユーザが選択したアクションが、そのアイコンの情報で特定されるアーティストの楽曲再生である場合、アクション実行制御部113は、音楽再生プログラム107を起動して、当該アーティストの楽曲を再生させる。また、ユーザが選択したアクションが、そのアイコンの情報で特定される施設に対する周辺検索である場合、アクション実行制御部113は、ナビゲーションプログラム106を起動して、当該施設に対する周辺検索を実行させる。
【0032】
操作履歴記録部114は、前記アイコンに対するユーザの操作履歴を、データストア104の操作履歴テーブル117に記録する。具体的には、操作履歴記録部114は、対象のアイコンに対しユーザが選択したアクションおよびその選択日時を、操作履歴テーブル117に記録する。操作履歴テーブル117に記録されたこれらの情報は、アクション表示部112において選択されるアクションを決定するために用いられる。すなわちアクション表示部112は、操作履歴テーブル117の情報を集計し、統計的手法を用いて、アクションデータテーブル116から抽出したアクションの中から、最終的にディスプレイに表示するアクションの選択肢を決定する。一実施例において、アクション表示部112は、そのアイコンに係るアクションの中から、ユーザによる選択の頻度が高いアクション、および/またはユーザが最も最近選択したアクションを優先的に選ぶ。また、ユーザによる選択頻度の高いアクションに関連性の高いアクションを、該選択頻度の高いアクションと共に表示することができる。それらの具体例については後述する。
【0033】
次に、前記データストア104内の各テーブル115〜117のデータ構造について説明する。
図2は、アイコン情報テーブル115のデータ構造の一例を示している。図において、アイコン情報テーブル115は、そのフィールドとして、少なくとも、個々のアイコンに割り当てられる固有のアイコンID、アイコンに割り当てられた文字列、そのアイコンの作成コンテキスト名、およびその他の属性情報を有する。属性情報としては、例えば、そのディスプレイ上の座標情報、イメージデータのパス、作成日時などが含まれる。これらアイコン情報テーブル115のデータは、専ら、アクション表示部112により読み出されて、ユーザにより操作されているアイコンのコンテキストを決定するために用いられると共に、その文字列情報は、アクション実行制御部113で呼び出されるプログラムに渡される。
【0034】
図3は、アクションデータテーブル116のデータ構造の一例を示している。図において、アクションデータテーブル116は、少なくともコンテキスト名を格納するフィールドを持ったコンテキストテーブル301と、少なくともアクション名を格納するフィールドを持ったアクションテーブル302を含み、これらは一対多の関係で関連付けられている。特定のコンテキストが決定されると、これらテーブルにより、そのコンテキストに対する複数のアクションが抽出できる。
【0035】
図4〜
図7は、アクションデータテーブル116に格納される具体的なアクションの例を、そのコンテキスト毎に示したものであり、それぞれ、ナビゲーションプログラム、音楽再生プログラム、映像再生プログラム、およびアドレス帳プログラム、の各コンテキストに係る。
図4において、ナビゲーションプログラムのコンテキストに対するアクションとして、「Web情報検索」、複数の方法による「周辺施設検索」、「登録施設表示」、「電話をかける」、「店舗情報の閲覧」、「経由地設定」が例示されている。
図5において、音楽再生プログラムのコンテキストに対するアクションとして、「楽曲の再生」、「Web情報検索」、「Webラジオ放送再生」、「Web動画検索」が例示されている。
図6において、映像再生プログラムのコンテキストに対するアクションとして、「録画コンテンツ再生」、「Web情報検索」、「関連音楽再生」、「周辺施設検索」が例示されている。
図7において、アドレス帳プログラムのコンテキストに対するアクションとして、「電話をかける」、「メッセージの送信」、「目的地設定」、「Web情報検索」が例示されている。これらのアクションは、好適には、多機能情報端末が備える機能に鑑みて、ユーザが必要とするであろうアクションを、端末の機能から選出したものであり、そのコンテキストに対する限定的なものではない。
【0036】
図8は、操作履歴テーブル117のデータ構造の一例を示している。図において、操作履歴テーブル7は、そのフィールドとして、少なくとも、個々のアイコンに割り当てられる固有のアイコンID、選択されたアクション名、およびその選択日時を有する。操作履歴テーブル117のこれらの情報は、前述のとおりアクション表示部112において、集計され、統計的手法で解析されて利用される。
【0037】
次に、前記アイコン作成部111によるアイコン作成プロセスについて説明する。
図9は、アイコン作成時の処理手順に係るフローチャートを示している。図において、アイコン作成部111の処理は、ユーザが任意のコンテキスト、例えば、ナビゲーションプログラムを使用している状況で、ディスプレイ上に表示されるアイコン作成ボタンをタッチすることで開始される(ステップS901)。ユーザのこの操作に応じて、システムは最初に、作成するアイコンに係る文字列情報を入力するためのダイアログボックスを、ディスプレイ101上に表示する(ステップS902)。ダイアログボックスにおける文字列入力エリアには、システムによってそのデフォルト値として、予め任意の文字列を設定しておくことができる。このデフォルト値は、ユーザが直前に行っていた操作およびそのコンテキストに基づいて、決定することができる。例えば、ユーザが直前に、ナビゲーションプログラムにおいて、特定の施設に対する周辺施設検索を実行していた場合には、その施設名をデフォルト値とすることができる。また、ユーザが音楽再生プログラムによって特定のアーティストの楽曲を再生していた場合には、そのアーティスト名をデフォルト値とすることができる。
【0038】
この表示されたダイアログボックスに対する、ユーザの文字列入力が完了すると(ステップS903)、システムは、その文字列とコンテキストに基づいて、アイコン画像を生成する(ステップS904)。一実施例として、各コンテキスト毎に異なる背景画像を持った画像データ群から、対応するコンテキストの画像データを抽出し、ユーザが指定した文字列をここに重ねて描画する、という手法でアイコンを作成することができる。次いで、このアイコンに係る文字列とコンテキストの各情報を、アイコン情報テーブル115に記録した後(ステップS905)、ディスプレイ101上に当該アイコンの画像を描画して処理を終える(ステップS906)。
【0039】
次に、前記作成されたアイコンに対してユーザがタッチ操作を行った場合の処理について説明する。
図10は、アイコンに対する操作時における処理のフローチャートを示している。図において、ユーザがディスプレイ101上の特定のアイコンをタッチすることで、本処理が開始される(ステップS1001)。最初の処理で、システムは、タッチされたアイコンのID情報に基づいて、アイコン情報テーブル115にアクセスして、その文字列とコンテキストの情報を取得する(ステップS1002)。次いで、アクションデータテーブル116にアクセスして、そのアイコンのコンテキストに係る複数のアクションを読み出すと共に(ステップS1003)、操作履歴テーブル117にアクセスして、そのアイコンに対するユーザの操作履歴を取得する(ステップS1004)。そして、この履歴情報を勘案して、最終的にディスプレイ上に表示する複数のアクション(後に示す例では、4つのアクション)を決定し(ステップS1005)、その決定されたアクションに係る選択肢を描画生成して、ディスプレイ101上における当該アイコンの周囲に表示する(ステップS1006)。
【0040】
表示されたアクションの選択肢に対して、ユーザが特定のアクションを選択すると(ステップS1007)、そのアクションがさらなるアクションの選択肢を表示させるものであるか判断される(ステップS1008)。選択されたアクションが、そのようなアクションである場合には、処理をステップ1003に戻し、当該アクションに係る新たな文字列について、前記処理1003〜1006を繰り返す。選択されたアクションが、これ以外のアクションである場合には、そのアクションを実現するための、対応するアプリケーションプログラムが呼び出され、そのプログラムにアイコンに係る文字列の情報が渡されて、当該アクションが実行される(ステップS1009)。以上により、ディスプレイ101上の表示は、そのプログラムによるアクションの実行結果を表示するものに遷移され、本処理は終了する。
【0041】
図11は、多機能情報端末のディスプレイ101における、本実施例に係るアイコンの表示態様を示している。同図(A)は、多機能情報端末においてナビゲーションプログラムを起動して、その誘導ルート上の登録地点Aの詳細情報を表示している状態であり、その詳細情報の表示ダイアログ1101上に、前記アイコンを作成するためのボタン1102が描画されている様子が示されている。ユーがこのボタン1102をタッチすると、
図9で説明したアイコン作成のための処理が開始され、そのコンテキストとして、ナビゲーションプログラムが、その文字列情報のデフォルト値として、当該施設の名称が、それぞれ設定される。
【0042】
同図(B)には、アイコン作成部111において作成されたアイコンが、ディスプレイ101上に整列して描画された状態が示されている。各アイコン1103は、その表示態様として、その背景に前記コンテキストを表す画像と、文字列を表すテキストを備えている。同図(C)は、ユーザがアイコンにタッチしたことにより、その周囲に、対応するアクションに係る選択肢1104が表示された状態を示している。ユーザはアイコンをタッチ、すなわちその指先をアイコンに接触させた状態から、指先を上下左右の何れかにずらす、いわゆるフリックすることによって、その希望するアクションを選択することができる。または、指先をフリックせずにそのまま離すことによって、最も優先度の高いアクション(例えば、音楽再生プログラムのコンテキストにおける音楽再生など)を行わせることができる。もっとも、アイコン並びにそのアクションの表示態様によって、本発明が限定されることはなく、既存の技術を用いた種々の表示方法を採択できる。
【0043】
図12には、各コンテキスト毎に表示されるアクションの選択肢の例を示している。同図(A)は、音楽再生プログラムのコンテキストで登録された、「レディ・ガガ」の文字列に係るアイコンに対するアクションの選択肢を例示している。フリック操作により、ユーザは、「レディ・ガガ」について、「Webで検索する」、「放送から探す」、「映像を探す」、または「消去する」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、音楽再生プログラムを起動して「レディ・ガガ」の楽曲を再生させることができる。ここで、「Webで検索する」のアクションは、設定されたWeb検索エンジンを利用して「レディ・ガガ」についての情報検索を行わせ、「放送から探す」のアクションは、インターネットラジオなどの放送局からそのアーティストに係る楽曲を見つけ出し再生し、「映像を探す」のアクションは、設定された一または複数の動画再生サイトにアクセスして、「レディ・ガガ」に係る動画を見つけ出し再生し、「消去する」のアクションは、当該アイコンをディスプレイ101上から削除する。
【0044】
同図(B)は、映像再生プログラムのコンテキストで登録された、「旅ザル」の文字列に係るアイコンに対するアクションの選択肢を例示している。フリック操作により、ユーザは、「旅ザル」について、「関連する地点を探す」、「関連するコンテンツを探す」、「音楽を探す」、または「消去する」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、映像再生プログラムを起動して「旅ザル」に係る録画済みまたは放送中のコンテンツを再生させることができる。ここで、「関連する地点を探す」のアクションは、ナビゲーションプログラムを起動して、その番組内で取り上げられた場所やお店を検索し、地点登録し、「関連するコンテンツを探す」のアクションは、Web検索エンジンを利用してその番組に関連する映像、テキスト情報その他のコンテンツの情報検索を行わせ、「音楽を探す」のアクションは、その番組の挿入歌を音楽再生プログラムやインターネットラジオなどの放送局から見つけ出し再生する。
【0045】
同図(C)は、ナビゲーションプログラムのコンテキストで登録された、「麺屋武蔵」の文字列に係るアイコンに対するアクションの選択肢を例示している。フリック操作により、ユーザは、「麺屋武蔵」について、「メニュー/開店時間を検索する」、「近くのオススメを探す」、「電話をかける」、または「消去する」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、ナビゲーションプログラムにおいて既に登録してある「麺屋武蔵」に係る店舗を、その目的地として設定することができる。ここで、「メニュー/開店時間を検索する」のアクションは、設定されたWeb検索エンジンを利用して「麺屋武蔵」についての情報検索を行わせ、「近くのオススメを探す」のアクションは、端末に搭載された飲食店の比較評価プログラムを利用して、この飲食店以上の評価を有する店舗を探し、「電話をかける」のアクションは、ナビゲーションプログラムに登録された「麺屋武蔵」に係る店舗情報を利用して、その店舗に電話を掛ける。
【0046】
同図(D)は、アドレス帳プログラムのコンテキストで登録された、「福島太郎」の文字列に係るアイコンに対するアクションの選択肢を例示している。フリック操作により、ユーザは、「福島太郎」について、「SNSを確認」、「メッセージを送る」、「自宅を訪ねる」、または「消去する」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、アドレス帳プログラムを起動して、そこに登録された「福島太郎」に係るエントリーに電話を掛けることができる。ここで、「SNSを確認」のアクションは、登録されているWeb上のSNS(Social Networking Service:個人による情報発信コミュニティ型サービス)サイトに対しそのユーザ「福島太郎」の情報を取得し、「メッセージを送る」のアクションは、メールやSMS(Short Message Service)など登録されたメッセージサービスを利用して、そこに登録されている「福島太郎」宛にメッセージを送信し、「自宅を訪ねる」のアクションは、ナビゲーションプログラムを起動してその誘導目的地を、「福島太郎」で特定される住所に設定する。
【0047】
同図(E)は、ナビゲーションプログラムのコンテキストで登録された、「7ー11」の文字列に係るアイコンに対するアクションの選択肢を例示している。この例では、特定のアクションの選択が、新たなアクションの選択肢を生じさせるものが表されている。Eー1に示すように、フリック操作により、ユーザは、「7ー11」について、「サイト接続」、「駐車可能で絞り込み」、「地域で絞り込み」、または「四倉店」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、ナビゲーションプログラムを起動して、「7ー11」に係る施設についての周辺検索を開始させることができる。ここで、「サイト接続」のアクションは、「7ー11」のWebサイトにアクセスしてその情報を表示させ、「駐車可能で絞り込み」のアクションは、ナビゲーションプログラムにより、駐車設備を備えた「7ー11」の店舗を対象にした周辺検索をさせ、「地域で絞り込み」のアクションは、ナビゲーションプログラムにより、対象地域を選択した上での周辺検索をさせる。
【0048】
また「四倉店」のアクションは、「7ー11四倉店」に対する新たなアクションの選択肢をそのアイコンの周囲に表示させる(Eー2)。このとき好適には、アイコン上のテキスト表記も「7ー11四倉店」に切り替えられる。ユーザは、フリック操作により、「7ー11四倉店」について、「電話をかける」、「情報を見る」、「経由地設定」、「戻る」の各アクションを選択でき、また、フリックせずに指を離すことで、「7ー11四倉店」を目的地としてナビゲーションプログラムによる経路案内を開始させることができる。
【0049】
次に、ユーザの操作履歴が勘案された場合の表示態様について説明する。前述のとおり、アクション表示部112は、コンテキストに対するアクションの選択肢を決定するに際し、操作履歴テーブル117に記憶したユーザの操作履歴を参照する。
図13に、操作履歴が勘案されていない場合のアクションの表示例(同図(A))と、操作履歴が勘案された場合のアクションの表示例(同図(B)および(C))とを比較して示した。
【0050】
同図(A)に示すように、操作履歴が勘案されていない場合(例えば、履歴情報が十分収集できていない、または履歴機能をオフにしているなど)、音楽再生プログラムのコンテキストで生成された「レディ・ガガ」に対して、アクションデータテーブル116内の順位に従い、「Webで検索する」、「放送から探す」、「映像を探す」、「消去する」の各アクションが表示される。これに対し、ユーザが過去の履歴から見て「放送から探す」のアクションに対する選択頻度が低い場合、その選択肢に代えて、他の選択肢である「関連情報を表示」を表示させる(同図(B))。一方、過去の履歴から、「放送から探す」のアクションに対する選択頻度が極めて高い場合には、選択頻度の低い選択肢に代えて、「放送から探す」を補強するアクションである「Pandoraから探す」(ここでPandoraはインターネットラジオ放送局の一つである)を表示する(同図(C))。なお、ユーザの操作履歴を用いた統計的手法による代替選択肢の決定は、ここで示したものに限定されないことを理解されたい。
【0051】
次に、本実施例に係る多機能情報端末のハードウェア構成について説明する。
図14は、多機能情報端末の代表的ハードウェア構成を示すブロック図である。図に示すように、多機能情報端末1400は、CPU1401、主記憶装置であるRAM1402およびROM1403、タッチパネルおよび物理的操作ボタンを含む入力装置1404、ディスプレイおよびスピーカを含む出力装置1405、ハードディスクや半導体メモリによる補助記憶装置1406、コンピュータその他の周辺デバイスと接続するためのI/Oインタフェース1407、インターネットに接続するための無線ネットワークインタフェース1408、GPS衛星と通信するためのGPS受信機1409などを含んで構成される。補助記憶装置1406には、基本ソフトウェアとしてのオペレーティングシステム、実施例に係るアイコン操作制御プログラム、前述した各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータが格納される。タッチパネルや操作ボタンを介したユーザの指示に従って、これらプログラムやデータは、RAM1402に読み出され、CPU1401による制御に従って実行される。アイコン操作制御プログラムで実現されるアイコンは、オペレーティングシステムにより生成される仮想デスクトップ上に配置され、そのアイコンに対する操作は、オペレーティングシステムを介して、他のアプリケーションプログラムやハードウェア構成に橋渡しされ、処理される。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々
の変形・変更が可能である。