(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリウレタン発泡体は、イソシアネート末端プレポリマー100重量部に対してシリコーン系界面活性剤を3〜10重量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
イソシアネート末端プレポリマーを合成する工程C、及び前記イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程Dを含む研磨パッドの製造方法において、
前記工程Cは、イソシアネート成分に脂肪族ジオール及び分子量分布における分子量200〜300の範囲に重量分率のピーク値を有するポリアルキレングリコールAを反応させてプレポリマー前駆体を合成し、その後、プレポリマー前駆体に分子量分布における分子量800〜1200の範囲に重量分率のピーク値を有するポリアルキレングリコールBを反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成する工程であり、
前記工程Dは、前記イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコーン系界面活性剤をイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して3〜10重量部添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程であることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
【背景技術】
【0002】
高度の表面平坦性を要求される材料の代表的なものとしては、半導体集積回路(IC、LSI)を製造するシリコンウエハと呼ばれる単結晶シリコンの円盤があげられる。シリコンウエハは、IC、LSI等の製造工程において、回路形成に使用する各種薄膜の信頼できる半導体接合を形成するために、酸化物層や金属層を積層・形成する各工程において、表面を高精度に平坦に仕上げることが要求される。このような研磨仕上げ工程においては、一般的に研磨パッドはプラテンと呼ばれる回転可能な支持円盤に固着され、半導体ウエハ等の加工物は研磨ヘッドに固着される。そして双方の運動により、プラテンと研磨ヘッドとの間に相対速度を発生させ、さらに砥粒を含む研磨スラリーを研磨パッド上に連続供給することにより、研磨操作が実行される。
【0003】
研磨パッドの研磨特性としては、研磨対象物の平坦性(プラナリティー)及び面内均一性に優れ、研磨速度が大きいことが要求される。研磨対象物の平坦性、面内均一性については研磨層を高弾性率化することによりある程度は改善できる。また、研磨速度については、気泡を含有する発泡体にしてスラリーの保持量を多くすることにより向上できる。
【0004】
上記特性を満たす研磨パッドとして、ポリウレタン発泡体からなる研磨パッドが提案されている(特許文献1、2)。該ポリウレタン発泡体は、イソシアネート末端プレポリマーと鎖延長剤(硬化剤)とを反応させることにより製造されており、イソシアネートプレポリマーの高分子ポリオール成分としては、耐加水分解性、弾性特性、耐摩耗性等の観点から、ポリエーテル(数平均分子量が500〜1600であるポリテトラメチレングリコール)やポリカーボネートが好適な材料として使用されている。
【0005】
しかし、上記研磨パッドは、吸湿又は吸水時に硬度が低下し、それにより平坦化特性が次第に低下するという問題があった。
【0006】
また、吸湿又は吸水時における研磨パッドの硬度低下を抑制するために、研磨パッドの弾性率を高くすると、耐摩耗性が低下して寿命が低下する傾向にある。このように、研磨パッドの硬度低下の抑制と耐摩耗性とを両立させることは困難であった。
【0007】
特許文献3では、耐磨耗性、機械的性質に優れたポリウレタンエラストマー注型品を得るために、イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート、グリコール成分として数平均分子量が500〜4000のポリテトラメチレンエーテルグリコール及び側鎖を有さない低分子量グリコールを用い、これらを反応させて得られるNCO基末端ウレタンプレポリマー(A液)と硬化剤(B液)とを含有する注型用ポリウレタンエラストマー組成物が提案されている。
【0008】
特許文献4では、微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドであって、前記ポリウレタン樹脂発泡体の原料成分である高分子量ポリオール成分は、数平均分子量550〜800の疎水性高分子量ポリオールA及び数平均分子量950〜1300の疎水性高分子量ポリオールBをA/B=10/90〜50/50の重量比で含有することを特徴とする研磨パッドが提案されている。当該研磨パッドは、研磨速度が良好であり、センタースローが発生せず、さらに寿命特性に優れることが記載されている。
【0009】
特許文献5では、無発泡ポリウレタンからなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記無発泡ポリウレタンは、ジイソシアネート、高分子量ポリオール、及び低分子量ポリオールを含むプレポリマー原料組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマー、3つ以上のジイソシアネートが付加することにより多量化したイソシアネート変性体、及び鎖延長剤を含むポリウレタン原料組成物の反応硬化体であり、前記イソシアネート変性体の添加量は、イソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して5〜30重量部であることを特徴とする研磨パッドが提案されている。当該研磨パッドは、研磨対象物の表面にスクラッチを生じさせ難く、かつドレッシング性に優れることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、吸湿環境下において吸水劣化し難く、研磨特性と寿命特性に優れており、かつ研磨速度の大きい研磨パッド及びその製造方法を提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、
前記ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分、高分子量ポリオール、及び脂肪族ジオールを含むプレポリマー原料組成物を反応させて得られるイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤との反応硬化体であり、
前記高分子量ポリオールは、
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールA、及び
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBを含むことを特徴とする研磨パッド、に関する。
【0014】
本発明者は、ポリウレタンの原料である高分子量ポリオールとして、
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールAと
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBとを併用する(つまり、分子量分布に2つの
重量分率のピーク
値があるポリアルキレングリコールを用いる)ことにより、強靭で伸びのあるポリウレタンが得られることを見出した。当該ポリウレタンから形成される研磨パッド(研磨層)は、耐摩耗性に優れているため寿命特性に優れる。
【0015】
ポリアルキレングリコールAの分子量分布
における重量分率のピーク
値が
分子量200〜300の範囲外の場合には、強度(硬度又は破断強度)が過不足となる。強度が高すぎると、ポリウレタン発泡体が堅脆くなり、研磨パッドの寿命が低下する。強度が低すぎると、吸湿環境下において吸水劣化しやすくなり、研磨パッドの研磨特性及び寿命が低下する。また、ポリアルキレングリコールBの分子量分布
における重量分率のピーク
値が
分子量800〜1200の範囲外の場合には、伸び、即ち弾性が過不足となる。伸びが大きすぎると、研磨パッド表面を目立てし難くなるため、表面更新性が悪くなる。伸びが小さすぎると、ポリウレタン発泡体が堅脆くなり、研磨パッドの寿命が低下する。
【0016】
また、プレポリマー原料組成物中に脂肪族ジオールを配合しているため、吸湿又は吸水時においてもポリウレタンの硬度が低下しにくい。そのため、当該ポリウレタンから形成される研磨パッド(研磨層)は、研磨速度(研磨量)が大きく、しかも吸湿環境下において吸水劣化し難いため平坦化特性が低下しにくい。
【0017】
ポリアルキレングリコールAの配合量は、ポリアルキレングリコールB100重量部に対して25〜35重量部であることが好ましい。ポリアルキレングリコールAの配合量が25重量部未満の場合には強度(硬度又は破断強度)が低くなり、前記と同様の不都合が生じる。一方、35重量部を超える場合には弾性過多となり、前記と同様の不都合が生じる。
【0018】
脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオールであることが好ましい。また、脂肪族ジオールの配合量は、プレポリマー原料組成物中に1〜7重量%であることが好ましい。脂肪族ジオールの配合量が1重量%未満の場合には吸湿環境下において吸水劣化しやすくなり、7重量%を超える場合には鎖延長の割合が大きくなるため弾性が過多となる傾向にある。
【0019】
イソシアネート成分は、芳香族ジイソシアネートと、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとを含有することが好ましい。これらを併用することにより、イソシアネート末端プレポリマーと鎖延長剤との反応時において、強度を保ちながら硬化反応速度を制御しやすくなる。
【0020】
ポリウレタン発泡体は、イソシアネート末端プレポリマー100重量部に対してシリコーン系界面活性剤を3〜10重量部含有することが好ましい。シリコーン系界面活性剤を3〜10重量部配合することにより、粘弾性効果によって研磨パッドの面圧変動を抑制して平坦化特性を向上させることができる。また、ポリウレタン発泡体に可塑性を付与することができるため、ポリウレタン発泡体の耐磨耗性が向上する。シリコーン系界面活性剤の配合量が3重量部未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、10重量部を超える場合には、界面活性剤の可塑効果により高硬度のポリウレタン発泡体を得にくい傾向にある。
【0021】
また、ポリウレタン発泡体は、平均気泡径が20〜70μmであり、カットレートが2μm/min以下であることが好ましい。平均気泡径が上記範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の研磨対象物のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。また、カットレートが2μm/minを超える場合には、研磨パッドの寿命が短くなるため好ましくない。
【0022】
また、ポリウレタン発泡体は、吸水時の硬度低下率が20%以下であり、吸水時の破断強度低下率が20%以下であることが好ましい。吸水時の硬度低下率が20%を超えると、研磨パッドの平坦化特性が次第に低下する。吸水時の破断強度低下率が20%を超えると、研磨パッドの寿命特性が著しく悪くなる(寿命が短くなる)と共に研磨速度が次第に低下する。
【0023】
また本発明は、イソシアネート末端プレポリマーを合成する工程C、及び前記イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程Dを含む研磨パッドの製造方法において、
前記工程Cは、イソシアネート成分に脂肪族ジオール及び
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールAを反応させてプレポリマー前駆体を合成し、その後、プレポリマー前駆体に
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBを反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成する工程であり、
前記工程Dは、前記イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコーン系界面活性剤をイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して3〜10重量部添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製した後、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合し、硬化してポリウレタン発泡体を作製する工程であることを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
【0024】
さらに本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の研磨パッドは、強靭で伸びのあるポリウレタンから形成されているため、耐摩耗性に優れており、寿命特性に優れる。また、本発明の研磨パッドは、吸湿又は吸水時においても硬度が低下しにくいポリウレタンから形成されているため、研磨速度が大きく、しかも平坦化特性が低下しにくい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の研磨パッドは、微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する。本発明の研磨パッドは、前記研磨層のみであってもよく、研磨層と他の層(例えばクッション層など)との積層体であってもよい。
【0028】
前記ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分、高分子量ポリオール、及び脂肪族ジオールを含むプレポリマー原料組成物を反応させて得られるイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤との反応硬化体である。
【0029】
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、芳香族ジイソシアネートと、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとを併用することが好ましく、特にトルエンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを併用することが好ましい。
【0030】
高分子量ポリオールとしては、
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールA、及び
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBを用いる。
【0031】
ポリアルキレングリコールAは、
分子量分布における分子量230〜270の範囲に
重量分率のピーク
値を有することが好ましく、ポリアルキレングリコールBは、
分子量分布における分子量950〜1050の範囲に
重量分率のピーク
値を有することが好ましい。
【0032】
ポリアルキレングリコールA及びBとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。
【0033】
ポリアルキレングリコールAの数平均分子量は、ポリウレタンの強度保持の観点から200〜300であることが好ましく、より好ましくは230〜270である。
【0034】
ポリアルキレングリコールBの数平均分子量は、ポリウレタンの粘弾性特性の観点から800〜1200であることが好ましく、より好ましくは950〜1050である。
【0035】
ポリアルキレングリコールAの配合量は、ポリアルキレングリコールB100重量部に対して25〜35重量部であることが好ましく、より好ましくは28〜30重量部である。
【0036】
高分子量ポリオールとして、前記ポリアルキレングリコールA及びBのみを用いることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で他の高分子量ポリオール、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリカーボネートポリオールなどを1種以上併用してもよい。
【0037】
脂肪族ジオールは特に制限されないが、炭素数2〜6の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、特に1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
【0038】
脂肪族ジオールは、プレポリマー原料組成物中に1〜7重量%配合することが好ましく、より好ましくは1〜3重量%である。
【0039】
プレポリマー原料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン、及びアルコールアミンなどを1種以上加えてもよい。
【0040】
低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
アルコールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
イソシアネート末端プレポリマーを作製する際には、NCO Indexが1.7〜2.1になるようにイソシアネート成分、高分子量ポリオール、及び脂肪族ジオール等を配合する。NCO Indexは1.95〜2.05であることが好ましい。
【0044】
イソシアネート末端プレポリマーは、イソシアネート成分に脂肪族ジオール及び
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールAを反応させてプレポリマー前駆体を合成し、その後、プレポリマー前駆体に
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBを反応させて合成する。プレポリマー前駆体は、まずイソシアネート成分に脂肪族ジオールを反応させ、その後、反応したイソシアネート成分に
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールAを反応させて合成することが好ましい。上記合成法を採用することにより、多量化を低減した理論上完全なイソシアネート末端プレポリマーが得られる。つまり、本発明のイソシアネート末端プレポリマーは、
分子量分布における分子量200〜300の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールAからなる主鎖部分と、
分子量分布における分子量800〜1200の範囲に
重量分率のピーク
値を有するポリアルキレングリコールBからなる主鎖部分とを含む。
【0045】
得られたイソシアネート末端プレポリマーには熱安定剤(例えば、トリフェニルフォスファイトなど)を1重量%程度添加しておくことが好ましい。それにより、保存時におけるイソシアネート末端プレポリマーと水分との反応の抑制、及びイソシアネート末端プレポリマーを用いて作製したポリウレタン発泡体に二次的に加わる熱による老化の抑制が可能となる。
【0046】
鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等のポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオール及び低分子量ポリアミンが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
イソシアネート末端プレポリマーと鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得るが、鎖延長剤の活性水素基(水酸基、アミノ基)数に対する前記プレポリマーのイソシアネート基数は、0.8〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
【0048】
ポリウレタン発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
【0049】
なお、イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。
【0050】
前記ポリウレタン発泡体の製造は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分、及び鎖延長剤を含む第2成分を混合して硬化させるものである。
【0051】
ポリウレタン発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。なお、各方法を併用してもよいが、特にポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であるシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、SH−192及びL−5340(東レダウコーニングシリコーン社製)、B8443、B8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。シリコーン系界面活性剤は、イソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して3〜10重量部添加することが好ましく、より好ましくは3〜7.5重量部である。
【0052】
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
【0053】
研磨パッド(研磨層)を構成する微細気泡タイプの熱硬化性ポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコーン系界面活性剤をイソシアネート末端プレポリマー100重量部に対して3〜10重量部添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
【0054】
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0055】
ポリウレタン発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
【0056】
ポリウレタン発泡体において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
【0057】
ポリウレタン発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、発泡反応液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
【0058】
また、ポリウレタン発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン発泡体を得ても良い。
【0059】
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、20〜70μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。平均気泡径がこの範囲から逸脱する場合は、研磨後の研磨対象物のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
【0060】
また、前記ポリウレタン発泡体の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、研磨対象物のプラナリティが低下する傾向にある。一方、1.0を超える場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
【0061】
また、前記ポリウレタン発泡体は、カットレートが2μm/min以下であることが好ましく、より好ましくは1.7μm/min以下である。
【0062】
また、前記ポリウレタン発泡体は、アスカーD硬度が45〜65度であることが好ましく、より好ましくは50〜60度である。アスカーD硬度が45度未満の場合には、研磨対象物のプラナリティが低下し、一方、65度を超える場合は、プラナリティは良好であるが、研磨対象物のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
【0063】
また、前記ポリウレタン発泡体は、吸水時の硬度低下率が20%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下である。
【0064】
また、前記ポリウレタン発泡体は、吸水時の破断強度低下率が20%以下であることが好ましく、より好ましくは14%以下である。
【0065】
本発明の研磨パッド(研磨層)の研磨対象物と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また研磨対象物との吸着による研磨対象物の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
【0066】
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.5〜2.5mmであることが好ましい。
【0067】
本発明の研磨パッドは、前記研磨層とクッションシートとを貼り合わせたものであってもよい。
【0068】
前記クッションシート(クッション層)は、研磨層の特性を補うものである。クッションシートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある研磨対象物を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、研磨対象物全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッションシートの特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッションシートは研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
【0069】
前記クッションシートとしては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
【0070】
研磨層とクッションシートとを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッションシートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
【0071】
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。
【0072】
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、
図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
【0073】
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0075】
[測定、評価方法]
(ポリアルキレングリコールA、B及びCの分子量分布
における重量分率がピーク
値となる分子量の測定)
作製したイソシアネート末端プレポリマーをGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて分子量分布を測定し、得られたチャートから、両末端にイソシアネート基を有するポリアルキレングリコールAの
重量分率がピーク
値となる分子量、両末端にイソシアネート基を有するポリアルキレングリコールBの
重量分率がピーク
値となる分子量、及び両末端にイソシアネート基を有するポリアルキレングリコールCの
重量分率がピーク
値となる分子量を確認した。
【0076】
(ポリアルキレングリコールの数平均分子量の測定)
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:Polymer Laboratories社製、(PLgel、5μm、500Å)、(PLgel、5μm、100Å)、及び(PLgel、5μm、50Å)の3つのカラムを連結して使用
流量:1.0ml/min
濃度:1.0g/l
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
【0077】
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
【0078】
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
【0079】
(硬度の測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
【0080】
(吸水時の硬度低下率の測定)
作製したポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを測定用試料とし、試料を蒸留水に浸積し温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下にて48時間静置した後、試料を取り出して上記と同様の方法で硬度を測定し、硬度低下率を算出した。
【0081】
(引張貯蔵弾性率の測定)
動的粘弾性測定装置(メトラー・トレド社製、DMA861e)を用いて測定した。測定条件は以下のとおりである。
周波数:1.6Hz
昇温速度:2.0℃/min
測定温度範囲:0℃〜90℃
サンプル形状:19.5mm(長さ)×3.0mm(幅)×1.0mm(厚み)
【0082】
(吸水時の破断強度低下率の測定)
JIS K6251(加流ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に準拠して、作製したポリウレタン発泡体を3号ダンベルにて打ち抜いた試料を用いて破断強度を測定した。また、試料を蒸留水に浸積し温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下にて48時間静置した後、試料を取り出して前記と同様の方法で破断強度を測定し、破断強度低下率を算出した。
【0083】
(カットレートの測定)
作製したポリウレタン発泡体シート(φ380mm、厚さ1.25mm)を研磨装置(MAT社製、MAT−BC15)のプラテンに貼り合わせた。ドレッサー(三菱マテリアル社製、スポットタイプ)を用い、強制ドライブ回転数115rpm、プラテン回転数70rpm、ドレス荷重7ポンド、吸水量200ml/min、及びドレス時間1.5hrの条件にてポリウレタン発泡体シートの表面をドレスした。ドレス終了後、ポリウレタン発泡体シートから幅10mm×長さ380mmの短冊状のサンプルを切り出した。該サンプルの中心部から20mmごとに厚さを測定した(片側9点、トータル18点)。そして、ドレスされていない中心部との厚さの差(磨耗量)を各測定位置において算出し、その平均値を算出した。カットレートは下記式により算出される。
カットレート(μm/min)=磨耗量の平均値/(1.5×60)
【0084】
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを1枚につき0.5μm研磨し、このときの時間から算出した。ウエハ100枚目における研磨速度を表1に示す。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm
2、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
【0085】
実施例1
(イソシアネート末端プレポリマーの合成)
反応容器内にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)66.95重量部、及びイソホロンジイソシアネート11.00重量部を入れ、撹拌しながら50℃に温度調整した。その後、反応容器内に1,4−ブタンジオール2.68重量部を加え、反応容器内を75℃に温度調整した。その後、反応容器内の温度を55℃まで低下させ、さらに1,4−ブタンジオール2.68重量部を加え、反応容器内を75℃に温度調整した。その後、反応容器内の温度を55℃まで低下させ、数平均分子量250のポリテトラメチレングリコールA(分子量分布の
重量分率がピーク
値となる分子量:250)10.7重量部を加え、反応容器内を80℃に温度調整して30分間反応させた。その後、反応容器内の温度を55℃まで低下させ、さらに数平均分子量250のポリテトラメチレングリコールA10.7重量部を加え、反応容器内を80℃に温度調整して30分間反応させた。その後、反応容器内の温度を60℃まで低下させ、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコールB(分子量分布の
重量分率がピーク
値となる分子量:1000)73.24重量部を加え、反応容器内を80℃に温度調整し、1時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成した。その後、反応容器内に熱安定剤としてトリフェニルフォスファイト(商品名:アデカスタブTPP)を1.82重量部加えて30分間撹拌した。その後、真空ポンプを用いてイソシアネート末端プレポリマー中に含まれる炭酸ガス及び空気を減圧脱泡した。
【0086】
(研磨パッドの作製)
反応容器に前記イソシアネート末端プレポリマー100重量部、及びシリコーン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8465)3重量部を加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)28.6重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。
約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン発泡体シートを得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.27mmになるまで該シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えたシートとした。このバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行い研磨層を得た。研磨層の溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。更に、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフ処理し、それを前記両面テープにラミ機を使用して貼り合わせた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
【0087】
実施例2
表1の配合を採用した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0088】
比較例1
(イソシアネート末端プレポリマーの合成)
反応容器内に数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコールB(分子量分布の
重量分率がピーク
値となる分子量:1000)77重量部、数平均分子量650のポリテトラメチレングリコールC(分子量分布の
重量分率がピーク
値となる分子量:650)13重量部、ジエチレングリコール10重量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を2時間行った。次に、反応容器内に窒素を導入し、窒素置換した後にトルエンジイソシアネート62重量部、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート10重量部を添加した。反応系内の温度を70℃程度に保持しながら反応が終了するまで撹拌した。その後、減圧脱泡を約2時間行い、イソシアネート末端プレポリマーを得た。
【0089】
(研磨パッドの作製)
反応容器に前記イソシアネート末端プレポリマー100重量部、及びシリコーン系界面活性剤(日本ユニカ社製、L5340)5重量部を加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)28.7重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。その後、実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0090】
比較例2
反応容器内にポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)95.2重量部、イソシアネート変性体として多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300、イソシアヌレートタイプ)4.8重量部、及びシリコーン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8465)3重量部を加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)29.7重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。その後、実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
【0091】
【表1】