【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、データを記憶するストレージアレイと、データを上記ストレージアレイへ入出力するデータ経路を形成し、第1のクロック信号の第1の位相に応答してラッチするように構成されたラッチと、第2のクロック信号の第2の位相に応答してラッチするように構成され、上記ストレージアレイから上記データを出力する出力ラッチを備えるさらなるラッチとを備え、上記第1のクロック信号および上記第2のクロック信号が互いに同期している、上記データを上記ストレージアレイとの間で送信するアクセス回路と、マルチプレクサと、スキャン入力と、スキャンイネーブル入力とを備え、上記マルチプレクサが、上記スキャンイネーブル入力でアサートされたスキャンイネーブル信号に応答して、マスタ・スレーブ・フリップフロップを形成するため一体的に接続された上記ラッチおよび上記さらなるラッチを備えるスキャン経路を形成し、上記スキャンイネーブル信号がアサートされている間に、上記スキャン入力で入力されたスキャンデータが上記ストレージアレイではなく上記マスタ・スレーブ・フリップフロップを通過し、上記出力ラッチによって出力される、メモリを提供する。
【0009】
本発明は、メモリが、データを入力しデータをストレージアレイへ出力する経路を設けるアクセス回路を有すること、および、このアクセス回路が多くの場合にクロック信号の逆位相に応答するラッチを備え、ラッチにクロック供給するクロック信号が互いに同期していることを認識する。本発明は、スキャン機能を提供するために、スキャンされた値がスキャンシーケンスの間に保持される必要があり、この保持はフリップフロップを使用して実行できることをさらに認識する。本発明は、スキャンイネーブル信号によって制御されるマルチプレクサを導入することにより、アクセス回路に既に存在する2個のラッチがスキャン中に必要とされる値を保持することになるフリップフロップを形成するため結合可能であることを認識する。
【0010】
このようにして、メモリの内部にすでに存在する回路がスキャン値を保持するためにスキャン中に再使用可能であり、よって、スキャン機能を効率的に支援する能力があるメモリが非常に少数の付加的なコンポーネントだけを追加することにより製造可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記メモリが、上記第1のクロック信号の上記第1の位相によってトリガされた検知信号に応答して上記ストレージアレイのストレージセルに記憶された値を検知しラッチするセンスアンプ回路を備え、上記ストレージアレイからデータを読み出す読み出し要求を受信するポートと、上記検知された値を出力する上記出力ポートとを備え、上記センスアンプが上記ラッチを備え、上記マルチプレクサがアサートされていない上記スキャンイネーブル信号に応答して上記スキャン入力を上記センスアンプから隔離し、アサートされている上記スキャンイネーブル信号に応答して上記スキャン入力を上記センスアンプに接続するように構成されている。
【0012】
本発明は、メモリの中で読み出し要求を受信するように構成されたポートが、ストレージセルに記憶された値を検知しラッチするセンスアンプ回路を備えることを認識する。よって、いくつかの付加的なコンポーネントと共に、このセンスアンプ回路はフリップフロップの第1のラッチとして使用可能であり、その上、メモリの出力ラッチがフリップフロップの第2のラッチとして使用される。マルチプレクサは、スキャンイネーブル信号がアサートされたとき、スキャン入力をセンスアンプに接続し、スキャンイネーブル信号がアサートされていないとき、スキャン入力をセンスアンプから隔離するため使用される。このようにして、センスアンプは、スキャン機能が使えないとき、通常の方式で記憶された値の検知およびラッチの両方を行うため動作可能であるが、スキャン機能が使えるとき、フリップフロップの中の第1のラッチとしての機能を果たすことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記第1のクロック信号および第2のクロック信号は同じクロック信号を具備する。
【0014】
多くのメモリシステムにおいて、センスアンプおよび出力ラッチは同じクロック信号によってクロック供給されることになるので、一体的に接続されている場合、フリップフロップとして十分に機能することになる。他の実施形態では、第2のクロック信号は第1のクロック信号に対して遅延されることがある。しかし、このようなラッチもまた、2個のクロック信号が同期しているという条件で、フリップフロップを形成するためにうまく結合できる。ラッチが同期していない場合、クロック供給されたラッチ間の時間差は変化することになり、従って、このようなラッチはフリップフロップとして確実に動作できない。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記マルチプレクサは、上記アサートされた検知信号の受信に応答して上記スキャン入力を上記センスアンプ回路から隔離するように配置された少なくとも1個のスイッチを備える。
【0016】
出力ラッチを通るスキャン入力のデータのフラッシュを避けるため、アサートされた検知信号の受信に応答してスキャン入力をセンスアンプから隔離するスイッチが存在する。回路は、このスイッチへの経路に存在する僅かな遅延を有し、その結果、検知信号はスイッチに到達する前にセンスアンプに到達し、このことは、スキャン入力がセンスアンプ回路から隔離される前に、センスアンプ回路が起動されることを可能にすることに注意すべきである。よって、スキャン入力はセンスアンプによって検知されるが、出力ラッチを通るスキャン入力のフラッシュは存在できない。
【0017】
スイッチは多数の方式で形成され得るが、いくつかの実施形態では、スイッチは、検知信号に応答して切り換わるPMOSトランジスタを備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記ストレージセルは、ビット線および相補ビット線をもつビットセルを備え、上記センスアンプが上記ビット線および上記相補ビット線を検知することにより上記ビットセルに記憶されたデータを検知するように構成され、上記マルチプレクサが上記スキャンイネーブル信号に応答して上記スキャン入力および上記スキャン入力の相補値を上記ビット線および上記相補ビット線にそれぞれ送信するように構成されている。
【0019】
ビットセルから形成されたストレージアレイは、多くの場合に、センスアンプを用いて形成され、これらのセンスアンプがラッチを備えるので、これらの回路は、都合のよい形式で本発明の実施形態によってスキャン機能を支援するように修正できる。
【0020】
いくつかの実施形態では、上記ポートが読み出しポートを備え、上記メモリがデータを上記メモリへ書き込む書き込み要求を受信する書き込みポートをさらに備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記書き込みポートが上記書き込みポートで受信された入力データをラッチする入力ラッチを備え、上記入力ラッチが上記出力ラッチにクロック供給する上記第2のクロック信号と同期しないクロック信号によってクロック供給される。
【0022】
多くの2ポート・メモリは同期していない入力クロックおよび出力クロックを有し、よって、フリップフロップを形成するため入力ラッチおよび出力ラッチを結合できない。しかし、この課題は、センスアンプ回路がラッチをさらに備え、そして、このラッチが出力クロックと同期したクロックによってクロック供給されることを認識することにより本発明の実施形態によって取り扱われた。よって、センスアンプ回路は出力ラッチと共にフリップフロップを形成するためにこのラッチを利用し、それにより、スキャン機能をサポート可能である。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記ポートが書き込み要求および読み出し要求の両方を受信するように構成され、上記ポートが、上記ポートと関連付けられ、書き込み要求に応答して入力データをラッチする入力ラッチを備え、上記入力ラッチが上記出力ラッチにクロック供給する上記クロックと同期したクロック信号によってクロック供給される。
【0024】
いくつかのポートは単純に読み出しポートまたは書き込みポートであるが、いくつかのメモリでは、ポートは、書き込み要求および読み出し要求の両方を受信するように構成される。これらのシステムでは、一般に、入力ラッチは出力ラッチにクロック供給する信号と同期した信号によってクロック供給され、よって、これらの2個のラッチがスキャン中にフリップフロップを形成するよう結合可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記メモリが少なくとも1個のさらなるポートを備え、上記ポートおよび上記少なくとも1個のさらなるポートの両方が、書き込み要求および読み出し要求の両方を受信するように構成されたポートを備え、上記ポートのそれぞれが、上記ポートと関連付けられ、書き込み要求に応答して入力データをラッチする入力ラッチと、出力ラッチとを備え、上記入力ラッチが上記出力ラッチにクロック供給する上記クロックと同期したクロックによってクロック供給される。
【0026】
読み出し要求および書き込み要求の両方を支援する多くのポートをもつメモリが存在する可能性がある。これらのメモリはマルチプレクサを用いてスキャン機能を支援するため改造されるのにさらに適している。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記メモリが書き込み要求を受信するポートを備え、上記ポートが上記クロックサイクルの上記第1の位相に応答して上記ストレージアレイへ送信するため受信されたデータ値をラッチする入力ラッチを備え、上記入力ラッチが、上記ラッチと、アサートされている上記スキャンイネーブル信号に応答して上記入力ラッチからの信号を上記出力ラッチへルーティングし、アサートされていない上記スキャンイネーブル信号に応答して上記入力ラッチからの信号を上記ストレージアレイへルーティングする上記マルチプレクサとを備える。
【0028】
いくつかのメモリは、出力ラッチと同期したクロックによってクロック供給される入力ラッチと共に書き込み要求を受信するポートを有する。よって、本発明の実施形態では、これらの2個のラッチは、フリップフロップを形成するためマルチプレクサを使用して結合され、そして、このようにして、スキャン機能を支援するため簡単かつ効果的な方式で改造される。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記入力ラッチおよび上記マルチプレクサは単一のマルチプレクサ・ラッチ回路を構成する。
【0030】
いくつかの実施形態では、マルチプレクサはマルチプレクサ・ラッチを形成するためラッチに統合される。これは、ラッチに先行する簡単なマルチプレクサより実際に多くのデバイスを必要とする別個のコンポーネントとして構成されたマルチプレクサおよびラッチと比較したとき、付加的なマルチプレクサの性能影響をほぼ零に低下させる。
【0031】
いくつかの実施形態では、上記メモリがスキャン入力およびデータ入力を受信するさらなるマルチプレクサを備え、上記さらなるマルチプレクサがアサートされている第2のスキャンイネーブル信号に応答して上記スキャン入力を上記入力ラッチへ出力し、アサートされていない上記第2のイネーブル信号に応答して上記データ入力を上記入力ラッチへ出力するように構成され、上記アクセス回路が上記入力ラッチから上記出力ラッチへのデータ・ライトスルー経路を形成し、上記データがアサートされている上記スキャンイネーブル信号およびアサートされていない上記第2のスキャンイネーブル信号に応答して上記ストレージアレイを通過しない。
【0032】
システムは、有利には、データをメモリのストレージセルの内部に記憶することなくデータをライトスルーできるライトスルー経路を有するようにセットアップできる。このシステムは、スキャン経路の導入がストレージアレイを回避し、簡単にデータをラッチ入力しラッチ出力する経路を生成したことを利用する。よって、この経路は、付加的なマルチプレクサがテストサイクル中に使用可能である他のデータをラッチ通過させるため追加された場合に再使用可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、上記ポートがデータの読み出しおよび書き込みの両方を行うように構成されたポートを備え、上記ストレージアレイが上記ストレージアレイと関連付けられ上記ストレージアレイのセルに記憶された値を検知する少なくとも1個のセンスアンプを備え、上記メモリが読み出し要求に応答して上記少なくとも1個のセンスアンプをアクティブ化するため検知信号を生成するように構成され、上記メモリがアサートされている上記スキャンイネーブル信号に応答して上記検知信号を生成しない。
【0034】
データをスキャンするとき、電力を節約し、そして、回路が本発明の本実施形態において必要とされていないので、検知回路がアクティブ化されない場合に有利であることが判明した。このようにして、スキャンイネーブル信号は検知信号を生成する回路を切るため使用できる。これは、ポートが読み出しおよび書き込みの両方のポートとして構成されている実施形態では、出力ラッチと同期した入力ラッチが存在し、従って、フリップフロップの中の第1のラッチとして使用できるので実現可能である。フリップフロップの一方のラッチとしてセンスアンプ・ラッチの使用を必要とする実施形態では、スキャン中にセンスアンプを明らかにパワーダウンすることは機能しないであろう。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記メモリが少なくとも1個のさらなるポートを備え、上記ポートおよび上記少なくとも1個のさらなるポートが書き込み要求および読み出し要求の両方を受信するように構成されたポートを備え、上記ポートのそれぞれが、上記ポートと関連付けられ書き込み要求に応答して入力データをラッチする入力ラッチと出力ラッチとを備え、上記入力ラッチが上記出力ラッチにクロック供給する上記クロックと同期したクロックによってクロック供給され、上記メモリがアサートされている上記スキャンイネーブル信号に応答して上記少なくとも1個のさらなるポートの上記入力ラッチから上記出力ラッチへ信号をルーティングし、アサートされていない上記スキャンイネーブル信号に応答して上記少なくとも1個のさらなるポートの上記入力ラッチから上記ストレージアレイへ信号をルーティングするように構成されている。
【0036】
同期した数個の読み出し/書き込みポートを備えるメモリは、マルチプレクサ回路を使用してフリップフロップを形成するため入力ラッチおよび出力ラッチを利用することによりスキャン機能を支援するように改造可能である。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記メモリがアサートされている前記スキャンイネーブル信号に応答して上記ストレージアレイをディスエーブル状態にするように構成されている。
【0038】
電力を節約し、かつ、不可欠ではないので、ストレージアレイがスキャン中にディスエーブル状態にされるならば、有利であり、電力を節約する。
【0039】
本発明の第2の態様は、スキャン機能をメモリに設ける方法であって、上記メモリが、データを記憶するストレージアレイと、データを上記ストレージアレイへ入出力するデータ経路を形成し、第1のクロック信号の第1の位相に応答してラッチするように構成されたラッチと、第2のクロック信号の第2の位相に応答してラッチするように構成され、上記ストレージアレイから上記データを出力する出力ラッチを備えるさらなるラッチとを備え、上記第1のクロック信号および上記第2のクロック信号が互いに同期している、上記データを上記ストレージアレイとの間で送信するアクセス回路とを備え、スキャン入力およびデータ入力を有し、スキャンイネーブル信号に応答して上記スキャン入力と上記データ入力との間で選択するマルチプレクサを設けるステップと、上記スキャンイネーブル信号を上記マルチプレクサへ入力するステップと、上記スキャンイネーブル信号に応答して、マスタ・スレーブ・フリップフロップを形成するため一体的に接続された上記ラッチおよび上記さらなるラッチを備えるスキャン経路を形成するステップと、上記スキャン入力でスキャンデータを入力し上記入力されたスキャンデータを上記ストレージアレイではなく上記マスタ・スレーブ・フリップフロップを介して送信するステップと、を備える方法を提供する。
【0040】
本発明の第3の態様は、データを記憶するストレージアレイ手段と、データを上記ストレージアレイ手段へ入出力するデータ経路を形成し、第1のクロック信号の第1の位相に応答してラッチするラッチ手段と、上記ストレージアレイ手段から上記データを出力する出力ラッチ手段を備え、第2のクロック信号の第2の位相に応答してラッチするさらなるラッチ手段とを備え、上記第1のクロック信号および上記第2のクロック信号が互いに同期している、上記データを上記ストレージアレイ手段との間で送信するアクセス手段と、多重化手段と、スキャン入力手段と、スキャンイネーブル入力手段とを備え、上記多重化手段が、上記スキャンイネーブル入力でアサートされたスキャンイネーブル信号に応答して、マスタ・スレーブ・フリップフロップ手段を形成するため一体的に接続された上記ラッチ手段および上記さらなるラッチ手段を備えるスキャン経路を形成し、上記スキャンイネーブル信号がアサートされている間に、上記スキャン入力で入力されたスキャンデータが上記ストレージアレイではなく上記マスタ・スレーブ・フリップフロップを通過し、上記出力ラッチ手段によって出力される、データ記憶手段を提供する。
【0041】
発明の上記および他の目的と特徴と利点とは、添付図面と併せて読まれるべき例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかである。