(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
畳み込みや巻き取りによって収納状態とされ、車体と天井部内装材との間の収納空間内に取付支持されて、チャンバ内に導入されるインフレータガスによって該収納空間から車室内へ展開膨張するカーテンエアバッグと、
上記収納空間内で該チャンバから導入されるインフレータガスで膨張して該カーテンエアバッグを上記天井部内装材側へ向かって押圧するアシストバッグとを備えた車両用カーテンエアバッグ装置であって、
該アシストバッグは、上記カーテンエアバッグから一体的に突出形成され、該カーテンエアバッグの上記チャンバと連通される膨張用チャンバを有し、
該アシストバッグは、収納状態の上記カーテンエアバッグに対し、車体側から重ね合わせることで隣接配置され、さらに、上記膨張用チャンバがカーテンエアバッグの長さ方向に沿う折れ線を含むように折り返され、かつ折り返した少なくとも一部分が上記カーテンエアバッグに接合されて中空筒状に膨張する形態であることを特徴とする車両用カーテンエアバッグ装置。
前記カーテンエアバッグは、前記チャンバの上部に配置され、インフレータガスを該チャンバへ案内するダクト部を備え、上記膨張用チャンバは、上記ダクト部を挟んで、上記チャンバとは反対側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
前記カーテンエアバッグには、前記車体に取付支持するための取付タブを設け、前記アシストバッグを、上記取付タブの車体側に位置させたことを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
前記カーテンエアバッグには、前記車体に取付支持するための取付タブを設け、前記アシストバッグを、上記取付タブの車内側に位置させたことを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
前記アシストバッグの前記膨張用チャンバは、前記取付タブの取付部位を避けた位置に設定することを特徴とする請求項4または5に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
前記アシストバッグには、非膨張部が設定され、前記取付タブは上記非膨張部に接合されていることを特徴とする請求項4〜6いずれかの項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置は
図1に示すように、車体1とヘッドライニングやルーフライニングなどの天井部内装材2との間の隙間を収納空間3として、この収納空間3内部に車室4から隠蔽して収納される。
【0018】
カーテンエアバッグ5は、畳み込まれたりあるいは巻き取られることで、収納状態とされる。カーテンエアバッグ5には、車体1に取付支持するための周知の取付タブ6が設けられる。取付タブ6には、ボルトやリベットなどの留め具7を挿通する取付部位として、穴部6aが形成される(
図2等参照)。穴部6aに挿通した留め具7を車体1に固定することで、カーテンエアバッグ5は、収納空間3内部で、車体1に取付支持される。
【0019】
収納空間3を隠蔽する天井部内装材2の下縁部は、ピラーガーニッシュなどの側部内装材8の上縁部に、車室4内へ向かって離脱可能に係止される。天井部内装材2は、収納空間3内部から車室4側へ向かって押されると、下縁部が側部内装材8から離脱し、この離脱により、収納空間3が車室4内へ向けて開放される(
図5参照)。
【0020】
図2から
図4には、カーテンエアバッグ5を収納状態にセットするまでの手順が示されている。
図2(A)は、後述するアシストバッグ9を含めて、カーテンエアバッグ5を形成する表裏二枚の基布10a,10bを接合する段階を示す正面図、
図2(B)は、
図2(A)中、D−D線矢視断面図、
図2(C)は、
図2(A)中、E−E線矢視断面図である。
図3(A)は、アシストバッグ9の膨張用チャンバ11を断面O字形状に形成した段階を示す正面図、
図3(B)は、
図3(A)中、F−F線矢視断面図、
図3(C)は、
図3(A)中、G−G線矢視断面図である。
図4(A)は、収納状態のカーテンエアバッグ5にアシストバッグ9を隣接配置した段階を示す正面図、
図4(B)は、
図4(A)中、H−H線矢視断面図、
図4(C)は、
図4(A)中、I−I線矢視断面図である。
【0021】
カーテンエアバッグ5は
図2から
図4に示すように、表裏二枚の基布10a,10bを重ね合わせ、基布10a,10b同士を、おおよそそれらの外周縁に沿う環状接合部S1で取り囲んで接合することにより袋状とされ、内部にチャンバ12が形成される。本実施形態にあっては、各基布10a,10bには同じ位置に、上縁部から上方へ突出する複数の上向き突出部10cと、一側縁部上部から側方へ突出する1つの横向き突出部10dが形成される。
【0022】
これら上向き突出部10c及び横向き突出部10cは、基布10a,10bに一体的に形成される。上向き突出部10cにより、アシストバッグ9が形成され、横向き突出部10dにより、ダクト部13が形成される。カーテンエアバッグ5が展開膨張するとき、一方の基布(以下、車室側基布という)10aは天井部内装材2や車室4側に面し、他方の基布(以下、車体側基布という)10bは窓部や側部内装材8など車体1側に面する(
図5参照)。
【0023】
表裏二枚の横向き突出部10dは、環状接合部S1と一連に連なる上下一対の線状接合部S2,S3で接合してスリーブ状とすることで、チャンバ12に連通するダクト部13を形成する。ダクト部13は、インフレータで発生するインフレータガスをチャンバ12内に導入する。
【0024】
基布10a,10bの上縁部には、長さ方向に沿って適宜位置に、上述した取付タブ6が複数配設される。取付タブ6は、車室側基布10aに重ね合わされ、上端がカーテンエアバッグ5の上端縁よりも上方へ迫り出すようにして、下端が車室側基布10aに縫製T1などにより接合される。
【0025】
各基布10a,10bに形成する上向き突出部10cは、車体1のBピラー位置及びCピラー位置の2箇所に設定される。取付タブ6は、車室側基布10aに接合されていて、上向き突出部10cは、取付タブ6の車体1側に位置される。上向き突出部10cは、取付タブ6の取付位置を避けて設けても良いことはもちろんである。
【0026】
表裏二枚の上向き突出部10cは、環状接合部S1と一連に連なる延設接合部S4で取り囲んで接合することにより袋状とされ、内部に膨張用チャンバ11が形成される。これにより、カーテンエアバッグ5には、当該カーテンエアバッグ5の上端縁から一体的に突出させてアシストバッグ9が形成される。
【0027】
本実施形態では、延設接合部S4は、基布10a,10bの上端縁に沿う環状接合部S1から上向き突出部10cの上端縁までの間で折り返すU字状の輪郭を有するように形成され、膨張用チャンバ11は、上方に向かって細長いチューブ状に形成される。膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5の上端縁で、チャンバ12と連通する。また、膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5が展開膨張し始めるのとほぼ同時に、チャンバ12からインフレータガスが流入するように、ダクト部13位置に近いカーテンエアバッグ5上端縁でチャンバ12と連通される。
【0028】
図示例にあっては、延設接合部S4は、Bピラー位置の上向き突出部10cに3つ、Cピラー位置の上向き突出部10cに2つ形成されて、5つの膨張用チャンバ11を形成している。上向き突出部10cが取付タブ6の車体1側に位置されることから、上向き突出部10cで形成するアシストバッグ9も、取付タブ6の車体1側に位置する。膨張用チャンバ11は、取付タブ6の取付部位である穴部6aを避けた位置に設定される。膨張用チャンバ11は、穴部6aを避けることなく、設定しても良いことはもちろんである。
【0029】
カーテンエアバッグ5及びアシストバッグ9を形成する接合部S1〜S4は、ダクト部13を形成する上線状接合部S2及び膨張用チャンバ11を形成する延設接合部S4が、基布10a,10bの上端縁に沿う環状接合部S1によって次々に接続されると共に、この環状接合部S1が、基布10a,10bの外周縁に沿って周回して、ダクト部13を形成する下線状接合部S3と接続されることで、一繋がりの形態に設定される。
【0030】
この接合部S1〜S4内を様々に仕切る追加の接合部を設定しても良いことはもちろんである。接合部S1〜S4は、縫製や融着、接着、織りなど、各種の接合方法によって形成される。
【0031】
カーテンエアバッグ5は、ダクト部13からチャンバ12内に導入されるインフレータガスによって展開膨張し、アシストバッグ9は、チャンバ12から膨張用チャンバ11内に導入されるインフレータガスによって膨張する。
【0032】
アシストバッグ9はさらに、
図2に示した平坦な状態から、
図3に示すように、折り返されてカーテンエアバッグ5の車体側基布10bに接合される。そしてさらに、アシストバッグ9は
図4に示すように、収納状態のカーテンエアバッグ5に対し、車体1側から被せるように重ね合わせることで、隣接配置される。これらの図中、チャンバ12及び膨張用チャンバ11をそれぞれ、梨地X,Yで示している。
【0033】
図3に示すように、上向き突出部10cによって形成したアシストバッグ9を、取付タブ6とは反対側の車体1側へ向かってU字形状に折り返す。従って、チューブ状の膨張用チャンバ11もU字形状の形態となる。折り返したアシストバッグ9の少なくとも一部分がカーテンエアバッグ5に接合される。図示例では、折り返したアシストバッグ9の先端部分、すなわち元々はアシストバッグ9の上端縁であって、折り返しによって下端縁となった部分を、車体側基布10bの上端縁もしくはその周辺に、縫製T2などにより接合する。
【0034】
この接合により、アシストバッグ9は、中空筒状、言い換えれば「輪」のような形態となる。これに伴い、膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5の長さ方向に沿う折れ線Qを含むように折り返され、これによりカーテンエアバッグ5の長さ方向に対し、すなわちカーテンエアバッグ5の長さ方向から見て、断面O字形状に形成される。これにより、アシストバッグ9が完成される。
【0035】
図4に示すように、カーテンエアバッグ5は、例えば巻き取ることで、収納状態とされる。カーテンエアバッグ5は、車体側基布10bを内側にし、車室側基布10aを外側にして、あるいはその反対の向きで、下端縁から上端縁に向かって巻き取られる。カーテンエアバッグ5の収納状態では、巻き取り終端であるカーテンエアバッグ5の上端縁には、取付タブ6及びアシストバッグ9が露出する。
【0036】
アシストバッグ9は
図1にも示すように、車室4側、具体的には天井部内装材2に面する取付タブ6と反対側で、カーテンエアバッグ5の上に重ね合わせて隣接配置される。収納状態のカーテンエアバッグ5を取付タブ6で車体1に取付支持したとき、アシストバッグ9はカーテンエアバッグ5と車体1との間に挟み込んで配置される。
【0037】
次に、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の作用について説明する。インフレータが作動してインフレータガスがダクト部13を介してチャンバ12に導入されると、カーテンエアバッグ5は、収納空間3内部で、展開膨張し始める。カーテンエアバッグ5が膨らみ始めるのとほぼ同時に、チャンバ12内のインフレータガスは、アシストバッグ9の膨張用チャンバ11に流入する。
【0038】
細長いチューブ状であって断面O字形状の膨張用チャンバ11は、導入されるインフレータガスで瞬時に膨張を完了する。膨張を完了した膨張用チャンバ11により、アシストバッグ9は収納空間3内で、「輪」となって中空筒状に膨らみ切り、これにより展開しつつ膨らみ始めているカーテンエアバッグ5を車体1側から天井部内装材2に向かって押圧する。
【0039】
アシストバッグ9で押されるカーテンエアバッグ5は、それ自体の膨張も相俟って、天井部内装材2を車室4側へ押し、押された天井部内装材2は、側部内装材8から車室4内へ向かって離脱する。天井部内装材2が側部内装材8から離脱すると、収納空間3が車室4内へ開放され、
図5及び
図6に示すように、導入されるインフレータガスで継続的に展開膨張を継続しているカーテンエアバッグ5は、収納空間3から車室4内へ飛び出し、窓部や側部内装材8とシートに着座している乗員との間で膨張展開して、乗員を保護する。
【0040】
本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置にあっては、収納空間3を開放するためにカーテンエアバッグ5を押圧するアシストバッグ9は、断面O字形状の膨張用チャンバ11を備えて中空筒状に膨張する形態であるので、全体が膨らみ切るまでに必要なガス量が少なく、そしてまた短時間で膨張を完了することができる。
【0041】
従って、アシストバッグ9を備える場合であっても、小型・小容量のインフレータを採用することができる。また、少ないガス量で瞬時に収納空間3を開放することができるので、カーテンエアバッグ5を素早く車室4内に展開膨張させることができる。
【0042】
特に、アシストバッグ9は中空筒状であって、背景技術のガイドエアバッグのように袋状ではないので、同じガス量であれば、膨らみ度合(車室4内へ向かう広がり寸法)を大きくすることができ、カーテンエアバッグ5や天井部内装材2を押す作用を増強することができ、収納空間3を短時間で広く開放することができる。
【0043】
また、カーテンエアバッグ5を押す作用を増強できるので、カーテンエアバッグ5を収納位置(車体1側取付支持位置)から適切に車室4内方へ寄せて展開させることができ、カーテンエアバッグ5の展開膨張位置の調整を自在に調整することができる。
【0044】
以上説明したように本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、少ないガス量で瞬時に膨らみ切る(膨張を完了する)ことができ、迅速に収納空間3を押し開いてカーテンエアバッグ5が飛び出すことができ、加えて、カーテンエアバッグ5を収納位置から車室4内方へ寄せて展開膨張させる場合にも、収納空間3を押し開く十分なストロークを容易に確保することができる。
【0045】
また、本実施形態では、膨張用チャンバ11をダクト部13に近い位置に形成したので、インフレータガスのチャンバ12への導入初期に瞬時にかつ円滑にアシストバッグ9を作動することができる。チューブ状の膨張用チャンバ11であるので、アシストバッグ9を、少ないガス量でしっかりと硬く膨張させることができ、適切にカーテンエアバッグ5を押圧することができる。
【0046】
アシストバッグ9は、カーテンエアバッグ5に一体的に形成したので、生産性を向上することができる。アシストバッグ9の膨張用チャンバ11をU字形状の折り返しにより断面O字形状とし、折り返し先端部分をカーテンエアバッグ5へ接合するので、中空筒状に膨張するアシストバッグ9を簡単に形成することができる。
【0047】
アシストバッグ9を、取付タブ6の車体1側に位置させたので、カーテンエアバッグ5の車体1側取付位置を支点として、カーテンエアバッグ5をアシストバッグ9で天井部内装材2へ向かって押すことができ、アシストバッグ9の押圧力を無駄なく的確にカーテンエアバッグ5に伝達することができ、収納空間3を確実に開放することができる。
【0048】
膨張用チャンバ11を、取付タブ6の穴部6a位置を避けて設定したので、アシストバッグ9の膨張によって取付タブ6が車体1から脱落してしまうことを防止することができる。
【0049】
アシストバッグ9は、基布10a,10bに形成する上向き突出部10cと、環状接合部S1に連なる延設接合部S4と、U字形状への折り曲げと、先端部分のカーテンエアバッグ5への接合だけで構成することができ、簡単な構造であって、容易な工程でカーテンエアバッグ5に備えることができる。
【0050】
図7及び
図8には、上記実施形態の変形例が示されている。上記実施形態では、膨張用チャンバ11を、取付タブ6の穴部6aを避けて設定するようにしたが、膨張用チャンバ11は、穴部6aを避けることなく、設定するようにしても良い。このようにすれば、カーテンエアバッグ5を押す範囲を拡張することができて、天井部内装材2を強く押圧して、さらに円滑に収納空間3を開放することができる。このような実施形態にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0051】
図9〜
図12には、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第2実施形態が示されている。
図9から
図12には、上記実施形態と同様に、カーテンエアバッグ5を収納状態にセットするまでの手順が示されている。
【0052】
図9は、アシストバッグ9を含めて、カーテンエアバッグ5を形成する表裏二枚の基布10a,10bを接合した段階を示す正面図である。
図10(A)は、
図9中、K−K線矢視断面図、
図10(B)は、
図9中、L−L線矢視断面図である。
図11(A)は、アシストバッグ9を折り返した段階を示す、
図9中K−K線矢視断面図、
図11(B)は、アシストバッグ9を折り返した段階を示す、
図9中L−L線矢視断面図である。
図12(A)〜(D)は、カーテンエアバッグ5及びアシストバッグ9を収納状態にする過程を示す説明図である。
【0053】
第2実施形態のカーテンエアバッグ5は、表裏二枚の基布10a,10bを重ね合わせて接合する際に、所定形状の接合領域を設定することで、非膨張領域Mを有する袋状とされ、内部にチャンバ12が形成される。
【0054】
カーテンエアバッグ5には、この非膨張領域Mにより、チャンバ12の上部にダクト部20が配置される(
図10及び
図11中、梨地Zで示す)。ダクト部20は、収納状態のカーテンエアバッグ5がインフレータガスで下方へ向かって展開していく初期段階で、カーテンエアバッグ5の上部に長さ方向に沿うスリーブ状の形態で現れ、インフレータガスをチャンバ12内に案内する機能を発揮する。本実施形態でも、各基布10a,10bには同じ位置に、上縁部から上方へ突出する上向き突出部10cと、一側縁部上部から側方へ突出する1つの横向き突出部10dが形成される。
【0055】
これら上向き突出部10c及び横向き突出部10cは、基布10a,10bに一体的に形成される。上向き突出部10cにより、アシストバッグ9が形成され、横向き突出部10dにより、インフレータ21を装着するインフレータ装着部13が形成される。カーテンエアバッグ5が展開膨張するとき、車室側基布10aは天井部内装材2や車室4側に面し、車体側基布10bは窓部や側部内装材8など車体1側に面する。
【0056】
表裏二枚の横向き突出部10dは、環状接合部S1と一連に連なる上下一対の線状接合部S2,S3で接合してスリーブ状とすることで、ダクト部20を介して、チャンバ12に連通するインフレータ装着部13を形成する。インフレータ装着部13は、インフレータ21で発生するインフレータガスをダクト部20及びチャンバ12内に導入する。
【0057】
基布10a,10bの上縁部には、長さ方向に沿って適宜位置に取付タブ22が複数配設される。第2実施形態では、取付タブ22は
図10(A)、
図11(A)、並びに
図12に示すように、U字状に折り返した二枚重ねとされる。各取付タブ22には、これに挟み込んで、ブラケット23が設けられる。ブラケット23は、プレート状であって、車体1に取付ボルトなどの留め具7で固定される。さらに、取付タブ22には、包み込み用の柔軟な素材の包囲部材24が重ね合わせて設けられる。
【0058】
ブラケット23には、2つの孔部25,26が設けられる。一方の孔部は、取付タブ22を挿通するタブ挿通孔部25である。他方の孔部は、留め具7を挿通する留め具用孔部26である。取付タブ22は、ブラケット23のタブ挿通孔部25に挿通され、さらに、留め具用孔部26が露出するように折り返され、これにより取付タブ22にブラケット23が装着される。したがって、取付タブ22は、ブラケット23を介して車体1に取付支持される。
【0059】
包囲部材24には、後述するようにカーテンエアバッグ5の収納状態やアシストバッグ9の折り返し状態を保持するための係止穴27が設けられる。係止穴27は、破断可能な包囲部材24が破断することにより、係止作用が解除される。
【0060】
取付タブ22と包囲部材24は、係止穴27が露出するように、縫製などで2箇所で接合される。2つの接合箇所のうち、包囲部材24の係止穴27及びブラケット23のタブ挿通孔部25のほぼ中間の第1接合箇所T10では、
図11に示すように、膨張用チャンバ11とダクト部20との接続部分を除いて、取付タブ22、包囲部材24、カーテンエアバッグ5、並びに、折り返したアシストバッグ9の非膨張部Pの先端部分の4つの部材(部位)が一括して接合される。これにより、カーテンエアバッグ5に、取付タブ22、ブラケット23及び包囲部材24が取付支持される。タブ挿通孔部25に近い第2接合箇所T11では、取付タブ22と包囲部材24が接合される。これにより、取付タブ22、包囲部材24及びブラケット23の三者が相互にしっかりと取り付けられる。
【0061】
各基布10a,10bに形成する上向き突出部10cは、車体1のBピラー位置に設定される。取付タブ22は、車室側基布10aに接合されていて、上向き突出部10cは、カーテンエアバッグ5の展開状態では、取付タブ22の車体1側に位置される。
【0062】
表裏二枚の上向き突出部10cは、これらを一体的に接合することで非膨張部Pが設定され、この非膨張部Pで取り囲むことで、袋状の膨張用チャンバ11が形成される。これにより、カーテンエアバッグ5には、当該カーテンエアバッグ5の上端縁から一体的に突出させてアシストバッグ9が形成される。非膨張部Pは、取付タブ22の配設位置に設定され、したがって、取付タブ22は
図10(A)に示すように、アシストバッグ9の非膨張部Pに接合される。膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5のチャンバ12上部のダクト部20を挟んで、当該チャンバ12とは反対側に配設される。
【0063】
本実施形態では、非膨張部Pは、基布10a,10bの上端縁に沿う環状接合部S1から上向き突出部10cの上端縁までの間で折り返すU字状の輪郭を有するように形成され、膨張用チャンバ11は、ダクト部20から上方に向かって細長いチューブ状に形成される。膨張用チャンバ11は、長手方向がカーテンエアバッグ5の上下方向となるように形成され、1つの上向き突出部10cの中に複数設けられる。好ましくは、膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5の横方向(左右長手方向)に対して、上向き突出部10cの両端部付近に、少なくとも1つずつ、少なくとも2つ設けられる。膨張用チャンバ11は、カーテンエアバッグ5の上端縁で、ダクト部20と連通する。したがって、膨張用チャンバ11には、カーテンエアバッグ5が展開膨張し始めるよりも早く、ダクト部20からインフレータガスが流入する。
【0064】
図示例にあっては、非膨張部Pにより、上向き突出部10cの横方向両端部付近と中央部付近に、3つの膨張用チャンバ11を形成している。アシストバッグ9は、カーテンエアバッグ5の展開膨張完了状態では、チャンバ12に対して、車体1側に位置する。カーテンエアバッグ5の展開膨張完了状態では、車体1の形状によっては、上向き突出部10cが取付タブ22の車体1側に位置されることがあり、その場合は、上向き突出部10cで形成するアシストバッグ9も、取付タブ6の車体1側に位置する。
【0065】
カーテンエアバッグ5を形成する接合部S1〜S3は、インフレータ装着部13を形成する上線状接合部S2が、基布10a,10bの上端縁に沿う環状接合部S1と接続されると共に、この環状接合部S1が、基布10a,10bの外周縁に沿って周回して、インフレータ装着部13を形成する下線状接合部S3と接続されることで、一繋がりの形態に設定される。
【0066】
この接合部S1〜S3内を様々に仕切る追加の接合部を設定しても良いことはもちろんである。接合部S1〜S3や非膨張部は、縫製や融着、接着、織りなど、各種の接合方法によって形成される。
【0067】
カーテンエアバッグ5は、インフレータ装着部13からダクト部20を介してチャンバ12内に導入されるインフレータガスによって展開膨張し、アシストバッグ9は、ダクト部20から膨張用チャンバ11内に導入されるインフレータガスによって膨張する。
【0068】
アシストバッグ9はさらに、
図10に示した平坦な状態から、
図11に示すように、カーテンエアバッグ5の車体側基布10b側へ、単に二つ折りに折り返される。このとき、アシストバッグ9の上端縁部は、カーテンエアバッグ5上方に位置する環状接合部S1の延長線上方付近で、膨張用チャンバ11部分を除き、カーテンエアバッグ5に、縫製などによる第1接合箇所T10で接合される。そしてさらに、アシストバッグ9は
図12に示すように、収納状態のカーテンエアバッグ5に対し、車室4側から被せるように重ね合わせられ、その後、包囲部材24の係止穴27をブラケット23に係止することで、折り返し状態が保持される。これにより、アシストバッグ9は、カーテンエアバッグ5に隣接配置される。これらの図中、チャンバ12、ダクト部20及び膨張用チャンバ11をそれぞれ、梨地X,Y,Zで示している。
【0069】
アシストバッグ9を含むカーテンエアバッグ5の収納操作について詳細に説明すると、
図12(A)に示すように、カーテンエアバッグ5を畳み込みや巻き取りによって収納状態とする。カーテンエアバッグ5を収納するときは、取付タブ22やブラケット23を挟んで、包囲部材24の反対側で巻き取り等を行う。カーテンエアバッグ5は、車体側基布10bを内側にし、車室側基布10aを外側にして、あるいはその反対の向きで、下端縁から上端縁に向かって巻き取られる。カーテンエアバッグ5の収納状態では、巻き取り終端であるカーテンエアバッグ5の上端縁には、取付タブ22、ブラケット23、包囲部材24及びアシストバッグ9が露出する。
【0070】
次に、
図12(B)に示すように、収納状態のカーテンエアバッグ5に対し、二つ折りされているアシストバッグ9を被せる。アシストバッグ9は、チューブ状の膨張用チャンバ11がU字形状となっている。
【0071】
図12(C)は、
図12(B)の状態を180°時計回りに回して、ブラケット23でカーテンエアバッグ5等を吊り下げることを可能にした状態の配置図である。図示から理解されるように、アシストバッグ9は、取付タブ22との位置関係において、取付タブ22よりも車室4側に位置される。
【0072】
図12(D)に示すように、包囲部材24をアシストバッグ9の下方側から巻き付け、ブラケット23を包囲部材24の係止穴27に挿通する。そしてさらに、係止穴27に挿通したブラケット23を引き込んで、係止穴27に取付タブ22まで引き込むようにする。これにより、包囲部材24が、アシストバッグ9の折り返し状態を保持しつつ、収納状態のカーテンエアバッグ5を包み込む。その後、ブラケット23の留め具用孔部に挿通した留め具7で、車体1への取付が行われる。
【0073】
次に、第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の作用について説明する。インフレータ21が作動すると、インフレータガスがインフレータ装着部13を介してダクト部20に導入され、まずダクト部20が膨張する。ダクト部20の膨張とほぼ同時に、インフレータガスがダクト部20から膨張用チャンバ11へ流入して、膨張用チャンバ11が展開膨張し始める。
【0074】
細長いチューブ状で二つ折りされた膨張用チャンバ11は、導入されるインフレータガスで瞬時に膨張を完了する。このとき、二つ折りのアシストバッグ9が膨張を始め、既に膨張しているダクト部20と共に、包囲部材24を係止穴27付近で破断する。包囲部材24が破断されて係止作用が解除されると、包囲部材24による保持作用が失われる。アシストバッグ9は、インフレータガスが流入して展開しつつ膨らみ始めているカーテンエアバッグ5を、車室4側へ押し出すように押圧する。
【0075】
その後は、上記実施形態と同様に、カーテンエアバッグ5は、アシストバッグ9の膨らみも相俟って、天井部内装材2を車室4側へ押し、押された天井部内装材2は、側部内装材8から車室4内へ向かって離脱する。天井部内装材2が側部内装材8から離脱すると、収納空間3が車室4内へ開放され、上記の
図5及び
図6に示すように、導入されるインフレータガスで継続的に展開膨張を継続しているカーテンエアバッグ5は、収納空間3から車室4内へ飛び出し、窓部や側部内装材8とシートに着座している乗員との間で膨張展開して、乗員を保護する。
【0076】
このような第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
【0077】
第2実施形態でも、アシストバッグ9は、第1実施形態のように、折り返した少なくとも一部分をカーテンエアバッグ5に接合する。包囲部材24により折り返し状態を保持するので、簡単な作業でアシストバッグ9をセットすることができる。
【0078】
カーテンエアバッグ5が、チャンバ12の上部に配置され、インフレータガスをチャンバ12へ案内するダクト部20を備え、膨張用チャンバ11は、ダクト部20を挟んで、チャンバ12とは反対側に配設されるので、ダクト部20により膨張用チャンバ11へスムーズにかつ瞬時にインフレータガスを導入することができ、包囲部材24による保持作用を円滑に解除することができる。
【0079】
カーテンエアバッグ5には、車体1に取付支持するための取付タブ22を設け、アシストバッグ9を、取付タブ22の車室4側に位置させたので、アシストバッグ9の押圧作用により円滑に収納空間3を開放することができる。
【0080】
アシストバッグ9には、非膨張部Pが設定され、取付タブ22は非膨張部Pに接合されているので、取付タブ22にアシストバッグ9の押圧力が作用することはなく、カーテンエアバッグ4の車体1への取付支持を適切に維持することができる。
【0081】
以上に述べた車両用カーテンエアバッグ装置は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施形態例も、各種の方法で実施または遂行できる。例えば、実施形態では、ガスダクトは、カーテンエアバッグの車両前後方向の端縁部に設けられているが、その中間部分に設けられていても良い。特に、本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさおよび構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。