(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、統合失調症、神経性疾患、パーキンソン病、神経変性性障害、アルツハイマー病、てんかん、片頭痛、高血圧症、薬物乱用、代謝性障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害ならびに心臓血管障害の処置に使用するための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物ならびに薬学的に許容可能な担体及び/又は補助剤を含む医薬組成物。
うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、統合失調症、神経性疾患、パーキンソン病、神経変性性障害、アルツハイマー病、てんかん、片頭痛、高血圧症、薬物乱用、代謝性障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害ならびに心臓血管障害の処置において治療有効成分として使用するための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、統合失調症、神経性疾患、パーキンソン病、神経変性性障害、アルツハイマー病、てんかん、片頭痛、高血圧症、薬物乱用、代謝性障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害ならびに心臓血管障害の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を調製するための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、式
【化1】
(式中、
R
1は水素又は低級アルキルであり、
R
2は、水素であるか、場合によっては一つ以上のハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルによって置換されているヘテロアリールであり、
R
3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルであり、
R
4は水素又は低級アルキルであり、
【化2】
はフェニル又はピリジニルであり、N原子は様々な位置にあってもよく、
Xは結合又は−CH(CF
3)−であり、
Arは、場合によっては一つ以上のR
3によって置換されているアリール又はヘテロアリールである)
の化合物又は薬学的に適切なその酸付加塩に関する。
【0002】
本発明は、すべてのラセミ混合物、それらの対応するすべてのエナンチオマー及び/又は光学異性体を含む。加えて、式Iの化合物のすべての互変異性形態が本発明によって包含される。
【0003】
今、式Iの化合物が、微量アミン関連受容体(TAAR)、特にTAAR1への良好な親和性を有するということがわかった。これらの化合物は、うつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神障害、たとえば統合失調症、神経性疾患、たとえばパーキンソン病、神経変性性障害、たとえばアルツハイマー病、てんかん、片頭痛、高血圧症、薬物乱用ならびに代謝性障害、たとえば摂食障害、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害ならびに心臓血管障害の処置に使用することができる。
【0004】
アドレナリン受容体に結合し得る化合物に関して報告されている(WO02/076950、WO97/12874又はEP0717037)生理学的効果のいくつか(すなわち、心臓血管効果、緊張低下、鎮静の誘発)は、上記のような中枢神経系の疾患を処置することを目的とした薬の場合に望まれない副作用であると考えることができる。したがって、アドレナリン受容体よりもTAAR1受容体への選択性を有する薬を得ることが望ましい。本発明の対象物は、アドレナリン受容体よりもTAAR1受容体への選択性、特に、ヒトならびにラットα1及びα2アドレナリン受容体よりもTAAR1受容体への良好な選択性を示す。
【0005】
古典的生体アミン類(セロトニン、ノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン、ヒスタミン)は、中枢及び末梢神経系における神経伝達物質として重要な役割を演じる[1]。それらの合成及び貯蔵ならびに放出後のそれらの分解及び再取り込みは綿密に調節さされる。生体アミン類の不均衡なレベルが、多くの病的状態下での脳機能の変化の原因であることが知られている[2〜5]。内在性アミン化合物の第二のクラス、いわゆる微量アミン類(TA)が、構造、代謝及び細胞内局在に関して古典的生体アミン類と有意に重複する。TAは、p−チラミン、β−フェニルエチルアミン、トリプタミン及びオクトパミンを含み、これらは、哺乳動物神経系中、古典的生体アミン類よりも一般に低いレベルで存在する[6]。
【0006】
それらの調節不全は、統合失調症及びうつ病のような様々な精神医学的疾患[7]ならびに注意欠陥多動性障害、片頭痛、パーキンソン病、薬物乱用及び摂食障害[8、9]のような他の病態に関連づけられている。
【0007】
長らく、TA特異的受容体は、ヒト及び他の哺乳動物中の解剖学的に別個の高親和性TA結合部位に基づいてのみ、仮説を立てられてきた[10、11]。したがって、TAの薬理学的効果は、古典的生体アミン類の周知の仕組みを介して、それらの放出を起動すること、それらの再取り込みを阻害すること、又は受容体系と「交差反応」することによって媒介されるものと考えられていた[9、12、13]。この見解は、GPCRの新規なファミリーのいくつかのメンバー、すなわち微量アミン関連受容体(TAAR)の最近の同定によって有意に変化した[7、14]。ヒトの中には9つのTAAR遺伝子があり(3つの疑似遺伝子を含む)、マウスの中には16のTAAR遺伝子がある(1つの疑似遺伝子を含む)。TAAR遺伝子は、イントロンを含まず(唯一の例外として、TAAR2は1つのイントロンを含む)、同じ染色体セグメント上で隣り同士に位置している。徹底的なGPCRファーマコフォア類似性比較と合致する受容体遺伝子の系統学的関係及び薬理学的データが、これらの受容体が3つの別個のサブファミリーを形成するということを示唆している[7、14]。TAAR1は、ヒトとげっ歯類との間で高度に保存されている4つの遺伝子(TAAR1〜4)の第一のサブクラスの中にある。TAはGαsを介してTAAR1を活性化する。TAの調節不全が、うつ病、精神病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用、パーキンソン病、片頭痛、摂食障害、代謝性障害のような様々な疾病の病因に寄与することが示されており、したがって、TAAR1リガンドは、これらの疾病の処置に関して高い潜在能力を有している。
【0008】
したがって、微量アミン関連受容体に関する知識を増すことに幅広い関心が寄せられている。
【0009】
使用した参考文献:
1. Deutch, A.Y. and Roth, R.H. (1999) Neurotransmitters. In Fundamental Neuroscience (2
nd edn) (Zigmond, M.J., Bloom, F.E., Landis, S.C., Roberts, J.L, and Squire, L.R., eds.), pp. 193-234, Academic Press;
2. Wong, M.L. and Licinio, J. (2001) Research and treatment approaches to depression. Nat. Rev. Neurosci. 2, 343-351;
3. Carlsson, A. et al. (2001) Interactions between monoamines, glutamate, and GABA in schizophrenia: new evidence. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 41, 237-260;
4. Tuite, P. and Riss, J. (2003) Recent developments in the pharmacological treatment of Parkinson's disease. Expert Opin. Investig. Drugs 12, 1335-1352,
5. Castellanos, F.X. and Tannock, R. (2002) Neuroscience of attention-deficit/hyperactivity disorder: the search for endophenotypes. Nat. Rev. Neurosci. 3, 617-628;
6. Usdin, Earl; Sandler, Merton; Editors. Psychopharmacology Series, Vol. 1: Trace Amines and the Brain. [Proceedings of a Study Group at the 14th Annual Meeting of the American College of Neuropsychoparmacology, San Juan, Puerto Rico] (1976);
7. Lindemann, L. and Hoener, M. (2005) A renaissance in trace amines inspired by a novel GPCR family. Trends in Pharmacol. Sci. 26, 274-281;
8. Branchek, T.A. and Blackburn, T.P. (2003) Trace amine receptors as targets for novel therapeutics: legend, myth and fact. Curr. Opin. Pharmacol. 3, 90-97;
9. Premont, R.T. et al. (2001) Following the trace of elusive amines. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 98, 9474-9475;
10. Mousseau, D.D. and Butterworth, R.F. (1995) A high-affinity [3H] tryptamine binding site in human brain. Prog. Brain Res. 106, 285-291;
11. McCormack, J.K. et al. (1986) Autoradiographic localization of tryptamine binding sites in the rat and dog central nervous system. J. Neurosci. 6, 94-101;
12. Dyck, L.E. (1989) Release of some endogenous trace amines from rat striatal slices in the presence and absence of a monoamine oxidase inhibitor. Life Sci. 44, 1149-1156;
13. Parker, E.M. and Cubeddu, L.X. (1988) Comparative effects of amphetamine, phenylethylamine and related drugs on dopamine efflux, dopamine uptake and mazindol binding. J. Pharmacol. Exp. Ther. 245, 199-210;
14. Lindemann, L. et al. (2005) Trace amine associated receptors form structurally and functionally distinct subfamilies of novel G protein-coupled receptors. Genomics 85, 372-385.
【0010】
本発明の目的は、式Iの新規な化合物及び薬学的に許容可能なそれらの塩、微量アミン関連受容体の生物学的機能に関連する疾病の処置のための薬を製造するためのそれらの使用、それらの製造ならびにうつ病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害、ストレス関連障害、精神障害、たとえば統合失調症、神経性疾患、たとえばパーキンソン病、神経変性性障害、たとえばアルツハイマー病、てんかん、片頭痛、薬物乱用、代謝性障害、たとえば摂食障害、糖尿病、糖尿病性合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害ならびに心臓血管障害のような疾病の抑制又は予防における本発明の化合物に基づく薬である。
【0011】
本発明の化合物を使用する好ましい適応症は、うつ病、精神病、パーキンソン病、糖尿病、不安及び注意欠陥多動性障害(ADHD)である。
【0012】
本明細書において使用される用語「低級アルキル」とは、炭素原子1〜7個を含む飽和した直鎖状又は分岐鎖状の基、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチルなどをいう。好ましいアルキル基は、炭素原子1〜4個を有する基である。
【0013】
本明細書において使用される用語「低級アルコキシ」とは、アルキル残基が先に定義したとおりであり、酸素原子を介して結合している基をいう。
【0014】
本明細書において使用される用語「ハロゲン置換低級アルキル」とは、少なくとも一つの水素原子がハロゲンによって置換されている、先に定義したアルキル基、たとえばCF
3、CHF
2、CH
2F、CH
2CF
3、CH
2CH
2CF
3、CH
2CF
2CF
3などをいう。
【0015】
本明細書において使用される用語「ハロゲン置換低級アルコキシ」とは、アルキル残基が先に定義したとおりであり、酸素原子を介して結合しており、少なくとも一つの水素原子がハロゲンによって置換されている基をいう。
【0016】
用語「ハロゲン」とは、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素をいう。
【0017】
用語「シクロアルキル」は、炭素環原子3〜6個を含むアルキレン環である。
【0018】
用語「アリール」は、芳香族炭素環、たとえばフェニル又はナフチル環、好ましくはフェニル環に関する。
【0019】
用語「ヘテロアリール」とは、窒素から選択されるヘテロ原子1、2又は3個を含むことができる芳香族六員単環式環又は十員二環式環、たとえばピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はキノリニルをいう。好ましいヘテロアリール基はピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はキノリニルである。
【0020】
用語「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、無機酸及び有機酸、たとえば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩を包含する。
【0021】
本発明の一つの実施態様は、式Ia
【化3】
(式中、
R
1は水素又は低級アルキルであり、
R
2は、水素であるか、場合によっては一つ以上のハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルによって置換されているヘテロアリールであり、
R
3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルであり、
R
4は水素又は低級アルキルであり、
【化4】
はフェニル又はピリジニルであり、N原子は様々な位置にあってもよく、
Arは、場合によっては一つ以上のR
3によって置換されているアリール又はヘテロアリールである)
の化合物又は薬学的に適切なその酸付加塩である。
【0022】
式Iaからの化合物の群は、Arが、フェニル又はナフチルから選択されるアリールである化合物、たとえば以下の化合物である。
(S)−4−(4−(ナフタレン−1−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(8−クロロナフタレン−1−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン、
(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン、
(S)−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン、
(S)−4−{2−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン、
(S)−4−(4−(3−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−[2−(4−フェニルアミノ−フェニル)−エチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン、
(S)−4−(4−(p−トリルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、又は
(S)−4−(4−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン。
【0023】
式Iaに開示された化合物のさらなる群は、Arが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はキノリニルから選択されるヘテロアリールである化合物、たとえば以下の化合物である。
(S)−4−(4−(キノリン−8−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(5−フルオロピリジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(6−メチルキノリン−8−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アミン、
6−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ニコチノニトリル、
(S)−4−(4−(6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−フルオロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−アミン、
6−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピラジン−2−カルボニトリル、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
(S)−4−(4−(ピリミジン−4−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミンヒドロクロリド、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−エチル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
5−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}ピラジン−2−カルボニトリル、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(3−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピラジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−2−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メチルスルファニル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メチル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
1−(2−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピリミジン−5−イル)−エタノン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−プロピル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(2−クロロ−ピリミジン−5−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((4S,5S)−2−アミノ−5−メチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−シクロプロピル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−エトキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(S)−4−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(5−(ペンタン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
2−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピリミジン−5−カルボニトリル、
(S)−4−(4−(5−シクロブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(S)−4−(4−(5−イソプロピルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−2−メチル−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、又は
(S)−4−(4−(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン。
【0024】
さらなる実施態様は、式Ib
【化5】
(式中、
R
1は水素又は低級アルキルであり、
R
2は、水素であるか、場合によっては一つ以上のハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルによって置換されているヘテロアリールであり、
R
3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、S−低級アルキル、S(O)−低級アルキル、S(O)
2−低級アルキル、C(O)−低級アルキル又はC
3−6シクロアルキルであり、
R
4は水素又は低級アルキルであり、
【化6】
はフェニル又はピリジニルであり、N原子は様々な位置にあってもよく、
Arは、場合によっては一つ以上のR
3によって置換されているアリール又はヘテロアリールである)
の化合物又は薬学的に適切なその酸付加塩である。
【0025】
式Ibからの化合物の群は、Arが、フェニル又はナフチルから選択されるアリールである化合物、たとえば以下の化合物である。
(4S)−4−(4−(1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン(エピマーの1:1混合物)、
(+)−(S)−4−(4−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(−)−(S)−4−(4−((R)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、
(4S)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−フルオロフェニル)エチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、又は
(4S)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)エチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン。
【0026】
式Ibからの化合物の群は、Arが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はキノリニルから選択されるヘテロアリールである化合物である。
【0027】
本発明のさらなる実施態様は、
【化7】
がピリジニルである式Iの化合物、たとえば化合物{5−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−ピリジン−2−イル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミンである。
【0028】
式Iの化合物及び薬学的に許容可能なそれらの塩は、当技術分野において公知の方法によって、たとえば、以下に記載する、
a) 式
【化8】
の化合物を臭化シアン(BrCN)で環化させて、式
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、Ar及びXの定義は、先に記載したとおりである)
の化合物を得ること、及び、望むならば、
得られた化合物を薬学的に許容可能な酸付加塩へと転換すること
を含む方法によって調製することができる。
【0029】
本発明の式Iの化合物の調製は、連続的又は収束的合成経路で実施されてもよい。本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1〜5及び特定の化合物1〜75の調製の詳細な説明に示されている。得られる生成物の反応及び精製を実施するために要する技術は当業者に公知である。以下の方法の説明において使用される置換基及び添え字は、別段指示されない限り、本明細書において先に与えられた意味を有する。
【0030】
より詳細には、式Iの化合物は、以下に記す方法、実施例に記載される方法又は類似の方法によって製造することができる。個々の反応工程に適切な反応条件は当業者に公知である。しかし、反応の順序は、スキーム1〜5に示されるものに限定されず、出発原料及び出発原料それぞれの反応性に依存して、反応工程の順序を自由に変更することができる。出発原料は、市販されていることもあるし、以下に記す方法に類似した方法、明細書もしく実施例において引用された参考文献に記載されている方法又は当技術分野において公知の方法によって調製することもできる。
【0031】
一般的手順
【化10】
R
3、R
4及びArは、先に記載したとおりである。
【0032】
工程A: アルデヒド1(CAS95715−87−0)とホスホン酸エステル2(4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル[CAS2609−49−6]又は(3−メチル−4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル[CAS873458−20−9])との間のウィッティヒ反応は、THF、ジオキサン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物のような溶媒中−78℃〜80℃の温度で15分〜8時間、NaH、KOtBu、NaOMe、NaOEt、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS、LDAのような塩基を使用し、適切ならば、場合によってはイリド生成のためにクラウンエーテルを添加したのち、同じ溶媒中0〜80℃の温度で1〜24時間、イリドをカルボニル化合物とで縮合させることによって達成することができる。あるいはまた、イリドを事前に形成することなく、塩基、カルボニル化合物及び任意選択のクラウンエーテルを−78℃〜80℃の温度で同時に反応混合物に加えることもできる。
【0033】
好ましい条件は、LDA(N,N−ジイソプロピルアミンをn−BuLiで処理することからインサイチューで調製)を塩基として使用し、THFを溶媒として使用し、ホスホン酸エステルを−78℃で1時間反応させてイリドを形成したのち、一晩、室温まで温めながらカルボニル成分とで縮合させることである。
【0034】
工程B: ニトロ基の同時還元を伴うアルケン3の還元は、常圧又は高圧下、水素を用いる水素化によって実施することもできるし、MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CH
2Cl
2、CHCl
3、DMF又はそれらの混合物のような溶媒中、ギ酸アンモニウム又はシクロヘキサジエンを水素源として用い、PtO
2、Pd−C又はラネーニッケルのような触媒を用いる移動水素化によって実施することもできる。
【0035】
好ましい条件は、MeOH中50℃で1時間、パラジウム担持炭の存在下、ギ酸アンモニウムを用いることである。
【0036】
工程C: C−N結合形成は、たとえばパラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用して、ジオキサン、DME、THF、トルエン、DMF及びDMSOのような溶媒中、高温で、パラジウム又は銅触媒、リガンド及び塩基の存在において、アリールアミン4を臭化アリール5で処理することによって達成することができる。
【0037】
好ましい条件は、van Leeuwenらの手順(Tetrahedron. Lett. 1999, 40, 3789-3790)の変形にしたがって、ジオキサン中の触媒性トリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体、触媒性9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(キサントホス)及び炭酸セシウムを封管中110℃で一晩加熱することである。
【0038】
代替の好ましい条件は、Dommisseらの手順(Tetrahedron 2001, 57, 7027-7034)にしたがって、トルエン中の触媒性酢酸パラジウム(II)、触媒性2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(BINAP)及び炭酸カリウムを封管中110℃で1時間加熱することである。
【0039】
工程D: 6のアミノアルコール保護基の同時開裂は、CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oのような溶媒中0〜80℃で、HCl、H
2SO
4もしくはH
3PO
4のような鉱酸又はCF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いて実施することができる。
【0040】
好ましい条件は、水性アセトニトリル中80℃で2時間CF
3COOHを用いること又はジオキサン及びTHF中60℃で2時間4N HClを用いることである。
【0041】
工程E: アミノアルコール7の、対応する2−アミノオキサゾリンIa−1への環化は、溶媒としてのTHF及び塩基としてのK
2CO
3中、室温で、臭化シアンを用いて一晩処理することによって達成することもできるし、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウム中0℃〜室温で一晩臭化シアンを用いて処理したのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することによって達成することもできる。
【0042】
好ましい条件は、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウムを室温で一晩用いたのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することである。
【0043】
【化11】
【0044】
工程A: アルデヒド1(CAS95715−87−0)と(4−ブロモ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル8(CAS38186−51−5)との間のウィッティヒ反応は、THF、ジオキサン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物のような溶媒中−78℃〜80℃の温度で15分〜8時間、NaH、KOtBu、NaOMe、NaOEt、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS、LDAのような塩基を使用し、適切ならば、場合によってはイリド生成のためにクラウンエーテルを添加したのち、同じ溶媒中0〜80℃の温度で1〜24時間、イリドをカルボニル化合物とで縮合させることによって達成することができる。あるいはまた、イリドを事前に形成することなく、塩基、カルボニル化合物及び任意選択のクラウンエーテルを−78℃〜80℃の温度で同時に反応混合物に加えることもできる。
【0045】
好ましい条件は、LDA(N,N−ジイソプロピルアミンをn−BuLiで処理することからインサイチューで調製)を塩基として使用し、THFを溶媒として使用し、ホスホン酸エステルを−78℃で1時間反応させてイリドを形成したのち、一晩、室温まで温めながらカルボニル成分とで縮合させることである。。
【0046】
工程B: アミノアルコール10を得るための9の保護基の同時開裂は、CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oのような溶媒中0〜80℃で、HCl、H
2SO
4もしくはH
3PO
4のような鉱酸又はCF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いて実施することができる。
【0047】
好ましい条件は、水性アセトニトリル中80℃で2時間CF
3COOHを用いることである。
【0048】
工程C: アミノアルコール10のアミノ基の選択的保護は、ジクロロメタンもしくは1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化溶媒又はジエチルエーテル、ジオキサン、THFもしくはTBMEのようなエーテル系溶媒中、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はN−メチルモルホリンのような有機塩基の存在においてジ−tert−ブチルカーボネートを用いる処理によって実施することができる。
【0049】
好ましい条件は、THF中、室温で一晩、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いることである。
【0050】
工程D: アリール−臭素結合の同時開裂を伴わない11のオレフィン結合の還元は、常圧又は高圧下、MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CH
2Cl
2、CHCl
3、DMF又はそれらの混合物のような溶媒中、PtO
2又はPt/Cのような触媒を用いる、水素を用いる水素化によって達成することができる。
【0051】
好ましい条件は、MeOH中、室温で3時間10%白金担持炭を用いることである。
【0052】
工程E: アルコール12の、対応するアルデヒド13への酸化は、DMSO由来の酸化試薬、たとえばSwernの方法にしたがって塩化オキサリルの使用によって活性化されたのちトリエチルアミンで処理されたDMSO又はDoeringの方法にしたがってトリエチルアミンの存在において三酸化硫黄−ピリジン錯体の使用によって活性化されたDMSOを使用して達成することができる。
【0053】
好ましい条件は、DMSO中、0℃〜室温の温度で30分間、三酸化硫黄−ピリジン錯体及びトリエチルアミンを用いることである。
【0054】
工程F: アルデヒド13へのメチル基の求核付加は、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム又はメチルリチウムのような有機金属試薬との反応によって達成することができる。反応は、ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEのようなエーテル系溶媒中で実施される。
【0055】
好ましい条件は、THFとジエチルエーテルとの混合物中、0℃で、次いで室温で4時間、臭化メチルマグネシウムを用いることである。反応は、アルコール14を、この段階では分離する必要のないエピマーの混合物として与える。
【0056】
工程G: 環式アミナールとしてのアルコール14の保護は、p−トルエンスルホン酸又はショウノウスルホン酸のような有機酸の触媒量の存在において2,2−ジメトキシプロパンを用いる処理によって達成することができる。反応は、過剰量の2,2−ジメトキシプロパンを溶媒として使用して実施することもできるし、さらなる非プロトン性助溶媒、たとえばジクロロメタンもしくは1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化溶媒又はジエチルエーテル、ジオキサン、THFもしくはTBMEのようなエーテル系溶媒の存在において実施することもできる。反応は、室温で実施することもできるし、溶媒の環流温度のような高温で実施することもできる。
【0057】
好ましい条件は、ジクロロメタン中、室温でp−トルエンスルホン酸を一晩用いることである。
【0058】
反応は、この段階ではクロマトグラフィーによって容易に分離することができるエピマー生成物15及び16を与える。
【0059】
工程H: イミン17を与えるためのC−N結合形成は、ジオキサン、DME、THF、トルエン及びDMFのような溶媒中、高温で、パラジウム又は銅触媒、リガンド及び塩基の存在における、臭化アリール15とジフェニルメタンイミンとの間のカップリング反応によって達成することができる。
【0060】
好ましい条件は、トルエン中100℃でPd
2(dba)
3、BINAP及びナトリウムtert−ブトキシドを一晩用いることである。
【0061】
工程I: アニリン18を与えるためのイミン17の脱保護は、常圧又は高圧下、水素を用いる水素化によって達成することもできるし、MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CH
2Cl
2、CHCl
3、DMF又はそれらの混合物のような溶媒中、ギ酸アンモニウム又はシクロヘキサジエンを水素源として使用し、PtO
2、Pt/C又はPd/Cのような触媒を用いる移動水素化によって達成することもできる。
【0062】
好ましい条件は、MeOH中60℃で10%パラジウム担持炭及びギ酸アンモニウムを1時間用いることである。
【0063】
臭化アリール16は、反応工程H及びIと同様な連続操作にしたがって、アニリン19に転換することもできる。
【0064】
【化12】
【0065】
工程A: C−N結合形成は、たとえばパラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用して、ジオキサン、DME、THF、トルエン、DMF及びDMSOのような溶媒中、高温で、パラジウム又は銅触媒、リガンド及び塩基の存在においてアリールアミン18を臭化アリール5で処理することによって達成することができる。
【0066】
好ましい条件は、van Leeuwenらの手順(Tetrahedron. Lett. 1999, 40, 3789-3790)の変形にしたがって、ジオキサン中の触媒性トリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体、触媒性9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(キサントホス)及び炭酸セシウムを封管中110℃で一晩加熱することである。
【0067】
代替の好ましい条件は、Dommisseらの手順(Tetrahedron 2001, 57, 7027-7034)にしたがって、トルエン中の触媒性酢酸パラジウム(II)、触媒性2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(BINAP)及び炭酸カリウムを封管中110℃で1時間加熱することである。
【0068】
工程B: 20のアミノアルコール保護基の同時開裂は、CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oのような溶媒中0〜80℃で、HCl、H
2SO
4もしくはH
3PO
4のような鉱酸又はCF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いて実施することができる。
【0069】
好ましい条件は、水性アセトニトリル中80℃で2時間CF
3COOHを用いること又はジオキサン及びTHF中60℃で2時間4N HClを用いることである。
【0070】
工程C: アミノアルコール21の、対応する2−アミノオキサゾリンIa−2への環化は、溶媒としてのTHF及び塩基としてのK
2CO
3中、室温で、臭化シアンを用いて一晩処理することによって達成することもできるし、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウム中0℃〜室温で臭化シアンを用いて一晩処理したのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することによって達成することもできる。
【0071】
好ましい条件は、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウムを室温で一晩用いたのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することである。
【0072】
アミン19は、反応工程A、B及びCと同様な連続操作にしたがって、2−アミノオキサゾリンIa−3に転換することもできる。
【0073】
【化13】
【0074】
工程A: アルデヒド1(CAS95715−87−0)とホスホン酸エステル22(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル[CAS561066−65−7]との間のウィッティヒ反応は、THF、ジオキサン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物のような溶媒中−78℃〜80℃の温度で15分〜8時間、NaH、KOtBu、NaOMe、NaOEt、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS、LDAのような塩基を使用し、適切ならば、場合によってはイリド生成のためにクラウンエーテルを添加したのち、同じ溶媒中0〜80℃の温度で1〜24時間、イリドをカルボニル化合物とで縮合させることによって達成することができる。あるいはまた、イリドを事前に形成することなく、塩基、カルボニル化合物及び任意選択のクラウンエーテルを−78℃〜80℃の温度で同時に反応混合物に加えることもできる。
【0075】
好ましい条件は、LDA(N,N−ジイソプロピルアミンをn−BuLiで処理することからインサイチューで調製)を塩基として使用し、THFを溶媒として使用し、ホスホン酸エステルを−78℃で1時間反応させてイリドを形成したのち、一晩、室温まで温めながらカルボニル成分とで縮合させることである。
【0076】
工程B: クロロ基の同時還元を伴わないアルケン23の還元は、常圧又は高圧下、MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CH
2Cl
2、CHCl
3、DMF又はそれらの混合物のような溶媒中、PtO
2又はPt−Cのような触媒を用いる、水素を用いる水素化によって実施することができる。
【0077】
好ましい条件は、MeOHを溶媒として用いる、触媒としての白金担持炭の存在において室温及び大気圧で15分間の水素化である。
【0078】
工程C: C−N結合形成は、たとえばパラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用して、ジオキサン、DME、THF、トルエン、DMF及びDMSOのような溶媒中、高温で、パラジウム又は銅触媒、リガンド及び塩基の存在において塩化アリール24をアリールアミン25で処理することによって達成することができる。
【0079】
好ましい条件は、van Leeuwenらの手順(Tetrahedron. Lett. 1999, 40, 3789-3790)の変形にしたがって、ジオキサン中の触媒性トリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体、触媒性9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(キサントホス)及び炭酸セシウムを封管中110℃で一晩加熱することである。
【0080】
工程D: 26のアミノアルコール保護基の同時開裂は、CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oのような溶媒中0〜80℃で、HCl、H
2SO
4もしくはH
3PO
4のような鉱酸又はCF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いて実施することができる。
【0081】
好ましい条件は、水性アセトニトリル中、80℃で2時間CF
3COOHを用いること又はジオキサン及びTHF中60℃で2時間4N HClを用いることである。
【0082】
工程E: アミノアルコール27の、対応する2−アミノオキサゾリンIa−1への環化は、溶媒としてのTHF及び塩基としてのK
2CO
3中、室温で、臭化シアンを用いて一晩処理することによって達成することもできるし、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウム中、0℃〜室温で一晩臭化シアンを用いて処理したのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することによって達成することもできる。
【0083】
好ましい条件は、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウムを室温で一晩用いたのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することである。
【0084】
【化14】
【0085】
工程A: 芳香族アルデヒド28へのトリフルオロメチル基の付加は、フッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ化物イオンの供給源の存在において(トリフルオロメチル)トリメチルシランを用いる処理によって達成することができる。
【0086】
好ましい条件は、THFを溶媒として0℃で30分間、次いで室温で2時間使用することである。
【0087】
工程B: アルコール29の、対応するトリフレートエステル30への転換は、THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物のような非プロトン性有機溶媒中−78℃〜80℃の温度で15分〜2時間、NaH、KOtBu、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS又はLDAのような塩基を用いて脱プロトン化したのち、塩化トリフルオロメタンスルホニルを用いて処理することによって達成することができる。
【0088】
好ましい条件は、水素化ナトリウムを塩基として使用し、ジエチルエーテルを溶媒として使用して室温で30分間脱プロトン化したのち、塩化トリフルオロメタンスルホニルを用いて室温で15分間処理することである。
【0089】
工程C: C−N結合形成は、THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、DMF、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物のような非プロトン性有機溶媒中−78℃〜80℃の温度で15分〜2時間、NaH、KOtBu、n−BuLi、LiHMDS、NaHMDS、KHMDS又はLDAのような塩基の存在においてトリフレート30をアリールアミン4で処理したのち、塩化トリフルオロメタンスルホニルで処理することによって達成することができる。
【0090】
好ましい条件は、水素化ナトリウムを塩基として使用し、THFを溶媒として使用して室温で15分間アミン4を脱プロトン化したのち、トリフレート30を用いて室温で一晩処理することである。
【0091】
工程D: 31のミノアルコール保護基の同時開裂は、CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oのような溶媒中0〜80℃で、HCl、H
2SO
4もしくはH
3PO
4のような鉱酸又はCF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAcもしくはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を用いて実施することができる。
【0092】
好ましい条件は、水性アセトニトリル中80℃で2時間CF
3COOHを用いること又はジオキサン及びTHF中、60℃で2時間4N HClを用いることである。
【0093】
工程E: アミノアルコール32の、対応する2−アミノオキサゾリンIb−1への環化は、溶媒としてのTHF及び塩基としてのK
2CO
3中、室温で、臭化シアンを用いて一晩処理することによって達成することもできるし、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウム中0℃〜室温で臭化シアンを用いて一晩処理したのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することによって達成することもできる。
【0094】
好ましい条件は、溶媒としてのメタノール及び塩基としての酢酸ナトリウムを室温で一晩用いたのち、アンモニア水溶液を用いて室温で1時間処理することである。
【0095】
実施例1
(S)−4−(4−(キノリン−8−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【0096】
【化15】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに8−ブロモ−キノリンを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):333.2([M+H]
+)。
【0097】
実施例2
(S)−4−(4−(ナフタレン−1−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化16】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに1−ブロモ−ナフタレンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):332.2([M+H]
+)。
【0098】
実施例3
(S)−4−(4−(5−フルオロピリジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化17】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−ブロモ−5−フルオロピリジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色油状物。MS(ISP):301.2([M+H]
+)。
【0099】
実施例4
(S)−4−(4−(6−メチルキノリン−8−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化18】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに8−ブロモ−6−メチル−キノリンを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):347.2([M+H]
+)。
【0100】
実施例5
(S)−4−(4−(8−クロロナフタレン−1−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化19】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに1−ブロモ−8−クロロ−ナフタレンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):368.1([{
37Cl}M+H]
+)、366.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0101】
実施例6
(S)−4−{2−(4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
【化20】
a) (S)−2,2−ジメチル−4−[(E)−2−(4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
−78℃に冷却したTHF(350ml)中ジイソプロピルアミン(10.9ml)の撹拌溶液にヘキサン中n−ブチルリチウムの溶液(48.3ml、1.6M)を滴下した。冷却槽を取り除き、反応混合物を10℃まで暖まらせたのち、−78℃まで再冷却した。次いで、THF(300ml)中(4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル(16.3g、CAS2609−49−6)の溶液を滴下し、反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。次いで、THF(250ml)中(R)−4−ホルミル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(15.0g、CAS95715−87−0)の溶液を1時間かけて滴下したのち、混合物を一晩室温まで暖まらせた。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、2N水性塩酸の添加によって酸性化した。次いで、混合物を水及び飽和食塩水によって順次に洗浄した。有機相を分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘプタン/EtOAc)によって精製して、(S)−2,2−ジメチル−4−[(E)−2−(4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(15.9g、77%)を黄色油状物として得た。MS(EI):333([M−CH
3]
+)、292([M−C
4H
8]
+)、277([M−CH
3−C
4H
8]
+)、57([C
4H
9]
+)。
【0102】
b) (S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(500ml)中(S)−2,2−ジメチル−4−[(E)−2−(4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(12.0g)の撹拌溶液にギ酸アンモニウム(32.6g)及びパラジウム担持炭(1.83g、10重量%)を加え、混合物を50℃で1時間加熱した。次いで、混合物を室温まで冷まし、セライトに通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。次いで、残渣を酢酸エチル中に取り、水洗した。相を分離させ、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘプタン/EtOAc)によって精製して、(S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.72g、79%)を黄色油状物として得た。MS(ISP):321.4([M+H]
+)。
【0103】
c) (S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
圧力管中、(S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.3g)、1−ブロモ−4−クロロベンゼン(215mg)及び炭酸セシウム(458mg)をジオキサン(3ml)と合わせて黄色懸濁液を得た。混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。次いで、キサントホス(32.5mg)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(29.1mg)を加え、管を密封した。反応混合物を110℃で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷まし、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜100%)によって精製して、(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(228mg、57%)を黄色油状物として得た。MS(EI):432({
37Cl}M
+)、430({
35Cl}M+H−OH
+)、376({
37Cl}[M−C
4H
8]
+)、374({
35Cl}[M−C
4H
8]
+)、231({
37Cl}[ClC
6H
4NHC
6H
4CH=CH
2]
+)、229({
35Cl}[ClC
6H
4NHC
6H
4CH=CH
2]
+)、57([C
4H
9]
+)。
【0104】
d) (S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オール
圧力管中のTHF(3ml)中(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(220mg)の溶液にHCl溶液(2.55ml、ジオキサン中4M溶液)を加えた。管を密封し、反応混合物を60℃で2時間振とうした。次いで、混合物を室温まで冷まし、1M水性NaOHに注加し、EtOAcで抽出した。次いで、相を分離させ、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オール(148mg、定量)を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS(ISP):293.0([{
37Cl}M+H]
+)、291.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0105】
e) (S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
メタノール(5ml)中(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オール(210mg)及び酢酸ナトリウム(121mg)の撹拌懸濁液にメタノール(0.3ml)中臭化シアン(68mg)の溶液を滴下した。次いで、得られた淡黄色溶液を室温で16時間撹拌した。アンモニア水溶液(0.4ml、25%)を滴下し、撹拌をさらに1時間継続した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SepartisのIsolute(登録商標)Flash−NH
2、勾配:ヘプタン/EtOAc/MeOH)によって精製して、(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン(74mg、48%)を黄色固体として得た。MS(ISP):318.1([{
37Cl}M+H]
+)、316.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0106】
実施例7
(S)−4−{2−[4−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
【化21】
実施例6と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):336.1([{
37Cl}M+H]
+)、334.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0107】
実施例8
(S)−4−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
【化22】
実施例6と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):350.1([M+H]
+)。
【0108】
実施例9
(S)−4−{2−[4−(4−メトキシ−フェニルアミノ)−フェニル]−エチル}−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
【化23】
実施例6と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−メトキシベンゼンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):312.2([M+H]
+)。
【0109】
実施例10
(S)−4−(4−(3−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化24】
実施例6と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに4−ブロモ−2−メチル−1−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):380.2([M+H]
+)。
【0110】
実施例11
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル]−エチル]−フェニル}−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化25】
a) (S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
圧力管中、(S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg)、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(57mg)及び炭酸カリウム(431mg)をトルエン(1ml)と合わせて黄色懸濁液を得た。混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。次いで、BINAP(12mg)及び酢酸パラジウム(II)(2mg)を加え、管を密封した。反応混合物を110℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷まし、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜40%)によって精製して、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(55mg、38%)を黄色非晶質固体として得た。MS(ISP):466.3([M+H]
+)、410.2([M+H−C
4H
8]
+)、366.2([M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0111】
b) (S)−2−アミノ−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オール
アセトニトリル(0.5ml)中(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(54mg)の溶液に水(1.5ml)及びトリフルオロ酢酸(0.071ml)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱した。次いで、混合物を室温まで冷まし、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水によって順次に洗浄したのち、相を分離させ、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、(S)−2−アミノ−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オール(38mg、定量)を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS(ISP):326.3([M+H]
+)。
【0112】
c) {4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル]−エチル]−フェニル}−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):351.2([M+H]
+)。
【0113】
実施例12
(S)−6,6’−(4−(2−(2−アミノ−4,5−ジヒドロオキサゾール−4−イル)エチル)フェニルアザンジイル)ジニコチノニトリル
【化26】
実施例11と同様にして、工程a)において2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジンの代わりに6−クロロニコチノニトリルを使用して、標題化合物を得た。黄色非晶質固体。MS(ISP):410.2([M+H]
+)。
【0114】
実施例13
(S)−4−[2−(4−フェニルアミノ−フェニル)−エチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン
【化27】
a) (S)−2,2−ジメチル−4−[2−(4−フェニルアミノ−フェニル)−エチル]−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例6の工程a)〜c)と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりにブロモベンゼンを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):397.2([M+H]
+)、297.3([M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0115】
b) (S)−2−アミノ−4−(4−フェニルアミノ−フェニル)−ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−2,2−ジメチル−4−[2−(4−フェニルアミノ−フェニル)−エチル]−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):257.2([M+H]
+)。
【0116】
c) {4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−(4−フェニルアミノ−フェニル)−ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):282.2([M+H]
+)。
【0117】
実施例14
(S)−4−(4−(p−トリルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化28】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−メチルベンゼンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):296.2([M+H]
+)。
【0118】
実施例15
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−アミン
【化29】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,5−ジクロロピリジンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):319.1([{
37Cl}M+H]
+)、317.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0119】
実施例16
6−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ニコチノニトリル
【化30】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに6−クロロニコチノニトリルを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):308.2([M+H]
+)。
【0120】
実施例17
(S)−4−(4−(6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化31】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):352.1([M+H]
+)。
【0121】
実施例18
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化32】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,5−ジクロロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):320.1([{
37Cl}M+H]
+)、318.1([{
37Cl}M+H]
+)。
【0122】
実施例19
(S)−4−(4−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−アミン
【化33】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4−ブロモ−1,2−ジクロロベンゼンを使用して、標題化合物を得た。無色非晶質固体。MS(ISP):354.1([{
37Cl}M+H]
+)、352.1([{
37Cl
35Cl}M+H]
+)、350.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0123】
実施例20
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−フルオロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化34】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−フルオロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):302.1([M+H]
+)。
【0124】
実施例21
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アミン
【化35】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−3−フルオロピリジンを使用して、標題化合物を得た。無色油状物。MS(ISP):301.1([M+H]
+)。
【0125】
実施例22
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−フルオロ−ピリジン−2−イル)−アミン
【化36】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−フルオロピリジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):301.1([M+H]
+)。
【0126】
実施例23
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化37】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):351.1([M+H]
+)。
【0127】
実施例24
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化38】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4−クロロ−6−メチルピリミジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):298.2([M+H]
+)。
【0128】
実施例25
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化39】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−6−メチルピリジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):297.2([M+H]
+)。
【0129】
実施例26
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化40】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−6−トリフルオロメチルピリジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):351.1([M+H]
+)。
【0130】
実施例27
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン
【化41】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,6−ジクロロ−ピラジンを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):320.1([{
37Cl}M+H]
+)、318.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0131】
実施例28
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピリジン−2−イル)−アミン
【化42】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,6−ジクロロ−ピリジンを使用して、標題化合物を得た。無色固体。MS(ISP):319.1([{
37Cl}M+H]
+)、317.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0132】
実施例29
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化43】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−メチルピリジンを使用して、標題化合物を得た。無色固体。MS(ISP):297.2([M+H]
+)。
【0133】
実施例30
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−アミン
【化44】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−メトキシピリジンを使用して、標題化合物を得た。無色固体。MS(ISP):313.2([M+H]
+)。
【0134】
実施例31
6−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピラジン−2−カルボニトリル
【化45】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに6−シアノ−2−クロロピラジンを使用して、標題化合物を得た。無色固体。MS(ISP):309.1([M+H]
+)。
【0135】
実施例32
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化46】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4,6−ジクロロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):320.1({
37Cl}[M+H]
+)、318.1({
35Cl}[M+H]
+)。
【0136】
実施例33
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化47】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4−クロロ−6−メトキシピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):314.2([M+H]
+)。
【0137】
実施例34
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化48】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4−クロロ−2−メチルピリミジンを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):298.2([M+H]
+)。
【0138】
実施例35
(S)−4−(4−(ピリミジン−4−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミンヒドロクロリド
【化49】
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(16mg、実施例32)をメタノール中に溶解して無色溶液を得た。混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。10%パラジウム担持炭(11mg)を加え、反応混合物を、水素充填バルーン下、室温で2時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、(S)−4−(4−(ピリミジン−4−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミンヒドロクロリド(14mg、87%)を白色固体として得た。MS(ISP):284.2([M+H]
+)。
【0139】
実施例36
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化50】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−メトキシピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):314.2([M+H]
+)。
【0140】
実施例37
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−エチル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化51】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−エチルピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):312.2([M+H]
+)。
【0141】
実施例38
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化52】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−メトキシピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):314.2([M+H]
+)。
【0142】
実施例39
5−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピラジン−2−カルボニトリル
【化53】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに5−シアノ−2−クロロピラジンを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):309.1([M+H]
+)。
【0143】
実施例40
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化54】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):352.1([M+H]
+)。
【0144】
実施例41
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(3−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン
【化55】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,3−ジクロロピラジンを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):320.1([{
37Cl}M+H]
+)、318.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0145】
実施例42
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−アミン
【化56】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルピリジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):387.1([{
37Cl}M+H]
+)、385.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0146】
実施例43
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−メチル−ピラジン−2−イル)−アミン
【化57】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−6−メチルピラジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):298.2([M+H]
+)。
【0147】
実施例44
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(6−クロロ−2−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化58】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに4,6−ジクロロ−2−メトキシピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):350.3([{
37Cl}M+H]
+)、348.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0148】
実施例45
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−アミン
【化59】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−(メチルチオ)ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。非晶質黄色固体。MS(ISP):330.1([M+H]
+)。
【0149】
実施例46
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−メチル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化60】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−メチル−ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):298.2([M+H]
+)。
【0150】
実施例47
1−(2−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピリミジン−5−イル)−エタノン
【化61】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに1−(2−クロロ−ピリミジン−5−イル)−エタノンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):326.2([M+H]
+)。
【0151】
実施例48
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化62】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−4−メチル−ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。非晶質無色固体。MS(ISP):298.2([M+H]
+)。
【0152】
実施例49
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−プロピル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化63】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−プロピルピリミジンを使用して、標題化合物を得た。淡黄色固体。MS(ISP):326.2([M+H]
+)。
【0153】
実施例50
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(2−クロロ−ピリミジン−5−イル)−アミン
【化64】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに5−ブロモ−2−クロロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):320.1({
37Cl}M+H]
+)、318.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0154】
実施例51
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−ブロモ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化65】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2,5−ジブロモピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):364.1({
81Br}M+H]
+)、362.1([{
79Br}M+H]
+)。
【0155】
実施例52
{4−[2−((4S,5S)−2−アミノ−5−メチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化66】
a) (S,E)−tert−ブチル 4−(4−ブロモスチリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート
実施例6(a)と同様にして、(4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルの代わりに(4−ブロモ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):284.0([{
81Br}M+H−C
4H
8−CO
2]
+)、282.0([{
79Br}M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0156】
b) (E)−(S)−2−アミノ−4−(4−ブロモ−フェニル)−ブト−3−エン−1−オール
アセトニトリル(30ml)中(S,E)−tert−ブチル 4−(4−ブロモスチリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート(13g)の溶液に水(35ml)及び水(50ml)中トリフルオロ酢酸(18.3ml)の溶液を順次に加えた。混合物を80℃で3時間加熱した。次いで、混合物を室温まで冷まし、酢酸エチル/THF(1:1)で希釈した。得られた混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水によって順次に洗浄したのち、相を分離させ、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(40ml)中に粉砕し、得られた結晶をろ過によって捕集して、(E)−(S)−2−アミノ−4−(4−ブロモ−フェニル)−ブト−3−エン−1−オール(5.59g、68%)を褐色固体として得た。ろ液を真空中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ジクロロメタン中MeOH0〜300%)によって精製して、さらなる量の(E)−(S)−2−アミノ−4−(4−ブロモ−フェニル)−ブト−3−エン−1−オール(2.21g、27%)を褐色固体として得た。MS(ISP):227.1([{
81Br}M+H−NH
3]
+)、225.1([{
79Br}M+H−NH
3]
+)。
【0157】
c) [(E)−(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−アリル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル
(E)−(S)−2−アミノ−4−(4−ブロモ−フェニル)−ブト−3−エン−1−オール(7.8g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(11.1ml)をTHF(150ml)と合わせて無色溶液を得た。反応混合物を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチルカーボネート(7.17g)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌して黄色溶液を得た。次いで、反応混合物をEtOAcに注加し、1M水性HCl、1M水性NaOH及び飽和食塩水で順次に洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過したのち、ろ液を木炭(2g)上で30分間撹拌した。次いで、混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、[(E)−(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−アリル]−カルバミド酸tert−ブチルエステルをホフホワイト色固体(10.8g、98%)として得た。MS(ISP):344.0([{
81Br}M+H]
+)、342.0([{
79Br}M+H]
+)、287.9([{
81Br}M+H]−C
4H
8]
+)、286.0([{
79Br}M+H−C
4H
8]
+)。
【0158】
d) [(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル
メタノール(150ml)中[(E)−(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−アリル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル(14.7g)の溶液に10% Pt/C(1.68g)を加え、得られた混合物を、H
2バルーン下、室温で3時間撹拌した(反応の進行を
1H NMRによって絶えず確認した)。反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、[(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステルを黄色固体(11.5g、78%)として得た。MS(ISP):346.0([{
81Br}M+H]
+)、344.0([{
79Br}M+H]
+)、289.9([{
81Br}M+H]−C
4H
8]
+)、288.0([{
79Br}M+H−C
4H
8]
+)、246.1([{
81Br}M+H]−C
4H
8−CO
2]
+)、244.1([{
79Br}M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0159】
e) [(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ホルミル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル
DMSO(70ml)中[(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル(11.5g)及びトリエチルアミン(27.9ml)の溶液に三酸化硫黄−ピリジン錯体(16.0g)を滴下し、その間、反応混合物を氷槽中で冷却した。次いで、混合物を室温で30分間撹拌して黄色溶液を得た。反応混合物をEtOAcに注加し、水及び飽和食塩水で順次に抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/EtOAc3/1)によって精製して、[(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ホルミル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステルを黄色油状物(7.3g、64%)として得た。MS(EI):343([{
81Br}M]
+)、341([{
79Br}M]
+)、287([{
81Br}M−C
4H
8]
+)、285([{
79Br}M−C
4H
8]
+)、214([{
81Br}M−C
4H
8−CO
2]
+)、212([{
79Br}M−C
4H
8−CO
2]
+)、171、169、103、57([C
4H
9]
+)。
【0160】
f) {(1S,2RS)−1−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2−ヒドロキシ−プロピル}−カルバミド酸tert−ブチルエステル
THF(40ml)及びEt
2O(30ml)中[(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−ホルミル−プロピル]−カルバミド酸tert−ブチルエステル(7.3g)の撹拌し、冷却した0℃の溶液に臭化メチルマグネシウム溶液(20.0ml、Et
2O中3M溶液)を30分かけて滴下した。次いで、反応混合物を室温で4時間撹拌したのち、水の滴下によって急冷した(ガス発生)。次いで、反応混合物をEtOAtに注加し、層を分離させ、有機層を希釈水性HCl(pH5)及び飽和食塩水で順次に洗浄したのち、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜80%)によって精製して、{(1S,2RS)−1−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2−ヒドロキシ−プロピル}−カルバミド酸tert−ブチルエステルを、エピマーの混合物を含む無色非晶質固体(5.1g、66%)として得た。MS(EI):303([{
81Br}M−C
4H
8]
+)、301([{
79Br}M−C
4H
8]
+)、258([{
81Br}M−C
4H
8−CO
2H]
+)、256([{
79Br}M−C
4H
8−CO
2H]
+)、214、212、171、169、57([C
4H
9]
+)。
【0161】
g) (4S,5S)−4−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル及び(4S,5R)−4−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
{(1S,2RS)−1−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2−ヒドロキシ−プロピル}−カルバミド酸tert−ブチルエステル(5.07g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(538mg)及び2,2−ジメトキシプロパン(26.1ml)をCH
2Cl
2(300ml)と合わせて無色溶液を得た。反応混合物を室温で一晩撹拌したのち、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄した。層を分離させ、有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜25%)によって精製して、(4S,5S)−4−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色油状物(2.85g、51%、最初に溶出した画分)として得、(4S,5R)−4−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色油状物(475mg、8%、最後に溶出した画分)として得た。
【0162】
h) (4S,5S)−4−{2−[4−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−フェニル]−エチル}−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(30ml)中(4S,5S)−4−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.13g)の溶液にジフェニルメタンイミン(1.71g)及びナトリウムtert−ブトキシド(1.06g)を加えた。反応混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。次いで、BINAP(489mg)及びPd
2(dba)
3(216mg)を加え、反応混合物を100℃で20時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷まし、EtOAcに注加し、水で抽出した。有機層を分離させ、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜30%)によって精製して、(4S,5S)−4−{2−[4−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−フェニル]−エチル}−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色油状物(3.2g、82%)として得た。MS(ISP):499.3([M+H)。
【0163】
i) (4S,5S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(50ml)中(4S,5S)−4−{2−[4−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−フェニル]−エチル}−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.23g)の溶液にギ酸アンモニウム(6.13g)を加えた。反応混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。10% Pd/C(207mg)を加え、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。TLCは反応が完了していることを示した。反応混合物をセライトに通してろ過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜100%)によって精製して、(4S,5S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色油状物(1.76g、81%)として得た。MS(ISP):335.2([M+H)、235.2(M−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0164】
j) (4S,5S)−4−{2−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例6(c)と同様にして、(S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(4S,5S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用し、1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに2,5−ジクロロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):449.2([{
37Cl}M+H]
+)、447.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0165】
k) (2S,3S)−3−アミノ−5−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ペンタン−2−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(4S,5S)−4−{2−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−2,2,5−トリメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):309.1([{
37Cl}M+H]
+)、307.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0166】
l) {4−[2−((4S,5S)−2−アミノ−5−メチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(2S,3S)−3−アミノ−5−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ペンタン−2−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):334.1([{
37Cl}M+H]
+)、332.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0167】
実施例53
(S)−1−(2−(4−(2−(2−アミノ−4,5−ジヒドロオキサゾール−4−イル)エチル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−イル)プロパン−1−オン
【化67】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに1−(2−クロロピリミジン−5−イル)プロパン−1−オン(CAS212621−61−9)を使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):340.3([M+H]
+)。
【0168】
実施例54
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−シクロプロピル−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化68】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−シクロプロピルピリミジン(CAS166740−44−9)を使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):324.3([M+H]
+)。
【0169】
実施例55
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−(5−エトキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化69】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロ−5−エトキシピリミジンを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):328.3([M+H]
+)。
【0170】
実施例56
(S)−4−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化70】
a) トリフルオロ−メタンスルホン酸5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルエステル
0℃のジクロロメタン(10ml)中5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−オール(300mg)の溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(939μl)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(185μl)を滴下した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、粗反応混合物を真空中で濃縮して、トリフルオロ−メタンスルホン酸5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルエステルを含有する赤色固体を得、それをさらに精製することなくただちに次の工程に使用した。
【0171】
b) (S)−4−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりにトリフルオロ−メタンスルホン酸5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルエステルを使用して、標題化合物を得た。黄色固体。MS(ISP):352.3([M+H]
+)。
【0172】
実施例57
(S)−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化71】
a) (S)−tert−ブチル 4−(4−(5−ブロモピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート
実施例6の工程a)〜c)と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに2,5−ジブロモピリミジンを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):479.1([{
81Br}M+H]
+)、477.1([{
79Br}M+H]
+)。
【0173】
b) (S)−tert−ブチル 4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート
アルゴン下、THF(10ml)中(S)−tert−ブチル−4−(4−(5−ブロモピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート(100mg)及びビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(21.4mg)にtert−ブチル亜鉛(II)ブロミド(1.26ml、THF中0.5M溶液)を加えた。反応混合物を22℃で1時間撹拌した。EtOAcの添加によって反応を急冷したのち、塩化アンモニウム飽和水溶液及び1N炭酸水素ナトリウム水溶液によって順次に洗浄した。相を分離させ、有機相をMgSO
4上で乾燥させたのち、真空中で濃縮した。粗物質を分取HPLC(カラム:Zorbax 5ミクロンC18 50×20、流量:30ml/min、溶離剤勾配:水(+0.1%ギ酸)/アセトニトリル(80%/20%〜5%/95%))によって精製して、(S)−tert−ブチル−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレート(8.4mg、9%)を黄色油状物として得た。MS(ISP):455.5([M+H]
+)。
【0174】
c) (S)−2−アミノ−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−tert−ブチル−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレートを使用して、標題化合物を得た。非晶質固体。MS(ISP):315.3([M+H]
+)。
【0175】
d) (S)−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−(4−(5−tert−ブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):340.4([M+H]
+)。
【0176】
実施例58
(S)−4−(4−(5−(ペンタン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化72】
実施例57と同様にして、工程b)においてtert−ブチル亜鉛(II)ブロミドの代わりにペンタン−3−イル亜鉛(II)ブロミドを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):354.3([M+H]
+)。
【0177】
実施例59
2−{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニルアミノ}−ピリミジン−5−カルボニトリル
【化73】
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに2−クロロピリミジン−5−カルボニトリルを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):309.2([M+H]
+)。
【0178】
実施例60
(S)−4−(4−(5−シクロブチルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化74】
実施例57と同様にして、工程b)においてtert−ブチル亜鉛(II)ブロミドの代わりにシクロブチル亜鉛(II)ブロミドを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):338.3([M+H]
+)。
【0179】
実施例61
(S)−4−(4−(5−イソプロピルピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化75】
実施例57と同様にして、工程b)においてtert−ブチル亜鉛(II)ブロミドの代わりにイソプロピル亜鉛(II)ブロミドを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):326.3([M+H]
+)。
【0180】
実施例62
(S)−4−(2−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−エチル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−アミン
【化76】
a) (RS)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノール
THF(30ml)中5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(3.72g、CAS31181−90−5)及び(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(3.56ml)の冷却し、撹拌した0℃の溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1.0ml、THF中1M溶液)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌したのち、室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を1N水性HCl(20ml)で希釈し、撹拌をさらに2時間継続した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘプタン/EtOAc)によって精製して、(RS)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノールを淡黄色固体(3.35g、65%)として得た。MS(ISP):258.0([{
81Br}M+H]
+)、256.1([{
79Br}M+H]
+)。
【0181】
b) (RS)−トリフルオロ−メタンスルホン酸1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルエステル
アルゴン雰囲気下、0℃で、乾燥ジエチルエーテル(20ml)中水素化ナトリウム(765mg、鉱油中60%分散液)の撹拌懸濁液にジエチルエーテル(10ml)中(RS)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノール(30.6g)の溶液を滴下し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。塩化トリフルオロメタンスルホニル(1.4ml)を加え、撹拌を室温でさらに15分間継続した。10%炭酸水素ナトリウム水溶液の添加によって反応混合物を急冷したのち、混合物をジエチルエーテルで抽出した。相を分離させ、有機相を飽和食塩水で洗浄した。有機相を分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をクーゲルロール蒸留(オーブン温度60℃、0.3mbar)によって精製して、(RS)−トリフルオロ−メタンスルホン酸1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルエステル(3.6g、78%)を白色固体として得た。MS(EI):389([{
81Br}M]
+)、387([{
79Br}M]
+)、320([{
81Br}M−CF
3]
+)、318([{
79Br}M−CF
3]
+)、256([{
81Br}M−CF
3−SO
2]
+)、254([{
79Br}M−CF
3−SO
2]
+)、240([{
81Br}M−OSO
2CF
3]
+)、238([{
79Br}M−OSO
2CF
3]
+)。
【0182】
c) (S)−4−(2−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−エチル)−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
アルゴン雰囲気下、乾燥THF(0.2ml)中(S)−4−[2−(4−アミノ−フェニル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(150mg、実施例6b)の撹拌溶液に水素化ナトリウム(34mg、鉱油中60%分散液)を加え、撹拌を15分間継続した。次いで、トリフルオロ−メタンスルホン酸1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルエステル(182mg)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次に洗浄した。有機相を分離させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘプタン/EtOAc)によって精製して、(S)−4−(2−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−エチル)−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(99mg、38%)を黄色油状物として得た。MS(ISP):560.1([{
81Br}M+H]
+)、558.1([{
79Br}M+H]
+)。
【0183】
d) (S)−2−アミノ−4−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−4−(2−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−エチル)−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):420.1([{
81Br}M+H]
+)、418.2([{
79Br}M+H]
+)。
【0184】
e) (S)−4−(2−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−エチル)−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−{4−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−フェニル}−ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。非晶質黄色固体。MS(ISP):445.1([{
81Br}M+H]
+)、443.1([{
79Br}M+H]
+)。
【0185】
実施例63
(4S)−4−(4−(1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン(エピマーの1:1混合物)
【化77】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに4−クロロ−ベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を得た。無色泡状物。MS(ISP):400.2([{
37Cl}M+H]
+)、398.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0186】
実施例64及び65
(+)−(S)−4−(4−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン及び(−)−(S)−4−(4−((R)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化78】
(4S)−4−(4−(1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン(エピマーの1:1混合物)を分取キラルHPLC(Chiralpak AD、溶離剤:ヘプタン/EtOH 6/4)によって分離した。第一画分:(+)−(S)−4−(4−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、無色油状物。MS(ISP):400.2([{
37Cl}M+H]
+)、398.2([{
35Cl}M+H]
+)。第二画分:(−)−(S)−4−(4−((R)−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン、無色油状物。MS(ISP):400.2([{
37Cl}M+H]
+)、398.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0187】
実施例66
(4S)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(3−フルオロフェニル)エチルアミノ)フェネチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化79】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに3−フルオロ−ベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を得た。無色油状物。MS(ISP):382.2([M+H]
+)。
【0188】
実施例67
(4S)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)エチルアミノ)フェネチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化80】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに4−フルオロメチル−ベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を得た。無色油状物。MS(ISP):432.2([M+H]
+)。
【0189】
実施例68
(4S)−4−(4−(1−(5−クロロピリジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化81】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに5−クロロピリジン−2−カルバルデヒドを使用して、標題化合物を得た。淡黄色油状物。MS(ISP):401.2([{
37Cl}M+H]
+)、399.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0190】
実施例69
(4S)−4−(4−(1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)フェネチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化82】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに3,5−ジクロロ−ベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を得た。無色ロウ状固体。MS(ISP):436.2([{
37Cl}M+H]
+)、434.2([{
37Cl
35Cl}M+H]
+)、432.2([{
35Cl}M+H]
+)。
【0191】
実施例70
(4S)−4−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メトキシピリジン−2−イル)エチルアミノ)フェネチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化83】
実施例62と同様にして、工程a)において5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒドの代わりに6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒドを使用して、標題化合物を得た。無色油状物。MS(ISP):395.2([M+H]
+)。
【0192】
実施例71
{5−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−ピリジン−2−イル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化84】
a) (S)−4−[(E)−2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−ビニル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例6の工程(a)と同様にして、(4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルの代わりに(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS561066−65−7)を使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):341.2([{
37Cl}M+H]
+)、339.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0193】
b) (S)−4−[2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノール(70ml)中(S)−4−[(E)−2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−ビニル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0g)の撹拌懸濁液に白金担持炭(0.58g、10重量%)を加え、混合物を、水素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。次いで、混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、(S)−4−[2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(949mg、94%)を無色油状物として得た。MS(ISP):343.2([{
37Cl}M+H]
+)、341.1([{
35Cl}M+H]
+)、287.0([{
37Cl}M+H−C
4H
8]
+)、285.1([{
35Cl}M+H−C
4H
8]
+)。
【0194】
c) (S)−4−{2−[6−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
圧力管中、(S)−4−[2−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.94g)、5−クロロピリミジン−2−アミン(357mg)及び炭酸セシウム(1.35g)をジオキサン(5ml)と合わせて黄色懸濁液を得た。混合物をアルゴンに通して数分間バブリングすることによってガス抜きした。次いで、キサントホス(96mg)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(86mg)を加え、管を密封した。反応混合物を100℃で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷まし、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、勾配:ヘキサン中EtOAc 0%〜70%)によって精製して、(S)−4−{2−[6−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(417mg、35%)を黄色固体として得た。MS(ISP):436.3([{
37Cl}M+H]
+)、434.4([{
35Cl}M+H]
+)、380.3([{
37Cl}[M+H−C
4H
8]
+)、378.3({
35Cl}[M+H−C
4H
8]
+)。
【0195】
d) (S)−2−アミノ−4−[6−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−4−{2−[6−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用して、標題化合物を得た。淡褐色固体。MS(ISP):296.3([{
37Cl}M+H]
+)、294.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0196】
e) {5−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−ピリジン−2−イル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[6−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):321.1([{
37Cl}M+H]
+)、319.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0197】
実施例72
{4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−2−メチル−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
【化85】
a) (S)−4−{2−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−3−メチル−フェニル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例6の工程a)〜c)と同様にして、工程a)において(4−ニトロ−ベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステルの代わりに(3−メチル−4−ニトロベンジル)−ホスホン酸ジエチルエステル(CAS873458−20−9)を使用し、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに2,5−ジクロロピリミジンを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):449.0([{
37Cl}M+H]
+)、447.3([{
35Cl}M+H]
+)、393.3([{
37Cl}M+H−C
4H
8]
+)、391.1([{
35Cl}M+H−C
4H
8]
+)。
【0198】
b) (S)−2−アミノ−4−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−3−メチル−フェニル)−ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−4−{2−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−3−メチル−フェニル]−エチル}−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):309.2([{
37Cl}M+H]
+)、307.3([{
35Cl}M+H]
+)。
【0199】
c) {4−[2−((S)−2−アミノ−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−エチル]−2−メチル−フェニル}−(5−クロロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[4−(5−クロロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−3−メチル−フェニル]−ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。オフホワイト色固体。MS(ISP):334.1([{
37Cl}M+H]
+)、332.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0200】
実施例73
(S)−4−(4−(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化86】
a) 5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリミジン
アルゴン雰囲気下、0℃で、水素化ナトリウム(303mg)に2,2,2−トリフルオロエタノール(775μl)を滴下したのち、混合物を室温で90分間撹拌した。次いで、DMF(8ml)中2,5−ジブロモピリミジン(1.5g)の溶液を加え、撹拌を室温で2時間継続した。反応混合物を氷(50ml)に注加し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリミジン(790mg、49%)を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS(EI):258([{
81Br}M]
+)、256([{
79Br}M]
+)、189([{
81Br}M−CF
3]
+)、187([{
79Br}M−CF
3]
+)。
【0201】
b) (S)−4−(4−(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
実施例13と同様にして、工程a)においてブロモベンゼンの代わりに5−ブロモ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリミジンを使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):382.2([M+H]
+)。
【0202】
実施例74
(S)−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化87】
a) (S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルチオ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート
実施例6の工程a)〜c)と同様にして、工程c)において1−ブロモ−4−クロロベンゼンの代わりに2−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン(CAS115581−36−7)を使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):445.2([M+H]
+)。
【0203】
b) (4S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート
ジクロロメタン(5ml)中(S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルチオ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート(393mg)の撹拌溶液にm−CPBA(218mg)を加え、撹拌を室温で40分間継続した。次いで、反応混合物をNa
2SO
4水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、(4S)−tert−ブチル 2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート(454mg、純度85%、収率95%)を黄色油状物として得た。MS(ISP):461.4([M+H]
+)、405.3([M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0204】
c) (S)−tert−ブチル 2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート
ジクロロメタン(5ml)中(4S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート(227mg)の撹拌溶液にm−CPBA(155mg)を加え、撹拌を室温で40分間継続した。次いで、反応混合物をNa
2SO
4水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、(S)−tert−ブチル 2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート(269mg、純度70%、収率94%)を褐色油状物として得た。MS(ISP):477.4([M+H]
+)、421.3([M+H−C
4H
8−CO
2]
+)。
【0205】
d) (S)−2−アミノ−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレートを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):337.2([M+H]
+)。
【0206】
e) (S)−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−(4−(5−(メチルスルホニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):362.2([M+H]
+)。
【0207】
実施例75
(4S)−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
【化88】
a) (2S)−2−アミノ−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オール
実施例11の工程b)と同様にして、(S)−2,2−ジメチル−4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−フェニル]−エチル}−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの代わりに(4S)−tert−ブチル2,2−ジメチル−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)オキサゾリジン−3−カルボキシレート(実施例74b)を使用して、標題化合物を得た。黄色油状物。MS(ISP):321.1.2([M+H]
+)。
【0208】
b) (4S)−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェネチル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン
実施例6の工程e)と同様にして、(S)−2−アミノ−4−[4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−ブタン−1−オールの代わりに(2S)−2−アミノ−4−(4−(5−(メチルスルフィニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ブタン−1−オールを使用して、標題化合物を得た。白色固体。MS(ISP):346.2([M+H]
+)。
【0209】
式Iの化合物及び薬学的に使用可能なそれらの付加塩は貴重な薬理学的性質を有する。具体的には、本発明の化合物が、微量アミン関連受容体(TAAR)、特にTAAR1への良好な親和性を有するということが見いだされた。
【0210】
以下に記す試験にしたがって本化合物を研究した。
【0211】
材料及び方法
TAAR発現プラスミド及び安定にトランスフェクトされた細胞系の作成
発現プラスミドを作成するために、本質的にLindemann et al.[14]によって記載されているようにして、ヒト、ラット及びマウスTAAR1のコード配列をゲノムDNAから増幅した。Expand High Fideltiy PCRシステム(Roche Diagnostics)を1.5mM Mg
2+とともに使用し、精製されたPCR産物を、製造者の取扱い説明にしたがって、pCR2.1-TOPOクローニングベクタ(Invitrogen)中にクローニングした。PCR産物をpIRESneo2ベクタ(BD Clontech, Palo Alto, California)中にサブクローン化し、発現ベクターを配列立証したのち、細胞系に導入した。
【0212】
本質的にLindemann et al. (2005)によって記載されているようにして、HEK293細胞(ATCC#CRL−1573)を培養した。安定にトランスフェクトされた細胞系を生成するために、HEK293細胞を、製造者の取扱い説明にしたがって、TAARコード配列(上記)をリポフェクタミン2000(Invitrogen)とともに含有するpIRESneo2発現プラスミドでトランスフェクトし、トラスフェクトから24時間後、培地を1mg/ml G418(Sigma, Buchs, Switzerland)で補足した。約10日の培養期間ののち、クローンを単離し、拡大させ、微量アミン類(すべての化合物はSigmaから購入)に対する応答性に関し、cAMP Biotrak酵素イムノアッセイ(EIA)システム(Amersham)を用いて、製造者によって提供される非アセチル化EIA手順にしたがって試験した。15継代の培養期間にわたり安定なEC
50を示したモノクロナール細胞系をその後すべての実験に使用した。
【0213】
ラットTAAR1に対する放射性リガンド結合アッセイ
膜調製及び放射性リガンド結合
ラットTAAR1を安定に発現するHEK−293細胞を、ウシ胎児血清(10%、56℃で30分間熱不活性化したもの)、ペニシリン/ストレプトマイシン(1%)及び375μg/mlジェネティシン(Gibco)を含有するDMEM高グルコース培地中、37℃及び5% CO
2で維持した。トリプシン/EDTAを使用して細胞を培養フラスコから解放し、収穫し、氷冷PBS(Ca
2+及びMg
2+を含まない)で2回洗浄し、4℃で5分間、1,000rpmでペレット化し、凍結し、−80℃で貯蔵した。凍結したペレットを、10mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20ml中に懸濁させ、Polytron(PT6000、Kinematica)を用いて14,000rpmで20秒間ホモジナイズした。ホモジネートを、4℃で30分間、48,000×gで遠心処理した。続いて、上澄みを除去及び廃棄し、Polytronを使用して(14,000rpmで20秒間)、ペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20ml中に再懸濁させた。この手順を繰り返し、最終的なペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH中に再懸濁させ、Polytronを使用してホモジナイズした。一般に、膜部分2mlのアリコットを−80℃で貯蔵した。新たな膜バッチごとに飽和曲線によって解離定数(Kd)を決定した。TAAR1放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン(WO2008/098857に記載)を、通常は約2.3nMであった計算Kd値に等しい濃度で使用して、放射性リガンドの約0.2%の結合及び全結合の約85%に相当する特異的結合を生じさせた。非特異的結合を、10μM非標識リガンドの存在において結合した
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミンの量と定義した。すべての化合物を広い濃度範囲(10pM〜10μM)において二重反復で試験した。試験化合物を96ディープウェルプレート(TreffLab)に移し(20μl/ウェル)、MgCl
2(10mM)及びCaCl
2(2mM)を含有するHEPES−NaOH(結合緩衝液)(20mM、pH7.4)180μl、nM中3.3×Kdの濃度の放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン300μl及び膜(1mlあたりタンパク質50μgで再懸濁)500μlを加えた。96ディープウェルプレートを4℃で1時間インキュベートした。ポリエチレンイミン(0.3%)中に1時間予浸し、冷たい結合緩衝液1mlで3回洗浄したUnifilter-96プレート(Packard Instrument Company)及びガラスフィルタGF/C(Perkin Elmer)に通す急速ろ過によってインキュベーションを停止した。Microscint 40(Perkin Elmer)45μlの添加ののち、Unifilter-96プレートをシールし、1時間後、TopCountマイクロプレートシンチレーションカウンタ(Packard Instrument Company)を使用して放射能をカウントした。
【0214】
マウスTAAR1に対する放射性リガンド結合アッセイ
膜調製及び放射性リガンド結合
マウスTAAR1を安定に発現するHEK−293細胞を、ウシ胎児血清(10%、56℃で30分間熱不活性化したもの)、ペニシリン/ストレプトマイシン(1%)及び375μg/mlジェネティシン(Gibco)を含有するDMEM高グルコース培地中、37℃及び5% CO
2で維持した。トリプシン/EDTAを使用して細胞を培養フラスコから解放し、収穫し、氷冷PBS(Ca
2+及びMg
2+を含まない)で2回洗浄し、4℃で5分間、1,000rpmでペレット化し、凍結し、−80℃で貯蔵した。凍結したペレットを、10mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20ml中に懸濁させ、Polytron(PT6000、Kinematica)を用いて14,000rpmで20秒間ホモジナイズした。ホモジネートを、4℃で30分間、48,000×gで遠心処理した。続いて、上澄みを除去し、捨て、Polytronを使用して(14,000rpmで20秒間)、ペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20ml中に再懸濁させた。この手順を繰り返し、最終的なペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH中に再懸濁させ、Polytronを使用してホモジナイズした。一般に、膜部分2mlのアリコットを−80℃で貯蔵した。新たな膜バッチごとに飽和曲線によって解離定数(Kd)を決定した。TAAR1放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン(WO2008/098857に記載)を、通常は約0.7nMであった計算Kd値に等しい濃度で使用して、放射性リガンドの約0.5%の結合及び全結合の約70%に相当する特異的結合を生じさせた。非特異的結合を、10μM非標識リガンドの存在において結合した
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミンの量と定義した。すべての化合物を広い濃度範囲(10pM〜10μM)において二重反復で試験した。試験化合物を96ディープウェルプレート(TreffLab)の中に移し(20μl/ウェル)、MgCl
2(10mM)及びCaCl
2(2mM)を含有するHEPES−NaOH(結合緩衝液)(20mM、pH7.4)180μl、nM中3.3×Kdの濃度の放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン300μl及び膜(1mlあたりタンパク質60μgで再懸濁)500μlを加えた。96ディープウェルプレートを4℃で1時間インキュベートした。ポリエチレンイミン(0.3%)中に1時間予浸し、冷たい結合緩衝液1mlで3回洗浄したUnifilter-96プレート(Packard Instrument Company)及びガラスフィルタGF/C(Perkin Elmer)に通す急速ろ過によってインキュベーションを停止した。Microscint 40(Perkin Elmer)45μlの添加ののち、Unifilter-96プレートをシールし、1時間後、TopCountマイクロプレートシンチレーションカウンタ(Packard Instrument Company)を使用して放射能をカウントした。
【0215】
好ましい化合物は、以下の表に示すように、<0.01μMの範囲の、マウス又はラット中の、TAAR1に対するKi値(μM)を示す。
【0216】
【表1】
【0217】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩は、薬として、たとえば医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、たとえば錠剤、コーティング錠、糖剤、ハード及びソフトゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与することができる。しかし、投与はまた、たとえば座剤の形態で経直腸的に実施することもできるし、たとえば注射剤の形態で非経口的に実施することもできる。
【0218】
式Iの化合物は、医薬製剤の製造のための薬学的に不活性な無機又は有機担体とともに加工することができる。たとえば、錠剤、コーティング錠、糖剤及びハードゼラチンカプセル剤のためのそのような担体としては、ラクトース、コーンスターチ又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを使用することができる。ソフトゼラチンカプセル剤に適した担体は、たとえば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。しかし、有効成分の性質に依存して、通常、ソフトゼラチンカプセル剤の場合には担体は不要である。液剤及びシロップ剤の製造に適した担体は、たとえば、水、ポリオール類、グリセロール、植物油などである。座剤に適した担体は、たとえば、天然油又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール類などである。
【0219】
医薬製剤はさらに、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝液、隠蔽剤又は酸化防止剤を含有することができる。また、さらに他の治療的に貴重な物質を含有することもできる。
【0220】
式Iの化合物又は薬学的に許容可能なその塩及び治療的に不活性な担体を含有する薬が、式Iの一つ以上の化合物及び/又は薬学的に許容可能な酸付加塩ならびに、所望により、一つ以上の他の治療的に貴重な物質を一つ以上の治療的に不活性な担体とともにガレノス投与形態へと合わせることを含むそれらの製造方法と同じく、本発明の対象物である。
【0221】
本発明にしたがってもっとも好ましい適応症は、中枢神経系の障害を含む適応症、たとえばうつ病、精神病、パーキンソン病、不安及び注意欠陥多動性障害(ADHD)の処置又は予防である。
【0222】
投与量は、広い範囲内で異なることができ、当然、各特定のケースにおける個々の要件に合わせて調節されなければならない。経口投与の場合、成人の投与量は、一般式Iの化合物1日約0.01mg〜約1000mgの範囲内又は薬学的に許容可能なその塩の対応する量の範囲内で変動することができる。1日量は、単一用量として投与することもできるし、分割用量として投与することもでき、加えて、上限を超える必要が示されるならば、上限を超えることもできる。
【0223】
錠剤製剤化(湿式造粒法)
項目 成分 mg/錠
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水ラクトースDTG 125 105 30 150
3.Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4.結晶セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0224】
製造手順
1.項目1、2、3及び4を混合し、精製水とで造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適当な混練装置に通す。
4.項目5を加え、3分間混合し、適当なプレス上で圧縮する。
【0225】
カプセル剤製剤化
項目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水ラクトース 159 123 148 −−−
3.コーンスターチ 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0226】
製造手順
1.項目1、2及び3を適当なミキサ中で30分間混合する。
2.項目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適当なカプセルに詰める。