特許第5661198号(P5661198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661198装置内共存の干渉を軽減する電力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661198
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】装置内共存の干渉を軽減する電力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/18 20090101AFI20150108BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20150108BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20150108BHJP
   H04W 52/38 20090101ALI20150108BHJP
【FI】
   H04W52/18
   H04W88/06
   H04B1/04 E
   H04W52/38
【請求項の数】21
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-547800(P2013-547800)
(86)(22)【出願日】2012年1月6日
(65)【公表番号】特表2014-505416(P2014-505416A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】CN2012070019
(87)【国際公開番号】WO2012092851
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2013年7月4日
(31)【優先権主張番号】61/430,283
(32)【優先日】2011年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/344,589
(32)【優先日】2012年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506423280
【氏名又は名称】聯發科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MEDIATEK INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(72)【発明者】
【氏名】シュー、チア−チュン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リン、チー−ユアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、イ−シェン
(72)【発明者】
【氏名】フ、イ−カン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−545327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04B1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置(UE)上で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA無線モジュールにより、装置内共存(IDC)干渉状況を判断する工程と、
UE設定最大伝送電力が前記UEにより設定される場合に、前記判断されたIDC干渉状況に基づいて最大電力低減(MPR)値の調整を経て、前記第一OFDMA信号モジュールのUE設定最大伝送電力を調整することにより、電力パラメータを決定する工程、および、
トリガ条件を満たして前記IDC干渉を軽減するように前記調整された電力パラメータをサービング基地局に伝送する工程と、
を含むことを特徴とする装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項2】
前記装置内共存(IDC)干渉状況の判断は、前記無線装置の制御エンティティから、共存通知を受信する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項3】
前記装置内共存(IDC)干渉状況の判断は、前記第二無線モジュールの起動または失活を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項4】
前記UE設定最大伝送電力の調整は、前記最大電力低減(MPR)値を増加させて、前記第一OFDMA無線モジュールの前記UE設定最大伝送電力を減少させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項5】
前記電力パラメータは、前記第一OFDMA無線モジュールの前記UE設定最大伝送電力およびパワーヘッドルーム報告(PHR)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項6】
前記UE設定最大伝送電力の調整がスレショルド値を超過する場合、前記トリガ条件が満たされることを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項7】
第一LTE無線モジュールから前記サービング基地局に、共存インジケーターを伝送する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項8】
装置内共存(IDC)干渉状況を判断し、前記無線通信装置で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA信号モジュールを有し、前記第一OFDMA信号モジュールは、UE設定最大伝送電力が前記UEにより設定される場合に、判断された前記IDC干渉状況に基づいて最大電力低減(MPR)値の調整を経て、前記第一無線モジュールのUE設定最大伝送電力を調整することにより、電力パラメータを判断する電力制御モジュール、および、トリガ条件が満たされる場合、調整された前記電力パラメータをサービング基地局に伝送し、IDC干渉を軽減する無線トランシーバ、を具備することを特徴とする無線通信装置(UE)。
【請求項9】
前記第一OFDMA信号モジュールは、前記無線装置上の制御エンティティから、共存通知を受信することを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項10】
前記第一OFDMA信号モジュールは、前記第二無線モジュールの起動または不起動を検出することを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項11】
前記電力制御モジュールは、前記最大電力低減(MPR)値を増加させて、これにより、前記第一無線モジュールの前記UE設定最大伝送電力を減少させることを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項12】
前記電力パラメータは、前記第一無線モジュールの前記UE設定最大伝送電力およびパワーヘッドルーム報告(PHR)を含むことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項13】
前記UE設定最大伝送電力の調整がスレショルド値を超過する場合、前記無線トランシーバは、前記の調整された電力パラメータを伝送することを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項14】
前記無線トランシーバは、共存インジケーターを前記サービング基地局に伝送することを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置(UE)。
【請求項15】
無線通信装置で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA無線モジュールにより、装置内共存(IDC)干渉状況を判断する工程と、
判断された前記IDC干渉状況に基づいて、前記第一OFDMA信号モジュールの新しい電力クラスに切り換える工程と、
前記新しい電力クラスをサービング基地局に報告して、IDC干渉を軽減する工程と、を含むことを特徴とする装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項16】
前記装置内共存(IDC)干渉状況の判断は、前記無線装置上の制御エンティティから、共存通知を受信する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項17】
前記装置内共存(IDC)干渉状況の判断は、前記第二無線モジュールの起動または失活を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項18】
前記電力クラス報告は、無線リソース制御(RRC)メッセージにより行われることを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項19】
前記電力クラス報告は、媒体アクセス制御(MAC)制御素子(CE)により行われることを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項20】
前記電力クラス報告は、ユーザー装置(UE)能力中に含まれる情報要素(IE)により行われることを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【請求項21】
第一LTE無線モジュールから前記サービング基地局に、共存インジケーターを伝送する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置内共存干渉を軽減する電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2011年1月6日に出願された「装置内共存の干渉を軽減する電力制御方法」(“Power Control Method to Mitigate Interference for In-Device Coexistence,”)と題された米国特許仮出願番号第61/320345号から、米国特許法35U.S.C.119条の下、優先権を主張するものであり、その内容は引用によって本願に援用される。
本発明は、無線ネットワーク通信に関するものであって、特に、装置内共存 (IDC:Interference for In-Device Coexistence,)干渉軽減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ユビキタスネットワークアクセスがほぼ実現している。ネットワークインフラの観点から、異なる層(たとえば、分布層(distribution layer)、セルラー層、ホットスポット層、パーソナルネットワーク層、および、固定/有線層)に属する異なるネットワークは、異なるレベルの適用(coverage)および接続性をユーザーに提供する。特定のネットワークの適用範囲は、どこででも入手できるものではなく、また、異なるネットワークは異なるサービスのために最適化されるので、ユーザー装置は、同じデバイスプラットフォーム上で、多重無線アクセスネットワークをサポートすることが望まれる。無線通信の受容が増加し続けるにつれて、無線通信装置、たとえば、携帯電話、PDA(personal digital assistants)、スマートハンドヘルド装置、ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ等は、次第に、多重無線送受信機を備えるようになった。多重無線端末(MRT:multiple radio terminal)は、同時に、ロングタームエボリューション(LTE:Long-term Evolution)またはLTE-アドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)無線、無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network、たとえば、WiFi)アクセス無線、ブルートゥース(BT:Bluetooth、登録商標)無線、および、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)無線を含む。多重無線端末(MRT)において、LTE-A無線は、国際ローミングサービスを提供することができる直交周波数分割多重方式(OFDMA-ベース:Orthogonal Frequency Division Multiple Access -based)の広帯域移動技術で、WiFi無線は、ローカルアクセスにより、巨大なバンド幅伝送を提供することができる。LTE-AとWiFi無線の組み合わせは、WiFiオフローディング(offloading)の例の一つで、未来通信の一般的なパラダイムである。同じ通信装置中の多重無線共同設置または共存は、装置内共存(IDC)とも称される。
【0003】
スペクトル規制のため、異なる技術は、重複するまたは隣接する電波スペクトルで操作する。たとえば、LTE/LTE-A TDD(Time Division Duplex)モードは、通常、2.3-2.4GHzで操作し、WiFiは、通常、2.400-2.483.5GHzで操作し、BT(Broad-band TV、phone,home & business)は、通常、2.402-2.480GHzで操作する。同じ物理的装置上に共同設置された多重無線の同時処理により、重複するまたは隣接する電波スペクトルのため、それらの間に著しい共存干渉(coexistence interference) (たとえば、装置内共存干渉)を含む重大な品質低下を生じる。物理的近接および無線電力漏洩のため、第一無線送受信機のデータ伝送と第二無線送受信機のデータ受信が、時間ドメインで重複する時、第二無線送受信機の受信は、第一無線送受信機の伝送からの干渉により影響される。同様に、第二無線送受信機のデータ伝送は、第一無線送受信機のデータ受信による干渉を受ける。
【0004】
各種のIDC干渉軽減ソリューションが求められている。異なる干渉軽減ソリューション中、パワーマネージメント(power management)機能は可能なソリューションのひとつである。IDC干渉のひとつの基本的な問題は、1個の無線トランシーバの伝送電力が強すぎるとき、別の共同設置/共存の無線トランシーバ上の同時受信に影響することである。よって、伝送無線トランシーバがその伝送電力を減少させることが出来る場合、別のトランシーバの同時受信が可能になる。一般に、電力制御 (PC:power control)は、各無線トランシーバによりサポートされる一般的な機能であり、このようなメカニズムを再利用することにより、IDC干渉を軽減し、コストを抑制し、下位互換性(backward compatible)がある。
【0005】
さらに多くのリソースまたは制御オーバーヘッド (たとえば、FDM/RRM: Frequency Division Multiplexing/Radio Resonance Management)を必要とするまたはスループットに強い影響を有する(たとえば、TDM:Time Division Multiplexing)別の重量級ソリューションを適用する前、電力制御が軽量化対策として用いられる。
【0006】
LTE/LTE-Aシステムにおいて、移動局(UE:User Equipment)の大部分の起動は、ネットワークおよびサービング基地局 (eNodeB)により制御される。たとえば、OFDMAシステム中、各UEの伝送電力は、あるレベルで維持し、ネットワークにより調整される必要がある。しかし、UE能力と用途が異なるので、最大出力電力および現在のUE伝送電力は異なる。一般に、eNodeBは、各UEからの以下の情報に基づいて、各UEの伝送電力を調整する: パワーヘッドルーム報告 (PHR:Power Headroom Report)、UE設定最大伝送電力 (Pcmax: configured maximum transmitting power)、サウンディング参照信号 (SRS:sounding reference signal)およびチャネル品質インジケータ (CQI: channel quality indicator)。一方で、各UEは、経路損失補償 (開回路PC)および物理ダウンリンク制御チャネル (PDCCH:physical down link control channel)グラントに基づいて、または、サービングeNodeBから電力制御 (TPC:transmit power control )コマンド (閉回路PC)を伝送することにより、それ自身の伝送電力を調整する。電力制御により、IDC干渉を軽減するため、UEは、IDC干渉問題を示す必要があり、よって、サービングeNodeBは、それに応じて、UEの伝送電力を調整することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
装置内共存(IDC)干渉を軽減する電力制御方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信装置(UE)上で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA無線モジュールにより、装置内共存(IDC)干渉状況を判断する工程と、UE設定最大伝送電力がUEにより設定される場合に、判断されたIDC干渉状況に基づいて最大電力低減(MPR)値の調整を経て、第一OFDMA信号モジュールのUE設定最大伝送電力を調整することにより、電力パラメータを決定する工程、および、トリガ条件を満たしてIDC干渉を軽減するように調整された電力パラメータをサービング基地局に伝送する工程と、を含むことを特徴とする装置内共存干渉を軽減する電力制御方法である。
【0009】
本発明は、装置内共存(IDC)干渉状況を判断し、無線通信装置で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA信号モジュールを有し、第一OFDMA信号モジュールは、UE設定最大伝送電力が前記UEにより設定される場合に、判断されたIDC干渉状況に基づいて最大電力低減(MPR)値の調整を経て、第一無線モジュールのUE設定最大伝送電力を調整することにより、電力パラメータを判断する電力制御モジュール、および、トリガ条件が満たされる場合、調整された電力パラメータをサービング基地局に伝送し、IDC干渉を軽減する無線トランシーバ、を具備することを特徴とする無線通信装置(UE)である。
【0010】
また、本発明は、無線通信装置で、第二無線モジュールと共同設置される第一OFDMA無線モジュールにより、装置内共存 (IDC)干渉状況を判断する工程と、判断されたIDC干渉状況に基づいて、第一OFDMA信号モジュールの新しい電力クラスに切り換える工程と、新しい電力クラスをサービング基地局に報告して、IDC干渉を軽減する工程と、を含むことを特徴とする装置内共存干渉を軽減する電力制御方法である。
【0011】
無線通信装置(UE)は、第一LTE無線モジュールおよび第二共同設置 WiFi/BT/GSNN無線モジュールを備えている。共存またはIDC干渉検出時、UEは、電力制御方法を適用して、干渉を軽減する。一般に、電力制御 (PC)は、各無線トランシーバによりサポートされる一般的な機能であり、このようなメカニズムを再利用することにより、IDC干渉を軽減し、コストを抑制し、下位互換性(backward compatible)がある。さらに多くのリソースを必要とするまたはスループットに強い影響を有する別の重量級ソリューションを適用する前、電力制御が軽量化対策として用いられる。
【0012】
第一実施例中、LTE無線モジュールは、局部的に、その電力または電力パラメータを調整し、サービングeNBに通知しない。第二実施例中、LTE無線モジュールは、その電力パラメータを調整し、現有のPHR報告により、黙示で、eNBに通知する。たとえば、LTE無線モジュールは、UE設定最大伝送電力 PCMAX を低値に調整する。PCMAXは、最大電力低減(MPR: maximum power reduction,A-MPR:A- maximum power reduction,P-MPR : P- maximum power reduction)により調整される。第三実施例中、LTE無線モジュールは、その電力または電力クラスを変化させ、UE能力または新しいRRC(Radio Resonance Control)メッセージまたはマック制御エレメント(MAC CE MAC-control Element)により、明示的に、eNBに通知する。
他の実施の形態及び利点について、以下に詳細な説明をする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置内共存の干渉を容易に軽減することができる電力制御方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付の図面は、本発明の実施の形態を説明しており、同様の番号は同様の構成要素を示している。
図1】一の新規な態様による無線通信システムおける、複数の無線モジュールを有するユーザー装置(UE)を示す説明図である。
図2A】一の新規な態様による電力制御モジュールを有するUEと基地局 (eNodeB)の簡潔なブロック図である。
図2B】一の新規な態様による制御エンティティを有するユーザー装置の簡潔なブロック図である。
図3】3GPP装置内共存 (IDC)の干渉を軽減させた電力制御ソリューションの例を示す図である。
図4】LTE/LTE-Aシステム中のUE電力パラメータを示す説明図である。
図5】一の新規な態様による装置内共存 (IDC)干渉の軽減の詳細な工程を示す説明図である。
図6】電力制御ソリューションを用いたIDC干渉の軽減の第一方法のフローチャートである。
図7】電力制御ソリューションを用いたIDC干渉の軽減の第二方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施態様について添付図を参照して詳細に説明する。
図1は、一の新規な態様による無線通信システム100であり、複数の無線モジュールを有するユーザー装置UE101が示されている。無線通信システム100は、ユーザー装置 UE101、サービング基地局(たとえば、evolved node-B)eNB102、WiFiアクセスポイントWiFi AP103、ブルートゥース装置BT104およびグローバルポジショニングシステム衛星装置 GPS105を備えている。無線通信システム100は、異なる無線アクセス技術により、UE101に、各種ネットワークアクセスサービスを提供する。たとえば、eNB102は、OFDMA-ベースのセルラー無線ネットワーク (たとえば、3GPPロングタームエボリューション(LTE)またはLTE-アドバンスト (LTE-A)システム)アクセスを提供する。WiFi AP103は、ワイヤレスLAN(WLAN)アクセスのローカルサービスエリアを提供し、BT104は、短距離個人ネットワーク通信を提供し、GPS105は、全地球的航法衛星システム (GNSS)の一部となるグローバルアクセスを提供する。各種無線アクセス技術をうまく促進するため、UE101は、同じ装置のプラットフォーム(すなわち、装置内)に共同設置/共存する複数の無線モジュールを備える多重無線端末(MRT)である。電波スペクトルのため、異なる無線アクセス技術は、重複するまたは隣接する電波スペクトルで操作する。図1に示されるように、UE101は、無線信号106によりeNB102と通信し、無線信号107によりWiFi AP103と通信し、無線信号108によりBT104と通信すると共に、GPS105から無線信号109を受信する。無線信号106は3GPP バンド40に属し、無線信号107は、14個のWiFiチャネルのひとつに属し、無線信号108は、79個のブルートゥースチャネルのひとつに属している。上述の無線信号の周波数は、すべて、2.3GHz から 2.5GHzの範囲である。よって、著しい装置内共存 (IDC)干渉を生じる。この問題は、2.4GHz ISM (The Industrial,Scientific and Medical)無線周波数バンド(たとえば、2400-2483.5MHzの範囲)でさらにひどくなり、WiFiチャネルおよびブルートゥースチャネルは共に、この周波数バンドを用いている。
【0016】
IDC干渉の一つの基本的な問題は、1個の無線トランシーバの伝送電力が強すぎるとき、別の共同設置/共存の無線トランシーバ上の同時受信に影響することである。よって、伝送無線トランシーバがその伝送電力を減少させることが出来る場合、別のトランシーバの同時受信が可能になる。一の新規な態様において、UE101は、調整された電力パラメータをシグナリングすることにより、IDC干渉問題を検出し、電力制御ソリューションをeNB102に適用して、共存干渉を軽減する。
【0017】
図2Aは、一の新規な態様による電力制御モジュールを有するユーザー装置UE201および基地局eNB211の簡潔なブロック図である。UE201は、メモリ202、中央制御エンティティを有するプロセッサ203、アンテナ221に結合されるLTEトランシーバ206および電力制御モジュール207を有するOFDMA (LTE)無線モジュール205、GPSレシーバ208、WiFiトランシーバ209、ブルートゥースBTトランシーバ210およびバス220を備えている。一方で、eNB211は、メモリ212、プロセッサ213、電力制御モジュール214、アンテナ216に結合されるLTEトランシーバ215を含む。
【0018】
図2の例において、中央制御エンティティ204は、プロセッサ203中で論理的に実施される論理エンティティであり、UE201のデバイス応用処理にも用いられる。中央制御エンティティ204は、バス220により、UE201中の各種無線トランシーバに接続され、各種無線トランシーバと通信する。たとえば、WiFiトランシーバ209は、WiFi起動(activation)/失活(deactivation)情報、無線信号情報および/またはWiFiトラフィックおよびスケジューリング情報を、中央制御エンティティ204に伝送する(たとえば、太い点線230で示される)。受信したWiFi情報に基づいて、中央制御エンティティ204は、制御情報を決定して、制御情報をLTE無線モジュール205に伝送する(たとえば、太い点線240で示される)。一例において、電力制御モジュール207は、制御情報に基づいて、電力パラメータを決定する。その後、LTE無線トランシーバ206はeNB211と通信して、IDC共存干渉を軽減する(たとえば、太い点線241と242で示される)。一例において、IDC干渉の検出時、UE201は、調整されたUE設定最大伝送電力(PCMAX)およびパワーヘッドルーム報告(PHR)をeNB211に伝送し、eNB211からの伝送電力制御(TPC)コマンドを待って、IDC干渉軽減のその伝送電力を減少させる。TPCコマンドが受信される場合、UE201は、それに応じて、伝送電力、たとえば、PPUSCH または PPUCCHを調整する。
【0019】
図2Bは、一の新規な態様による制御エンティティを有するユーザー装置UE251の簡潔なブロック図である。中央制御エンティティへの依存に代わって、分散型制御モデルが用いられる。UE251は、メモリ252、プロセッサ253、LTE無線モジュール254、GPSモジュール255、WiFiモジュール256およびBTモジュール257を備えている。各無線モジュールは、無線トランシーバおよびローカル制御エンティティを備えている。一例において、LTE制御エンティティ258は、別の無線モジュール(所定または設定による)とやり取りされる情報に基づいて、電力パラメータを決定する。たとえば、WiFiモジュール256中の制御エンティティは、WiFi起動/失活情報、無線信号情報、および/または WiFiトラフィックおよびスケジューリング情報を、制御エンティティ258に伝送する(たとえば、太い点線280で示される)。受信されたWiFi情報に基づいて、制御エンティティ258は、IDC干渉状況を検出して、調整された電力パラメータを決定する。その後、LTE無線トランシーバ259は、eNB261と通信して、IDC 共存干渉を軽減する(たとえば、太い点線281と282で示される)。
【0020】
IDC干渉を回避および/または軽減する異なるソリューションが求められる。一般に、電力制御 (PC)は、各無線トランシーバによりサポートされる一般的な機能であり、このようなメカニズムを再利用することにより、IDC干渉を軽減し、コストを抑制し、下位互換性(backward compatible)を有している。さらに多くのリソースまたは制御オーバーヘッド (たとえば、周波数分割多重化FDM/無線資源管理RRM)を必要とするまたはスループットに強い影響を有する(たとえば、TDM)別の重量級ソリューションを適用する前、電力制御が軽量化対策として用いられる。ある状況下で、電力制御は、それ自身で、IDC干渉を解決するのではなく、その他の補助的なソリューションからの助けを必要とする。
【0021】
図3は、3GPP装置内共存(IDC)干渉軽減の電力制御ソリューションの例を示す説明図である。図3において、LTE TX信号301はLTE無線トランシーバにより伝送され、WiFi/BT RX信号302はWiFi/BT 無線トランシーバにより受信される。LTEトランシーバおよびWiFi/BT LTE無線トランシーバは、UEの同じ装置のプラットフォーム上に共同設置される。TX信号301が、周波数ドメインで、RX信号302に極めて接近するとき、LTEトランシーバのTXフィルターおよびRF設計の不十分な場合に生じる帯域外(OOB)発射およびスプリアス発射(spurious emission)は、WiFi/BT LTE無線トランシーバに受け入れられない。たとえば、フィルタリング後(たとえば、50dB圧縮)でも、TX信号301のLTEトランシーバによるTX信号電力レベルは、WiFi/BT LTE無線トランシーバのRX信号302のRX信号電力レベルよりまだ高く(たとえば、フィルタリング前 60dB)、著しいIDC干渉を生じる。
【0022】
電力制御ソリューション下で、LTE TX信号301が、WiFi/BT RX信号302に近い周波数チャネルである時、LTEトランシーバの伝送電力が減少する。第一実施例中、UE中心(UE-centric)の電力制御ソリューションが採用される。UEは、局部的に、その電力または電力パラメータを調整し、サービングeNBに通知しない。すなわち、サービングeNBは、このようなソリューションの存在を全く知らない。たとえば、UEがIDC干渉に遭う時、UEは、局部的に、経路損失またはその補償パラメータを変化させて、その伝送電力を減少させる。一般に、このようなソリューションは、絶望的な状況に緊急措置として実施される。よって、その他の基本的なサポートを必要としない。このようなソリューションは、eNBを複雑なものにせず、且つ、下位互換性があるが、一般のLTE原理とは一致しない。このほか、eNBは、UE伝送電力を増加させて、IDC干渉軽減の効果を相殺する。
【0023】
LTE/LTE-Aシステムにおいて、レガシーLTE電力制御メカニズムは、IDC干渉問題によって壊されるてはいけない。よって、局部的に、直接、LTE TX電力を減少させる代わりに、さらに満足できるソリューションは、電力制御パラメータを調整することである。第二実施例中、UEは、暗黙的電力制御シグナリングを適用する。UEは、現有の報告によれば、局部的に電力パラメータを調整して、eNBに通知する。電力パラメータ受信時、eNBは、それに応じて、UE伝送電力を調整する。このようなソリューションはLTE原理と一致し、現有の電力報告メカニズムの再利用により、下位互換性を有する。しかし、このソリューションでは、基準修正が必要である。
【0024】
第三実施例中、UEは、明示的な電力制御シグナリングを適用する。UEは、明示的に、eNBに通知して、UE伝送電力を減少させ、場合によってはその原因を通知する。eNBは、UEからの要求に基づいて、UE伝送電力を減少させる。第一例において、IDC干渉に遭う時、UEは、新しいメカニズムにより、eNBに、干渉の存在および要求される電力低減を通知する。第二例において、IDC干渉に遭う時、UEは異なる電力クラスに切り換える。新しい電力クラスは、UE能力、新しいRRCメッセージまたは新しいMAC CEにより示される。IDC干渉は非常に動的であるので、UE電力クラスがUE能力の一部として見なされる場合、ネットワークは、オンザフライ(on-the-fly)UE能力をサポートしなければならない。このようなソリューション下で、eNBおよびネットワークは、IDC干渉状況を理解することができる。しかし、新しいシグナリングメカニズムを必要とし、ネットワークをより複雑なものにする。
【0025】
LTE/LTE-Aシステムにおいて、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)上のUE伝送電力 PPUSCH(i)は等式(1)で定義される:
PPUSCH(i)= min{PCMAX,10log10(MPUSCH(i))+PO_PUSCH(j)
+α(j)*PL+ΔTF(i)+f(i)} (1)
式中、
MPUSCH(i),ΔTF(i),f(i)は、eNBから、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical down link control channel)グラントにより与えられるパラメータ(グループA)
PO_PUSCH(j),α(j),ΔTF(i)は、eNBから、無線リソース制御(RRC:radio resource control)によりシグナリングされるパラメータ(グループB)
PCMAX (UE設定最大伝送電力),PL (経路損失)は、UEにより決定されるパラメータ(グループC)
【0026】
LTE/LTE-Aシステムにおいて、UE伝送電力は、一般に、そのサービングeNBにより制御される。eNBは、UEの電力容量および用力を知らないので、UEは、パワーヘッドルーム報告 (PHR)メカニズムを用いて、 周期的に、サービングeNBに、そのパワーヘッドルーム (PH)値を提供し、PH値は、UE設定最大伝送電力(たとえば、PCMAX)とUE計算(UE-calculated)の現在の伝送電力 (たとえば、PPUSCH)間のパワーオフセットとして定義される。報告されたPHR および PCMAXに基づいて、eNBはUE伝送電力を制御する。たとえば、eNBは、リソースブロックの数量、グループAの変調および符号スキーム、または、グループBの別の電力制御パラメータを調整することにより、UE伝送電力を変化させる。
【0027】
一の新規な態様において、LTE無線トランシーバから、別の共同設置/共存の無線トランシーバへのIDC干渉を軽減するため、UEは、グループC中のUE設定最大伝送電力 PCMAX を低値に調整することができる。一般に、低PCMAX 値も小PH値に対応する。このような黙示的なシグナリングの下で、低 PCMAX および小PH値は、eNBに、UE伝送電力を減少させ、これにより、共存干渉を減少させる。これは、直接的なソリューションで、基準に加えられてもよいし、または、単に、迅速な実施の処置として用いてもよい。
【0028】
図4は、LTE/LTE-Aシステム中のUEの電力パラメータを説明する説明図である。UE設定最大伝送電力PCMAXは等式(2)で定義され、UEのパワーヘッドルーム(PH)値は等式(3)で定義される:
PCMAX_L <= PCMAX <= PCMAX_H (2)
PH = PCMAX−UE 伝送電力 (3)
式中、
PCMAX_L = MIN{PEMAX−ΔTC,PPOWERCLASS−MAX(MPR+A−MPR,P−MPR)−ΔTC} (4)
PCMAC_H = MIN{PEMAX, PPOWERCLASS} (5)
PEMAX は高層により設定される。
PPOWERCLASS は最大出力電力
最大電力低減(MPR: Maximum Power Reduction):ある変調順序とリソースブロック数量の最大電力の最大許可減少値
付加最大電力低減(A-MPR: Additional Maximum Power Reduction):リソースブロックの数量とバンドの最大電力の最大許可減少値
P-MPR(power management term for Maximum Power Reduction)は、最大電力低減のパワーマネージメント機能用語である。P-MPRはUE制御のパラメータで、SAR近接性の要求に符合するか、または、UE中のその他の操作の3GPP RATの干渉を回避し、たとえば、現在の使用範例は、LTEとCMA2000の結合である。
CCがバンドの辺縁にあるとき、ΔTC = 1.5dB; その他の状況下では、ΔTC =0Db
【0029】
等式(2)から分かるように、UE設定最大伝送電力 PCMAX_L の下界は、最大出力電力 PPOWERCLASS および最大電力低減MPR,A-MPRと P-MPRにより制御される。よって、MPR,A-MPRおよび/またはP-MPRを増加させることにより、PCMAXの値が減少する。たとえば、PPOWERCLASS=23dBm,MPR=2dB,A-MPR=1dBであると仮定する。P-MPRがない場合、最大伝送電力 PCMAX は20dBm(たとえば、図4の PCMAX 401 により示される)である。しかし、UEが干渉を受けるため、P-MPR=6dBが導入された場合、IDC状況があるとき、最大伝送電力 PCMAX は 17dBmに減少する (たとえば、図4のPCMAX 402 により示される)。PCMAX はUE設定ハードリミット(hard limit)で、eNBがPCMAXより高い電力を要求する時、UEは、TX電力(PPUSCH、PPUCCH または両者の組み合わせ)をPCMAXに調整する。MPRは、変調順序とリソースブロックの数量により影響され、A-MPRは、リソースブロックの数量とバンドにより影響される。UE実施に基づいて、P-MPRは、バンド、リソースブロックの数量、変調順序および共存モデムの受信機の感度等により影響される。等式(4)にしたがって、総最大電力低減は、(MPR+A-MPR) と P-MPRの間の大きい値である。P-MPRがMPR+A-MPRより小さい時、P-MPRは隠され、ネットワークから見ることができない。ある状況、たとえば、IDCが発生して、P-MPRが総MPRを制御する場合、ネットワークはP-MPRの存在を意識する。
【0030】
あるいは、UEが、低 PPOWERCLASSに切り換わる場合、PCMAX の値も減少する。低 PCMAX または小PH値の受信時、eNBはUE伝送電力を減少させる。注意すべきことは、eNBは、また、別のアップリンク制御情報 (たとえば、チャネル品質インジケータ (CQI: channel quality indicator)またはサウンディング参照信号(SRS: sounding reference signal)に基づいて、UE伝送電力を設定することである。たとえば、UEは、CQIをさらに保守的な値に報告するか、または、調整された電力により、SRSを伝送し、これにより、eNBは、電力制御パラメータ(グループAまたはB)を調整して、UEのTX電力を減少させる。しかし、このようなスキームは、eNBを騙して、チャネル状況が異なり、eNBをトリガーし、TX電力を減少させると思うことにより、電力制御メカニズムをコントロールする。よって、ネットワークは、一般に、この種のソリューションを提唱しておらず、標準的なソリューションが使用出来ない場合、迅速な実施の処置としてのみ用いられる。
【0031】
図5は、無線通信システム500中、IDC干渉を軽減する電力制御ソリューションの方法の詳細な工程を示す説明図である。無線通信システム500は、UE501およびeNB502を含む。UE501は、同じ装置プラットフォームに共同設置された複数の無線モジュールを含む。無線モジュールの一つはLTE無線で、別の無線モジュールは、WiFi/BT/GNSS無線を備えている。UE501は、IDC干渉の軽減メカニズムを促進する中央制御エンティティも備えている。ステップ510で、UE501はIDC干渉状況を判断する。IDC干渉状況は、共同設置のWiFi/BT/GNSS無線の起動により、または、共同設置のWiFi/BT/GNSS無線の信号/トラフィック情報を受信することにより検出する。一例において、中央制御エンティティは、LTE無線に、WiFi無線の起動を伝える。別の例において、中央制御エンティティは、LTE無線に、WiFi無線の信号品質およびトラフィックスケジューリング情報を伝える。LTE 電力制御のため、LTE無線モジュールは、WiFi/BT/GNSSの受信した信号品質に基づいて、将来、どのくらい干渉を受けるかを推定する。LTE無線モジュールは、さらに、現在の最大LTE伝送電力レベルに基づき、WiFi/BT/GNSS無線により与えられる最大LTE伝送電力レベルを推定し、最低受信信号品質を達成する。
【0032】
ステップ520で、IDC干渉状況の検出時、UE501は、電力制御ソリューションを適用して、検出されたIDC干渉を軽減する。UE中心のソリューション中、UE501は、局部的に、その電力または電力パラメータだけを調整し、eNB502に通知せず、つまり、eNB502は、このようなソリューションの存在を全く知らない。たとえば、UE501は、PL補償により、TX電力を減少させる。第一例において、UE501は、自立的に、グループB中のPL補償パラメータα(j)を減少させる。第二例において、UE501は、PL推定のバイアスを仮定する。あるいは、eNB502は、二個のPL補償パラメータ (または、一PLパラメータおよびバイアス)を分配し、一つは正常伝送、もうひとつは、IDC状況の伝送である。UE501は、自動的に、2個のパラメータ間を切り換える。任意で、UE501は、eNBに、IDC干渉状況の存在(切り換えを暗示する)を通知する。
【0033】
電力制御ソリューションの一例中、UE501は、黙示的なシグナリングにより電力制御を適用する。ステップ531で、UE501は、電力パラメータをeNB502に報告する。電力パラメータは、UE設定最大伝送電力PCMAX およびパワーヘッドルーム報告PHRを含む。たとえば、UE501は、PCMAX を低値に調整する。このほか、UE501は、共存インジケーターも伝送して、共存干渉状況をeNB502に通知する。ステップ532で、eNB502は、受信した電力パラメータに基づいて、TPCコマンドをUE501に戻す。たとえば、低 PCMAX 値は、eNB502に、TPCコマンドにより、UEのTX電力を減少させる。別の例において、eNB502は、PDCCHグラントにより、UEのTX電力を減少させる。ステップ533で、UE501は、TCPコマンドまたはPDCCHグラントまたはRRCシグナリングに基づいて、伝送電力を減少させ、IDC干渉を軽減する。
【0034】
上述の電力制御方法は、現有のパワーヘッドルーム報告 (PHR)メカニズムと暗黙的なシグナリングを採用する。PHの報告期間、遅延及びマッピングが、LTE基準で定義される。RRCは、2個のタイマーperiodicPHR-TimerおよびprohibitPHR-Timerを設定する。更に、dl-経路損失変化をシグナリングすることにより、PH報告を制御する。dl-経路損失変化は、パワーマネージメント機能のため、測定されたダウンリンク経路損失および必要なパワーバックオフ中で、変化を設定する。prohibitPHR-Timerが期限切れまたは既に期限切れのとき、PHRが始動(triggered)される。一例において、PCMAX またはPH値の調整が、スレショルド値 (たとえば、パワーマネージメント機能を超えた場合(P-MPRにより許可される)のため、必要なパワーバックオフが、dl-経路損失変化dB以上に変化した)、PHRが始動される。
【0035】
電力制御ソリューションの別の例において、UE501は、明示的なシグナリングにより電力制御を適用する。ステップ541で、IDC干渉に遭う時、UE501は、明示的に、eNB502に、IDC干渉の存在を通知する。第一例において、UE501はTX電力減少を適用し、新しいシグナリングメカニズムにより、eNB502に、当てはまる電力低減を通知する。第二例において、別の共存無線が起動する時または共存無線がトラフィックの受信を開始する時、UE501は、電力クラスを低値に変化させる。同様に、UE501は、共存無線が失活する時または共存無線がトラフィックの受信を停止する時、電力クラスを高い値に変化させる。ステップ542で、eNB502は、受信した電力クラスに基づいて、TPCコマンドまたはアップリンクグラントをUE501に戻す。ステップ543で、UE501は、TCPコマンドまたはアップリンクグラントに基づいて、伝送電力を変化させて、IDC干渉を軽減する。
【0036】
電力クラスシグナリングに幾つかの可能性がある。一例において、UE能力中の新しい情報要素(IE)が用いられて、UE能力により、電力クラスを示す。NASは、TA/RA/LA更新および特別条項(special clause)を発して、UE電力クラスを変化させる。しかし、現在は、UE能力のオンザフライの変化をサポートしない。たとえば、UEが、すでにそのE-UTRA無線アクセス能力を変化させている場合、NASは、新しいRRC接続により始動される。よって、UEは、RRC_IDLE状態になって、RRC_CONNECTED状態に戻る必要がある。さらに、UEがTAUに付着する場合、GREEN 能力だけが変化する。E-UTRAN能力の変化は、UEの分離(MMEからUE能力を除去する)後、再度付着する必要がある。UE能力により、電力クラスシグナリングを促進するため、新しいネットワーク工程 (たとえば、S1 工程)が導入されて、さらに頻繁なUE能力再書き込みを可能して、電力クラス変化に用いる。さらに、新しいネットワーク工程が導入されて、UE能力再書き込みを可能にして、付着UEに用いる。一方で、UEが付着する時、禁止タイマーが用いられて、UEの電力クラス変化の周波数を制限する。電力クラス シグナリングのその他の可能性は、新しい無線リソース制御(RRC)メッセージおよび新しい媒体アクセス制御 (MAC)制御素子 (CE)を備える。UE能力シグナリングを再利用して、UE能力静態を保持するのに代わって、新しいRRCシグナリングまたはMAC CEによりeNBに通知する。これにより、共同設置無線モデムの潜在的動的活性は、ネットワークにとってトランスペアレントである。
【0037】
図6は、電力制御ソリューションを用いたIDC干渉軽減の第一方法のフローチャートである。ステップ601において、UEのLTE無線モジュールはIDC干渉状況を判断する。LTE無線モジュールは、同じ装置プラットフォームで、第二無線モジュールと共同設置される。ステップ602で、IDC干渉状況の検出時、UEは、最大LTE無線モジュールのUE伝送電力を調整することにより、電力パラメータを決定する。ステップ603において、LTE無線モジュールは、調整された電力パラメータをサービングeNBに伝送する。ステップ604において、eNBは、受信した電力パラメータに基づいて、TPCコマンドまたはアップリンクグラントをUEに伝送し、UEは、TCPコマンドまたはアップリンクグラントに基づいて、伝送電力を変化させて、IDC干渉を軽減する。
【0038】
図7は、電力制御ソリューションを用いたIDC干渉軽減の第二方法のフローチャートである。ステップ701中、UEのLTE無線モジュールは、共存状況を判断する。LTE無線モジュールは、同じ装置プラットフォームで、第二無線モジュールと共同設置される。ステップ702で、共同設置無線モジュールの起動/失活の検出時、UEは、LTE無線モジュールの電力クラスを切り換える。ステップ703で、LTE無線モジュールは、新しい電力クラスをサービングeNBに報告する。ステップ704で、eNBは、受信した電力クラスに基づいて、TPCコマンドまたはアップリンクグラントをUEに伝送し、UEは、TCPコマンドまたはアップリンクグラントに基づいて、伝送電力を変化させて、IDC干渉を軽減する。
【0039】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して実施例に限定するものではなく、たとえば、LTE-アドバンスト移動通信システムを例として、本発明を説明しているが、本発明は、同様に、別の移動通信システム、たとえば、ティーディーエスシーディーエムエー (TD-SCDMA)システムに応用することもできる。したがって、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0040】
202 メモリ
203 プロセッサ
204 中央制御エンティティ
206 LTE無線トランシーバ
207 電力制御モジュール
208 GPSレシーバ
209 WiFiトランシーバ
210 ブルートゥーストランシーバ
212 メモリ
213 プロセッサ
214 電力制御モジュール
215 LTEトランシーバ
241 調整された電力パラメータ
242 電力コントロールコマンド
251 UE
252 メモリ
253 プロセッサ
254 LTE無線モジュール
255 GPSモジュール
256 WiFiモジュール
257 BTモジュール
510 IDC干渉状況を判断するステップ。
520 電力制御ソリューションを適用するステップ
531 干渉の指示 最大伝送電力およびPHRを報告するステップ。
532 電力制御命令を伝送するステップ
533 TX電力を調整するステップ
541 IDCを指示 電力クラスを減少または変化させるステップ
542 電力制御コマンドを伝送するステップ
543 TX電力調整ステップ
601 UEの第一LTE無線モジュールがIDC干渉状況を判断するステップ
602 IDC干渉状況の検出時、UEは、最大LTE無線モジュールのUE伝送電力を調整することにより、電力パラメータを決定するステップ
603 LTE無線モジュールは、調整された電力パラメータをサービングeNBに伝送するステップ
604 UEは、TCPコマンドまたはアップリンクグラントに基づいて、伝送電力を変化させるステップ
701 UEの第一LTE無線モジュールは、共存状況を判断するステップ
702 共同設置無線モジュールの起動/失活の検出時、UEは、LTE無線モジュールの電力クラスを切り換えるステップ
703 第一LTE無線モジュールは、新しい電力クラスをサービングeNBに報告するステップ
704 UEは、TCPコマンドまたはアップリンクグラントに基づいて、伝送電力を変化させるステップ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7