(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サッシ枠に形成されるガラス嵌合溝に嵌合したガラス板とガラス嵌合溝とのあいだにシーリング材を充填して構成される窓サッシにおいて、前記サッシ枠のガラス板より屋内側部位に取付け金具を介してパネル体を取付けるにあたり、該取付け金具は、パネル体を固定するためのパネル体固定部と、ガラス嵌合溝に挿入される脚片とを備えるとともに、該脚片は、ガラス嵌合溝の屋内側面とガラス板との間に充填されたシーリング材を切取って形成される空隙部に挿入され、該脚片が挿入された後の空隙部に補充シーリング材を充填して、該補充シーリング材とガラス嵌合溝の屋内側面とのあいだで脚片を挟持するようにしたことを特徴とする窓サッシへのパネル体の取付け方法。
取付け金具は、脚片が形成される第一部材と、パネル体取付け用ビスポケットが形成される第二部材とから構成され、第一部材と第二部材とは、第一部材に立上り形成した支持片に第二部材側から螺入するビスを介して固定されるものであることを特徴とする請求項1または2記載の窓サッシへのパネル体の取付け方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は建築物の躯体開口部に設けられ、該開口部に組付けられた窓サッシであって、該窓サッシ1は、左右一対のサッシ縦枠2、サッシ下枠3、サッシ上枠30により四周を囲撓される状態で構成され、そして前記サッシ枠2、3、30に形成のガラス嵌合溝2a、3a、30aにガラス板4の四周縁部を嵌合し、その屋内外部をシーリング材5を充填することで構成されている。さらに、サッシ下枠3にはガラス板4を支持するための支持片材6が組み込まれていること等は何れも従来通りである。
【0009】
前記サッシ縦枠2の屋内側見込面2b及びサッシ上枠30の見込面(図示せず)は平面状となっているが、サッシ下枠3の屋内側見込面3bは凹溝状となっている。この凹溝は、ガラス面の結露水を受けるもので、本実施の形態では、ここに2枚の補助板材7を組込んで平面状にした状態で、パネル体の一例である表示装置8を取付けている。
【0010】
表示装置8は上下の横フレーム材9、左右の縦フレーム材10、屋外側表示パネル11、導光パネル12、屋内側表示パネル13(目隠しパネルでも良い)、光源用のLED(発光ダイオード)14及び配線部材等から構成されている。
前記横フレーム材9には、都合4本の突出片9a、9b、9c、9dが屋内外方向に間隙を存する状態で突出しており、これら突出片9a、9b、9c、9dと縦フレーム材10で形成される溝部に前記表示パネル11、13等が組み込まれている。
また、前記縦フレーム材10は、屋外側から順に、第1フレーム10a、溝支持板10b、第2フレーム10c、第3フレーム10dで構成されている。
そしてLED14から発せられた光は導光パネル12において発光し、これがバックライトとなって表示パネル11、13を照射することになり、これによって屋内外から表示パネル11、13に描かれている文字や図柄を視認できるようになっているが、本実施の形態では、特開2012−247554号公報に記載されるものを基本的に実施しているので、その組立手順等の詳細については省略するが、横縦フレーム材9、10を組付けた後、表示パネル11、導光パネル12、表示パネル13の順に組付けるようになっている。
ここで、サッシ上枠30と横フレーム材9との取付け構造と、サッシ下枠3と横フレーム材9との取付け構造は、サッシ下枠3側にのみ補助板材7を組込むこと以外は同様の構成であるため、以下、前者の取付け構造の説明は省略する。また、左右一対のサッシ縦枠2についても基本的に同様の取付け構造であるため、他方の説明を省略する。
【0011】
次に、窓サッシ1に表示装置8の横縦のフレーム材9、10を取付ける手順について説明する。図面において、15は表示装置8を窓サッシ1に取付けるための取付け金具であって、該取付け金具15は、本実施の形態では第一部材16と第二部材17とを用いて構成されているが、第一部材16は、側面視でL字形に折曲された平板状部16aと脚片16bとを備えて構成され、平板状部16aの中間部には立上り片16cが立上り形成され、該立上り片16cの先端部には支持片16dが平板状部16aと平行になるよう折曲形成され、支持片16dにはビス孔16eが形成されている。
【0012】
そして第一部材16は、窓サッシ1のガラス嵌合溝2a、3a、30aに充填されたガラス板4の屋内側の屋内側シーリング材5を点在的に(適宜間隔を存して)切取って形成した空隙部5aに脚片16bがガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面2c、3cに当接するよう挿入組み込みすることになるが、本実施の形態では、第一部材16の内面に雨仕舞のため隅部シーリング材16gを塗布した後、内面に貼着してある両面粘着テープ16f(両面粘着テープは平板状部16aのみ、脚片16bのみ、平板状部16a、脚片16bの両者に貼着したものとすることができる。また接着剤、粘着剤による支持でも良い。)を、脚片16bがガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面2c、3cに当接する状態で屋内側面2c、3cに貼着することにより取付け金具15のサッシ枠2、3、30への貼着支持ができるようになっている。その後、前記空隙部5aに補充シーリング材5bを充填して埋めることで、ガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面2c、3cと補充シーリング材5bとの間に脚片16bが挟持されると共に、雨仕舞いができるようになっている。
尚、上記説明は、既存の窓サッシに表示装置を後付けする場合であって、窓サッシの取付けと同時に表示装置の取付けを施工する場合には、第一部材16をガラス嵌合溝に貼着した後にシーリング材を充填することになる。
また、シーリング材5の部分にガラス板4以外の部材を差し込むことは漏水の原因となる惧れもあるため、例えば、第一部材16(特に脚片16b)を設ける位置をサッシ縦枠の箇所のみとし、又は、縦枠と上枠のみとしても良い。
【0013】
このようにしてサッシ枠2、3、30に取付けた第一部材16に、第二部材17を取付けることになるが、該第二部材17は、基端部が立上り片16cの屋外側に位置し先端部が横縦フレーム材9、10の屋外側面に当接する起立状の屋外側片17aと、該屋外側片17aの上下中途位置から屋内側に延び、第一部材支持片16dに当接する水平状の固定片17bと、該固定片17bの屋内側に隣接する状態で形成される上側が開口した第一のビスポケット17c(本発明のパネル体固定部に相当する)と、補助板材7に当接する板面部17dと、該板面部17dの屋内側端に形成される屋内側面が開口した第二のビスポケット17eとを備えて構成されているが、第二部材17は、固定片17bに形成の貫通孔17fを貫通せしめた第二部材取付け用ビス18をビス孔16eに螺入することで第一部材16に取り付け固定されるようになっている。
つまり、サッシ枠2、3、30に形成されるガラス嵌合溝2a、3a、30aに嵌合したガラス板4とガラス嵌合溝2a、3a、30aとのあいだにシーリング材5を充填してなる窓サッシ1において、サッシ枠2、3、30のガラス板4より屋内側部位に、横縦のフレーム材9、10を備えた表示装置8(パネル体)を組込むにあたり、屋内側シーリング材5を切取って空隙部5aを形成する工程、サッシ枠2、3、30のサッシ内面側に取付けられる取付け金具15に折曲形成の脚片16bを空隙部5aに挿入する状態で取付け金具15の取付けをする工程、取付け金具15に形成される第一のビスポケット(パネル体固定用ビスポケット)17cに、横縦のフレーム材9、10側から挿入した表示装置取付け用ビス(パネル体固定用ビス)19を螺入することで横縦のフレーム材9、10を窓サッシ1に組付ける工程により、表示装置8(パネル体)は窓サッシ1に取付けられるように構成されている。
尚、第二部材17は、表示装置8の横フレーム材9及び縦フレーム材10に対応する長さの長尺部材となっている。
次に、表示装置8の取付を説明する。左右のサッシ縦枠2に取付けた第二部材17に縦フレーム材10を第一ビスポケット17cに表示装置取付け用ビス19を螺入して固定し、サッシ下枠3(及びサッシ上枠30)の第二部材17に横フレーム材9を同様に表示装置取付け用ビス19で固定する。尚、本実施例においては、表示装置取付け用ビス19は適宜間隔をおいて複数取付けられる。次に、屋外側表示パネル11を組み込み、そこに溝支持板10bを宛がい、導光パネル12を組み込み、LED14を嵌挿した第2フレーム10cを取付ネジ(図示せず)で第1フレーム10aに取付ける。次に、屋内側表示パネル13を組み込み、第3フレーム10dを取付ネジ(図示せず)で取付ける。尚、前記組み立ての際に、表示パネル11、13等を載置するスペーサや配線部材等が組み込まれるが、それらの詳細手順は省略する。さらに、横フレーム材9及び縦フレーム材10と第二部材17との屋内側面を覆う塞ぎ板20を、螺入ビス20aを第二ビスポケット17eに螺入して固定する。尚、
図2において、21は表示装置8の高さ位置をセットするための位置決めスペーサである。
【0014】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、表示装置8を構成する横フレーム材9及び縦フレーム材10は、前記表示装置8を既存の窓サッシに後付けする場合には、シーリング材5の一部を切取って形成される空隙部5aに、取付け金具15の構成部材である第一部材16の脚片16bを挿入する状態で両面粘着テープ16fにより該第一部材16をサッシ枠2、3、30に取付けた後、第二部材17を固定片17bが支持片16dに重なる状態で組み込み、第二部材取付け用ビス18を第二部材17側からビス孔16eに螺入することで第二部材17と第一部材16とが一体化された取付け金具15とすることができ、このように一体化された取付け金具15に横フレーム材9及び縦フレーム材10を窓サッシ1の内側からあてがい、表示装置取付け用ビス19を第一ビスポケット17cに螺入することで、窓サッシ1へ組み付けられており、これによって表示装置8の取付けが可能になっていると共に、前記空隙部5aに補充シーリング材5bを充填することで、脚片16bはガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面と補充シーリング材5bとの間に挟持されることになる。
尚、窓サッシの取付けと同時に表示装置の取付けを施工する場合は、第一部材16をガラス嵌合溝に貼着した後にシーリング材を充填することになり、その後の第二部材17、表示装置8の取付けは、前記した後付けの場合と同様である。
【0015】
このように本発明が実施されたものにおいては、第一部材16と第二部材17とで構成される取付け金具15を、脚片16bがガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面とシーリング材5(後付けの場合には補充シーリング材5b)との間に挟持された状態で組付けられるため、取付け金具15の取付け位置がよく位置決めされると共に、取付け金具15の室内側および室外側への不用意な移動のない状態での取付けがなされ、そしてこの取付け金具15に備えられる第一ビスポケット17cに表示装置取付け用ビス19を介して横フレーム材9及び縦フレーム材10が取付けられることになる結果、表示装置8を窓サッシ1に取付けるにあたり、サッシ枠2、3、30にビス孔を形成する必要がない。このため表示装置8を取り外したとき、サッシ枠2、3、30にビス孔が残って視認されてしまうようなことがない。
【0016】
しかもこのものは、脚片16bがサッシ枠2、3、30に点在する状態で配されるものとなっているため、表示装置8を既存の窓サッシに後付けする場合に、シーリング材5の切取り作業が部分的なものとなって容易であると共に、取付け金具15を取付けた後の雨仕舞修復として補充シーリング材5bの充填もわずかで良いうえ、表示装置8を取外した後のシーリング材による空隙部5aの修復も簡単となる。
【0017】
またこのものでは、取付け金具15が第一部材16と第二部材17とで構成されるが、第一部材16と第二部材17との固定構造が、第一部材16に立上り形成した支持片16dと第二部材17の固定片17bとを第二部材取付け用ビス18を用いて行うことになるが、該ビス18による固定が立上り位置にあるため、サッシ枠2、3、30にビス孔を穿設する必要がない。
【0018】
しかもこのものでは、取付け金具15は、第一部材16が両面粘着テープ16fを介してサッシ枠2、3、30に貼着支持されるため、不用意な取付け金具15の位置ズレが防止されることになる。
【0019】
なお、本発明は前記実施の形態(第1の実施の形態)に限定されないものであることは勿論であって、
図8に示す第2の実施の形態のように一枚の表示パネル11と導光パネル12とを、予め、横フレーム材9と縦フレーム材10で構成する四周枠に組み込んで一体化した表示装置8に実施することができる。この実施形態においては、サッシ枠2、3、30の内側に取付け金具15の第一部材16を取付け、第二部材17を第一部材16に第二部材取付け用ビス18で連結するまでは第1の実施の形態と同様の手順となる。次に、第二部材17のガラス板4に近接する側に反射板22を嵌着し、サッシ下枠3に設置した取付け金具15の上面に位置決めスペーサ21を適宜間隔で載置した上で屋内側から表示装置8を嵌め込むようになっている。そして、横フレーム材9の屋内側辺9gが第二部材17に当接する位置で、固定ネジ9hを第二部材17に螺入させて取り付ける構造となっている。
また、本実施の形態における表示装置8は、ガラス板4の屋内側に表示シートを貼付けて使用する形式のものである。このものにおいては、表示シートの周囲に反射板22があるため、ガラス板4の周辺部、隅部にも光が導かれる構成になっている。
尚、本実施の形態においては、表示パネルを一枚にした薄型の表示装置であって、予め一体化した表示装置8を組み込む事例としたが、第1の実施の形態と同様、組込み時に縦枠、横枠、表示パネル等を組立てる形式の薄型表示装置としても良い。
また、パネル体としては表示装置に限定されるものではなく、例えば
図9に示す第3の実施形態のように障子23としても同様に実施することができる。
【0020】
さらに本発明は、
図10に示す第4の実施の形態とすることもできる。このものは取付け金具24を一つの部品で構成したものであって、取付け金具24自体に、前記平板状部16a、脚片16b、第一ビスポケット17c、第二ビスポケット17eに対応した平板状部24a、脚片24b、第一ビスポケット24c、第二ビスポケット24eが形成されたものであり、このようにしたものでは部品点数の低減が図れるという利点がある。
尚、取付け金具24は、例えば、横フレーム材9に対応するものは、横フレーム材9と同様の長さを有する長尺材であるが、脚片24bは中間部を切り欠いて離間した突片状のものとなっている。但し、脚片24bも連続した長尺としても実施可能である。
【0021】
さらに本発明は、
図11に示す第5の実施の形態とすることもできる。このものは、前記第4の実施の形態の変形例であって、第4の実施の形態と同様に、取付け金具41を一つの部品で構成したものであり、取付け金具41自体に、第1の実施の形態の平板状部16a、脚片16b、立上り片16c、第一ビスポケット17c、第二ビスポケット17eに対応した平板状部41a、脚片41b、立上り片41c、第一ビスポケット41d、第二ビスポケット41eが形成されているが、第5の実施の形態の取付け金具41は、脚片41bに対して立上り片41cが長さLだけ屋内側に位置するように設計されており、これにより、ガラス板4と立上り片41cとのあいだに、ガラス板4と脚片41bとのあいだにシーリング材5(後付けの場合には補充シーリング材5b)を充填するときに用いるシーリング施工用ヘラ42を差し込むスペースを確保できるようになっている。尚、前述した第1、第2の実施の形態のものも、脚片16bに対して立上り片16cが屋内側に位置するように設計されていて、ガラス板4と立上り片16cとのあいだにシーリング施工用ヘラ42を差し込むスペースが確保されるようになっている。また、第5の実施の形態の取付け金具41は、横縦のフレーム材9、10の長さに対応する長尺材であるが、脚片41bは、
図11(B)に示す如く、長尺材を切り落とし加工することで長尺方向に適宜間隔を存して点在する状態で設けられている。但し、脚片41bも連続した長尺としても実施可能である。
【0022】
さらに本発明は、
図12〜
図15に示す第6の実施の形態のように、パネル体として内窓(FIX窓)25を窓サッシ1のガラス板4よりも屋内側に取付ける場合にも実施することができるが、このものにおいて内窓25を窓サッシ1に取付けるために用いられる取付け金具26は、前記第1の実施の形態と同様に第一部材27と第二部材28とから構成されている。尚、第6の実施の形態では、サッシ下枠3の屋内側見込面3bは平面状になっていて、第1の実施の形態のような凹溝は設けられておらず、而して、第1の実施の形態のような補助板材は組み込まれない構造になっている。また、左右のサッシ縦枠2、サッシ下枠3、サッシ上枠30の各サッシ枠に取付けられる取付け金具26は取付け方向が異なるだけで同じものであるため、以下、サッシ下枠3に取付けられる取付け金具26を例にとって説明する。
【0023】
前記第6の実施の形態の取付け金具26を構成する第一部材27は、第1の実施の形態の第一部材16と同様のものであって、サッシ下枠3の屋内側見込面3bに積層状に当接する平板状部27aと、サッシ下枠3のガラス嵌合溝3aの屋内側面3cに当接する脚片27bとが側面視において逆L字状に折曲形成されていると共に、平板状部27aの屋内外方向中間部から立上り形成された立上り片27cと、立上り片27cの先端部から屋内方向に折曲形成されて平板状部27aと平行な支持片27dと、支持片27dに形成されるビス孔27eとを備えて構成されている。そして、該第一部材27は、第1の実施の形態と同様に、脚片27bがサッシ下枠3のガラス嵌合溝3aの屋内側面3cと補充シーリング材5b(或いはシーリング材5)との間に挟持される状態で、サッシ下枠3に取付けられるようになっている。尚、第1の実施の形態と同様に、第一部材27を既存のサッシ枠2、3、30に後付けする場合には、シーリング材5の一部を切取って形成される間隙部5aに脚片27bを挿入して貼着等により固定すると共に、第一部材27の取付後に間隙部5aに補充シーリング5bを充填する。また、窓サッシ1の取付けと同時に内窓25の取付けを施工する場合には、第一部材27をサッシ枠2、3、30に固定した後にシーリング材5を充填することになる。さらに、本実施の形態において、第一部材27は、第1の実施の形態と同様に、サッシ枠2、3、30に点在する状態で(適宜間隔を存して)配されている。
尚、第6の実施の形態の第一部材27も、前記第1、第2、第5の実施の形態のものと同様に、脚片27bに対して立上り片27cが長さLだけ屋内側に位置するように設計されていて、ガラス板4と立上り片27cとのあいだにシーリング施工用ヘラ42を差し込むスペースが確保されるようになっている(
図14(B)参照)。
【0024】
また、第二部材28は、下端部が前記第一部材27の平板状部27aの屋外側端部に屋外側から当接する起立状の第一屋外側片28aと、該第一屋外側片28aと平行状で前記第一部材27の立上り片27cおよび後述する下側内窓枠34の屋外側面34g(サッシ下枠3に取付けられる取付け金具26の第二部材28の場合。サッシ縦枠2、サッシ上枠30に取付けられる取付け金具26の第二部材28の場合は、上側内窓枠33、左右の内窓枠35、36の屋外側面33c、35g、36g)に屋外側から当接し、且つ、下端部が第一部材27の平板状部27aに上側から当接する第二屋外側片28bと、これら第一屋外側片28aおよび第二屋外側片28bの上端部同士を連結する連結片28cとが冂形状に形成されていると共に、第二屋外側片28bの上下方向中間部から屋内方向に延び、第一部材27の支持片27dに上側から積層状に当接する平板状の固定片28dと、該固定片28dの屋内側に形成され、上側が開口し下面(反開口側面)がサッシ下枠3の屋内側見込面3bに当接するビスポケット28e(本発明のパネル体固定部に相当する)と、該ビスポケット28eの屋内側に形成され、後述する枠カバー29が係合する屋内側が開口したカバー係合溝28fとを備えて構成されている。そして、該第二部材28は、固定片28dに穿設された貫通孔28gから挿入した第二部材取付け用ビス31を第一部材27のビス孔27eに螺入することで、第一部材27に取付け固定されるようになっている。尚、本実施の形態において、第二部材28は、後述する上下左右の内窓枠33〜36に対応する長さの長尺部材となっている。
【0025】
ここで、前記第二部材28の第一屋外側片28aの下端部は、第一部材27の平板状部27aに当接する第二屋外側片28bの下端よりも第一部材27の板厚D分だけ下方に延設されていて、第二部材28を第一部材27に取り付けた状態で、第一部材27の平板状部27aの屋外側端部に屋外側から当接すると共に、シーリング材5(後付けの場合は補充シーリング材5b)の上面に略当接する状態になっている。また、第一屋外側片28aと第二屋外側片28bの上端部は同じ高さ位置であると共に、第二屋外側片28bの上下方向中間部から屋内方向に延びる固定片28dが、第一部材27の支持片27dに上側から当接するようになっている。而して、屋外側から視たときに第一部材27は第二部材28に隠れて完全に見えないようになっており、これにより意匠性の向上が図られている。特に、第一部材27、第二部材28を色や光沢の異なる材質(例えば、第一部材27をステンレス、第二部材28をアルミ押出形材)で形成した場合の意匠性を向上させることができる。
【0026】
一方、前記内窓25は、内窓ガラス32と、該内窓ガラス32の四周を囲繞する上下左右の内窓枠33〜36とを備えて構成されている。これら内窓枠33〜36のうち上側内窓枠33は、枠内側部分に内窓ガラス32の上縁部が嵌め込まれる内窓ガラス嵌合溝33aが形成されると共に、枠外側部分は、第二部材28のビスポケット28eの開口側に高さ位置調整用のスペーサ(ライナー)37を介して当接する取付片33bが形成されている。そして、上側内窓枠33は、取付片33bをビスポケット28eの開口側にスペーサ37を介して当接させ、且つ、上側内窓枠33の屋外側面33cを第二部材28の第二屋外側片28bに当接させた状態で、取付片33bに穿設された貫通孔33dから挿入した内窓取付け用ビス(パネル体取付け用ビス)38を第二部材28のビスポケット28eに螺入することで、サッシ上枠30に取付けられた取付け金具26の第二部材28に取付け支持されるようになっている。
【0027】
また、下側内窓枠34は、枠本体34aと、該枠本体34aに屋内側から組付けられる押縁34bとから形成されると共に、下側内窓枠34の枠内側部分には、枠本体34aと押縁34bとにより内窓ガラス32の下縁部が嵌め込まれる内窓ガラス嵌合溝34cが形成されている(枠本体34aには内窓ガラス嵌合溝34cの屋外側半部が形成され、押縁34bには内窓ガラス嵌合溝34cの屋内側半部が形成されている)。また、下側内窓枠34の枠本体34aの枠外側部分は、水平状の取付片34dと、該取付片34dから下方に向けて突出形成され、第二部材28のビスポケット28eに連通するビス挿通部34eと、該ビス挿通部34eの屋内側に形成される押縁係合部34fとを備えている。そして、下側内窓枠34の枠本体34aは、ビス挿通部34eの下端をビスポケット28eの開口側に当接させ、且つ、下側内窓枠34の屋外側面34gを第二部材28の第二屋外側片28bに当接させた状態で、取付片34dに穿設された貫通孔34hから挿入してビス挿通部34eを貫通せしめた内窓取付け用ビス38を第二部材28のビスポケット28eに螺入することで、サッシ下枠3に取付けられた取付け金具26の第二部材28に取付け支持されるようになっている。また、下側内窓枠34の押縁34bは、該押縁34bに形成された係合片34iを枠本体34aの押縁係合部34fに係合せしめることで、枠本体34aに抜け止め状に組付けられるようになっている。尚、図中、39は内窓ガラス32の下端部を支持するために下側内窓枠34の取付片34dの上側に組込まれる支持材である。
【0028】
さらに、左右の内窓枠35、36は、枠本体35a、36aと、該枠本体35a、36aに屋内側から組付けられる押縁35b、36bとから形成されると共に、左右の内窓枠35、36の枠内側部分には、枠本体35a、36aと押縁35b、36bとにより内窓ガラス32の左右縁部が嵌め込まれる内窓ガラス嵌合溝35c、36cが形成されている(枠本体35a、36aには内窓ガラス嵌合溝35c、36cの屋外側半部が形成され、押縁35b、36bには内窓ガラス嵌合溝35c、36cの屋内側半部が形成されている)。また、左右の内窓枠35、36の枠本体35a、36aの枠外側部分は、第二部材28のビスポケット28eの開口側に左右位置調整用のスペーサ(ライナー)37を介して当接する取付片35d、36dと、該取付片35d、36dの屋内側に形成される押縁係合部35f、36fとを備えている。そして、左右の内窓枠35、36は、取付片35d、36dをビスポケット28eの開口側にスペーサ37を介して当接させ、且つ、左右の内窓枠35、36の屋外側面35g、36gを第二部材28の第二屋外側片28bに当接させた状態で、取付片35d、36dに穿設された貫通孔35h、36hから挿入した内窓取付け用ビス38を第二部材28のビスポケット28eに螺入することで、左右のサッシ縦枠2に取付けられた取付け金具26の第二部材28に取付け支持されるようになっている。また、左右の内窓枠35、36の押縁35b、36bは、該押縁35b、36bに形成された係合片35i、36iを枠本体35a、36aの押縁係合部35f、36fに係合せしめることで、枠本体35a、36aに抜け止め状に組付けられるようになっている。
尚、前述した上下左右の内窓枠33〜36の第二部材28への取付けは、上側内窓枠33、および下側、左右の内窓枠34〜36の枠本体34a〜36aを組立てて枠組立品とした状態で、サッシ枠2、3、30に取付けられた取付け金具26の第二部材28に対して行なわれるようになっている。また、前記高さ位置調整用、左右位置調整用のスペーサ37は、本実施の形態では、第二部材28のビスポケット28eの開口側面と内窓枠33、35、36の取付片33b、35d、36dとのあいだの隙間に対応する適宜厚さのものが用いられているが、薄板状の適宜枚数のスペーサを用いても良い。
【0029】
次いで、前記内窓25を窓サッシ1に取付ける手順について説明する。まず、第1の実施の形態と同様にして、第一部材27を、平板状部27aがサッシ枠2、3、30の屋内側見込面2b、3bに当接し、且つ、脚片27bがサッシ枠2、3、30のガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面2c、3cに当接する状態でサッシ枠2、3、30に取付け、その後、シーリング材5(後付けの場合には補充シーリング材5b)を充填してガラス嵌合溝2a、3a、30aの屋内側面2c、3cとシーリング材5との間に脚片27bを挟持する。次いで、第二部材28を、第二屋外側片28bを第一部材27の立上り片27cに屋外側から当接させて屋内外方向の位置合せをした状態で、第二部材取付け用ビス31を用いて第一部材27に固定する。これにより、第一部材27と第二部材28とが一体化された取付け金具26となり、この様にして取付け金具26が取付けられた状態のサッシ枠2、3、30に、上側内窓枠33と下側、左右の内窓枠34〜36の枠本体34a〜36aとを組立てて枠組立品としたものを屋内側から差し入れ、さらに取付け金具26と内窓枠33〜36とのあいだの隙間に適宜厚さのスペーサ37(または薄板状の適宜枚数のスペーサ)を入れて、屋外側および屋内側から視て左右位置や垂直を合わせた上で、枠組立品の枠内側から挿入した内窓取付け用ビス38を第二部材28のビスポケット28eに螺入することで、上側内窓枠33、および下側、左右の内窓枠34〜36の枠本体34a〜36aがサッシ枠2、3、30に固定される。さらに、サッシ枠2、3、30に固定された上側内窓枠33に形成の内窓ガラス嵌合溝33a、および下側、左右の内窓枠34〜36の枠本体34a〜36aに形成の内窓ガラス嵌合溝34c〜36cの屋外側半部に内窓ガラス32を組付け、しかる後、下側、左右の内窓枠34〜36の枠本体34a〜36aの屋内側に押縁34b〜36bを組付けることにより、内窓ガラス32は四周縁部が上下左右の内窓枠33〜36の内窓ガラス嵌合溝33a、34c〜36cに嵌め込まれた状態となる。さらに、取付け金具26と内窓枠33〜36の屋内側を覆う枠カバー29を、該枠カバー29の屋外側先端部に形成される係合部29aを取付け金具26の第二部材28に形成のカバー係合溝28fに係合させて取付ける。この様にして、内窓25を窓サッシ1に取付け金具26を介して取付けることができる構成になっている。尚、図中、40は上下左右の内窓枠33〜36の内窓ガラス嵌合溝33a、34c〜36cと内窓ガラス32との間をシールするシール材である。
【0030】
ここで、前記枠カバー29は、第二部材28と同じく上下左右の内窓枠33〜36に対応する長さの長尺部材であって、前述したように屋外側先端部に取付け金具26のカバー係合溝28fに係合する係合部29aが形成されていると共に、該係合部29aをカバー係合溝28fに係合させた状態で、取付け金具26のビスポケット28eの反開口側面と面一状となってサッシ枠2、3、30の屋内側見込面2b、3bに当接する当接片29bと、該当接片29bの屋内側端部から枠内方向に延びて内窓枠33〜36の屋内側面33e、34k、35k、36kに屋内側から視てオーバーラップするカバー面29cと、該カバー面29cの先端部から折曲されて内窓枠33〜36の屋内側面33e、34k、35k、36kに当接する折曲片29dとを備えている。そして、該枠カバー29は、これら当接片29b、カバー面29c、折曲片29dによって、サッシ枠2、3、30や内窓枠33〜36とのあいだに隙間が開くことのない状態で、取付け金具26や該取付け金具26と内窓枠33〜36との間隙を屋内側から確実に覆うことができて、屋外側から視たときの意匠性を向上させることができる。しかも、屋外側先端部に形成された係合部29aが取付け金具26のカバー係合溝28fに抜け止め状に係合するように構成されているため、ビス等の枠カバー固定具が屋内側に露出してしまうことなく、屋内側から視た場合の意匠性をさらに向上させることができる。
【0031】
叙述の如く構成された第6の実施の形態のものにおいて、内窓25は、該内窓25を固定するためのビスポケット(パネル体固定部)28eと、サッシ枠2、3、30のガラス嵌合溝2a、3a、30aとシーリング材5(後付けの場合には補充シーリング材5b)とのあいだに挟持される脚片27bとを備えた取付け金具26を介して、サッシ枠2、3、30に取付けられることになる。而して、この第6の実施の形態のものも、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することになって、内窓25を窓サッシ1に取付けるにあたり、サッシ枠2、3、30にビス孔を形成する必要がなく、この結果、内窓25を取外したときにサッシ枠2、3、30にビス孔が残ってしまうことなく、そのまま原状復帰できることになる。
【0032】
さらに本発明は、
図16に示す第7の実施の形態とすることもできる。このものは、前記第6の実施と同様に、パネル体としての内窓(FIX窓)43を取付け金具44を介してサッシ枠2、3、30に取付けたものであるが、第7の実施の形態では、後述するように取付け金具44の見込幅を小さく設定すると共に、取付け金具44における内窓43の取付け位置を第6の実施の形態よりも屋外側に設定することで、内窓43がサッシ枠2、3、30よりも屋内側に突出してしまうことがないように、或いは突出しても突出量が少なくなるように構成されている。
【0033】
前記第7の実施の形態の取付け金具44は、前記第6の実施の形態と同様に、第一部材45と第二部材46とから構成されている。尚、第7の実施の形態では、第6の実施の形態と同様に、サッシ下枠3の屋内側見込面3bは平面状になっている。また、左右のサッシ縦枠2、サッシ下枠3、サッシ上枠30の各サッシ枠に取付けられる取付け金具44は取付け方向が異なるだけで同じものであるため、以下、サッシ下枠3に取付けられる取付け金具44を例にとって説明する。
【0034】
前記第7の実施の形態の取付け金具44を構成する第一部材45は、第6の実施の形態の第一部材27と同じものであって、平板状部45a、脚片45b、立上り片45c、支持片45d、ビス孔45eを備えており、第6の実施の形態と同様にしてサッシ枠2、3、30に点在する状態で(適宜間隔を存して)取付けられる。
【0035】
また、第二部材46は、内窓43の上下左右の内窓枠50に対応する長さの長尺部材であって、下端部が第一部材45の平板状部45aの屋外側端部に屋外側から当接する起立状の屋外側片46aと、該屋外側片46aの上下方向中間部から屋内方向に延び、第一部材45の支持片45dに上側から積層状に当接する平板状の固定片46bと、該固定片46bの屋内外方向中間部から垂下され、第一部材45の立上り片45cに屋外側から当接する位置決め片46cと、固定片46bの屋内側部に形成され、上側が開口し下面がサッシ下枠3の屋内側見込面3bに当接するビスポケット46dと、該ビスポケット46dの屋内側に形成され、枠カバー29が係合する屋内側が開口したカバー係合溝46eとを備えて構成されているが、前記ビスポケット46dは、第二部材46を後述するようにして第一部材45に取付けた状態で、第一部材45のビス孔45eと屋内外方向同一線上に位置するように設計されている。
【0036】
ここで、前記第二部材46のビスポケット46dおよびカバー係合溝46eの固定片46bの下面よりも下側に位置する部分は、長尺方向全長に亘って形成されているのではなく、第二部材46を第一部材45に取付けた状態で、第一部材45と重なる部分が切り欠かかれている。そして、該ビスポケット46dが切り欠かれた部分の固定片46bには、ビスポケット46dの開口と連続する状態の貫通孔46fが形成されており、該貫通孔46fから第一部材45のビス孔45eを臨めるようになっている。而して、ビスポケット46dに螺入される後述の内窓取付け用ビス(本発明のパネル体を第二部材に取付けるためのビスに相当する)48と、ビス孔45eに螺入される後述の第二部材取付け用ビス47(本発明の第一部材と第二部材とを固定するためのビスに相当する)とが屋内外方向同一線上に配置される構成になっている。
【0037】
そして、前記第二部材46は、位置決め片46cを第一部材45の立上り片45cに屋外側から当接させて屋内外方向の位置合せをした状態で、固定片46bに穿設された貫通孔46fから挿入した第二部材取付け用ビス47を第一部材45のビス孔45eに螺入することで、第一部材45に取付け固定されるようになっている。そして、該第二部材46が第一部材45に取付けられた状態では、第6の実施の形態と同様に、第二部材46の屋外側片46aの下端部がシーリング材5(或いは補充シーリング材5b)の上面に当接しており、屋外側から視たときに第一部材45は第二部材46に隠れて見えないようになっている。
【0038】
一方、第7の実施の形態の内窓43は、第6の実施の形態の内窓25と同様に、内窓ガラス49の四周を囲繞する上下左右の内窓枠50を備えていると共に、該内窓枠50には、内窓ガラス嵌合溝50aや取付片50bが設けられている。そして、内窓枠50は、該内窓枠50の屋外側面50cを第二部材46の屋外側片46aに屋内側から当接させた状態で、取付片50bに穿設された貫通孔50dから挿入した内窓取付け用ビス48を第二部材46のビスポケット46dに螺入することで、サッシ枠2、3、30に取付けられた取付け金具44の第二部材46に取付け支持されるようになっている。尚、
図16中、29は第6の実施の形態の同様の枠カバーである。
【0039】
そして、この様に構成された第7の実施の形態のものにおいても、第6の実施の形態と同様に、第一部材45をサッシ枠2、3、30に取付けた後、該第一部材45に第二部材取付け用ビス47を用いて第二部材46を固定して、第一部材45と第二部材46とが一体化された取付け金具44とし、該取付け金具44に、内窓43の内窓枠50を内窓取付け用ビス48を用いて固定することで、内窓43がサッシ枠2、3、30に取り付けられることになるが、第7の実施の形態の取付け金具44は、前述したように、第二部材取付け用ビス47と内窓取付け用ビス48とが屋内外方向同一線上に配置されており、これにより、取付け金具44の見付け幅(屋内外方向の幅)を小さく設定することができると共に、取付け金具44における内窓43の取付け位置を、前述した第6の実施の形態のように第二部材取付け用ビスの屋内側に内窓取付け用ビスが配置されている場合と比して屋外側に設定することができる。この結果、サッシ枠2、3、30のガラス板4よりも屋内側の見込幅が広くなくても、内窓43がサッシ枠2、3、30よりも屋内側に突出しないように、或いは突出しても突出量を少なくすることができる。尚、第7の実施の形態では、パネル体として内窓43が窓サッシ1に取付けられているが、内窓以外のパネル体を取付ける場合であっても、第7の実施の形態のように、第二部材取付け用ビスと内窓取付け用ビスとが屋内外方向同一線上に配置された取付け金具を用いることができることは勿論である。
【0040】
さらに本発明は、
図17に示す第8の実施の形態とすることもできる。このものは、前記第6の実施の形態の変形例であって、第6の実施の形態と同様に、取付け金具51および該取付け金具51と内窓枠52とのあいだの間隙を覆う枠カバー53が設けられているが、該枠カバー53は、後述するように、カバー取付け用ビス54を用いて取付け金具51に取付けられていると共に、該カバー取付け用ビス54が屋内側に露出しないように構成されている。
【0041】
前記第8の実施の形態の取付け金具51は、第6の実施の形態の取付け金具26と同様に、第一部材55と第二部材56とから構成されると共に、第二部材56は、第6の実施の形態の第二部材28と同様の第一、第二屋外側片56a、56b、連結片56c、固定片56d、ビスポケット56eを備えているが、第8の実施の形態の第二部材56には、第6の実施の形態のカバー係合溝28fに代えて、ビスポケット56eの屋内側に、ビスポケット56eの上面から屋内方向に延びるカバー取付片56fと、サッシ枠2、3、30の屋内側見込面2b、3bに当接する状態でビスポケット56eの下面から屋内方向に延びる当接面56gとが形成されていると共に、前記カバー取付片56fには、カバー取付け用ビス54が貫通する貫通孔56hが穿設されている。
【0042】
また、第8の実施の形態の枠カバー53は、前記第二部材56の当接面56gの屋内側端部に当接する第一折曲片53aと、該第一折曲片53aの屋内側端部から枠内方向に延びて内窓枠52の屋内側面52aに屋内側から視てオーバーラップするカバー面53bと、該カバー面53bの先端部から折曲されて内窓枠52の屋内側面52aに当接する第二折曲片53cと、カバー面53bの中間部から屋外方向に延びて前記第二部材56のカバー取付片56fの下側に積層される固定片53dとを備えていると共に、該固定片53dには、枠カバー53を第二部材56に組付けた状態で該第二部材56のカバー取付片56fの貫通孔56hの下側となる位置に、カバー取付け用ビス54が螺入するビス孔53eが形成されている。
【0043】
一方、第8の実施の形態の内窓枠52は、第6の実施の形態の内窓枠33〜36と同様のものであり、上下左右の内窓枠のうち下側内窓枠52を例にとって説明すると、枠本体52bと押縁52cとから形成されると共に、内窓ガラス嵌合部52dや取付片52e、貫通孔52f、ビス挿通部52g、押縁係合部52h等を備えているが、押縁係合部52hおよび該押縁係合部52hの下側に形成されるビスポケット(上下左右の内窓枠52同士を組み付けるためのビス(図示せず)が螺入されるビスポケット)52iは、内窓52の枠本体52bを第二部材56に取付けた状態で、第二部材カバー取付片56fの貫通孔56hの上方となる部分が切欠かれており、該切欠き部52kから貫通孔56hにカバー取付け用ビス54を挿入することができるようになっている。そして、枠カバー53は、内窓取付け用ビス57を用いて内窓52の枠本体52bを第二部材56に固定した後に、枠カバー53の第一、第二折曲片53a、53cの先端部が第二部材56の当接面56g、内窓枠52の屋内側面52aにそれぞれ当接し、且つ、枠カバー53の固定片53dが第二部材56のカバー取付片56fの下側に積層されるように組付けた状態で、前記内窓枠52の切欠き部52kから挿入したカバー取付け用ビス54を第二部材カバー取付片56fの貫通孔56hを貫通させて枠カバー固定片53dのビス孔53eに螺入することで、第二部材56に取付け固定されるようになっている。尚、この枠カバー53の取付けは、内窓ガラス58、押縁52cの取付けの前に行なわれる。
【0044】
そして、この様にして取付け金具51の第二部材56に取り付けられたカバー枠53は、サッシ枠2、3、30や内窓枠52とのあいだに隙間が開くことのない状態で、取付け金具51や該取付け金具51と内窓枠52との間隙を屋内側から確実に覆うことができると共に、枠カバー53を取付け金具51に取付けるためのカバー取付け用ビス54は、屋内側から視てカバー面53bにより覆蓋される状態になり、而して、カバー取付け用ビス54を用いてカバー枠53を取り付けるものであっても該カバー取付け用ビス54が屋内側に露出することなく、意匠性に優れたものとすることができる。
【解決手段】サッシ枠2、3、30に形成されるガラス嵌合溝2a、3a、30aに嵌合したガラス板4とガラス嵌合溝2a、3a、30aとのあいだに充填されるシーリング材5を切取って形成される空隙部5aに、サッシ枠2、3、30のサッシ内面側に取付けられる取付け金具第一部材16に折曲形成の脚片16bを挿入する状態で第一部材16の取付けをする一方、該第一部材16に立上り状に形成の支持片16dと第二部材17の固定片17bとをビス18で固定した後、第二部材17に形成の第一ビスポケット17cに表示装置8を構成する横縦フレーム材9、10側から挿入したビス19を螺入することでサッシ枠2、3、30にはビス孔を穿設することなく表示装置8を窓サッシ1に組付ける。