【実施例】
【0016】
コンポーネントおよび図は、必ずしも縮尺通りではなくむしろ本発明の原理を説明するために強調されている。さらに複数の図において、類似の参照番号は、見方が変わっても全体を通じて相応する部分を示すものとする。
【0017】
変位からの上記のビームのエミュレーションまたは治療ビームの検出は、位相収差および/または減衰を説明することができる。適用量分布は、弾性、ひずみ、剪断などの変位イメージングを使用することによってより良好に推定することができる。変位のイメージングの結果は、上記の治療ビームの分布を補正するのに使用可能である。上記の治療トランスデューサの出力および/または焦点位置は、上記のフィードバックに基づいて調整可能である。HIFUトランスデューサは、上記のフィードバックに基づいて照準などの調整を行うことができる。
【0018】
図1には、高密度焦点式超音波に対してフィールドバックを行う方法が示されている。この方法は、
図2のシステムまたは別のシステムによって実現される。付加的なステップ、別のステップを設けるか、またはステップを少なくすることが可能である。例えば、ステップ38〜46が行われない実施形態もある。またこれらのステップは、説明する順序または図示の順序で実行されるが、別の順序で実行することも可能である。例えば、ビーム位置は、ステップ36で画像を生成する前にステップ38で補正される。別の例として、ステップ32〜26は、ステップ42のインタリーブの一部としてステップ40と共に繰り返される。
【0019】
ステップ30では、励起が高密度焦点式超音波トランスデューサから送信される。この励起は、音響エネルギである。この音響エネルギは集束されて、3次元のビームプロフィールが得られる。上記の励起は、フェーズドアレイおよび/またはメカニカルフォーカスを使用して集束される。この励起は、1つの次元において、例えば高さの次元において集束しないことも可能である。励起は、患者の組織に送信される。励起は、治療に対する位置、例えば腫瘍に集束される。しかしながら音響的な作用、位置合わせの不良または別の要因に起因して、上記のビームは、正しくオーバラップしないかまたカバーしないことがあり、または治療に対する組織の位置で交わらないことさえもある。
【0020】
上記の励起は、治療励起として生成される。択一的には励起より、この治療励起をエミュレートする。上記の高密度焦点式超音波治療波形がエミュレートされる。一般的には上記の治療励起と同じ焦点、振幅、周波数または別の特性が、上記のエミュレーションに使用される。このエミュレーションは、実質的に治療効果を生じさせないようにするために使用される。例えば、振幅、持続時間またはその双方が、治療波形と比べて低減される。「実質的に」治療効果を生じさせなくすることによって、領域、例えば治療の領域を生成することができる。収差または焦点歪みに起因して閾値レベル以上に1つの点が加熱されることはあるが、上記の治療の領域全体では、上記のエミュレーションによる治療効果が生じることはない。治療効果が生じないようにすることにより、組織が変質されるかまたはキャビティが形成される点まで加熱されることを回避することができる。例えば、生物学的な作用には、約41〜45℃の組織温度における温熱療法、45℃以上の温度におけるプロテイン変質、および50℃以上の温度における組織壊死が含まれ得る。組織スチフネスは、45℃以下の温度であっても生じることがある。45℃以上の温度では、粘度が増大しおよび/またはスチフネスが生じることがある。50℃以上の温度では、組織はスチフネスが高くなり、および/または減衰が大きくなる。
【0021】
ステップ32では上記の組織の変位が検出される。上記の励起によってこの組織の変位が発生する。この変位は、縦波によって生じ得る。変位は、択一的または付加的に剪断波によって生じ得る。
【0022】
上記の変位は、超音波スキャニングによって検出される。この変位の位置、大きさ、タイミングおよび/または別の特性が検出される。例えば、上記のエミュレーションによって生じた変位の閾値量に関連した位置が検出される。
【0023】
上記の変位を検出するため、変位中の組織に超音波エネルギが送信され、このエネルギの反射が受信される。この送信および受信は複数回行われ、変位による変化が求められる。任意の送信および受信シーケンスを使用することができる。上記の変位は、空間位置毎の違いから検出される。例えば、速度、分散、強度パターンのシフト(例えば、スペックルトラッキング)または別の情報が、上記の受信したデータから、変位として検出されるのである。
【0024】
任意の公知の変位イメージングまたは将来開発される変位イメージングを使用することができる。例えば、診断用超音波に対して調整されるレベル以下の強度および持続時間を有する診断パルスが送信される。例えば、1〜5サイクル持続時間のパルスが、720mW/cm
2以下の強度で使用される。他の強度のパルス、例えば1000mW/cm
2以下のパルスを使用することも可能である。この超音波送信は、治療する組織を含む領域に集束される。この送信は1つまたは複数のラインをカバーすることができる。例えば、ビーム幅の広い送信パルスを使用して、2次元または3次元的な分布を有する2つまたはそれ以上の受信スキャンラインに沿って受信する。択一的には、単一の受信ビームが、送信に応答して形成される。領域は順次にスキャンすることができる。1つまたは複数の測定が、受信スキャンライン毎に行われる。
【0025】
2つまたはそれ以上、例えば2〜10個のパルスが、測定毎にまたは組み合わせ式の測定に対して同じ位置に送信される。択一的には測定毎に単一のパルスを送信することができる。治療強度および休止後時間が既知である場合、単一のパルスを使用し、またプレエミュレーションまたは励起測定と比較して位置の変化を求めることができる。
【0026】
上記の治療用超音波をエミュレートする励起が休止した後、組織は、弛緩位置に移動する。比較的小さい複数の診断イメージングパルスからのエコーが受信される。これらのエコーは1つまたは複数の画像を生成するために使用されて、上記の治療に関連する励起によって生じた変位を有する位置が識別される。
【0027】
これらのエコーは、Bモードまたはドップラ検出を使用して検出される。Bモードデータを使用して、複数のパルスから得られた上記のデータが相関付けされる。この相関は、1次元、2次元、または3次元である。例えば、1つのスキャンラインに沿いかつ上記のトランスデューサに向かう方向またはこれから離れる方向の相関が使用される。任意の公知の相関または将来開発される相関を使用することができ、例えば、相互相関、パターンマッチング、または絶対差の最小和を使用することができる。組織構造および/またはスペックルが相関される。ドップラ検出を使用する場合、クラッタフィルタにより、移動する組織に関連した情報を通過させる。上記の組織の速度は、複数のエコーから導き出される。この速度は、上記のトランスデューサに向かう方向またはこれから離れる方向の変位を求めるのに使用される。択一的には、異なる位置における速度間の相対関係または差分によって、ひずみまたは変位を示すことも可能である。
【0028】
上記の変位の量は、HIFUに関連した上記の励起によって影響を受ける領域を表す。特定の変位に関連付けられる時間により、減衰曲線を推定することができる。時間の関数として上記の変位を測定することにより、励起の休止以来のひずみの減衰を測定することができる。変位の単独で測定するかまたは上記の減衰の任意の変位特性を測定することができる。
【0029】
別の実施形態では、ストレインイメージングまたは弾性イメージングを使用する。上記の組織の変位は、時間の関数として求められる。この変位は、Bモード超音波データのような組織データから測定することができる。相関、相互相関、絶対差の最小和または別の類似の量を使用して、複数のスキャンの間における上記の変位が求められる。これらの変位は、1次元、2次元または3次元に沿って求められる。1実施形態では、米国特許第5107837号、第5293870号、第5178147号、第6508768号または第6558324号明細書に記載されている任意の1つまたは複数の方法またはシステムを使用して、ストレイン情報としての画像またはデータの弾力フレームを生成する。ここで上記の明細書の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。ひずみを測定する別の方法も使用可能である。上記の変位は、組織速度および/または加速度を求めることによって測定することができる。
【0030】
上記の変位は、任意サイズの領域にわたって検出される。1実施形態では、この変位は、治療しようとする組織が含まれていそうな関心対象領域において検出され、これは、例えばBモードイメージングに対する完全なスキャン領域の約1/3〜1/2である。
図3には1実施形態が示されており、ここでは左側の画像により、関心対象領域ボックスが変位イメージングに対して示されている。イメージング領域全体にわたって変位を検出するなど、より大きな関心対象領域、より小さな関心対象領域を使用することもでき、または関心対象領域を使用しないことも可能である。関心対象領域を狭くすることにより、HIFUに関連する励起波形を送信する繰り返し回数を少なくして変位を検出することができる。形成される受信ビームの数およびサンプル密度に依存して、繰り返しなし、1回の繰り返し、またはそれ以上の繰り返しを使用可能である。Bモードサンプル位置毎に変位をサンプリングするなどの完全サンプリングを使用することができる。Bモードスキャングリッドよりも多くの変位をサンプリングすること、または少ない変位をサンプリングすること(例えば、疎な)が可能である。
【0031】
1実施形態では、縦波に加えてまたはこれとは択一的に剪断波が検出される。上記の励起によって1つのビームが形成され、このビームによって複数の空間位置に1つの剪断波が生成される。上記のビームが十分に強い個所で、1つの剪断波が生成される。この剪断波は、音響波放射方向に沿って縦波よりもゆっくりと組織を通って伝搬する。この剪断波は、加わる応力の方向に対して垂直な方向を含めてさまざまな方向に伝搬する。この剪断波の変位は、上記の励起ビームに相応する位置において比較的大きい。
【0032】
超音波データを取得する。この超音波データのうちの少なくともいくつかは剪断波に応答するデータである。関心対象領域を監視してこの剪断波を検出する。この関心対象領域のサイズは、例えば横方向に6mm,軸方向に10mmなど任意である。この検出領域は、超音波によって監視される。例えば、Bモードスキャンを実行して、上記の剪断波によって生じる組織の変位が検出される。ドップラモード、カラーフローモード、または別の超音波モードを使用して上記の剪断波を監視することができる。
【0033】
この監視は、任意個のスキャンラインに対して実行される。例えば、各送信に応答して4つの受信ビームが形成される。上記の励起を送信して剪断波を生成した後、単一のスキャンラインに沿ってBモード送信が繰り返し行われ、また隣接する4つのスキャンラインに沿った受信が行われる。任意の回数の繰り返し、例えば、約120回の繰り返しを使用することができる。上記の超音波データのうちのいくつか、例えば、上記の繰り返しの開始時または終了時における超音波データは上記の剪断波に応答するものではないことがある。別の実施形態では、単一の受信ビームだけまたは別の個数の受信ビームが各送信に応答して形成される。
【0034】
上記の剪断波は、スキャンラインを通って伝搬するため、上記のBモード強度は変化することがある。上記の監視されるスキャンラインに対し、上記の剪断波によって発生する組織運動の時間プロフィールを表す一連のデータが得られる。例えば、(例えば、複数のスキャンラインに沿った)複数の空間位置から得られるデータは、時間の関数として相関付けされる。任意の弾性検出を使用することができる。深さまたは空間位置毎に複数の深さまたは空間位置にわたって相関付けが行われる(例えば、プロフィールの計算される点である中心深さを有する64個の深さの核)。空間における2次元または3次元の変位を使用可能である。上記のスキャンラインまたはビームとは異なる方向に沿った1次元変位を使用可能である。
【0035】
所定の時点における最大の相関または十分な相関を有する空間オフセットにより、変位の量が示される。所定の位置に対して異なる時点に複数の変位が求められる。所定の位置に対する時間についてのこのプロフィールにより、上記の剪断波の検出が示される。このプロフィールは、ノイズのないまたは単一の変化の事例について調べられる。時間ローパスフィリングを伴うまたはこれを伴わない上記のプロフィールにおけるピークは、上記の剪断波面の通過を表す。最大変位が選択されるが、平均または別の変位統計を使用可能である。所定の位置における最大剪断が検出される。択一的には平均または別の剪断が検出される。
【0036】
より大きな領域を監視するためには、監視送信ビームに応答して付加的な複数の受信ビームを形成する。択一的には別の剪断波を生成し、この剪断波生成点から異なる距離で送信ビームおよび受信ビームを準備する。上記の6mm×10mmの例では、36個の受信スキャンラインを準備することができる。上記の処理を、1送信ビーム当たりに4つの受信ビームで、異なる横方向間隔に対して9回繰り返す。受信ビーム位置毎に、超音波データによって表される動き情報の時間プロフィールが得られる。同一の剪断波を監視するために異なるスキャンラインに沿って送信を行うことは、高い時間方向解像度を得るため、上記の時間プロフィールの形成中には回避されるが、インタリーブされたまたはシフトするスキャニング位置を設けることが可能である。
【0037】
上で述べたことは1つの深さに対するものである。上記の関心対象領域の軸方向の拡がり全体をカバーする1つのゲートを得るため、上記のサンプリングを準備することができる。別の1実施形態では、受信ビーム毎に複数の深さにおいてサンプルが取得される。軸方向の深さおよび横方向位置毎に別の時間プロフィールを得る。例えば5mmに対して約200個または10mmに対して400個などの任意個の深さを使用することができる。
【0038】
上記の関心対象領域における異なる位置を表す超音波データが得られる。この超音波データは、スキャニングによってリアルタイムに得られるか、またはメモリから得られる。上記の動き情報は、位置毎に異なる時点における上記の応答を表す。別のスキャニング、別の監視または別の技術を使用し、超音波データを得て、剪断の大きさを推定することができる。
【0039】
上記の剪断波の検出と、治療HIFUの実際の適用と交互に行われる個所において、上記の組織は時間と共に変化することがある。上記の組織のスチフネスは、上記の治療個所において増大することがある。スチフネスのこの変化により、上記の剪断の検出した大きさが変わることがある。剪断速度および/または弾性率または剪断の別の複合的な表現を使用して、上記の組織における変化の影響を最小化または回避することができる。別の方法で弾性率が利用できないかまたは求めるのが難しいところでは、剪断速度が好適である。吸収係数は、治療する組織に依存して推定することができる(例えば、0.5,0.6,0.8または別の値)。上記の剪断速度および/または弾性率は、圧力および吸収係数に基づき、少なくとも部分的に求めることができる。この加えられる圧力は、上記の送信される励起から、また減衰を考慮することによって既知になる。
【0040】
上記の組織の異なる空間位置に対し、剪断速度が検出される。位置毎に時間の関数として上記の変位が求められる。上記の剪断速度は、剪断波の生成から、異なる位置においてこの剪断波が検出されるまでの時間を求めることによって得られる。この時間および上記の位置までの距離によって上記の速度が求められる。この距離は、スキャンライン間隔(すなわち、上記の剪断波を生成するための送信ビーム位置およびこの剪断波を検出するための受信ビーム位置)からわかる。上記の時間は、剪断波の生成と、検出との間の相対的な時間からわかる。
【0041】
上記のプロフィールにおけるピークを検出するために別の手法を使用することできる。例えば、回帰が適用される。上記の剪断波は線形であるため、自動化されたアウトライヤ検出を伴うロバスト線形回帰により、剪断波速度を示すことができる。上記の関心対象領域におけるすべてのサンプル点に対する超音波データは、距離に対し、時間の関数としてプロットされるか、または時間および距離によってプロットされる。上記のプロットまたはデータに対して線形回帰が適用され、これらのデータに対する直線当てはめが得られる。この線に対する傾斜が、剪断波速度を表す。
【0042】
別のアプローチを使用することも可能である。例えば、異なる時点から得られるデータを相関付けて、上記の剪断波によって生じる組織のシフトを検出する。別の例では、上記の時間プロフィールから特徴が抽出される。主成分分解(Principle component decomposition)を使用することができる。異なる時間プロフィール間の相関付けが実行される。異なる時間プロフィールに対し、異なる距離に関連した遅延により、上記の速度が得られる。択一的にはウェーブレット解析を行うことができる。ウェーブレット変換を上記の時間プロフィールに適応して上記の剪断波に相応するピークを識別する。各空間位置へのこのピークの移動時間から速度値が識別される。
【0043】
全関心対象領域から得られるすべてのピーク移動時間を一緒に、例えば線形回帰において使用することができる。特徴抽出または回帰に対して1つの深さに対するデータを使用するなど上記のデータのサブセットだけを使用することが可能である。剪断速度は、上記の関心対象領域における位置毎に計算することができる。択一的には関心対象領域内の剪断波速度分散の空間表現を得ることができる。
【0044】
他のアプローチにおいて、任意の弾性率または剪断値を推定することができる。組織弾性率値は、その位置における硬さまたはスチフネスを表す。例えば、組織の剪断弾性率が推定される。択一的な実施形態では、ヤング弾性率が推定される。別の実施形態では、質的または量的な別の剪断値が推定される。
【0045】
上記の剪断弾性率は、g=ρv
s2によって得られ、ここでρは密度、vは推定した剪断速度である。1実施形態では、上記の組織弾性率または剪断情報、例えば剪断弾性率は、ひずみまたは変位および上記の弾性率または剪断情報の関数として求められる。例えば、サンプル位置毎の剪断弾性率が、拡散方程式を繰り返して解くことによって求められる。0.5のポワソン比を仮定するかまたは既知のポワソン比を使用することにより、異なる時間におけるストレインフィールドの関数として、または異なる位置および剪断弾性率に対する異なる応力の下で、異なる位置における剪断弾性率が繰り返して計算される。
【0046】
ステップ34では、HIFUに対するビーム位置が、上記の組織情報の変位を使用して求められる。剪断弾性率、剪断、剪断速度または変位が十分に大きい位置が識別される。上記の変位が比較的大きい位置が、閾値を適用することによって識別される。閾値に対し、またはあらかじめプログラミングされるかまたは所定のデータセットに適合された別の値に対して相対的に行われる。上記のビームの予想される位置から離れた空間位置におけるデータに基づく閾値など、上記の閾値は正規化することができる。別の例では、関心対象領域にわたる平均変位が求められる。この平均よりも大きな極大変位に関連した位置がビーム位置を示す。択一的には、あらかじめプログラミングされた閾値または別の閾値が適用される。別の実施形態または付加的な実施形態では、閾値は適用されないか、またはノイズ閾値が使用される。変位の範囲は、ディスプレイ値にマッピングされて、変位の少ないまたは変位のない領域が、ダイナミックレンジの一方の端になり、また最大の変位がこのダイナミックレンジの他方の端部になるようにされる。線形のマッピングまたは非線形のマッピングを使用可能である。
【0047】
上記の変位データは、上記の閾値を適用する前に空間的にフィルタリングすることも、またはフィルタリングしないことも可能である。これらの変位は、上記の閾値を適用した後、ローパスフィルタリングすることができる。
【0048】
ステップ36では、上記の変位の関数として画像データが生成される。例えば、この画像は、上記の励起のビームプロフィールを表す。このビームプロフィールは、十分な変位を有する位置に相応する。この画像は、上記のビームの空間分布を含めて、このビームの位置を示す。上記の画像は、1つまたはそれ以上の次元においてビームプロフィールの空間的な拡がりを表す。
図3には上記のビームの右側における画像が示されている。比較的明るい位置または高輝度の位置は、大きい変位に相応する。この画像には、ローパスフィルタリングなどのフィルタリングを行うことができる。
【0049】
上記の変位データは、ディスプレイフォーマットであるか、またはディスプレイフォーマットにスキャンコンバートすることができる。変位データはカラーまたはグレイスケールデータとすることが可能であるが、グレイスケールまたはカラースケールとマッピングする前のデータとすることも可能である。この情報は、ディスプレイ値に線形または非線形にマッピングすることができる。
【0050】
この画像は、異なる位置に対する剪断または弾性率(例えば剪断弾性率)などの変位情報を表す。関心対象領域または視野においてすべてのグリッドポイントに対して値を決めた場合、上記のディスプレイのピクセルは、その領域に対するビームを表す。このディスプレイグリッドは、スキャングリッドおよび/または変位が計算されるグリッドとは異なるものとすることも可能である。カラー、明るさ、輝度、色相またはべつの特性が、変位の関数として変調される。
【0051】
上記の画像は別のデータを含むことも可能である。例えば、Bモードまたは同じ領域における組織、液体または造影剤を表す別のデータが含まれる。上記の変位データは、上記の別のデータのオーバレイまたは別のデータとの組み合わせに使用される。上記の別のデータによって支援されるのは、治療する組織を基準にしてビームの位置をユーザが決定することである。
【0052】
択一的な1実施形態において上記の画像は、ビームプロフィールモデルおよび変位の関数として生成される。上記の変位は、ノイズを含んでいることがある。上記の治療ビームのモデルが準備される。このモデルは、経験的な情報または理論的な計算を使用して生成することができる。上記のビームプロフィールは、このビームプロフィールの予想分布を求める問題の逆問題として作成される。上記の空間および時間的な変位は、このビームプロフィールモデルに基づいて定式化することができる。上記の測定した変位およびモデルが得られれば、上記のモデルに対し、上記の測定の最小二乗当てはめまたは最善の当てはめの表現が求められる。この当てはめ表現は、上記の当てはめに基づいてサイズおよび形が決められるグラフィックオーバレイなどの画像を生成するのに使用される。この画像によって表されるビームプロフィールは、上記の測定した変位にモデルを当てはめることによって再構成される。
【0053】
ステップ38では、上記のビームプロフィールが音響伝搬の関数として補正される。上記の測定した変位は、加わる応力の、深さに依存する減衰について補正されることも補正されないこともある。圧力は組織を通して伝搬するため、この圧力は減衰する。圧力源から離れた位置(上記の発生源を基準にした深さ)では、上記の減衰により、生じる動きまたは変位は小さい。上記の変位は、減衰を表すように調整され、これにより、異なる深さにおいてさらに正規化された変位または応力が得られる。
【0054】
上記の補正は、応力の発生源(例えば、トランスデューサ)の点または領域から離れた距離の関数として、線形である。組織モデルまたは異なるタイプの組織に基づいて、非線形の補正を使用することも可能である。経験的なデータに基づいてまたは伝搬モデルに基づいて、上記の線形の関数または非線形の関数が想定される。音響の及ぼす力に対し、組織における音の減衰が、距離および周波数の関数として補正される。別の実施形態では、減衰および/または周波数に対して補正は行われない。
【0055】
ステップ40では、高密度焦点式超音波治療波形が送信される。高電圧の波形が、上記の高密度焦点式超音波トランスデューサに加えられ、このトランスデューサにより、音響ドメインにおいてHIFU治療波形が生成される。このHIFUパルスは、フェーズドアレイまたは機械式焦点調節を使用して集束され、焦点位置またはビーム位置の組織に高密度音響エネルギが供給される。上記の治療超音波パルスは、任意の所望の周波数において複数のサイクルを有する。1実施形態において上記の治療パルスは、1つの超音波周波数で、例えば500kHz〜20MHzの周波数で1秒の数分の1または数秒にわたって持続する。例えば、1平方センチメールあたり100ワット以上、1平方センチメールあたり500ワット以上、1平方センチメールあたり1000〜2000ワット、または1平方センチメールあたり約1000ワットの任意のピーク強度を供給することができる。任意の強度、周波数および/またはサイクル数を有する任意の公知の治療波形または将来開発される治療波形を使用可能である。上記の波形は、連続的かまたは間欠的である。
【0056】
上記の治療超音波パルスは、所望の組織位置において熱を生成することによって組織を治療する。上記の強度はまた組織に応力を発生させる。上記のパルスは、負および正の音響圧力により、トランスデューサに向かってまたはこれから離れるように上記の組織を押す。十分に長い治療パルスに対して、上記の組織に実質的に一定のひずみが形成される。ひずみεは、組織のスチフネスEと、粘度ηと、HIFU放射圧からの応力との関数である。上記の治療パルス中の安定状態応力は、組織における音速cに対する平均HIFU強度Iの比に正比例する。
【0057】
上記のHIFU波形はまた、検出可能なバイオメカニカルな変化を発生させる。上記の治療音響エネルギの熱効果は、熱膨張に起因する体積の変化、音速(c)の変化、組織のスチフネス(E)の変化、および/または組織における液体の粘度(η)の変化を発生させることがある。上記の治療音響エネルギはまたは、放射圧、流動および/またはキャビテーションのような機械的な作用を引き起こすことがある。生物学的な作用には、約41〜45℃の組織温度における温熱療法、45℃以上の温度におけるプロテイン変質、および50℃以上の温度における組織壊死が含まれ得る。組織スチフネスは、45℃以下の温度であっても影響を受けることがある。45℃以上の温度では、粘度および/またはスチフネスが増大することがある。50℃以上の温度では、組織はスチフネスが高くなり、および/または減衰が大きくなる。
【0058】
上記の組織に治療を施す前、ステップ36で生成した画像からHIFUビームの位置を求める。ユーザは、トランスデューサ、焦点位置を再配置するかまたは別の設定を変更して、治療する組織にわたってビームを位置決めすると同時にHIFUの影響を受ける健康な組織を最小化する。別の実施形態では、自動化された位置決めを使用することができ、ここでは、治療する組織がコンピュータ支援診断を使用して求められる。上記のビームを所望のように位置決めした後、ステップ40においてHIFUを送信する。
【0059】
このHIFUは、連続的または散発的なものとすることができる。任意の治療レジメンを使用可能である。進行中の治療の間に、または治療の異なる部分の間に、ステップ36のイメージングを行うことができる。ステップ40の治療波形には、ステップ36のイメージングが挟み込まれる。ステップ36のイメージングは、ステップ30の送信と、ステップ32の検出と、ステップ34の決定とを使用して行われる。上記のHIFU治療は、上記のビーム位置が求められる間、中止される。択一的にはステップ40のHIFU送信は、ステップ32において変位を検出するための励起として使用される。上記のHIFUは変位を検出するために中止することができ、または上記のHIFU波形に起因する変位が使用される。別の択一的な実施形態では、上記のHIFUは1つの周波数またはコーディングで実行され、複数の励起の送信および相応の受信が別の1つの周波数またはコーディングで行われ、これにより、前処理組織位置情報が与えられれば、同時に処理を行うことができる。このような交互実行方式により、ユーザまたはシステムは、進行中の状態をベースにしてHIFUビームを位置決めすることができる。患者またはトランスデューサの位置がずれた場合、ビームを変化させて適切な組織が治療されるようにすることが可能である。組織における音速が治療に起因して変化した場合、上記のビームを変化させて、適切な組織が治療されるようにすることができる。
【0060】
ステップ44では、高密度焦点式超音波治療による組織の変化が求められる。例えば、変位の変化が求められる。HIFUは、組織な弾性を低下させるないしは硬くすることがある。アブレーション、コラーゲン変性、凝固または別の作用により、上記の剪断速度または別の特性が変化し得る。応力が同じであるか、または既知であるが応力が異なるのに応じて、変位の量を求めることができる。この変位の量または大きさは、測定可能である。1つの領域に対する変位における変化の中央値または平均などの任意の測定値を使用することができる。剪断、ひずみ、弾性、弾性率、速度または別の組織特性における変化を測定することができる。
【0061】
上記の変化は、ユーザまたはシステムによって求められる。例えば、数量が決定される。別の例では、1つまたは複数の画像に基づいてユーザが上記の変化を検出する。
【0062】
この変化は、適用量のフィードバック制御に使用することができる。ステップ42では、上記の変化に基づき、ステップ40におけるHIFUの適用を変更または中止する。高密度焦点式超音波治療の適用量は、上記の変化に依存して変更される。健康な組織へのダメージを最小化するため、十分に治療が行われた個所ではHIFU強度および持続時間を低減することができる。組織における上記の変化により、治療が十分であることが示される。効果のない治療を回避するため、予想される変化よりも小さいことによってわかる不十分な治療が行われた個所ではHIFU強度または持続時間を増大させることができる。
【0063】
図2には、高密度焦点式超音波に対するフィードバックを行うシステム10の1実施形態が示されている。システム10により、
図1の方法または別の方法が実現される。システム10には、送信ビームフォーマ12と、トランスデューサ14と、受信ビームフォーマ16と、画像プロセッサ18と、ディスプレイ20と、記憶装置22と、HIFUトランスデューサ24とが含まれている。付加的なコンポーネント、別のコンポーネントを設けるかまたはコンポーネントの数を減らすことが可能である。例えば、ユーザ入力部を設けて、ビームプロフィールが手動で変更されるかまたは支援によって変更されるようにする(例えば、周波数、焦点深度、スキャンライン角度、アパーチャ、焦点位置および/またはアポディゼーションの選択)。システム10は、医用診断超音波イメージングシステムである。択一的な実施形態において、システム10は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、PACSステーションまたは同じ位置にあるまたはネットワークにわたって分散されているリアルタイムまたは取得後イメージング用の別の装置である。
【0064】
送信ビームフォーマ12は、超音波送信器、記憶装置、パルス発生器、アナログ回路、ディジタル回路またはこれらの組み合わせである。送信ビームフォーマ12は、異なるまたは相対的な振幅、遅延量および/または位相調整を有する複数のチャネルに対して波形を形成する。生成された波に応答してトランスデューサ14から音波が送信されると、1つまたは複数のビームが形成される。一連の送信ビームが形成されて2次元または3次元領域がスキャンされる。セクタ、Vector(R)、リニア、または別のスキャンフォーマットを使用することができる。同じ領域が複数回スキャンされる。フローイメージングまたはドップライメージングに対して、またストレインイメージングに対して一連のスキャンが使用される。ドップライメージングでは、上記の一連のスキャンには、隣のスキャンラインをスキャンする前に得られる同じスキャンラインに沿った複数のビームを含むことができる。ストレインイメージングに対して、スキャンまたはフレームインタリービングを使用可能である(すなわち、再スキャンする前に全体領域をスキャンする)。択一的な実施形態では、送信ビームフォーマ12により、より高速なスキャニングに対して平面波または八字波が生成される。
【0065】
HIFUの生成に対し、および/またはHIFUトランスデューサ24による波形のエミュレーションおよびイメージングトランスデューサ14による変位検出に対し、同じ送信ビームフォーマ12が示されている。択一的な実施形態では、変位イメージングおよび治療に対して異なる送信ビームフォーマ12が設けられている。例えば、別個の治療システムが使用される。トランスデューサ14および送信ビームフォーマ12は、上記の別個の治療システムを操作するため、変位のイメージングに使用される。別の択一的な実施形態では同じトランスデューサ14が、変位を検出するためおよび治療を適用するために両方に使用される。1つまたは複数のエレメントが治療の送信および診断の送信の両方に使用される。
【0066】
高密度焦点式超音波トランスデューサ24は、高密度焦点式超音波治療波形を生成する。HIFUトランスデューサ24は、電気的な波形から音響エネルギを生成するためのアレイである。1次元または多次元のアレイを用いることができる。択一的にはメカニカルフォーカスを有する単一のエレメントが使用される。1つのアレイに対し、相対的な遅延により、上記の音響エネルギが集束される。1つの送信イベントは、音響エネルギを送信することに相応し、この音響エネルギの送信は、異なるエレメントによって実質的に同じ時間において所定のように遅延させることによって行われる。上記の送信イベントにより、組織を治療するための超音波エネルギの1つのパルスが得られる。択一的にはメカニカルフォーカスが上記のアレイに対して設けられる。任意の公知の治療トランスデューサまたは将来開発される超音波トランスデューサ24を使用することができる。
【0067】
1実施形態においてHIFUトランスデューサ24は、イメージングトランスデューサ14とは別である。イメージングトランスデューサ14は、HIFUトランスデューサ24とは別個に移動可能である。イメージングは、治療位置を決定するのに使用される。イメージングトランスデューサ14は、HIFUトランスデューサ24からの1つのまたは複数の送信に応答するエコー信号を受信する。例えば、治療波形のエミュレーションに応答する信号が受信される。択一的または付加的に2つのトランスデューサ14,24には、磁気位置センサなどの空間レジストレーションシステムが含まれる。トランスデューサ14,24は互いに接続されていないが、接続して同じケーシング内に配置することなども可能である。
【0068】
トランスデューサ14は、圧電素子または容量性メンブレン素子の1次元、1.25次元、1.5次元、1.75次元または2次元のアレイである。トランスデューサ14には、音響エネルギと電気エネルギとの間を変換するための複数の素子が含まれている。受信信号は、トランスデューサ14の素子に衝突する超音波エネルギ(エコー)に応答して生成される。これらの素子は、送信ビームフォーマ12および受信ビームフォーマ16のチャネルに接続される。
【0069】
受信ビームフォーマ16には、増幅器、遅延装置および/または位相回転子および1つまたは複数の加算器を有する複数のチャネルが含まれている。各チャネルは、1つまたは複数のトランスデューサ素子に接続される。受信ビームフォーマ16は、相対的な遅延、位相および/またはアポディゼーションを適用して、各送信に応じて1つまたは複数の受信ビームを形成する。受信ビームフォーマ16は、上記の受信信号を使用して空間位置を表すデータを出力する。異なる素子からの信号の相対的な遅延および/または位相および和により、ビーム形成が行われる。択一的な実施形態では、受信ビームフォーマ16は、フーリエ変換または別の変換を用いてサンプルを生成するプロセッサである。
【0070】
受信ビームフォーマ16は、フィルタを含むことができ、送信周波数帯域に対して2次高調波または別の周波数帯域における情報を分離するフィルタなどを含むことができる。このような情報には、所望の組織情報、造影剤情報および/またはフロー情報が含まれていることが多い。別の実施形態では受信ビームフォーマ16には記憶装置またはバッファおよびフィルタまたは加算器が含まれる。2つまたはそれ以上の受信ビームが結合され、これによって2次高調波、3次基本波または他の帯域などの所望の周波数帯域において情報が分離される。
【0071】
受信ビームフォーマ16は、空間位置を表すビームを加算したデータを出力する。単一の位置、ラインに沿った位置、領域における位置または体積おける位置に対するデータが出力される。動的な集束を行うことも可能である。これらのデータの目的は異なっていてもよい。例えば、Bモードまたは組織データに対し、変位に対するのと異なるスキャンが行われる。択一的には上記のBモードデータは、変位を求めるためにも使用される。
【0072】
イメージプロセッサ18は、Bモード検出器、ドップラ検出器、パルス波ドップラ検出器、相関プロセッサ、フーリエ変換プロセッサ、特定用途向け集積回路、汎用プロセッサ、制御プロセッサ、画像プロセッサ、FPGA、DSP、アナログ回路、ディジタル回路またはこれらの組み合わせ、あるいはビーム形成された超音波サンプルから情報を検出および処理して表示する現在公知の別の装置または将来開発される装置である。
【0073】
1実施形態では、プロセッサ18には1つまたは複数の検出器および別個のプロセッサが含まれている。この別個のプロセッサは、制御プロセッサ、汎用プロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路、FPGA、ネットワーク、サーバ、プロセッサ群、データパス、それらの組み合わせ、または変位を決定しかつ組織特性を計算するための現在公知の別の装置または将来開発される装置である。例えば、上記の別個のプロセッサにより、
図1に示したステップのうちの1つまたは複数の任意の組み合わせが実行される。
【0074】
プロセッサ18により、ビーム形成されたサンプルに依存して組織の変位が推定される。任意のタイプの変位を推定することができる。例えば、プロセッサ18により、剪断波変位情報が検出される。別の実施例では、プロセッサ18は、弾性率または剪断速度推定が使用される。プロセッサ18により、受信ビームフォーマ16からの出力データに依存して情報が求められる。
【0075】
プロセッサ18は、上記の組織特性からマッピングされた表示値または画像をディスプレイ20に出力する。例えば、最大変位、剪断速度、剪断弾性率または別の値が位置毎に求められる。上記の値の大きさにより、色、色相、輝度および/または別の表示特性が変調される。組織変位として表されたビームプロフィールの画像は、これらの変調された表示値から生成される。この画像は、単独で、またはオーバレイされて、または別の画像(例えば、Bモード画像)と組み合わされて表示することができる。
【0076】
図3にはビームプロフィールの画像が示されている。明るい領域は、大きな変位に相当する。上記の変位値は、上記のHIFU治療波形のエミュレーションまたは治療波形そのものに起因する変位をベースとしている。このエミュレーション波形または実際の治療波形は、HIFUトランスデューサ24から送信されるため、このビーム位置は治療ビームに相応する。上記の画像は、患者における相対的な位置および/またはビームプロフィールの空間的な拡がりを表す。
【0077】
1実施形態においてプロセッサ18は制御プロセッサである。プロセッサ18により、HIFU治療波形の使用が制御される。上記の組織変位において検出した変化に基づき、プロセッサ18により、予定された終了の前に治療を止めるか否かが決定される。
【0078】
変位を求めるため、複数のスキャンまたは測定によって得られたデータが取得されて記憶される。データは、記憶装置22または別の記憶装置に記憶される。処理の1つまたは複数のステージから得られたデータ、例えば、高周波データ、チャネルデータ、ビームサムデータ、検出データ、ストレインデータ、剪断データ、弾性率データ、剪断弾性率データおよび/または計算値などが記憶される。
【0079】
プロセッサ18は、記憶装置22または別の記憶装置に記憶されている命令にしたがって動作する。プロセッサ18は、高密度焦点式超音波に対するフィールドバックを行うようにプログラムされている。記憶装置22は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体である。本明細書において説明した処理、方法および/または技術を実現するための命令は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体または記憶装置、例えば、キャッシュ、バッファ、RAM、リムーバル媒体、ハードディスクドライブまたは別のコンピュータ読み出し可能記憶媒体において提供される。コンピュータ読み出し可能記憶媒体には、種々のタイプの揮発性および不揮発性記憶媒体が含まれる。本明細書において説明したまたは図面に示した機能、ステップまたはタスクは、コンピュータ読み出し可能記憶媒体に記憶されている1つまたは複数の命令のセットに応答して実行される。上記の機能、ステップまたはタスクは特定のタイプの命令セット、記憶媒体、プロセッサまたは処理ストラテジなどには依存しておらず、またソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードその他などにより、単独でまたは任意の組み合わせで実行可能である。同様に処理ストラテジは、マルチプロセシング、マルチタスク処理、並列処理などを含んでいてもよい。1つの実施形態において、上記の命令は、リムーバブル媒体装置に記憶されており、ローカルシステムまたはリモートシステムによって読み出される。別の実施形態において上記の命令は、遠隔地に記憶されており、またコンピュータネットワークまたは電話回線を介して転送される。さらに別の実施形態において上記の命令は所定のコンピュータ、CPU、GPUまたはシステム内に記憶されている。
【0080】
ディスプレイ20は、2次元画像または3次元表現を表示するCRT,LCD,プロジェクタ、プラズマディスプレイまたは別のディスプレイである。ディスプレイ20により、上記のHIFUビームプロフィールを表す1つまたは複数の画像が表示される。上記のHIFUに関連した変位の空間分布は、上記の画像に示される。上では本発明を複数の実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更および変形を加えることが可能であると理解されたい。したがってここで意図したのは、上記における詳細な説明が制限ではなくむしろ説明上のものであるとみなされるべきであり、また本発明の精神および範囲を定めるのは、同等のものすべてを含む添付の特許請求の範囲であると理解すべきことである。