(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記飲料選択ボタンは、前面に装飾部材を着脱自在に保持するための保持部と、該保持部に保持された前記装飾部材の後側に対応して設けられ、前記照明手段を構成するボタン照明手段とを備え、
前記制御手段は、前記ボタン照明手段により、前記抽選による当選表示を実行することを特徴とする請求項2に記載の飲料ディスペンサ。
前記制御手段は、前記飲料選択ボタンの操作に基づいて前記抽選を行うか否かを切り換えるための設定切換手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の飲料ディスペンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した飲料ディスペンサは、例えば飲食店等のフリードリンクサービスとして設けられている場合がある。一般には、抽出飲料の種類や、一回の抽出量、抽出回数等に制限を設けていない場合が多いが、飲料の抽出機能のみを有するものであったため、付加的な要素による顧客の購買意欲の増長を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、飲料の抽出時にゲーム性を取り入れることで、集客率の向上を図り、飲料の販売数増大を実現することができる飲料ディスペンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の飲料ディスペンサは、前面に設けられた飲料選択ボタン
が操作
されている間だけ、所定の飲料供給位置に配置されたカップに、ノズルより飲料を抽出するものであって、飲料選択ボタンの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行う制御手段を備え、
制御手段は、飲料選択ボタンの操作に基づき、カップに一定量以上の飲料が抽出されたことを条件として前記抽選を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、上記発明において、前面に設けられた複数の照明手段を備え、制御手段は、これら照明手段を制御することにより、抽選中における所定の点/消灯パターンによる演出表示と、抽選による当選表示を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、上記発明において、飲料選択ボタンは、前面に装飾部材を着脱自在に保持するための保持部と、該保持部に保持された装飾部材の後側に対応して設けられ、照明手段を構成するボタン照明手段とを備え、制御手段は、ボタン照明手段により、抽選による当選表示を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、上記各発明において、制御手段は、飲料選択ボタンの操作に基づいて抽選を行うか否かを切り換えるための設定切換手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項
5の発明は、上記各発明において、制御手段は、抽選の結果が当選であった場合、飲料の抽出を禁止とすると共に、当該抽出禁止を解除する解除手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項
6の発明は、上記各発明において、抽選は、与えられる特典がそれぞれ異なる複数種の当選を有することを特徴とする。
【0013】
請求項
7の発明は、上記各発明において、制御手段は、飲料供給位置に配置されたカップを識別するためのカップ識別手段を備え、カップ識別手段による識別結果に基づき、同一のカップへの飲料抽出により実行される抽選の回数を制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前面に設けられた飲料選択ボタン
が操作
されている間だけ、所定の飲料供給位置に配置されたカップに、ノズルより飲料を抽出する飲料ディスペンサにおいて、飲料選択ボタンの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行う制御手段を備えたことにより、飲料選択ボタンの操作による飲料の供給動作の度に抽選を行うことで、飲料の供給時にゲーム性を取り入れることが可能となる。
【0015】
顧客の興味を引きやすくなることで、集客率の向上を図ることができ、再度の飲料供給率を向上させ、飲料の販売数増大を実現することができる。
【0016】
また、制御手段は、飲料選択ボタンの操作に基づき、一定量以上の飲料が抽出されたことを条件として抽選を実行することにより、誤操作等に基づく短時間の飲料選択ボタンの操作による抽選実行を回避することができる。
【0017】
これにより、円滑な飲料提供を実現することができると共に、飲料選択ボタンの操作に基づき、カップに一定量以上の飲料の抽出されたことを条件とすることで、抽選が濫発されることによる不都合を解消することが可能となる。
【0018】
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、前面に設けられた複数の照明手段を備え、制御手段は、これら照明手段を制御することにより、抽選中における所定の点/消灯パターンによる演出表示と、抽選による当選表示を実行することにより、格別な抽選体等を装置自体に設けることなく、飲料ディスペンサ自体や、その周辺を照明する複数の照明手段等を用いて抽選中における演出表示や、当選表示等を行うことが可能となる。
【0019】
請求項3の発明によれば、上記発明に加えて、飲料選択ボタンは、前面に装飾部材を着脱自在に保持するための保持部と、該保持部に保持された装飾部材の後側に対応して設けられ、照明手段を構成するボタン照明手段とを備え、制御手段は、ボタン照明手段により、抽選による当選表示を実行することにより、既存の状態で、飲料の抽出を指示する飲料選択ボタンの保持部に、当選表示を行う装飾部材を保持させることで、当該飲料選択ボタンを用いて抽選により当選表示を容易に行うことが可能となる。
【0020】
例えば、請求項4の発明の如く、制御手段は、飲料選択ボタンの操作に基づいて抽選を行うか否かを切り換えるための設定切換手段を備えている場合、抽選を行う場合、当選表示を行う飲料選択ボタンの保持部に当選表示を行う装飾部材を保持させ、抽選を行わない場合、当該飲料選択ボタンの保持部には、抽出指示を行う飲料などが明記された装飾部材を保持させて使用することができる。
【0021】
このため、抽選を行う場合と行わない場合とにおける使用形態を容易に変更可能とすることができ、抽選を行わない場合には、当選表示を行う装飾部材を取り外すことで、支障のない飲料提供を実現することが可能となる。
【0022】
また、設定切替手段にて抽選を行うか否かの切換を行うことで、任意に抽選を行う使用形態と、抽選を行わない使用形態とで切り換えて使用することが可能となり、設置された店舗等における利便性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項
5の発明によれば、上記各発明に加えて、制御手段は、抽選の結果が当選であった場合、飲料の抽出を禁止とすると共に、当該抽出禁止を解除する解除手段を備えたことにより、当選結果を店舗の店員等が確認するまで表示させておくことが可能となる。
【0024】
これにより、当選に基づく特典の提供を円滑に実現することができる。また、確認後店員等が解除手段によって抽出禁止を解除することにより、円滑に飲料提供を再開することが可能となる。
【0025】
請求項
6の発明によれば、上記各発明に加えて、抽選は、与えられる特典がそれぞれ異なる複数種の当選を有することにより、そのゲーム性の向上を図ることが可能となる。
【0026】
請求項
7の発明によれば、上記各発明に加えて、制御手段は、飲料供給位置に配置されたカップを識別するためのカップ識別手段を備え、カップ識別手段による識別結果に基づき、同一のカップへの飲料抽出により実行される抽選の回数を制限することにより、同一のカップへの飲料抽出による抽選が無制限に実行される不都合を回避することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明を適用した飲料ディスペンサ1の正面図、
図2は
図1の飲料ディスペンサ1の前面扉28を開いた状態の正面図、
図3は
図1の飲料ディスペンサ1の内部構成を示す側面図を示している。
【0029】
本実施例の飲料ディスペンサ1は、レストランや喫茶店などにおいて、顧客等が自由に飲料の供給を行うことを可能とするものであり、ウーロン茶、コーヒー等の中性飲料を供給するBIBユニット32、32、32と、強弱無炭酸系の目的飲料を供給するタンクユニット31を本体2内に併せ持つ装置である。係る飲料ディスペンサ1の構造は、
図2に示す如くタンクユニット31が本体2の一側(この場合、
図2の向かって左側)に、各BIBユニット32、32、32が並設した状態で本体2の他側(この場合、
図2の向かって右側)に配置されている。そして、これらタンクユニット31とBIBユニット32、32、32は本体2の前面に位置する開閉自在の前面扉28にて隠蔽されている。
【0030】
タンクユニット31は、
図2、
図3に示す如く、飲料原料を供給する飲料原料流路に電磁弁8とフローレギュレータ17を配設して構成している。更に、タンクユニット31には、飲料原料と他のチューブより供給される希釈水を混合して目的飲料を吐出するマルチノズル12、12が設けられている。このマルチノズル12は、複数の飲料原料タンクより供給される種類の異なった飲料原料によって種類の異なった目的飲料を利用者の選択に応じて吐出する複合ノズルである。
【0031】
次に、BIBユニット32を
図2に基づき説明する。BIB3の不透明な導出チューブ4は、売切検知用のセンサ13を介して、ポンプ(ペリスタルティックポンプ)5のロータ5Aとアーム5Bに挟持されており、ポンプ5の下方に設けられたピンチソレノイド19を介して、飲料原料は、ノズル6に供給されるように構成されている。
【0032】
ポンプ5は、ロータ5Aに取り付けられた複数のローラによって導出チューブ4を順次扱きながら飲料原料を押し出すものである。更に、飲料原料のノズル6に隣接して希釈水のノズル7が設けられている。
【0033】
そして、このBIBユニット32のノズル6、7及びタンクユニット31のマルチノズル12、12の下方には、テーブル14が設けられ、テーブル14上にガイド15によってガイドされるカップを配置することができる。本実施例では、テーブル14の上には、一側のタンクユニット31、31のマルチノズル12、12の下方を飲料供給位置10A、10Bとされると共に、BIBユニット32、32、32からの飲料の供給が行われるノズル6、7のそれぞれの下方を飲料供給位置11A、11B、11Cとされる。
【0034】
尚、
図3の33は希釈水などを冷却するための冷却装置を構成するコンプレッサ、34はコンデンサ、36は希釈水ポンプモータである。また、37は希釈水や飲料原料を冷却するための水槽である。
【0035】
次に、
図1、
図4乃至
図5を参照して、本体2の前面、本実施例では扉28の前面の構成について詳述する。
図4は銘柄フィルム43A乃至43L、扉装飾部材22A乃至22Eを取り除いた状態の飲料ディスペンサ1の正面図、
図5は
図1のX−X部分を上方から見た断面図をそれぞれ示している。尚、
図5では、扉28の一側3区画分の断面図のみを示している。
【0036】
本体2の前面に相当する扉28の前面には、飲料が吐出される各ノズル12、6、7に対応する飲料の供給を指示する飲料選択ボタンが設けられる。この飲料選択ボタンは、飲料供給位置毎に対応して設けられる。本実施例では、タンクユニット31の一方のマルチノズル12から供給される飲料の各飲料選択ボタン41A乃至41Fは、本体2の一側(
図1の向かって左側端部側)の飲料供給位置10Aの上方に位置して上下に設けられ、タンクユニット31の他方のマルチノズル12から供給される飲料の各飲料選択ボタン41G乃至41Iは、上記飲料選択ボタン41D乃至41Fの他側(
図1の向かって右側)であって、飲料供給位置10Bの上方に位置して上下に設けられる。そして、各BIBユニット32、32、32から供給される飲料の飲料選択ボタン41J、41K、41Lは、飲料供給位置11A、11B、11Cのそれぞれに対応する上方に位置して設けられる。
【0037】
即ち、
図1の例では、タンクユニット31の一方のマルチノズル12により供給される飲料は、強弱無炭酸系の各種目的飲料であり、それぞれ飲料供給位置10Aの上方に位置して縦に一列に並べられた状態で、各種飲料選択ボタン41A乃至41Fが設けられる。同様に他方のマルチノズル12により供給される飲料も、強弱無炭酸系の各種目的飲料であり、それぞれ飲料供給位置10Bの上方に位置して縦に一列に並べられた状態で、各種飲料選択ボタン41G乃至41Iが設けられる。
【0038】
そして、本体2前面中央から他側(
図1の向かって右側)に設けられるBIBユニット32、32、32により供給される飲料はウーロン茶やコーヒー等のそれぞれ単一種類の中性飲料であり、飲料供給位置11Aの上方に位置して飲料選択ボタン41Jが、飲料供給位置11Bの上方に位置して飲料供給ボタン41Kが、飲料供給位置11Cの上方に位置して飲料供給ボタン41Lが設けられる。本実施例では、各飲料供給位置と、各種飲料選択ボタンとの連動感を認識させやすくするため、各種飲料選択ボタンは、より各飲料供給位置に近くなる扉28の下部に設けられるものとする。
【0039】
各飲料選択ボタン41A乃至41Lは、
図4及び
図5に示されるように、前面が所定曲率にて湾曲して形成された略半円筒状を呈するボタン側保持部42と、当該ボタン側保持部42に保持される銘柄等が印刷された装飾部材としての透光性の銘柄フィルム43A乃至43Lと、当該銘柄フィルム43A乃至43Lを後方から照らし出すボタン照明(ボタン照明手段)44と、銘柄フィルム43A乃至43Lの後方に位置する接触スイッチ45とから構成される。
【0040】
ボタン側保持部42は、内部を透視可能とすると共に、所定の可撓性を有する材料にて形成されており、当該ボタン側保持部42全体は、扉28の前面に対し着脱自在に嵌め込まれるものである。
【0041】
また、当該ボタン側保持部42に保持される銘柄フィルム43A乃至43Lは、ボタン側保持部42を扉28前面から取り外した状態で、当該保持部42の上下端より挿脱可能とされると共に、当該保持部42の前面の湾曲形状に沿って保持される。
【0042】
ここで、本実施例では、特定の飲料選択ボタン、例えば、本体2の一側最上部に配設される飲料選択ボタン41Aの銘柄フィルム43Aは、ボタン側保持部42を取り外して、詳細は後述する所定の特典を与えるための抽選による「当選」であることを表示する印刷が施された装飾部材としての透光性の当選フィルム40を保持可能とされる。これにより、後述する抽選を行う抽選モードに切り換えられた場合、銘柄フィルム43Aの代わりに当選フィルム40が保持された飲料選択ボタン41Aは、当選表示部を構成することとなり、当該飲料選択ボタン41Aのボタン照明44による点灯によって当選表示を行う。
【0043】
各銘柄フィルム43A乃至43L若しくは当選フィルム40を構成する装飾部材の後方に設けられるボタン照明44は、例えば白色のLEDなどの照明手段により構成されており、本実施例では少なくとも二段階の照度(低・高)を制御可能とされている。また、同様に装飾部材の後方に設けられる接触スイッチ45は、本実施例では、ボタン照明44の左右に二つ設けられており、前方に設けられるボタン側保持部42が扉28方向に押されることにより通電され、対応する飲料の供給を指示することを可能とする。尚、当該ボタン照明44及び接触スイッチ45は、いずれもそれぞれの飲料選択ボタン毎に設けられるボタン基板46に設けられる。
【0044】
他方、本体2前面の上記各飲料選択ボタン41A乃至41Lが設けられる以外の領域には、電照看板48が設けられる。この電照看板48は、上記各飲料選択ボタン41A乃至41Lを回避したかたちで、本体2(扉28)前面の全体に渡って形成されるものであり、それぞれ扉側保持部23と、当該扉側保持部23に着脱自在に保持される透光性の扉装飾部材22A乃至22Eと、該装飾部材を後方から照らし出す扉照明(扉照明手段)49とから構成される。
【0045】
本実施例では、扉側保持部23は、上述した如き各ユニット31、32、32から飲料供給が行われる飲料供給位置10A、10B、11A乃至11Cのそれぞれに対応して(実際には、左右に並べられた各飲料選択ボタンの列に対応して)左右に五つに区画されており、いずれの区画Cも、飲料選択ボタン41A乃至41Lを回避するかたちで、上下に延在すると共に、前面は所定曲率にて湾曲して形成された略半円筒状を呈している。そして、この扉側保持部23の少なくとも前面は、内部を透視可能な材料にて形成されている。また、各区画が形成された扉側保持部23の上端は、上部カバー24にて開閉自在に閉塞される。
【0046】
また、当該扉側保持部23に保持される装飾部材22A乃至22Eは、例えば、所定の透光度を有するシートにより形成されており、当該飲料ディスペンサ1により供給される飲料の広告やイメージ図柄、メッセージなどが印刷等により表されているものとする。上部カバー24が開放された状態で、当該保持部23の各区画の上端より装飾部材22A乃至22Eが挿脱可能とされると共に、当該保持部23の前面の湾曲形状に沿って保持される。
【0047】
各装飾部材22A乃至22Eの後方に設けられる扉照明49は、前記ボタン照明44と同様に、例えばLEDなどの照明手段により構成されている。このとき、同一の区画に設けられる扉照明49は、同一の照明基板50に設けられるものとする。
【0048】
次に、
図10の電気ブロック図を参照して、本実施例における制御装置33について説明する。制御装置33は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、所定の時限手段としてのタイマ34を内蔵している。この制御装置33の入力側には、飲料選択ボタン41A乃至41Lの各接触スイッチ45と、図示しない販売可スイッチなどが接続される。制御装置33の出力側には、各ボタン照明44と、扉照明49等が接続されている。また、当該制御装置33には、タンクユニット31の各飲料原料の供給ラインに設けられる開閉弁8等と、BIBユニット32、32、32に設けられるポンプ5、5及び希釈水電磁弁(ノズル7に接続)等からなる販売機構35及び、当該飲料ディスペンサ1における各種設定を行うためのリモコン39が接続されている。
【0049】
また、本実施例における制御装置33は、飲料選択ボタン41B〜41Lの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行う抽選制御部37を備えている。この抽選制御部37には、本体2の外面、本実施例では、上面に配設された抽選機能入出力装置38が接続されている。
【0050】
この抽選機能入出力装置38は、抽選機能入力部51と、抽選機能出力部55とを備えており、抽選機能入力部51には、飲料選択ボタン41B〜41Lの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行う抽選モードと、当該抽選を行わない通常モードとを切り換え可能とするモード切替スイッチ52(設定切換手段)と、当該抽選モード時における当選状態を解除するための解除スイッチ53とが接続されている。そして、抽選機能出力部55には、抽選の結果、当選となった際、当該当選を告知、周知する出力手段の一例としてのブザー56が接続されている。
【0051】
本実施例では、
図1等に示すように、抽選機能入出力装置38は、本体2の上面に配設されており、その前面に、これらモード切替スイッチ52と、解除スイッチ53及びブザー用の開口56Aが設けられている。
【0052】
以上の構成により、飲料ディスペンサ1における飲料抽出のための飲料選択ボタン操作に基づく抽選制御について
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
先ず初めに、制御装置33は、ステップS1において、現在設定されたモードが通常モードであるか、抽選モードであるか否かを判断する。ここで、先ず、通常モードの場合について説明する。通常モードを行う場合、使用者は、抽選機能入出力装置38のモード切替スイッチ52をOFF、即ち、通常モードに切り換える。更に、特定の飲料選択ボタン、この場合飲料選択ボタン41Aに保持された装飾部材が当選フィルム40となっている場合には、当該飲料選択ボタン41Aの操作に基づき抽出する飲料の種類等が明示された銘柄フィルム43Aに差し替える。
【0054】
ステップS1において、通常モードに切り換えられている(抽選モードがOFFとされている)場合には、ステップS2に進み、制御装置33は、飲料選択ボタン41Aの操作を許可、即ち、当該ボタン操作による対応する飲料の抽出を可能な状態とし、ステップS3に進んで、販売待機状態に移行する。
【0055】
当該販売待機状態において、使用者が飲料の供給を行う場合には、先ず、供給を行う飲料の選択を行い、当該飲料の銘柄等が記載された銘柄フィルム43A〜43Lが取り付けられた飲料選択ボタンの下方に位置する飲料供給位置にカップを載置する。尚、ここでは、本体2の中央に位置するBIBユニット32から飲料を供給する場合を例に挙げて説明する。
【0056】
図1に示される飲料ディスペンサ1において、例えば、ウーロン茶等の中性飲料の供給を行う場合には、飲料選択ボタン41Jの下方であって、当該飲料原料の供給を行うノズル6及び希釈水の供給を行うノズル7の下方に位置する飲料供給位置11Aにカップを載置する。
【0057】
そして、飲料供給位置11Aに対応する飲料選択ボタン41Jが押圧操作されることにより(販売開始。ステップS4)、販売機構35が制御されることにより、操作されている間(押圧されている間)だけ当該BIBユニット32のポンプ5が運転されて、BIB3から飲料原料がノズル6からカップ内に供給されると共に、対応する希釈水電磁弁が当該時間だけ開放され、希釈水がノズル7からカップ内に供給される。このとき、カップ内には、飲料原料と希釈水とが混合され、所定の希釈割合にて希釈された飲料が供給される(販売終了。ステップS5)。
【0058】
尚、他のBIBユニット32から飲料供給を行う場合、タンクユニット31から飲料供給を行う場合であっても、同様に、対応する飲料選択ボタン41A〜41Lの押圧操作の間だけ対応する飲料供給位置に配置されたカップ内に飲料の供給が行われる。飲料供給終了後は、制御装置33は、再度ステップS1に戻る。
【0059】
他方、抽選モードを行う場合、使用者は、抽選機能入出力装置38のモード切替スイッチ52をON、即ち、抽選モードに切り換える。更に、特定の飲料選択ボタン、この場合飲料選択ボタン41Aに保持された装飾部材が特定の銘柄フィルム43Aとなっている場合には、当選フィルム40に差し替える。
【0060】
ステップS1において、抽選モードに切り換えられている(抽選モードがONとされている)場合には、ステップS6に進み、制御装置33は、飲料選択ボタン41Aの操作を禁止、即ち、当該ボタン操作による対応する飲料の抽出ができない状態(販売禁止)とし、ステップS7に進んで、販売待機状態に移行する。
【0061】
当該販売待機状態において、使用者が飲料の供給を行う場合には、先ず、供給を行う飲料の選択を行い、当該飲料の銘柄等が記載された銘柄フィルム43B〜43L(銘柄フィルム43Aの飲料選択ボタン41Aは販売禁止とされているため)が取り付けられた飲料選択ボタンの下方に位置する飲料供給位置にカップを載置する。尚、ここでは、タンクユニット31(一側に位置するマルチノズル12)から飲料を供給する場合を例に挙げて説明する。
【0062】
図1に示される飲料ディスペンサ1において、例えば、強弱炭酸系の飲料の供給を行う場合には、飲料選択ボタン41B乃至41Fの下方であって、当該飲料原料の供給を行うマルチノズル12(一側に相当するマルチノズル12)の下方に位置する飲料供給位置10Aにカップを載置する。
【0063】
そして、飲料供給位置10Aに対応する飲料選択ボタン41B乃至41Fの何れかが押圧操作されることにより(販売開始。ステップS8)、販売機構35が制御されることで、操作されている間(押圧されている間)だけ当該タンクユニット31の対応する飲料原料の電磁弁8及び希釈液(希釈水、希釈炭酸水)の電磁弁が開放されて、所定割合にて希釈混合された目的飲料がマルチノズル12からカップ内に供給される(販売終了。ステップS9)。
【0064】
尚、他のタンクニット31から飲料供給を行う場合や、BIBユニット32から飲料供給を行う場合であっても、同様に、対応する飲料選択ボタン41G〜41Lの押圧操作の間だけ対応する飲料供給位置に配置されたカップ内に飲料の供給が行われる。
【0065】
飲料供給終了後、制御装置33は、ステップS10に進み、今回の飲料のカップへの吐出量が予め設定された一定量以上であったか否かを判断する。本実施例では、内蔵されたタイマ34の検出出力に基づき、飲料選択ボタンの押圧操作連続時間が所定時間以上であったか否かの判断により、一定量以上の飲料が吐出されたか否かを判断する。尚、当該操作連続時間は、吐出方式が異なるため、タンクユニット31と、各BIBユニット32とで異なる時間に設定しても良い。
【0066】
ステップS10における判断において飲料の吐出量が当該一定量に満たないと判断された場合には、制御装置33の抽選制御部37によって、抽選権利なし(抽選権利不成立)と判断(ステップS11)し、ステップS1に戻る。
【0067】
他方、ステップS10において制御装置33の抽選制御部37によって、飲料の吐出量が一定量に達したものと判断した場合には、制御装置33の抽選制御部37によって、抽選権利有り(抽選権利成立)と判断(ステップS12)し、予め設定された当選確率にて抽選が行われる。抽選制御部37は、今回の抽選結果が当選であるか非当選(外れ)であるかを決定する。
【0068】
そして、抽選制御部37は、本体2の前面に設けられた複数の飲料選択ボタン41A乃至41Lのボタン照明44により抽選中であることを示す、抽選演出表示、本実施例では、これらのボタンが所定のパターンにて順次点/消灯を繰り返すルーレット表示を開始する(ステップS13)。
【0069】
一実施例として、各ボタン照明44は、それぞれのボタン照明が設けられる飲料選択ボタンを、
図1の各区画の最下段に位置する飲料選択ボタン41F、41I、41J、41Kから成る第1グループと、その上の段に位置する飲料選択ボタン41E、41Hから成る第2グループと、その上の段に位置する飲料選択ボタン41D、41Gから成る第3グループと、その上の段に位置する飲料選択ボタン41Cから成る第4グループと、その上の段に位置する飲料選択ボタン41Bから成る第5グループと、その上の段に位置し当選フィルム40が保持された飲料選択ボタン41A(この場合当選表示部を構成する)から成る第6グループとする。
【0070】
そして、抽選制御部37は、電照看板48の各扉照明49を消灯し、先ず初めに第1グループを構成する各飲料選択ボタン41F、41I、41J、41Kのボタン照明44を所定時間点灯し、他の飲料選択ボタンを消灯とする。その後、第1グループを消灯した後、第2グループを構成する各飲料選択ボタン41E、41Hのボタン照明44を所定時間点灯した後消灯し、次に、第3グループを構成する飲料選択ボタン41D、41Gのボタン照明44を所定時間点灯した後消灯し、次に、第4グループの飲料選択ボタン41Cのボタン照明44を所定時間点灯した後消灯し、次に、第5グループの飲料選択ボタン41Bのボタン照明44を所定時間点灯した後消灯し、次に、第6グループの飲料選択ボタン41A(当選表示部)のボタン照明44を所定時間点灯した後消灯し、再度、第1グループの点灯に戻る。これを所定時間、繰り返して実行する。このとき、パターンにおいて、点/消灯の間隔や変更スピードを調整しても良い。
【0071】
その後、上記抽選制御部37にて得られた抽選による結果に基づき当選若しくは外れの判定表示を行う(ステップS14)。抽選制御部37は、抽選結果が「外れ」の場合、外れ表示として上記演出表示において順次、点/消灯される各グループのボタン照明44を、例えば、当選表示部の点灯の一つ手前に相当する第5グループの飲料選択ボタン41Bのボタン照明44のみを所定時間点灯して、抽選表示を終了する(ステップS15)。若しくは、当選表示部の点灯の一つ後に相当する第1グループの飲料選択ボタン41F、41I、41J、41Kのボタン照明44のみを点灯して抽選表示を終了する。尚、当該外れ表示は、それまでの演出表示の一部を構成するものとする。そして、制御装置33は、外れ表示の消灯後、通常の販売状態として電照看板48の各扉照明49を点灯する。
【0072】
これにより、利用者は、当選表示部以外のところで点/消灯による演出表示が終了することで、抽選結果が外れであると認識する。係る外れ表示を行った後、当該外れ表示を消灯とし、抽選制御部37は、ステップS1に戻る。
【0073】
他方、ステップS14において、抽選制御部37における抽選結果が「当選」である場合には、判定表示は、「当選」表示を行うこととなる。本実施例において「当選」表示は、上記演出表示において順次、各グループのボタン照明44点/消灯パターンの最後に、当選表示部に相当する第6グループの飲料選択ボタン41Aのボタン照明44のみを点灯し、更に、当該当選表示部の点灯と共に、電照看板48の各扉照明49を点滅させ、当選表示の演出を行う(ステップS16)。
【0074】
また、当該当選表示に伴い、抽選制御部37は、抽選機能出力装置55のブザー56出力を行い、音による当選演出を行う。
【0075】
その後、抽選制御部37は、販売機構35による販売を停止させる(飲料の抽出禁止)とする(ステップS17)。そして、当該飲料ディスペンサ1が設置された店舗における店員等が当該当選表示を確認した後、利用者への当選に基づく所定の特典の提供を行い、抽選機能入出力装置38の解除スイッチ53を操作する。
【0076】
これにより、抽選制御部37は、解除スイッチ53の操作によって当選状態に基づく販売停止(飲料の抽出禁止)を解除する(ステップS18)。これにより、当選表示部に相当する飲料選択ボタン41Aのボタン照明44を消灯し、電照看板48の各扉照明49を通常の販売状態を示す点灯状態とする。更に、ブザー56による出力を停止する。その後、ステップS1に戻る。
【0077】
このように、本実施例では、飲料選択ボタン41B乃至41Lの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行い、当選表示、若しくは外れ表示を行うため、飲料選択ボタン41B乃至41Lの操作による飲料の供給動作の度に抽選を行うことで、飲料の供給時にゲーム性を取り入れることが可能となる。
【0078】
これにより、顧客の興味を引きやすくなることで、集客率の向上を図ることができ、再度の飲料供給率を向上させ、飲料の販売数増大を実現することができる。
【0079】
特に、本実施例では、飲料ディスペンサ1の本体2の前面に設けられた各飲料選択ボタンのボタン照明44によって外れ表示を含む演出表示や、当選表示を行うため、格別な抽選体等を装置自体に設けることなく、飲料ディスペンサ自体や、その周辺を照明する複数の照明手段等を用いて抽選中における演出表示や、当選表示等を行うことが可能となる。
【0080】
また、本実施例では、抽選制御部37は、ステップS10にて吐出量を判定し、各飲料選択ボタン41B乃至41Lの操作に基づき、一定量以上の飲料が抽出されたことを条件として抽選を実行するため、誤操作やいたずらなどに基づく短時間の飲料選択ボタンの操作による抽選実行を回避することができる。
【0081】
これにより、円滑な飲料提供を実現することができると共に、一定量以上の飲料の抽出を条件とすることで、抽選が濫発されることによる不都合を解消することが可能となる。
【0082】
また、本実施例では、抽選制御部37は、抽選の結果が当選であった場合、飲料の抽出を禁止(停止)とすることにより、当選結果を店舗の店員等が確認するまで表示させておくことが可能となる。これにより、当選に基づく特典の提供を円滑に実現することができる。そして、確認後、店員等が解除スイッチ53によって抽出禁止を解除することにより、円滑に飲料提供を再開することが可能となる。
【0083】
更に、本実施例では、上述したように、本体2の上面等の外面側に配設された抽選機能入出力装置38のモード切替スイッチ52によって、飲料選択ボタン41B〜41Lの操作に基づき、所定の特典を与えるための抽選を行う抽選モードと、当該抽選を行わない通常モードとを切り換え可能とされている。
【0084】
そのため、所定の特典を抽選結果によって与えるキャンペーンを実行する場合には、抽選モードを採用し、当該キャンペーン期間を終了した後は、通常モードに切り換えて使用することが可能となる。若しくは、ランチタイムなどの繁忙時間帯には、抽選モードを行わない通常モードに切り換え、それ以外の時間帯では、抽選モードを採用する使用形態を実現することができる。
【0085】
これにより、任意に抽選を行う使用形態と、抽選を行わない使用形態とで切り換えて使用することが可能となるため、設置された店舗等における利便性の向上を図ることができる。
【0086】
また、係る抽選モードの有無の切換の際には、抽選モード時において当選表示部として用いる飲料選択ボタン41Aのボタン側保持部42に装飾部材として当選フィルム40を保持させる。これにより、既存の飲料ディスペンサ1であっても、格別に本体1の前面に当選体を設けることなく、当該飲料選択ボタン41Aの装飾部材を銘柄フィルム43Aから当選フィルム40に変更することで、ボタン照明44を備えた当該飲料選択ボタン41Aを用いて抽選により当選表示を容易に行うことが可能となる。
【0087】
そして、当該抽選モードと通常モードとを相互に切り換える場合には、モード切替スイッチ52を切り換えると共に、抽選を行う場合、当選表示を行う飲料選択ボタン41Aの保持部42に当選表示を行う装飾部材(当選フィルム40)を保持させ、抽選を行わない場合、当該飲料選択ボタン41Aの保持部42には、抽出指示を行う飲料などが明記された装飾部材(銘柄フィルム43A)を保持させて使用することができる。
【0088】
このため、抽選を行う場合と行わない場合とにおける使用形態を容易に変更可能とすることができ、抽選を行わない場合には、当選表示を行う装飾部材を取り外すことで、支障のない飲料提供を実現することが可能となる。
【0089】
特に、装飾部材(当選フィルム40、銘柄フィルム43A)が保持されるボタン側保持部42は、扉28の前面に対し着脱自在に嵌め込まれて取り付けられるものであるため、ネジ止めされる上部カバー24の取り外しが必要とされる扉装飾部材22とは異なり、容易な着脱が可能となる。
【0090】
また、本実施例では、抽選制御部37の抽選による当選は、飲料選択ボタン41A(当選表示部)に表示される1種類のみの当選を示しているが、これに限定されるものではなく、当選表示を複数設け、与えられる特典がそれぞれ異なる複数種の当選を有するものとしても良い。これにより、よりゲーム性の向上、抽選の多様性を図ることが可能となる。
【0091】
また、上記実施例において、一つのカップに対する抽選回数の制限を行うものを採用しても良い。一例として、飲料ディスペンサ1の本体2内に何れかの飲料供給位置10A、10B、11A、11B、11Cに配置された所定のカップを識別するためのカップ識別部(カップ識別手段)54を設け、当該カップ識別部54を抽選機能入出力装置38の抽選機能入力装置51に接続する。
【0092】
当該飲料ディスペンサ1の飲料供給に使用するカップには、予めICチップなどの書換可能な記憶手段を備えたメモリが設けられており、当該メモリには、当該カップを識別するためのIDと、抽選回数に関するデータが記憶されている。
【0093】
これにより、カップ識別部54は、カップが何れかの飲料供給位置に配置された状態で、カップに記憶された現在の抽選回数が限定された抽選回数、例えば5回に達しているか否かを判断し、抽選回数に達している場合には、抽選権利無しとして、一定量の吐出が行われた場合であっても、抽選を行わないものとする。
【0094】
他方、カップに記憶された現在の抽選回数が限定された抽選回数に満たない場合には、上述したように一定量の吐出が行われたことを条件として抽選を行い、抽選終了後、カップのメモリには、現在の抽選回数を1回加算する。
【0095】
これにより、カップ識別部54による識別結果に基づき、同一のカップへの飲料抽出により実行される抽選の回数を制限することにより、同一のカップへの飲料抽出による抽選が無制限に実行される不都合を回避することが可能となる。