(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、リッドがスライド自在なるレールが、ケースに設けられているため、ケースの上面より一段下げた位置にレールが配されることにより、リッドは、ケースの上面より一段下がる事になる。つまり、リッドの部分が、ケースの上面より凹部となる、という課題がある。
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、リッドがケースの開口を閉成している状態で、ケースの上面とリッドの表面とがほぼ同一面とした乗り物用物入れ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1記載の乗り物用物入れ装置は、上面に開口を有するケースと、該ケースの開口を開閉自在なるように前記ケースに配されてなるリッドとよりなる乗り物用物入れ装置において、前記リッドが閉成した状態では、前記リッドの表面と前記ケースの上面とが略同一面となり、前記リッドが開成するとき、該リッドは、移動手段により、前記ケース内に移動し、収納されてなると共にリッドの開口側端部がケースの開口端に干渉しない位置に移動でき、
前記移動手段が、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とより少なくとも構成されてなり、前記ガイドレールが、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に、上下方向に回転自在なるよう前記ケースに軸支されてなり且つ前記ガイド軸が出入り自在な第1挿脱口が端部に形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記第1レールの第1挿脱口と連続する位置に前記ガイド軸が出入り自在な第2挿脱口が形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールとより構成されてなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2記載の乗り物用物入れ装置は、請求項1記載の
前記ガイドレールが、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に、下側に移動可能なるよう前記ケースに上下動自在に配されてなり且つ前記ガイド軸が出入り自在な第1挿脱口が端部に形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記第1レールの第1挿脱口と連続する位置に前記ガイド軸が出入り自在な第2挿脱口が端部に形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールとより構成されてなることを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の請求項3記載の乗り物用物入れ装置は、
請求項1記載の乗り物用物入れ装置であって、
前記リッドの一方端が、前記ケースの開口端に係脱自在に支持されてなると共に前記ガイドレールが、前記リッドが略閉成状態において前記ガイド軸を略水平位置に保持可能で前記リッドが開成した側の端部に前記ガイド軸が出入り自在な第1挿脱口が端部に形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記ガイド軸を出入り自在な第2挿脱口が端部に形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールと、前記リッドが略閉成状態において前記ガイド軸を略水平位置に保持可能で両端部に前記ガイド軸を出入り自在な第3挿脱口が形成されてなると共に第1レールの第1挿脱口及び第2レールの第2挿脱口双方と連続する位置に移動可能なる第3レールとより構成されてなることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の請求項4記載の乗り物用物入れ装置は、
請求項1記載の乗り物用物入れ装置であって、
前記ガイドレールが、前記リッドのガイド軸を、前記ケースに対して略閉成位置に保持した第1レール部と、前記ケースに対して略開成位置に保持した第2レール部とを一体的に形成されてなると共に前記リッドの開成側の逆方向に移動可能に配してなるように構成されてなることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の請求項5記載の乗り物用物入れ装置は、
上面に開口を有するケースと、該ケースの開口を開閉自在なるように前記ケースに配されてなるリッドとよりなる乗り物用物入れ装置において、前記リッドが閉成した状態では、前記リッドの表面と前記ケースの上面とが略同一面となり、前記リッドが開成するとき、該リッドは、移動手段により、前記ケース内に移動し、収納されてなると共にリッドの開口側端部がケースの開口端に干渉しない位置に移動でき、前記移動手段が、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とよりなり、前記ケースの開口には、前記リッドが略閉成位置において、前記リッドと共に前記開口を閉じると共に前記リッドが開成する際に前記リッドに干渉しない位置に移動可能なダミールーバを設けたことを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の請求項6記載の乗り物用物入れ装置は、
請求項5記載の乗り物用物入れ装置であって、
前記リッドの一方端には、ローラを設け、前記ダミールーバの裏面には、該ローラによって押された際にダミールーバーが前記リッドに干渉しない位置まで持ち上げ可能なる斜めリブを設けてなることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の請求項7記載の乗り物用物入れ装置は、
請求項6記載の乗り物用物入れ装置であって、
前記ダミールーバに、常時閉成時の前記リッドと前記ダミールーバとが面一なる方向に付勢してなる付勢手段を設けてなることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の請求項8記載の乗り物用物入れ装置は、
上面に開口を有するケースと、該ケースの開口を開閉自在なるように前記ケースに配されてなるリッドとよりなる乗り物用物入れ装置において、前記リッドが閉成した状態では、前記リッドの表面と前記ケースの上面とが略同一面となり、前記リッドが開成するとき、該リッドは、移動手段により、前記ケース内に移動し、収納されてなると共にリッドの開口側端部がケースの開口端に干渉しない位置に移動でき、前記移動手段が、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とよりなり、前記リッドの略閉成位置において、前記リッドの一方端には、常時上側に回転付勢されてなる回転軸を備え、前記ケースには、該回転軸を中心に回転自在なる作動ピンを前記リッドが平滑位置に案内するガイド面を有すると共に前記開口を閉じる位置で前記ケースの上面と面一な位置に前記作動ピンを保持可能なガイド受け部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、請求項1記載の発明によれば、開口を有するケースと、該ケースの開口を開閉自在となるように前記ケースに配されてなるリッドとよりなり、前記リッドが閉成した状態では、前記リッドの表面が前記ケースの上面と略同一面となり、前記リッドが開成するとき、該リッドは、移動手段により、前記ケース内に移動し、収納されてなると共にリッドの開口側端部がケースの開口端に干渉しない位置に移動できることにより、リッドがケースの開口を閉成している状態で、ケースの上面とリッドの表面とがほぼ同一面になると共にリッドが開成する際にケースの開口に干渉しない位置に移動できるので、操作性が向上する、という効果を奏する。
また、前記ガイド軸がガイドレールの形状に沿ってスライドできるから、リッドが適宜曲折でき、ケース内に収納できることになる、という効果を奏する。更に、前記リッドの一方を押し下げると、ガイドレールの第1レールが下側に回転して、第1挿脱口が第2レールの第2挿脱口に連続する位置に移動するので、リッドのガイド軸が第1レールから第2レールに移動して、リッドはケース内に収納できることになる、という効果を奏する。
【0019】
更に、本発明は、
請求項2記載の発明によれば、前記ガイドレールが、略閉成状態の前記リッドを開成する際に、下側に移動可能なるよう前記ケースに上下動自在に配されてなり且つ前記ガイド軸が出入り自在な第1挿脱口が端部に形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記第1レールの第1挿脱口と連続する位置に前記ガイド軸が出入り自在な第2挿脱口が端部に形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールとより構成されてなることにより、前記リッドを押し下げると、ガイドレールの第1レールが下側に移動して、第1挿脱口が第2レールの第2挿脱口に連続する位置に移動するので、リッドのガイド軸が第1レールから第2レールに移動して、リッドはケース内に収納できることになる、という効果を奏する。
【0020】
更に、本発明は、
請求項3記載の発明によれば、前記リッドの一方端が、前記ケースの開口端に係脱自在に支持されてなると共に、前記ガイドレールが、前記リッドが略閉成状態において前記ガイド軸を略水平位置に保持可能で前記リッドが開成した側の端部に前記ガイド軸を出入り自在な第1挿脱口が形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記ガイド軸を出入り自在な第2挿脱口が端部に形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールと、前記リッドが略閉成状態において前記ガイド軸を略水平位置に保持可能で両端部に前記ガイド軸を出入り自在な第3挿脱口が形成されてなると共に第1レールの第1挿脱口及び第2レールの第2挿脱口双方と連続する位置に移動可能なる第3レールとより構成されてなることにより、前記リッドを閉じる方向に若干ずらすと、ケースの開口端に係合しているリッドの一方端が、ケースの開口端から外れて落下することで、前記リッドの一方端のガイド軸も一緒に落下し、第3レールが下側に回転する。従って、ガイドレールの第1レールの第1挿脱口と、第2レールの第2挿脱口と、第3レールの第3挿脱口とが連続する位置に移動するので、リッドのガイド軸が第1レールから第3レールを介して、第2レールに移動して、リッドはケース内に収納できることになる、という効果を奏する。
【0021】
更に、本発明は、
請求項4記載の発明によれば、前記ガイドレールは、前記リッドのガイド軸を、前記ケースに対して略閉成位置に保持した第1レール部と、前記ケースに対して略開成位置に保持した第2レール部とを一体的に形成されてなると共に前記リッドの開成側の逆方向に移動可能に配してなるように構成されてなることにより、前記リッドを開成側の逆方向に移動すると、ケースの開口端に係合しているリッドの一方端が、ケースの開口端から外れることで、前記リッドの一方端が落下し、開口端から離脱し、ガイドレールの第1レール部から第2レール内にリッドが移動するので、リッドはケース内に収納できることになる、という効果を奏する。
【0022】
更に、本発明は、
請求項5記載の発明によれば、前記移動手段は、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とよりなり、前記ケースの開口には、前記リッドが略閉成位置において、前記リッドと共に前記開口を閉じると共に前記リッドが開成する際に前記リッドに干渉しない位置に移動可能なダミールーバを設けたことにより、前記ガイド軸がガイドレールの形状に沿ってスライドできるから、リッドが適宜曲折でき、ケース内に収納できることになる、と共にケースの開口に設けたダミールーバにより、閉成時のリッドとダミールーバによって略面一な状態を確保できるばかりか、前記リッドを開成する際には、ダミールーバが前記リッドに干渉しない位置に移動できるので、操作性が向上する、いう効果を奏する。
【0023】
更に、本発明は、
請求項6記載の発明によれば、前記リッドの一方端には、ローラを設け、前記ダミールーバの裏面には、該ローラによって押された際にダミールーバーが前記リッドに干渉しない位置まで持ち上げ可能なる斜めリブを設けてなることにより、前記リッドを開成方向にスライドさせると、ローラによって、ダミールーバの裏面の斜めリブが持ち上げ可能であるので、操作性が向上することになる。しかも、前記リッドに干渉しない位置までダミールーバが持ち上がるので、より操作性が良いことになる、という効果を奏する。
【0024】
更に、本発明は、
請求項7記載の発明によれば、ダミールーバに、常時閉成時の前記リッドと前記ダミールーバとが面一なる方向に付勢してなる付勢手段を設けてなることにより、前記リッドを閉じる際に、ダミールーバを操作せずとも、前記ローラによる押し上げ力さえなければ、面一を保持できる。また、乗り物の走行振動等による高周波振動も付勢手段で抑え込むことが出来る、という効果を奏する。
【0025】
更に、本発明は、
請求項8記載の発明によれば、前記移動手段が、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とよりなり、前記リッドの略閉成位置において、前記リッドの開口側端部には、常時上側に回転付勢されてなる回転軸を備え、前記ケースには、該回転軸を中心に回転自在なる作動ピンを前記リッドが平滑位置に案内するガイド面を有すると共に前記開口を閉じる位置で前記ケースの上面と面一な位置に前記作動ピンを保持可能なガイド受け部材を設けたことにより、前記ガイド軸がガイドレールの形状に沿ってスライドできるから、リッドが適宜曲折でき、ケース内に収納できることになる、と共にケースの開口に設けたガイド受け部材により、閉成時のリッドとケースの開口とによって略面一な状態を確保できるばかりか、前記リッドを開成する際には、リッドの開口側端部が干渉しない位置に移動できるので、操作性が向上する、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明において、リッドがケースの開口を閉成している状態で、ケースの上面とリッドの表面とがほぼ同一面とした乗り物用物入れ装置を提供するという目的を、上面に開口を有するケースと、該ケースの開口を開閉自在なるように前記ケースに配されてなるリッドとよりなる乗り物用物入れ装置において、前記リッドが閉成した状態では、前記リッドの表面と前記ケースの上面とが略同一面となり、前記リッドが開成するとき、該リッドは、移動手段により、前記ケース内に移動し、収納されてなると共にリッドの開口側端部がケースの開口端に干渉しない位置に移動でき、
前記移動手段が、前記リッドをスライドする方向に案内可能なると共に前記ケースに支持されてなるガイドレールと、該ガイドレールに沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッドの外方に張り出すと共に前記ガイドレールにスライド自在に軸支されてなるガイド軸とより少なくとも構成されてなり、前記ガイドレールが、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に、上下方向に回転自在なるよう前記ケースに軸支されてなり且つ前記ガイド軸が出入り自在な第1挿脱口が端部に形成されてなる第1レールと、前記リッドを略閉成状態から略開成状態に移動する際に前記第1レールの第1挿脱口と連続する位置に前記ガイド軸が出入り自在な第2挿脱口が形成されてなり且つ前記ケース内の上下方向に前記ガイド軸を案内可能なる第2レールとより構成されてなることで、実現した。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
本発明の実施例1に係る構造を、
図1〜
図7を用いて説明する。この実施例1の自動車用物入れ装置1は、前後関係では、図示しないインストルメントパネルの後ろ側に配され、上下関係では、図示しない床の上に配され、左右関係では、図示しない座席と座席との間に配されているもので、前記座席に着座する乗員の小物、例えばCD、MDなどの音響機器やティッシュ、チケットなどの一時保管場所として供されるものである。
【0029】
前記自動車用物入れ装置1は、中空状に形成され且つ上面2aに開口3を有するケース2と、該ケース2の開口3を開閉自在となるように前記ケース2に配されてなるリッド4とよりなり、前記リッド4が
図1に示す閉成した状態では、前記リッド4の表面4aが前記ケース2の上面2aと略同一面となり、前記リッド4が
図3に示す開成するとき、該リッド4は、移動手段により、開口側端部4cを除いてそのほとんどが前記ケース2内に収納されてなる。符号3aは、前記開口3の開口端である。
図1及び
図4の左側矢印方向が、自動車の前側FR方向、
図1及び
図4の右側矢印方向が、自動車の後ろ側RR方向、
図1の上側矢印方向が、自動車の右側RH方向、
図1の下側矢印方向が、自動車の左側LH方向をそれぞれ意味する。
【0030】
前記ケース2は、左側部材5と、右側部材6とより左右に二分割されて形成されてなり、左側部材5及び右側部材6のフランジ5a,6aを用いて上面2aが開口3した箱状に形成されてなる。箱状に形成されたケース2の上側には、前記開口3の部分を除いて閉じられる平板状のプレート7が支持され、箱状に形成されたケース2の下側には、底板8が形成されると共に後述する第2レール11を小物類から保護可能なるようにケース2を前後に分割する隔壁9が立設されてなる。前記左側部材5及び右側部材6は、左右対称に形成されてなるので、
図5乃至
図7は、右側部材6を代表して説明する。
【0031】
前記移動手段は、前記ケース2の側板10、10の内面には、軸受け13、13(
図4では、左側部材5の側板10の内面に形成されてなる軸受け13が側板10によって隠されて見えないが、左右対称に配されている。)が設けられてなる。該軸受け13には、ピン15、15が上下回転自在に軸支されている。前記ピン15,15は、前後方向に長尺なガイドレール12の第1レール14、14の前後方向のほぼ真ん中より若干垂下したブラケット14aより左右方向に突出形成されてなる(
図4では、右側のピン15がブラケット14aによって隠されて見えないが、左右対称に配されている。)。前記ガイドレール12は、略直線状の前記第1レール14,14と、該第1レール14,14の前後端部を架設してなる同じく略直線状のエンドバー16,17とより中空部18が形成されてなる。前記第1レール14,14は、断面が略C字状をなし、その後側RRの端部には、第1挿脱口21が形成されてなる。
【0032】
前記ケース2の側板10、10の内面の前記軸受け13、13が設けられている近傍には、側板10、10の内面側に突出した台部19、19(
図4では、左側部材5の側板10の内面に形成されてなる台部19が側板10によって隠されて見えないが、左右対称に配されている。)が形成されてなる。該台部19,19の適宜の位置と前記ガイドレール12の第1レール14との間には、巻きスプリング20,20が配されて、常時
図5乃至
図7に示すように、第1レール14を持ち上げる方向に付勢してなるので、結果として、ピン15を中心に、第1レール部14を
図7の時計回転方向に付勢している。符号33は、ケース2の前側FRの端部よりリッド4を下側から支える堤部である。
【0033】
また、前記リッド4は、リッド本体22と、ガイド軸23と、ストッパ機構30とよりなる。前記リッド本体22は、薄肉22aにより相互に接続されていることで、ガイドレール12の第1レール部14に沿って、平面状から曲折可能なるよう形成されてなる。前記ガイド軸23は、該リッド本体22の一つ一つに形成されてなり、リッド本体22のスライド方向、即ち、自動車の前後方向に対して直角方向、即ち自動車の左右方向に張り出すと共に前記ガイドレール12の第1レール14にスライド自在に軸支されてなる。前記ガイド軸23は、この実施例では13個が形成されてなる。前記ストッパ機構30は、ケース2とリッド4とに形成されてなり、リッド4が閉成した状態で自動車の加減速など前後方向の荷重でもその位置を保持(ロック)するように構成されている一方、適宜の操作で、ロックを解除して、リッド4を移動可能としている。符号31は、前記第1レール14の前端に形成したスリット部14bに入り込むガイド部材で、前記リッド本体22に形成された取っ手32によりスリット部14bからガイド部材31が離脱可能とされている。
【0034】
前記第2レール11の第2挿脱口24は、
図5乃至
図7に示すように、隔壁9によって仕切られた部屋29から、顔を出して形成され、前記第1レール14の第1挿脱口21にあるガイド軸23が第2挿脱口24に出入りできるように形成されてなる。
【0035】
前記移動手段の前記ガイドレール12は、前記リッド4を
図1に示す略閉成状態から
図3に示す略開成状態に移動する(開成するとき)際に、上下方向に回転自在なるよう
図5乃至
図7に示すように、前記ケース2の側板10に軸支されてなり且つ前記ガイド軸23が出入り自在な第1挿脱口21が後ろ側RRの端部に形成されてなる第1レール14と、前記リッド4を
図1に示す略閉成状態から
図3に示す略開成状態に移動する際に前記第1レール14の第1挿脱口21と連続する位置に前記ガイド軸23が出入り自在な第2挿脱口24が形成されてなり且つ前記ケース2内の上下方向に前記ガイド軸23を案内可能なる第2レール11とより構成されてなる。
【0036】
次に、この実施例1の作用を説明する。
【0037】
中空状に形成され且つ上面2aに開口3を有するケース2と、該ケース2の開口3を開閉自在となるように前記ケース2に配されてなるリッド4とよりなり、前記リッド4が、
図1に示すように、閉成した状態では、前記リッド4の表面4aが前記ケース2の上面2aと略同一面となり、前記リッド4が開成するとき、該リッド4は、移動手段により、前記ケース2内に移動し、収納されてなることにより、リッド4がケース2の開口3を閉成している状態で、ケース2の上面2aとリッド4の表面4aとがほぼ同一面になるという効果を奏する。リッド4の閉成と開成とについて、略を付けているが、これは、厳密な閉じ状態、開き状態だけではなく、若干開いた状態、閉じた状態も権利として含むからである。
【0038】
また、前記移動手段としては、前記ケース2に、前記リッド4をスライドする方向に案内可能なるガイドレール12が支持され、前記リッド4が、前記ガイドレール12に沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッド本体22と、該リッド本体22のスライド方向に対して外方に張り出すと共に前記ガイドレール12にスライド自在に軸支されてなるガイド軸23とより少なくとも構成されてなることにより、前記ガイド軸23がガイドレール12の形状に沿ってスライドできるから、リッド本体22が適宜曲折でき、ケース2内に収納できることになる、という効果を奏する。
【0039】
更に、前記移動手段としては、前記ガイドレール12が、前記リッド4を、
図1に示すように、略閉成状態から、
図3に示すように、略開成状態に移動する際、即ち、開成するとき、
図2に示すように、上下方向に回転自在なるよう前記ケース2に軸支されてなり且つ前記ガイド軸23が出入り自在な第1挿脱口21が端部に形成されてなる第1レール14と、前記リッド4を、
図1に示すように、略閉成状態から、
図3に示すように、略開成状態に移動する際に、即ち、開成するとき、前記第1レール14の第1挿脱口21と連続する位置に前記ガイド軸23が出入り自在な第2挿脱口24が形成されてなり且つ前記ケース2内の上下方向に前記ガイド軸23を案内可能なる第2レール11とより構成されてなることにより、前記リッド4の一方を、
図2に示すように、押し下げると、ガイドレール12の第1レール14が下側に回転して、第1挿脱口21が第2レール11の第2挿脱口24に連続する位置に移動するので、リッド本体22のガイド軸23が第1レール14から第2レール11に移動して、リッド4はケース2の部屋29内に収納できることになる。リッド4が部屋29に収納できる、と言うことは、開口3から小物を入れると部屋29に入り込むことがないし、リッド4の移動の影響を受けないことになる。
【実施例2】
【0040】
本発明の実施例2に係る構造を、
図8〜
図10を用いて説明する。この実施例2の自動車用物入れ装置40の構成部材であるケース2と、開口3と、リッド4と、第2レール11とは、前記実施例1と同じであるので、重複しての説明をしない。
【0041】
図8に示す符号41は、本発明の実施例2に係る自動車用物入れ装置40の移動手段に用いられるガイドレールであり、該ガイドレール41によって、
図8に示すように、リッド4とプレート7の上面2aとが略同一面になる位置に押し上げられている略閉成状態の前記リッド4を、
図10に示す略開成の位置に移動する際、即ち開成するときに、
図9に示すように、下側DWNに移動可能なるよう前後に離間した巻きスプリング20,20によって前記ケース2に上下動自在に配されてなり且つ前記ガイド軸23が出入り自在な第1挿脱口21が端部に形成されてなる第1レール14と、前記リッド4を
図8に示す略閉成状態から
図10に示す略開成状態に移動する際、即ち開成するときに、前記第1レール14の第1挿脱口21と連続する位置に前記ガイド軸23が出入り自在な第2挿脱口24が端部に形成されてなり且つ前記ケース4内の上下方向に前記ガイド軸23を案内可能なる第2レール11とより構成されてなる。
【0042】
符号43は、ケース2の側板10にピン44により回転自在に軸支されてなる介在部材であり、前記ガイドレール41の第1レール14の下側に接すると共に、巻きスプリング20の上端部に接している。符号45は、前記ケース2の側板10に形成された溝で、取っ手42と連結することで、取っ手42の位置を保持してなる。
【0043】
次に、この実施例2の作用を説明する。
【0044】
前記移動手段の前記ガイドレール41が、
図8に示す略閉成状態の前記リッド4を、
図10に示す略開成状態にする際、即ち開成するときに、リッド4を下側DWNに移動可能なるよう前記ケース2に上下動自在に配されてなり且つ前記ガイド軸23が出入り自在な第1挿脱口21が端部に形成されてなる第1レール14と、前記リッド4を、
図8に示す略閉成状態から、
図10に示す略開成状態に移動する際、即ち開成するときに、前記第1レール14の第1挿脱口21と連続する位置(合致する位置)に前記ガイド軸23が出入り自在な第2挿脱口24が端部に形成されてなり且つ前記ケース2内の上下方向に前記ガイド軸23を案内可能なる第2レール11とより構成されてなることにより、前記リッド4を押し下げると、ガイドレール41の第1レール14が下側DWNに移動して、第1挿脱口21が第2レール11の第2挿脱口24に連続する位置(合致する位置)に移動するので、リッド本体22のガイド軸23が第1レール14から第2レール11に移動して、リッド4はケース2の部屋29内に収納できることになる。リッド4が部屋29に収納できる、と言うことは、開口3から小物を入れると、該小物が部屋29に入り込むことがないし、リッド4の移動の影響を受けないことになる。リッド4の閉成と開成とについて、略を付けているが、これは、厳密な閉じ状態、開き状態だけではなく、若干開いた状態、閉じた状態も権利として含むからである。
【実施例3】
【0045】
本発明の実施例3に係る構造を、
図11〜
図13を用いて説明する。この実施例3の自動車用物入れ装置50の構成部材であるケース2と、開口3と、リッド4とは、前記実施例1と同じであるので、重複しての説明をしない。
【0046】
図12に示す符号51は、本発明の実施例3に係る自動車用物入れ装置50の移動手段に用いられるガイドレールであり、前記リッド4の一方端4bが、前記ケース2の開口端3aに係脱自在に支持されてなると共に前記ガイドレール51は、前記リッド4が、
図11に示す閉成状態において、前記ガイド軸23を略水平位置に保持可能で前記リッド4が開成した側の端部、即ち、自動車の後ろ側RRに、前記ガイド軸23を出入り自在な第1挿脱口21が形成されてなる第1レール52と、前記リッド4を
図11に示す閉成状態から
図13に示す開成状態に移動する際、即ち開成するときに、前記ガイド軸23を出入り自在な第2挿脱口24が端部に形成されてなり且つ前記ケース2内の上下方向に前記ガイド軸23を案内可能なる第2レール53と、前記リッド4が
図11に示す閉成状態において前記ガイド軸23を略水平位置に保持可能で両端部に前記ガイド軸23を出入り自在な第3挿脱口25,25が形成されてなると共に前記第1レール52の第1挿脱口21及び第2レール53の第2挿脱口24双方と連続する位置に移動可能なる第3レール26とより構成されてなる。
【0047】
前記移動手段の前記第1レール52が略水平位置に保持されるのは、ケース2の側板10に形成されてなる水平状の台部19上をスライド自在なパネル56に形成されてなるからである。該パネル56の上端部には、前側FR及び後ろ側RRに長尺な溝57を形成し、該溝57上を前後に取っ手58がピン58aにより回転自在且つスライド自在である。前記パネル56の後端部56aには、ブラケット59が垂下されてなる。該ブラケット59には、長孔60を介してピン61により回転自在に脚部62が軸支されてなる。該脚部62の上端部には、前記第3レール26が支持されている。
【0048】
次に、この実施例3の作用を説明する。
【0049】
前記リッド4が
図11に示すように閉成している状態で、取っ手58を
図12に示すように、時計方向、即ち後ろ側RRにピン58aを中心に回転をさせると、前記リッド4を閉じる方向に若干ずれる。リッド4の一方端4bが、
図12に示すように、前記ケース2の開口端3aから離脱して自重で落ち込む。前記リッド4の一方端4bが落ち込むと共に、前記パネル56が若干前側FRに移動し、
図12に示すように、ガイドレール51の第1レール52と共に前記ガイド軸23は、略水平位置に保持されるが、前記リッド4が落ち込んだ一方端4bと共に第2レール26がピン60を中心に時計方向に回転して第2挿脱口24と第3挿脱口25とが合致すると共に該第3挿脱口25と第1挿脱口21とも位置が合致する。即ち、ガイドレール51の第1レール52の第1挿脱口21と、第2レール53の第2挿脱口24と、第3レール26の第3挿脱口25、25とが連続する位置に移動するので、リッド本体22のガイド軸23が第1レール52から第3レール26を介して、第2レール53に移動して、リッド4はケース2の部屋29内に収納できることになる、という効果を奏する。つまり、リッド4は、
図11の状態から、
図12の状態を介して、
図13の状態に移動可能となる。リッド4の閉成と開成とについて、略を付けているが、これは、厳密な閉じ状態、開き状態だけではなく、若干開いた状態、閉じた状態も権利として含むからである。リッド4が部屋29に収納できる、と言うことは、開口3から小物を入れると、該小物が部屋29に入り込むことがないし、リッド4の移動の影響を受けないことになる。
【実施例4】
【0050】
本発明の実施例4に係る構造を、
図14〜
図16を用いて説明する。この実施例4の自動車用物入れ装置70の構成部材であるケース2と、開口3と、リッド4とは、前記実施例1と同じであるので、重複しての説明をしない。
【0051】
図14〜
図16に示す符号71は、本発明の実施例4に係る自動車用物入れ装置70の移動手段に用いられるガイドレールであり、前記ガイドレール71は、前記リッド4のガイド軸23を、前記ケース2に対して
図14に示す閉成位置に保持した第1レール部27と、前記ケース2に対して
図16に示す開成位置に保持した第2レール部28とを一体的に形成されてなると共に前記リッド4の開成側、即ち、後ろ側RRと逆方向、即ち前側FRに移動可能に配してなるように構成されてなる。前記第1レール部27が略水平位置に保持されるのは、ケース2の側板10に形成されてなる水平状のフランジ72上を前後スライド自在なパネル73に形成されてなるからである。該パネル73の上端部には、前側FR及び後ろ側RRに長尺な溝57を形成し、該溝57上を前後に取っ手58がピン58aにより回転自在且つスライド自在である。
【0052】
次に、この実施例4の作用を説明する。
【0053】
前記取っ手58により前記リッド4を開成側、即ち、後ろ側RRと逆方向、即ち前側FRに移動すると、
図15に示すように、ケース2の開口端3aに係合しているリッド4の一方端4bが、ケース2の開口端3aから外れることで、前記リッド4の一方端4bが落下し、開口端3aから離脱し、ガイドレール71の第1レール部27から第2レール28内にリッド4が移動するので、リッド4はケース2の隔壁9に仕切られた部屋29内に収納できることになる。リッド4が部屋29に収納できる、と言うことは、開口3から小物を入れると部屋29に入り込むことがないし、リッド4の移動の影響を受けないことになる。リッド4の閉成と開成とについて、略を付けているが、これは、厳密な閉じ状態、開き状態だけではなく、若干開いた状態、閉じた状態も権利として含むからである。
【実施例5】
【0054】
本発明の実施例5に係る構造を、
図17〜
図19を用いて説明する。この実施例5の自動車用物入れ装置80は、前後関係では、図示しないインストルメントパネルの後ろ側に配され、上下関係では、図示しない床の上に配され、左右関係では、図示しない座席と座席との間に配されているもので、前記座席に着座する乗員の小物、例えばCD、MDなどの音響機器やティッシュ、チケットなどの一時保管場所として供されるものである。
【0055】
前記自動車用物入れ装置80は、中空状に形成され且つ上面2aに開口3を有するケース2と、該ケース2の開口3を開閉自在となるように前記ケース2に配されてなるリッド4とよりなり、前記リッド4が
図17に示す閉成した状態では、前記リッド4の表面4aが前記ケース2の上面2aと略同一面となり、前記リッド4が開成するとき、該リッド4は、移動手段84により、開口側端部4cを除いて前記リッド4のほとんどが前記ケース2内に収納されてなる。符号3aは、前記開口3の開口端である。
【0056】
前記ケース2は、左側部材5と、右側部材6とより左右に二分割されて形成されてなり、左側部材5及び右側部材6のフランジ5a,6aを固定することで、上面2aが開口3した箱状に形成されてなる。箱状に形成されたケース2の上側には、前記開口3の部分を除いて閉じられる平板状のプレート7が支持され、箱状に形成されたケース2の下側には、底板8が形成されてなる。
【0057】
前記移動手段84は、前記ケース2の側板10、10の内面に形成されてなるは、軸受け13、13(
図4では、左側部材5の側板10の内面に形成されてなるガイドレール85と、該ガイドレール85に係合且つガイドレール85に沿って摺動自在なると共に前記リッド4より外側に突出形成されてなるガイド軸87とよりなる。前記ガイドレール85は、前側(
図18で左斜め上側)から後ろ側(
図18で右斜め下側)までプレート7に平行な直線状をなし、開口3の開口端3a近傍で底板8に向けて曲線を描いて、底板8に達するように、形成されてなる。
【0058】
また、前記リッド4は、リッド本体22と、ガイド軸87とよりなる。前記リッド本体22は、薄肉22aにより相互に接続されていることで、ガイドレール85に沿って、平面状から曲折可能なるよう形成されてなる。前記ガイド軸87は、該リッド本体22の一つ一つに形成されてなり、リッド本体22のスライド方向、即ち、自動車の前後方向に対して直角方向、即ち自動車の左右方向に張り出すと共に前記ガイドレール85にスライド自在に軸支されてなる。前記ガイド軸87は、ムカデの足のように、この実施例では25個が形成されてなる。前記リッド4が閉成した状態で自動車の加減速など前後方向の荷重でもその位置を保持(ロック)するストッパ機構(図示省略)が設けられてなる一方、適宜の操作で、ロックを解除して、リッド4を移動可能としている。符号88は、前記リッド本体22に形成された取っ手である。
【0059】
符号89は、前記側板10,10に形成された凹部89aにピン89bが挿入されて、上下回転自在(
図19の実線位置から二点鎖線位置との間回転可能である)ダミールーバであり、断面が略Z字状に形成されてなる。符号90は、前記ダミールーバ89の下面に形成されてなる斜めリブである。符号91は、前記リッド本体22の反取っ手88側に配されるローラ91であり、斜めリブ90を介して前記ダミールーバ89を持ち上げ可能としている。符号92は、該ローラ91を回転自在に軸支してなるピンである。符号93は、前記ダミールーバ89のピン89bそれぞれに巻装された「付勢手段」の巻きスプリングであり、前記ダミールーバ89を
図19の実線で示す位置になるよう付勢している。符号94は、前記ダミールーバ89を
図19に二点鎖線で示すように回転させたときに、該回転を止めるストッパである。前記ダミールーバ89は、実線で示す位置にある時には、
図19に示すように、リッド4の上面4aと略同一面である。
【0060】
次に、この実施例5の作用を説明する。
【0061】
中空状に形成され且つ上面2aに開口3を有するケース2と、該ケース2の開口3を開閉自在となるように前記ケース2に配されてなるリッド4とよりなり、前記リッド4が、
図17に示すように、閉成した状態では、前記リッド4の表面4aが前記ケース2の上面2a、つまり、プレート7の上面2aと略同一面となるという効果を奏する。この際、ダミールーバ89があたかもプレート7の一部のようになって、面一を保持することができる。
【0062】
前記リッド4が、
図17に示す閉成状態から開成するとき、取っ手88を後ろ方向にに付勢することで、該リッド4は、移動手段84に沿って、前記ケース2内に移動し、収納されてなる。この時、リッド4のリッド本体22に配されたローラ91が、ダミールーバ89の裏面の斜めリブ90を持ち上げながら、下に移動するものであるから、面一を保持する面積がそれだけ大きくなるという効果を奏する。リッド4の閉成と開成とについて、略を付けているが、これは、厳密な閉じ状態、開き状態だけではなく、若干開いた状態、閉じた状態も権利として含むからである。
【0063】
また、前記移動手段84としては、前記ケース2に、前記リッド4をスライドする方向に案内可能なるガイドレール85が形成され、前記リッド4が、前記ガイドレール85に沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッド本体22と、該リッド本体22のスライド方向に対して外方に張り出すと共に前記ガイドレール85にスライド自在に軸支されてなるガイド軸87とより少なくとも構成されてなることにより、前記ガイド軸87がガイドレール85の形状に沿ってスライドできるから、リッド本体22が適宜曲折でき、ケース2内に収納できることになる、という効果を奏する。
【実施例6】
【0064】
本発明の実施例6に係る構造を、
図20〜
図27を用いて説明する。この実施例6の自動車用物入れ装置100は、前後関係では、図示しないインストルメントパネルの後ろ側に配され、上下関係では、図示しない床の上に配され、左右関係では、図示しない座席と座席との間に配されているもので、前記座席に着座する乗員の小物、例えばCD、MDなどの音響機器やティッシュ、チケットなどの一時保管場所として供されるものである。FRとは前側、RRとは後ろ側、RHとは右側、LHとは左側、UPとは上側、LWRとは下側を意味する。
【0065】
前記自動車用物入れ装置100は、中空状に形成され且つ上面2aに開口3を有するケース2と、該ケース2の開口3を開閉自在となるように前記ケース2に配されてなるリッド4とよりなり、前記リッド4が
図22に示す閉成した状態では、前記リッド4の表面4aが前記ケース2の上面2aと略同一面となり、前記リッド4が開成するとき、該リッド4は、移動手段84により、開口側端部4cを除いて前記リッド4のほとんどが前記ケース2内に収納されてなる。
【0066】
前記ケース2は、左側部材5と、右側部材6とより左右に二分割されて形成されてなり、左側部材5及び右側部材6のフランジ5a,6aを固定することで、上面2aが開口3した箱状に形成されてなる。箱状に形成された前記ケース2の上側には、前記開口3の部分を除いて閉じられる平板状のプレート7が支持され、箱状に形成されたケース2の下側には、底板8が形成されてなる(
図20は、左側部材5の底板8は図示されていないが、右側部材6と同様に形成されている。)。
【0067】
前記移動手段84は、前記ケース2の側板10、10の内面に形成されてなるガイドレール85と、該ガイドレール85に係合且つガイドレール85に沿って摺動自在なると共に前記リッド4より外側に突出形成されてなるガイド軸87とよりなる。前記ガイドレール85は、前側FR(
図20で左斜め上側)から後ろ側RR(
図20で右斜め下側)までプレート7に平行な直線状をなし、ガイド受け部材105の配される位置から、底板8に向けて曲線を描いて、底板8に達するように、形成されてなる。
【0068】
また、前記リッド4は、ルーバー部材102と、該ルーバー部材102の上に貼られる平滑状の合成樹脂板よりなる表面部材101とよりなり、前記ルーバー部材102には、前記ガイド軸87が複数も受けられてなる。前記ルーバー部材102は、薄肉102aにより相互に接続されていることで、前記ガイドレール85に沿って、平面状から曲折可能なるよう形成されてなる。前記ガイド軸87は、前記ルーバー部材102の一つ一つに形成されてなり、前記ルーバー部材102のスライド方向、即ち、自動車の前後方向に対して直角方向、即ち自動車の左右方向に張り出すと共に前記ガイドレール85にスライド自在に軸支されてなる。前記ガイド軸87は、ムカデの足のように、この実施例では37個が形成されてなる。前記リッド4が閉成した状態で自動車の加減速など前後方向の荷重でもその位置を保持(ロック)するストッパ機構(図示省略)が設けられてなる一方、適宜の操作で、ロックを解除して、リッド4を移動可能としている。符号102bは、前記前記ルーバー部材102に形成された取っ手であり、前記表面部材101の貫通孔101aを介して操作自在なるよう突出されてなる。
【0069】
符号103は、前記表面部材101の端部、即ちリッド4の一方端4bに相当する位置の裏面に接着剤で一体化されるユニットであり、該ユニット103の左右両端部には、作動ピン106と、回転軸107とが設けられている。前記作動ピン106は、
図20,
図21に示すように、前記ユニット103から左右方向に突出している。該作動ピン106が、前記ケース5,6の側板10,10に支持されてなるガイド受け部材105、105(左側のガイド受け部材105は、右側のガイド受け部材105と左右対称に形成されてなるが、側板10により覆われて図示が省略されてなる。)の傾斜面よりなるガイド部105aに案内されて、溝部105bに収まった
図22に示す状態で、前記プレート7の表面、即ち、ケース2の上面2aと、リッド4の表面4aとが略面一になる。
【0070】
前記回転軸107には、
図23に示すように、巻きスプリング104が巻装されてなり、常時
図22、
図23に示す矢印のように、ユニット103を上側UPに付勢してなる。
【0071】
次に、この実施例6の作用を説明する。
【0072】
前記移動手段84が、前記リッド4を開閉すべくスライドする方向に案内可能なると共に前記ケース2の側板10、10の内面に支持されてなるガイドレール85、85と、該ガイドレール85,85に沿って曲折可能なるよう形成されてなるリッド4の外方に張り出すと共に前記ガイドレール85,85にスライド自在に軸支されてなるガイド軸87,87,・・とよりなり、前記リッド4の略閉成位置において、前記リッド4の開口側端部4cには、常時巻きスプリング104により上側UPに回転付勢されてなる回転軸107を備え、前記ケース2には、該回転軸107を中心に回転自在なる作動ピン106を前記リッド4が平滑位置に案内するガイド面105aを有すると共に前記開口3を閉じる位置で前記ケース2の上面2aと面一な位置に前記作動ピン106を保持可能なガイド受け部材105を設けたことにより、前記ガイド軸87,87,・・がガイドレール85の形状に沿ってスライドできるから、リッド4が適宜曲折でき、ケース2内に収納できることになる、と共にケース2の開口3に設けたガイド受け部材105により、閉成時のリッド4とケース2の開口3とによって略面一な状態を確保できるばかりか、前記リッド4を開成する際には、リッド4の開口3側端部4cが干渉しない位置に移動できるので、操作性が向上する、という効果を奏する。