【実施例1】
【0018】
本発明に係る電気回路基板ユニット1は、
図2及び
図3に示すように、半導体素子、コ
イル、コンデンサ、電気抵抗、放熱フィンH等の電気回路部品EPが取り付けられたプリ
ント配線基板2が合成樹脂の透明な保護ケース3に収容された形態である。保護ケース3
は、電気回路部品EP及びプリント配線基板2を覆う裏面開口のケース本体部3Aと、ケ
ース本体部3Aの裏面開口を塞ぐようにケース本体部3Aに取り付けた平板状の蓋3Bと
で構成している。ケース本体部3Aと蓋3Bとは、ヒンジ部3Dにて開閉可能に結合され
たもの、または別体構成のケース本体部3Aと蓋3Bとが結合されたもののいずれでもよ
い。電気回路基板ユニット1は、プリント配線基板2の裏側面に対応する面が平坦な取り
付け壁面1Aを形成するように、平板状の裏板3Bがその取り付け壁面1Aを形成してい
る。保護ケース3の外周側面の一部には、取り付け壁面1Aの外部側方に突出するように
、蓋3Bに取り付けフランジ4が一体成形にて突出形成されている。
【0019】
電気回路基板ユニット1は、取り付けフランジ4によって所定の箇所へ取り付けられる
ものであり、その取り付けは、取り付けフランジ4を貫通するネジによる固定、或いは取
り付けフランジ4を他の部材によって支持する固定等、種々選定される。アルミニウムで
もって複数の板状フィンを形成した放熱フィンHを含む電気回路部品EPから出る熱を放
散させるために、ケース本体部3Aには複数の放熱孔3Cがスリット状に形成されている
。
【0020】
電気回路基板ユニット1は、ダンボール製の梱包箱5の複数の区画された収容室6に収
納された状態に梱包される。梱包箱5は、上面開口8Pを塞ぐ開閉蓋8A〜8Dを一体に
形成した立方形状(
図10に示すものは直方体)の外箱8と、外箱8内に複数の収容室6
を形成するよう外箱8内に収容される主仕切り体10を備える。主仕切り体10は、
図9
に示すように、外箱8の左右側壁8G、8Hの内側面に沿う左右立壁7A、7Bと外箱8
の内底面とに沿う底壁7Cが一体に段ボールで形成されたベース体7と、ベース体7内を
前後に複数の小室SCに区画するように左右両端部が左右立壁7A、7Bに所定間隔で支
持される横仕切り体9と、それぞれの小室SCを左右配置の収容室6に仕切るように横仕
切り体9の中央部に前後方向に交差する中仕切り体11とを備え、横仕切り体9と交差す
る中仕切り体11の部分には、取り付けフランジ4が挿入される挿入溝12が形成された
構成である。
【0021】
主仕切り体10の構成を具体的に説明する。先ずベース体7の形成について説明する。
図4(イ)に示すように、一枚の平板状の段ボール板7Pの左右両側に、一対の並行な折
り線L1、L2が形成され、左右両端部から所定寸法だけ内側に寄った位置には、内側の
折り線L1に達するように、所定ピッチH1でもってスリット7Qが形成されている。ま
た、左右の折り線L1の内側には底壁7Cの幅を保つための所定間隔H2を存して折り線
L3が形成されている。この構成において、左右両端を折り線L2で略直角に折り曲げ、
この折り曲げ状態から更に折り線L1で略直角に折り曲げる。この状態から更に折り線L
3で略直角に折り曲げることにより、
図4(ロ)に示すように、所定間隔H2の幅を持つ
底壁7Cの両側に直立した左右立壁7A、7Bを備えたベース体7が形成され、左右立壁
7A、7B内には、幅T1の空間が形成される。
【0022】
横仕切り体9は、
図5に示すように、一枚の平板状の段ボール板で構成され、左右立壁
7A、7Bに渡る長さでもって中央部にスリット9Aが上端から所定の深さまで略垂直状
に形成されている。このスリット9Aによって分割された左右の部分には、後述のように
収容室6に収容される電気回路基板ユニット1を指で掴むときの指逃げ部となる切り欠き
9Bが形成されている。また、左右両端部から左右立壁7A、7B内の幅T1と同等また
は若干小さい所定寸法T2だけ内側に寄った位置には、下端から所定高さまでスリット9
Cが形成されている。更に、横仕切り体9の高さH4は、左右立壁7A、7Bの高さH3
と同等である。
【0023】
このように形成された横仕切り体9の左右端部のスリット9Cがベース体7の左右立壁
7A、7Bのスリット7Qへ上方から嵌る関係でもって、横仕切り体9を左右立壁7A、
7Bの上方から挿入する。これによって、左右立壁7A、7B内の幅T1の空間内に横仕
切り体9の所定寸法T2の両端部分が侵入した状態となり、
図6に示すように、横仕切り
体9の下端が底壁7Cに当接した状態で、横仕切り体9が左右立壁7A、7Bと同等の高
さとなる。このため、スリット7Qの幅は横仕切り体9の板厚と略同じである。この横仕
切り体9の挿入によって、
図6に示すように、ベース体7の左右立壁7A、7B間には、
ベース体7内が横仕切り体9によって前後の複数の小室SCに区画され、主仕切り体10
の基本体10Fが形成される。
【0024】
中仕切り体11は、
図7(イ)に示すように、一枚の平板状の段ボール体11Pの中央
部に、一対の並行な中央折り線L11、L22が形成され、その左右両側には並行な左右
折り線L33が形成されている。そして、左右両端部から左右折り線L33に向けて、所
定ピッチH11でもってスリット11Qが形成されている。また、左右折り線L33に渡
る長さでもって幅の広いスリット11Rが、所定ピッチH11と同じピッチでもって形成
されている。この場合、スリット11Rの中央部にスリット11Qが対応する位置である
。
【0025】
この構成において、
図7(ロ)に示すように、中央折り線L22及びこれに近い方の左
方の折り線L33で左側端部を若干折り曲げ、この折り曲げを更に進めて、この左方の折
り線L33で180度折り曲げると共に中央折り線L22で略直角に折り曲げる。これに
よって
図7(ハ)に示すように、左方の支持壁11Yが形成される。次に
図7(ニ)に示
すように、右方の折り線L33で右側端部を略直角に折り曲げた後、この折り曲げを更に
進めて180度折り曲げとなし、
図7(ホ)に示すように、右方の支持壁11Zが形成さ
れる。この状態から中央折り線L11で略直角に折り曲げることによって、
図7(ヘ)に
示すように、左方の支持壁11Yに右方の支持壁11Zが重なり合って、中仕切り体11
が形成される。
【0026】
このように形成された中仕切り体11は、主仕切り体10の基本体10Fへ組み込まれ
る。この組み込みは、横仕切り体9のスリット9Aと中仕切り体11のスリット11Qが
交差状態で嵌合することによって、
図9に示すように、それぞれの小室SCが中仕切り体
11によって左右配置の収容室6に仕切られた主仕切り体10が形成される。
図8にはこ
の組み合わせによる中仕切り体11のスリット11Rと、横仕切り体9との組み合わせ状
態を拡大で示している。これにおいて、横仕切り体9と交差する中仕切り体11の部分に
は、スリット11Rが横仕切り体9によって前後に分割され、取り付けフランジ4が挿入
される挿入溝12が、横仕切り体9の前後に形成される。
【0027】
このように形成された主仕切り体10は、
図9及び
図11に示すように、外箱8内に収
容され、梱包箱5が形成される。外箱8は段ボールで構成され、
図10に示すように、上
面開口8Pを塞ぐ開閉蓋8A〜8Dを一体に形成した立方形状(
図10に示すものは直方
形状)である。主仕切り体10を外箱8内に収容することによって、外箱8内に複数の収
容室6が形成された形態となる。主仕切り体10を外箱8内に収容する関係上、主仕切り
体10の外形寸法は、外箱8の内寸法と略同じか、若干主仕切り体10の外形寸法が小さ
い。
【0028】
このように形成された梱包箱5に対し、
図1、
図12及び
図13に示すように、電気回
路基板ユニット1の取り付けフランジ4が、それぞれの収容室6に対応する挿入溝12へ
挿入される関係でもって、電気回路基板ユニット1を収容室6に収容する。この場合、収
容室6内での電気回路基板ユニット1の遊び(ガタツキ)を少なくするために、主仕切り
体10の左側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きと、主仕切り体10
の右側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きが反対向きとなるように配
置している。
【0029】
これによって、主仕切り体10の左側の収容室6に収納された電気回路基板ユニット1
のフランジ4と、主仕切り体10の右側の収容室6に収納された電気回路基板ユニット1
のフランジ4によって、横仕切り体9が中仕切り体11のスリット11Rの前後中央部に
保持され、且つ各電気回路基板ユニット1のフランジ4が、挿入溝12内に保持されるた
め、収容室6内での電気回路基板ユニット1の遊び(ガタツキ)が少なく、電気回路基板
ユニット1のフランジ4の破損が抑制された安定収容が達成される。電気回路基板ユニッ
ト1を収容室6内に収容した状態で、外箱8の開閉蓋8A〜8Dを重なり合わせ状態に閉
じ、開閉蓋8A〜8Dをテープ止めすることにより、本発明の梱包装置が完成する。
【0030】
このように、主仕切り体10の左側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の
向きと、主仕切り体10の右側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きが
反対向きとなる収容形態は、収容室6に収納したときの上面となる面に、例えば、
図2に
示すような取り付け用等の突起3Fがある場合に有効である。この場合、収容室6の深さ
は、突起3Fの長さを含んだ電気回路基板ユニット1の高さ方向寸法と略同じまたは若干
大きい寸法である。
【0031】
なお、このような突起3Fが無い形態では、主仕切り体10の左側の収容室6に収納さ
れる電気回路基板ユニット1の向きと、主仕切り体10の右側の収容室6に収納される電
気回路基板ユニット1の向きが、同じ向きになる収容形態とすることもできる。この場合
は、
図14に示すように、横仕切り体9が中仕切り体11のスリット11Rの前方側(ま
たは後方側)に偏った状態で配置され、スリット11Rの後方側(または前方側)に挿入
溝12が形成されるようにすればよい。これによって、主仕切り体10の左側と右側の各
収容室6に収納される電気回路基板ユニット1のフランジ4が、この挿入溝12に嵌り込
み、同じ向きの収容状態となる。
【0032】
図11に示すように、収容室6の左右両側では、梱包箱5の左右には左右立壁7A、7
Bが存在することによって、収容室6と外箱8との間に左右立壁7A、7Bの幅相当の間
隔F3が形成され、また、収容室6の前後側では、梱包箱5の前後側の横仕切り体9と外
箱8の前後壁8E、8Fとの間に間隔F1、F2が形成される。これら間隔F1、F2、
F3は略同じ寸法になるように構成されている。このように、収容室6の左右両側及び前
後に、外箱8との間に所定の間隔が形成されることによって、電気回路基板ユニット1を
梱包した梱包箱5の開梱作業において、万一カッターナイフで外箱8の周囲を切断して開
梱する場合でも、これらの間隔によって、収容室6に収容した電気回路基板ユニット1へ
カッターナイフが届き難くなり、電気回路基板ユニット1が傷つけられる虞が少なくなり
、開梱作業時の電気回路基板ユニット1の保護効果が得られるものとなる。