特許第5661454号(P5661454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661454
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】マット材料のサイズ決定
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20150108BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   F01N3/28 301U
   B01D53/36 C
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2010-506258(P2010-506258)
(86)(22)【出願日】2008年4月24日
(65)【公表番号】特表2010-526236(P2010-526236A)
(43)【公表日】2010年7月29日
(86)【国際出願番号】US2008005291
(87)【国際公開番号】WO2008133944
(87)【国際公開日】20081106
【審査請求日】2011年4月22日
【審判番号】不服2013-24363(P2013-24363/J1)
【審判請求日】2013年12月11日
(31)【優先権主張番号】11/739,908
(32)【優先日】2007年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509288910
【氏名又は名称】ヘス エンジニアリング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hess Engineering, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】メイフィールド,デイヴィッド
【合議体】
【審判長】 林 茂樹
【審判官】 加藤 友也
【審判官】 藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−353549(JP,A)
【文献】 特表2004−525777(JP,A)
【文献】 特開2003−328743(JP,A)
【文献】 特開2004−76653(JP,A)
【文献】 特開2004−76631(JP,A)
【文献】 特表2008−527245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N3/28
B01D53/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管(4)、モノリス基体(10)及びマット材料(12)を備え、前記マット材料が前記モノリス基体を囲む関係に配置された触媒コンバータ(2)を製造する方法であって、
1セットの圧縮特性を設定するために、前記モノリス基体及び前記マット材料の組合体を計測する工程と、
前記管内で前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体を圧縮するために、前記管を圧縮する工程と、
を備える方法において、さらに
所定の最大ゲージ力又はゲージ圧力に対して、前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体を計測することにより、前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体の変位を測定する工程と、
前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体における前記ゲージ力又はゲージ圧力を解放する工程と、
上記と同じ変位に対して、前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体を再計測する工程と、
前記再計測時の前記圧力又は力の状態の変化を測定する工程と、
最初の変位及び前記の変化した状態に基づき、前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体の新たな総変位量を計算する工程と、
その後、前記モノリス基体及び前記マット材料の前記組合体を前記管内に挿入し、前記管内において、前記モノリス基体に接する前記マット材料を前記新たな総変位量まで圧縮する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
直径を有する管(4)と、モノリス基体(10)及びマット材料(12)を含む組合体とを備える触媒コンバータ(2)を製造する方法であって、
少なくとも1つのモノリス基体を取り囲む少なくとも1つの代表的マット材料を含む複数の代表的組合体を圧縮する工程と、
前記複数の代表的組合体のそれぞれについて圧力及び変位に関する1セットのデータを取得する工程と、
前記組合体を特徴付ける第1のセットのデータを取得するために、前記組合体を計測する工程と、
を備える方法において、さらに
前記組合体を特徴付ける第2のセットのデータを取得するために、前記組合体を再計測する工程と、
前記組合体を前記管に挿入する工程と、
前記代表的組合体を特徴付ける前記1セットのデータに基づき、変位/圧力曲線からなる前記マット材料の圧縮特性を表わす曲線を設定する工程と、
前記曲線並びに前記組合体を特徴付ける前記第1及び第2のセットのデータに基づき、前記管の直径のサイズ決定を行う工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
前記所定の最大ゲージ圧力の値が、70psi(約482633パスカル)に等しい所望の圧力の約30%〜99%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項4】
前記所定の最大ゲージ圧力の値が、70psi(約482633パスカル)に等しい所望の圧力の約30%〜80%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項5】
前記組合体に及ぼされる圧力の変化を測定する前記工程が、略安定した圧力値が達成されるまで、前記組合体に及ぼされる前記圧力を監視する工程を更に備えることを特徴とする請求項1記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項6】
略安定した圧力値が達成されるまで、前記組合体に及ぼされる前記圧力を監視する前記工程が、有限サイズのマトリクスに、該マトリクスが一杯になるまで前記モノリス基体及びマット材料の組合体についての変位値を投入し、最も新しい値が最も古い値と略等しくなるまで、最も新しい値で最も古い値を置き換える工程を更に備えることを特徴とする請求項記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項7】
前記組合体に及ぼされる圧力の変化を測定する前記工程が、前記再計測する工程の開始のほぼ15秒後に行われることを特徴とする請求項または記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項8】
第2のセットの力データを取得するために、前記代表的組合体の少なくとも一部を圧縮する工程
を更に備えることを特徴とする請求項2記載の触媒コンバータ製造方法。
【請求項9】
前記曲線が傾斜を有し、前記組合体を特徴付ける前記第1のセットのデータが第1の圧力値を含み、前記組合体を特徴付ける前記第2のセットのデータが第2の圧力値を含み、前記第1の圧力値と前記第2の圧力値との差が圧力差を表わし、該圧力差を前記傾斜で割った値が、前記管のサイズを決定する際に用いられるオフセットを表わすことを特徴とする請求項または記載の触媒コンバータ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外側部材、モノリス基体及びマット材料を含む触媒コンバータを組み立てる方法に関する。具体的には、本発明は、外管内に配置された構成要素の少なくとも1つに所望の圧力を及ぼすのに必要な外側部材のサイズを確認する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内燃機関で用いられる触媒コンバータを組み立てる方法が開示されている。この開示されている触媒コンバータを組み立てる方法は4つの工程を有する。第1の工程は、セラミック基体の形状と略一致する所定の形状を有する金属シェルを設けることを含む。第2の工程は、金属シェルに弾性の支持マット材料を挿入することにより、包囲マット層を形成することを要する。第3の工程は、初期間隙嵩密度(gap bulk density)を達成するための包囲マット層の圧縮に関する。第4の工程では、包囲マット層が圧縮から解放され得る。マット層が所望の最終間隙嵩密度に達する前に、マット層が金属シェルに沿って囲む際に、基体の一部がマット層に挿入され得る。金属シェル内に配置されたマット層に基体が挿入された後、マット層が基体を押圧して最終的な所定の間隙嵩密度に達するように、マット層は完全に解放され得る。
【0003】
特許文献2には、柱状部材の容器を製造する方法及び装置が開示されている。開示されている方法は、円筒形ハウジング内に柱状部材を保持するよう構成された容器の製造を詳細に述べている。最終的なアセンブリでは、柱状部材に衝撃吸収部材が巻き付けられ得る。
【0004】
特許文献2に開示されている方法は、少なくとも5つの工程を有する。第1の工程は、柱状部材に巻き付けられた衝撃吸収部材の少なくとも一部を圧縮することに関する。この圧縮工程は、柱状部材の縦軸方向の押圧部材を径方向に移動させることによって達成され得る。第2の工程は、押圧部材によって衝撃吸収部材に加えられる圧力を測定することを含む。圧力が所定のターゲット圧力に等しいときの、柱状部材の軸と押圧部材の端部との間の距離が測定され記録され得る。測定された距離はターゲット半径を表わし、この方法の第3の工程ではターゲット半径が測定され記録される。この方法の第4の工程は、柱状部材及び衝撃吸収部材をハウジングにゆるく挿入することを含む。開示されている方法の最後の工程では、ハウジングの内半径がターゲット半径に等しくなるまで、ハウジングの直径が該ハウジングの縦軸に沿って縮小される。ハウジングの直径のサイズがターゲット半径のサイズまで縮小されると、ハウジングは、柱状部材及び衝撃吸収部材を、所定のターゲット圧力で比較的一定した位置に保持する。
【0005】
特許文献3は本発明の譲受人に譲渡されたものであり、触媒コンバータを製造する方法及び装置を開示している。特許文献3の開示をここに参照することにより本願明細書に明示的に組み込む。この特許で教示されている方法は、内部でモノリス基体を圧縮する外管部材を有する触媒コンバータの組み立てに関する。開示されている触媒コンバータは、モノリス基体に巻き付けられるマット材料を更に備え得るものであり、最終的なアセンブリにおいて、外管とモノリス基体との間にマット材料が配置されるようになっている。更に、この特許は、外管部材内に配置された複数のモノリス基体部材及び熱シールドを備え得る触媒コンバータを開示している。この開示されている触媒コンバータを組み立てる方法は、コンバータの組み立て中にマット材料とモノリス基体との組合体に加えられ得る力の特性を測定して確認するために、マット材料及びモノリス基体を圧縮する工程を有する。マット材料を圧縮するために、顎状圧縮器、圧縮ローラ及び/又はスピン装置を用いて、外管が収縮され得る。外管の収縮及びマット材料の圧縮は、1又は複数の段階で行われ得る。
【0006】
特許文献4には、柱状部材の容器を製造する方法が開示されている。開示されている方法は少なくとも7つの工程を有する。この方法の第1の工程は、柱状部材に衝撃吸収部材を巻き付けることを含み、第2の工程は、支持部材が、円筒形ハウジングの少なくとも一端を支持することを要する。第3の工程では、内側の先細部を含む円筒形のガイド部材内に、支持部材が配置され得る。次の工程は、衝撃吸収部材及び柱状部材をハウジングに挿入することを要し、これらの部材は先細部を通ってハウジングに挿入され得る。挿入されたら、柱状部材を円筒形ハウジングの縦軸に沿って移動させるために、押圧部材が柱状部材を押圧し得る。第6の工程では、支持部材及び収縮機構が互いに相対移動され得る。最後に、開示されている方法の最後の工程では、収縮機構を用いて、円筒形ハウジングの一部の直径が縮小され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,484,397号明細書
【特許文献2】米国特許第6,769,281号明細書
【特許文献3】米国特許第6,954,988号明細書
【特許文献4】米国特許第7,174,635号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、外管、モノリス基体及びマット材料を備える触媒コンバータを製造する方法に関する。マット材料は、モノリス基体を囲む関係に配置され得る。この方法の一実施形態は、マット材料の特性を表わす曲線を設定する工程と、圧縮特性を設定するためにモノリス基体及びマット材料の組合体を計測する工程と、モノリス基体及びマット材料の組合体を外管に挿入する工程と、組合体に所望の圧力を及ぼすのに必要な外管の直径を決定する工程と、外管をほぼ上記直径まで収縮させる工程とを含み得る。
【0009】
複数の実施形態では、この方法の計測する工程は、所望のゲージ圧力値に達するまで組合体を圧縮する工程と、所望の圧力値における組合体の外側境界の変位を決定する工程と、組合体を圧縮から解放する工程と、組合体の外側境界の上記の変位に達するまで組合体を再圧縮する工程と、組合体に及ぼされる圧力を測定する工程と、組合体を圧縮から解放する工程とを含み得る。
【0010】
本発明の複数の実施形態では、所望のゲージ圧力値は、所望の圧力の約30%〜95%の範囲内であり得る。本発明の複数の実施形態では、所望のゲージ圧力値は、所望の圧力の約30%〜80%の範囲内であり得る。
【0011】
本発明の複数の実施形態では、組合体に及ぼされる圧力を測定する工程は、略安定した圧力値が達成されるまで、組合体に及ぼされる圧力を監視する工程を更に備え得る。本発明の複数の実施形態では、略安定した圧力値が達成されるまで、組合体に及ぼされる圧力を監視する工程は、有限サイズのマトリクスに、該マトリクスが一杯になるまで圧力値を投入し、最も新しい値が最も古い値と略等しくなるまで、最も新しい値で最も古い値を置き換える工程を更に備え得る。
【0012】
本発明の複数の実施形態では、組合体に及ぼされる圧力を測定する工程は、再圧縮する工程のほぼ15秒後に行われ得る。
【0013】
本発明の複数の実施形態では、組合体に所望の圧力を及ぼすのに必要な外管の直径を決定する際に、線形回帰が用いられ得る。
【0014】
更に、本発明の複数の実施形態では、設定する工程は、第1のセットの力データを取得するために、或る部材を取り囲む代表的マット材料の少なくとも一部を圧縮する工程を含み得る。本発明の複数の実施形態では、部材はブランクであり得る。本発明の複数の実施形態では、部材は代表的モノリス基体であり得る。本発明の複数の実施形態では、圧縮する工程は、少なくとも1つの接触パッドをマット材料内へと所定の変位量だけ前進させ、所定の時間の経過後に圧力値を収集し、少なくとも1つの接触パッドをマット材料内へと所定の変位だけ前進させ、所定の時間の経過後に第2の圧力値を収集することを含む。所定の時間は15秒にほぼ等しくてもよい。本発明の複数の実施形態では、設定する工程は、複数の力データを取得するために、少なくとも1つの部材を取り囲む複数のマット材料の少なくとも一部を圧縮する工程を含み得る。複数のマット材料の厚さはそれぞれ異なっていてもよい。本発明の複数の実施形態では、複数の力データが、曲線をプロットするために用いられ得る。本発明の複数の実施形態において、この方法は、第2のセットの力データを取得するために、代表的組合体の少なくとも第2の部分を圧縮する工程を更に備え得る。更に、マット材料は、少なくとも部分的に膨張性材料で形成され得る。
【0015】
本発明の一実施形態は、直径を有する管と、モノリス基体及びマット材料を含む組合体とを備える触媒コンバータを製造する方法を含む。この方法は、代表的組合体を特徴付ける1セットのデータを取得するために、或る部材を取り囲む代表的マット材料を含む複数の代表的組合体を圧縮する工程と、上記1セットのデータに基づき曲線を構築する工程と、組合体を特徴付ける1セットのデータを取得するために組合体を計測する工程と、組合体を管に挿入する工程と、組合体と管との接触によって生じる摩擦が、管に対する組合体の移動を実質的に防止するのを確実にするために、管のサイズを縮小する工程とを含み得る。管のサイズは、上記曲線及び組合体を特徴付ける上記1セットのデータに基づいて縮小される。
【0016】
本発明の一実施形態は、管部材と、マット材料及びモノリス基体を含む組合体とを各々が含む複数の触媒コンバータを製造する方法を含む。この方法は、マット材料の第1のセットの特性データを取得するために、複数の代表サンプルの少なくとも一部を圧縮する工程と、第2のセットの特性データを取得するために、第1の組合体の少なくとも一部を圧縮する工程と、第1の組合体を第1の管に挿入する工程と、管によって第1の組合体に及ぼされるターゲット圧力を決定する工程と、第1のセットの特性データ及び第2のセットの特性データに基づき、第1の組合体にターゲット圧力を及ぼすための第1の管の所望のサイズを計算する工程と、第1の管の少なくとも一部を第1の管の所望のサイズに収縮させる工程と、第2のセットのデータを取得するために、第2の組合体の少なくとも一部を圧縮する工程と、第2の組合体を第2の管に挿入する工程と、第1のセットの特性データ及び第3のセットの特性データに基づき、第2の組合体にターゲット圧力を及ぼすための第2の管の所望のサイズを計算する工程と、第2の管の少なくとも一部を第2の管の所望のサイズに収縮させる工程とを含み得る。
【0017】
具体的には、本発明は、外管内に配置された構成要素の少なくとも1つに所望の圧力を及ぼすのに必要な外側部材のサイズを確認する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】触媒コンバータの一例の断面図
図2】本発明の一実施形態を示すブロック図
図3】本発明の複数の実施形態を実施する際に用いられ得る計測装置の一実施形態を示す図
図4】試験データの一例を示す曲線を示す図
図5図4に示されているデータを表わす単一の曲線の一例を示す図
図6】本発明の複数の実施形態を実施する際に用いられ得る充填装置の断面図
図7a】本発明の一実施形態における外管部材を収縮させる収縮装置の断面図
図7b】本発明の一実施形態における外管部材を収縮させる収縮装置の断面図
図7c】本発明の一実施形態における外管部材を収縮させる収縮装置の断面図
図7d】本発明の一実施形態における外管部材を収縮させる収縮装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の本発明の様々な実施形態の説明を、添付の図面と共に参照することにより、本発明の上記及び他の特徴及び長所、並びにそれらを達成する方法が明らかになると共に、本発明がより良好に理解される。
【0020】
複数の図面において、対応する参照番号は、対応する部分を示す。本願明細書に示される例示は、本発明の複数の実施形態を様々な形態で示すものであり、これらの例示は、本発明の範囲を限定するものとは解釈されるべきではない。
【0021】
まず図1を参照すると、触媒コンバータの一例が全体的に参照番号2で示されている。図示されている触媒コンバータ2の実施形態は、外管部材4と、参照番号6で示されるブリック状組合体と、参照番号8でそれぞれ示される一対の端部シール部材とを有する。ブリック状組合体6は、モノリス基体10とマット材料12とを有する。図示されている触媒コンバータ2の実施形態は、参照番号14でそれぞれ示される一対の熱シールド部材を更に備えており、これらは首状部16内に配置され、空隙18を構成する。
【0022】
モノリス基体10は、当該技術分野で用いられている任意の適切な材料で製造され得る。マット材料12は、例えばステンレス鋼のメッシュタイプの材料や、不燃性の繊維状タイプの材料等の、任意の適切な材料で形成され得る。一般的に、マット材料12は、少なくとも部分的に圧縮可能な材料であってよい。
【0023】
尚、組み立てられた触媒コンバータ2において、外管部材4は、一般的に、ブリック状組合体6に対して圧力を及ぼす。具体的には、外管部材4の内面がマット材料12に圧力を及ぼし、これにより、モノリス基体10に圧力が及ぼされる。外管部材4によりマット材料12に及ぼされた圧力によって生じた摩擦力は、ブリック状組合体6を外管部材4に関して比較的一定した位置に保持するのを補助する。外管部材4のサイズがブリック状組合体6に対して大き過ぎると、外管部材4の内面とブリック状組合体6との間に存在する圧力は小さ過ぎる。外管部材4とブリック状組合体6との間に存在する圧力が小さ過ぎると、マット材料12と外管部材4との間に生じる摩擦力は、外管部材4に対するブリック状組合体6の移動を防止するには不十分なものとなり得る。逆に、ブリック状組合体6に対する外管部材4のサイズが小さ過ぎると、ブリック状組合体6に過剰な圧力が及ぼされ得る。過剰な圧力は、モノリス基体10の破損やマット材料12の過剰な圧縮を生じ得る。
【0024】
従来、外管部材4によりマット材料12に及ぼされる圧力を示すものとして、間隙嵩密度(GBD:gap bulk density)が用いられている。GBDは、外管部材4内におけるマット材料12の単純な容積重量の記述を表わす。GBDは、マット材料12の基本重量を、外管部材4の内面とモノリス基体10との平均離間距離で割ることによって計算され得る。基本重量は、マット材料12の重量をマット材料12の面積で割ることによって計算される。GBDは、従来、外管部材4に対するブリック状組合体6の移動を防止するのに必要な圧力を推定するためのメカニズムとして用いられているが、モノリス基体10の固定において、GBDは限られた関係を有し得る。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態を表わす、触媒コンバータを組み立てる方法の例示的な工程を示すフロー図である。この方法の図示されている実施形態では、方法は、参照番号110で示される、マット材料の少なくとも代表サンプルを計測する工程と、参照番号112で示される、グラフ上にデータをプロットして圧力の代表曲線を取得する工程と、参照番号114で示される、触媒コンバータで用いられるブリック状組合体を計測する工程と、参照番号116で示される、アルゴリズムを用いてオフセットを計算し、最終的な直径を決定する工程と、参照番号118で示される、ブリック状組合体を外管部材に挿入する工程と、参照番号120で示される、外管部材を収縮させて所望の直径を達成する工程とを有する。
【0026】
図2のブロック110によって例示される、代表サンプルを計測する工程は、一般的に、少なくとも1つの代表的マット材料サンプルを、図3に参照番号200で全体を示される計測ステーション等の、任意の適切な計測ステーションで圧縮することを含む。図示されている実施形態では、計測ステーション200は、参照番号210で各々示される複数のゲージ部材を有する。ゲージ部材210は、参照番号212で全体を示される受容領域を定める。各ゲージ部材210は、受容領域212の、参照番号214で示される中心に向かう方向及び中心から離れる方向に、略直線状の経路に沿って移動可能である。各ゲージ部材210は、ゲージ部材210によって、受容領域212内に配置されたブリック状組合体に及ぼされる圧力を測定するよう構成されたセンサ(図示せず)を有し得る。計測ステーション200の複数の実施形態では、ゲージ部材210の外部に配置されたセンサを用いて、ゲージ部材210によって及ぼされる圧力を測定してもよい。計測ステーション200は、中心214に対するゲージ部材210の移動を制御するよう構成されたコントローラ216も有し得る。コントローラ216は、中心214に対する複数の位置にあるゲージ部材210によって及ぼされる圧力を記録できる任意の適切な機構も有し得る。コントローラ216は、記載された機能を実施できる任意の適切な機構(例えばコンピュータ等)であり得る。尚、計測装置200の複数の実施形態では、コントローラ216の機能は、任意の数の構成要素に分散されてもよい。例えば、第1のコンピュータを用いて、中心214に対する部材210の位置を制御及び記録し、第2のコンピュータを用いて、ゲージ部材210によって及ぼされる圧力を測定及び記録してもよい。
【0027】
図3を参照すると、以下の説明は、モノリス基体10及びマット材料12を有するブリック状組合体6を計測する際の、上述の計測装置200の例示的な使用法を示す。計測装置200がブリック状組合体6を正確に計測するために、ブリック状組合体6は受容領域212内に配置されなければならない。一般的に、ブリック状組合体6は、ブリック状組合体6の縦軸7が受容領域212の中心214と位置合わせされ、該中心214を通って延びるように配置され得る。上述の実施形態の計測装置200を用いて基体を試験する際、コントローラ216は、ゲージ部材210がブリック状組合体6の圧縮を開始するように、ゲージ部材210を受容領域212の中心214に向かって所定の距離だけ移動させ得る。ゲージ部材210が所定の距離だけ移動されたら、コントローラ216は、ゲージ部材210によって及ぼされる圧力を測定して記録し得る。計測装置200は、部材210と計測されるブリック状組合体6との最初の接触を認識して、最初の接触位置をブリック状組合体6の外側境界として設定するよう構成されてもよい。このようにして、計測装置200は、部材210が組合体6を圧縮する際の、ブリック状組合体6の外面に関する部材210の変位を決定し得る。更に、部材が中心214の方向に移動してブリック状組合体6を圧縮すると、コントローラ216は、部材210によってブリック状組合体6に付与される個々の位置における圧力を記録し得る。
【0028】
また、装置200は、部材210がブリック状組合体6に所定の圧力を及ぼし始めるまで、部材210を、ブリック状組合体6の外側境界から受容領域212の中心214に向かって移動させるよう構成され得る。所定の圧力に達したら、コントローラ216は、ブリック状組合体6の外側境界の初期位置に関する部材210の位置を記録し得る。これは、所与の圧力におけるマット材料12の外側境界の変位を表わすものである。
【0029】
図2のフロー図に示される本発明のこの実施形態の計測工程110を行うために、計測ステーション200、又は他の任意の適切なタイプの計測ステーションを用いて、マット材料12のサンプルが計測され得る。計測工程110を進めるために、マット材料12のサンプルが、モノリス基体を表わすブランクに巻き付けられ得る。マット材料12及びブリック状組合体6は、上述したのと同様の方法で、受容領域212内に配置され得る。組合体が適切に受容領域212内に配置されたら、コントローラ216は、部材210を受容領域212の中心214に向かわせてよい。部材210が受容領域212の中心に向かって所定の位置に移動したら、部材210は所定の時間即ちドウェル時間にわたって停止され得る。所定のドウェル時間が経過したら、コントローラ216は、部材210の変位及び及ぼされた圧力を記録する。変位及び圧力を記録したら、コントローラ216は、部材210を更なる距離だけ進め得る。部材210が所定の距離だけ進められたら、部材210は、再びドウェル時間にわたって停止され得る。ドウェル時間が経過したら、コントローラ216は、部材の圧力及び変位を再び記録し得る。このプロセスは、最終的な圧力に達するまで継続的に繰り返されてよい。一般的に、最終的な圧力は、触媒コンバータ内における所望の最終的な保持圧力よりも大きいものであり得る。最終的な保持圧力に達し、ドウェル時間の後の変位及び圧力が記録されたら、コントローラ216は、組合体6が受容領域212から自由に取り除けるようになるまで、ゲージ部材210を代表的ブリック状組合体6から離れる方向に戻らせてよい。
【0030】
上述のプロセスは、ブランク及びマット材料サンプルの様々な組み合わせを用いて複数回繰り返され得る。後続の試験で用いられるブランク及びマット材料は、前に試験されたサンプルとサイズが異なっていてもよい。例えば、この初期計測プロセスで試験され得るマット材料サンプルは、試験された最初のマット材料とは厚さ及び重量が異なっていてもよい。更に、マット材料の厚さ及び重量は、触媒コンバータの製造中に供給者から受け取られ得るマット材料に期待される厚さ及び重量の範囲を超えていてもよい。
【0031】
同様に、予備計測試験でモノリス基体を表わすために用いられるブランクも、この試験中に様々なサイズのものが用いられてもよい。例えば、ブランクの直径は、モノリス基体に対する最小期待値から最大期待値まで様々であってよい。
【0032】
更に、この予備計測工程で、マット材料及びブランクの多数の組み合わせを試験してもよい。更に、マット材料及びブランクのサイズを混ぜてもよい。例えば厚くて重いマット材料を、範囲の下限の直径を有するブランクと組み合わせてもよい。代表サンプルの他の実施形態として、より薄くて軽いマット材料を、範囲の上限の直径を有するブランクと組み合わせたものが挙げられる。様々な代表的マット材料及びブランクの組み合わせの計測が完了すると、現在説明している例示的な方法の第1の工程が完了する。
【0033】
図2のブロック112によれば、様々な代表サンプルが計測されたら、コントローラによって記録された各サンプルのデータが、図4に示されているようなグラフ上にプロットされ得る。このグラフでは、各サンプルについて測定された圧力の値がグラフのy軸上にプロットされ、計測プロセスで記録された変位の値がグラフのx軸上にプロットされている。一般的に、変位が大きいほど、測定される圧力は大きい。圧力vs変位のグラフに全ての測定データがプロットされたら、これらのデータは任意の適切な方法でデータの代表曲線として組み合わされてよく、図5に示されるようにプロットされ得る。例えば、代表曲線を取得するために、図4の圧力vs変位の曲線上にプロットされたデータの集合を平均化してもよい。
【0034】
尚、試験される代表的組合体について、任意の数のデータ点が測定されて記録されてよい。更に、試験点は、代表的組合体に対する任意の適切な範囲内であってよい。例えば、本発明の複数の実施形態において、本発明者は、試験される代表的組合体に対する圧力範囲が、最終的なターゲット圧力よりもかなり低い圧力から開始してよく、ターゲット圧力を超えるまで継続されることを期待している。更に、本発明の複数の実施形態において、本発明者は、少なくとも5つの異なる変位位置で圧力が測定され得ることを期待している。尚、本発明の複数の実施形態では、一般的に、測定されるデータの量が大きいほど、代表曲線を見出すのに必要な時間も長くなる。
【0035】
本発明のこの例では、工程112により、図5のマット材料に対する緩和時圧力の代表曲線が取得されたら、図2の参照番号114で示されるブロックで表わされるように、触媒コンバータで用いられるマット材料及びモノリス基体の組合体が計測装置に配置されて測定される。マット材料及びモノリス基体を計測するために、まず、触媒コンバータ用のブリック状組合体が、上述と同様の方法で、計測装置200内に配置される。当業者には理解されるように、製造者が許容する、最終的なアセンブリを不良品とすることなくモノリス基体に付与可能な最大圧力は、最終的な触媒コンバータの製造仕様によって定められる。従って、一部の製造者に関しては、計測中にこの値を超えない場合もある。
【0036】
マット材料及びモノリス基体の組合体が計測装置内に配置されたら、ゲージ部材がブリック状組合体に接触するよう、ゲージ部材がブリック状組合体に向かって移動されてよく、コントローラは、ゲージ部材を組合体の中心に向かわせ続ける。ゲージ部材がブリック状組合体に所定の圧力値を及ぼし始めるまで、ゲージ部材は受容領域の中心に向かい続ける。本発明の複数の実施形態では、所定の圧力値は、マット材料及びモノリス基体の組合体に及ぼされ得る最大圧力に基づき得る。例えば、この実施形態では、組合体にかかる圧力が最大圧力の80%に略同等になるまで、ゲージ部材は受容領域の中心に向かって移動を続ける。尚、本願明細書で用いる最大圧力とは、完全に組み立てられた触媒コンバータ中でブリック状組合体に及ぼされることが所望される最大圧力のことである。上記の実施形態では、ゲージ部材が最大値の80%にほぼ等しい圧力値を達成したら、コントローラは、ゲージ部材の変位を記録し得る。本発明の複数の実施形態では、所定の圧力値は、コンバータの最終アセンブリ内における最大値の約30〜80%の範囲内であり得る。別の実施形態では、所定の圧力値は最大値の約30%〜90%の範囲内であり得る。本発明の更に別の実施形態では、所定の圧力値は最大値の約30%〜95%の範囲内であり得る。本発明の更に別の実施形態では、所定の圧力値は最大値の98%又は99%と高いものであり得る。
【0037】
当業者には理解されるように、最初の圧縮の後、マット材料は弛緩し始める。その後、ゲージ部材が一定の変位位置に保たれる場合には、ゲージ部材によって及ぼされる圧力は、マット材料が弛緩するにつれて或る点まで徐々に減少する。従って、マット材料が弛緩すると、コントローラは、マット材料にかかる圧力を所望の圧力とほぼ等しく保つために、ゲージ部材を受容領域の中心に向かって移動させる。この間、コントローラは、ゲージ部材の変位の監視を続けてもよい。ゲージ部材の変位が所定の時間にわたって比較的一定になったら、コントローラは、測定された変位を記録してもよい。尚、所定の時間は、任意の適切な時間(例えば15秒等)であってよい。尚、本発明の複数の実施形態では、ドウェル時間を経過させずに、所定の圧力値に達したらすぐに変位が測定されてもよく、又は、ドウェル時間がもっと短くてもよい(例えば1秒)。
【0038】
コントローラは、任意の適切な方法で、圧力が安定した時点を判定してよい。例えば、複数の実施形態では、コントローラは、有限サイズのマトリクスに、所定のセットの変位値のみを記録してもよい。マトリクスが一杯になったら、マトリクスに新たな変位値が追加される際に、最も古い値が除去されてもよい。従って、最初と最後の変位値が略同等になったときには、ゲージ部材は安定しているので、コントローラは最後の変位値を記録してもよい。最終的な変位位置における正確な圧力値も記録されてよい。
【0039】
最終的な変位と組合体に及ぼされた圧力値とが記録されたら、ゲージ部材はブリック状組合体から離れる方向に戻されてよい。本発明の複数の実施形態では、ゲージ部材は、ブリック状組合体に及ぼされる圧力が略ゼロになるまで、ブリック状組合体の中心から離れる方向に移動され得る。本発明の複数の実施形態では、ゲージ部材は、部材がブリック状組合体と接触しなくなるまで、ブリック状組合体から離れる方向に戻され得る。
【0040】
ゲージ部材がブリック状組合体から離れるように戻されたら、ゲージ部材はブリック状組合体を再圧縮してもよい。本発明の複数の実施形態では、再圧縮は、ゲージ部材を、最初の圧縮工程で決定された、最近測定された変位位置に移動させることによって達成され得る。再圧縮中、ゲージ部材が所望の位置に達したら、コントローラは、この再圧縮中に及ぼされた最初の圧力値を記録する。この圧力値は、最初の圧縮中に測定された圧力値とは異なっている場合がある。
【0041】
ブリック状組合体の再圧縮が継続されると、コントローラは、ゲージ部材を、前に決定された変位値の略一定の位置に保持し続けてもよく、コントローラは、ゲージ部材によってモノリス基体に及ぼされる圧力の記録を続けてもよい。一般的に、部材が最初に前の変位位置に到達したとき、マット材料にはピーク圧力が及ぼされる。このピーク圧力値が記録され、その後、マット材料が弛緩するにつれて、ゲージ部材によってブリック状組合体に及ぼされる圧力は一般的に低下する。マット材料が最終的に落ち着く圧力は、圧力値の減少を有限サイズのマトリクスに記録することによって決定され得る。マトリクスがデータで一杯になったら、最も古い値が新たな圧力値と置き換えられる。マトリクス内の最も古い値が、マトリクス内の最も新しい値と略同等になったときには、略安定した圧力が達成されている。略安定した圧力が決定されたら、実際の変位及び安定した圧力が記録され、ゲージ部材はブリック状組合体から離れるように戻されてよい。尚、複数の実施形態では、ゲージ部材は、所定の時間にわたって比較的一定した位置に保持されてもよく、それから圧力が記録されてもよい。最終的な圧力値が記録されたら、ゲージ部材はブリック状組合体から離れる方向に戻されてよく、これにより圧縮及び再圧縮工程が完了する。
【0042】
尚、本発明の複数の実施形態では、再圧縮工程において、ゲージ部材が所定の変位位置に到達したら、所定のドウェル時間にわたって圧力が測定されてもよい。所定のドウェル時間が経過したら、その時の圧力低下が記録されてもよく、再圧縮工程が完了する。更に、本発明の複数の実施形態では、再圧縮工程で選択される変位はより大きいものであってもよい。即ち、ブリック状組合体は、最初の圧縮工程で決定された直径よりも小さい直径まで圧縮されてもよい。ブリック状組合体の再圧縮に伴う圧力低下が不確定である場合に、前に測定された変位よりも大きい変位値が選択され得る。
【0043】
図2のブロック116は、この例示的な実施形態の次の工程を表わす。この工程では、ブリック状組合体6の計測で取得されたデータを、図5に示されている代表曲線と共に用いて、外管部材4のターゲット直径を得てもよい。具体的には、計測されたブリック状組合体6のデータを用いて、代表曲線に適用され得るオフセットを計算してもよい。
【0044】
このオフセットは、一般的に、再圧縮時のマット材料の弾性の損失を考慮に入れるための補正係数を表わすものである。マット材料が圧縮され、圧縮から解放され、再圧縮されると、マットは弾性を幾分失う。従って、最初の測定の後は、最初に計測されるデータは正確でなくなる。再圧縮に伴う圧力損失は、用いられるマット材料のタイプ、マット材料の厚さ、マット材料の製造者、計測中にマット材料に及ぼされるピーク圧力、及びマット材料が膨張性材料であるか否か等といった、多くの要因に依存し得る。
【0045】
従って、計算されるオフセットは、再圧縮後のマット材料に関連付けられた圧力の低下を考慮に入れるものである。オフセットは任意の適切な方法で決定されてよい。例えば、線形回帰を用いて、前に取得されたデータに基づいて、オフセットの式を決定してもよい。本発明の複数の実施形態では、他の任意の適切な方法を用いて、オフセットを表わす式を得てもよい。例えば、マット材料の弛緩中に記録されたデータを用いて、オフセットを表わす指数方程式を得てもよい。
【0046】
線形回帰を用いてオフセット又はデルタを得る場合には、オフセットは、線y=mx+bに関する式を用いて計算され得る。式中、yはマット材料の再圧縮に起因し得る圧力低下を表わし、mは傾斜を表わす。傾斜は、マット材料及びブランクの組合体の代表サンプルの試験から得られた圧力の代表曲線の適切な部分から推定され得る。文字bはy切片を表わし、一般的に、変位が0のときはマット材料に圧力が及ぼされないので、y切片は0と推定してよい。y、m及びbの値がわかれば、上記の式をxについて解いてよく、これは、組み立てられた触媒コンバータ内で所望の圧力を達成するのに必要な線形変位の調節に関する推定値を表わす。
【0047】
計測されたマット材料及びモノリス基体のブリック状組合体に対するオフセットが計算されたら、前の工程で計測されたブリック状組合体に所望の最終的な圧力を付与するのに必要な、外管部材の最終的な直径が計算され得る。外管部材の最終的な直径は、全体的な緩和時圧力曲線に加えて、上記で計算されたオフセットを用いることによって決定され得る。具体的には、圧力の代表曲線から、所望の圧力を達成するのに必要な変位値を決定し、この変位値を上記で計算されたオフセット値でオフセットすることにより、ブリック状組合体及び組み立てられた触媒コンバータに所望の圧力を及ぼすための外管部材の所望の直径を決定することができる。
【0048】
マット材料及びモノリス基体の組合体が計測装置によって計測され、外管部材の所望のサイズが決定されたら、ブリック状組合体は未形成の外管に挿入されてよい。本発明の複数の実施形態では、触媒コンバータの組み立てプロセス中に組合体が外管部材内で確実に保持されるように、外管部材が組合体に少なくとも最小限の摩擦力を付与することを確実にするために、外管部材は予備圧縮されてもよい。本発明の複数の実施形態では、ブリック状組合体は、外管部材にゆるく挿入されてもよい。外管部材が予備圧縮されているか否かに関わらず、ブリック状組合体は、任意の適切な方法で外管部材挿入されてよい。尚、外管部材への組合体の挿入速度は、外管部材に付与される予備収縮の量に依存し得る。更に、尚、外管部材によってマット材料及びモノリス基体の組合体に最初に及ぼされた圧力は、時間が経ってマット材料が弛緩すると僅かに低下する。
【0049】
図6は、ブリック状組合体6を外管部材4に挿入するよう構成された、参照番号300で全体を示される挿入装置を示す。図示されている実施形態では、装置300は、外管部材4を位置決めするよう構成されたU字形の装填部302を有する。装置300は、シリンダ機構304も有する。シリンダ機構304は、例えば空気圧式シリンダや油圧式シリンダ等といった、当該技術分野で用いられている任意の適切なシリンダを有してよい。図示されている実施形態では、シリンダ機構304は、ロッド部308及びプッシャー部310を有するシリンダ部306を有する。プッシャー部310は開口部312と略整合し、例えばじょうご等の先細部材314に当接する。図示されている実施形態では、シリンダスタンド316がシリンダ機構304を支持する。
【0050】
動作において、マット材料10及びモノリス基体12から成るブリック状組合体6は、プッシャー部310に隣接して配置され得る。シリンダ部306を作動させると、プッシャー部310は開口部312の方向に移動する。プッシャー部310はブリック状組合体6と接触し、ブリック状組合体6を押して開口部312を通す。図示されている実施形態では、ブリック状組合体6は、開口部312を横断した直後に先細部材314の中へと移動する。ブリック状組合体6が先細部材314を通り抜ける際、ブリック状組合体6は穏やかに圧縮される。ブリック状組合体6は、先細部材314から出ると、プッシャー部310によって外管部材4の中へと押し込まれる。ブリック状組合体6が外管部材4内の所望の位置に配置されたら、プッシャー部310は外管部材4から引き抜かれてよい。一般的に、外管部材4とブリック状組合体6との間には、プッシャー部310が引き抜かれる際にブリック状組合体6を比較的一定した位置に保持するのに十分な摩擦力が存在する。
【0051】
図2のブロック120によれば、この時点で、外管材料4は収縮し、外管4の直径が縮小されている。複数の実施形態では、外管部材4の全体の直径が縮小されてもよい。別の実施形態では、外管部材4のブリック状組合体6を保持する部分のみの直径が縮小されてもよい。尚、外管部材の直径は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/845,282号(ここに参照することによって明示的に本願明細書に組み込む)に記載されている各装置を含む、収縮装置やスピン装置を用いる等の、任意の適切な方法で縮小されてよい。本発明のこの実施形態では、外管部材の直径は、計算された値まで収縮さてよい。計算された値は、外管部材内で用いられるブリック状組合体の計測されたサイズ及び弛緩時圧力の代表曲線から決定された、前に計算されたオフセットに依存する。
【0052】
図7a〜図7dは、参照番号400で全体を示される収縮装置の複数の断面図を示す。収縮装置400はベースプレート402を有し、ベースプレート402は、その中心を実質的に通って延びるアパチャー404を含む。ベースプレート402の上面には、各々が参照番号406で全体を示される複数の圧縮機構が取り付けられている。各圧縮機構406は、一対の垂直壁408を有し得る。各垂直壁408は、その中心を実質的に通って延びるアパチャーを有し得る。更に、圧縮機構406は、円形の断面を有する軸支部410も有し得る。各軸支部410は、支持部410が垂直壁408のアパチャー内に配置され得るようなサイズを有し得る。図示されている実施形態では、垂直壁408は複数の取り付けねじ412によってベースプレート402の上面に取り付けられ得る。
【0053】
引き続き図7a〜図7dを参照すると、圧縮機構406は、軸支部410のアパチャーを通って圧縮部材414の中へと延びる更なる取り付けねじ413も有し得る。この実施形態で示されている圧縮部材414の全体形状は、2つの直線状の辺と、それらの間に延在する弓状面416とを含む部分円となっている。尚、図示されている実施形態では、弓状面は、外管部材4の外面に沿うよう設計された弓状のプロファイルを有する。しかし、別の実施形態では、弓状部416は、平面状のプロファイルを有してもよい。取り付けねじ413は、圧縮部材414の中へと延出して圧縮部材414を軸支部410に固定し得る。更に、図7aにおける圧縮部材414の位置は、無負荷時の圧縮部材の標準的な位置である。装置のこの実施形態では、圧縮部材414は、無負荷時には圧縮部材414がこの位置に戻るよう重りが付いている。
【0054】
引き続き図7a〜図7dを参照し、外管部材4を収縮させる収縮装置400の動作を説明する。図7aに示されるように、圧縮部材414は、図示されている、弓状面416が上を向いた無負荷位置から開始する。
【0055】
図7bは、収縮装置400を用いた外管部材4の圧縮における1つの工程を示す。図示されている工程では、管4は、弓状面416が向いている方向から収縮装置400に装填される。尚、アパチャー404の中心を介した圧縮部材414の離間距離は、外管4の予備圧縮後の外径よりも小さいべきである。
【0056】
図7cに示されるように、油圧式又は電気機械的プランジャ420が、管4を駆動して収縮装置400を通してもよい。収縮装置400の受容領域404を通る外管部材4の移動により、圧縮部材414は軸支部410回りに回転する。更に、圧縮部材414の弓状面416が外管4の外面に接触する。弓状面416の離間距離は、前に計算された外管部材4の直径にほぼ等しいべきである。外管部材4が部材414を通ると、外管部材4が圧縮され、外管部材4の外径が縮小される。尚、任意の所与の時点において、各圧縮部材414は外管部材4の一部のみに接触する。その結果、外管部材4を収縮させるのに必要な力は、外管部材4の全面をその全長に沿って一度に圧縮する場合に必要な力より小さくなる。複数の実施形態では、収縮装置400は、外管部材4をその全長に沿って一度に収縮させるよう設計されてもよい。
【0057】
図7dは、収縮装置400を完全に通過した後の外管4を示す。尚、外管4の外径は、変形前の管4の外径よりも小さい。更に、収縮装置400の図示されている実施形態では、外管4の長さは、弓状面416の長さに制限されている。
【0058】
尚、外管部材4を収縮させるために、収縮装置400と共に又は収縮装置400の代わりに、任意の適切な装置が用いられてもよい。例えば、スピン機構を用いて、外管部材4の直径を適切な方法で縮小させてもよい。
【0059】
ブリック状組合体6を一定位置に保持するために、縮小された外管部材4に接するブリック状組合体6のマット材料12を圧迫するよう、外管部材4の直径が縮小されたら、外管部材4の端部30、32は任意の適切な方法で縮小されてもよい。図1に示されている触媒コンバータの実施形態では、外管部材4の両端部30、32の開口部に熱シールド部材14が挿入され得る。その後、外管部材4の端部30、32を、スピン装置を用いる等の任意の適切な方法で縮小し、縮径された管の端部30、32を形成してもよい。外管部材4の端部30、32の直径を縮小させることにより、外管部材4が熱シールド部材14を比較的一定した位置に保持することができる。
【0060】
触媒コンバータ2の端部30、32の直径が縮小されたら、触媒コンバータ2の組み立てが完了する。次の触媒コンバータの組み立てでは、上述の方法の全体を繰り返す必要は無い。その代わり、組み立てプロセスは、次の触媒コンバータ2の組み立てで用いられるモノリス基体10及びマット材料12を含むブリック状組合体6の計測から開始され得る。次の触媒コンバータ2の外管部材4の所望の最終的な直径を決定する際、前に取得された代表サンプルのデータ曲線を用いて、外管部材4の最終的な直径を計算してもよい。
【0061】
説明の目的で、以下に、オフセットの計算の簡略化した例を示す。以下の例において、図5の曲線は、サンプルの計測前に決定された代表曲線を表わす。尚、図5に示されている代表曲線に関して、測定されたデータ点に対する最良適合曲線はy=30.581e0.9556xである(式中、「x」は変位であり「y」は圧力である)。従って、この曲線の微分方程式はy’=30.581e0.9556xである。以下の簡略化した例では、最終的なコンバータアセンブリにおいてマット材料及びモノリス基体の組合体に及ぼされる所望の圧力は、約70psi(約482633パスカル)に等しい。
【0062】
この例では、ターゲットゲージ圧力は最終的な圧力のほぼ90%、即ち63psi(約434370パスカル)である。従って、最終的なコンバータアセンブリで用いられるブリック状組合体は、まず、上述のように、計測ステーションによってブリック状組合体に63psiの圧力が及ぼされるまで圧縮され得る。63psiの圧力に達したら、計測ステーションは変位を記録して、ゲージ部材をブリック状組合体から後退させる。この例では、ブリック状組合体に63psiの圧力値が及ぼされたとき、計測ステーションは0.73mmの変位値を測定した。パッドがブリック状組合体から後退させられると、ブリック状組合体は再び0.73mmの変位位置まで圧縮されてよく、ゲージ部材によって及ぼされる圧力の変化が所定のドウェル時間にわたって測定される。この例では、略一定の直径において、ブリック状組合体によって及ぼされる圧力は、ドウェル時間からほぼ5psi(約34474パスカル)だけ変化した。
【0063】
上記で決定された情報を用いて、任意の適切な方法でオフセットが計算され得る。この例では、一次方程式Δy=m*Δx+bを用いてオフセットが計算される。式中、Δyは計測されたブリック状組合体のドウェル時間にわたる圧力変化を表わし、mは試験点における代表曲線の傾斜を表わし、Δxはオフセットを表わす。尚、bはy切片を表わし、一般的に0である。従って、Δx=Δy/m、即ちオフセットは、圧力変化を傾斜で割った値に等しいことが明らかである。この例では、63psiの試験点における代表曲線の傾斜は63である。これは、試験圧力における変位の曲線の式を解き、式を微分し、計算された変位を用いて、該計算された変位における曲線の傾斜を取得することによって決定され得る。従って、Δx、即ちオフセットは、この例では、Δy/m、即ち5/63の割り算によって計算されてよく、これは0.079に等しい。
【0064】
上述したように、この例のターゲット圧力は70psi(約482633パスカル)である。図5の代表曲線によれば、0.867mmの変位で、所望の70psiの値が達成されるはずである。この値は、計測された組合体の再圧縮による圧力損失を考慮に入れるために、上記で計算された0.079mmのΔxでオフセットされなければならない。従って、計測された組合体に対するターゲット変位は0.946mmである。従って、外管部材4のサイズは、最終アセンブリ内におけるブリック状組合体の外径が0.946mmにほぼ等しくなることを確実にするよう、縮小されるべきである。
【0065】
当業者には理解されるように、上述のプロセスの工程は、任意の適切な方法で変更されもよい。例えば、外管部材4は、ブリック状組合体6が外管部材4に挿入される前に、収縮装置400、スピン機構又は他の任意の適切な装置を用いてサイズ変更されてもよい。外管部材4の直径が適切に設定されてから、ブリック状組合体6が外管部材4に挿入されてもよい。本発明の別の実施形態では、外管部材4の所望の直径は、外管部材4の直径が縮小されるのではなく拡大されるものであってもよい。従って、当業者には理解されるように、外管部材4の直径を拡大させるために拡大器を用いてもよい。拡大器によって外管部材4の直径が所望のサイズに拡大されたら、拡径された外管部材4にブリック状組合体6を従来の方法で挿入してよい。
【0066】
例示的な設計を有する本発明を説明したが、本発明は、本開示の精神及び範囲内で更に変形され得る。従って、本願は、本発明の一般的原理を用いたいかなる変形、用法又は適合形態も網羅することが意図される。更に、本願は、本発明が関係する技術分野における公知事項又は慣行に含まれる、本開示からの逸脱も網羅することが意図される。
【符号の説明】
【0067】
2 触媒コンバータ
4 外管部材
6 ブリック状組合体
10 モノリス基体
12 マット材料
200 計測ステーション、計測装置
210 ゲージ部材
212 受容領域
216 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D