【実施例】
【0033】
保護フェノール
<実施例1>グリシジルクロロフォルメート(P1)の合成
フォスゲンをトリフォスゲンに変更した以外は、Mullerらの米国特許第2,795,572号にしたがって、クロロフォルメートP1を調製した。
図9参照。
【0034】
<実施例2>フェニルグリシジルカーボネート(P2)の合成
還流冷却管、追加漏斗及び窒素ガス注入口を備えた3つ口丸底フラスコに、フェニルクロロフォルメート25.00g(0.160モル)及びTHF70gを仕込んだ。反応器を0℃の氷浴内に移し、窒素でパージした。30分後、グリシドール13.00g(0.175モル)、トリエチルアミン19.50g(0.193モル)及びテトラヒドロフラン(THF)の無水物75gの溶液を1時間以上かけて滴下し、その後、反応物を室温まで加熱し、窒素雰囲気下で一晩中攪拌した。反応器の内容物を取り出し、濾過し、減圧乾燥し、次いで、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、イソプロピルアセテートとヘキサンの1:1溶液で溶出して、粗精製の生成物29.51gを得た。
図10参照。
【0035】
<実施例3>ジグリシジルビスフェノールAジカーボネート(P3)の合成
実施例2の工程を用いて、ビスフェノールAビス(クロロフォルメート)18.10g(0.051モル)及びグリシドール7.17g(0.0968モル)からジカーボネートP3を得、トルエン中に粗精製材料を溶解し、0.1NのNaOH、0.1NのHCl、水及び塩水を順次用いて抽出することにより精製して、粗精製の生成物20.98gを得た。トルエン層はMgSO
4上で乾燥し、濾過し、減圧乾燥した。
図11参照。
【0036】
<実施例4a>ジグリシジル4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジカーボネート(P4)の合成
実施例2の工程にしたがって、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールビス(クロロフォルメート)23.45g(0.0596モル)及びグリシドール8.65g(0.168モル)からジカーボネートP4を得、実施例3の工程にしたがって精製し、粗精製の生成物27.72gを得た。
図12参照。
【0037】
<実施例4b>P4の他の合成
還流冷却管、追加漏斗及び窒素ガス注入口を備えた3つ口丸底フラスコに、窒素をパージし、P1の13.50g(0.100モル)及びTHF無水物120mLを仕込んだ。反応温度を−3℃に低減し、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール13.42g(0.0500モル)、トリエチルアミン10.12g及びテトラヒドロフラン無水物80mLの溶液を1時間以上かけて滴下した。その後、反応物を室温まで加熱し、窒素雰囲気下で一晩中攪拌した。次に、反応物を濾過し、減圧乾燥し、次いで、トルエン中に溶解し、0.1NのNaOH、0.1NのHCl、水及び塩水を順次用いて抽出して、粗精製の生成物22.25gを得た。有機層はMgSO
4上で乾燥し、濾過し、減圧乾燥した。
【0038】
<実施例5a>ジグリシジル4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノールジカーボネート(P5)の合成
実施例2の工程を用いて、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノールビス(クロロフォルメート)25.67g(0.0540モル)及びグリシドール7.84g(0.106モル)からジカーボネートP5を得、実施例3の工程にしたがって精製し、粗精製の生成物26.75gを得た。
図13参照。
【0039】
<実施例5b>ジグリシジル4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノールジカーボネート(P5)の他の合成
実施例4bの工程を用いて、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェノール10.52g(0.0300モル)及びP1の8.16g(0.0600モル)からジカーボネートP5を合成し、粗精製の生成物15.42gを得た。
【0040】
<実施例6>トリグリシジル1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリカーボネート(P6)の合成
実施例4bの工程にしたがって、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン13.76g(0.0449モル)及びP1の18.40g(0.135モル)からジカーボネートP6を合成し、粗精製の生成物23.15gを得た。
図14参照。
【0041】
<実施例7>ジグリシジル4,4’−ビスフェニルカーボネート(P7)の合成
実施例4bの工程にしたがって、4,4’−ジヒドロキシビフェニル38.6g(0.100モル)、P1の27.32g(0.200モル)及びTHFの無水物200mLからジカーボネートP7を合成した。
図15参照。
【0042】
<実施例8>ポリ(グリシジルフェニルカーボネート)(P8)の合成
Liangらの米国特許第5,212,044号にしたがって、ホースラディッシュパーオキシダーゼを用いてフェノールの重合からポリフェノールを合成した。実施例4bの工程を用いて、ポリフェノール15.00g(0.100モル)、P1の13.66g(0.100モル)及びTHFの無水物200mLからポリ(グリシジルカーボネート)P8を合成した。
【0043】
ベンゾキサジン
ジオキサンをメチルエチルケトン(MEK)に変更した以外は、Laneの独国特許第694,489号にしたがってベンゾへキサジンの合成を行った。
【0044】
<実施例9>フェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B1)の合成
フェノール(11.29g、0.12モル)、パラホルムアルデヒド(11.17g、0.24モル)及びMEKを混合し、攪拌しつつ、アニリン(11.17g、0.12モル)を加え、ホットプレートを用いてこの混合物を120℃に加熱した。MEK及び水は反応の間に蒸発された。混合物を室温に戻した。
図17参照。
【0045】
<実施例10>ビスフェノールA及びアニリンからベンゾキサジン(B2)の合成
ビスフェノールA(27.39g、0.12モル)、パラホルムアルデヒド(14.40g、0.48モル)及びMEKを400mLビーカーに加えた。攪拌しつつ、アニリン(22.37g、0.24モル)を加え、ホットプレートを用いてこの混合物を120℃に加熱した。MEK及び水は反応の間に蒸発され、黄色の粘着性の固まりを得た。混合物を固化する室温に戻し、着色固体52.74g(収率95%)を得た。
図18参照。
【0046】
<実施例11>4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B3)の合成
実施例10に記載の工程を用いて、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール13.42g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド6.00g(0.2モル)及びアニリン9.31g(0.1モル)からベンゾキサジンB3を合成し、着色固体24.0g(収率95.5%)を得た。
図19参照。
【0047】
<実施例12>4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B4)の合成
実施例10に記載の工程を用いて、4,4’−[9−フルオレニリデン]ジフェノール17.52g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド6.00g(0.2モル)及びアニリン9.31g(0.1モル)からベンゾキサジンB4を合成し、着色固体28.06g(収率96.0%)を得た。
図20参照。
【0048】
<実施例13>ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びアニリンからベンゾキサジン(B5)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、ポリ(4−ビニルフェノール)6.0g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド3.0g(0.1モル)及びアニリン4.68g(0.05モル)からベンゾキサジンB5を合成し、着色固体11.4g(収率96.0%)を得た。
図21参照。
【0049】
<実施例14>4,4’−ジヒドロキシビフェニル及びアニリンからベンゾキサジン(B6)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、4,4’−ジヒドロキシビフェニル18.6g(0.100モル)、パラホルムアルデヒド12.00g(0.400モル)及びアニリン18.62g(0.200モル)からベンゾキサジンB6を合成した。
図22参照。
【0050】
<実施例15>ポリフェノール及びアニリンからベンゾキサジン(B7)の合成
実施例10に記載の工程にしたがって、ポリフェノール15.00g(0.100モル)、パラホルムアルデヒド12.00g(0.400モル)及びアニリン18.62g(0.200モル)からベンゾキサジンB7を合成した。
図23参照。
【0051】
エポキシ
<実施例16>保護フェノール及びベンゾキサジンを組み合わせて用いたエポキシの化学構造
組成物に用いられるエポキシを
図20に示した。
【0052】
<実施例17>DSCによるイミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護
イミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護は、TAインスツルメントのQ10示差走査熱量分析装置を用いて、25〜300℃の温度範囲において、温度勾配5℃/分で評価した。イミダゾール及び保護フェノールは、表1のモル比を用いて組み合わされ、良好に混合され、アルミニウム皿に載せられた。分析結果は表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
P2単独のDSCの結果は、175℃において、化合物の分解に関する吸熱転移を示している。これに対して、1モル当量のImをP2に加えた場合には、DSCは、97℃において、吸熱転移を示し、これは予想通りにE3及びImの付加生成物とほぼ同様な温度で生じている。
【0055】
<実施例18>TGAによるイミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護
イミダゾール存在下の保護フェノールの脱保護は、さらに、TAインスツルメントのTGA2850熱重量測定装置(TGA)を用いて、25〜600℃の温度範囲において、温度勾配20℃/分で評価した。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示されているように、P2は、分解の開始温度よりも約90℃低い109℃におけるイミダゾール存在下の質量損失を示している。12%(重量/重量)の重量損失は、脱保護から生じるCO
2の損失に起因するものである。
【0058】
理論的及び経験的に説明すると、脱保護のメカニズムは、まず、ほぼ直接的なCO
2の損失により97℃で見られるように、109℃でP2のオキシラン成分とともに付加的生成物を生成し、次いで、フェノールと新たなエポキシ付加体を生成する(スキーム1)イミダゾールに起因している。
【0059】
<実施例19>塩化鉄試験及び薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて評価されるイミダゾール存在下のP2の脱保護
P2及び2−エチル−4−メチルイミダゾールのモル比1:1の組成物を100℃で2時間加熱し、Shrinerら“The Systematic Identification of Organic Compounds”第6版、New YorkのWilely社、1980年、第348〜350ページの塩化鉄試験を用いてフェノールの解放を評価した。予想通り、鉄錯体の形成及びフェノールの存在を示す紫色が示された。さらに、フェノールの解放を示すために、シリカゲル固定相を用い、重量比1:1のイソプロピルアセテート及びヘキサンで溶出させる薄層クロマトグラフィーによって、前記組成物の試料を分析した。フェノールに対する混合物のR
f値[化合物の移動距離/溶媒の先頭の移動距離]の比較により、混合物におけるフェノールの存在が示された。
【0060】
<実施例20>組成物−グリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びイミダゾール
表3に示されたモル比にしたがって成分を混合することにより組成物1〜20を調製した。
【0061】
【表3】
【0062】
<実施例21>組成物−グリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びマイクロカプセル化脱保護剤
表4に示されたモル比にしたがって成分を混合することにより組成物21〜26を調製した。マイクロカプセル化脱保護剤は、旭化成ケミカルズ社製の潜在性硬化剤HX−3721(LH1)、HX−3741(LH2)及びHX−3748(LH3)を用いた。
【0063】
【表4】
【0064】
<実施例22>反応温度
表3の成分を混合することによりグリシジルカーボネート、ベンゾキサジン、エポキシ及びイミダゾールの組成物を調製した。これらをAlDSC皿に載せ、DSC分析装置内に載置し、窒素雰囲気下において5℃/分の加熱勾配で25〜325℃まで加熱した。これらの結果を表5に示した。
【0065】
【表5】
【0066】
組成物7及び8を比較すると、ベンゾキサジンの合成は、保護フェノールの存在下で約20℃低下している。
【0067】
本発明の一実施形態においては、上記の硬化型組成物は、硬化態様で提供され、電子部品、電子ディスプレイ、回路基板、フリップチップ、半導体装置のような工業製品に含まれる。他の実施形態においては、組成物は、完全に製造及び組立られる前にこれら及び他の製品に用いられる未硬化態様又は部分的硬化態様で提供され。
【0068】
他の成分及び/又は態様を他の実施形態に用いてもよいことは、当業者が疑う余地なく認識されるであろう。さらに、全ての項目は前後関係と矛盾のない範囲で可能な限り広く解釈すべきである。本発明はいくつかの実施形態について詳述したが、本発明の目的又は趣旨を逸脱しない範囲で様々な修飾及び/又は変更がなされてもよいことを認識すべきである。これに関して、本発明の実施が上記の応用に限定されないことは重要である。多くの他の応用及び/又変更は、その他の応用及び変更が本発明の目的を逸脱しない範囲でなされてもよい。明細書に記載の、本発明の実施形態における温度又は重量の範囲は、特許請求の範囲の趣旨を限定するものではない。また、一実施形態の一部として説明又は記載された態様は、上記の実施形態に限定されることなく、他の実施形態を提供するために他の実施形態に用いてもよい。したがって、実施形態及び変更例が特許請求の範囲の趣旨の範囲内及び同等である限りは、本発明はこのような実施形態及び変更例の全てに及ぶ。