特許第5661477号(P5661477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661477センサー測定に基づく双方向性を提供するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661477
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】センサー測定に基づく双方向性を提供するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/00 20060101AFI20150108BHJP
   A63G 21/04 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   A63G31/00
   A63G21/04
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-550673(P2010-550673)
(86)(22)【出願日】2009年2月24日
(65)【公表番号】特表2011-514829(P2011-514829A)
(43)【公表日】2011年5月12日
(86)【国際出願番号】US2009001186
(87)【国際公開番号】WO2009114069
(87)【国際公開日】20090917
【審査請求日】2010年9月10日
(31)【優先権主張番号】12/075,478
(32)【優先日】2008年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504399716
【氏名又は名称】ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100119530
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100144266
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一寿
(72)【発明者】
【氏名】デビッド クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ダーハム
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ジー ジョージズ
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−000209(JP,A)
【文献】 特開平11−039564(JP,A)
【文献】 特開平11−137626(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0106484(US,A1)
【文献】 特開平10−309381(JP,A)
【文献】 特開2001−340657(JP,A)
【文献】 特開2002−126359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 21/04
A63G 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーマパークにおいて、センサーが、テーマパークの乗り物中に位置する客の可変性バイオメトリック特徴を検知すること、
トランスミッターが、前記客の可変性バイオメトリック特徴を前記センサーから制御システムに伝えること、
前記制御システムが、乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析すること、
前記制御システムが、乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析することに基づいて、客の恐怖の感情状態を示すこと、および
前記制御システムが、乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析することに基づいて得られた客の恐怖の感情状態に従い、テーマパークの場所に関する変数を修正すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記センサーは、顔認識センサー、音声ストレス分析センサー、ジェスチャー認識センサー、動作追跡センサー、または視線追跡センサーを有する1またはそれよりも多くのバイオメトリックセンサーを含み、また、前記客の可変性バイオメトリック特徴は、心拍、皮膚温、汗、表情、または音声ストレスのうち1のまたはそれよりも多くを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記場所に関する変数を修正することは、前記テーマパークの乗り物が進む経路を選定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記場所に関する変数を修正することは、光源を起動することを含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記場所に関する変数を修正することは、前記テーマパークの乗り物の速度を制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーは、前記客と物理的接触しておらず、前記場所に関する変数を修正することは、前記テーマパークの物理的変化に作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
テーマパークの乗り物中に位置する客の可変性バイオメトリック特徴を検知するように構成されるセンサー、
前記客の可変性バイオメトリック特徴をセンサーから制御システムに送るように構成されるトランスミッター、
制御システムであり、
乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析し、
乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、客の可変性バイオメトリック特徴を分析することに基づいて、客の恐怖の感情状態を示し、そして
乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析することに基づいて得られた客の恐怖の感情状態に従い、テーマパークの場所に関する変数を修正する
ように構成される制御システム
を含む、システム。
【請求項8】
前記センサーは、顔認識センサー、音声ストレス分析センサー、ジェスチャー認識センサー、動作追跡センサー、または視線追跡センサーを有する1またはそれよりも多くのバイオメトリックセンサーを含み、また、前記客の可変性バイオメトリック特徴は、心拍、皮膚温、汗、表情、または音声ストレスのうち1のまたはそれよりも多くを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサーは、前記客と物理的接触しておらず、前記制御システムは、前記場所に関する変数を修正して、前記テーマパークの物理的変化に作用するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
乗り物車両における1またはそれよりも多くの客のセンサー測定に基づいて、テーマパークの乗り物と共に用いるための方法であって、
前記テーマパークの乗り物は、テーマパークの乗り物経路である、乗り物開始区分第1乗り物区分第2乗り物区分、および乗り物終了区分を含む複数の乗り物区分を有し、
制御システムが、前記乗り物開始区分において1またはそれよりも多くの客を含む乗り物車両を移動させること、
センサーが、前記乗り物開始区分において移動しながら、テーマパークの乗り物中に位置する1またはそれよりも多くの客の可変性バイオメトリック特徴を検知すること、
トランスミッターが、前記1またはそれよりも多くの客の可変性バイオメトリック特徴をセンサーから制御システムに伝えること、
制御システムが、前記1またはそれよりも多くの乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から、前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析すること、に基づいて、1またはそれよりも多くの客の恐怖の感情状態を示す制御システムを用いて前記客の可変性バイオメトリック特徴を分析すること、
および
制御システムが、前記1またはそれよりも多くの乗り物中に位置している間の前記客の可変性バイオメトリック特徴の変化から得られた、乗り物車両中の1またはそれよりも多くの客の恐怖の感情状態に基づいて、前記第1乗り物区分および前記第2乗り物区分のうちの1つのうちから、選定すること、
制御システムが、選定した前記第1乗り物区分および前記第2乗り物区分のうちの1つにおいて、1またはそれよりも多くの客を含む乗り物車両を移動させること
を含む、方法。
【請求項11】
選定した前記第1乗り物区分および前記第2乗り物区分のうちの1つにおいて、前記1またはそれよりも多くの客を含む乗り物車両を移動させた後に、さらに、
選定した前記第1乗り物区分および前記第2乗り物区分のうちの1つにおいて、前記1またはそれよりも多くの客を含む乗り物車両を移動させること
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記センサーは、顔認識センサー、音声ストレス分析センサー、ジェスチャー認識センサー、動作追跡センサー、または視線追跡センサーを有する1またはそれよりも多くのバイオメトリックセンサーを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記可変性バイオメトリック特徴は、心拍、皮膚温、汗、表情、または音声ストレスのうち1のまたはそれよりも多くを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記制御システムは、コンピュータを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記センサーは、乗り物車両の外側に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記センサーは、前記1またはそれよりも多くの客と物理的接触していない、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
1.本発明の分野
本発明は概してセンサーおよび制御システムに関する。より一層詳しくは、本発明は双方向性にセンサーおよび制御システムを与えることに関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景技術
人々は多種多様な異なった体験場所において娯楽を求めている。例えば、若干の人々は映画館における映画鑑賞を好み、他の人々は博物館を歩くのを楽しむが、さらに他の人々はテーマパークの乗り物に行くためにテーマパークを訪れる。これらの体験場所はすべて、大勢の人々を楽しませるのによく適した特徴を共有する。映画館は数時間ごとに何百人ものグループの席をもつことができ、博物館は毎日数千人もの人々の収容能力をもつことができ、そしてテーマパークは毎週末何万人もの人々に対処することができる。多数の人々を楽しませることは賞賛に値する業績であるが、これらの体験場所において利用される慣習的な娯楽技術は双方向性または個人化をほんの少ししか提供しない。
【0003】
双方向性または個人化の欠如により、体験場所の客の間で似ていない個人的な経験につながる。例えば、各々が同じ映画を見る映画館の客は、その者らの様々な嗜好のために、異なったレベルの楽しみを享受することがある。美術館の特定の巡路を歩く客は、異なる順序によりおよび異なる視点から美術品を楽しめるかもしれないのに、各々同様な順序でおよび同様な視点から展示を経験する。テーマパークの乗り物上の客は、その者らの相対的な感受性に従って恐怖または退屈を経験することができるが、皆が同じ乗り物に乗らなければならない。各々の例において、体験場所はその客と相互作用するのに、またはその客のための個人化を提供するのに失敗し、そして従って若干の客の個人的な経験が、さもなければ得ることができたものより乏しくなる。
【0004】
双方向性または個人化に関するこの失敗に対するいくつかの解法が進められた。そのような解法は客のフィードバックを得ることから始められることが多い。例えば、1種の解法は、テーマパークの乗り物車両にボタンまたはジョイスティックコントロールを備えさせることであり、それで乗り物がいくつかある経路(パス)の中でどの経路をとるかといったような、客が乗り物因子を制御することができるようになる。この解法にはいくつかの欠点がある。例には、そのような制御は目障りであり、そしてコントロールを操作するために客が乗り物の経験から気を散らされることが求められる。客からの意図的な入力を測定するそのようなコントロールを用いる他の不都合は、客が自分自身の感触を不正確に伝えるか、または間違いをする機会をもつということであり、それによって客が乗り物から受ける満足度が減じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、客に相互作用的な(双方向性)および個人化された娯楽経験を提供するための改良された方法またはシステムを提供することによってその技術における欠点および欠陥を克服する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示
センサー測定に基づいて双方向性を提供するための方法およびシステムを提供し、それは、請求の範囲においてより一層完全に述べるように、実質的に図面においておよび/または図面の少なくとも1つの図と関連して示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の特長および有利性は、以下の詳細な説明および添付図面を検討した後、この技術における通常の熟練者(当業者)にとってより一層容易に明らかになる。
図1】本発明の一具体化に従い、センサー測定結果に基づいた双方向性を提供するための模範的なシステムの図を示す。
図2】本発明の一具体化に従い、センサー測定結果に基づいた双方向性を提供するための方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の詳細な記載
本出願は、センサー測定結果に基づいて双方向性を提供するための方法およびシステムに指向する。以下の説明は、本発明の実施に関係する特定の情報を含む。この技術における一熟練者は、本発明が本出願において詳しく議論するものとは異なる様式で実施することができると認識するであろう。さらに、本発明のいくつかの特定の詳細は、本発明を不明瞭なものとしないために議論しない。本出願に記載されていない特定の詳細は、この技術における通常の技量の者の知識の範囲内にある。本出願における図面およびそれらの添付の詳細な説明は、本発明の単なる模範的な具体化に指向する。簡潔さを保つために、本発明の他の具体化は、本発明の原理を用いて、本出願において詳しく説明せず、そして本図面によって特に例証しない。他に注目されない限り、図面中の類似のまたは対応する要素が類似のまたは対応する参照数字によって指し示されることに留意すべきである。
【0009】
本発明の一具体化に従い、図1は、センサー測定結果に基づいた双方向性を提供するためのシステム100を示す。システム100は、車両132、乗車開始120、および乗車終了130を含む体験場所を備える。車両132は、乗車開始120および乗車終了130の間の客134を含む客たちを、それぞれ、テーマパークの乗り物経路である乗車セグメント(区分)122、124、126および128上で運ぶ。乗車セグメント124および126は、パス(Paths)AおよびBとして図1において標識され、それぞれ、車両132が続くことができる代わりのセグメントである。システム100はまた、センサー110、制御システム114、およびリンク112および116を介して連通するアクチュエーター(作動装置)(またはセレクター、選別機)118も含む。
【0010】
この具体化において、システム100は、客134のような客たちを恐怖状態にするように設計された幽霊屋敷テーマパークの乗り物の形式とした体験場所である。システム100は、客を種々の幽霊屋敷の特長にさらすことによって、客を恐怖状態にする。車両132は、幽霊屋敷テーマパークの乗り物上の車両である。車両132は、客134を含む数人の客たちを着席させるために構成される。他の具体化において、車両132は、1人の人だけを着席させるように構成し、待たせた人々を運ぶように構成され、または1よりも多くの車両を構成することができた。客134は、乗車開始120で車両132に搭乗することができ、乗車終了130で車両132から降りることができる。
【0011】
車両132が乗車開始120から乗車終了130まで動くにつれて、客134は、客134の客状態を恐怖の状態に変えるように設計されている幽霊屋敷の特長(図示さない)にさらされる。例えば、乗車セグメント122上で、客134は、幽霊屋敷のスケルトン(骸骨)およびゾンビのようなアニメの図にさらされる。他の具体化において、幽霊屋敷の特長は、コスチュームを着用している生身の俳優によって演じられ得、またはテレビスクリーン上に示されうる。客134がアニメ(動画)の図解(人物)にさらされるので、客134は、例えば、年齢および不信を保留する能力のような客134の因子に比例した恐怖量を経験する。
【0012】
センサー110は、車両132が乗車セグメント122に続くとき、客134の客変数を測定するように構成される。この具体化において、センサー110は、客134と物理的に接触することなく遠くから客134の心拍を測定することができるバイオメトリックセンサーである。このようにして、センサー110は、車両132に、例えば、客134がそこにおいて座っている座席上で取り付けられる必要はないが、若干の具体化において、センサー110は車両132または座席に取付けられる。センサー110は、車両132がそばを通るときに客134を観察するために、固定した位置および方向において壁にかけられる。
【0013】
本具体化において、センサー110は心拍を測定するためのバイオメトリックセンサーであるが、他の具体化において、センサー110は、皮膚温または汗のような異なる客の可変性バイオメトリック特徴を測定するために実施することができた。加えて、バイオメトリック客変数を測定するために実施する代わりに、センサー110は、非バイオメトリック顔認識センサー、音声ストレス分析センサー、ジェスチャー認識センサー、動作追跡センサー、または視線追跡センサーとして実施することができた。
【0014】
センサー110は、客134の測定された心拍の客変数を、リンク112を介して制御システム114に送る。この具体化において、リンク112は直接的にセンサー110を制御システム114に連結するが、他の具体化において、センサー110は、ワイヤレス接続またはコンピュータネットワーク上で作られた接続を介して制御システム114と連通しうる。車両132が1名よりも多くの客を運ぶように構成されるシステム100に類似する具体化において、センサー110を、各々の客の個々の心拍、すべての客の平均心拍、または車両132における客の心拍の別の関数を送るように構成することができる。
【0015】
制御システム114は、センサー110から客変数の測定値を受信し、および処理するコンピュータである。この具体化において、制御システム114を、心拍測定結果が客の恐怖状態を示すかどうか定めるために、それらを処理するように構成する。典型的に、平静な状態における客は低い心拍をもち、一方、恐怖のような高揚した感情状態の客は高い心拍をもつ。このようにして、客134が高い心拍をもつ場合、客134はおそらく、例えば、恐怖を作り出すように設計された幽霊屋敷の特長を見ることによって怖がられた。対照的に、客134が低い心拍をもつ場合、客134はおそらく幽霊屋敷の特長を退屈であると見た。
【0016】
本発明の具体化において、センサー110をバイオメトリックセンサーとして構成しないで、制御システム114を、さらに客134が恐怖を体験したかどうかを定めるように構成することができる。例えば、センサー110を顔認識センサーとして構成する具体化において、制御システム114は客134の表情の客変数を分析しうる。広く開いた眼を見せる表情または持続的に閉じた眼は、恐怖の客状態を指し示すことがあり、その一方通常量開いた眼を見せる表情は平静の客状態を示しうる。このようにして、制御システム114は多種のセンサー110のタイプのを利用する客134の客状態を定めることができる。
【0017】
センサー110により測定される客変数を分析することによって客134の客状態を決定した後、制御システム114は、アクチュエーター118を再構成することによって場所変数を修飾することができる。制御システム114はリンク116を介してアクチュエーター118と連通し、それは種々の具体化において、ワイヤー(配線された)接続、ワイヤレス(無線)接続、またはコンピュータネットワーク接続であることができる。アクチュエーター118は電気的に作動する乗り物追跡セレクターであり、そして第1構成において車両132を乗車セグメント124に送るために、および第2構成において車両132を乗車セグメント126に送るために構成することができる。乗車セグメント124および126は物理的に分かれており、そして車両132における客134は乗車セグメント124および126上での異なる幽霊屋敷の特長にさらされる。この具体化において、乗車セグメント124はより一層少ない恐怖感のアニメの図解をもち、一方で、乗車セグメント126はより一層多くの恐怖感のアニメの図解をもつ。
【0018】
制御システム114は、客134がどれほど驚かされるかに基づいて車両132を乗車セグメント124または126に送るために、アクチュエーター118を構成する。センサー110からの心拍測定結果が客134を驚かせることを示す場合、制御システム114は車両132をより一層少ない恐怖感の乗車セグメント124に送るであろう。対照的に、心拍測定結果が客134の倦怠を指し示す場合、制御システム114は車両132をより一層多くの恐怖感のある乗車セグメント126に送るであろう。この様式において、制御システム114は、客134が既に驚かされている場合には、恐怖の適正レベルを維持し、または客134が倦怠を感じる場合には、客134をより一層多くの恐怖感のある幽霊屋敷の特長にさらすかのいずれかである。このように、客134状態の客状態を制御することによって、システム100は客134に対して増大させた満足感を提供する。
【0019】
本具体化において、アクチュエーター118は車両132を乗車セグメント124または126に送るために電気的に作動する乗り物追跡セレクターであるが、他の具体化において、アクチュエーター118を異なる場所変数を制御するために実施することができた。例えば、適切なセンサー110および制御システム114を用いて実施する場合、アクチュエーター118は車両132の速度を制御することによって乗車の長さを伸ばすか、または短くすることができる。アクチュエーター118はまた、特定の乗り物の要素で、特殊効果、アニメのキャラクター、乗り物の眺め、または乗り物の環境制御のようなものを作動させ、または非作動させることもできた。アクチュエーター118はまた、車両132上にインストール(設置)されるオーディオ、ビデオ、または照明装置のような車両132の機内に搭載された種々の性状(various onboard aspects)、または車両132上にインストールされたモーションベース(動作盤)または回転装置を制御するために実施することができた。アクチュエーター118は、追加的に客134による乗り物の参加(ride participation)に基づいた双方向スコアを追跡するハードウェアまたはソフトウェア制御として実施しうる。さらに他の具体化において、アクチュエーター118はさらに他の場所変数を制御するために実施されうる。
【0020】
乗車セグメント124および126は乗車セグメント128で再結合する。このように、乗車セグメント124または126に続いた後、車両132は乗車終了130にまで乗車セグメント128を続ける。乗車セグメント128は幽霊屋敷の乗り物の最終部分であり、それはこの具体化において追加的な幽霊屋敷の特長を含まない。乗車終了130で降りた後に、客134は退去するか、または再搭乗をするために乗車開始120に戻ることができる。
【0021】
図2は、本発明の一具体化に従い、センサー測定結果に基づいて双方向性を提供するための模範的な方法のフローチャート200を示す。一定の詳細および特長をこの技術での通常の技量の者にとって明らかなフローチャート200から省略した。例えば、この技術において既知なように、1つのステップ(工程)は1種またはそれよりも多くのサブステップを含んでよく、または特殊な器具または物質を包含することができる。フローチャート200において指し示すステップ210から232までが、本発明の一具体化を説明するのに十分である一方で、本発明の他の具体化はフローチャート200において示すステップとは異なるものを利用することができる。
【0022】
フローチャート200のステップ210において、客の経験をセンサー測定結果に基づいて個人化するための方法用の初期条件が確立される。例えば、客134に対応する客は、車両132に対応する車両に搭乗する。車両は、乗車開始120に対応する搭乗場所から、乗車終了130に対応する終点場所に向かって移動し始める。車両が移動するのに従って、客はシステム100のアニメの図解に対応する種々の幽霊屋敷の特長にさらされる。センサー110に対応するセンサーは乗車セグメント122に対応する乗車セグメントを観察するために正しい向きに置かれ、制御システム114に対応する制御システムはセンサー測定結果を受け取り、そしてアクチュエーター118に対応するアクチュエーターは制御システムによって制御される。
【0023】
フローチャート200のステップ212および214において、制御システムは車両がセンサーの範囲に入るのを待つ。車両が範囲に入らない限り、ステップ214から212までのループバックに例証するように、制御システムは待機する。車両が範囲に入った後、ステップ214から216への移行に例証するように、センサーは客変数測定結果を制御システムに送る。
【0024】
フローチャート200のステップ216で、車両がセンサーの範囲において乗車セグメントに到着し、そしてセンサーは客変数を測定し始める。本発明のこの具体化において、センサーは心拍を測定するバイオメトリックセンサーであるが、センサー110のように、他の具体化においてセンサーは、皮膚温または汗のようなバイオメトリクスを測定することができた。追加的に、センサーを、顔認識センサー、音声ストレス分析センサー、ジェスチャー認識センサー、動作追跡センサーとして、または視線追跡センサーとして構成することができた。この具体化において、センサーは、客の心拍を測定し、そしてリンク116に対応するリンクを介して、心拍を制御システムに伝える。
【0025】
フローチャート200のステップ218において、制御システムは、センサーから心拍測定結果を受け取り、そして例えば、恐怖または倦怠の客の状態を指し示すかどうか定めるために、心拍測定結果の処理を進める。システム100におけるように、休止状態の人は典型的に低い心拍をもつ一方、恐怖の状態の人は典型的に高い心拍をもつ。このようにして、客の心拍に基づいて、制御システムは、幽霊屋敷の特長にさらされた後に客が恐怖の客の状態を経験しているかどうか定めることができる。高い心拍によって示唆されるように、客が恐怖を経験する場合、フローチャート200はステップ220へ進むが、客がそうでない場合、フローチャート200はステップ222へ進む。
【0026】
フローチャート200のステップ220において、制御システムは客が恐怖を経験していると定め、そして結果的に、アクチュエーターが車両を、システム100における乗車セグメント124に対応するパス(経路)Aに送るために構成されることによって場所変数を修飾した。乗車セグメント124および126のように、パスAおよびBは、物理的に分かれ、そして客を異なる幽霊屋敷の特長にさらす。パスA上で、既に驚いた客は、制御システムによって既に定められた恐怖の客の状態を維持するために算出されるより一層少ない恐怖感の図解にさらされる。ステップ220の後、フローチャート200は別の車両を待つためにステップ212へループバックする。
【0027】
フローチャート200のステップ222において、制御システムは、客が恐怖を経験していることを定めることができなかったら、また次に、客が倦怠を経験しているかどうかを定めるよう試みる。客が倦怠の客の状態を指し示す低い心拍をもつ場合、制御システムは、アクチュエーターが、車両をステップ224におけるパスBに送るように構成されることによって場所変数を修飾する。その代わりに、客が倦怠を指し示す心拍より高いが、まだ恐怖を指し示す心拍より低い中間の心拍をもつ場合、フローチャートはステップ226へ進む。
【0028】
フローチャート200のステップ224において、制御システムは客が倦怠の客の状態を経験していると定め、そしてアクチュエーターを、車両がシステム100における乗車セグメント126に対応するパスBに送られるように構成した。パスAと対照的に、そこでは既に驚いた客がより一層少ない恐怖感の図解にさらされ、パスB上で、倦怠を感じた客はより一層多くの恐怖感の図解にさらされる。そうすることによって、倦怠を感じた客は、より一層多くの恐怖を経験しえ、そして従って最終的に幽霊屋敷の経験場所から増大した満足感を提供されうる。ステップ224の後、フローチャート200は、別の車両を待つためにステップ212へループバックする。
【0029】
フローチャート200のステップ226において、制御システムは測定された客の可変性の心拍に基づいて客の状態を定めることができず、それは心拍が中間的範囲だからである。この状態において、制御システムはいくつかの乗り物の方針のうちの1つを実施することができる。制御システムは、例えば、アクチュエーターが、車両をいずれのパスAまたはB上へもランダムに向けるように構成することによって、場所変数を修飾するかもしれない。ランダムにパスを選ぶことによって、テーマパークの乗り物は、中間的な客の状態である客のために多様な経験を確実にする。あるいはまた、制御システムを、パスの経過(path wear)を等しくするために、より一層少ない全体の乗り物の通行量(ride traffic)を経験したパスを選ぶように実施しうる。この具体化において、制御システムは、あらゆる客にとって乗り物をより一層多くの恐怖感にするために、心拍が中間的な範囲にあるときにパスBをデフォルトとする。中間的な心拍についてパスBをデフォルトとするとき、フローチャート200は、ステップ228へ進み、そして次いで別の車両を待つためにステップ212にループバックする。心拍の読みがまったく存在しない場合、フローチャートはステップ230へ進む。
【0030】
フローチャート200のステップ230では、センサーは車両における客から心拍を検出することができない。例えば、この状況は空車が幽霊屋敷へ届けられるときに起こるかもしれない。空車は再利用のために素早く乗車終了まで幽霊屋敷を通過しなければならず、そしてこれはより一層短いパスに空車を送ることによって達成することができる。このように、パスAがより一層短い場合、この具体化において制御システムは、ステップ232でのパスAに空車を送り、そして次いで別の車両を待つためにステップ212にループバックする。
【0031】
システム100および200において描かれる具体化とは異なるものにおいて、本発明の経験場所は、例えば、ショッピングモールのようなウォークスルー(通って歩く)の経験の形式をとることができる。ショッピングモールにおける店頭展示(ディスプレイ)は、客が進む方向の店頭展示における客変数を測定する動作追跡センサーを備えることができる。制御システムは次いで、客が魅力的であること見出した店頭展示の客の状態を定めることができ、そして照明制御によって具体化される場所変数を修飾することができ、それによって魅力的な店頭展示における光源が作動される。
【0032】
別の具体化では、本発明の体験場所は、ハイエンド(高性能)アーケードのような場所ベースの娯楽場所の形態をとることができる。ハイエンドアーケードにおいて、客の群(グループ)は、感情ベースのビデオゲーム経験において一緒に参加する(participate)ことができる。ビデオゲームは、客の声においてストレスの量の客変数を測定するために、音声ストレス分析センサーを備えることができる。制御システムは次いで、例えば、群の興奮度の客状態を定めることができ、そしてゲーム強度を増し、または減らすために、ビデオゲーム強度のコントロールとして埋設される場所の変数を修飾することができ、それによって客の群に増大した満足度が提供される。
【0033】
別の具体化では、本発明の体験場所は、家庭用娯楽センターのような家庭内の室内映像(映画)鑑賞(in-home movie-waching)場所の形態をとることができる。家庭用娯楽センターの客はそれを、例えば、多重の筋書き(multiple plot lines)を組み込む映画を見るために用いることができる。家庭用娯楽センターは、家庭用娯楽センターの再生命令を指し示すジェスチャーの形態で客変数を測定するために、ジェスチャー認識センサーを備えることができる。制御システムは次いで、例えば、早送りまたはジェスチャーに基づいた映画の再生を停止したいという希望の客状態を定めることができ、そして再生命令を実行するために、家庭用娯楽センター再生制御として具現化される場所変数を修飾することができる。さらに別の具体化では、家庭用娯楽センターには、視聴者が恐怖、笑いなどの状態にあるかどうか、また従って映像の筋書きを修飾するかどうか定めるために、視聴者の心拍、視聴者の眼または視聴者の顔の表情を監視するためのセンサーが含まれうる。例えば、視聴者がホラー映画を見ており、そして視聴者が恐怖状態にない場合、多重の筋書きが映画のセグメントに存在するとき、筋書きは、視聴者を恐怖状態におくために選定することができる。他方、視聴者が既に高度の恐怖状態にあることが定められる場合、そのセグメントから映画が進むように、より一層少ない怖い筋書きを選ぶことができる。
【0034】
家庭用娯楽センターはまた、どの映画キャラクターを客が見るかの客変数を測定するために、視線追跡センサーを備えることができる。例えば、ビデオ再生の間に、どのキャラクターを客が最も興味深いと感じるかに依存して、客は異なる映画キャラクターに視線を集中することができる。制御システムは次いで、キャラクターの興味の客状態(a character interest guest state)を決定することができ、そしてより一層多くの興味のキャラクターを特色とする眺めを含む映像の筋書きを選ぶために、家庭用娯楽センターコントロールとして具現化される場所変数を修飾することができる。
【0035】
このように、本出願はセンサー測定結果に基づいた双方向性を提供するためのシステムおよび方法を開示する。システムの一具体化は、客変数を検知するためのバイオメトリックセンサー、客変数に基づいて客状態を定めるためのコンピュータ制御システム、およびテーマパークの乗り物車両および客を客の客状態のために適するパスに送ることによって場所変数を修飾するための電気的に作動させるアクチュエーターを利用する。センサーは遠くから客の心拍を測定し、そして制御システムは、客が怖がるか、または倦怠を感じるかを定めるために、心拍測定結果を用いる。この決定を行った後、制御システムは、客の体験を個人化し、そしてその者に乗り物からの増大した満足度を提供するために、その者の車両での客をより一層多いか、または少ない恐怖感のパスへ案内するようにアクチュエーターを構成することができる。
【0036】
本発明の上記説明から、本発明の概念を実施するために、その範囲から外れることなく種々の技術を用いることができることは明らかである。さらに本発明を一定の具体化の特定の参照と共に記載するが、この技術における通常の技量の者は本発明の精神および範囲から外れることなく形態および詳細において修正することができると認識するであろう。また、本発明が本明細書において記載する特定の具体化に制限されることはないが、本発明の範囲から外れることなく多くの再構成、修飾、および置換が可能であると理解されるべきである。
図1
図2