(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
なお、全ての図面を通じて、同一ないし相当する構成要素には同じ参照番号を付し、以下の具体的な説明では、このような構成要素の重複的説明を省略する場合がある。
【0024】
また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。つまり、以下の具体的な説明は、本発明の「被計量物の供給装置」および「味付け装置」の一例を示しているに過ぎない。
【0025】
よって、本発明の「被計量物の供給装置」および「味付け装置」を特定した構成要素と同一の用語、或いは、これと相当する用語に、適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な装置は、これに対応する本発明の「被計量物の供給装置」および「味付け装置」の構成要素の一例である。
【0026】
例えば、以下の実施形態の「ピッキングコンベア1」と「振動フィーダ10」と「計量コンベア20」と「制御器30」とを組み合わせた構成は、あくまで、本発明の「被計量物の供給装置」の一例に過ぎない。本発明の「被計量物の供給装置」の他の具体例は、後述の変形例1において記載されている。
【0027】
また、以下の実施形態の「超音波センサ13A、13B、13C」は、あくまで、本発明の「被計量物の層厚を計測する反射型の層厚計測器」の好適な一例として記載されているに過ぎない。本発明の「被計量物の層厚を計測する反射型の層厚計測器」の他の具体例は、後述の変形例2において列挙されている。
(実施形態)
図1および
図2は、本発明の実施形態の味付け装置の要部を示した図である。
図1には、味付け装置100の側面図が示され、
図2には、味付け装置100の平面図が示されている。
【0028】
図1および
図2に示すように、本実施形態の味付け装置100は、スナック菓子の半製品を搬送しながら計量できる多段の被計量物(ここでは、スナック菓子の半製品)の供給装置によって構成されている。具体的には、多段の被計量物の供給装置は、被計量物の搬送方向から順に、ピッキングコンベア1と、振動フィーダ10(電磁フィーダ)と、計量コンベア20と、を備える。
【0029】
また、被計量物の供給装置は、制御器30と、制御器30による制御対象の状態を時々刻々と知るための様々な計測器(例えば、後述の超音波センサやリニアエンコーダ)と、を備える。
【0030】
更に、味付け装置100では、上記被計量物の供給装置の他、計量コンベア20の後段の適所に、傾倒フィーダ40と、アプリケータ45と、タンブラーミキサ50(混合機)と、が配置されている。
【0031】
以上により、味付け装置100では、例えば、スティック状のじゃがいも等のスナック菓子の半製品の味付けが行われる。
【0032】
なお、ここでは、詳細な説明は省略するが、味付け装置100の後段において、組合せ秤(図示せず)を備え、さらに組合せ秤の後段において包装機(図示せず)を備えてもよい。これにより、味付け装置100に、組合せ秤と包装機とを併設できるので、スナック菓子製造システムを構築することができる。
【0033】
以下、
図1および
図2を参照しながら、本味付け装置100の各機器の構成を更に詳しく説明する。
【0034】
図1に示すように、ピッキングコンベア1は、
油揚げされたスナック菓子の半製品を搬送することにより、振動フィーダ10に半製品を排出できるコンベアベルト(図示せず)を備える。ピッキングコンベア1による半製品の搬送途中において、不良の半製品がオペレータの目視検査によってピックアップされて排除される。
【0035】
図1および
図2に示すように、振動フィーダ10は、ピッキングコンベア1の後段に配され、ピッキングコンベア1の端部から排出された半製品(良品)を載せるトラフ11と、このトラフ11を支持して振動させる振動装置12と、を備える。
【0036】
振動装置12の振動力によって、トラフ11に載った半製品が小刻みに動く。これにより、半製品は、トラフ11の搬送路上を直線状に搬送される。
【0037】
また、味付け装置100には、トラフ11に層状に積み重なった半製品の層厚を計測できる3個の超音波センサ13A、13B、13Cと、これらの超音波センサ13A、13B、13Cを振動フィーダ10の適所に固定できるブラケット14と、が配されている。
【0038】
詳しくは、
図2に示すように、味付け装置100を平面視した場合、超音波センサ13A、13B、13Cのセンサヘッドのそれぞれがトラフ11の幅方向のほぼ中央に位置するよう、これらの超音波センサ13A、13B、13Cは、トラフ11の搬送路に沿って一直線に配されている。
【0039】
なお、ここでは、超音波センサ13Cが、計量コンベア20の端部から直近の位置に配され、超音波センサ13Aが、計量コンベア20の端部から最も離れた位置に配されている。また、超音波センサ13Bが、超音波センサ13Aと超音波センサ13Cとの間のほぼ中間に配されている。
【0040】
そして、本実施形態の味付け装置100では、超音波センサ13A、13B、13Cのセンサヘッドから超音波が発信され、半製品に当たって反射してくる超音波を超音波センサ13A、13B、13Cのセンサヘッドが受信する。このような超音波の発信から受信までの時間を計測することにより、半製品の表面の高さ位置を知ることができ、ひいては、半製品の層厚を計測できる。
【0041】
また、
図1および
図2に示すように、計量コンベア20は、ベルトコンベア21と、重量検出器(例えば、ロードセル)22と、を備える。
【0042】
ベルトコンベア21は、半製品を載せるコンベアベルト21Cと、コンベアベルト21Cの駆動に用いる一対のローラ21A、21Bと、これらのローラ21A、21Bに対して駆動力を与える駆動モータ(図示せず)と、を備える。これにより、ベルトコンベア21に載った半製品がコンベヤ搬送される。
【0043】
また、ベルトコンベヤ21が重量検出器22に支持され、重量検出器22は、床に置かれた架台23に固設されている。これにより、振動フィーダ10の端部から排出された半製品が、ベルトコンベア21に載ってコンベア搬送される際に、半製品の重量が、重量検出器22を用いて検出される。
【0044】
図1に示すように、リニアエンコーダ24が、ベルトコンベア21に配置され、これにより、リニアエンコーダ24は、コンベヤベルト21Cの送り長を計測する測長器として機能する。なお、コンベヤベルト21Cの送り長を計測する理由については後述する。
【0045】
また、
図1および
図2に示すように、傾倒フィーダ40は、シュート41と、このシュート41を支持して振動させる振動装置42とを備える。
【0046】
シュート41は、シュート41の半製品搬送用の傾斜面が計量コンベア20の端部の下方に位置するように配されて、ここから半製品の搬送方向において斜め下方に傾倒している。これにより、シュート41は、半製品受入姿勢(
図1の実線で示したタンブラーミキサ50の姿勢)のタンブラーミキサ50に向かって延びるように構成されている。なお、シュート41を支持する振動装置42は、床に置かれた架台43上に固設されている。
【0047】
また、
図1および
図2に示すように、タンブラーミキサ50は、シュート41からの半製品の投入口兼タンブラーミキサ50からの半製品の排出口となる開口50Aが形成されたポット型の容器50Bを備える。この容器50B内に、半製品および調味料の撹拌用の羽根(図示せず)等が設けられている。
【0048】
タンブラーミキサ50の容器50Bは、水平軸Hの回りに回動可能に、かつ、水平軸Hと略直交する自転軸Gの回りに自転可能に構成されている。つまり、容器50Bは、傾転用モータ(図示せず)によって水平軸Hの回りに回動でき、自転用モータ(図示せず)によって自転軸Gの回りに自転できる。そして、この自転軸G上の容器50Bの端部に開口50Aが設けられている。
【0049】
また、
図2に示すように、アプリケータ45は、適宜の調味料(例えば、塩)を供給できる装置である。このアプリケータ45は、例えば、スクリューフィーダ46と、スクリューフィーダ46の駆動部47と、調味料を貯留するホッパ(図示せず)と、調味料の供給量の測定に用いる重量検知器(図示せず)と、を備える。なお、このアプリケータ45は、床に置かれた架台(図示せず)に固設されている。
【0050】
スクリューフィーダ46は、ホッパ内の底部を貫通し、その先端が、シュート41の傾斜面の幅方向中央付近の上方に到達するよう、配設されている。そして、モータ及びギア等からなる駆動部47によって、スクリューフィーダ46内のスクリュー(図示せず)を回転できる。すると、ホッパ内の底部の調味料がスクリューフィーダ46の先端方向へ送られて、調味料がその先端から送出される。
【0051】
これにより、調味料が、シュート41の傾斜面上の適所に供給され、その結果、シュート41上を滑走する半製品に調味料がまぶされる。
【0052】
なお、アプリケータ45から供給される調味料の供給量は、供給開始直前の重量検出器の計量値から供給終了直後の重量検出器の計量値を減算した値を用いて算出できる。
【0053】
以上の如く構成された味付け装置100では、まず、ピッキングコンベア1において、スティック状のじゃがいもが油揚げされた、味付け前の半製品の良否選別が行われ、良品の半製品のみが振動フィーダ10に供給される。
【0054】
すると、振動フィーダ10の振動により半製品が搬送され、振動フィーダ10での半製品の搬送途中において、振動フィーダ10上に層状に積み重なった半製品の層厚が超音波センサ13A、13B、13Cを用いて計測された後、半製品は、計量コンベア20に排出される。そして、計量コンベア20での半製品の搬送途中では、半製品の重量が、計量コンベア20により計量される。
【0055】
このとき、本実施形態の味付け装置100では、超音波センサ13A、13B、13Cによって計測された半製品の層厚に基づいて、計量コンベア20上の半製品の層厚が一定となるよう、計量コンベア20による半製品のコンベア搬送速度を制御することを特徴とする。その詳細は後述する。
【0056】
半製品の重量が計量された後、半製品は、傾倒フィーダ40のシュート41の傾斜面に排出され、半製品がジュート41の傾斜面上を滑走する間に、アプリケータ45からの調味料が半製品に振りかけられ、半製品と調味料と、が、タンブラーミキサ50に供給される。
【0057】
タンブラーミキサ50では、タンブラーミキサ50の自転により、タンブラーミキサ50内で半製品と調味料と、が攪拌されてより均一に混合される。そして、両者が充分に攪拌された後、開口50Aが下方を向くようにタンブラーミキサ50が、矢印a1(
図1参照)の方向へ回動して半製品の排出姿勢(
図1の二点鎖線で示したタンブラーミキサ50の姿勢)を取り、開口50Aから味付けされた半製品が、排出コンベア60上に排出される。
【0058】
タンブラーミキサ50から排出コンベア60に排出された半製品と調味料との混合物(味付けされた半製品)は、排出コンベア60を用いて組合せ秤(図示せず)に供給され、組合せ秤で、複数のグループに分けて計量され、合計重量が所定重量範囲内となるグループの組合せを1つ求め、その組合せに選ばれたグループの混合物が一塊として排出されることが繰り返され、順次、包装機(図示せず)に排出される。包装機では、組合せ秤から繰り返し排出される一塊の混合物を順次袋詰めするように構成されている。
【0059】
このようにして、本実施形態の味付け装置100を用いて、スティック状のじゃがいも等のスナック菓子が製造される。
【0060】
次に、本実施形態による味付け装置100の制御系について、
図3を参照しながら説明する。
【0061】
図3は、本発明の実施形態による味付け装置の制御系の概略を示したブロック図である。
【0062】
制御器30は、マイコン(CPU)等からなる演算部と、RAM及びROM等のメモリとを備える。メモリには、運転用プログラム、多数の運転パラメータの設定データ、その他計量値データ等が記憶される。
【0063】
図3に示すように、制御器30は、例えば、超音波センサ13A、13B、13C、重量検出器22およびリニアエンコーダ24の信号を受け取り、これらの信号に基づいて、制御器30のメモリに記憶されている運転用プログラムの実行によって、以下のような様々な制御対象を操作することができる。これにより、制御器30は、味付け装置100全体を制御することができる。
【0064】
振動フィーダ駆動回路30Bは、振動フィーダ10の振動装置12の振動動作を制御する回路である。よって、制御器30は、振動フィーダ駆動回路30Bを用いて振動装置12の振動動作を制御し、ひいては、振動フィーダ10のトラフ11に載った半製品の振動搬送速度を制御できる。
【0065】
計量コンベア駆動回路30Cは、駆動モータ制御用のインバータ回路を備え、ベルトコンベア21のローラ21A、21Bを回転する駆動モータをインバータ制御する回路である。よって、制御器30は、計量コンベア駆動回路30Cを用いてベルトコンベア21の駆動モータをインバータ制御し、ひいては、計量コンベア20のベルトコンベア21に載った半製品のコンベア搬送速度を高精度に制御できる。
【0066】
傾倒フィーダ駆動回路30Dは、傾倒フィーダ40の振動装置42の振動動作を制御する回路である。よって、制御器30は、傾倒フィーダ駆動回路30Dを用いて振動装置42の振動動作を制御し、ひいては、傾倒フィーダ40のシュート41の傾斜面に載った半製品の滑走状態を制御できる。
【0067】
タンブラーミキサ駆動回路30Eは、タンブラーミキサ50の自転用モータの自転動作(例えば、モータの軸の回転速度)および傾転用モータの傾転動作を制御する回路である。よって、制御器30は、タンブラーミキサ駆動回路30Eを用いて、タンブラーミキサ50の自転動作及び傾転動作を制御し、ひいては、タンブラーミキサ50内の半製品と調味料の撹拌状態およびタンブラーミキサ50の姿勢状態を制御できる。
【0068】
アプリケータ駆動回路30Fは、アプリケータ45のスクリューフィーダ46のスクリュー駆動用モータの動作を制御する回路である。よって、制御器30は、アプリケータ駆動回路30Fを用いて、スクリューフィーダ46のスクリューの回転動作を制御し、ひいては、スクリューフィーダ46の先端からの調味料の供給量を制御できる。
【0069】
また、
図3に示すように、制御器30は、操作パネル30Aからの信号を受け取るとともに、操作パネル30Aに表示するデータ等の信号を出力する。
【0070】
操作パネル30Aは、タッチスクリーン式のディスプレイを備える。これにより、ディスプレイの画面上で、味付け装置100、および、排出コンベア60の運転開始及び停止の操作を容易に行うことができる。
【0071】
また、ディスプレイの表示画面を運転パラメータ設定用の画面に切り替えて、味付け装置100、および、排出コンベア60のそれぞれの運転パラメータの設定等を行うこともできる。
【0072】
例えば、本実施形態の味付け装置100では、3個の超音波センサ13A、13B、13Cを用いることを例示しているが、このような超音波センサの個数についても、装置の構成に応じて、ディスプレイ上で適宜の値に変更できる。
【0073】
また、味付け装置100の運転中は通常、ディスプレイ上に、味付け装置の運転状況が表示される。
【0074】
なお、制御器30は、処理機能を有するどのような処理装置でもよい。よって、制御器30は、上述のマイコン(CPU)の他、例えば、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等の様々な処理装置によっても構成できる。
【0075】
また、制御器30は、必ずしも単独の装置で構成される必要はない。制御器30は、複数の装置が分散配置されていて、それらが協働して味付け装置100等の動作を制御してもよい。
【0076】
以上の如く構成された味付け装置100の動作の一例を、
図4を参照しながら、以下に詳しく説明する。
【0077】
図4は、本発明の実施形態による味付け装置の動作タイミングを示したタイムミングチャートである。
【0078】
上述のとおり、制御器30によって、本実施形態の味付け装置100の動作が制御される。なお、本例では、排出コンベア60は、味付け装置100の運転開始時から終了時まで常時動作するように制御されているものとする。
【0079】
図4に示すように、時刻t1において、振動フィーダ10による半製品の供給動作が開始するとともに、計量コンベア20による半製品の搬送動作が開始する。
【0080】
例えば、超音波センサ13A、13B、13Cのそれぞれにおいて、半製品の基準スタート層厚を予め設定してもよい。すると、これらのセンサ13A、13B、13Cから選択された特定の超音波センサが計測する半製品の層厚が、上記基準スタート層厚以上になったとき、振動フィーダ10による半製品の供給動作および計量コンベア20による半製品の搬送動作を開始するよう、振動フィーダ10および計量コンベア20の動作を制御できる。
【0081】
このとき、制御器30は、超音波センサ13A、13B、13Cによって計測された振動フィーダ10上の半製品の層厚に基づいて、計量コンベア20上の半製品の層厚が一定となるよう、ベルトコンベア21による半製品のコンベア搬送速度を制御している。例えば、半製品の層厚を、超音波センサ13A、13B、13Cのそれぞれによって計測された半製品の層厚の平均値として求め、この平均値に基づいて、計量コンベア20上の半製品の層厚が一定となるよう、ベルトコンベア21による半製品のコンベア搬送速度を決定してもよい。
【0082】
また、計量コンベア20直近の超音波センサ13Cを用いて、常時、振動フィーダ10の端部での半製品の層厚変化を監視してもよい。これにより、計量コンベア20直近の振動フィーダ10上の半製品に、著しい層厚の増減が生じた場合でも、計量コンベア20上の半製品の層厚が一定となるよう、ベルトコンベア21による半製品のコンベア搬送速度を一時的に変更することができる。
【0083】
このように、本実施形態の味付け装置100は、超音波センサ13A、13B、13Cによって計測された振動フィーダ10上の半製品の層厚を、振動フィーダ10の振動動作に連動(フィードバック)させずに、振動フィーダ10の後段の計量コンベア20を、制御器30の制御対象とすることに特徴がある。
【0084】
上述のとおり、計量コンベア20では、計量コンベア駆動回路30Cを用いてベルトコンベア21の駆動モータをインバータ制御できる。よって、本実施形態の味付け装置100は、計量コンベア20上に載った半製品のコンベア搬送速度を高精度に調整できるので、計量コンベア20上の半製品の層厚の均一性が、振動フィーダ10の振動動作によって半製品の層厚をフィードバック制御する場合に比べて向上するという効果がある。
【0085】
以上により、本実施形態の味付け装置100では、計量コンベア20上の半製品の層厚をほぼ一定にすることができ、計量コンベア20の下流側の傾倒フィーダ40に供給される半製品の層厚の変動が抑制される。その結果、傾倒フィーダ40における半製品への調味料添加(調味料の振りかかり方)を均一に行うことができ、半製品の品質(味付け)のばらつきが改善する。
【0086】
次いで、計量コンベア20に半製品が供給されている最中に重量検出器22で計量される半製品の重量が所定の基準重量Waに到達したとき、振動フィーダ10の振動装置12の駆動が停止するとともに、計量コンベア20のベルトコンベア21の動作が停止する(時刻t2)。
【0087】
このとき、ベルトコンベア21のコンベアベルト21C上に載せることができる半製品の最大長さは、味付け装置100の装置構成により決まっている(つまり、この最大長さは、コンベアベルト21Cの長手方向の全長以下である)。このため、計量コンベア20に最初に供給された半製品が、ベルトコンベア21の先端から傾倒フィーダ40のシュート41に落下しないよう、コンベアベルト21Cの送り長が、リニアエンコーダ24を用いて時々刻々と計測(監視)されている。
【0088】
これにより、制御器30は、コンベアベルト21Cの送り長と重量検知器22で計量される半製品の重量の変化とを用いて、上記基準重量Wa以上の半製品が、コンベアベルト21C上に載るよう、ベルトコンベア21による半製品のコンベア搬送速度を、所望の値に設定している。
【0089】
次いで、制御器30は、計量コンベア20による半製品の搬送終了時(時刻t2)から、計量コンベア20による半製品の排出開始時(時刻t3)迄の期間(以下、「重量取得期間」という)に、重量検出器22で計量される半製品の重量(最終静重量)を取得する。このように、本実施形態の味付け装置100は、計量コンベア20上の被計量物を傾倒フィーダ40に間欠的に送るように構成され、その結果、上記重量取得期間中に最終静重量が、計量コンベア20の重量検出器22によって計量されている。
【0090】
これにより、計量コンベア20のベルトコンベア21上に載っている半製品の静止状態での正確な重量が得られる。
【0091】
その後、時刻t3において、計量コンベア20のベルトコンベア21の動作が再び開始する。これにより、ベルトコンベア21上の半製品が傾倒フィーダ40のシュート41に排出される。
【0092】
また、時刻t3において、傾倒フィーダ40の振動装置42の駆動が開始する。これにより、振動装置42による振動がシュート41に与えられ、その結果、シュート41上の半製品がタンブラーミキサ50に向けてスムーズに滑走する。
【0093】
次いで、時刻t3から所定時間経過後の時刻t4において、アプリケータ45から調味料の供給が開始するとともに、タンブラーミキサ50の自転(撹拌)動作が開始する。
【0094】
これにより、シュート41を滑走途中の半製品に、半製品の重量に応じた添加重量の調味料が振りかけられ、半製品と調味料がタンブラーミキサ50に供給される。タンブラーミキサ50内で調味料と半製品とが攪拌される。
【0095】
このとき、重量取得期間(時刻t2と時刻t3の間の期間)で取得した半製品の重量(最終静重量)に基づいて、アプリケータ45から供給すべき調味料の目標供給量(添加重量)が決定され、調味料の実供給量が目標供給量に達するとアプリケータ45からの調味料の供給が停止する。
【0096】
特に、本実施形態の味付け装置100では、ベルトコンベア21上の半製品の層厚がほぼ一定となっているので、計量コンベア20の下流側の傾倒フィーダ40に供給される半製品の層厚の変動が抑制される。よって、単位時間あたりの調味料の供給量を一定にすれば、半製品への調味料添加(振りかかり方)を均一にできるので都合がよい。
【0097】
なお、ここで、調味料の目標供給量は、上記重量取得期間(時刻t2と時刻t3の間の期間)で取得した半製品の重量値に予め定められた添加率を乗算することによって算出できる。
【0098】
また、調味料の実供給量は、例えば、アプリケータ45の重量検出器の調味料供給開始前の計量値から調味料供給中の計測時の計量値を減算することにより算出できる。つまり、アプリケータ45は、調味料を供給する際、供給している調味料の重量が目標供給量(添加重量)に達すると供給を停止する。
【0099】
更に、単位時間あたりの調味料の供給量は、例えば、調味料の目標供給量と、リニアエンコーダ24によって予測されるコンベアベルト21C上に載った半製品の長さと、に基づいて算出できる。
【0100】
次いで、計量コンベア20から半製品を排出しているときに重量検出器22で計量される半製品の重量値が0(あるいは半製品が無い状態の値)になると、計量コンベア20のベルトコンベア21の動作が停止し(時刻t5)、このベルトコンベア21の動作停止から所定時間経過後の時刻t6で、傾倒フィーダ40の振動装置42の駆動が停止する。
【0101】
そして、時刻t6から所定時間経過後の時刻t7になるまで、タンブラーミキサ50の自転動作が継続し、時刻t7になるとタンブラーミキサ50の自転動作が停止する。その後、タンブラーミキサ50を傾転させ、タンブラーミキサ50の開口50Aを下方に向けた状態(
図1中の二点鎖線で示した状態)にすることにより、タンブラーミキサ50内の調味料が添加された半製品が排出コンベア60上に排出される。
【0102】
以上のとおり、本実施形態の味付け装置100(半製品の供給装置)は、スナック菓子等の半製品を振動により搬送する振動フィーダ10と、振動フィーダ10上に層状に積み重なった半製品の層厚を計測する超音波センサ13A、13B、13Cと、振動フィーダ10の端部から排出された半製品がコンベア搬送される際に、重量検知器22を用いて、半製品の重量を計量する計量コンベア20と、制御器30と、を備える。
【0103】
そして、制御器30は、振動フィーダ10に積み重なった半製品の層厚に基づいて、計量コンベア20上の半製品の層厚が一定となるよう、計量コンベア20のベルトコンベア21による半製品のコンベア搬送速度を制御している。
【0104】
かかる構成により、計量コンベア20上の半製品の層厚をほぼ一定にすることができる。よって、計量コンベア20の下流側の傾倒フィーダ40に供給される半製品の層厚の変動が抑制される。その結果、傾倒フィーダ40における半製品への調味料添加(調味料の振りかかり方)を均一に行うことができ、半製品の品質(味付け)のばらつきが改善する。
【0105】
特に、本実施形態の味付け装置100の計量コンベア20では、計量コンベア駆動回路30Cを用いてベルトコンベア21の駆動モータをインバータ制御できる。よって、本実施形態の味付け装置100は、計量コンベア20上に載った半製品のコンベア搬送速度を高精度に調整できるので、計量コンベア20上の半製品の層厚の均一性が、振動フィーダ10の振動動作によって半製品の層厚をフィードバック制御する場合に比べて向上するという効果がある。
(変形例1)
本実施形態では、被計量物の供給装置が、スナック菓子の半製品の味付けに用いる味付け装置100に組み込まれる例を述べたが、このような被計量物の供給装置の適用例はこれに限らない。
【0106】
つまり、本実施形態の被計量物の供給装置は、被計量物の層厚が一定(換言すると、被計量物の重量が一定)の状態で被計量物を供給することが必要となる様々なシステムに適用できる。例えば、本実施形態の被計量物の供給装置は、特開平1−148916号公報に記載の粉体状の被計量物を搬送する定量計量技術にも適用できる。
(変形例2)
本実施形態の味付け装置100では、半製品の層厚を計測可能な反射型の層厚計測器として、超音波センサ13A、13B、13Cを例示したが、これに限らない。
【0107】
例えば、超音波センサに代えて、光電センサ、赤外線センサ、レーザ測長器等を用いることもできる。
【0108】
但し、
油揚げされた半製品の表面に付着した油により、半製品の表面において光電センサ等から出射された光の乱反射が起こる場合がある。すると、光電センサ等を層厚計測器として用いた場合、半製品の層厚を適切に計測できない可能性がある。よって、半製品が
油揚げされたスナック菓子の半製品である場合、本実施形態の味付け装置100の如く、超音波センサを用いる方が好ましい。
(変形例3)
本実施形態の味付け装置100は、傾倒フィーダ40を設けないように構成することもできる。
【0109】
例えば、計量コンベア20のベルトコンベア21の先端およびスクリューフィーダ46の先端を、開口50Aを介してタンブラーミキサ50内に挿入するとよい。この場合、タンブラーミキサ50内において、半製品が自重により落下するときに、調味料を半製品の上方から当該半製品に振りかけるとよい。
(変形例4)
本実施形態の味付け装置100では、振動フィーダ10の前段にピッキングコンベア1が設けられているが、半製品の良品と不良品の選別が不良であれば、このようなピッキングコンベア1を設けないように構成しても、他の供給手段を設けるように構成してもよい。
【0110】
他の供給手段としては、ベルトコンベア、シュート、電磁フィーダ等の様々な装置を採用してもよい。
(変形例5)
本実施形態の味付け装置100では、コンベアベルト21Cの送り長を、リニアエンコーダ24を用いて時々刻々と計測(監視)する例を述べたが、コンベアベルト21Cの送り長の計測(監視)は、これに限らない。
【0111】
例えば、制御器30によって、ベルトコンベア21のコンベア搬送速度に基づいてコンベアベルト21Cの送り長の予測値を演算してもよい。