特許第5661497号(P5661497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5661497-配管の漏洩検出方法およびその装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661497
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】配管の漏洩検出方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20150108BHJP
【FI】
   G01M3/26 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-30851(P2011-30851)
(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公開番号】特開2012-168101(P2012-168101A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2013年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】池 田 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】野 田 祐 司
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−281518(JP,A)
【文献】 特開平06−249740(JP,A)
【文献】 実開平01−099037(JP,U)
【文献】 実開昭57−110441(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が立ち入ることのできる管径を有し、内部に流体を通すための配管において、
前記配管の漏洩発生が予測される箇所の内周面にそって配置される弾性資材からなる帯状のリング状シートと、
このリング状シートの内周面を拘束するよう全周域にわたって配置される剛性を有するリング状コアと、
このリング状コアに付設され前記リング状シートの両側縁部を配管の内周面に圧接させる加圧手段と、
前記リング状シートと配管内周面との間に構成される試験空間へ圧力流体を供給する圧力流体供給手段と、
その圧力流体供給系にあってその圧力変動を測定し配管の漏洩を検出する漏洩検出手段と
を具有し、
前記リング状コアは、周方向に複数に分割されたセクタ状コア部片の集合により構成され、これらコア部片を配管内においてリング状に接続して前記リング状シートの内周面に密接するよう組み立て自在とされており、
前記加圧手段は、前記リング状シートの周縁部内周面に当接する前記リング状シートとは別体の断面輪郭が方形形状の弾性を有するリング状クッション体と、このクッション体を前記リング状シートに押し付けるべく圧力流体の供給を受けて膨出自在な中空のチューブ構造の加圧リングと、この加圧リングに圧力流体を供給するための加圧用圧力流体供給手段とで構成されている
ことを特徴とする配管の漏洩検出装置。
【請求項2】
前記加圧リングおよびクッション体は、前記リング状コアの両側部に形成されたポケット内に装入されている請求項1記載の配管の漏洩検出装置。
【請求項3】
前記リング状シートは、断面が浅い凹陥状に形成され、その左右両側縁が肉厚とされていて前記加圧手段により押圧されるようになっている請求項1〜2のいずれか1項記載の配管の漏洩検出装置。
【請求項4】
前記肉厚の側縁部の外周面周方向に少なくとも2条の突堤が形成され、この突堤が配管の内周面に密接して試験の空間の気密性を保持するようになされている請求項3項記載の配管の漏洩検出装置。
【請求項5】
前記リング状クッション体は、断面輪郭が方形形状を有することを特徴とする請求項1項記載の配管の漏洩検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地中に埋設されて流体を通す大径管の継手部をはじめ他部の漏洩の有無を検出し、早期に対処するための配管の漏洩検出方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に農業用水、工業用水、上水道等に用いられる配管は、通常作業者が中に入れる程度の内径を有する大径管(700φ以上)が用いられる。
【0003】
これらの配管は経時と共にその管継手部の接合不良や、その他腐蝕の発生等による穿孔などから内部を流れる流体の漏洩が生じたり、逆に管内に地下水が流入するなどの不具合いをもたらす。
【0004】
特に地中に埋設される配管の場合にはその漏洩箇所を見出すことは容易ではない。
【0005】
従来では配管内を空にし、その両端を封止してその内部に水、空気等の圧力流体を圧入して損傷箇所からの漏洩状況を観察することにより損傷の有無を判断するようにしている。
【0006】
しかるに上記従来の検査方式では、流体の漏洩の有無は把握することができたとしても、その漏洩箇所を特定することが難しいばかりでなく、漏洩の検出に大くの時間と手数を要するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−125628
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に着目し、配管の漏洩発生箇所を局部的な探索によりその箇所を迅速かつ的確に発見し、早急に対処し得るようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する手段として本発明は、作業者が立ち入ることができる管径を有し、内部に流体を通すための配管において、この配管の漏洩検査対象位置の内周に弾性資材からなる帯状のリング状シートをその内周面を剛体で拘束して気密状態に覆い、そのリング状シートと配管内面との間に圧力流体を供給し、その圧力流体供給系における圧力変動を測定することにより配管の漏洩を検出するようにしたことにある。
【0010】
上記において、前記リング状シートの両側縁部を配管の内周面に圧接させ、気密性を高めるための加圧手段を付設することが好ましい。
【0011】
前記リング状シートの内周面を剛性をもって拘束するリング状コアは、周方向に複数の分割されたセクタ状コア部片の集合により構成し、これらコア部片を配管内においてリング状に接続して前記リング状シートの内周面に添わせるよう組み立て自在な構成とすることが好ましい。
【0012】
前記加圧手段としては、前記リング状シートの周縁部内周面に当接する弾性体からなるリング状クッション体と、このクッション体を前記リング状シートの側縁部に押し付けるべく圧力流体の供給を受けて膨出自在な加圧リングと、この加圧リングに圧力流体を供給する加圧用圧力流体供給手段とで構成することが好ましい。
【0013】
前記加圧リングおよびクッション体は、前記リング状コアの両側部に形成されたポケット内に装入するように設けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配管内を空にし、その配管の継手部や腐蝕などによる損傷箇所等漏洩が想定される部位の配管内周面にリング状シートを添わせ、そのリング状シートの内周面を剛性を有するリング状コアにより保形したうえそのリング状シートと配管内面との間に圧力流体を圧入し、その圧力変動を測定することにより配管に漏洩箇所が存在することを検出するようにしたので、配管全体に圧力流体を圧入して検査する必要がなく、部分的に順次行えるので漏洩検査を高能率かつ迅速に行うことができる効果がある。
【0015】
前記リング状シールの両側縁を配管の内周面に密着させる加圧手段を設ければ、該リング状シールと配管との間に形成される試験空間の気密性を一層高めることができ、検査精度を一段と向上させることができる。
【0016】
配管の内周面に接するのは弾力性を有するリング状シートであるから配管の内面を傷付けるなど配管を損傷させることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による管の漏洩検出方法を実施するための検出装置の概要を示す断面図。
図2図1のA−A相当の断面図。
図3】同、要部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の通用対象である配管およびリング状コア部分の断面図を示し、図2は本発明を管継手部の漏洩検査に適用した状態を示す図1のA−A相当の断面図を、図3は同要部の拡大断面図を示している。
【0019】
適用対象である配管1は、作業者が中に立ち入ることができる程度の内径を有する大径管(700φ以上)によるもので、その管継手部2は従来一般に採用されている配管と同様に一方の管1Aの管端に他方の管1Bの管端に外嵌する嵌合接続部3を有し、この嵌合接続部3の内端の段部3aに他方の管1Bの管端が当たることで嵌合接続位置が定められるようになっている。
【0020】
この配管1の管継手部2の内周面には、管1A,1Bの接合部に跨るようにシール材4が添設され、押えバンド5,5により管1A,1Bの内周面に密接してシール機能を奏するようになされている。
【0021】
次に上記の配管1の管継手部2における流体の漏洩の有無を検査する場合を例として説明する。
【0022】
上記の検査を行う本発明による漏洩検出装置は、図3にみられるように配管1の管継手部2の内周面にそっておかれる弾性資材からなるリング状シート6と、このリング状シート6の内周面を剛性をもって拘束するよう全周域にわたって配置されるリング状コア7と、このリング状コア7に付設されて前記リング状シート6の両側縁部6a,6aを管1A,1Bの内周面に圧接させる加圧手段8,8と、前記リング状シート6と配管1の内周面との間に形成される試験空間9へ試験用圧力流体を供給するポンプ10aを含む圧力流体供給手段10と、この圧力流体供給手段への圧力流体供給系にあってその供給圧力の変動を測定して漏れを検出する漏洩検出手段11とで構成されている。
【0023】
前記リング状シート6は、ゴム、合成ゴム、軟質合成樹脂などの強靱で弾性を有する資材で構成され、前記配管1の管継手部2に跨っておかれる幅を有し、その両側縁部6a,6aは肉厚に形成されていてその両側縁部6a,6aの外面両側位置には管1A,1Bの内周面に気密性を保って密接するよう突堤6b,6bが形成されている。
【0024】
前記リング状コア7は、周方向に複数に分割された形態のセクタ状コア部片7A,7A…の集合により形成され、これらセクタ状コア部片7A,7A…を配管1内においてボルト12等によりリング状に連結することで剛性を有するリング状コア7とされるようになされている。
【0025】
上記セクタ状コア部片7Aは、配管1の内周面と相似の曲面凸円弧面を有する押え面部13と、この押え面部13の幅方向中央部および左右両側部に設けられるリブ14,14,14および幅方向に直交する方向のリブ15,15とを有し、前記押え面部13には前記リング状シート6に取り付けられたプラグ16が挿通支持されており、このプラグ16に圧力流体供給手段10の配管がバルブ17を介して接続されるようになっている。
【0026】
前記コア部片7Aの幅方向両側部のリブ14,14の内側にはポケット18,18が形成されており、このポケット18,18内に前述の加圧手段8,8が設けられるようになっている。
【0027】
前記加圧手段8は、前記リング状シート6の側縁部6aの背面に当接するゴム等の弾性材からなるリング状のクッション体19と、このクッション体19の背面を押圧すべくポケット18内に埋設するように配設される加圧リング20とで構成され、この加圧リング20は中空のチューブ構造とされ、ポケット18の底部に装着されるプラグ21に接続されていて、このプラグ21を通じて加圧用圧力流体供給系22から圧力流体の供給を受けて膨出し、前記クッション体19を押圧してリング状シート6の側縁部6aを加圧し、管1A,1Bの内面に圧接させるようになっている。なお22aは上記供給系中に設けられるバルブを示す。
【0028】
上記加圧リング20に供給する圧力流体は、前記試験空間9へ供給する圧力流体の供給源と共用とするか、あるいは別個とするかは任意である。
【0029】
また前記リング状コア7に代え帯状部片で構成し、その端部をバックルにより綴じ合わせることによりリング状を呈するようにし、該バックルによりリング径を調節して前記リング状シート6の内周面に密接させるようにしてもよい。
【0030】
次に上記実施形態の作用を説明する。
【0031】
検査対象となる配管1の管継手部2からの漏洩を検査するには、図3に示すように管継手部2の継ぎ目を跨ぐようにその内周面にそってリング状シート6を添設し、その背面にリング状コア7のコア部片7Aの押え面部13を順次当接させつつコア部片7A,7A…同士をボルト12で締結し、最終的にリング状とする。
【0032】
そのときリング状コア7のポケット18,18内に加圧リング20とクッション体19をそれぞれセットしておき、そのクッション体19を前記リング状シート6の左右の側縁部6a,6aの背面に位置するようにセットする。
【0033】
次いで加圧リング20への圧力流体供給系22を通じ圧力流体を供給し、加圧リング20を膨張させてクッション体19の背部を押圧し、そのクッション体19,19によりリング状シート6の両側縁部6a,6aを管1A,1Bの内周面に押しつけて気密状態に密着させ、これにより配管1の管継手部2を含む管内面とリング状シート6とで配管1の内周全域にわたる試験空間9が気密状態に形成される。
【0034】
こうしたのちプラグ16を通じ圧力流体供給系10から圧力流体を前記試験空間9内に供給する。このときもし管継手部2に流体漏れがあると、圧力流体供給系中の圧力に変動が生じるのでこれを漏洩検出手段11が検知して流体漏れが生じていると判断し、管継手部2の補修に移行することになる。
【0035】
管継手部2以外の検査対象部位について検査する場合についても、漏洩が生じていると予測される部位の配管1の内面に前記と同様の手順によりリング状シート6、リング状コア7を組み付けて漏洩検査を行えばよい。
【符号の説明】
【0036】
1 配管
1A,1B 管
2 管継手部
3 嵌合接続部
4 シール材
5 バンド
6 リング状シート
6a 側縁部
6b 突堤
7 リング状コア
7A コア部片
8 加圧手段
9 試験空間
10 圧力流体供給手段
11 漏洩検出手段
13 押え面部
14,15 リブ
16,21 プラグ
18 ポケット
19 クッション体
20 加圧リング
22 加圧用圧力流体供給系
図1
図2
図3