(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661508
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】斜入射集光器用調節クリップ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20150108BHJP
F16B 1/02 20060101ALI20150108BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20150108BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20150108BHJP
G02B 7/18 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
H01L21/30 531A
F16B1/02 N
F16B5/02 Q
G03F7/20 521
G02B7/18
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-43458(P2011-43458)
(22)【出願日】2011年3月1日
(65)【公開番号】特開2011-205079(P2011-205079A)
(43)【公開日】2011年10月13日
【審査請求日】2014年2月28日
(31)【優先権主張番号】12/660,955
(32)【優先日】2010年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509105237
【氏名又は名称】メディア ラリオ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MEDIA LARIO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】特許業務法人 クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピロヴァノ、ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ギスランゾニ、リカルド
(72)【発明者】
【氏名】クールズ、ジャック
【審査官】
佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−109502(JP,A)
【文献】
特開2006−317913(JP,A)
【文献】
特表2007−536754(JP,A)
【文献】
特開2005−310922(JP,A)
【文献】
特開2004−309688(JP,A)
【文献】
特開2000−338430(JP,A)
【文献】
特表2010−537415(JP,A)
【文献】
特開2009−246047(JP,A)
【文献】
特表2005−501221(JP,A)
【文献】
特表2006−520107(JP,A)
【文献】
特表2010−507911(JP,A)
【文献】
米国特許第05334354(US,A)
【文献】
特開2011−155254(JP,A)
【文献】
特開2011−139043(JP,A)
【文献】
特開2011−176307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/00 − 1/04 、 5/00 − 5/12 、
G02B 7/00 、 7/18 − 7/24 、
G03F 7/20 − 7/24 、 9/00 − 9/02 、
H01L21/027、21/30 、
H05G 1/00 − 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポークを有するスパイダに斜入射集光器シェルを固定するための調節クリップであって、
上面を有し、前記スポークに固定されるように構成される基体と、
それぞれの端部に端部パッドを有する突起を2つ保持すると共に、前記突起の反対側に第1ヒンジ部を有する端部を保持するフォーク部材と、
前記基体の上面に固定され、前記第1ヒンジ部に動作可能に係合する第2ヒンジ部を有し、前記フォーク部材を前記基体に対して回転調節することができるようにするヒンジを形成するヒンジリーフと
を備える、調節クリップ。
【請求項2】
前記基体は、前記スポークに対して止めネジで固定されるように構成される
請求項1に記載の調節クリップ。
【請求項3】
前記ヒンジリーフは、前記基体の上面にレーザ溶接されている
請求項1または2に記載の調節クリップ。
【請求項4】
前記斜入射集光器シェルは、外面を有し、
前記端部パッドは、前記調節クリップが前記斜入射集光器シェルと前記スパイダとを強固に支持するように、前記斜入射集光器シェルの外面に固定される
請求項1から3のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項5】
前記端部パッドは、前記斜入射集光器シェルの外面にレーザ溶接されている
請求項4に記載の調節クリップ。
【請求項6】
前記第1及び第2ヒンジ部を貫通するピンをさらに備え、
前記ピンは、前記第1及び第2ヒンジ部を回転状態に係合する
請求項1から5のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項7】
前記端部パッドに圧力を加えるように構成される作動機構をさらに備える
請求項1から6のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項8】
前記作動機構は、前記端部パッドを押圧する端部をそれぞれ有する手動調節ネジを2つ保持する
請求項7に記載の調節クリップ。
【請求項9】
外面を有する斜入射集光器シェルを固定するための調節クリップであって、
複数の端部パッド及び第1ヒンジ部を有するフォーク部材と、
上面と、前記第1ヒンジ部に動作可能に係合される第2ヒンジ部とを有する基体部と
を備え、
前記フォーク部材は、前記基体部に対して回転調節可能である
調節クリップ。
【請求項10】
前記基体部の前記上面に固定されると共に前記第2ヒンジ部を有するリーフ部をさらに備える
請求項9に記載の調節クリップ。
【請求項11】
前記リーフ部は、前記基体部の前記上面にレーザ溶接されている
請求項10に記載の調節クリップ。
【請求項12】
前記基体部は、スパイダのスポークに対して止めネジで固定されるように構成される
請求項9から11のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項13】
前記端部パッドは、前記斜入射集光器シェルの外面にレーザ溶接されており、
前記基体部は、スパイダに固定され、前記斜入射集光器シェルと前記スパイダとを強固に支持する
請求項9から12のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項14】
前記端部パッドに圧力を加えるように構成される作動機構をさらに備える
請求項9から13のいずれかに記載の調節クリップ。
【請求項15】
前記作動機構は、前記端部パッドを押圧する端部をそれぞれ有する手動調節ネジを2つ保持する
請求項14に記載の調節クリップ。
【請求項16】
上縁を有するスポークを複数保持するスパイダに対して、外面および縁を有する斜入射集光器シェルを位置決めして固定する方法であって、
前記縁が前記複数のスポークの上縁の一部に載置されるように前記斜入射集光器シェルを前記スパイダ上に配置することと、
調節クリップの基体部を前記スポークの上縁に固定することと、
前記斜入射集光器シェルの外面に対向する複数の端部パッドを有するフォーク部材を前記基体部に対して回転自在な状態で固定することと、
前記基体部に対して回転されることにより前記フォーク部材が自己調節しながら、前記斜入射集光器シェルを前記スパイダに対して光学的に位置決めすることと、
前記端部パッドを前記斜入射集光器シェルの外面に固定し、前記斜入射集光器シェルと前記スパイダとを強固に支持することと
を備える方法。
【請求項17】
ヒンジを利用して前記フォーク部材を前記基体部に固定することをさらに備える
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基体部は、上面を有し、
前記基体部の前記上面に固定されると共に前記フォーク部材のヒンジナックルに動作可能に係合するヒンジリーフを利用して、前記ヒンジを形成することを備える
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基体部の上面に前記ヒンジリーフをレーザ溶接することをさらに備える
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記斜入射集光器シェルの外面に前記端部パッドをレーザ溶接することをさらに備える
請求項16から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記斜入射集光器シェル毎に、少なくとも3つの調節クリップに対して前記複数の工程を実行することを備える
請求項16から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
2つ以上の前記斜入射集光器シェルに対して前記複数の工程を実行することを備える
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記端部パッドに圧力を加えて前記斜入射集光器シェルの位置、形状、向きのうち少なくとも一つを調節することをさらに備える
請求項16から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
a)外面をそれぞれ有する一または複数の斜入射集光器シェルと、
b)前記一または複数の斜入射集光器シェルを支持する複数のスポークを有するスパイダと、
c)前記斜入射集光器シェル毎に、前記斜入射集光器シェルの外面および前記複数のスポークに固定される少なくとも一つの調節クリップと
を備え、
前記少なくとも一つの調節クリップは、
i)上面を有する基体部と、
ii)端部パッドを有する突起を複数保持するフォーク部材と
を有し、
フォーク部材は、前記端部パッドを前記斜入射集光器シェルの外面に固定する前に、前記フォーク部材を前記基体部に対して回転可能にするヒンジで基体部に固定され、
前記端部パットは、前記斜入射集光器シェルの外面に固定される
斜入射集光器ミラー。
【請求項25】
前記基体部に固定または一体形成されている支持部材を貫通する第1及び第2調節ネジをさらに備え、
前記第1及び第2調節ネジは、前記複数の端部パッドに圧力を加えるように前記端部パッドそれぞれに接触する端部をそれぞれ有する
請求項24に記載の斜入射集光器ミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に斜入射集光器(GIC)に関し、特にGICシェルをスパイダに固定するために使用される調節クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
EUVリソグラフィは、線幅約32nm以下の次世代半導体装置の製造に最適なリソグラフィプロセスとなることが予想されている。EUVの波長はわずか13.5nmであり、EUVを集光及び結像するためには特別な光学系を使用する必要がある。
【0003】
光源からの放射光を集光するために使用されるEUV光学システムとして、斜入射集光器(GIC)がある。典型的には、GICは、単数または複数の同心円状に配置されたGICシェルミラー(GICシェル)を有する。GICシェルは、システム全体の光学設計により設定された仕様内で、斜入射角でEUV源からの光を受光し、受光した光を反射して集束する照明ビームを形成するように構成されている。集束した照明ビームは、中間焦点を形成し、そして、好ましくは均一の遠隔フィールドに照明領域を形成する。
【0004】
典型的には、GICには、複数のGICシェルを互いに固定位置に維持する「スパイダ」が必要とされる。いくつかのGICにおいて、GICシェルは、クリップを利用してスパイダに固定される。なお、クリップは、GICシェルの縁または外面と、スパイダの複数のスポークのうち一つとを係合させる。このようなクリップは、これまで殆どまたは全く調整することができなかった。このため、複数のGICシェルを光学的に位置合わせする若しくは調整することが問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第12/657,650A1号
【特許文献2】米国特許出願第12/592,735A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のスポークを有するスパイダに斜入射集光器(GIC)シェルを固定する調節クリップである。調節クリップは、上面を有する基体を備えている。基体は、スパイダのスポークに固定されるように構成されている。クリップは、フォーク部材を有する。フォーク部材は、それぞれの端部に端部パッドを有する突起を2つ保持している。
フォーク部材は、第1ヒンジ部を有する。第1ヒンジ部は、2つの突起の端部とは反対側の端部に設けられる。クリップは、ヒンジリーフを有する。ヒンジリーフは、基体の上面に固定され、第2ヒンジ部を有する。第2ヒンジ部は、第1ヒンジ部と動作可能に係合し、ヒンジを形成する。ヒンジは、フォーク部材を基体に対して回転調節することができるようにする。なお、第2ヒンジ部は、基体と一体成形されていてもよい。GICシェルは、フォーク部材が回転されることによって光学的に位置合わせされる。フォーク部材において、端部パッドは、GICシェルの外面をスライドすることができる。GICシェルが位置合わせされると、端部パッドがGICシェルの外面にレーザ溶接される。これにより、クリップが強固に固定され、GICシェルがスパイダに対して定位置で保持される。
この調節クリップにおいて、基体は、スポークに対して止めネジで固定されるように構成されるのが好ましい。
また、この調節クリップにおいて、ヒンジリーフは、基体の上面に対してレーザ溶接されているのが好ましい。
調節クリップは、外面を有するGICシェルをさらに備えるのが好ましい。そして、この調節クリップでは、端部パッドがGICシェルの外面に固定されるのが好ましい。その結果、調節クリップは、GICシェルとスパイダとを強固に支持する。
この調節クリップにおいて、端部パッドは、GICシェルの外面にレーザ溶接されているのが好ましい。
この調節クリップは、第1及び第2ヒンジ部を貫通するピンをさらに備えるのが好ましい。ピンは、第1及び第2ヒンジ部を回転状態に係合する。
この調節クリップは、作動機構をさらに備えるのが好ましい。この作動機構は、端部パッドに圧力を加えるように構成されている。
この調節クリップにおいて、作動機構は、手動調節ネジを2つ保持するのが好ましい。手動調節ネジは、端部パッドを押圧する端部をそれぞれ有する。
【0007】
本発明の他の態様は、外面を有する斜入射集光器(GIC)を固定するための調節クリップである。この調節クリップは、フォーク部材および基体部を備える。フォーク部材は、複数の端部パッドおよび第1ヒンジ部を有する。基体部は、上面と、第1ヒンジ部に動作可能に係合される第2ヒンジ部とを有する。そして、フォーク部材は、基体部に対して回転調節可能である。
この調節クリップは、リーフ部をさらに備えるのが好ましい。リーフ部は、基体部の上面に固定されると共に第2ヒンジ部を有する。
この調節クリップにおいて、リーフ部は、基体部の上面にレーザ溶接されているのが好ましい。
この調節クリップにおいて、基体部は、スパイダのスポークに対して止めネジで固定されるように構成されているのが好ましい。
この調節クリップは、GICシェルをさらに備えるのが好ましい。この調節クリップでは、端部パッドがGICシェルの外面にレーザ溶接されているのが好ましい。また、基体部は、スパイダに固定され、GICシェルとスパイダとを強固に支持するのが好ましい。
この調節クリップは、作動機構をさらに備えるのが好ましい。作動機構は、複数の端部パッドに圧力を加えるように構成される。
この調節クリップにおいて、作動機構は、手動調節ネジを2つ保持するのが好ましい。手動調節ネジは、端部パッドを押圧する端部をそれぞれ有する。
【0008】
本発明の他の態様は、上縁を有するスポークを複数保持するスパイダに対して、外面および縁を有するGICシェルを位置決めして固定する方法である。この方法には、GICシェルの縁が複数のスポークの上縁の一部に載置されるようにGICシェルをスパイダ上に配置することが含まれる。また、この方法には、調節クリップの基体部をスポークの上縁に固定することが含まれる。さらに、この方法には、GICシェルの外面に対向する複数の端部パッドを有するフォーク部材を基体部に対して回転自在な状態で固定することが含まれる。そして、この方法には、スパイダに対してGICシェルを光学的に位置合わせすることが含まれる。この位置合わせには、例えば、フォーク部材を回転させ、端部パッドがGICシェルの外面に対して移動するようにGICシェルを移動させることが含まれる。そして、この方法には、端部パッドを(例えば、レーザ溶接により)前記GICシェルの外面に固定し、調節クリップを剛性支持部材とすることが含まれる。各GICシェルをスパイダに固定するためには、典型的に、多くの(例えば、3つ以上の)調節クリップが使用される。
この方法には、ヒンジを利用してフォーク部材を基体部に固定することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法において、基体部は上面を有しているのが好ましい。そして、この方法には、基体部の上面に固定されると共にフォーク部材のヒンジナックルに動作可能に係合するヒンジリーフを利用して、ヒンジを形成することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法には、基体部の上面にヒンジリーフをレーザ溶接することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法には、GICシェルの外面に端部パッドをレーザ溶接することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法には、GICシェル毎に、少なくとも3つの調節クリップに対して複数の工程を実行することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法には、2つ以上のGICシェルに対して複数の工程を実行することがさらに含まれるのが好ましい。
この方法には、端部パッドに圧力を加えてGICシェルの位置、形状、向きのうち少なくとも一つを調節することがさらに含まれるのが好ましい。
【0009】
本発明の他の様態は、GICミラーである。GICミラーは、a)外面をそれぞれ有する一または複数のGICシェルと、b)一または複数のGICシェルを支持する複数のスポークを有するスパイダと、c)GICシェル毎に、GICシェルの外面および複数のスポークに固定される少なくとも一つの調節クリップとを有する。少なくとも一つの調節クリップは、i)上面を有する基体部と、ii)端部パッドを有する突起を複数保持するフォーク部材とを有する。そして、フォーク部材は、端部パッドをGICシェルの外面に固定する前に、フォーク部材を基体部に対して回転可能にするヒンジで基体部に固定される。端部パットは、GICシェルの外面に固定される。
GICミラーは、第1及び第2調節ネジをさらに備えるのが好ましい。第1及び第2調節ネジは、基体部に固定または一体形成された支持部を貫通する。そして、第1及び第2調節ネジは、複数の端部パッドに圧力を加えるように端部パッドそれぞれに接触する端部をそれぞれ有する。
【0010】
本発明のさらなる特徴及び利点は、下記の詳細な説明(発明を実施するための形態)に明記されている。また、それらの一部は詳細な説明の記載内容から当業者にとって直ちに明白となるか、下記の詳細な説明、特許請求の範囲、添付図面を含む、ここに記載された発明を実施することによって認識される。
【0011】
上記の背景技術に関する記載と下記の本発明の詳細な説明に関する記載は、本発明の実施形態を提供するものであり、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の本質および特徴を理解するための概略または枠組みを提供するものであることを理解すべきである。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施形態を図示するものであり、本明細書の記載とともに、本発明の原則及び実施を説明する一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】調節クリップの一例の分解斜視図であり、スパイダのスポークに対して調節クリップを固定する際に使用される止めネジも併せて示す図である。
【
図2】組み立て後の
図1の調節クリップの斜視図である。
【
図3】フォーク部材およびヒンジリーフの斜視図である。
【
図4】一または複数のGICシェルを有するGICミラーを形成するために使用されるスパイダの一例の斜視図である。
【
図5A】スパイダの複数のスポークのうちの一つに固定されると共にGICシェルの外面を支持する調節クリップの一例の拡大斜視図であり、基体に対してヒンジリーフをレーザ溶接している状態を示す図である。
【
図5B】スパイダの複数のスポークのうちの一つに固定されると共にGICシェルの外面を支持する調節クリップの一例の拡大斜視図であり、GICシェルの外面に対してフォーク部材の両端部パッドをレーザ溶接している状態を示す図である。
【
図6A】
図4のスパイダを使用して組み立てるプロセスにおいて示される9つのGICシェルを備えるGICミラーの実施形態の一例の斜視図であり、図示された最外部シェルを支持するように配置される複数の調節クリップの一部を示す図である。
【
図6B】
図6AのGICミラーの斜視図であり、9つのGICシェルがすべて定位置に配置された図である。
【
図7】一または複数のGICシェルをスパイダに対して位置決めして固定し、GICミラーを形成する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図5A及び5Bと同様の斜視図であり、両端部パッドのそれぞれに接触する2つの調節ネジを有する作動機構を備える調節クリップの一例を示す図である。
【0013】
図中の様々な構成要素は単に図示されたに過ぎず、必ずしも実際の縮尺通りに図示されている訳ではない。これらの構成要素のうち、ある部分は誇張して図示され、ある部分は最小化して図示されている場合もある。図面を簡略化するために、同様の構成要素の全てに必ずしも符号を付与している訳ではない。本図面は、当業者によって理解され、適切に実行され得る本発明の実施形態の一例を図示することを意図するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に係る調節クリップ(クリップ)10の一例の分解斜視図であり、止めネジ120も併せて図示している。
図2は、組み立て後の
図1のクリップ10の斜視図である。クリップ10は、2つの突起30を有するフォーク部材20を備える。各突起30は、端部パッド36を保持する端部24を有する。一実施形態において、フォーク部材20および両端部パッド36は剛性を有するか、実質的に剛性を有する。クリップ10の素材としては、例えば、電気鋳造された複数のGICシェルと熱的適合性を有するステンレス鋼、インコネル、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金が挙げられる。
【0015】
また、フォーク部材20は、第1ヒンジ部38を有する反対端部26を備えている。一例では、第1ヒンジ部38は、ヒンジナックル40を備えている。ヒンジナックル40には、ピン50を収容する大きさの孔42が設けられている。
【0016】
また、
図3を参照すると、クリップ10の一例は、ヒンジリーフ60を備えている。ヒンジリーフ60は、縁62において第2ヒンジ部61を有する。縁62は、インデント64を有する。このインデント64により、ピン50を収容する大きさの孔72をそれぞれ有する複数の外部ヒンジナックル70が形成される。インデント64はヒンジナックル40を収容する大きさに形成されており、ヒンジリーフ60、ヒンジナックル40及びピン50(または、より一般的には、第1及び第2ヒンジ部38,61、及び、これらを貫通するピン50)は、フォーク部材20を回転可能にするヒンジ80を形成する。これにより、フォーク部材20の回転調節が可能となる。また、後述の通り、ヒンジリーフ60は、中心アクセス孔86を有し、止めネジ120のネジ頭穴128にアクセスさせる。
【0017】
クリップ10は、基体100をさらに備えている。基体100は、上面102と、互いに対向する側面104,106とを有する。ネジ頭穴128(アレン型ネジ頭穴として示されている)を有するネジ頭122を備える止めネジ120は、基体100に隣接して図示されている。また、止めネジ120は、ねじ切り端部126を有するシャフト124を備えている。基体100は、スロット110を備えている。スロット110は、断面視において、ネジ頭122と、ネジ頭122に隣接するシャフト124の一部(即ち、ヘッドシャンク)とを収容するように形成されている。基体100の上面102には、スロット110に達する中心孔130が形成されている。一実施形態において、基体100の上面102には、複数の外側ヒンジナックル70を収容する棚部103が形成される。
【0018】
ヒンジリーフ60は、孔86,130が揃うように基体100に固定される。この結果、止めネジ120がスロット110にスライド挿入される際、上方からヒンジリーフ60及び基体100を介してねじ頭穴128にアクセスすることができる。
【0019】
なお、他の実施形態では、第2ヒンジ部61が基体100と一体形成されている。そのため、別体のヒンジリーフ60を基体100の上面102に固定する必要性はない。
【0020】
場合によっては、他の構成要素と機械的に干渉することにより、2つの突起30を有する複数のクリップ10を所定の場所で使用することができない。この機械的干渉を回避するために、一つの突起30を有する複数のクリップを一部の場所で採用してもよい。単突起型クリップは、双突起型クリップ10に比べて周方向における剛性が小さい。したがって、単突起型クリップは、側面方向の負荷に対する支持には推奨されない。しかし、単突起型クリップが双突起型クリップ10と適切に組み合わせて使用され、側面方向の負荷を吸収する場合、このような実施形態が許容される。
【0021】
(スパイダ及びクリップ)
図4は、例えば、米国特許出願第12/657,650(発明の名称「斜入射集光器のための被冷却スパイダ及び方法」)に記載されているスパイダ200の一例の斜視図である。なお、この米国特許出願は、本出願に援用される。スパイダ200の主な機能は、GICミラーを形成する一または複数のGICシェル300(以下、紹介及び議論する)の組立体に対して、正確かつ頑丈な搭載および機械的剛性を付与することにある。スパイダ200を形成する素材の一例としては、ステンレス鋼が挙げられる。他の素材としては、電気鋳造される複数のGICシェル300との熱適合性を考慮して、インコネル、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金等が挙げられる。
【0022】
スパイダ200は、外側リング210、内側リング220及び複数のスポーク230(例として、6つを図示)を備える。スポーク230は、内側および外側リング210,220を機械的に接続し、スパイダ200を構造的に支持している。スパイダ200が冷却スパイダである一例において、外側リング210、内側リング220及び複数のスポーク230は、流入側冷却液マニホールド250A及び流出側冷却液マニホールド250Bに流体接続される複数の冷却チャネル240によって流体接続される。これにより、スパイダ200を流れる冷却液流路が形成される。
【0023】
各スポーク230は、2つ以上のGICシェル300を離間状態で支持するように構成されるスポーク縁234を有する。一実施形態において、スポーク縁234は、
図5A及び5Bに示されるように、多くの段部236を有している。段部236は、GICシェル300の縁304において、複数のGICシェル300、さらには、複数のクリップ10を支持するために使用される。
【0024】
図5A及び5Bは、スパイダ200及びGICシェル300に対応して動作可能な状態に配置されたクリップ10の拡大図である。なお、GICシェル300は、外面302および縁304を有する。また、図中において、複数の冷却ライン310がGICシェル300の外面302に隣接して配置されている。止めネジ120は、スロット110にスライド挿入され、基体100を段部236に取り付けるために使用される。複数の段部236のうち一つに図示されているのは、搭載トラック250の一例である。搭載トラック250には、基体100を搭載することができる。基体100は、止めネジ120やその他の固定手段を用いて定位置に固定される前に、搭載トラック250に沿って移動可能に調節される。一実施形態において、基体100は、搭載トラック250に沿ってスライドするように構成される下面101を有している。
【0025】
基体100が段部236に固定されると、GICシェル300の外面302に対して両端部パッド36が対向するように、フォーク部材20が調節される。しかし、両端部パッド36がGICシェル300の外面302に対向する状態で、例えば、GICシェル300を光学的に位置決めするためには、スパイダ200に対するGICシェル300の位置を移動できるように、フォーク部材20をヒンジ80周りに回転させる。特に、スパイダ200に対してGICシェル300を位置調節する場合、両端部パッド36はGICシェル300の外面302に対して移動(例えば、外面302上をスライド)する。
【0026】
GICシェル300を光学的に位置決めする場合、
図5Aに示す一実施形態では、レーザ光線350を使用して、ヒンジリーフ60が基体100の上面102に固定(例えば、レーザ溶接)される。なお、第2ヒンジ部61が既に基体100と一体形成されている場合、この工程は省略される。
【0027】
また、
図5Bに示されるように、例えば、レーザ光線350を使用して両端部パッド36を外面302にレーザ溶接することにより、フォーク部材20がGICシェル300の外面302に固定される。両端部パッド36を外面302に固定することにより、クリップ10の剛性が強化される(即ち、フォーク部材20はこの段階で回転不能となる)。その結果、クリップ10は、GICシェル300をスパイダ200に対して位置決めされた状態で固定する剛体支持として機能する。典型的には、GICシェル300をスパイダ200に対して位置決め及び固定するために、複数の調節クリップ10が使用される。
【0028】
(GICシェルを備えたスパイダ)
図6Aは、
図6Bに示される9つのGICシェルを有するGICミラー400を形成するプロセスにおいて、2つのGICシェル300を支持するスパイダ200の斜視図である。GICミラー400は光学軸A1を有する。本出願に援用される米国特許出願第12/592,735号に記載されているように、GICシェル300の一例は、外面302上に配置された上述の複数の冷却ライン310を備えている。
【0029】
また、図中において、EUV光源LSは、光学軸A1に沿って、GICミラー400に対応して配置されている。スパイダ200は、EUVがEUV光源LSからGICミラー400の中間焦点にリレーされるのを実質的に妨げないように、一または複数のGICシェル300を同心円状に離間状態で動作可能に支持するように構成されている。
【0030】
GICミラー400の形成時において、最内部のGICシェル300は、その縁304が複数のスポーク230の対応する内側の段部236上に配置された状態で、スパイダ200上に配置される。複数の段部236は、縁304の各部分において、GICシェル300を支持する。そして、
図6Bに示されるように、完成状態のGICミラー400が形成されるまで、他の複数のGICシェル300が、内側から外側に向けて追加される。
【0031】
(GICシェルの位置決め及び固定方法の一例)
図7は、GICミラー400を形成する際に、一または複数のGICシェル300をスパイダ200に対して位置決めして固定するための方法の一例のフローチャートである。
【0032】
工程701では、クリップ10の基体100が、複数スポーク230の最内部の複数段部236のうち一つで、スパイダ200に固定(例えば、ネジ止め)される。一例では、この工程は、少なくとも3つのクリップ10に対して実行される。
【0033】
工程702では、GICシェル300がスパイダ200に対応して配置(例えば、位置決め)される。そして、この配置中に、複数のクリップ10は、各ヒンジ80において各基体100に対して回転する各フォーク部材20によって「自己調節」する。一旦、GICシェル300がスパイダ200上に光学位置決めされると、工程703において、複数のヒンジリーフ60が各基体100に対してレーザ溶接される。そして、工程704では、各クリップ10の両端部パッド36がGICシェル300の外面302にレーザ溶接され、各クリップ10が剛性支持部材となる。
【0034】
第2ヒンジ部61が基体100と一体形成される上述の実施形態では、工程702が省略される。
【0035】
工程705では、例えば、
図6Aおよび
図6Bに示されるように、次の最外部GICシェル300が、スパイダ200上、即ち、複数のスポーク230において次の最外部に位置する段部236上に配置される。そして、GICミラー400が形成されるまで、最内部GICシェル300から最外部GICシェル300への方向に向かってプロセス700が繰り返される(工程706を参照)。
【0036】
(アクチュエータ機構を備えたクリップ)
本発明のさらなる態様では、一または複数のクリップ10が使用されることにより、GICミラー400の光学性能が最適化されるが、これは、上述した複数のクリップ10の自己調節機能によるだけでなく、GICシェル300の(ストレス付加および変形による)形状、向き、(平行移動及び回転による)位置の少なくとも一つの制御操作によって実現される。このような制御操作は、非点収差(即ち、完全な円筒対称性からの乖離)の補正、または、GICシェル300の向き及び配置誤差の補正を可能にするという点で有益である。
【0037】
図8は、作動機構500を組み込んだ調節クリップ10の一例を示す。クリップ10は、作動機構500により、両端部パッド36を介して、GICシェル300の外面302に対して制御された圧力を加えることが可能となる。作動機構500の一例は、基体100に取り付けられた支持部502、または、基体100と一体形成された支持部502を有する。支持部502は、少なくとも一つの調節ネジ510、好ましくは2つの調節ネジ510を支持するように構成されている。調節ネジ510は、端部パッド36に係合する端部512と、例えば、ネジ回し、アレンレンチ等により回転されるように構成される反対の端部516とを有する。一例において、調節ネジ510を回転可能な状態で支持部502に固定するために、複数のナット520が使用される。
【0038】
支持部502に対して調節ネジ510の位置を調節することにより、両端部パッド36を介してGICシェル300に対して、僅かではあるが制御可能な圧力が加えられる。これは、GICシェル300の僅かな変位、僅かな変形、僅かな向きの変化の少なくとも一つにつながる。こうして複数のクリップ10が調節可能となり、複数のGICシェル300が調節可能となる。本実施形態では、複数の調節ネジ510は、手動調節可能なアクチュエータとして機能する。
【0039】
調節可能なアクチュエータとして複数の調節可能ネジ510を使用する以外に、例えば、圧電型、電磁型等、他のアクチュエータを使用することができる。しかし、極めて積極的なプラズマ環境でGICミラー400を動作させることが意図されており、頻繁に調節を必要としない場合、堅牢且つ安定した作動機構を有することが好ましい。作動距離は、例えば、約50ミクロンから500ミクロンの間である。このような調節は、上述の通り、好ましい堅牢性と共に、一または複数のネジ基体のアクチュエータ機構を使用することにより十分に実行可能である。
【0040】
当業者に明白であるが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲内において本発明の修正及び変更を包含する。