特許第5661519号(P5661519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661519現場での溶接を必要としない標識類の立設構造および立設方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661519
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】現場での溶接を必要としない標識類の立設構造および立設方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/011 20060101AFI20150108BHJP
【FI】
   E01F9/011
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-50185(P2011-50185)
(22)【出願日】2011年3月8日
(65)【公開番号】特開2012-184629(P2012-184629A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】392012238
【氏名又は名称】梅岡 美喜男
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(72)【発明者】
【氏名】梅岡 美喜男
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−166562(JP,A)
【文献】 特開昭51−135146(JP,A)
【文献】 特開2001−073329(JP,A)
【文献】 実開昭63−041607(JP,U)
【文献】 特開平09−279527(JP,A)
【文献】 特開2009−144382(JP,A)
【文献】 実開平02−016508(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/011
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
街路灯や道路標識等の標識類の支柱を立設するための標識類の立設構造であって、
予め基端に接続ボルトを上向きに固着させてなる鋼管杭が、地盤の中に立て込まれており、
その鋼管杭の基端の接続ボルトに、平板状のベース部材が、高さ調整用のワッシャあるいは調整板を介在させて所定の姿勢になるように螺着されているとともに、
そのベース部材の上方に、標識類の支柱を立設させるための基礎底板が螺着されていることを特徴とする現場での溶接を必要としない標識類の立設構造。
【請求項2】
平板状の姿勢調整部材が、前記ベース部材の上方に、高さ調整用のワッシャあるいは調整板を介在させて所定の姿勢になるように螺着されており、その姿勢調整部材を介して、前記基礎底板が間接的にベース部材に螺着されていることを特徴とする請求項1に記載の現場での溶接を必要としない標識類の立設構造。
【請求項3】
街路灯や道路標識等の標識類の支柱を立設するための標識類の立設方法であって、
予め基端に接続ボルトを上向きに固着させてなる鋼管杭を、地盤の中に立て込み、
その立て込んだ鋼管杭の基端の上方に、平板状のベース部材を載置し、そのベース部材の鋼管杭上方に相当する位置にボルト挿通孔を穿設し、穿設されたボルト挿通孔を利用してベース部材と鋼管杭の接続ボルトとを螺着した後、そのベース部材の上方に、標識類の支柱を立設させるための基礎底板を螺着することを特徴とする現場での溶接を必要としない標識類の立設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の路側等において道路標識等の標識類を立設させるための立設構造、および立設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路標識等を道路脇等に立設するための一般的な方法としては、地盤の中に埋め込んだアンカーに道路標識等のポールを溶接する方法が知られている。また、特許文献1の如く、地盤を掘削して、コンクリートにより略直方体状等の重力基礎を造成するとともに、その基礎の上面に、アンカーボルトを立て込み、当該基礎を十分に養生させた後に、道路標識等のポールの基端の台座を、ダブルナット等によって基礎のアンカーボルトに螺着させる方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−73329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地盤の中に埋め込んだアンカーに道路標識等のポールを溶接する立設方法では、立設現場での溶接作業が不可欠であるため、雨天時、強風時や寒冷時には特別な保護仮設なしに作業を進めることができない、という不具合がある。また、特許文献1の如く、コンクリートによって造成された基礎に道路標識等の台座を螺着する方法では、施工時に、地盤を直方体状等に掘削した後にコンクリートを打ち込んで基礎を造成するとともに、その基礎内に道路標識のポールと連結させるための台座を立て込まなければならないため、施工に非常に手間がかかり、長い施工期間を要する上、地盤の掘削により多くの残土が発生する、という不具合がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の道路標識の立設方法が有する問題点を解消し、立設現場での溶接作業を必要とせず、小さなスペースでほとんど残土を発生させることなく、非常に容易な作業によって短時間の内に安価に標識類を立設することができる上、標識類を正確な姿勢に、かつ、強固に立設することが可能な標識類の立設構造、および立設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、街路灯や道路標識等の標識類の支柱を立設するための標識類の立設構造であって、予め基端に接続ボルトを上向きに固着させてなる鋼管杭が、地盤の中に立て込まれており、その鋼管杭の基端の接続ボルトに、平板状のベース部材が、高さ調整用のワッシャあるいは調整板を介在させて所定の姿勢になるように螺着されているとともに、そのベース部材の上方に、標識類の支柱を立設させるための基礎底板が螺着されていることを特徴とするものである。なお、本発明で言う標識類とは、街路灯、カーブミラーや道路標識に限定されず、防音壁や安全柵等をも含むものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、平板状の姿勢調整部材が、前記ベース部材の上方に、高さ調整用のワッシャあるいは調整板を介在させて所定の姿勢になるように螺着されており、その姿勢調整部材を介して、前記基礎底板が間接的にベース部材に螺着されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、街路灯や道路標識等の標識類の支柱を立設するための標識類の立設方法であって、予め基端に接続ボルトを上向きに固着させてなる鋼管杭を、地盤の中に立て込み、その立て込んだ鋼管杭の基端の上方に、平板状のベース部材を載置し、そのベース部材の鋼管杭上方に相当する位置にボルト挿通孔を穿設し、穿設されたボルト挿通孔を利用してベース部材と鋼管杭の接続ボルトとを螺着した後、そのベース部材の上方に、標識類の支柱を立設させるための基礎底板を螺着することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る標識の立設構造によれば、予め基端に接続ボルトを固着させてなる少なくとも1本以上の鋼管杭を地盤中に立て込み、それらの鋼管杭の基端にベース部材を螺着させた後に、当該ベース部材の上方に、標識類の支柱を立設させるための基礎底板を螺着させるだけの非常に容易な作業によって、現場で溶接作業を行うことなく、短時間の内に安価に標識類を立設することができる。また、地盤中に立て込まれた鋼管杭の基端へベース部材を螺着させる際に、高さ調整用のワッシャあるいは調整板等により、鋼管杭の立て込み深さのバラツキを是正することができるので、標識類の基礎底板を容易に正確な水平方向に固定させて、標識類を正確な鉛直方向に立設することができる。加えて、地盤中に立て込まれた鋼管杭が、地盤との間で高い表面摩擦を発現させて、地盤中へ強固に固着された状態を保持するので、標識類が強風を受けた場合や衝撃を受けた場合でも、傾いたり倒れたりする事態が生じない。
【0010】
請求項2に係る標識類の立設構造によれば、ベース部材と姿勢調整部材との間においても、高さ調整用のワッシャあるいは調整板等により鋼管杭の打ち込み深さのバラツキを是正して、標識類を正確な鉛直方向に立設することができるので、立設作業をより容易なものとすることができる。
【0011】
請求項3に係る標識類の立設方法によれば、非常に容易な作業によって、現場で溶接作業を行うことなく、短時間の内に安価に標識類を立設することが可能となる。また、立て込まれた鋼管杭へベース部材を螺着させる際に、鋼管杭の立て込み深さのバラツキを是正することができるので、標識類を容易に正確な鉛直方向を向くように立設することができる。加えて、立て込まれた鋼管杭が地盤中へ強固に固着された状態を保持するので、標識類が傾いたり倒れたりする事態を効果的に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】地盤に標識を立設した様子を示す説明図(正面図)である。
図2】地盤に標識を立設した様子を示す説明図(平面図)である。
図3】標識を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
図4】標識の立設に用いる部材を示す説明図である(aは鋼管杭の正面図であり、bはベース部材の平面図である)。
図5】立て込んだ鋼管杭にベース部材を固着した状態を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
図6】地盤に標識を立設した様子を示す説明図(正面図)である。
図7】地盤に標識を立設した様子を示す説明図(平面図)である。
図8】標識の立設に用いる部材を示す説明図である(aはベース部材の平面図であり、bは姿勢調整部材の平面図である)。
図9】立て込んだ鋼管杭にベース部材を固着した状態を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る標識類の立設構造について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
[実施例1]
<標識および標識立設用部材の構造>
図1図2は、実施例1に係る立設構造を利用して地盤に標識を立設した様子を示したものである。標識11は、標識本体12と、基台である基礎底板13とによって構成されており、地盤Gに立設された6本の鋼管杭1,1・・と、ベース部材2とによって、基礎底板13が水平となり、標識本体12のポールPが鉛直となるように立設されている。
【0015】
図3は、標識11を示したものであり、標識本体12の基端部分(ポールPの基端部分)は、直径190.7mmの円筒状に形成されている。そして、標識本体12の先端には、図示しない表示板が固着されている。また、標識11の基礎底板13は、厚さ25mmの鋼鉄板を、一辺が1,000mmの正方形状に裁断することによって形成されている。さらに、中心に、内径が標識本体12の基端部分の外径と略同一の扁平な円筒体14が、溶接加工によって鉛直に立設されている。そして、その円筒体14の内部に、標識本体12の基端部分(ポールPの基端部分)が挿入され、円筒体14の先端際で溶接されることによって、円筒体14に固着された状態になっている。加えて、円筒体14の周囲には、三角形の板状の4つの補強プレート15,15・・が、円筒体14の中心から放射状に、かつ、基礎底板13の表面と直交するように、溶接によって付設されており、それらの補強プレート15,15・・の上部の内側の部分が標識本体12の基端部分に溶接されている。また、基礎底板13の外周際には、6個のボルト挿通孔16,16・・が、正六角形の頂点をなすように等間隔に穿設されている。
【0016】
図4(a)は、鋼管杭1を示したものであり、各鋼管杭1,1・・は、鋼鉄によって、外径(外面の直径)約139.8mm、厚さ6.0mm、長さ6,000mmの円筒状に形成されている。そして、基端には、円板状の蓋部材6が、外周を溶接することによって固着されている。蓋部材6の中央には、ボルト挿通孔4が穿設されており、そのボルト挿通孔4からボルト5の先端が上方に突出した状態になっている。当該ボルト5の基端は、溶接によって蓋本体6に固着されている。
【0017】
一方、図4(b)は、ベース部材2を示したものであり、ベース部材2は、標識11の基礎底板13と同様に、厚さ25mmの鋼鉄板を、一辺が1,000mmの正方形状に裁断することによって形成されている。さらに、ベース部材2の外周際には、6個のボルト挿通孔3,3・・が、正六角形の頂点をなすように等間隔で穿設されている。なお、それらのボルト挿通孔3,3・・の穿設位置は、基礎底板13のボルト挿通孔16,16・・と同じになっている。
【0018】
<標識の立設方法>
上記した標識立設用部材(鋼管杭1,1・・およびベース部材2)を利用して、標識11を立設する場合には、まず、標識11を立設する場所(1,000mm×1,000mmの広さ)を、100mm程度の深さとなるように浅く掘削する。しかる後に、6本の鋼管杭1,1・・を、それぞれ、地盤G中に鉛直に立て込む。鋼管杭1を立て込む場合には、地盤掘削用重機のロットの先端に鋼管杭1を装着し(鋼管杭1の基端をロットの先端のクリッパー等で把持させて)、当該地盤掘削用重機を、標識11を立てたい場所にセットする。そして、地盤掘削用重機のロットの先端の鋼管杭1を、地盤Gの表面に突き立てて、鋼管杭1の基端が地表際(浅く掘削した地表際)に位置するまで打ち込む。また、各鋼管杭1,1・・は、上方から見た場合に、それらの鋼管杭1,1・・の基端が概ね正六角形の頂点に位置するように、地盤G中に打ち込まれる。
【0019】
しかる後、それらの鋼管杭1,1・・の基端に、ベース部材2を固着させる。図5は、鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を固着した様子を示したものであり、各鋼管杭1,1・・とベース部材2とを固着する場合には、まず、ベース部材2に、各鋼管杭1,1・・の基端の蓋部材6から上方に突出しているボルト5を挿通させるためのボルト挿通孔3’,3’・・を穿設する(すなわち、各鋼管杭1,1・・の基端のボルト5の真上に相当する位置にボルト挿通孔3’,3’・・を穿設する)。なお、穿設するボルト挿通孔3’,3’・・は、すでに穿設されているボルト挿通孔3,3・・とともに円周を形成し、ボルト挿通孔3’,3’・・とボルト挿通孔3,3・・とが等間隔となるように穿設するのが好ましい。そして、そのようにボルト挿通孔3’,3’・・を穿設した後には、それらのボルト挿通孔3’,3’・・に、各鋼管杭1,1・・の基端のボルト5を挿通させて、それらのボルト5,5・・をナット7で螺着する。その際に、地盤G中に立て込まれた各鋼管杭1,1・・の基端の高さがずれている場合には、各鋼管杭1,1・・の蓋部材6とベース部材2との間に、高さ調整用の金属製のワッシャ(不陸調整ワッシャ)10,10・・を介在させ、それらのワッシャ10,10・・の厚みを調整したり、介在させるワッシャの10,10・・枚数を調整したりすることによって、ベース部材2が可能な限り水平となるように調整する。
【0020】
上記の如く、鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を固着した後には、当該ベース部材2に標識11の基礎底板13を固着させる。ベース部材2と基礎底板13との固着は、ベース部材2のボルト挿通孔3,3・・の穿設部分と、基礎底板13とのボルト挿通孔16,16・・の穿設部分とを、ボルト8とナット9とで螺着することによってなされる。その際には、ベース部材2の表面から突出したボルト5,5・・が邪魔にならないように、ベース部材2と基礎底板13との間に、金属製のワッシャ(不陸調整ワッシャ)10,10・・を介在させる。そのように、ベース部材2に基礎底板13を固着させた後には、基礎底板13の下側の掘削部分を現状土で埋め戻すことによって、標識11の立設を完了する。
【0021】
<実施例1の標識の立設構造の効果>
上記した標識11の立設構造によれば、地盤G中に鋼管杭1,1・・を立て込み、それらの鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を螺着させた後に、当該ベース部材2の上方に、標識11の基礎底板13を螺着させるだけの非常に容易な作業によって、現場で溶接作業を行うことなく、短時間の内に安価に標識11を立設することができる。また、地盤G中に立て込まれた鋼管杭1,1・・の基端へベース部材2を螺着させる際に、ワッシャ10,10・・あるいは調整板(板状体にボルト挿通孔を穿設したもの)等により、鋼管杭1,1・・の立て込み深さのバラツキを是正することができるので、標識11の基礎底板13を容易に正確な姿勢(水平方向を向いた姿勢)に固定させて、標識本体12を正確な鉛直方向に立設することができる。加えて、地盤G中に立て込まれた鋼管杭1,1・・が、地盤Gとの間で高い表面摩擦を発現させて、地盤G中へ強固に固着された状態を保持するので、標識11が強風を受けた場合や衝撃を受けた場合でも、傾いたり倒れたりする事態が生じない。
【0022】
加えて、上記した標識11の立設構造は、基端に固着させた蓋部材6からボルト5を上向きに突設した鋼管杭1,1・・を利用するものであるので、標識類の立設工事現場において、立て込んだ鋼管杭1,1・・に、きわめて容易にベース部材2を螺着させることができる。したがって、上記した標識11の立設構造によれば、非常に短時間の内に標識を立設することが可能となる。
【0023】
[実施例2]
<標識立設用部材の構造>
図6図7は、実施例2に係る立設構造を利用して地盤に標識を立設した様子を示したものである。実施例2においては、標識11は、地盤に立設された4本の鋼管杭1,1・・と、姿勢調整部材(高さ調整部材)21と、ベース部材2とによって、基礎底板13が水平となり、標識本体12のポールPが鉛直となるように立設されている。なお、実施例2における標識11の構造は、実施例1の標識11と略同様であるが、実施例1と異なり、基礎底板13の四隅際に、それぞれ、ボルト挿通孔16,16・・が穿設されている。
【0024】
図8(a)は、ベース部材2を示したものであり、ベース部材2は、厚さ25mmの鋼鉄板を、一辺が850mmの正方形状に裁断することによって形成されている。さらに、ベース部材2の各辺の中間位置際には、それぞれ、ボルト挿通孔3,3・・が穿設されている。
【0025】
一方、図8(b)は、姿勢調整部材21を示したものであり、姿勢調整部材21は、標識11の基礎底板13と同様に、厚さ25mmの鋼鉄板を、一辺が1,000mmの正方形状(すなわち、ベース部材2より一回り大きな正方形状)に裁断することによって形成されている。さらに、姿勢調整部材21の四隅際には、基礎底板13のボルト挿通孔16,16・・と同じ配置となるように、それぞれ、ボルト挿通孔37,37・・が穿設されている。また、各辺の中間位置から所定の長さ(125mm)だけ内側には、それぞれ、ボルト挿通孔34,34・・が穿設されている。なお、それらのボルト挿通孔34,34・・は、ベース部材2の内側のボルト挿通孔3,3・・の穿設位置と合致している。
【0026】
<標識の立設方法>
上記した標識立設用部材(鋼管杭1,1・・、ベース部材2、および姿勢調整部材21)を利用して、標識11を立設する場合には、実施例1の場合と同様に、標識11を立設する場所(1,000mm×1,000mmの広さ)を、浅く掘削した後に、各鋼管杭1,1・・を、それぞれ、地盤G中に鉛直に立て込むが、その際に、4本の鋼管杭1,1・・が、上方から見た場合に、正方形の頂点に位置するように立て込む。
【0027】
しかる後、それらの鋼管杭1,1・・の基端に、ベース部材2を固着させる。図9は、鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を固着した様子を示したものであり、ベース部材2とを固着する場合には、まず、ベース部材2に、各鋼管杭1,1・・の基端の蓋部材6から上方に突出しているボルト5を挿通させるためのボルト挿通孔3’,3’・・を穿設する(すなわち、各鋼管杭1,1・・の基端のボルト5の真上に相当する位置にボルト挿通孔3’,3’・・を穿設する)。なお、穿設するボルト挿通孔3’,3’・・は、すでに穿設されているボルト挿通孔3,3・・の中間(隣接するボルト挿通孔3,3同士の中間)に位置するように穿設するのが好ましい。そして、そのようにボルト挿通孔3’,3’・・を穿設した後には、それらのボルト挿通孔3’,3’・・に、各鋼管杭1,1・・の基端のボルト5を挿通させて、それらのボルト5,5・・をナット7で螺着する。また、鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を固着させる際には、各鋼管杭1,1・・の蓋部材6とベース部材2との間に、高さ調整用の金属製のワッシャ(不陸調整ワッシャ)10,10・・を介在させ、それらのワッシャ10,10・・の厚みを調整したり、介在させるワッシャ10,10・・の枚数を調整したりすることによって、ベース部材2が可能な限り水平となるように調整にする。
【0028】
さらに、各鋼管杭1,1・・の基端に固着されたベース部材2の上に、姿勢調整部材21を固着させる。ベース部材2と姿勢調整部材21との固着は、ベース部材2のボルト挿通孔3,3・・の穿設部分と、姿勢調整部材21とのボルト挿通孔34,34・・の穿設部分とを、ボルト8とナット9とで螺着することによってなされる。その際には、ベース部材2の表面から突出したボルト5,5・・が邪魔にならないように、ベース部材2と姿勢調整部材21との間に、高さ調整用の金属製のワッシャ(不陸調整ワッシャ)10,10・・を介在させる。また、ベース部材2の水平度が不十分なため、同じ厚みや同じ枚数のワッシャ10,10・・を介在させても姿勢調整部材21が水平にならない場合には、それらのワッシャ10,10・・の厚みを調整したり、介在させるワッシャ10,10・・の枚数を調整したりすることによって、姿勢調整部材21が水平となるように調整にする。
【0029】
上記の如く、鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を固着させ、そのベース部材2の上に姿勢調整部材21を固着させた後には、当該姿勢調整部材21に標識11の基礎底板13を固着させる。姿勢調整部材21と基礎底板13との固着は、姿勢調整部材21のボルト挿通孔37,37・・の穿設部分と、基礎底板13とのボルト挿通孔16,16・・の穿設部分とを、ボルト8とナット9とで螺着することによってなされる。その際には、ベース部材2の表面から突出したボルト5,5・・が邪魔にならないように、姿勢調整部材21と基礎底板13との間に、金属製のワッシャ(不陸調整ワッシャ)10,10・・を介在させる。そのように、姿勢調整部材21に標識11の基礎底板13を固着させた後には、実施例1と同様に、基礎底板13の下側の掘削部分を現状土で埋め戻すことによって、標識11の立設を完了する。
【0030】
<実施例2の標識の立設構造の効果>
上記した実施例2の立設構造によれば、地盤G中に鋼管杭1,1・・を立て込み、それらの鋼管杭1,1・・の基端にベース部材2を螺着させ、当該ベース部材2の上方に姿勢調整部材21を螺着させた後に、その姿勢調整部材21の上方に、標識11の基礎底板13を螺着させるだけの非常に容易な作業によって、現場で溶接作業を行うことなく、短時間の内に安価に標識11を立設することができる。また、地盤G中に立て込まれた鋼管杭1,1・・の基端へベース部材2を螺着させる際に、ワッシャ10,10・・あるいは調整板等により、鋼管杭1,1・・の立て込み深さのバラツキを是正することができるので、標識11の基礎底板13を容易に正確な姿勢(水平方向を向いた姿勢)に固定させて、標識本体12を正確な鉛直方向に立設することができる。さらに、地盤G中に立て込まれた鋼管杭1,1・・が、地盤Gとの間で高い表面摩擦を発現させて、地盤G中へ強固に固着された状態を保持するので、標識11が強風を受けた場合や衝撃を受けた場合でも、傾いたり倒れたりする事態が生じない。
【0031】
加えて、実施例2の標識11の立設構造によれば、ベース部材2と姿勢調整部材21との間においても、ワッシャ10,10・・あるいは調整板等により、鋼管杭1,1・・の打ち込み深さのバラツキを調整して、標識本体12を正確な鉛直方向に立設することができるので、立設作業をより容易なものとすることができる。
【0032】
さらに、実施例1の立設構造と同様に、基端に固着させた蓋部材6からボルト5を上向きに突設した鋼管杭1,1・・を利用するものであるので、標識類の立設工事現場において、立て込んだ鋼管杭1,1・・に、きわめて容易にベース部材2を螺着させることができ、非常に短時間の内に標識11を立設することができる。
【0033】
[標識の立設構造の変更例]
なお、本発明に係る標識類の立設構造の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、利用する鋼管杭、ベース部材、姿勢調整部材の材質、形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0034】
たとえば、鋼管杭は、上記実施形態の如く、単純な円筒形状のものに限定されず、円形フランジ状の螺旋翼を先端に設けたものや、掘削用のバイトを先端に付設したもの等に変更することも可能である。
【0035】
また、本発明に係る標識類の立設構造に用いる鋼管杭は、上記実施形態の如く、断面円形の円筒体に限定されず、断面楕円形の円筒体や、中空な多角柱状体(たとえば、中空な四角柱状体)等に変更することも可能である。さらに、鋼管杭は、全体を鋼鉄によって構成したものに限定されず、一部を鋳鉄や鋳鋼によって構成したもの等に変更することも可能である。また、鋼管杭の全体あるいは一部に防錆塗装等を施すことも可能である。
【0036】
一方、ベース部材や姿勢調整部材は、上記実施形態の如く、正方形状の板状のものに限定されず、円板状のもの等に変更することが可能である。また、上記実施形態の如く、鋼鉄製のものに限定されず、鋳鉄や鋳鋼からなるものに変更することも可能である。加えて、その厚さも、必要に応じて適宜変更することができる。
【0037】
加えて、高さ調整用のワッシャは、上記実施形態の如く、扁平なドーナッツ状のものに限定されず、孔を穿設した矩形状のもの等の他の形状を有するものに変更することも可能である。
【0038】
また、本発明に係る標識類の立設構造は、上記実施形態の如く、4本あるいは6本の鋼管杭を利用するものに限定されず、地盤に立て込む鋼管杭の数(すなわち、ベース部材に固着させる鋼管杭の数)を必要に応じて適宜変更することができる。場合によっては、1本の大径の鋼管杭によってベース部材を固着(螺着)させる立設構造とすることも可能である。
【0039】
さらに、本発明に係る標識類の立設構造は、上記実施形態の如く、標識類の基礎底板が水平となるように標識類を立設するものに限定されず、標識類の基礎底板が水平面と所定の角度をなすように標識類を立設するものに変更することも可能である。
【0040】
加えて、本発明に係る標識類の立設構造は、上記実施形態の如く、ベース部材あるいは姿勢調整部材と標識類の基礎底板とを単純に螺着させただけのものに限定されず、ベース部材と基礎底板との間、ベース部材と姿勢調整部材との間、姿勢調整部材と基礎底板との間にセメントを充填したものとすることも可能である。かかる構成を採用した場合には、標識類の立設強度が一段と高いものとなる、というメリットがある。
【0041】
一方、本発明に係る立設構造・方法により立設される標識類は、上記実施形態の如く、基礎底板の表面に円筒体を突設して、その内部に標識本体の基端を挿入させたものに限定されず、標識本体の基端を、直接的に基礎底板に固着させたもの等に変更することも可能である。また、標識類は、正方形の板状の基礎底板を有するものに限定されず、円板状の基礎底板を有するもの等に変更することも可能である。加えて、補強プレートを付設したものに限定されず、補強プレートの構成を省略したものに変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る標識類の立設構造・方法は、上記の如く、優れた効果を奏するものであるから、各種の標識類を立設する際に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
1・・鋼管杭
2・・ベース部材
11・・標識
13・・基礎底板
21・・姿勢調整部材
G・・地盤
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図9