(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661554
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】自動車シートに用いるドリンク・ホルダー
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20150108BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20150108BHJP
B60N 3/02 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60N3/00 B
B60N3/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-104814(P2011-104814)
(22)【出願日】2011年5月10日
(65)【公開番号】特開2012-236432(P2012-236432A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】石井 厚
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
実開平1−89239(JP,U)
【文献】
実公昭38−14512(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00−3/02,3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル面に開口されてドリンク容器を差し込んで立てた状態に保持可能にする容器立てポケットを有するドリンク・テーブルと、上端にフックを前側に向けて有し、そして、下端にそのドリンク・テーブルを後側に向けて取り付けるテーブル・ハンガー・ポストとを含み、そして、そのテーブル・ハンガー・ポストが、シート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにそのフックを差し込んで引っ掛けられてそのドリンク・テーブルをそのシート・バックの背裏面に吊り下げるところの自動車シートに用いるドリンク・ホルダー。
【請求項2】
そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストが樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブルがそのテーブル・ハンガー・ポストのその下端に使用位置と折りたたみ位置とに揺動可能にヒンジ結合される請求項1に記載の自動車シートに
用いるドリンク・ホルダー。
【請求項3】
そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストが樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブルからそのテーブル・ハンガー・ポストのその下端に固定的に取り付けられる請求項1に記載の自動車シートに用いるドリンク・ホルダー。
【請求項4】
そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストが樹脂から一体的に成形される請求項1に記載の自動車シートに用いるドリンク・ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車シートに用いるドリンク・ホルダーに関し、詳細には、シート・バックのアシスト・グリップを活用してドリンク・テーブルをそのシート・バックの背裏面に吊り下げるところの自動車シートに用いるドリンク・ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車のリア・シートは、センター・アームレストをカップ・ホルダー付きテーブルに活用するのが一般的である。
この種のアームレストでは、コストが嵩む不具合があった。また、リング状ワイヤ・カップ・ホルダーでは、テーブル部分がなくお菓子のようなちょっとした食物がのせられず不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001−37581公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、簡単な構造に製作でき、コスト低減も図られて缶、びん、コップなどの飲料容器を保持できるに加えてお菓子のようなちょっとした食物ものせることができ、前席のシート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにフックを差し込んで引っ掛け、簡単に取り付けられてそのシート・バックの背裏面に吊り下げられ、そして、後席乗員に活用可能にして移動を快適にでき、また、取外しも簡単にできるところの自動車シートに用いるドリンク・ホルダーを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車シートに用いるドリック・ホルダーは、テーブル面に開口されてドリンク容器を差し込んで立てた状態に保持可能にする容器立てポケットを有するドリンク・テーブルと、上端にフックを前側に向けて有し、そして、下端にそのドリンク・テーブルを後側に向けて取り付けるテーブル・ハンガー・ポストとを含み、そして、そのテーブル・ハンガー・ポストが、シート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにそのフックを差し込んで引っ掛けられてそのドリンク・テーブルをそのシート・バックの背裏面に吊り下げる。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーでは、構造が簡単になって製作でき、コスト低減も図られて缶、びん、コップなどの飲料容器が保持できるに加えてお菓子のようなちょっとした食物ものせることができ、前席のシート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにフックを差し込んで引っ掛け、簡単に取り付けられてそのシート・バックの背裏面に吊り下げられ、そのように簡単にセットされて後席乗員に活用可能になり、そして移動が快適になり、また、取外しも簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】乗用車のフロント・シートを利用してリア・シートの乗員に活用されるところのこの発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーの具体例を示した斜視図である。
【
図2】そのドリンク・ホルダーをそのフロント・シートのシート・バックに取付け状態で示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーは、テーブル面に開口されてドリンク容器を差し込んで立てた状態に保持可能にする容器立てポケットを有するドリンク・テーブルと、上端にフックを前側に向けて有し、そして、下端にそのドリンク・テーブルを後側に向けて取り付けるテーブル・ハンガー・ポストとを含み、そして、そのテーブル・ハンガー・ポストが、シート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにそのフックを差し込んで引っ掛けられてそのドリンク・テーブルをそのシート・バックの背裏面に吊り下げる。
【0009】
そして、そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストが樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブルがそのテーブル・ハンガー・ポストのその下端に使用位置と折りたたみ位置とに揺動可能にヒンジ結合される。
【0010】
さらに、そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストは樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブルがそのテーブル・ハンガー・ポストのその下端に組み付けられて固定的に取り付けられてもかまわないし、また、そのドリンク・テーブルおよびテーブル・ハンガー・ポストが樹脂から一体的に成形されてもかまわない。
【実施例1】
【0011】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーを説明するに、
図1および
図2は、乗用車のドライバー・シート30にお
いてシート・バック31の上面33に開口されるポケット型ソフト・シェル製アシスト・グリップ34を利用してリア・シートの乗員に活用可能にするところのこの発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーの具体例10を示し、そして、そのドライバー・シート30は、シート・クッション(図示せず)、シート・バック31、およびヘッドレスト32で組み立てられ、そのシート・クッションがシート・トラック(図示せず)およびシート・リフター(図示せず)を組み込んでそのシート・トラックでその乗用車のフロアに据え付けられ、そのシート・バック31が両側リクライニング・デバイス(図示せず)でそのシート・クッションに前倒しおよび角度調整可能に支持され、そして、そのヘッドレスト32がそのシート・バック31の上面33に開口される左右のスティ・ホルダーに左右のスティを引き抜き可能に差し込んでそのシート・バック31のその上面33に取り付けられる。
【0012】
そのポケット型ソフト・シェル製アシスト・グリップ34は、軟質ゴム系樹脂から開口端に取付けフランジ36を有する断面ハット形に成形され、そして、そのシート・バック31のその上面33側でそのシート・バック31内に組み込まれ、そのシート・バック31の内部でシート・バック・フレーム(図示せず)のフレーム・ワイヤ(図示せず)に止められてその開口35をそのシート・バック31のその上面33に開口させる。
【0013】
このドリンク・ホルダー10では、ドリンク・テーブル11が、テーブル面13に開口されたドリンク容器を差し込んで立てた状態に保持可能にする容器立てポケット14を有し、また、テーブル・ハンガー・ポスト12が、上端にフック16を前側に向けて有し、そして、下端にそのドリンク・テーブル11を後側に向けてボルト・ピン19およびナット20で使用位置と折りたたみ位置とに揺動可能にヒンジ結合される。
【0014】
そのドリンク・テーブル11およびテーブル・ハンガー・ポスト12は、樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブル11は、そのテーブル面13の周囲にリブ状に隆起された縁15を備え、一方、そのテーブル・ハンガー・ポスト12は、それの下
端で後面に段付けされて突き出されたテーブル・ストッパー18を備え、そして、そのドリンク・テーブル11をその使用位置に保持できるようにし、また、そのフック16の先端に太く段付けされた差込みヘッド17を形成してその差込みヘッド17をそのポケット型ソフト・シェル製アシスト・グリップ34にきついフィット状態に差し込まれるようにしている。
【0015】
したがって、このドリンク・ホルダー10では、構造が簡単になって製作され、コスト低減が図られて缶、びん、コップなどのドリンク容器がその容器立てポケット14に差し込まれて保持され、加えて、お菓子のようなちょっとした食物ものせて食べられ、そのドライバー・シート30のそのシート・バック31のその上面33に開口されるそのポケット型ソフト・シェル製アシスト・グリップ34にそのフック16のその差込みヘッド17を差し込んで引っ掛け、簡単に取り付けられてそのシート・バック31の背裏面に吊り下げられ、そのように簡単にセットされてそのリア・シートの乗員に活用可能になり、そして、移動が快適になり、また、取外しも簡単になる。
【0016】
その上述されたドリンク・テーブル11およびテーブル・ハンガー・ポスト12は、樹脂から別体に成形され、そして、そのドリンク・テーブル11がそのテーブル・ハンガー・ポスト12のその下端に固定的に組み付けられて取り付けられてもかまわない。さらには、そのドリンク・テーブル11およびテーブル・ハンガー・ポスト12は、樹脂から一体的に成形されてもかまわない。
【0017】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
上述から理解されるように、この発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーは、テーブル面に開口されてドリンク容器を差し込んで立てた状態に保持可能にする容器立てポケットを有するドリンク・テーブルと、上端にフックを前側に向けて有し、そして、下端にそのドリンク・テーブルを後側に向けて取り付けるテーブル・ハンガー・ポストとを含み、そして、そのテーブル・ハンガー・ポストが、シート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにそのフックを差し込んで引っ掛けられてそのドリンク・テーブルをそのシート・バックの背裏面に吊り下げるので、この発明の自動車シートに用いるドリンク・ホルダーでは、構造が簡単になって製作でき、コスト低減も図られて缶、びん、コップなどの飲料容器が保持できるに加えてお菓子のようなちょっとした食物ものせることができ、前席のシート・バックの上面に開口されるソフト・シェル製アシスト・グリップにフックを差し込んで引っ掛け、簡単に取り付けられてそのシート・バックの背裏面に吊り下げられ、そのように簡単にセットされて後席乗員に活用可能になり、そして、移動が快適になり、また、取外しも簡単になり、その結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0019】
10 自動車シートに用いるドリンク・ホルダー
11 ドリンク・テーブル
12 テーブル・ハンガー・ポスト
13 テーブル面
14 容器立てポケット
15 縁
16 フック
17 差込みヘッド
18 テーブル・ストッパー
19 ボルト・ピン
20 ナット
30 ドライバー・シート
31 シート・バック
32 ヘッドレスト
33 上面
34 ポケット型ソフト・シェル製アシスト・グリップ
35 開口
36 取付けフランジ