(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661615
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】サイクルモニタリング、診断および性能低下の予測を行う制御弁システム
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20150108BHJP
F16K 11/07 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
F16K37/00 F
F16K11/07 F
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-513546(P2011-513546)
(86)(22)【出願日】2009年5月27日
(65)【公表番号】特表2011-523005(P2011-523005A)
(43)【公表日】2011年8月4日
(86)【国際出願番号】US2009045237
(87)【国際公開番号】WO2009151955
(87)【国際公開日】20091217
【審査請求日】2012年3月5日
(31)【優先権主張番号】12/135,666
(32)【優先日】2008年6月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591284357
【氏名又は名称】ロス オペレーティング バルブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROSS OPERATING VALVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】エリック オー.カミングズ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ.フレイジャー
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド エス.ディヴェルビス
(72)【発明者】
【氏名】テリー エル.ディヴェルビス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュー.ハゼルデン,ジュニア
【審査官】
吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−032958(JP,A)
【文献】
特開平01−153881(JP,A)
【文献】
特開平03−020185(JP,A)
【文献】
実開昭63−078777(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ポートおよび出口ポートと連通している細長ボアを備えた弁本体と、
該ボア内で第1位置と第2位置との間で移動できる弁要素とを有し、出口ポートは、弁要素の位置にしたがって入口ポートに選択的に連結され、
第1位置と第2位置との間で変化する弁の少なくとも1つの瞬間パラメータを表わすセンサ信号を発生させるための、弁本体に対して取付けられた少なくとも1つの弁センサと、
パイロットコマンド信号を受けかつ該パイロットコマンド信号に応答して弁要素を移動させることができる、弁本体に取付けられたパイロットと、
センサ信号およびパイロットコマンド信号を受ける論理ユニットとを有し、パイロットコマンド信号の所定変化によって、論理ユニットにより、2つの所定事象間の時間長さに応答するサイクルパラメータを決定させ、前記時間長さの少なくとも始点または終点はセンサ信号の所定値に対応し、論理ユニットはベースラインモードおよびモニタリングモードで作動し、
ベースラインモードはパイロットコマンド信号の最初の所定数のサイクルを含み、期待サイクルパラメータを得るため、サイクルパラメータの個々の決定が累算され、および、
モニタリングモードはベースラインモードの完了後に使用され、論理ユニットは、サイクルパラメータが、モニタリングモード中に、期待サイクルパラメータからの所定分散を呈するときに表示信号を発生し、
前記論理ユニットは適応モードを更に有し、適応モードでは、期待サイクルパラメータは、所定ウィンドウ内のサイクルパラメータの個々の決定に応答する制御上限および制御下限を統計的プロセス制御技術に基づいて、慣らし運転後、制御弁の全寿命サイクルを通して計算することにより動的に決定され、所定分散は、制御上限より大きいサイクルパラメータまたは制御下限より小さいサイクルパラメータに対応することを特徴とする流体制御弁システム。
【請求項2】
前記弁センサにより検出されたパラメータは弁要素の瞬間位置を含み、少なくとも1つの所定事象は、第1位置と第2位置との間の所定位置への弁要素の所定移動を含むことを特徴とする請求項1記載の流体制御弁。
【請求項3】
前記サイクルパラメータは、弁要素が第1位置と第2位置との間で移動する測定された時間長さに対応し、または弁要素が所定位置に移動するまでのパイロットコマンド信号の所定変化からの測定された時間長さに対応することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項4】
前記サイクルパラメータは、測定された時間長さが、測定された平均時間長さより長いときは、期待サイクルパラメータからの所定分散を呈することを特徴とする請求項3記載の弁システム。
【請求項5】
前記サイクルパラメータは、測定された時間長さが、測定された平均時間長さより短いときに、平均サイクルパラメータからの所定分散を呈することを特徴とする請求項3記載の弁システム。
【請求項6】
前記サイクルパラメータは、測定された時間長さが、標準偏差より大きいときまたは小さいときは、期待サイクルパラメータからの所定分散を呈することを特徴とする請求項3記載の弁システム。
【請求項7】
前記第1位置および第2位置は、弁要素のそれぞれ除勢位置および付勢位置に実質的に位置していることを特徴とする請求項3記載の弁システム。
【請求項8】
前記第1位置は弁要素の除勢位置から間隔を隔てており、第2位置は弁要素の第1位置と付勢位置との間にあることを特徴とする請求項3記載の弁システム。
【請求項9】
前記第1位置は除勢位置から付勢位置までの距離の約20%の位置に実質的に位置し、第2位置は除勢位置から付勢位置までの距離の約80%の位置に実質的に位置していることを特徴とする請求項8記載の弁システム。
【請求項10】
前記弁センサは、出口ポート内の出口圧に応答して出口圧信号を発生させるための、出口ポートに連結された圧力センサからなり、サイクルパラメータは、出口圧が第1所定圧力と第2所定圧力との間で移動する測定された時間長さに対応することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項11】
前記サイクルパラメータは、測定された時間長さが、測定された平均時間長さより長いときは、期待サイクルパラメータからの所定分散を呈することを特徴とする請求項10記載の弁システム。
【請求項12】
前記弁システムの外部一般的状態を表す1組の信号を発生する複数の一般的センサを更に有し、前記1組の信号は論理ユニットに接続され、論理ユニットは、サイクルパラメータが、前記1組の信号の不具合のため期待サイクルパラメータからの所定分散を呈するか否かを決定することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項13】
前記不具合は、所定範囲外の一般的状態に応答して決定されることを特徴とする請求項12記載の弁システム。
【請求項14】
前記1組の信号は、平均的な一般的状態を得るべくベースラインモード中に累算され、不具合はセンサ信号と平均的な一般的状態との比較に応答して、モニタリングモードで決定されることを特徴とする請求項12記載の弁システム。
【請求項15】
前記複数の一般的センサは、入口ポートおよび出口ポートの圧力を検出する少なくとも1つの圧力センサまたは周囲温度を検出する温度センサを有していることを特徴とする請求項12記載の弁システム。
【請求項16】
前記パイロットはソレノイド弁であり、複数の一般的センサはソレノイド弁が受けたパイロットコマンド信号の電圧の大きさを検出する電圧センサを有し、または前記パイロットはソレノイド弁であり、複数の一般的センサはソレノイド弁が受けた電流の大きさを検出する電流センサを有していることを特徴とする請求項12記載の弁システム。
【請求項17】
前記弁センサはホール効果センサおよびマグネットを有し、マグネットは、該マグネットが第1位置と第2位置との間で移動するときに、弁要素が変化する量で進入する磁界を発生するように取付けられており、弁要素は透磁性を有し、ホール効果センサは、生じる磁界変化を検出するように取付けられていることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項18】
前記パイロットはソレノイド弁であり、パイロットコマンド信号は電気信号であり、またはパイロットは空気圧弁であり、パイロットコマンド信号は圧力信号であることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項19】
前記弁センサにより検出されるパラメータは出口ポートでの瞬間圧力を含み、少なくとも1つの所定事象は、付勢圧力と除勢圧力との間の所定圧力を検出することを含むことを特徴とする請求項1記載の流体制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは流体制御弁に関し、より詳しくは流体制御弁の性能モニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧弁のような流体制御弁は、入口から1つ以上の出口への移動流体エネルギおよび1つ以上の出口から1つ以上の排出ポートへの移動流体エネルギを含む多くの工業的機能を遂行する。流体エネルギは、例えば空気圧シリンダの動作を制御するのに利用できる。通常の性能仕様以外の仕様を遂行する弁は、該弁が装着されたシステムがその必要機能を達成することを妨げる。このため、製造装置により規格外品が製造され、製造装置が損壊されかつ生産休止が引き起こされる。生産休止は製造プロセスの効率を低下させかつこれに付随する直接的なボトムラインコストを有する。弁の故障(すなわち、弁の通常の性能仕様以外の状態)は、何らかの内部作動コンポーネンツの問題から生じる。コンポーネンツは摩耗を受けまたは弁の作動時に導入される汚染を受ける。最終的に、弁の性能は、その意図した仕事を達成できなくなる程度まで低下する。しかしながら、このように低下してしまう前に、弁には、一般に性能低下が生じる。このように低下した性能は、緩慢な応答時間または不規則応答として現れる。弁は許容限度内で作動し続けかつ生産量は最初は低下しないため、この性能低下は、製造作業の進行中にしばしば気付かないことがある。
【0003】
制御弁の機能は、通常、製造機械および生産量にしたがってモニタリングされる対応機械の制御システムの空気圧により制御される部品に与える影響に基づいて間接的にモニタリングされる。製造される部品が許容できるものである限り、制御弁のようなシステムのコンポーネンツに定常的なメインテナンスが行われるに過ぎない。製造プロセスが故障するか、製造された部品が検知可能な障害を呈する場合には、製造プロセスの作動を制御するメインコントローラがシステムを停止させる。この場合、製造設備の使用者は、製造の問題点の分析に基づいて、問題点を修理する。問題が制御弁のみにある場合には、制御弁を修理するか、交換する。
【0004】
制御弁の性能を間接的にモニタリングすることに加え、従来のシステムは、しばしば制御弁の出力の直接モニタリングを行う。一般に、これは、応答が予め確立されたパラメータから外れているか否かを識別するため、センサスイッチを、弁の付勢および除勢をモニタリングする論理コントローラに接続することにより行われる。予め確立されたパラメータは、一般に、制御される機械の機能的性能に基づいて定められる。
【0005】
しかしながら、従来の殆どの弁モニタリングシステムは、性能が徐々に低下することの問題に対処できないだけでなく、期待される残りの稼働寿命を予知できる何らかの態様で性能低下を正確に追跡することもできない。下記特許文献1に開示の特許は、予め確立された限度と比較するための、制御弁および他の空気圧システムのコンポーネンツの種々の内部パラメータの変化を測定するものである。同様に、下記特許文献2に開示の特許は、許容できるスイッチング遅延を定めるための記憶された設定値に基づいてモニタリングする弁を使用するものである。前述の従来技術の限界により、近い将来に起こりうる障害は正確に予測ができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許公開WO2006/056214号公報
【特許文献2】欧州特許第1365159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、弁の全稼働寿命に亘る弁の性能の特定状況をモニタリングする。弁が性能低下を呈し始めると、モニタリング装置は、弁がもはや適正に機能しなくなる状態に移行しつつあることを製造業者(使用者)に警告する表示信号を発生する。この警告は、製造の中断または損失が回避されるように予防メインテナンスを行うことを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、流体制御弁システムが、入口ポートおよび出口ポートと連通している細長ボアを備えた弁本体を有している。ボア内では、弁要素が第1位置と第2位置との間で移動できる。弁本体に関連して弁センサが取付けられており、該弁センサは、第1位置と第2位置との間で変化する弁の瞬間パラメータを表示するセンサ信号を発生する。弁本体にはパイロットが取付けられており、該パイロットは、パイロットコマンド信号を受け、該信号に応答して弁要素を移動させることができる。論理ユニットがセンサ信号およびパイロットコマンド信号を受け、該パイロットコマンド信号が所定の変化をすると、論理ユニットにより、2つの所定事象の間に時間に応答するサイクルパラメータを決定させる。少なくとも時間の始点または終点は、センサ信号の所定値に一致する。サイクルパラメータの個々の決定は累算されて、期待サイクルパラメータを得る。サイクルパラメータが、期待サイクルパラメータからの所定の分散を呈すると、論理ユニットが表示信号を発生する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の弁ユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】他の実施形態による弁ユニットが除勢位置にあるところを示す断面図である。
【
図3】
図2の弁ユニットが付勢位置にあるところを示す断面図である。
【
図4】弁付勢中のサイクルタイムパラメータを決定する種々の実施形態を示すグラフである。
【
図5】弁除勢中のサイクルタイムパラメータを決定する種々の実施形態を示すグラフである。
【
図6】論理ユニットの一実施形態を示すブロック図である。
【
図7】本発明の好ましい一実施形態を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の他の好ましい実施形態をより詳細に示すフローチャートである。
【
図9】本発明の他の好ましい実施形態をより詳細に示すフローチャートである。
【
図10】サイクルタイムパラメータの平均値と、統計的プロセス制御を用いて決定された制御上限および制御下限との比較を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで
図1を参照すると、弁システム10は、ベース12に取付けられる弁本体11を有している。弁本体11は、ベース12内の種々のポート間に流体を供給する従来の弁内部部品を有している。弁本体11には、カバープレート13によりパイロット弁14が取付けられている。パイロット弁14に接続されるパイロットコマンド信号15は、パイロット弁14が電気ソレノイド作動弁である場合には電気信号を使用でき、或いはパイロット弁14が空気圧制御弁である場合には空気圧信号を使用できる。ハウジング17を弁本体11に取付けるための端キャップ16が設けられている。ハウジング17は、論理ユニットの形態をなす本発明のモニタリング電子装置と、該モニタリング電子装置をマスター制御/モニタ20に電気的に接続する端コネクタ18、19とを有している。
【0011】
弁本体11、ベース12およびパイロット弁14は、1つ以上の可動弁要素を用いた従来の任意の形式の流体制御弁で構成できる。本発明を使用して、単一弁、二重弁、2位置弁、3位置弁または可動弁要素を備えた他の任意の弁をモニタリングできる。本願では、2位置を備えた単一可動弁要素を有する弁の一例を説明する。しかしながら、別の各弁要素の変化および応答を検出すべく本発明の検出部分およびモニタリング部分を二重にすることにより、2つ以上の可動弁要素を備えた二重弁のような任意の弁をモニタリングできる。或いは、3位置に移動できる単一弁要素を備えた弁(すなわち、入口を2つの異なる出口のいずれかに別々に連結する弁)は、それぞれの異なる出口への中央除勢位置と、これに対向する付勢位置との間での弁のサイクリングを別々にモニタリングできる。
【0012】
図2を参照すると、ここには制御弁10の一例が断面で示されている。弁本体11を横切って細長ボア25が延びており、該細長ボア25は、
図2に示す除勢位置と、
図3に示す付勢位置との間でボア25内で長手方向に移動できる弁要素26を受入れている。ボア25には、弁要素26の異なるセクションを受入れる種々のチャンバが形成されている。ボア25のそれぞれのチャンバは、一端でピストンポペット27を受入れ、他端で入口ポペット28を受入れている。ボア25は更に、入口ポート30、出口ポート31および排出ポート32に連通している。ピストンポペット27は、付勢位置にあるときに弁座34と係合するシール33を有している。
図2に示す除勢位置ではシール33が弁座34から離れており、これにより出口ポート31が排出ポート32に連結されている。ピストンポペット27には、ボア25と係合してパイロット圧と弁ポート30〜32との隔絶を維持するラジアルシール35も設けられている。
【0013】
入口ポペット28は、入口チャンバを出口チャンバから選択的にシールすべく弁座37と係合するシール36を有している。かくして、ピストンポペット27に対してパイロット圧が作用していない場合には、弁要素26が
図2の除勢位置にあるとき、スプリング38が弁座37に対してシール36を押圧して、入口ポート30と出口ポート31とを隔絶する。かくして、出口ポート31は、除勢位置にあるとき排出ポート32に連結され、かつ付勢位置にあるとき入口ポート30に連結される。カバープレート13を通るパイロット通路39は、弁要素26を付勢位置に配置したい場合に、パイロット弁14からのパイロット圧を供給してスプリング38に作用させる。適正な入口圧およびパイロット圧および適正なパイロット制御信号が存在する限り、弁要素26は付勢位置と除勢位置との間を迅速に移動して、故障による場合でない限りいかなる中間位置にも留まることはない。
【0014】
本発明は、弁要素26の作動サイクル中にその応答をモニタリングして、性能低下および最終的に仕様を外れる故障をもたらす虞れのある弁性能の傾向の上昇を示す運動変化を検出する。制御弁10は、弁性能の電子的モニタリングに関連する付加要素を有している。弁要素26の一端は、端キャップ16に取付けられたブシュ40内に受入れられている。ブシュに近接して、端キャップ16内にはマグネット41が取付けられており、該マグネット41により発生された磁界が、透磁性を有する弁要素26の移動により変化されるようになっている。したがって、ホール効果センサ42を使用して、マグネット41により発生された磁界の変化をモニタリングすることにより、弁要素26の瞬間位置を決定することができる。ホール効果センサ42は、ハウジング17内に取付けられた第1プリント回路板43に取付けられている。付加プリント回路板44、45には、ハウジング17内の論理ユニットの付加電子コンポーネンツが収容されている。
【0015】
当業者ならば、弁要素位置の他の検出方法を用いることができることは明白であろう。静止マグネット41の代わりに、弁要素26と一緒に移動するマグネットを使用することもできる。例えば、弁要素26自体の一部を永久磁石で構成し、
図2および
図3の要素41を磁気カプラ(すなわち、永久磁化されていないもの)で構成して、変化する磁界を弁要素26からホール効果センサ42に伝達することができる。
【0016】
位置検出以外に、除勢位置と付勢位置との間で変化する弁の瞬間パラメータを表示するセンサ信号を発生する任意のセンサを用いることができる。本発明は、弁がその除勢位置と付勢位置との間で変化するときに、センサ信号の異なる値の間の経過時間長さを決定する能力にのみ基づいている。例えば、弁の付勢中または除勢中に変化する出口圧の時間進行を用いることができる。変化する出口圧はまた、入力パラメータおよび出力パラメータがセンサ信号および応答時間に悪影響を与えないことを確認するのにも使用できる。
【0017】
本発明の制御弁は、弁要素26の移動に関連する時限事象(timed events)の検出、または制御弁内の他の状態または制御弁の外部からの外的影響(本願では、これらの全てを「一般的状態」と呼ぶ)の決定に使用できる付加センサを有している。かくして
図2および
図3には、入口圧および出口圧を測定するための少なくとも2つの圧力センサ46を含む複数の圧力センサが示されている。端キャップ16および弁本体11を通る通路(図示せず)は、圧力センサ46とそれぞれの入口チャンバおよび出口チャンバとを連結する。測定された圧力は論理ユニットにより処理され、論理ユニットは、付勢状態および除勢状態の場合の定常状態の入口圧および出口圧の値を供給し並びに弁の付勢中の入口での最大瞬間圧力降下を検出する。弁10およびその周囲の温度をモニタリングするため、1つ以上の温度センサ(図示せず)を設けることもできる。パイロット弁14に供給される電気信号はまた、カバープレート13と端キャップ16との間で延びている配線キャビティ47を通して、一般的状態として論理ユニットに供給される。
【0018】
図4は、除勢位置と付勢位置との間で変化する弁の瞬間パラメータに対応する時限事象を定める一例としての方法を示している。
図4は、正に2つの例を与えるため、1)付勢位置と除勢位置との間の弁要素のリニア位置、または2)出口圧に対応するセンサ信号を表わすプロットライン50を示すグラフである。制御弁は、モニタリングされる瞬間パラメータが初期除勢値をもつように、線分51に沿って示すように最初に除勢される。名目的に、除勢値はゼロ位置(排出ポペットが開かれかつ入口ポペットが完全に閉じられた状態)または実質的にゼロの出口圧(すなわち、周囲の大気圧)に対応する。位置54でパイロットコマンド信号(「パイロット・オン」)が発生され、線分53の最終付勢値に到達するまで、(短い遅延時間後に)線分52に沿って位置すなわち圧力を上昇させる。線分52の始点と終点との間の時限事象は、弁の付勢に対応するサイクルパラメータを決定するのに使用できる。しかしながら、線分52の正に一部を使用して、弁要素運動の始点および終点での加速およびバウンドのような複雑なファクタを回避するのが一層好ましい。したがって、除勢値と付勢値との間の20%レベルで、第1時限事象を表示する事象55が定められる。80%値は、第2事象の時点を定める第2センサ信号の事象56を定める。得られるサイクルパラメータ57は、測定した時間長さΔtに一致する。別のサイクルパラメータ58は、パイロットコマンド信号54(パイロットへの直接配線を介して論理ユニットにより検出されるか、パイロット圧センサにより検出される)の時点に対応する第1事象を用いて定められ、対応するサイクルパラメータ時間Δt*は、80%センサ信号に対応する時点で終了する。
【0019】
図5は、制御弁の除勢中のサイクルパラメータの決定を示す同様なグラフである。プロットライン60は、弁が付勢状態に留まる間の選択されたパラメータの定常状態付勢値に対応する線分61を有している。「パイロット・オフ」事象64は、パイロットコマンド信号が除去されるときに生じる。短い反応時間後に、選択されたパラメータは、線分63での除勢定常状態値に到達するまで、線分62に沿って減少する。除勢サイクルパラメータは、線分62に沿って定められる1対の事象間で決定される。サイクルパラメータは、例えば、瞬間パラメータの80%レベルで開始するか、パイロットコマンド信号の断時点で開始する。サイクルパラメータの測定時点は選択されたパラメータの20%レベルまたはパラメータの異なるレベルで終了する。選択されたパラメータの20%レベルおよび80%レベルは、単なる例示である。首尾一貫して正確に決定される、線分52、62に沿う任意の時点対は、付勢サイクルパラメータおよび除勢サイクルパラメータを決定するのに用いられる。以下により詳細に説明するように、本発明は、長期間平均に対するサイクルパラメータの変化をモニタリングすることにより、弁性能の低下が生じるときを予測する可能性を達成する。
【0020】
図6には、本発明の論理ユニット65がより詳細に示されている。マイクロコントローラ65は、例えばNXPセミコンダクタ社から入手できるLPC2368マイクロコントローラのような任意の適当なマイクロプロセッサで構成できる。マイクロコントローラ66は、ホール効果センサ42に接続されている。2つ以上の可動弁要素を備えた制御弁をモニタリングする場合には、第2ホール効果センサ67を、電子モジュールハウジング内のパッケージ型電子部品の内部または外部に設けることができる。
【0021】
入口圧センサ46aおよび出口圧センサ46bは、マイクロコントローラ66に接続されている。第2出口を備えた3位置弁、または2つの独立した可動弁要素および第2出口を用いた弁をモニタリングするため、出口圧センサ68を設けることもできる。弁と一体の温度センサ70をマイクロコントローラ66に接続することもできる。パイロット弁が空気圧作動型である場合には、論理ユニット65が弁サイクル中の各付勢および除勢の立上がりを検出できるように、パイロットコマンド信号を発生させるパイロット圧センサ71を設けることができる。
【0022】
パイロット弁が電気的に制御される場合には、検出抵抗72をパイロットソレノイド73と直列に接続し、これにより、共通検出ライン74、電流検出ライン75および電圧検出ライン76を設け、これらの全部をマイクロコントローラ66に接続する。
【0023】
入力パワーコンディショニングブロック77は、調整されたパワーをマイクロコントローラ66に供給する。構成ポート(configuration port)78がマイクロコントローラ66に接続されていて、ユーザが種々のセットアップおよび構成パラメータにアクセスしかつ構成できるようにしている。複数のデジタル入力80を使用して弁に信号を供給し、統計的ベースライン(後述)のマニュアルリセットの初期化のような何らかのアクションまたは論理演算を行うことができる。
【0024】
弁の状態を表示するのに使用される複数のデジタル出力81がマイクロコントローラ66により発生される。例えば、デジタル出力81は、弁性能が正常であるとき、パラメータが一定範囲を外れているとき、弁性能の幾つかのアスペクトが変化したとき、および出力圧に対する入力圧の論理比較が所定の条件を満たしているときを表示するバイナリフラグからなる。例えば、それぞれのフラグは、出口圧が入口圧より調節可能な数%大きくて、制御される下流側デバイスが完全に付勢されかつ運転準備が整っていること(すなわち、出口により行われた仕事が達成されたこと)の表示としてセットされる。PLCまたは他のプロセスコントローラは、この情報を使用して、次の機械サイクルの始動を早め、これにより遂行すべきプロセスをスピードアップすることができる。
【0025】
マイクロコントローラ66にはデータ記憶デバイス82(例えば、リムーバブルSDカードまたは固定メモリ)を接続し、該データ記憶デバイスを、ログされたデータ、統計的パフォーマンスデータ、障害データおよびサイクル-トゥ-サイクルパフォーマンスデータの記憶に使用することができる。通信ポート83がマイクロコントローラ66に接続されており、該通信ポート83は、PLCまたはPC等の電子デバイスにより論理ユニットとの相互作用を可能にするイーサネット(登録商標)ポート(Ethernet(登録商標)port)または他の直列または並列型ネットワーク通信機能を有している。
【0026】
マイクロコントローラ66にはウォッチドッグLED(watchdog LED)84が接続されており、該ウォッチドッグLED84は、論理ユニット65が機能していることの視覚表示を行う(例えば、トラブルシューティングツールとして使用される)。マイクロコントローラ66にはステータスLED85も接続されており、該ステータスLEDは、論理ユニットの作動中に、プログラム可能な任意の所望表示を発生させるのに使用される。
【0027】
1つの内部シフト弁要素を備えた制御弁をモニタリングする本発明の典型的なシステムの作動は、概略的に次のように行われる。弁を付勢するため、パイロットコマンド信号が受けられる。コマンド信号は、ソレノイドを作動させる電気信号または空気圧制御型パイロット弁を作動させるパイロット圧である。論理ユニットはパイロットコマンド信号を検出して、付勢タイマーを始動させる。論理ユニット内に維持されたサイクルカウントが1だけ増大される。論理ユニットは、パイロット信号の電圧および電流が、論理ユニット内で使用されかつ予め論理ユニット内に装備されているソレノイドユニットの設計特性により決定された所定限度内にあることを確認するため、パイロット信号を試験する。この所定限度は、フィールド内で(例えば、構成ポートまたは通信ポートを通して)調節することもできる。パイロットコマンド信号が所定限度内にない場合はいつでも、論理ユニットは障害をログし、かつ問題を表示する出力信号を例えばPLCまたは他のメインコントローラ等の外部デバイスに供給する。
【0028】
入口圧も測定されかつ論理ユニットにより記録される。入口圧の定常状態値が(例えば長時間平均をとることにより)累算されて、変えることができる所定限度と比較される。全付勢サイクルに亘る瞬間値も、前のサイクルに亘る論理ユニットにより累算された定常状態ベースライン入口圧と比較される。瞬間入口圧がベースライン値の或る百分率(%)内にない場合には、論理ユニットは、障害メッセージまたはLED信号のような他の表示を与える。各弁作動サイクルの前、間および後に、他の一般的状態も検出されかつ記録され、一般的状態がこれらの所定限度外に移行したときは障害メッセージを発生する。
【0029】
パイロットの付勢により、パイロット圧が弁要素のピストンに作用して、弁要素を除勢位置から付勢位置へとシフトさせる。弁要素のステム部分が移動すると、ホール効果センサで検出された磁界が変化される。センサ信号は処理されて、弁要素の位置をリアルタイムで決定する。作動している付勢タイマーにより表示される瞬間時点が、弁要素の経路に沿う所定位置(例えば、両端位置間の20%の位置および80%の位置)で記録される。時限事象間の差異に基づいて、対応移動を行う時点が決定される。論理ユニットは、前の作動サイクルについて記録されかつ統計的に分析されたデータを用いて、時点の値を、特定値について論理ユニットにより確立されたベースラインの時点と比較する。弁要素の応答時点が、選択されたサイクルパラメータ(該パラメータは、前の作動サイクル中に累算されたベースラインにしたがってマニュアルで入力されているか、決定されている)のプロセス制御限度内にない場合には、論理ユニットは、障害をログしかつ対応する障害メッセージまたは他の表示を外部デバイスに与える。除勢サイクル中にも同様なプロセスが遂行される。
【0030】
本発明の好ましい方法を
図7のフローチャートに関連して以下に説明する。パイロットがスイッチ・オンされたことを論理ユニットが検出すると、新しいサイクルが開始する。ステップ100では、論理ユニットが、入口圧、パイロット信号の電圧および電流および弁温度等の種々の一般的状態をチェックする。弁ステムの最小位置も一般的状態として測定される。なぜならば、最小状態(すなわち、ホール効果センサから最も遠い定常状態位置および名目上除勢位置)の変化は、弁座上のゴミの蓄積または弁の完全な除勢を妨げる他のシール問題を示すからである。また、フィルタの障害または目詰まり等の入口流体供給において生じ得る問題を示すものとして最小瞬間入口圧を決定できるように、入口圧のような幾つかの一般的状態を全サイクルに亘ってモニタリングすることもできる。ステップ101では、全ての一般的状態がこれらの目標範囲(前の弁サイクルから統計的に決定されているか、または論理ユニットの構成中に供給される厳しい限度から決定されている)と比較される。いずれかの一般的状態がこれらの目標範囲内にない場合には、ステップ102で障害メッセージまたは他の表示が送られる。付勢中の弁の内部応答がステップ103で測定される。ステップ104でチェックが行われ、弁の内部応答に対する有効なデータが得られたか否かを決定する。データの有効性は、一般的状態が弁要素の名目性能を期待できるものであるか否かに基づいて判断される。有効データが得られる状態が存在しない場合には、論理ユニットは弁の次のサイクルを待機する。しかしながら、有効データが得られた場合には、ステップ105でデータの進行中の平均および統計的累算が更新される。
【0031】
ステップ106では、有効なベースラインが累算されたか否か(累算された平均中に充分な数のサイクルが含まれているか否か)を決定するチェックが行われる。累算されていない場合には、論理ユニットは、次のサイクルが生じることを待機する。或いは、有効な内部応答データは、論理ユニットにより記憶された極端限度と比較して、制限された時間内に受入れることができるボーダーラインの作動のみを定める。例えば、100〜200mSの範囲内の大きいタイムウィンドウは、ベースラインの累算前に、決定されたサイクルタイムと比較され、範囲から外れる事象は、限定されたタイムフレームの間無視される。
【0032】
有効ベースラインが累算されたならば、ステップ107で、現在の弁応答が期待値(単一または複数)と比較される。一実施形態(本願では「適応(adaptive)」モードと呼ぶ)では、連続サイクルのサイクルタイムパラメータを用いた統計的プロセス制御(statistical process control:SPC)技術に基づいて、制御上限および制御下限として計算される。他の実施形態(本願ではモニタリングモードと呼ぶ)では、現在の弁応答(すなわち、サイクルタイムパラメータの現在値)が、長期平均値として決定された期待値と比較される。ステップ108では、現在の応答と期待応答との間の分散が所定分散より大きいか否かを決定するチェックが行われる。例えばモニタリングモードでは、10,000サイクルに亘って弁を作動させることから、20%位置と80%位置との間での弁要素の移動として定義されるサイクルパラメータが、20ミリ秒(ms)の平均値を有することが決定される。所定の分散は、例えば10%増大からなり、これにより瞬間サイクルパラメータが22msを超える場合には、所定の分散が存在し、このため障害メッセージまたは他の表示信号を発生させるべきである。
【0033】
所定の分散より小さい分散が存在する場合には、論理ユニットは次のサイクルの開始を待機する。所定の分散が存在する場合には、この分散が一般的状態により引き起こされたものであるか否かを決定するチェックがステップ109で行われる。一般的状態により引き起こされたものである場合には、論理ユニットは、次のサイクルが開始することを単に待機する。一般的状態により引き起こされたものでない場合には、ステップ110で障害メッセージが発生され、サイクルタイムパラメータが期待値(ベースライン平均値または制御上限および制御下限)からの分散を呈していること、および制御弁の「仕様外(out-of-spec)」作動が緊迫していることを論理ユニットが予測する程度まで弁性能が低下したことを、メインコントローラ、モニタリングデバイスまたはオペレータに表示する。好ましい実施形態では、障害メッセージには、障害状態が生じる前に残っている見積もられた数(projected number)の弁サイクル(または弁のサイクル速度に基づいた残り時間)を含めることができる。
【0034】
図8には、本発明のより詳細なプロセスが示されている。ステップ115で、パイロットコマンド信号を受ける。ステップ116で、一般的状態、初期状態および始動時点が記録される。ステップ117で、サイクルカウントが1つだけ増やされる。ステップ118では、制御弁を最初に設置したときからのサイクルカウントが少数で、制御弁システムが慣らし運転期間(すなわち、弁コンポーネンツが摩耗しかつ互いに調節し合っており、未だ首尾一貫した性能を発揮する作動状態には到達していない期間)内にあることを示しているか否かを決定するチェックが行われる。同様にステップ118では、弁の前のサイクル運転以来特定時間が経過したアイドル状態をチェックする。例えば、週末の間製造プロセスが停止された場合に、次の稼働日の最初の幾つかの弁サイクルは、弁作動自体にまたは製造システムの上流側コンポーネンツおよび下流側コンポーネンツに過渡時を有し、このため、測定されたデータは信頼性がなく累算された進行中の平均に使用すべきではない。アイドル状態または慣らし運転状態では、ステップ119で修正プロセスが使用される。修正プロセスは、測定値の或る変化を減じるが、依然として全体的弁性能をモニタリングする。
【0035】
アイドル運転期間または慣らし運転期間内にない場合には、ステップ120で、他の一般的状態がOKであるか否かを決定するチェックがなされる。OKでない場合には、ステップ121で障害メッセージが送られる。弁作動サイクルの全体を通して、ステップ122で入口圧がチェックされ、所定の限度を外れる場合にはステップ123で障害メッセージが発生される。同様に、弁サイクルの全体を通して、ステップ124で出口圧がチェックされ、出口圧が所定限度を外れる場合には、ステップ125で、対応する障害メッセージが送られる。
【0036】
ステップ126では、弁要素の内部応答(例えば、弁要素が所定位置で検出されるときの事象間の時間または出口に所定圧力が存在するときの時間)が記録される。ステップ127では、弁要素応答についての記録された時間および/またはパイロットコマンド信号の変化時間に応答して、作動サイクルタイムが計算される。
図8の方法は、ベースラインモードまたはモニタリングモードで次のように作動する。ステップ128では、サイクルカウントが閾値より大きいか否かを決定するチェックが行われる(ここで、閾値は、有意義な平均が得られる充分に長い弁作動期間を表わすべく選択されるサイクル数をいう)。閾値に到達するまで、平均値はベースラインモード内に累算されるが、残り寿命(すなわち、仕様外の弁状態に至るまでのサイクル数)を予測するのには使用されない。かくして、ステップ128においてカウントが閾値より大きくない場合には、ステップ129において、ベースラインモードについての平均値が更新され、一般的状態は有効データが得られたことを表す。
【0037】
ステップ128でカウントが閾値を超える場合には、ステップ130で始まるモニタリングモードの作動が行われ、ここでは、現在のサイクル(すなわち、サイクルの或るウィンドウについての平均)について決定された1以上のサイクルタイムパラメータが、サイクルパラメータ閾値(例えば、累算されたベースライン平均に比例する値)と比較される。平均をチェックする代わりにまたは平均をチェックすることに加え、チェックは、弁性能パラメータの標準偏差で行うことができる。標準偏差の傾向は、サイクルが累算されるときに弁の性能(スティッキング)に大きい変動性があるか否かを示す。
【0038】
サイクルタイムが、弁要素の移動速度が一傾向を示すのに充分なほど低下したことを示すサイクルパラメータ閾値より大きい場合には、ステップ131で、増大した時間が入口への加圧流体の供給の問題によるものであるか否かを決定するチェックが行われる。供給状態が名目的限度内にある場合には、ステップ132で、弁に障害が生じるまでのサイクル数または時間の予測が更新される。例えば、連続サイクルの別個の群についての平均サイクルパラメータは、増加するサイクルタイムパラメータの全ての傾向を観察できるように、論理ユニットで計算されかつ保持される。平均サイクルタイムパラメータが増大する傾斜を決定すべく、それぞれの群のサイクルタイム(および/または標準偏差)を処理(例えば積分)できる。傾斜および現在値に基づいて、平均サイクルタイムが許容できない長さの時間に達するまで、残りのサイクルの見積もられた数が評価される。障害状態までの対応するサイクルタイムまたはサイクル数が、ステップ133で所定のサイクル数と比較される。残りのサイクルの見積もられた数が所定数より小さくない場合には、許容できる状況が検出される。残りのサイクルの見積もられた数が所定数より小さい場合には、ステップ134で、表示信号が送られ、緊迫した障害が予測されることをメインコントローラおよびオペレータに表示する。この表示には、予測した障害が生じるまでの残りのサイクル数または時間を含めることができる。
【0039】
ステップ130において、測定したサイクルタイムが閾値より大きくない場合(すなわち、現在のサイクルパラメータが期待されたサイクルパラメータからの所定分散を呈さない場合)には、またはステップ131で供給問題を検出した後には、更新された予測がステップ133でOKであることを決定し、またはステップ134で表示信号を送り、次に、ステップ135でサイクルパラメータの運転平均値が更新され、サイクルパラメータデータが有効になる一般的状態および他の状態が得られる。ステップ135での更新平均値を決定する方法は、ベースラインモードのステップ129における方法と同等にするか、サイクルパラメータの変化に対して異なる感度が得られるように修正できる(例えば、モニタリングモードにある間に、現在値の大きい変化に対する平均値の感度を低くするように修正できる)。その後、ステップ136において、論理ユニットは、除勢サイクルの開始の表示として、パイロット信号の終了を待機する。
【0040】
ベースラインモードおよびモニタリングモードに加え、本発明は「適応モード」を利用することもできる。このモードでは、論理ユニットは、制御弁のサイクルパラメータまたは一般的変数に生じる大きい変化を検出する。サイクルパラメータまたは一般的変数の前のサンプルに基づいて、上下の制御限度が、
図10に示す統計的プロセス制御を用いて計算される(
図10では、サイクルパラメータ値がライン155としてプロットされている)。ライン155の各データポイントは、周期的にサンプリングされた幾つかのサイクルについて決定された平均サイクルパラメータ値または標準偏差を含むことが好ましい。
【0041】
適応モードは、最初の慣らし運転期間156中は付勢されない。その後、制御上限(upper control limit:UCL)157および制御下限(lower control limit:LCL)158が、制御弁の全寿命サイクルを通して動的に決定される。例えば、UCL157およびLCL158は、ウィンドウ162中に生じるサイクルパラメータを用いて、それぞれ参照番号160、161で示すサイクルで計算される。一実施形態では、異なる時点でUCLおよびLCLを計算するのにスライディングウィンドウが使用される。UCL157およびLCL158の値は、6つの(σ)分散のような統計的分散に基づいて、良く知られた慣用方法で決定される。事象163では、ライン155の突然変化によりUCL157より大きくなり、これにより現在の分散が所定の分散より大きくなって障害メッセージが発生される。事象163の後、UCLおよびLCLは、サイクルタイムパラメータの大きい変化により、幅広に分離している。
【0042】
除勢サイクルの取扱いが、
図9のフローチャートに示されている。ステップ140で、パイロットコマンド信号がスイッチ・オフされる。ステップ141で、一般的状態とオフ時間が記録される。ステップ142で、弁の内部応答が記録される。ステップ143では、除勢サイクルタイムが計算される。ステップ144では、パラメータサイクルタイムが閾値(平均値、UCLおよびLCLまたは他の所定限度の百分率(%)に等しい)と比較される。ステップ145では、供給問題が、現在の除勢サイクルタイムと閾値との間に分散を引き起こしているか否かを決定するチェックがなされる。引き起こしていない場合には、ステップ146で、性能低下の予報または予測が更新される。ステップ147で、障害についての見積もられた時間が許容できる場合には、いかなる表示信号も送られない。許容できない場合には、ステップ148で表示信号が送られる。
【0043】
ステップ149では、有効状態が存在する限り、サイクルパラメータの期待値(例えば、平均値またはUCLおよびLCL)が、作動のベースラインモードまたはモニタリングモードにしたがって更新される。その後、ステップ150で、論理ユニットが次のパイロットコマンド信号を待機する。
【符号の説明】
【0044】
10 弁システム
14 パイロット弁
26 弁要素
30 入口ポート
31 出口ポート
32 排出ポート
41 マグネット
42 ホール効果センサ
65 論理ユニット
66 マイクロコントローラ
82 データ記憶デバイス