特許第5661680号(P5661680)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5661680アシスト位相領域を有する位相シフトマスク
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661680
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】アシスト位相領域を有する位相シフトマスク
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/34 20120101AFI20150108BHJP
   G03F 1/30 20120101ALI20150108BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20150108BHJP
   H01L 33/22 20100101ALI20150108BHJP
【FI】
   G03F1/34
   G03F1/30
   H01L21/30 502P
   H01L33/00 172
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-95568(P2012-95568)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2012-230378(P2012-230378A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2013年4月10日
(31)【優先権主張番号】13/066,804
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502400304
【氏名又は名称】ウルトラテック インク
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】特許業務法人 クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒシェ エル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フラック ダブリュー ウォーレン
【審査官】 新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−084625(JP,A)
【文献】 特開2009−016879(JP,A)
【文献】 特開2010−278140(JP,A)
【文献】 特開平11−015128(JP,A)
【文献】 特開2007−241136(JP,A)
【文献】 特開平04−218046(JP,A)
【文献】 特開2002−090979(JP,A)
【文献】 特開平11−251219(JP,A)
【文献】 特開2001−148357(JP,A)
【文献】 特開2007−036239(JP,A)
【文献】 特開2007−036240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/34
G03F 1/30
H01L 21/027
H01L 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解像限界を有するフォトリソグラフ投影システムで使用される位相シフトマスクであって、
前記解像限界以上の大きさである複数の位相シフト領域で構成されているとともに、周縁を有するチェッカーボードアレイと、
前記周縁の少なくとも一部に隣接するように配置されているとともに、前記位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に位置する複数のアシスト位相領域とを備えており、
前記複数の位相シフト領域は、隣り合う前記位相シフト領域との間で180度の位相差を有しており、
前記各アシスト位相領域は、前記解像限界よりも小さく、かつ、隣り合う前記位相シフト領域との間で180度の位相差を有している位相シフトマスク。
【請求項2】
前記周縁は、4つの辺を有しており、
前記位相シフト領域は、これら各辺の隣に配置されている請求項1に記載の位相シフトマスク。
【請求項3】
前記周縁は、前記4つの辺で規定された4つの角を有しており、前記アシスト位相領域が前記4つの角の隣に配置されている請求項2に記載の位相シフトマスク。
【請求項4】
前記アシスト位相領域は、前記チェッカーボードアレイの全周縁に隣接して配置されている請求項1から3のいずれか1項に記載の位相シフトマスク。
【請求項5】
前記アシスト位相領域で規定される周縁に隣接するように配置された不透明層を更に有している請求項1から4のいずれか1項に記載の位相シフトマスク。
【請求項6】
解像限界及び波長を有するフォトリソグラフ投影システムで使用される位相シフトマスクであって、
前記フォトリソグラフ投影システムの波長を透過させるとともに、表面を有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記表面に支持されており、前記解像限界以上の大きさである複数の位相シフト領域で構成されているとともに、複数の辺と4つの角を備える周縁を有するチェッカーボードアレイと、
前記表面に支持され、前記周縁を囲むように前記複数の辺及び4つの角に隣接配置されているとともに、前記位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に位置する複数のアシスト位相領域とを備えており、
前記複数の位相シフト領域は、隣り合う前記位相シフト領域との間で180度の位相差を有しており、
前記各アシスト位相領域は、前記解像限界よりも小さく、かつ、隣り合う前記位相シフト領域及び隣り合う前記アシスト位相領域との間で180度の位相差を有している位相シフトマスク。
【請求項7】
前記アシスト位相領域で規定される周縁に隣接するように配置された不透明層を更に備えている請求項6に記載の位相シフトマスク。
【請求項8】
半導体基板にフォトリスグラフパターンニングを行う方法であって、
フォトレジスト層を支持する表面を有する半導体基板を用意し、
複数の位相シフト領域で構成され、前記複数の位相シフト領域は、隣り合う前記位相シフト領域との間で180度の位相差を有しており、更に、周縁を有するチェッカーボードアレイと、解像限界よりも小さく、前記周縁の少なくとも一部に隣接するように配置されているとともに、位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に位置する複数のアシスト位相領域とを備えており、前記各アシスト位相領域は、隣り合う前記位相シフト領域との間で180度の位相差を有していることを特徴とする前記フォトレジスト層に前記位相シフトマスクパターンをフォトリソグラフ投影し、
フォトレジストの断続的なアレイを形成するように前記フォトレジスト層を処理する方法。
【請求項9】
荒らした基板表面を規定する基板ピンのアレイを形成するように前記フォトレジストを処理し、
前記荒らした基板表面上にp−n接合多層構造を形成する工程を更に備えている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体基板は、サファイアで形成されている請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記フォトリソグラフ投影は、名目波長365nmのユニットマグニフィケーションである請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記基板ピンは、1ミクロン以下の寸法を有しており、
開口数0.5以下でフォトリソグラフ投影を行う請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記位相シフトマスクは、前記アシスト位相領域で規定される周縁に隣接する不透明層を更に備えている請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記フォトリソグラフ投影は、前記基板における実質的全体の前記フォトレジスト層に、実質的に連続するフォトレジストピンのアレイを形成するため、露光野を繋ぎ合わせる工程を含む請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
サブレゾリューション・アシスト位相領域のアレイで囲まれた周縁を有するチェッカーボード位相シフトパターンを備える位相シフトマスクに照明光を透過させて、半導体基板上のフォトレジストをフォトリソグラフ露光してフォトレジストピンのアレイを前記フォトレジストに形成し、前記サブレゾリューション・アシスト位相領域は、前記チェッカーボード位相シフトパターンのステッピングエリアの外側に位置しており、
荒らした基板表面で規定される基板ピンのアレイを形成するために、前記フォトレジストピンのアレイを処理し、
前記荒らした基板表面上にp−n接合多層構造を形成し、前記荒らした基板表面が前記p−n接合多層構造で発生した光を散乱させることによって、滑らかな基板表面のLEDと比べて発光量が増加する発光ダイオード(LED)を製造する方法。
【請求項16】
前記位相シフトマスクは、前記サブレゾリューション・アシスト位相領域で規定された周縁に隣接する不透明層をさらに備えている請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、開口数0.5以下で行われる請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、名目波長365nmのユニットマグニフィケーションで行われる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、前記基板の実質的全体に、実質的に連続するフォトレジストピンのアレイを形成するため、露光野を繋ぎ合わせる工程を含む請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記位相シフトマスクの前記アシスト位相領域に対応する、露光野の重なり部を更に有する請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年12月21日に出願された米国特許出願(No. 12/928,862)「位相シフトマスクを用いた、フォトリソグラフィー法によるLED製造」の一部継続出願である。上記米国出願は、本明細書に含められる。
【0002】
本発明は、一般的に、フォトリソグラフィーに用いられる位相シフトマスクに関係し、特に、アシスト位相領域を有する位相シフトマスクに関係する。
【背景技術】
【0003】
位相シフトマスクは、半導体集積回路及び発光ダイオード(LED)を製造するための様々なフォトリソグラフィー技術に使用される。位相シフトマスクは、当該位相シフトマスクにおける透明領域が、石英ガラス板上にクロムを付着させるマスク方法と比較して相対的な位相差を有している点で、従来の、石英ガラス板上にクロムを付着させるマスク方法と異なっている。位相シフトマスクにおける透明領域が選択された位相差を有する利点は、当該透明領域を、画像強度(コントラスト)がよりシャープになるように電場振幅を付加して構成され得る点にある。この結果、フォトレジストにおける画像の解像度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6455877号明細書
【特許文献2】米国特許第7259399号明細書
【特許文献3】米国特許第7436001号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位相シフトマスクの一例として、交互の位相シフト領域、すなわち、0度と180度(π)位相領域の周期的なパターンを含めることができる。そのような位相シフトマスクは、交互パターンの解像度の向上に有用である。しかしながら、向上した画像コントラストは、リソグラフィー露光野の縁(周縁)で終わってしまう。なぜならば、交互パターンが終了するからである。その結果、上記露光野の縁に隣接して形成された特徴パターンが、位相干渉による不連続性のために歪みやすくなる。この問題に対しては、以前から、最終的に実際のデバイスの形成に使用されない歪んだ部分がウエハー上の領域に印刷されるようにする位相シフトマスク及び露光野を構成することで対応していた。しかしながら、すべての生産用途がこのような柔軟性を有している訳ではない。このため、従来の交互位相シフトマスクを用いることはできなかった。
【0006】
露光野の縁における歪んだ形状が問題となり得る生産用途の一例は、LED製造である。LEDは、LED製造及びLED設計における不断の向上により、次第に、より効率的なものになってきている。しかしながら、LEDの発光効率における一般的な限界は、当該LED内で発せられた光の全内部反射に起因している。例えば、窒化ガリウム(GaN)をベースにしたLEDの場合、n型にドープされた層、及びp型にドープされた層は、半導体基板(例えば、サファイア)の表面に形成されている。これらn型及びp型GaN層は、活性層を挟み込んでいる。また、一方のGaN層の表面は、空気に接している。この活性層で生じた光は、全方向へ均等に発光する。しかし、窒化ガリウムは、比較的高い屈折率(屈折率=約3)を有している。結果として、窒化ガリウムと空気との接触面には、最大入射角コーン(出口コーン)が存在する。p−GaN−空気界面から発光する光は、この最大入射角コーン内で発光する。しかし、反射した光がGaN構造に戻る部分の外部では、スネルの法則に従うことになる。
【0007】
LEDの発光効率を向上させるために、ある種のLEDは、荒らした基板表面に形成されている。この荒らした基板表面は、内面反射した光を散乱させ、一部の光を出口コーン内に導いてLEDから発光させる。これにより、LEDの発光効率を向上させることができる。
【0008】
製造時においては、同じ構造かつ同じ性能のLEDを得るため、操作し易くかつ一貫性のある、荒らした表面を有する基板の製造方法が望ましい。この目的を達成するために、上記した特徴パターン歪み法以外の方法で、荒らした表面を有する基板を形成することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、解像限界を有するフォトリソグラフ投影システムに用いられる位相シフトマスクである。この位相シフトマスクは、当該解像限界と同じか、あるいはこれよりも大きい寸法の位相シフト領域Rのチェッカーボードアレイを有している。隣り合う位相シフト領域Rは、相対的に180度の位相差を有している。また、このアレイは、周縁を有している。この位相シフトマスクは、更に複数のアシスト位相領域R’を有している。当該アシスト位相領域R’は、当該周縁の少なくとも一部に隣接するようにしているとともに、位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に配置されている。各アシスト位相領域R’の寸法は、解像限界よりも小さく形成されていると共に、隣り合う位相シフト領域Rとの間で180度の相対位相シフト差を有している。
【0010】
この位相シフトマスクにおいて、当該周縁は、4つの辺を有していることが好ましい。当該位相シフト領域は、それぞれの4つの辺を介して隣接するように配置されるのが好ましい。
【0011】
この位相シフトマスクにおいて、上記4つの辺によって定められる4つの角を有していることが好ましい。このアシスト位相領域R’は、それぞれ4つの角を介して隣接している。
【0012】
この位相シフトマスクにおいて、アシスト位相領域R’は、チェッカーボードアレイの全周縁に隣接するようにして配置されるのが好ましい。
【0013】
この位相シフトマスクは、アシスト位相領域R’によって定められる周縁に隣接する不透明層を更に有していることが好ましい。
【0014】
本発明の別側面は、解像限界及び波長を有するフォトリソグラフ投影システムに用いられる位相シフトマスクである。当該位相シフトマスクは、マスク本体を有している。このマスク本体は表面を有しており、また、マスク本体は、通常、フォトリソグラフ投影システム波長を透過する。この位相シフトマスクは、マスク本体の表面に支持され、解像限界と同じか、あるいはそれよりも大きい寸法に形成された位相シフト領域Rのチェッカーボードアレイを有している。隣り合う領域Rは、180度の位相差を有している。チェッカーボードアレイは周縁を有しており、この周縁には、複数の辺と4つの角が含まれている。この位相シフトマスクは、基板の表面に保持された複数のアシスト位相領域R’を更に有している。各アシスト位相領域R’は、解像限界よりも小さい。アシスト位相領域R’は、複数の辺及び4つの角に隣接して配置されており、周縁を囲むようになっている。また、各アシスト位相領域R’は、位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に位置している。また、各アシスト位相領域R’は、隣り合う位相シフト領域R及び隣り合うアシスト位相領域R’との間で180度の位相シフト差を有している。
【0015】
当該位相シフトマスクは、前記アシスト位相領域R’によって規定される周縁に隣接する不透明層を含むことが好適である。
【0016】
本発明の別側面は、半導体基板のフォトリソグラフィ・パターニング方法である。当該方法は、フォトレジストの層を支持する表面を有する半導体基板を用意する手順を含んでいる。当該方法は、位相シフトマスクパターンをこのフォトレジストの層にフォトリソグラフ投影する手順も含んでいる。この位相シフトマスクパターンは、位相シフト領域Rで構成されたチェッカーボードアレイを有している。位相シフト領域Rは、180度の位相差を有する別の位相シフト領域Rに隣接している。前記チェッカーボードアレイは、周縁を有している。また、複数のアシスト位相領域R’は、それぞれ解像限界よりも小さく形成されている。これらアシスト位相領域R’は、前記周縁の少なくとも一部に隣接するようにして配設されている。また、これらアシスト位相領域R’は、位相シフトマスクに含まれる位相シフトマスクパターンのステッピングエリアの外側に位置している。各アシスト位相領域R’は、隣り合う位相シフト領域Rとの間で180度の位相シフト差を有している。この方法は、更に、フォトレジストの周期的なアレイを形成するための、当該フォトレジストの処理手順を含んでいる。
【0017】
この方法は、荒らした基板表面を規定する基板ピンのアレイを形成するための、フォトレジストの処理手順を含むのが好ましい。この方法は、更に、荒らした基板表面上にp−n接合多層構造を形成する手順を含むのが好ましい。
【0018】
この方法において、前記半導体基板は、サファイアで製造されるのが好ましい。
【0019】
この方法において、前記フォトリソグラフ投影の名目波長は365nmであり、ユニットマグニフィケーションである。
【0020】
この方法において、当該基板ピンの寸法は、1ミクロン以下であることが好ましい。また、この方法では、更に、開口数0.5以下で、当該フォトリソグラフ投影を実施することが好ましい。
【0021】
この方法において、当該位相シフトマスクは、前記アシスト位相領域R’で規定される周縁に隣接する不透明層を更に備えていることが好ましい。
【0022】
この方法において、当該フォトリソグラフ投影は、実質的に基板全体を覆うフォトレジスト層における、フォトレジストピンの実質的に連続するアレイを形成するため、複数の露光野を繋ぎ合わせる(スティッチする)工程を備えていることが好ましい。
【0023】
本発明の別側面は、LEDの製造方法である。この方法は、半導体基板に支持されたフォトレジストをフォトリソグラフ露光させて、フォトレジストピンのアレイを当該フォトレジスト中に形成する工程と、サブレゾリューション・アシスト位相領域のアレイによって囲まれた周縁を有するチェッカーボード位相シフトパターンを備える位相シフトマスクに照明光を通過させる工程とを有している。また、サブレゾリューション・アシスト位相領域は、チェッカーボード位相シフトパターンのステッピングエリアの外側に位置している。この方法は、荒らした基板表面を規定する基板ピンのアレイを形成するために前記フォトレジストピンのアレイを処理する工程も有している。加えて、この方法は、前記LEDを製造するために、前記荒らした基板表面の上にp−n多層構造を形成する工程を有している。前記荒らした基板表面は、前記p−n多層構造で発生させた光を散乱させることにより、荒らした基板表面を有していない従来のLEDに比べて、前記LEDが発光する光量を増加させるようになっている。
【0024】
この方法において、前記位相シフトマスクは、前記サブレゾリューション・アシスト位相領域によって規定された周縁に隣接する、不透明層を更に有するのが好適である。
【0025】
この方法において、前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、開口数0.5以下で行うのが好ましい。
【0026】
この方法において、前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、名目上365nmの波長及び単位倍率にて行うのが好ましい。
【0027】
この方法において、前記フォトレジストのフォトリソグラフ露光は、複数の露光野を繋ぎ合わせることによって、基板のほぼ全体を覆う実質的に連続するフォトレジストピンのアレイを形成する工程を有することが好ましい。
【0028】
この方法において、前記位相シフトマスクにおける前記アシスト位相領域に対応する前記複数の露光野の一部を重ね合わせる工程を更に有することが好ましい。
【0029】
本発明の付加的な特徴及び長所は、後の詳細な説明にて説明するが、当業者であれば、説明から明らかであり、明細書の内容、すなわち、後述する詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図から容易に想到しうるものである。特許請求の範囲の記載は、この明細書の一部を構成し、また、当該詳細な説明に包含される。
【0030】
これまでに記載された一般的な説明及び後述する詳細な説明は、特許請求の範囲に記載された本発明の本質及び特徴を理解するための概要あるいは枠組みを提供することを目的としている。添付の図面は、本発明のさらなる理解のために提供されており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。これら図面は、本発明の様々な実施例を示している。また、これら図面は、本明細書と共に、本発明の原理及び働きの説明のために供せられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ピンのアレイで規定された、荒らした基板表面を有する窒化ガリウムベースのLEDの一例を示す概略断面図である。
図2】LEDからの光量の測定増加率(%)と、図1に示す、荒らしたサファイア基板表面に規定されたピンの均一なアレイを有するLEDにおける、当該ピンの寸法(ミクロン)との関係を示すグラフである。
図3】ピンの均一なアレイの一部分を示す斜視図である。
図4】ピンのアレイにおける、隣接する4つのピンを示す拡大斜視図である。隣り合うピン間の間隔S、ピンの直径D、及びピンの高さHを示している。
図5】フォトリソグラ投影、及び本発明に係る方法全体を実施するために用いられるフォトリソグラフシステムの概略図である。
図6図5に示すフォトリソグラフシステムの例に関する、より詳細な図である。
図7】露光野を示す差し込み図A、当該露光野内におけるLED領域を示す差し込み図B、更に、当該LED領域内に形成されたフォトレジストピンのアレイを示す差し込み図Cを含む、露光野と共に、全体及び詳細位置合わせマークを有する基板の例の平面図である。
図8A】0度位相シフトの透光性領域Rと180度(π)位相シフトの透光性領域Rπとを含む領域Rを有するマスクパターンが形成された位相シフトマスク(一例)の一部を示す概略図である。
図8B図8Aに示す位相シフトマスクにおける4つの領域Rを示す拡大図である。
図9A】サブミクロンピンのアレイを形成するのに使用できる位相シフトマスクの別の例を示す概略図である。個々の位相シフト領域は、互いに離間していると共に、多角形状に形成されている。
図9B図9Bは、図9Aに似ているが、位相シフト領域が円形状である。
図10】3ミクロンの厚さを有するフォトレジストピンとして形成された柱状材のアレイの例を示す電子顕微鏡走査画像である。図8Aに示すものと似た、領域R、Rπ、及びL/2=0.6の位相シフトマスクが使用されている。
図11A図8Aに示すチェッカーボードアレイを有するクロムレスの位相シフトマスクの例を示す全体図である。サブレゾリューション・アシスト位相領域も有している。
図11B】主なチェッカーボード位相シフトパターン及び対応するアシスト位相領域の構成例を含む位相マスクパターンの一部であり、図11Aで「AA」として示された領域の例を示す拡大図である。
図11C図11Cは、図11Bに似ているが、アシスト位相領域の構成が隅部アシスト位相領域を更に有している。
図12A】サブレゾリューション・アシスト位相領域を含まないチェッカーボードパターン・位相シフトマスクによって形成されたフォトレジストピンのアレイの例を示す概略図である。本図は、周縁ピンが、内側(中央部側)のピンと比較して、どのように歪んでいるかを示している。
図12B図12Bは、図12Aに似ているが、チェッカーボードパターン・位相シフトマスクがサブレゾリューション・アシスト位相領域を含んでおり、どのように周縁フォトレジストピンが実質的に内側ピンと同じであることを示している。
図13】フォトリソグラフモデリングソフトウェアを用いて生成されたデータに基づき、(ポジ)フォトレジスト層に形成されたフォトレジストピンのアレイの二次元モデルを示す断面図である。本図には、サブレゾリューション・アシスト位相領域の有益な効果が示されている。
図14A】本発明に係るLED製造方法における、位相シフトマスク及びフォトリソグラフ処理技術を伴うフォトリソグラフ投影を用いた、基板表面にピンのアレイを形成する処理が施された基板の例を示す断面図である。
図14B】本発明に係るLED製造方法における、位相シフトマスク及びフォトリソグラフ処理技術を伴うフォトリソグラフ投影を用いた、基板表面にピンのアレイを形成する処理が施された基板の例を示す断面図である。
図14C】本発明に係るLED製造方法における、位相シフトマスク及びフォトリソグラフ処理技術を伴うフォトリソグラフ投影を用いた、基板表面にピンのアレイを形成する処理が施された基板の例を示す断面図である。
図14D】本発明に係るLED製造方法における、位相シフトマスク及びフォトリソグラフ処理技術を伴うフォトリソグラフ投影を用いた、基板表面にピンのアレイを形成する処理が施された基板の例を示す断面図である。
図14E】本発明に係るLED製造方法における、位相シフトマスク及びフォトリソグラフ処理技術を伴うフォトリソグラフ投影を用いた、基板表面にピンのアレイを形成する処理が施された基板の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る、添付図面に示された複数の実施例について詳細に説明する。図面全体を通じて、可能な限り同一あるいは近似した参照番号/参照記号を同一あるいは近似した部位に使用する。図面は必ずしも定尺ではない。また、当業者であれば、本発明の特徴を説明するために図面を単純化していることを理解するであろう。例えば、位相シフトマスクに関し、そのようなマスクは、数千の位相領域を含み得るが、いくつかの図面においては、説明のために、限定された数の位相領域が示されている。
【0033】
本発明に係る、アシスト位相領域を有する位相シフトマスクの特徴は、図面を用いてLEDの構造に関連して説明される。したがって、フォトリソグラフを用いたLEDの構造及び製造に関する情報は、下記のように説明される。
【0034】
(LEDの構造の例)
図1は、窒化ガリウムベースのLED10の例を示す断面図である。窒化ガリウムベースのLEDの例は、米国特許第6,455,877号、第7,259,399号、及び第7,436,001号に開示されている。これら特許の内容は、本明細書に組み込まれる。本発明は、窒化ガリウムベースのLEDに限定されるものではなく、本明細書にて説明するピンのアレイによって形成された、荒らした基板表面で光の発光量を増加させたことによる利益を受け得る、フォトリソグラフ投影、及び処理技術を用いて形成されたすべての種類のLEDに適用することができる。
【0035】
LED10は、表面22を備える基板20を有している。基板20の材質例として、サファイア、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)等が挙げられる。基板20の上には、n型にドープされた窒化ガリウム層「n−GaN層」40、及び表面52を有し、p型にドープされた窒化ガリウム層「p−GaN層」50を含む窒化ガリウム多層構造30が設けられている。活性層60は、基板20に隣接するように設けられたn−GaN層40と、p−GaN層50との間に挟まれている。他のガリウムベースLEDの実施例では、p−GaN層50が基板20に隣接するように窒化ガリウム多層構造30が反転されている。活性層60は、例えば、非ドープのGaInN/GaN超格子のような多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造を挙げることができる。したがって、GaN多層構造30は、p−n接合を規定すると共に、p−n結合多層構造としてより一般的である。例えば、LEDからの発光量を増加させるために、表面52を荒らしてもよい。
【0036】
基板20の表面22には、表面22の荒さを規定するピン72のアレイ70が設けられている。より詳細な例について述べると、ピン72のアレイ70は、基板20の表面22にエッチングされており、ピン72は、基板の材質で形成されている。LEDからの発光効率を向上させるため、ピン72は、LEDから発光される波長λLEDよりも2倍から10倍大きい寸法(例えば、直径、あるいは幅D)とするのが好ましい。波長λLEDが例えば400から700nmであるとすれば、GaN層40及び50におけるLED波長は、大略、2.5分の1となることに注意を要する。なぜならば、GaNの屈折率nは、GaN層40及び50における当該波長を約150nmから250nm(すなわち、λLED/n)にするからである。ある実施例において、n−GaN層40内で光を効率的に散乱させるためには、ピン72の寸法Dは、約0.5ミクロンから約3ミクロンとなる。更に、上述した、隣り合うピン72間の間隔Sは、0.5ミクロンから3ミクロンの間で調整され得る。また、ピン72の高さHは、約3ミクロンまでの間で調整され得る(図3及び図4参照)。
【0037】
図1には、GaN多層構造30に形成された傾斜部80を有するLED10が示されている。この傾斜部80は、2つの電気接点90のうちの1つ(すなわち、n−接点90n)を支持する棚部となるn−GaN層40の露光表面部42を構成する。n−接点の材質例としては、チタン/金、ニッケル/金、チタン/アルミニウム、あるいはこれらの組み合わせが考えられる。もう一方の電気接点90は、p−接点90pであり、p−GaN層50の表面52に配設されている。p−接点の材質例としては、ニッケル/金、及びクロム/金が考えられる。距離d1の例としては、約4ミクロン、また、距離d2の例としては、約1.4ミクロンが考えられる。LED10の典型例は、1mm×1mm角である。
【0038】
(LEDの発光効率の向上)
図2は、LEDからの光量の測定増加率(%)と、図1に示す、荒らしたサファイア基板20の表面22を規定するピン72の均一なアレイ70を有するLED10における当該ピンの寸法(ミクロン)との関係を示すグラフである。図3は、ピン72の均一なアレイ70の一部分を示す斜視図である。図4は、ピン72のアレイ70における、隣接する4つのピン72を示す拡大斜視図である。隣り合うピン72間の間隔S、ピン72の直径D、及びピン72の高さHを示している。荒らしていないサファイア表面22を有するLEDからの発光量が“ゼロ(0)”位置に示されていると共に、LED発光量の増加は、基準値(0%)との関係で測定される。このグラフにおけるピンの寸法に関し、高さが高くなるか、あるいは、細くなると、“ゼロ(0)”位置、すなわち「荒らしなし」位置の右側に移動する。
【0039】
図2のグラフによれば、LED発光量は、ピン72が、高く、細くなるほど増加することがわかる。均一なアレイ70において、オーバーレイ要求はきびしいものではなく、少々の欠陥は特に問題にならない。しかしながら、ピン72のサイズは、当該ピン72の形成時における量産工程の再現性及び一貫性に影響する点で重要である。ピン72には適当なすべての断面形状を適用することができ、図示するような円柱状であってもよい。ピン72は、円柱状でなくてもよく(すなわち、傾斜した、あるいは直線状ではない側面を有するものであってもよく)、長方形あるいは正方形の断面形状であっても、インゲン豆形状その他であってもよい。図14Eには、例えば、ピラミッド形のピン72が示されている。ある実施例において、フォトレジストピン72’は、円柱状であってもよいが、対応する、基板20の表面22に実質的に形成されたピン72は、当該フォトレジストピン72’によって基板ピン72を形成するために使用される工程のため、円柱状には形成されない。
【0040】
一般に、ピン72を形成するのに用いるフォトリソグラフ投影工程(後述)の解像限界及びその付近の寸法で形成されたピン72は、その断面形状が角状ではなく丸状になる。したがって、このピン72の直径あるいは幅Dは、当該ピン72の断面寸法における代表寸法あるいは有効寸法として取り扱われる。断面形状は特に限定されるものではない。例えば、ピンが楕円状の断面形状を有している場合、ピンの直径Dを、楕円の長軸寸法としてもよい。
【0041】
上述のように、ピン72は、サブミクロン(例えば、D=0.5ミクロン)の直径Dとすることができる。このようなピン72を現在のフォトリソグラフ技術で形成するには、一般的に、0.5ミクロンの撮像能力を有するフォトリソグラフシステムが必要となるであろう。しかしながら、そのようなフォトリソグラフシステムは、一般的に、従来の半導体集積回路製造において、限界層(すなわち、最小寸法の層)を形成するために設計されたものであり、LED製造用としてはひどく高価なものと考えられる。
【0042】
本発明には、滑らかな表面の基板を有するLEDと比べてLED発光効率の高いLED10を製造するため、当該基板20の表面22にピン72のアレイ70を形成するフォトリソグラフシステム及びその方法が含まれる。しかしながら、ここで述べる当該フォトリソグラフシステム及びその方法は、選ばれたタイプの位相シフトマスクと組み合わせた非限界層フォトリソグラフシステムを用いて実施するのに適している。この位相シフトマスクは、ピン72を所望の寸法に形成するための、当該フォトリソグラフシステムの開口数及び照明(すなわち、「シグマ」)に適合するものである。当該フォトリソグラフシステムを用いることにより、従来のクロム付きガラス(非位相シフトマスク)を用いる場合に比べて、より小さなピン72を適切な焦点深度(DOF:depth of focus)でプリントすることができる。
【0043】
(フォトリソグラフ投影)
交差する2つのコヒーレント光線を用いることにより、フォトレジストに格子状の構造を作ることができることがよく知られている。通常の条件下で、入射角θ及び波長λの2つのコヒーレント光線は互いに干渉して周期的な格子状の構造がフォトレジストに生成される。その周期Pは、P=λ/(2×Sinθ)で与えられる。4つのコヒーレント光線、つまり、x方向の2つの光線と、y方向の2つの光線とを重ね合わせることにより、x−y平面上に二次元の格子(チェッカーボード)パターンを生成できる。
【0044】
図5は、抽象化したフォトリソグラフシステム100を示す図であり、図6は、フォトリソグラフシステム100の一例について詳細に示した図である。デカルトX−Y−Z座標が示されている。フォトリソグラフシステム100は、フォトリソグラフ投影を実施可能に構成されている。フォトリソグラフ投影は、「フォトリソグラフ露光」とも記載する。投影を行うことは、感光材すなわちフォトレジストを感光させることに他ならないからである。フォトリソグラフ投影あるいはフォトリソグラフ露光は、一般的に、マスクを通過した光を捕捉し、画像平面においてDOF以内で当該捕捉した光による投影を行う。当該画像を記録するため、感光材はDOF以内に配設される。
【0045】
図5及び図6に示すように、フォトリソグラフシステム100は、システム軸A1に沿って、照明106、マスクステージ110、投射レンズ120、及び可動基板ステージ130を有している。マスクステージ110は、フォトリソグラフシステム100に使用される照射波長の光を透過させる位相シフトマスク112を支持している。位相シフトマスク112は、表面114を有するマスク本体111を備えており、当該表面114に形成された位相シフトマスクパターン115を支持するようになっている。
【0046】
層の材質の厚さd及び屈折率nで決定される位相シフトの量は、Δφ=2π×(n−1)×d/λで与えられる。λは、当該フォトリソグラフ投影の波長である。位相シフトマスク112の材質の一例として、石英あるいは石英ガラスを挙げることができる。この例において、位相シフトマスクパターン115は、当該位相シフトマスク112の表面114に異なる厚さの領域を生成する、選択的エッチング、位相シフトマスク材料の選択的な追加、あるいはこれらを組み合わせることによって形成されている。
【0047】
可動基板ステージ130は、基板20を支持する。基板20は、ウエハー状であってもよい。この例において、フォトリソグラフシステム100は、開口数が0.3の1:1システム(すなわち、単位倍率)であり、かつ、i線(通常、365nm)といった中紫外線波長で作動するものである。他の実施例において、還元フォトリソグラフシステムを使用することができる。ある実施例において、フォトリソグラフシステム100は、半導体製造プロセスにおける非限界層製造プロセスに適している。本明細書に開示された当該フォトリソグラフシステム及び方法の実施に適したフォトリソグラフシステム100は、サファイア100フォトリソグラフシステムであり、カリフォルニア州サンノゼにあるウルトラテック社にて入手可能である。
【0048】
投射レンズ120の実施例は、瞳Pの直径DP、及び瞳平面PPを規定する種々の開口絞りASを有している。照明106は、瞳Pの一部を占めるソースイメージSIを用意することにより位相シフトマスク112を照らすように構成されている。ある実施例において、ソースイメージSIは、直径DSIを有する均一な円形ディスクである。フォトリソグラフシステム100の部分コヒーレンス因子は、σ=DSI/DPで規定される。瞳Pは、円形であるとみなされる。単なる均一な円形ディスクとは異なるソースイメージSIの場合、上記部分コヒーレンス因子σの規定はより複雑になる。ある実施例において、位相シフトマスク112の照明は、ケーラー照明あるいはその変形となる。
【0049】
フォトリソグラフシステム100は、更に、光学位置決めシステム150を有している。光学位置決めシステム150は、図示するように、レンズを通した位置決めシステムであり、機械視野位置決めシステムを利用してもよい。光学位置決めシステムの例は、米国特許番号第5,402,205、5,621,813、及び6,898,306、米国出願番号12/592,735に開示されている。これら特許及び出願は本明細書に組み込まれる。
【0050】
図7は、フォトリソグラフシステム100によって形成された露光野EFを有する基板20の一例を示す平面図である。また、この基板20は、全体的な位置決めに用いられる全体位置決めマーク136Gを更に有すると共に、詳細な位置決め(差し込み図Aを参照)に用いられる詳細位置決めマーク136Fを有している。この一実施例において、両タイプの位置決めマーク136は、露光野EFの間あるいは隣接する露光野スクライビングエリア137に存在する。露光野EFについては、LED10を製造するフォトリソグラフプロセスで位相シフトマスク112を使用する場合の構成との関係で、より詳細に後述する。
【0051】
図6には、軸A2に沿って配設され、波長λの位置決め光153を発光する光源152を有する光学位置決めシステム150の例が示されている。ビームスプリッタ154は、軸A2と、これに直交する軸A3の交点に配設されている。レンズ156及びフォールドミラー158は、軸A3に沿って配設されている。フォールドミラー158は、軸A3を、システム軸A1に平行な軸A4となるように曲げる。軸A4は、マスク112、及び投射レンズ120を通って、基板20に至るようになっている。光学位置決めシステム150は、更に、レンズ156及びフォールドミラー158と反対側にあるビームスプリッタ154に近接する軸A3に沿って配設されたイメージセンサー160を有している。イメージセンサー160は、当該イメージセンサー160で撮像されたデジタル画像を処理するように構成された画像処理ユニット164に電気的に接続されている。画像処理ユニット164は、ディスプレイユニット170及び可動基板ステージ130に電気的に接続されている。
【0052】
フォトリソグラフシステム100の一般的な動作において、照明106からの光108は、位相シフトマスク112及び当該位相シフトマスク112上の位相シフトマスクパターン115を照射する。そして、この位相シフトマスクパターン115は、投射レンズ120からの露光121により、選択露光野EF(図7)を越えて基板20の表面22上に投影される。この位置決めパターン115Wは、基板位置決め基準マーク136を形成する。基板20の表面22は、一般的に、フォトレジスト層135(図5)のような感光材でコーティングされており、位相シフトマスクパターン115が基板20に記録及び投影される。
【0053】
フォトリソグラフシステム100は、フォトリソグラフ投影(フォトリソグラフ露光)をフォトリソグラフ処理技術と組み合わせて、比較的多くの(例えば、数千個の)LED10を1枚の基板20上に形成するのに用いられる。LED10が形成される複数の層は、例えば、ステップアンドリピート、ステップアンドスキャン、あるいはこれらを組み合わせた方法で形成される。したがって、露光野EFのアレイ70を形成するために位相シフトマスクパターン115をフォトレジスト層135上に投影するのに先立って、当該位相シフトマスクパターン115は、前もって形成された層、より具体的には、前もって形成された露光野EFに適切に位置決めされるべきである。このことは、一つ、あるいはそれ以上の前述した基板位置決め基準マーク136及び位置決めリファレンスを用いて、位相シフトマスク112に対する基板20の位置決めをすることによって達成される。光学位置決めシステム150において、位置決めリファレンスは、一つ、あるいはそれ以上のマスク位置決め基準マーク116である。
【0054】
したがって、光学位置決めシステム150の動作において、光源152からの位置決め光153は、軸A2に沿って進むと共に、ビームスプリッタ154で反射した後、軸A3に沿ってレンズ156に向かって進む。位置決め光153は、レンズ156を通過すると共に、フォールドミラー158で反射した後、位相シフトマスク112及び投射レンズ120を通過し、更に、基板位置決め基準マーク136を含む基板20の表面22の一部を照射する。位置決め光153の一部153Rは、基板20の表面22及び基板位置決め基準マーク136で反射し、投射レンズ120及び位相シフトマスク112を逆に進む。特に、反射した位置決め光153は、マスク位置決め基準マーク116を通過する。基板位置決め基準マーク136が回折性を有する場合、基板位置決め基準マーク136からの回折光153Sが集光される。
【0055】
投射レンズ120及びレンズ156の組み合わせにより、反射光153Rは、基板位置決め基準マーク136及びマスク位置決め基準マーク116が重ね合わされた像をイメージセンサー160上に形成する。ここで、マスク位置決め基準マーク116は、位置決め時の基準としての役割を有する。オフ−アクシスシステム等の別のタイプの光学位置決めシステムにおける位置決めリファレンスは、リソグラフシステムの基点に基づいて調節された当該光学位置決めシステムの光学軸である。
【0056】
イメージセンサー160は、とらえたデジタル画像を表現する電気的信号S1を生成すると共に、それを画像処理ユニット164に送る。画像処理ユニット164は、受け取ったデジタル画像の処理を行い得るように最適化されている。例えば、メモリーユニット165のような、コンピュータが読めるメディアに記憶された画像処理ソフトウェアを用いることが考えられる。とりわけ、画像処理ユニット164は、互いに重ね合わされた基板及びマスク位置決め基準マーク画像の相対的ずれを計測してこれらをパターン認識し、更に、可動基板ステージ130に送信される、対応するステージコントロール信号S2を生成するように最適化されている。画像処理ユニット164は、更に、基板及びマスク位置決め基準マークの重ね合わせ画像を表示するディスプレイユニット170に画像信号S3を送る。
【0057】
ステージコントロール信号S2への応答において、マスク位置決め基準マーク116と基板位置決め基準マーク136との像が位置決めされるまで(つまり、完全に重ね合わされるまで)、可動基板ステージ130がX−Y平面上(なお、必要に応じて、焦点調節処理のため、X−Y平面にZ−平面を加えてもよい。)を動き、位相シフトマスク112と基板20とが正しく位置決めされる。
【0058】
再び図5を参照するに、位相シフトマスクパターン115の投影は、位相シフトマスク112に入射する光108が位相シフトマスクパターン115によって回折されて、(回折された)露光121を形成する回折プロセスと見なされ得る。この回折プロセスの結果、(回折された)露光121(すなわち、最低回折次数[ゼロ次、あるいはプラスマイナス1次])は、投射レンズ120にとらえられて、フォトレジスト層135の表面に投影される。投射レンズ120によって形成された画像の質は、回折次数の数と同様、当該投射レンズ120の収差に直接関係する。ゼロ次回折光線は、画像明度の「DC」背景強度に寄与する一直線の成分であり、それ自体は、一般的に、所望のものではない。
【0059】
したがって、当該フォトリソグラフ投影プロセスが回折プロセスと見なされる場合、所望の画像を形成するため、この回折プロセスを最適化するようにフォトリソグラフシステム100を構成してもよい。とりわけ、位相シフトマスク112及びこれにおける位相シフト領域Rを適切に設計することにより、ゼロ次の回折光線を排除することができる。更に、投射レンズ120における開口絞りASの開口寸法を正しく選択することにより、フォトリソグラフ投影プロセスに寄与する回折次数を選択することができる。具体的には、投射レンズ120によって2つの1次回折光線のみを取り込むようにして、開口絞りASの寸法を調整することができる。
【0060】
更に言えば、これら1次回折光がX−方向及びY−方向の両方に生成されるように、位相シフトマスク上に二次元の周期的な位相シフトマスクパターン115を形成することにより、基板20に前述の格子状あるいはチェッカーボードパターンを形成することができる。しかしながら、ゼロ次光線を実質的に除去すること、及び、送られたゼロ次光線の電界の大きさを実質的にゼロにすることに注意すべきである。このことは、異なる位相シフト領域Rが同じ面積を有するように位相シフトマスク112を構成するひとつの実施例により達成することができる。
【0061】
(位相シフトマスクの例)
図8Aは、位相シフトマスクパターン115が透光性の位相シフト構造あるいは領域Rを有する位相シフトマスク112の例を示す概略図である。透光性の位相シフト領域Rは、0度の位相シフトを有する。また、透光性の位相シフト領域Rπは、180(π)度の位相シフトを有する。
【0062】
図8Bは、図8Aに示す位相シフトマスク112における4つの位相シフト領域Rを示す拡大図である。位相シフト領域R及びRπは、寸法(一辺の長さ)がLの正方形である。各位相シフト領域Rは同じ面積を有しており、チェッカーボードパターンあるいはアレイ状に形成されている。位相シフト領域Rは、いかなる合理的な形状をもとり得る。とりわけ、少なくとも1つの円形、楕円形、あるいは多角形を含み得る。
【0063】
チェッカーボード状の位相シフトマスクパターン115を有する位相シフトマスク112で構成されたフォトリソグラフシステム100は、約L/2の寸法(つまり、当該位相シフトマスク112における位相シフト領域Rの寸法Lの実質的に半分。)を有する周期的な(例えば、チェッカーボード状のような)構造をフォトレジスト層135に形成するためのフォトリソグラフ投影を行うことができる。具体的には、投影プロセス中に、空間的周期の倍加がある。この空間的周期の倍加により、位相シフトマスクパターン115の空間的周期が基板20の表面22において実質的に二倍になる。この結果、当該基板20において2倍の数の暗い領域及び明るい領域が形成される。これは、ゼロ次回折光線が除去されているからであり、位相シフトマスク112における元の空間的周期を再生成する各1次光線とゼロ次光線との組み合わせを可能とする。このゼロ次光線を除去することにより、2つの1次光線のみが投影される。これら2つの1次光線が組み合わされたとき、元の位相シフトマスクパターン115における2倍の空間的周期を有する正弦パターンが生成される。したがって、Lが1ミクロンのとき、L/2寸法が0.5ミクロンのフォトレジスト構造が形成される。
【0064】
フォトリソグラフ投影における経験則において、投影波長λ及びNAを有するフォトリソグラフシステム100で印刷可能な最小の特徴寸法FSは、FS=k・λ/NAで表される。ここで、kは、一般的に0.5から1の間と推定される定数であり、個々のフォトリソグラフプロセスによる。DOF(焦点深度)は、k・λ/NAで与えられる。ここで、kは、個々のフォトリソグラフプロセスに応じて変わる、別のプロセスベースの定数であり、多くの場合、約1.0である。したがって、寸法FSとDOFとは、トレードオフの関係にある。
【0065】
LED製造に用いる基板20は、その平坦さで、半導体集積回路の製造に用いる基板に到底及ばない。実際、大抵のLED基板20は、基板20の表面22において数十ミクロン(山から谷まで)を超えるMOCVDプロセスに起因する反りを有している。また、各露光野EFの表面には、約5ミクロン(山から谷まで)の反りがある。基板の非平滑性(反りの深さ)に対して、DOFが限定されていることから、この程度の非平滑性は、LEDを製造するフォトリソグラフ投影プロセスを用いるに際しての大きな問題であると考えられてきた。
【0066】
従来のフォトリソグラフ用のフォトレジストを用いた伝統的なフォトリソグラフプロセスにおいて、当該フォトレジストに形成し得る最低の構成寸法(線幅)は、0.7×λ/NAで与えられる。(すなわち、kは0.7である。)サイズが1ミクロンのプリント特性が望ましい条件において、λ=365nmの写像波長を用いる場合、要求されるNAは0.255である。このNAを用いた場合の、一時的な写像システムのDOFは5.6ミクロンであり、これは一般的なLED基板20に要求される非平坦性に相当する。これは、露光野EF全体を当該DOF内とするのが難しいことを意味する。このため、DOF外に形成されたピン72は必要なサイズ及び要求される形状に合致しないであろう。
【0067】
しかしながら、位相シフトマスク112及び従来のフォトリソグラフ用フォトレジストを使う場合、印刷し得る最小の構成寸法は、0.3×λ/NA(すなわち、kは0.3である。)で与えられる。これには、従来のマスクと比較して、必要となるNAを約半分に減少させると共に、DOFを約4倍に増加させるといった実務上の効果がある。したがって、ピンの直径Dを与えたとき、NA=k×λ/D、また、DOFは下記の式で与えられる。
DOF=k×λ/NA=k×λ/[k×λ/D]=k×D/k×λ
【0068】
実施例の手段として、投影波長λ=365nmを用いて直径D=1ミクロンのピン72を得ることを目的としてフォトレジストをフォトリソグラフで感光させる場合、要求されるNAは0.11のみであり、また、非平坦なLED基板の各露光野EFが当該DOF内に入るようにするため、当該DOFは30ミクロンを超えるものとなる。
【0069】
ある実施例において、本書に記載した方法を実施するために用いられるフォトリソグラフシステム100は、今日の、クリティカルレベルの投射レンズNAs値(例えば、0.5あるいはそれ以上)と比較して相対的に低い投射レンズNA値(例えば、0.5あるいはそれ以下)を有している。また、フォトリソグラフシステム100は、今日の、クリティカルレベルの写像波長(例えば、波長が193nmの深紫外線)と比較して相対的に長い写像波長(例えば、概ねλ=365nm、あるいは他の水銀線のいずれか)も有している。小−NA、長−波長のフォトリソグラフシステム100は、ほとんどの場合、半導体集積回路製造におけるクリティカルレベルに使用される、大−NA、短−波長の上級フォトリソグラフシステムに比べて、購買コスト、運転、及びメンテナンスコストが非常に安くなる。
【0070】
図9Aは、サブミクロンのピン72でアレイ70を形成するのに使用し得る位相シフトマスク112の他の例を示す概略図である。図9Aの位相シフトマスク112は、図8A及び図8Bのものと似ているが、不透明背景部117が存在すること、位相シフト領域R、Rπの寸法がL/2であると共に、互いに離間していることが異なっている。位相シフト領域R、Rπとしては、多角形位相シフト領域の例として、八角形のものが示されている。図9Bは、図9Aと似ているが、位相シフト領域Rが円形の位相シフトマスク112の例が示されている。
【0071】
不透明背景部117は、クロムあるいはアルミニウムといった衝撃吸収層でコーティングしてもよい。位相シフト領域R、Rπは、実質的に同じ寸法L/2でフォトレジスト層135にプリントされている。これは、1ミクロンで設計されたフォトリソグラフシステム100における従来の解像限界を超えるものである。図9A及び図9Bに示された位相シフトマスク112の構成の長所は、ピン72のアレイ70を形成する最終的なフォトリソグラフ画像の配置及び間隔調整が簡単である点にある。
【0072】
図10は、厚さが3ミクロンのネガ・フォトレジスト層135を用い、かつ、図8Aに示すものと似た位相シフトマスク112を用いてで形成されたフォトレジストピン72’のアレイ70’の実施例の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。なお、位相シフト領域R、Rπは、L/2=0.6である。各フォトレジストピン72’の直径(幅)Dは、約0.6ミクロンである。フォトレジストピン72’の形状については、図示するように、フォトレジストピン72’の実際の寸法及び形状の推定として、破線で描かれた2つの円が示すように、様々な形状を取り得る。例えば、下部を切り落としたようなもの、傾斜した側面等である。
【0073】
(アシスト位相領域を有する位相シフトマスク)
図11Aは、図8Aに示したものと似ている、クロムレス位相シフトマスク112の例を示す平面図である。図11Bは、図11Aにおいて「AA」で示された部分の拡大図である。図11Aの位相シフトマスク112は、位相シフトマスク112の表面114に支持された位相シフトマスクパターン115(図8Aに示されたものと似ている)を含んでいる。位相シフトマスクパターン115は、位相シフト(あるいは「位相」)領域R、Rπが交互に配置された中央(あるいは、内側、またはメイン)チェッカーボードアレイ115Cを有している。チェッカーボードアレイ115Cは、辺115E及び四つの隅部115PCを有する周縁115Pを備えている。位相シフト領域Rは、互いに位相シフトがπ(180度)ずつ異なっているか、あるいはこの条件を満足する位相領域Rの組み合わせ(例えば、Rπ/2及びR3π/2など)であることが必要である。位相シフト領域Rは、大抵、位相シフトマスク112が使用される特定のフォトリソグラフシステム100の解像限界と同じかあるいはそれよりも大きなサイズである。すなわち、位相シフト領域Rは、フォトレジスト層135等に適したあるいは使用に適した構成を形成するサイズになっている。
【0074】
位相シフトマスクパターン115は、辺115Eにおいて中央チェッカーボードアレイ115Cを囲むアシストパターンあるいはアレイ115Aを更に備えている。アシストパターンあるいはアレイ115Aは、1つあるいは2以上の辺115Eである周縁115Pの少なくとも一部に隣接して配置されたサブレゾリューション・アシスト位相領域R’を有している。ここで、サブレゾリューションとは、解像限界を有するフォトリソグラフ投影システムによって投影されたときにおいて、例えば、フォトレジストピン72’のようなレジスト構造といった、本来なら適切あるいは有用な構成と考えられるものの形成とならないアシスト位相領域R’を意味する。各アシスト位相領域R’は、隣り合う、チェッカーボードアレイ115Cの位相シフト領域Rの位相とは逆の位相を有している。アシスト位相領域R’は、アシストパターン115Aの周縁118を規定する。
【0075】
ある実施例において、与えられたアシスト位相領域R’がサブレゾリューションであるか否かの判定は、フォトレジスト層といった感光材における位相シフトマスク112に対して具体的にフォトリソグラフによる投影を行うこと、及び、当該フォトレジスト層135に形成されたアシスト位相領域R’のうち一つでもプリントに使用される位相シフトマスク112に基づいて最適かつ有用かを検討することによって行われる。
【0076】
ある実施例において、いくつかのアシスト位相領域R’は、チェッカーボードアレイ115Cにおける隣り合う位相シフト領域Rと同じく大きさを有している。また、いくつかのアシスト位相領域R’は、隣り合う位相シフト領域Rの次元よりも実質的に小さい。
【0077】
ある実施例において、位相シフトマスクパターン115の外側の表面114(つまり、アシスト位相領域の周縁118に隣接する部分)は、露光野EFが明瞭な周縁(図11A参照)を有するように不透明背景部117を有している。
【0078】
ある実施例において、アシスト位相領域R’は、位相シフトマスクパターン115のステッピングエリアの外側に位置している。すなわち、チェッカーボードアレイ115Cのみが、露光野EF内で実際に露光される領域内に収まる。複数の露光野EFが繋ぎ合わされたとき、アシスト位相領域R’に関連する非印刷領域は、次の露光野EFにおいて当該パターンと重複される。
【0079】
図11Cは、図11Bに似ているが、位相シフトマスクパターン115の他の実施例を示しており、アシスト位相領域R’は、更に、1以上の隅部115PCのそれぞれに配置された1以上のアシスト位相領域R’を有している。図11に示された、この隅部のアシスト位相領域R’は、チェッカーボード状のアレイパターンを維持するために、π位相シフトしている。加えて、ある実施例において、隅部アシスト位相領域R’は、辺115Eに隣接配置された非隅部アシスト位相領域R’よりも小さい。したがって、ある実施例において、アシスト位相領域R’は、周縁115Pを囲む(例えば、近接して囲む)するように構成されている。別の実施例において、アシスト位相領域R’は、周縁115Pの少なくとも一部を囲むよう構成されている。
【0080】
フォトレジストピン72’による大きなアレイ70’を形成するため、複数の露光野EFを繋ぎ合わせることもできる。これは、LED10の形成には、LEDプロセスにおける第1パターン層としての基板20に、ピン72のアレイ70を形成することも含んでいるからである。露光野EF間にフォトリソグラフシステム100を使用することにより、スクライビング・ラインを組み込むプロセスを構成することが可能となる。しかしながら、これは、フル・ウエハーアライナを用いて従来のLED製造プロセスがどのように開発されたかではない。現在、LED製造において、スクライビングエリア(スクライビング・ラインとも呼ばれる)137は、ウエハー(基板20)のどこにも存在しない。むしろ、実質的にウエハー全体が、実質的な破断が全く無い状態(つまり、実質的に連続するアレイ70’またこれにより実質的に連続するアレイ70)でフォトレジストピン72’のアレイ70’を含むように形成されている。
【0081】
LED10の製造に使用されるそれに続く層はアレイ70に対して位置決めさせる必要が無いことから、このようなピン72の構造は実現可能である。これにより、アレイ70を含むウエハーは、ダイのサイズにかかわらず、すべてのLEDデバイスに使用することができる一般的なものになり得る。このように形成されたアレイ70は、具体的なデバイスではないことから、アレイ70は、デバイス製造者ではなくウエハー供給者によって形成され得る。各タイプのアレイ70(例えば、ピン72の各ピン寸法など)に対してただ1つの位相シフトマスク112でよいことから、位相シフトマスク112のコストは、同じアレイ70を使用するすべてのデバイスで分割負担することができる。
【0082】
位相シフトマスク112における、チェッカーボードアレイ115Cは、露光野EFの内側部に対する無限のアレイとして効率的に役立つ。実際には、例えば、位相シフトマスク112は、数千のLEDを形成するのに使用される。各LEDは数千のピン72(図1参照)を含んでいる。このため、チェッカーボードアレイ115C及びアシストパターン115Aを形成する数千個を超える位相シフト領域R及びアシスト位相領域R’が存在している。しかしながら、位相シフトマスクパターン115がチェッカーボードアレイ115Cのみで形成されており、その周縁115Pが対応するリソグラフ露光野EFの境界で終わっている場合、露光野EFの周縁118におけるピンの形状は、辺115Eを越える位相干渉の欠如により歪んだ状態になっている。
【0083】
図12Aは、チェッカーボードアレイ115Cのみを有する位相シフトマスクパターン115を含む位相シフトマスク112を用いた、フォトレジストピン72’の(ネガ)アレイ70’の形成を概略的に示している。アレイ70’は、露光野EFの周縁に形成された周縁ピン72’Pと、当該周縁ピン72’Pの内側に形成された内側(中央)ピン72’Cとを有している。周縁ピン72’Pは、内側ピン72’Cと比べて歪んだ形状をしている。これら2つのタイプのピンの区別を容易にするため、周縁ピン72’Pと内側(中央)ピン72’Cとは、破線を用いて区分けされている。
【0084】
図12Bは、図12Aに似ているが、図11Bに示すような、周縁を囲むアシスト位相領域R’を更に含む位相シフトマスク112が用いられている。その結果としての、フォトレジストピン72’のアレイ70’は、アシスト位相領域R’の効果により内側ピン72’Cと実質的に同じ形状の周縁ピン72’Pを有している。この位相シフトマスク112の構成は、隣接するフォトレジストエリアの露光を減少(または最小限にする)させ、続いて、隙間なしに繋ぎ合わされるべき、隣り合う露光野EFの露光されたフォトレジストパターンの露光を可能にする。
【0085】
図13は、フォトレジスト層135に形成された(ポジ)フォトレジストピン72’のアレイ70’の2Dモデルの断面図であり、カリフォルニア州ミルピタス市のKLA−Tencorで使用可能なPROLITHRフォトリソグラフ作像シミュレーションソフトウェアを用いて生成したデータに基づくものである。フォトリソグラフ露光シミュレーションで使用する位相シフトマスク112は、当該位相シフトマスク112の左側にのみ配置された0.4ミクロン幅のアシスト位相領域R’を有しており、チェッカボート(交互の)パターンに配置された幾つかの1.6ミクロンの四角形状位相シフト領域Rを有している。このフォトリソグラフ露光シミュレーションでは、投射レンズの開口数(NA)を0.28とし、部分コヒーレント係数σを0.57として、365nmのi線波長が用いられる。フォトリソグラフプロジェクターの解像限界は、(0.7)×λ/NA〜1ミクロンで与えられる。
【0086】
露光野EFの左端までずっと続く構造を示すと、フォトレジスト層135における左端のレジスト壁W135Lの壁W72’形状は、左端のフォトレジストピン72’の形状と非常に似通っている。この左端のフォトレジストピン72’は、順に、隣のピン(中央側、あるいは内側に72’Cで示される)と非常に似通っている。一方、露光野EFの右端における非光学的特徴構成を示すと、位相シフトマスク112の右端と関係のあるフォトレジスト層135のレジスト壁W135Rは、他のフォトレジスト壁と比較して歪んでいる。
【0087】
与えられた位相シフトマスク112における、位相シフト領域Rの数N、及びアシスト位相領域R’の数N’は、露光野EFの大きさ及びアレイ70におけるピン72の間隔に依存する。露光野寸法SEF及びピン72の間隔P72において、位相シフト領域Rの数Nは、N=(SEF/P72で与えられる。例として、SEF=10mm、P72=0.0016mmの場合、N=(10/0.0016)=3.9×10となる。位相シフトマスク112の全四隅に配置されたアシスト位相領域R’の数N’は、N’=4×(10/0.0016)=2.5×10で与えられる。この数Nは、アシスト位相領域R’がチェッカーボードアレイ115Cの四隅に加えられたとき、4つずつ増加する。
【0088】
(荒らした基板表面を形成する方法の例)
したがって、本発明の一側面は、上述のような、アシスト位相領域R’を含む位相シフトマスク112を用いたフォトリソグラフ投影及びフォトリソグラフプロセス技術を用いてLED10を製造する途中において、ピン72のアレイ70を有する荒らした基板表面22を形成する方法を含んでいる。ピン72のアレイ70を形成する方法例について、図6図14Aから図14Eを用いて、以下、説明する。
【0089】
最初に図14Aを参照するに、この方法は、基板20の表面22上にフォトレジスト層135がコートされた基板20を用意する手順を含んでいる。次に、フォトリソグラフシステム100(図6)の可動基板ステージ130上に、コートされた基板20を配置する。チェッカーボードアレイ115C及びアシストパターン115Aを有する上記位相シフトマスク112(例えば、図11Aから図11Cを参照)は、フォトリソグラフシステム100のマスクステージ110に配置されている。次に、この方法は、フォトリソグラフシステム100を用いて、下記のフォトリソグラフ投影を実施する。すなわち、実質的に全露光野EFにかけてフォトレジストピン72’のアレイ70’を形成し、露光野EF上にフォトレジスト層135の露光を行うために、投射レンズ120を用いて、露光光108による位相シフトマスク112の露光、位相シフトマスクパターン115からの通過(回折)露光光121を捉えて投影する。これは、図14Bに示されている。
【0090】
図7を参照するに、各露光野EFのフォトレジスト層135に、多数のLED領域10’が形成される。したがって、位相シフトマスクパターン115が15mm×30mmの面積を有しており、各LED10が1mm角である例において、各露光野EFには450のLED領域10’が存在する。フォトリソグラフシステム100が単位倍率で動作する場合、各露光野EFもまた15mm×30mmである。図7の差し込み図Bには、LED10の構成におけるLED領域10’のアレイ10A’が示されている。各LED領域10’は、スクライブ領域11によって分離されている。しかしながら、フォトレジストピン72’のアレイ70’は、差し込み図Aに示すスクライビングエリア137を含む露光野EFの全表面に形成されている(図7の差し込み図Cを参照)。各露光野間の繋ぎ合わせは、各露光野境界で行ってもよい。位相シフトマスク112は、露光野EFの周縁に形成された構成物の歪みを緩和するように構成されていることから、繋ぎ合わせプロセスを容易にし、また、スクライビングエリア137に存在する露光野EFの一部(例えば、露光野の周縁)を用意する必要性を回避することになる。
【0091】
図14Cを参照するに、図14Bの露光されたフォトレジスト層135は、露光されていないレジスト(ネガ・フォトレジスト)を取り除き、あるいは、フォトレジストピン72’のアレイ70’またはそれと補完的関係にある穴を形成するために露光されたレジスト(ポジ・フォトレジスト)を取り除くように処理される。このフォトレジストアレイ70’は、その後、矢印200で示すように、一般的なフォトリソグラフエッチング技術を用いてエッチングされ、基板20にフォトレジストパターンが投影される。これにより、図14Dに示すように、基板の表面22にピン72のアレイ70が形成される。
【0092】
図14Eは、図14Dに似ていると共に、アレイ70のピン72が非円柱形状(つまり、図示するようなピラミッド状)である例を示している。基板20の表面22におけるこのようなピン72の形状は、上述したエッチング技術を用いて、非ピラミッド形状のフォトレジストピン72’から得ることができる。
【0093】
基板20は、適切に荒らした基板表面22を有する複数のLED領域10’で構成されていることから、LED10を、一般的なフォトリソグラフをベースにしたLED製造技術を用いて製造することができる。更にこの技術は、例えば、基板20の荒らした表面22上にGaN多層構造30を構成し、然る後、p−接点90pあるいはn−接点90nを、図1にそれぞれ示す、層50あるいは40に加える工程を含んでいる。
【0094】
当業者によれば、本発明に基づいて、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変形例を考え得ることは明らかである。したがって、本発明は、それら変形例についても、特許請求の範囲に記載された内容あるいはそれと同等のものとして保護される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図10