特許第5661683号(P5661683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661683
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】ペレット製造方法及びペレット製造装置
(51)【国際特許分類】
   B29B 13/06 20060101AFI20150108BHJP
   B01J 2/20 20060101ALI20150108BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20150108BHJP
   B01D 29/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   B29B13/06
   B01J2/20
   B01J2/00 A
   B01D23/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-120804(P2012-120804)
(22)【出願日】2012年5月28日
(65)【公開番号】特開2013-244685(P2013-244685A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2013年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】桐山 友治
(72)【発明者】
【氏名】西村 永吾
(72)【発明者】
【氏名】原脇 六四
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−127677(JP,A)
【文献】 米国特許第06368264(US,B1)
【文献】 特開平05−031400(JP,A)
【文献】 特開昭62−152555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 13/06
B01D 29/00
B01J 2/00
B01J 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融された樹脂材によってペレットを形成する形成工程と、前記形成工程で形成された前記ペレットを、液体を用いて流路に沿って搬送する搬送工程と、前記流路によって前記液体と共に搬送された前記ペレットを槽に収容し、モータで前記槽を駆動しながら前記液体を除去して前記ペレットを乾燥させる乾燥工程と、を有し、前記搬送工程では、前記形成工程と前記乾燥工程との間の前記流路で、前記液体の一部を回収し、残りの液体と共に前記ペレットを前記乾燥工程に搬送する、ペレット製造装置であって、
前記搬送工程では、フィルタ部材を通過する前記液体を回収し、前記乾燥工程に流入する前記液体の量と、前記モータの電流値とに基づいて、前記フィルタ部材を通過させる前記液体の通過量を制御することによって、前記乾燥工程に流入する前記液体の量を調節することを特徴とする、ペレット製造方法。
【請求項2】
前記搬送工程では、前記乾燥工程に流入する前記液体の量を調節した後、前記モータの電流値が所定の電流値以下になったときに、前記フィルタ部材の前記通過量を小さくする、請求項に記載のペレット製造方法。
【請求項3】
溶融された樹脂材によってペレットを形成するペレット形成装置と、
前記ペレットを、液体を用いて搬送する流路を有する搬送装置と、
前記流路によって前記ペレット形成装置から前記液体と共に搬送された前記ペレットが収容される槽と、前記槽を駆動するモータとを有し、前記モータで前記槽を駆動しながら前記液体を除去して前記ペレットを乾燥させるための乾燥装置と、を備え、
前記搬送装置は、前記ペレット形成装置と前記乾燥装置との間の前記流路を流れる前記液体の一部を回収する液体回収機構を有する、ペレット製造装置であって、
前記液体回収機構は、
前記液体を通過させて回収するためのフィルタ部材と、
前記フィルタ部材に対して移動可能に設けられ、前記フィルタ部材を通過させる前記液体の通過量を調節するためのフィルタ調節部材と、
前記フィルタ部材に対して前記フィルタ調節部材を移動させる移動機構と、
前記フィルタ部材を通過した前記液体の流量を検出するための流量検出器と、
記移動機構を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記流量検出器によって検出された前記流量を用いて前記乾燥装置に流入する前記液体の量を算出し、該液体の量と、前記モータの電流値とに基づいて前記移動機構を制御することを特徴とする、ペレット製造装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動機構を制御して前記乾燥装置に流入する前記液体の量を調節した後、前記モータの電流値が所定の電流値以下になったときに、前記フィルタ部材の前記通過量が小さくなるように前記移動機構を制御する、請求項に記載のペレット製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材によって形成されたペレットを、液体を用いて搬送し、ペレットを乾燥するペレット製造方法及びペレット製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペレット製造装置は、樹脂材によってペレットを形成するペレット形成装置と、ペレット形成装置で形成されたペレットを搬送用の液体(以下、単に水と称する。)を用いて搬送する流路を有する搬送装置と、水と共に搬送されたペレットを乾燥させるための遠心乾燥装置と、を備えている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ペレット形成装置は、スクリューを有する押出し機と、押出し機から押し出された溶融状態の樹脂材を水中で切断するカッタを有する切断機と、を有している。遠心乾燥装置は、流路によって水と共に搬送されたペレットが収容される回転槽と、回転槽を駆動させるモータと、を有している。
【0004】
また、搬送装置は、ペレット形成装置と遠心乾燥装置との間の流路で、ペレットと共に流れる水の一部を回収するための脱水機構を有している。脱水機構は、流路を流れる形成不良の樹脂材を回収するためのスクラップ受け部材と、水を通過させて回収するための脱水スクリーンと、を有している。
【0005】
以上のように構成されたペレット形成装置の押出し機には、不図示の樹脂加工装置で精製された樹脂パウダーが供給される。押出し機は、電気ヒータやスチームで加熱され、スクリューを回転させることで、樹脂パウダーを溶融させている。溶融された樹脂材は、押出し機の先端を構成するダイスに送られる。溶融状態の樹脂材が送られたダイスは、水中に配されたカッターチャンバー内部に、溶融状態の樹脂材をストランド状にして押し出す。カッターチャンバー内部に押し出されたストランド状の樹脂材を、水中で回転するカッタによって切断されることで、ペレットが形成される。
【0006】
ペレットが形成された後、樹脂材を切断するときにカッターチャンバー内部を満たしていた水は、ペレットと共に流路を流れることによって、ペレット形成装置から遠心乾燥装置まで流路に沿ってペレットを搬送する。このため、ペレットを搬送するために用いられる水は、PCW[Pellet Conveying Water]と呼ばれている。このPCWである水は、遠心乾燥装置に対して流路の上流側に配置された脱水機構によって、ペレットと共に流れる水から、水の一部が回収され、残りの水がペレットと共に遠心乾燥装置に流入する。このとき、脱水機構で回収された水は、PCWタンクに収容され、PCWタンクからペレット形成装置のカッターチャンバーに供給される。
【0007】
また、ペレット形成装置から搬送されたペレットには、カッタによる切断不良でペレット状に形成されずに塊状になった形成不良の樹脂材(以下、アグロメ状態の樹脂材と称する。)が含まれている。アグロメ状態の樹脂材は、脱水機構のスクラップ受け部材によって流路を流れる水から回収されると共に、上述のように一次脱水が行われて、ペレットを搬送する水の一部がPCWタンクに回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−29032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ペレット形成装置では、押出し機のダイスの面に対して、カッタを所定の押圧力で押圧した状態で、カッタを回転させることによって、ダイスから溶融状態で吐出されるストランド状の樹脂材を切断し、ペレットを形成している。
【0010】
ところで、ペレット製造装置では、ペレットの形成速度(製造量)や使用する樹脂材の粘度等の製造条件を変更した場合、変更直後に、押出し機のダイスに対するカッタの押圧力が適切ではなくなることがある。このような場合には、ダイスとカッタとの間に間隙が生じ、ダイスから吐出された樹脂材が、カッタによって適切に切断されなくなる。そのため、正常なペレットが形成されずに、アグロメ状の樹脂材や、複数のペレットが数珠つなぎになった状態の樹脂材(以下、数珠状の樹脂材と称する。)が発生する切断不良が起きてしまう。
【0011】
この場合、アグロメ状の樹脂材は、スクラップ受け部材によって受け止められるので、流路を流れる水から除去することが可能である。しかしながら、数珠状の樹脂材は、大きさがペレットと同程度であるため、スクラップ受け部材を通過し、流路の下流側に配置された脱水スクリーンを通過し、遠心乾燥装置に流入してしまう。このとき、数珠状の樹脂材は水を多く含んでいるので、数珠状の樹脂材と共に遠心乾燥装置に流入する水量の増加を招いてしまう。
【0012】
このように遠心乾燥装置に流入する水量が増えた場合には、水と共に数珠状の樹脂材が収容される回転槽に加わる重量が増えるので、回転槽を駆動させるモータにかかる負荷が大きくなってしまう。モータが過負荷になったときには遠心乾燥装置が停止し、遠心乾燥装置が停止したときに、ペレット製造装置全体が停止することにつながる。
【0013】
そして、遠心乾燥装置が停止した場合、遠心乾燥装置の回転槽に流入した多量の数珠状の樹脂材を取り除く作業を行うために非常に多くの労力と時間を要することになる。その結果、ペレット製造装置を再稼働するために時間を要してしまう。
【0014】
このため、ペレット形成装置で切断不良が発生した場合であっても、数珠状の樹脂材と共に多量の水が遠心乾燥装置に流入することを抑え、遠心乾燥装置に流入する水量を適切に制御することが求められている。
【0015】
そこで、本発明は、上記関連する技術の課題を解決することができるペレット製造方法及びペレット製造装置を提供することを目的とする。本発明の目的の一例は、乾燥工程で駆動させるモータが過負荷になることを防ぐことができるペレット製造方法及びペレット製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を達成するため、本発明に係るペレット製造方法は、溶融された樹脂材によってペレットを形成する形成工程と、形成工程で形成されたペレットを、液体を用いて流路に沿って搬送する搬送工程と、流路によって液体と共に搬送されたペレットを槽に収容し、モータで槽を駆動しながら液体を除去してペレットを乾燥させる乾燥工程と、を有する。搬送工程では、形成工程と乾燥工程との間の流路で、液体の一部を回収し、残りの液体と共にペレットを乾燥工程に搬送する。そして、搬送工程では、フィルタ部材を通過する液体を回収し、乾燥工程に流入する液体の量と、モータの電流値とに基づいて、フィルタ部材を通過させる液体の通過量を制御することによって、乾燥工程に流入する液体の量を調節する。
【0017】
また、本発明に係るペレット製造装置は、溶融された樹脂材によってペレットを形成するペレット形成装置と、ペレットを、液体を用いて搬送する流路を有する搬送装置と、流路によってペレット形成装置から液体と共に搬送されたペレットが収容される槽及び槽を駆動するモータを有してモータで槽を駆動しながら液体を除去してペレットを乾燥させるための乾燥装置と、を備える。搬送装置は、ペレット形成装置と乾燥装置との間の流路を流れる液体の一部を回収する液体回収機構を有する。液体回収機構は、液体を通過させて回収するためのフィルタ部材と、フィルタ部材に対して移動可能に設けられ、フィルタ部材を通過させる液体の通過量を調節するためのフィルタ調節部材と、フィルタ部材に対してフィルタ調節部材を移動させる移動機構と、フィルタ部材を通過した液体の流量を検出するための流量検出器と、移動機構を制御する制御部と、を有する。制御部は、流量検出器によって検出された流量を用いて乾燥装置に流入する液体の量を算出し、該液体の量と、モータの電流値とに基づいて移動機構を制御する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、乾燥工程で駆動させるモータの電流値に応じて、ペレットと共に乾燥工程に流入する液体の量を調節することで、乾燥工程で駆動させるモータが過負荷になることを防ぐことができると共に、形成不良の樹脂材が乾燥工程に流入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態のペレット製造装置全体を示す模式図である。
図2】実施形態のペレット製造装置が備える脱水機構を示す正面図である。
図3】実施形態のペレット製造装置が備える脱水機構を示す側面図である。
図4】実施形態のペレット製造装置が備える脱水機構における制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1に、ペレット製造装置全体の模式図を示す。
【0022】
図1に示すように、実施形態のペレット製造装置1は、樹脂材によってペレットを形成するペレット形成装置3と、ペレット形成装置3で形成されたペレットを液体としての水を用いて搬送する流路5を有する搬送装置4と、流路5によってペレット形成装置3から水と共に搬送されたペレットを乾燥させるための遠心乾燥装置6と、を備えている。
【0023】
ペレット形成装置3は、図示しないが、スクリューを有する押出し機と、押出し機から押し出されたストランド状の樹脂材を水中で切断するカッタを有する切断機と、を有している。遠心乾燥装置6は、流路5によって水と共に搬送されたペレットが収容される回転槽6aと、回転槽6aを駆動させるモータ6bと、を有しており、モータ6bで回転槽6aを回転駆動しながら水を除去してペレットを乾燥させる。
【0024】
また、搬送装置4は、ペレット形成装置3と遠心乾燥装置6との間の流路5で、ペレットと共に流れる水の一部を回収するための液体回収機構としての脱水機構8を有している。また、搬送装置4は、脱水機構8によって回収された水を収容するPCWタンク9を有しており、ポンプ(不図示)によってPCWタンク9からペレット形成装置3に流路5を介して供給している。したがって、ペレットを搬送する水は、ペレット形成装置3、脱水機構8、PCWタンク9の順に流れた後、PCWタンク9からペレット形成装置3に流れるように循環されている。
【0025】
図2に、実施形態のペレット製造装置1が備える脱水機構8の正面図を示す。図3に、実施形態のペレット製造装置1が備える脱水機構8の側面図を示す。
【0026】
図2及び図3に示すように、脱水機構8は、ペレット形成装置3と遠心乾燥装置6との間の流路5に設けられている。脱水機構8は、流路5を流れるアグロメ状の樹脂材を回収するためのスクラップ受け部材11と、水を通過させて回収するためのフィルタ部材としての脱水スクリーン12と、脱水スクリーン12に対して移動可能に設けられて脱水スクリーン12を通過させる水の通過量(開閉度)を調節するためのフィルタ調節部材としてのスクリーン調節板13と、脱水スクリーン12に対してスクリーン調節板13をスライドさせるスライド機構15と、脱水スクリーン12を通過した水の流量を検出するための流量検出器としての流量計16と、モータ6bの電流値及び流量計16で検出された流量に基づいてスライド機構15を制御する制御部17と、を有している。
【0027】
スクラップ受け部材11は、図示しない検出器によって重量が検出されており、スクラップ受け部材11に回収されたアグロメ状の樹脂材の総重量が所定の重量以上になったときに、図示しない駆動機構によって移動される。スクラップ受け部材11が移動されることで、回収されたアグロメ状の樹脂材が、流路5に連通する排出路18から排出される。このように、ペレット形成装置3から水と共に搬送されたアグロメ状の樹脂材を含むペレットは、アグロメ状の樹脂材と、ペレット及び水とに分離される。ペレットに数珠状の樹脂材が含まれていた場合、数珠状の樹脂材は、スクラップ受け部材11を通過し、流路5に沿って下流に流れる。
【0028】
脱水スクリーン12は、水が通過する複数の穴を有しており、網状に形成されている。脱水スクリーン12は、ペレット形成装置3と遠心乾燥装置6との間の流路5に配置されている。スクリーン調節板13は、脱水スクリーン12の上流側に隣接して、脱水スクリーン12と平行に配置されている。スクリーン調節板13は、脱水スクリーン12に対して平行にスライド移動されることで、脱水スクリーン12を塞ぐ面積が変化し、脱水スクリーン12の網状部の面積の大きさに対応する通過量を多段階で調節する。
【0029】
スライド機構15は、スクリーン調節板13に連結された油圧シリンダを有しており、制御部17によって制御されている。
【0030】
制御部17は、モータ6b、流量計16及びスライド機構15と電気的に接続されている。そして、制御部17は、流量計16によって検出された流量を用いて、遠心乾燥装置6に流入する水の量を算出し、算出した水の量と、モータ6bの電流値とに基づいてスライド機構15を制御する。
【0031】
以上のように構成されてペレット製造装置1を用いたペレット形成方法は、溶融された樹脂材によってペレットを形成する形成工程と、形成工程で形成されたペレットを、水を用いて流路5に沿って搬送する搬送工程と、流路5によって水と共に搬送されたペレットを回転槽6aに収容し、モータ6bで回転槽6aを駆動しながら水を除去してペレットを乾燥させる乾燥工程と、を有する。
【0032】
搬送工程では、形成工程と乾燥工程との間の流路5で、水の一部を回収し、残りの水と共にペレットを乾燥工程に搬送する。そして、搬送工程では、モータ6bの電流値に応じて、乾燥工程に流入する水の量を調節する。
【0033】
搬送工程では、脱水スクリーン12を通過する水を回収し、脱水スクリーン12を通過した水の流量と、モータ6bの電流値とに基づいて、脱水スクリーン12を通過させる水の通過量を制御する。制御部17は、脱水スクリーン12の通過量を制御することによって、乾燥工程の遠心乾燥装置6に流入する水の量を調節する。
【0034】
また、搬送工程では、乾燥工程に流入する水の量を調節した後、乾燥工程で駆動させるモータ6bの電流値が所定値よりも小さくなったときに、脱水スクリーン12の通過量を大きくする。
【0035】
以上したペレット製造方法について、遠心乾燥装置6の回転槽6aに流入する水の量を自動調節する動作を説明する。図4に、実施形態のペレット製造装置1が備える脱水機構8における制御を説明するためのフローチャートを示す。
【0036】
図4に示すように、ペレット製造方法では、ペレット製造装置1によってペレットの製造を開始し(ステップS1)、ステップS2において、遠心乾燥装置6のモータ6bの電流値が、所定の電流値以下(正常状態)になっているか制御部17が否かを判断する。
【0037】
モータ6bの電流値が所定の電流値以下である場合、制御部17は、脱水スクリーン12を通過する水の通過量の調節を行わずに、ペレットの製造を継続する(ステップS8)。また、制御部17は、ステップS2に戻り、モータ6bの電流値を監視する。
【0038】
モータ6bの電流値が所定の電流値よりも大きい場合、制御部17は、流量計16が検出した流量に基づいて、脱水スクリーン12を通過してPCWタンク9に流れた水の量を算出する。続いて、ステップS3において、制御部17は、搬送装置4で使用される水の総量から、脱水スクリーン12を通過した水の量を減算することで、遠心乾燥装置6に流入する水の量を算出する(第1の演算)。
【0039】
続いて、制御部17は、第1の演算で求められた水の量と、遠心乾燥装置6に生じている負荷に対応するモータ6bの電流値とに基づいて、スライド機構15を制御する(ステップS4)。このとき、制御部17は、スライド機構15によってスクリーン調節板13の位置を制御することで、遠心乾燥装置6に流入する水の量が小さくなるように、すなわち脱水スクリーン12の通過量が大きくなるように、遠心乾燥装置6に流入する水の量と、モータ6bの電流値に応じて、脱水スクリーン12の通過量を多段階で調節する。
【0040】
次に、スクリーン調節板13を調節することで、遠心乾燥装置6に流入する水の量を調節した後、遠心乾燥装置6のモータ6bの電流値は小さくなり、モータ6bの負荷が軽減される。制御部17は、脱水スクリーン12の通過量を調節した後、ステップS5において、遠心乾燥装置6のモータ6bの電流値が、所定の電流値以下(正常状態)になっているか制御部17が否かを判断する。そして、遠心乾燥装置6のモータ6bの電流値が所定の電流値以下になったとき、ステップS6において、再度、その電流値と、流量計16が検出した流量に基づいて、制御部17は、遠心乾燥装置6に流入する水の量を算出する(第2の演算)。
【0041】
続いて、制御部17は、第2の演算で求められた水の量と、モータ6bの電流値とに基づいて、スライド機構15を制御する(ステップS7)。このとき、制御部17は、スライド機構15によってスクリーン調節板13の位置を制御することで、遠心乾燥装置6に流入する水の量が大きくなるように、すなわち脱水スクリーン12の通過量が小さくなるように、脱水スクリーン12の通過量を調節する。以降、ペレットの形成を継続する(ステップS8)。
【0042】
上述したように、実施形態のペレット製造装置1によれば、ペレット形成装置3においてペレットの形成不良が生じた場合であっても、遠心乾燥装置6に流入する水の量と、遠心乾燥装置6で駆動させるモータ6bの電流値とに応じて、遠心乾燥装置6に流入する水の量が自動調節される。これによって、遠心乾燥装置6に流れる水量を減らし、遠心乾燥装置6で駆動させるモータ6bが過負荷になることを防ぐと共に、多くの水を含む数珠状の樹脂材が遠心乾燥装置6に流入することを抑えることができる。その結果、遠心乾燥装置6が過負荷になって停止し、ペレット製造装置1全体が停止することを防ぐことができるので、ペレット製造装置1の生産性を高めることにつながる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、乾燥工程にて遠心乾燥装置6に流入する水量と、乾燥工程で駆動させるモータ6bの電流値とに基づいて、脱水スクリーン12の通過量(開閉度)を調節するように構成されたが、少なくともモータ6bの電流値に基づいて、脱水スクリーン12の通過量の調節を行う構成であればよい。さらに、ペレット製造装置1は、モータ6bの電流値と、遠心乾燥装置6に流入する水量に関連する他の検出値とに基づいて、脱水スクリーン12の通過量の調節を行うように構成されてもよい。
【0044】
なお、本実施形態では、遠心乾燥装置6に流入する水の量と、モータ6bの電流値とに基づいて、スライド機構15の制御を行ったが、遠心乾燥装置6に流入する水の量を用いずに、モータ6bの電流値のみに基づいて、スライド機構15を制御するように構成されてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、回転槽6aを有する遠心乾燥装置6が用いられたが、回転槽に限定されるものではなく、ペレットが収容された槽を、モータによって駆動しながら水を除去してペレットを乾燥させる構成であれば、槽が往復移動する構成であってもよく、他の乾燥装置が採用されもよいことは勿論である。
【0046】
また、遠心乾燥装置の代わりに適用可能な他の乾燥装置としては、モータで駆動しながら槽内のペレットに、冷風を吹き付けるように構成された乾燥装置や、槽内のペレットにヒータの熱を加えるように構成された乾燥装置が挙げられる。
【0047】
また、検出器としては、機械式、電気式の流量計の他、超音波式の流量センサが用いられてもよい。また、実施形態のペレット製造装置1では、ペレットを搬送するための液体として水が用いられたが、必要に応じて種々の添加剤を含有する薬液等の他の液体が用いられてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
1 ペレット製造装置
3 ペレット形成装置
4 搬送装置
5 流路
6 遠心乾燥装置
6a 回転槽
6b モータ
8 脱水機構
12 脱水スクリーン
16 流量計
図1
図2
図3
図4