(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661684
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】パワーモジュール用基板
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20150108BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20150108BHJP
H05K 1/05 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01L23/12 J
H05K1/05 A
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-121628(P2012-121628)
(22)【出願日】2012年5月29日
(65)【公開番号】特開2013-187532(P2013-187532A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2012年5月29日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0024043
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(72)【発明者】
【氏名】キム・キャン ス
(72)【発明者】
【氏名】リ・ヨン キ
(72)【発明者】
【氏名】ショ・バム ショック
【審査官】
長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−242098(JP,A)
【文献】
特開平08−097526(JP,A)
【文献】
特開昭57−148783(JP,A)
【文献】
特開2003−133769(JP,A)
【文献】
特開平07−115253(JP,A)
【文献】
特開平03−077397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34−23/473
H01L 23/12
H05K 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタルベース基板と、
前記メタルベース基板上に形成され、多層の絶縁接着層及び前記多層の絶縁接着層間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層を含む絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された回路層と、を有し、
前記セラミックフィラー層は、同一平面上に配置されたセラミックフィラーが前記セラミックフィラーに隣接した上部及び下部の絶縁接着層に含浸された形態であることを特徴とするパワーモジュール用基板。
【請求項2】
前記セラミックフィラー層は、前記多層の絶縁接着層間の接合界面の全面にセラミックフィラーが均一に形成された形態であることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項3】
前記セラミックフィラーは、同一平面上に配置された絶縁接着層の中に80体積%〜93体積%含まれることを特徴とする請求項2に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項4】
前記セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項5】
前記絶縁接着層は、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項6】
前記メタルベース基板は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項7】
メタルベース基板と、
前記メタルベース基板上に形成され、多層の絶縁接着層及び前記多層の絶縁接着層間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層を含む絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された回路層と、を有し、
前記多層の絶縁接着層は第1セラミックフィラーを含み、
前記セラミックフィラー層は、同一平面上に配置された第2セラミックフィラーが前記第2セラミックフィラーに隣接した上部及び下部の絶縁接着層に含浸された形態であることを特徴とするパワーモジュール用基板。
【請求項8】
前記セラミックフィラー層は、前記多層の絶縁接着層間の接合界面の全面に第2セラミックフィラーが均一に形成された形態であることを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項9】
前記第2セラミックフィラーは、同一平面上に配置された絶縁接着層の中に80体積%〜93体積%含まれることを特徴とする請求項8に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項10】
前記第1及び第2セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項11】
前記第1セラミックフィラーの粒子サイズは第2セラミックフィラーの粒子サイズより小さいことを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項12】
前記絶縁接着層は、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項13】
前記メタルベース基板は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール用基板。
【請求項14】
前記絶縁接着層は、プリプレグ(Prepreg)であることを特徴とする請求項1または7に記載のパワーモジュール用基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーモジュール用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的にエネルギー使用量が増加するにつれて、限られたエネルギーの効率的な使用に対する関心が高まっている。これにより、既存の家電用/産業用の製品において、エネルギーの効率的な変換(Conversion)のためのIPM(Intelligent Power Module)を適用したインバータの採用が加速化されている。
【0003】
一方、特許文献1を始め、多様な構造のパワーモジュールの適用が拡大するに伴い、市場では高集積化、高容量化、小型化がさらに要求されている。これによるパワーモジュールの高集積化は、電子部品の発熱問題とモジュール全体の性能低下の結果をもたらしている。
【0004】
従って、パワーモジュールの効率増加及び高信頼性を確保するためには、上記のような発熱問題が解決できる高放熱パッケージ構造が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,432,750 B2明細書(2002.08.13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の一側面は、熱伝導度が高くて放熱効率を向上させることができるパワーモジュール用基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によるパワーモジュール用基板は、メタルベース基板と、前記メタルベース基板上に形成され、多層の絶縁接着層及び前記多層の絶縁接着層間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層を含む絶縁層と、前記絶縁層上に形成された回路層と、を含むことができる。
【0008】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板のセラミックフィラー層は、前記多層の絶縁接着層間の接合界面の全面にセラミックフィラーが均一に形成された形態であることができる。
【0009】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラー層に含まれたセラミックフィラーの含量は80
体積%〜93
体積%であることができる。
【0010】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0011】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラー層は、同一平面上に配置されたセラミックフィラーが前記セラミックフィラーに隣接した
上部及び下部の絶縁接着層に含浸された形態
とすることができる。
【0012】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の前記絶縁接着層は、プリプレグ(Prepreg)、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0013】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の前記メタルベース基板は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることができる。
【0014】
本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板は、メタルベース基板と、前記メタルベース基板上に形成され、多層の絶縁接着層及び前記多層の絶縁接着層間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層を含む絶縁層と、前記絶縁層上に形成された回路層と、を含み、前記多層の絶縁接着層は第1セラミックフィラーを含むことができる。
【0015】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラー層は、前記多層の絶縁接着層間の接合界面の全面に第2セラミックフィラーが均一に形成された形態であることができる。
【0016】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラー層に含まれた第2セラミックフィラーの含量は80
体積%〜93
体積%であることができる。
【0017】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記第1及び第2セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0018】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記第1セラミックフィラーの粒子サイズは第2セラミックフィラーの粒子サイズより小さいことができる。
【0019】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記セラミックフィラー層は、同一平面上に配置されたセラミックフィラーが前記セラミックフィラーに隣接した前記絶縁接着層に含浸された形態であることができる。
【0020】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記絶縁接着層は、プリプレグ(Prepreg)、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0021】
また、本発明の他の実施例によるパワーモジュール用基板の前記メタルベース基板は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例によるパワーモジュール用基板は、メタル素材のベース基板と多層のセラミックフィラー層を適用するため、パワーモジュールで発生する熱をセラミックフィラー層を介して効率的に伝導することができ、これにより、パワーモジュール用基板の放熱特性が向上されるという効果を期待することができる。
また、本発明の実施例は、絶縁層を多層のセラミックフィラー層で構成するため、別の放熱基板を形成する従来の技術に比べ、単純な工程により小型化及び放熱特性が向上されたパワーモジュール用基板を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
パワーモジュール用基板−第1実施例
図1は本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の構成を示す断面図であり、
図2及び
図3は
図1の絶縁層の第1実施例を詳細に示す断面図である。
【0026】
図1から
図3に図示するように、パワーモジュール用基板100は、メタルベース基板110と、メタルベース基板110上に形成され、多層の絶縁接着層121a、121b、121c(以下、121)及び多層の絶縁接着層121間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層123、123a、123bを含む絶縁層120と、絶縁層120上に形成された回路層130と、を含むことができる。
【0027】
ここで、メタルベース基板110は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることができ、これに限定されない。
【0028】
また、メタルベース基板110は、運用者の必要に応じて多様な厚さとサイズに加工されることができる。
【0029】
この際、メタルベース基板110は多様な厚さに形成できるため、ダウンセット(Down−set)構造を用いないリードフレームを適用することができ、これにより、工程性が大きく向上されることができる。
【0030】
また、
図2及び
図3に図示するように、絶縁層120は、第1絶縁接着層121aを形成した後、第1絶縁接着層121a上にセラミックフィラーを全面に均一に塗布し、セラミックフィラーが塗布された第1絶縁接着層121a上に第2絶縁接着層121bを積層することにより形成される。
【0031】
この際、絶縁接着層121、121a、121bは、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
また、絶縁接着層121、121a、121bは、プリプレグ(Prepreg)とすることができる。
【0032】
また、セラミックフィラーを絶縁接着層上に塗布する方法は、セラミック粒子(Ceramic Particle)をスプレーで塗布するスプレー(Spray)工法、ポリマーフィルム(Polymer Film)を帯電(Charge)して静電気によりポリマーフィルム上にセラミックフィラー粒子が付着するようにした後、第1絶縁接着層上に転写する静電気法、セラミックフィラーの含量が80
体積%〜93
体積%となるようにプリプレグフィルムを接合するプリプレグ接合工法を適用することができる。
【0033】
前記絶縁接着層121、121a、121bの厚さは、絶縁接着層の積層数、配列されたセラミックフィラー層の積層数に応じて決まる。
【0034】
図2及び
図3に図示するように、セラミックフィラー層123は、同一平面上に配置されたセラミックフィラーが前記セラミックフィラーに隣接した絶縁接着層(例えば、第1絶縁接着層121aまたは第2絶縁接着層121b)に含浸された形態に形成される。
【0035】
前記セラミックフィラー層123は、
図2に図示するように単一層123で構成されてもよく、または、
図3に図示するように2層以上の多層123a、123bで構成されてもよい。
【0036】
また、セラミックフィラー層123は、多層の絶縁接着層121間の接合界面の全面にセラミックフィラーが均一に形成された形態であることができる。
【0037】
この際、前記セラミックフィラー層123に含まれたセラミックフィラーの含量は80
体積%〜93
体積%であることができる。即ち、セラミックフィラー層123は、セラミックフィラーが同一平面上に形成された絶縁接着層に比べ80
体積%〜93
体積%含まれることができる。
【0038】
一方、
図6に図示するように、本発明の実施例は、絶縁材(例えば、エポキシ)に含まれたセラミックフィラー(同一平面上に均一に形成)の含量が80
体積%〜93
体積%である場合(
図6のA)にも、基板製作工程においてメタルと絶縁材との接着力基準値である1.2kgf以上の接着力(Adhesion)を維持し、セラミックフィラーの増加による接着力の変化が殆どないため、信頼性を確保することができる。
【0039】
その反面、従来技術(
図6のB)は、絶縁材に含まれたセラミックフィラーの含量が増加するほど接着力が急激に減少し、接着力基準値である1.2kgf以下に減少することを確認することができる。
【0040】
また、
図7に図示するように、本発明の実施例は、絶縁材(例えば、エポキシ)に含まれたセラミックフィラー(同一平面上に均一に形成)の含量が80
体積%〜93
体積%である場合(
図7のC)にも、パワーモジュール(Power Module)に適用するための基準値である1.5kV以上の、2.5kV以上の分離電圧(Isolation Voltage)を確保することができる。
【0041】
その反面、従来技術(
図7のD)は、絶縁材に含まれたセラミックフィラーの含量が増加するほど分離電圧が急激に低下し、基準値である1.5kV以下に減少するため、基板をパワーモジュールに適用することができない。
【0042】
上述したように、本発明によるパワーモジュール用基板100は、セラミックフィラーの含量が増加してもパワーモジュールに適用することができるため、セラミックフィラーによる放熱特性の向上、パワーモジュールパッケージの小型化、高集積化及び高容量化の効果を期待することができる。
【0043】
また、前記セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができ、これに限定されない。
【0044】
また、回路層130は絶縁層120上に形成され、絶縁層との接合強度を高めるために、接合界面側の銅箔(Cu Foil)にサンドブラスト(Sand Blast)工法、化学的エッチング(Chemical Etching)またはバフ研磨(Buffing)工法が適用されることができる。
【0045】
また、上述のメタルベース基板110、絶縁層120及び回路層130は、高温及び高圧のプレス工程により接合されることができ、これに限定されない。
【0046】
パワーモジュール用基板−第2実施例
図4及び
図5は、
図1の絶縁層の第2実施例を詳細に示す断面図であり、
図1をともに参照して説明する。
【0047】
但し、第2実施例の構成のうち第1実施例の構成と同一の構成についての説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
図1、
図4及び
図5に図示するように、パワーモジュール用基板100は、メタルベース基板110と、メタルベース基板110上に形成され、多層の絶縁接着層121a、121b、121c(以下、121)及び多層の絶縁接着層121間の接合界面に形成されたセラミックフィラー層123、123a、123bを含む絶縁層120と、絶縁層120上に形成された回路層130と、を含むことができる。
【0049】
この際、多層の絶縁接着層121は第1セラミックフィラー125を含むことができる。
【0050】
また、メタルベース基板110は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)またはチタン(Ti)からなることができる。
【0051】
また、絶縁接着層121は、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Poly Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
また、絶縁接着層121は、プリプレグ(Prepreg)とすることができる。
【0052】
また、セラミックフィラー層123は、多層の絶縁接着層121間の接合界面の全面に第2セラミックフィラーが均一に形成された形態であることができる。
【0053】
この際、前記セラミックフィラー層123に含まれたセラミックフィラーの含量は80%〜93%であることができる。
【0054】
また、前記第1及び第2セラミックフィラーは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AIN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。
【0055】
また、
図4及び
図5に図示するように、セラミックフィラー層123は、同一平面上に配置されたセラミックフィラーが前記セラミックフィラーに隣接した絶縁接着層121に含浸された形態であることができる。
【0056】
前記セラミックフィラー層123は、
図4に図示するように単一層123で構成されてもよく、または、
図5に図示するように2層以上の多層123a、123bで構成されてもよい。
【0057】
また、第1セラミックフィラー125の粒子サイズは第2セラミックフィラー(セラミックフィラー層123に含まれたフィラー)の粒子サイズより小さいことができる。
【0058】
本発明の実施例によるパワーモジュール用基板100は、放熱特性が良好であるため、後でパワーモジュールパッケージに適用される際、パワー素子のように発熱が大きい素子の発熱も効率的に除去することができる。これにより、熱に弱い制御素子に与えられる影響を最小化して、製品の信頼性及びライフタイム(Life Time)駆動特性を改善することができるという効果を期待することができる。
【0059】
また、本発明の実施例によるパワーモジュール用基板100は、CBM(Copper Bonded Metal)基板のメタルベース基板の厚さを多様な厚さに制御することができるため、ダウンセット(Down−set)構造を適用することなくリードフレームを用いることができるため、モジュール製造の工程性を大きく向上させることができる。
【0060】
さらに、本発明の実施例は、パワーモジュール用基板上にメタル回路配線を自由に形成することができるため、モジュールのデザイン自由度を大きく向上させることができる。
【0061】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0062】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明の実施例によるパワーモジュール用基板の構成を示す断面図である。
【
図2】
図1の絶縁層の第1実施例を詳細に示す断面図である。
【
図3】
図1の絶縁層の第1実施例を詳細に示す断面図である。
【
図4】
図1の絶縁層の第2実施例を詳細に示す断面図である。
【
図5】
図1の絶縁層の第2実施例を詳細に示す断面図である。
【
図6】本発明の実施例によるセラミックフィラーの含量に対する実験データを示す図面である。
【
図7】本発明の実施例によるセラミックフィラーの含量に対する実験データを示す図面である。
【符号の説明】
【0064】
100 パワーモジュール用基板
110 メタルベース基板
120 絶縁層
121、121a、121b、121c 絶縁接着層
123、123a、123b セラミックフィラー層
125 セラミックフィラー
130 回路層