特許第5661713号(P5661713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661713
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】スピードスプレーヤの噴霧遮断装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/00 20060101AFI20150108BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   B05B17/00 102
   A01M7/00 N
   A01M7/00 Q
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-219169(P2012-219169)
(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-69161(P2014-69161A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2014年6月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000186784
【氏名又は名称】株式会社ショーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
(72)【発明者】
【氏名】月岡 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 孝広
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−000499(JP,A)
【文献】 特開2011−120331(JP,A)
【文献】 特開2000−304120(JP,A)
【文献】 特開2000−352451(JP,A)
【文献】 米国特許第6101889(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 17/00−17/08
A01M 7/00
F16H 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
右方,左方及び上方を含む放射方向の所定範囲に薬液を噴霧可能な薬液噴霧機構に付設し、前記所定範囲における一部範囲を遮断して薬液の噴霧を規制する遮断カバーと、この遮断カバーを、前記一部範囲を遮断する遮断位置又はこの遮断を解除する開放位置に選択的に移動可能なカバー移動手段を備えるスピードスプレーヤの噴霧遮断装置において、前記カバー移動手段は、進退変位することにより前記遮断カバーを移動可能であって、外周面に、当該外周面の一部を凹状にして形成した操作突起部を有するプランジャを内蔵した駆動アクチュエータ部と、この駆動アクチュエータ部の内部に配設し、前記開放位置又は前記遮断位置に対応した位置で前記操作突起部により操作され、当該開放位置又は当該遮断位置に対応した位置にあることを検出する前リミットスイッチ及び後リミットスイッチと、当該前リミットスイッチ及び後リミットスイッチの検出結果に対応して前記薬液噴霧機構における薬液の供給又は供給停止を制御する薬液供給制御手段とを備えてなることを特徴とするスピードスプレーヤの噴霧遮断装置。
【請求項2】
前記カバー移動手段は、一端部を回動支持部を介して車体側に取付け、かつ他端部を前記遮断カバーに対して上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部を介して係合させるとともに、中間部に前記プランジャの先端部が回動結合部を介して結合するリンクレバー部と、前記遮断カバーを前後方向へ変位自在に支持する支持機構部と、前記駆動アクチュエータ部を駆動制御する制御系とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のスピードスプレーヤの噴霧遮断装置。
【請求項3】
前記後リミットスイッチは、前記プランジャが末端位置に達したときに前記駆動アクチュエータ部の作動を停止させる既設の内蔵スイッチと兼用することを特徴とする請求項1又は2記載のスピードスプレーヤの噴霧遮断装置。
【請求項4】
前記薬液供給制御手段は、前記遮断カバーが前記遮断位置側へ移動した際に前記一部範囲に噴霧する薬液の供給を停止し、かつ前記遮断カバーが前記開放位置側へ移動した際に前記供給の停止を解除する制御機能を備えることを特徴する請求項1,2又は3記載のスピードスプレーヤの噴霧遮断装置。
【請求項5】
前記薬液供給制御手段は、前記プランジャが前記開放位置に対応する位置にあることを検出した前記後リミットスイッチから得られる位置検出信号によりON(又はOFF)して薬液供給バルブを開側に切換えるバルブ制御リレーを備えることを特徴とする請求項4記載のスピードスプレーヤの噴霧遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、右方,左方及び上方を含む放射方向の所定範囲に薬液を噴霧する薬液噴霧機構に付設するスピードスプレーヤの噴霧遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、民家や無農薬栽培畑等の薬液散布を回避したい方向に対して薬液飛散を防止するようにしたスピードスプレーヤの薬液噴霧装置としては、既に本出願人が提案した特許文献1により開示される噴霧遮断装置が知られている。
【0003】
同文献1に開示される薬液噴霧装置は、右方,左方及び上方を含む放射方向の所定範囲に薬液を噴霧可能な薬液噴霧機構と、当該所定範囲における一部範囲を遮断して薬液の噴霧を規制する遮断カバーと、この遮断カバーを、一部範囲を遮断する遮断位置又はこの遮断を解除する開放位置に選択的に移動可能なカバー移動手段とを設けるとともに、遮断カバーが遮断位置側へ移動した際に一部範囲に噴霧する薬液の供給を停止し、かつ遮断カバーが開放位置側へ移動した際に供給の停止を解除する薬液供給連動手段を設けたものであり、これにより、所定範囲における一部範囲を遮断部材により遮断して薬液の噴霧を規制することができる。
【0004】
また、薬液噴霧装置に備える薬液供給連動手段は、遮断カバーが少なくとも開放位置にあることを検出するカバー位置検出部と、一部範囲に噴霧する薬液の供給配管に接続した開閉バルブと、カバー位置検出部による開放位置の検出時に開閉バルブを開側に切換え、かつ開放位置の非検出時に開閉バルブを閉側に切換える切換手段を備えており、これにより、遮断カバーが開き終わった時点で薬液供給を可能にし、かつ遮断カバーが閉じ始める時点で薬液供給を停止することにより、遮断カバーが開く途中で或いは閉める途中で薬液が飛散し、遮断カバーに当たって漏洩状態となる不具合を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−100170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したスピードスプレーヤに備える従来の薬液噴霧装置は、次のような解決すべき課題が存在した。
【0007】
第一に、遮断カバーが少なくとも開放位置にあることを検出するカバー位置検出部、具体的には、遮断カバーに設けた被検出子とボディ側に設けた検出スイッチにより磁気的な検出を行う非接触型検出部を用いるため、これらの部品に基づく部品コスト及び組付コスト(組立工数)が発生し、無視できないコストアップ要因となる。加えて、遮断カバー周りにおける構成の煩雑化を招く。
【0008】
第二に、被検出子及び検出スイッチを含むカバー位置検出部は、外部に露出した構造となるため、果樹の枝等が当たる虞れがあるとともに、風雨や直射日光に直接晒されてしまう難がある。したがって、動作不良や故障等を生じやすくなり、必ずしも十分な信頼性を確保できるとは言い難いとともに、耐久性を高め、かつ耐候性を確保する観点からも不利になる。
【0009】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したスピードスプレーヤの噴霧遮断装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するため、右方,左方及び上方を含む放射方向の所定範囲に薬液を噴霧可能な薬液噴霧機構2に付設し、所定範囲における一部範囲Anを遮断して薬液の噴霧を規制する遮断カバー3と、この遮断カバー3を、一部範囲Anを遮断する遮断位置Xs又はこの遮断を解除する開放位置Xrに選択的に移動可能なカバー移動手段4を備えるスピードスプレーヤMの噴霧遮断装置1を構成するに際して、カバー移動手段4は、進退変位することにより遮断カバー3を移動可能であって、外周面に、当該外周面の一部を凹状にして形成した操作突起部5ppを有するプランジャ5pを内蔵してなる駆動アクチュエータ部5と、この駆動アクチュエータ部5の内部に配設し、開放位置Xr又は遮断位置Xsに対応した位置で操作突起部5ppにより操作され、当該開放位置Xr又は当該遮断位置Xsに対応した位置にあることを検出する前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoと、当該前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoの検出結果に対応して薬液噴霧機構2における薬液の供給又は供給停止を制御する薬液供給制御手段7とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
この場合、発明の好適な態様により、カバー移動手段4には、一端部11sを回動支持部12を介して車体10側に取付け、かつ他端部11tを遮断カバー3に対して上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部13を介して係合させるとともに、中間部11mにプランジャ5pの先端部5psが回動結合部14を介して結合するリンクレバー部11と、遮断カバー3を前後方向へ変位自在に支持する支持機構部15と、駆動アクチュエータ部5を駆動制御する制御系16とを設けることができる。なお、後リミットスイッチLSoは、プランジャ5pが末端位置に達したときに駆動アクチュエータ部5の作動を停止させる既設の内蔵スイッチと兼用することができる。一方、薬液供給制御手段7には、遮断カバー3が遮断位置Xs側へ移動した際に一部範囲Anに噴霧する薬液の供給を停止し、かつ遮断カバー3が開放位置Xr側へ移動した際に供給の停止を解除する制御機能Fcを設けることができる。また、薬液供給制御手段7には、プランジャ5pが開放位置Xrに対応する位置にあることを検出した後リミットスイッチLSoから得られる位置検出信号SdによりON(又はOFF)して薬液供給バルブ17を開側に切換えるバルブ制御リレー18を設けることができる。
【発明の効果】
【0012】
このような構成を有する本発明に係るスピードスプレーヤMの噴霧遮断装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) カバー移動手段4を構成する駆動アクチュエータ部5の内部に配設し、開放位置Xr又は遮断位置Xsに対応した位置で操作突起部5ppにより操作され、当該開放位置Xr又は当該遮断位置Xsに対応した位置にあることを検出する前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoと、当該前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoの検出結果に対応して薬液噴霧機構2における薬液の供給又は供給停止を制御する薬液供給制御手段7を備えるため、遮断カバー3の位置を検出する外部に配する被検出子や検出スイッチ等が不要となる。これにより、部品点数の削減による部品コスト及び組付コスト(組立工数)の低減を図ることができるとともに、遮断カバー3周りにおける構成のシンプル化を図ることができる。
【0014】
(2) 前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoは駆動アクチュエータ部5の内部に配設するため、従来のように、外部に配して遮断カバー3の位置を検出するカバー位置検出部が不要となる。これにより、位置検出手段が外部に露出することに伴う不具合を回避できる。即ち、位置検出手段の動作不良や故障等を回避し、信頼性を高めることができるとともに、耐久性の向上及び耐候性の確保を図ることができる。
【0015】
(3) 好適な態様により、カバー移動手段4に、一端部11sを回動支持部12を介して車体10側に取付け、かつ他端部11tを遮断カバー3に対して上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部13を介して係合させるとともに、中間部11mにプランジャ5pの先端部5psが回動結合部14を介して結合するリンクレバー部11と、遮断カバー3を前後方向へ変位自在に支持する支持機構部15と、駆動アクチュエータ部5を駆動制御する制御系16とを設ければ、カバー移動手段4の、特に限られた配設エリア内における前後方向の占有スペースを有効に縮小でき、カバー移動手段4の全体の小型コンパクト化、更には機構部分の無用な露出等による外観性(形状性)の低下を回避できる。
【0016】
(4) 好適な態様により、後リミットスイッチLSoを、プランジャ5pが末端位置に達したときに駆動アクチュエータ部5の作動を停止させる既設の内蔵スイッチに兼用させれば、部品点数及び組付工数の削減による低コスト化に寄与できる。
【0017】
(5) 好適な態様により、薬液供給制御手段7に、遮断カバー3が遮断位置Xs側へ移動した際に一部範囲Anに噴霧する薬液の供給を停止し、かつ遮断カバー3が開放位置Xr側へ移動した際に供給の停止を解除する制御機能Fcを設ければ、民家や無農薬栽培畑等の薬液散布を回避したい方向への薬液飛散を確実に防止できることに加え、一部範囲Anに対して噴霧を停止(又は停止解除)する際の操作の単純化、更には作業能率の向上に寄与できる。
【0018】
(6) 好適な態様により、薬液供給制御手段7に、プランジャ5pが開放位置Xrに対応する位置にあることを検出した後リミットスイッチLSoから得られる位置検出信号SdによりON(又はOFF)して薬液供給バルブ17を開側に切換えるバルブ制御リレー18を設ければ、比較的簡易な回路構成により容易に実施できるとともに、装置全体の小型化及び低コスト化に寄与できる。特に、前述した内蔵スイッチと兼用した場合、バルブ制御リレー18の追加のみで極めて容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の好適実施形態に係る噴霧遮断装置における薬液供給制御手段のブロック回路を含む一部を破断した遮断カバーが遮断位置にあるスピードスプレーヤの一部を示す右側面構成図、
図2】同噴霧遮断装置に備える駆動アクチュエータ部の非開放位置に対応する位置における一部断面内部構造図、
図3】同駆動アクチュエータ部の開放位置における一部断面内部構造図、
図4】同噴霧遮断装置に備える薬液供給制御手段の回路図であって遮断カバーが開放位置にあるときの回路図、
図5】同噴霧遮断装置に備える薬液供給制御手段の回路図であって遮断カバーが遮断位置にあるときの回路図、
図6】同噴霧遮断装置の動作を説明するためのフローチャート、
図7】同噴霧遮断装置の動作説明図、
図8】同噴霧遮断装置を備えるスピードスプレーヤの背面構成図、
図9】同噴霧遮断装置を備えるスピードスプレーヤの右側面全体構成図、
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明の理解を容易にするため、本実施形態に係る噴霧遮断装置1を備えるスピードスプレーヤMの概略構成について、図9を参照して説明する。
【0022】
スピードスプレーヤMにおいて、30はシャーシであり、このシャーシ30の前側に、左右一対の前輪31…を備えるとともに、後側に、左右一対の後輪32…を備え、搭載するエンジンにより自走する。また、シャーシ30上のボディ33には、前部に運転席34を備えるとともに、運転席34の前方におけるフロントパネル35には、ヘッドライト等の灯火器やバックミラー等の必要な車両設備を備える。さらに、運転席34の後方には、薬液タンク36及びエンジンルーム等の機械室を搭載するとともに、この後方に本実施形態に係る噴霧遮断装置1を付設する薬液噴霧機構2を備える。
【0023】
薬液噴霧機構2は、風洞41に覆われた送風機42(図8)を有する送風部43を備え、この送風部43と薬液タンク36の間には噴射空間Sを設ける。なお、風洞41は車体10の一部を構成する。また、噴射空間Sには、整流筒44及びこの整流筒44に沿って配した多数の噴射ノズルN…を配設する。この場合、各噴射ノズルN…は、図8に示すように、三方へ噴霧するためのノズルユニット45p,45m,45qから分岐して設けられており、各噴射ノズルN…から噴射される薬液は、送風部43からの送風によって噴射空間Sから放射方向の所定範囲に噴霧される。この際、右側に配したノズルユニット45pの噴射ノズルN…からは当該所定範囲の一部範囲Anとなる右方に噴霧される。同様に、左側に配したノズルユニット45qの噴射ノズルN…からは当該所定範囲の一部範囲となる左方に噴霧されるとともに、上側に配したノズルユニット45mの噴射ノズルN…からは当該所定範囲の一部範囲となる上方に噴霧される。なお、例示する上側のノズルユニット45mは、更に二つのノズルユニットが組合わされている。
【0024】
次に、本実施形態に係る噴霧遮断装置1の構成について、図1図8を参照して具体的に説明する。
【0025】
噴霧遮断装置1は、噴射空間Sに付設することにより、薬液が噴霧される所定範囲における一部範囲Anを遮断して薬液の噴霧を規制する遮断カバー3を備える。例示の遮断カバー3は、一部範囲Anとして、スピードスプレーヤMの右方への噴霧を規制するため、この一部範囲Anに対して規制できる形状に形成する。即ち、一枚の短冊状をなすパネル材を噴射空間Sの周りに沿わせ、かつ当該周りを遮蔽可能な形状に一体形成する。この場合、噴射空間Sから放射方向に向かう風圧は、かなりの大きさに及ぶため、スピードスプレーヤMの側面に対して平行となるカバー本体部には、この風圧に十分に耐えるように、デザイン形状を兼ねる凹凸による複数のリブ部を膨出形成して剛性を高めている。このような遮断カバー3はプラスチック素材や金属素材等により容易に製作できる。
【0026】
さらに、噴霧遮断装置1には、この遮断カバー3を、一部範囲Anを遮断する遮断位置Xs又はこの遮断を解除する開放位置Xrに選択的に移動可能なカバー移動手段4を備える。カバー移動手段4は、進退変位することにより遮断カバー3を移動可能なプランジャ5pを内蔵する駆動アクチュエータ部5と、一端部11sを回動支持部12を介して車体10側に取付け、かつ他端部11tを遮断カバー3に対して上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部13を介して係合させるとともに、中間部11mにプランジャ5pの先端部5psが回動結合部14を介して結合するリンクレバー部11と、遮断カバー3を前後方向へ変位自在に支持する支持機構部15と、駆動アクチュエータ部5を駆動制御する制御系16とを備える。
【0027】
この場合、図1に示すように、風洞41の外側面には支持板51を取付ける。支持板51は全体を矩形状に形成し、上端辺には上側のガイドレール部52uを設けるとともに、下端辺には下側のガイドレール部52dを設ける。各ガイドレール部52uと52dは平行となり、このガイドレール部52u,52dに、遮断カバー3の内面における上位置及び下位置にそれぞれ設けたスライダ部53u,53dをスライド自在に装填する。ガイドレール部52u,52d及びスライダ部53u,53dはリニアベアリングにより構成することができ、支持板51,ガイドレール部52u,52d及びスライダ部53u,53dは、遮断カバー3を前後方向へ変位自在に支持する支持機構部15を構成する。これにより、遮断カバー3を、前方向へ移動させた際には、上述した一部範囲Anを遮断する遮断位置Xsに位置させることができるとともに、後方向へ移動させた際には、この遮断を解除する開放位置Xrに位置させることができる。
【0028】
一方、支持板51には、駆動アクチュエータ部5及びリンクレバー部11を配設する。駆動アクチュエータ部5は、図1及び図2に示すように、進退変位するプランジャ5pを内蔵する。駆動アクチュエータ部5には、電気駆動タイプの汎用的なリニアアクチュエータを用いることができる。駆動アクチュエータ部5は、ケーシング61を有し、このケーシング61の内部に、ロータリモータを用いたモータ本体5m,ボールねじ機構63,ロータリモータ62の回転をボールねじ機構63のスクリュ部63sに伝達する回転伝達機構64を備え、スクリュ部63sはプランジャ5pの後端から軸方向に形成したボールねじ機構63のナット部63nに螺合する。これにより、ロータリモータ62が回転すれば、この回転は回転伝達機構64を介してスクリュ部63sに伝達され、このスクリュ部63sに螺合するプランジャ5pが進退変位する。この場合、プランジャ5pの前進側の末端位置(遮断位置Xsに対応する位置)及び後退側の末端位置(開放位置Xrに対応する位置)は、それぞれ前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoにより検出され、検出された時点でモータ本体5mが停止制御される。例示の場合、プランジャ5pには、遮断位置Xsに対応する位置で前リミットスイッチLScをOFFにし、かつ開放位置Xrに対応する位置で後リミットスイッチLSoをOFFにする操作突起部5ppを設けている。したがって、操作突起部5ppに操作されない位置の前リミットスイッチLSc及び後リミットスイッチLSoはON(ノーマルON)になっている。そして、ケーシング61の後端部は、支持板51の上下方向中間位置における後端付近に支軸部54を介して回動自在に取付ける。
【0029】
他方、リンクレバー部11は円弧形に湾曲形成し、駆動アクチュエータ部5の前方に配する。リンクレバー部11は上下方向に長く、中間部が前方に位置するように湾曲形成する。そして、リンクレバー部11の下端部(一端部)11sは、車体10側となる支持板51の前寄り位置における下端付近に、回動支持部12を介して回動自在に取付ける。他方、リンクレバー部11の上端部(他端部)11tは、遮断カバー3の内面に対して、上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部13を介して係合させる。この際、レバー係合部13の位置は、遮断カバー3の上下方向における中間位置を選定する。レバー係合部13は、リンクレバー部11の他端部11tに回動自在に設けたローラ部21と、遮断カバー3の内面に設けたレール部22により構成する。この場合、レール部22は、別途形成した断面コの字形となるチャンネル状のレール部材22pを用意し、このレール部材22pをネジ止め等により遮断カバー3の内面に取付けて構成する。これにより、ローラ部21はレール部22に係合して上下方向にガイドされる。さらに、リンクレバー部11の中間部11mには、回動結合部14を介して駆動アクチュエータ部5におけるプランジャ5pの先端部5psを回動自在に結合する。この場合、回動結合部14は、リンクレバー部6の中央位置よりも回動支持部11側の位置を選定する。
【0030】
また、駆動アクチュエータ部5を駆動制御する制御系16を備える。図4及び図5に、駆動アクチュエータ部5を含む制御系16の電気回路構成を示す。図中、71はバッテリシステムであり、車載バッテリ(DC12〔V〕)72及びヒューズ73を備える。74は二回路二接点のカバー開閉スイッチであり、第一スイッチ部74aと第二スイッチ部74bを備える。このカバー開閉スイッチ74は運転席34のダッシュボード34dに配設する。一方、駆動アクチュエータ部5におけるモータ本体5mの一方の端子は、前リミットスイッチLScとダイオード75cの並列回路を介してカバー開閉スイッチ74の第二スイッチ部74bに接続するとともに、モータ本体5mの他方の端子は、後リミットスイッチLSoとダイオード75oの並列回路を介してカバー開閉スイッチ74の第一スイッチ部74aに接続する。なお、これらの各回路部品は、図4図5)に示す向き及び位置関係により接続する。
【0031】
このように、カバー移動手段4に、一端部11sを回動支持部12を介して車体10側に取付け、かつ他端部11tを遮断カバー3に対して上下方向の変位のみ許容可能なレバー係合部13を介して係合させるとともに、中間部11mにプランジャ5pの先端部5psが回動結合部14を介して結合するリンクレバー部11と、遮断カバー3を前後方向へ変位自在に支持する支持機構部15と、駆動アクチュエータ部5を駆動制御する制御系16とを設ければ、カバー移動手段4の、特に限られた配設エリア内における前後方向の占有スペースを有効に縮小でき、カバー移動手段4の全体の小型コンパクト化、更には機構部分の無用な露出等による外観性(形状性)の低下を回避できる利点がある。この際、レバー係合部13を、他端部11tに設けたローラ部21と遮断カバー3に設けたレール部22により構成すれば、リンクレバー部11の他端部11tに生じる上下方向の相対変位を円滑に許容し、確実な係合機能及び動作を確保できるとともに、レール部22を、別途のレール部材22pを遮断カバー3に取付けて構成すれば、遮断カバー3の形状的(デザイン的)な設計自由度を高めることができる利点がある。また、リンクレバー部11は円弧形に湾曲形成したため、リンクレバー部11の全て又はほとんどを遮断カバー3の内側に収容可能となる。したがって、薬液が散布される樹木等が当たった場合であっても、リンクレバー部11により樹木等が巻き込まれる虞れがなくなるため、樹木を傷付けたり或いはカバー移動手段4における故障等の発生を回避できる。さらに、遮断カバー3の遮蔽によりリンクレバー部11や回動結合部14等の機構部分を保護できるため、遮断カバー3を保護カバーとしても機能させることができる。
【0032】
一方、噴霧遮断装置1は、本発明の要部を構成するプランジャ検出器6及び薬液供給制御手段7を備えている。この場合、プランジャ検出器6は、駆動アクチュエータ部5の内部に配設し、プランジャ5pが少なくとも開放位置Xrに対応した位置、即ち、プランジャ5pの後退側の末端位置にあることを検出する機能を有する。したがって、このプランジャ検出器6は、後リミットスイッチ(内蔵スイッチ)LSoに兼用させることができる。このように、プランジャ検出器6を、プランジャ5pが末端位置に達したときに駆動アクチュエータ部5の作動を停止させる既設の内蔵スイッチ(LSo)に兼用させれば、部品点数及び組付工数の削減による低コスト化に寄与できる利点がある。
【0033】
また、薬液供給制御手段7は、プランジャ検出器6の検出結果に対応して薬液噴霧機構2における薬液の供給又は供給停止を制御する機能を有するものであり、遮断カバー3が遮断位置Xs側へ移動した際に一部範囲Anに噴霧する薬液の供給を停止し、かつ遮断カバー3が開放位置Xr側へ移動した際に供給の停止を解除する制御機能Fcを備える。このため、プランジャ5pが開放位置Xrに対応する位置にあることを検出したプランジャ検出器6から得られる位置検出信号SdによりON(又はOFF)して薬液供給バルブ17を開側に切換えるバルブ制御リレー18を備える。この場合、プランジャ検出器6は後リミットスイッチLSoに兼用したため、図4に示すように、後リミットスイッチLSoがOFF時に接続される固定接点LSobを、バルブ制御リレー18の励磁コイル部18cを介してグランドに接続することにより実施できる。バルブ制御リレー18のリレースイッチ部18sは、一回路二接点スイッチであり、薬液供給バルブ17に備えるバルブモータ17m(図2)に接続する。なお、薬液供給バルブ17は、一部範囲Anに噴霧する薬液の供給配管81(図8)に直列に接続する。即ち、供給配管81の一端側は、一部範囲Anに薬液を噴霧する噴射ノズルN…を有するノズルユニット45pに接続するとともに、他端側は不図示の薬液ポンプ側に接続する。また、バルブモータ17mはヒューズ73を介して車載バッテリ72に接続する。
【0034】
このような薬液供給制御手段7を設ければ、遮断カバー3が開き終わった時点で薬液が供給されるとともに、遮断カバー3が閉じ始める時点で薬液の供給が停止するため、遮断カバー3が開く途中或いは閉じる途中で薬液が飛散し、遮断カバー3に当たって漏洩状態となる不具合を確実に回避できる利点がある。また、民家や無農薬栽培畑等の薬液散布を回避したい方向への薬液飛散を確実に防止できることに加え、一部範囲Anに対して噴霧を停止(又は停止解除)する際の操作の単純化、更には作業能率の向上に寄与できる。さらに、薬液供給制御手段7に、プランジャ5pが開放位置Xrに対応する位置にあることを検出したプランジャ検出器6から得られる位置検出信号SdによりON(又はOFF)して薬液供給バルブ17を開側に切換えるバルブ制御リレー18を設ければ、比較的簡易な回路構成により容易に実施できるとともに、装置全体の小型化及び低コスト化に寄与できる利点がある。特に、前述した内蔵スイッチ(LSo)と兼用した場合、バルブ制御リレー18の追加のみで極めて容易に実現できる。
【0035】
次に、本実施形態に係る噴霧遮断装置1及びこの噴霧遮断装置1を付設した薬液噴霧機構2の動作について、図1図5図7及び図8を参照しつつ図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0036】
まず、遮断カバー3の開閉、即ち、遮断位置Xs又は開放位置Xrへの移動は、運転席34のダッシュボード34dに配したカバー開閉スイッチ74の操作により行うことができる。今、運転者(作業者)がカバー開閉スイッチ74を閉側(遮断位置Xs側)に操作した場合を想定する(ステップS1,S2)。なお、カバー開閉スイッチ74を閉側に操作する直前は、遮断カバー3は開側(開放位置Xr)にあるとともに、薬液供給バルブ17は薬液を供給可能な開側にあり、図9に示すように、通常の散布ができる状態にある。したがって、この場合、カバー開閉スイッチ74の各スイッチ部74a,74b,各リミットスイッチLSo,LSc及びバルブ制御リレー18は、図4に示す状態にある。この状態では、ダイオード75oにより電流iが遮断されるため、モータ本体5mは停止している。しかし、後リミットスイッチLSoは、OFF側に切換わっているため、電流iは、バルブ制御リレー18の励磁コイル部18cを流れる。この結果、リレースイッチ部18sはONになり、薬液供給可能な開側に切換えるようにバルブモータ17m(薬液供給バルブ17)を制御する状態になっている。
【0037】
この状態において、運転者(作業者)がカバー開閉スイッチ74を閉側(遮断位置Xs側)に操作すれば、カバー開閉スイッチ74の切換ポジションは図5に示すポジションに切換わる。この際、カバー開閉スイッチ74の切換ポジション以外は図4に示す状態にあるため、車載バッテリ72からは、ヒューズ73,第一スイッチ部74a,前リミットスイッチLSc(図4),リニアモータ本体5m,ダイオード75o,第二スイッチ部74b,グランドの経路で電流iが流れ、これにより、駆動アクチュエータ部5(リニアモータ本体5m)が正回転動作する(ステップS3)。これにより、プランジャ5pは前進(突出)方向へ変位し、遮断カバー3は閉方向へ移動する。また、プランジャ5pが変位することにより操作突起部5ppも後リミットスイッチLSoから離れるため、後リミットスイッチLSoはプランジャ5pが変位した直後にONに切換わる(ステップS4)。即ち、後リミットスイッチLSoは、図5に示すポジションに切換わり、バルブ制御リレー18の励磁コイル部18cを流れる電流iが遮断される(ステップS5)。この結果、リレースイッチ部18sはOFFとなり、薬液供給を停止する閉側に切換えるようにバルブモータ17m(薬液供給バルブ17)を制御する(ステップS6)。この後、さらにプランジャ5pが移動し、遮断カバー3が遮断位置Xsに達すれば、操作突起部5ppが前リミットスイッチLScをOFFにするため、駆動アクチュエータ部5(リニアモータ本体5)の正回転動作が停止する(ステップS7,S8)。
【0038】
これにより、遮断カバー3は図1に示す遮断位置Xsにセットされる。この状態では、薬液を噴霧してもスピードスプレーヤMにおける噴霧機構部2の右方が遮断カバー3により遮断され、一部範囲Anに対する薬液の噴霧が規制される。したがって、例えば、民家や無農薬栽培畑等の薬液の散布を回避したい方向への薬液飛散を確実に防止できる。特に、この場合、散布途中でカバー開閉スイッチ74を操作すれば、遮断カバー3が開放位置Xrから移動を開始した直後、即ち、遮断カバー3が閉じ始める時点でプランジャ検出器6(後リミットスイッチLSo)がONに切換わるため、速やかに薬液の噴霧を停止できるとともに、遮断カバー3が閉じる途中で薬液が飛散し、漏洩状態となる不具合を確実に回避できる。
【0039】
他方、この後、運転者がカバー開閉スイッチ74を開側(開放位置Xr側)に操作した場合を想定する(ステップS1,S9)。この場合、カバー開閉スイッチ74の切換ポジションは図4に示すポジションに切換わる。この際、カバー開閉スイッチ74の切換ポジション以外は図5に示す状態にあるため、車載バッテリ72からは、ヒューズ73,第二スイッチ部74b,後リミットスイッチLSo(図5),リニアモータ本体5m,ダイオード75c,第一スイッチ部74a,グランドの経路で電流iが流れ、これにより、駆動アクチュエータ部5(リニアモータ本体5m)が逆回転動作する(ステップS10)。これにより、プランジャ5pは後退(引込)方向へ変位し、遮断カバー3は開方向へ移動する。プランジャ5pが変位することにより操作突起部5ppは前リミットスイッチLScから離れるため、前リミットスイッチLScはプランジャ5pが変位した直後にONに切換わる(ステップS11)。
【0040】
そして、プランジャ5pが開方向へ移動し、遮断カバー3が全開位置となる開放位置Xrに達すれば、操作突起部5ppが後リミットスイッチLSoをOFFにする(ステップS12,S13)。この結果、駆動アクチュエータ部5(リニアモータ本体5m)の逆回転動作が停止する(ステップS14)。また、後リミットスイッチLSoがOFFになることにより、バルブ制御リレー18の励磁コイル部18cに電流iが流れる(ステップS5)。これにより、リレースイッチ部18sがONとなり、薬液を供給可能な開側に切換えるようにバルブモータ17m(薬液供給バルブ17)を制御する(ステップS16)。この結果、遮断カバー3は図9に示す開放位置Xrにセットされ、遮断カバー3には規制されない通常の薬液散布を行うことができる。即ち、噴射空間Sは、遮断カバー3に遮断されることなく、所定範囲となる全範囲が開放され、通常の薬液散布が行われる。この際、散布途中でカバー開閉スイッチ74を操作すれば、遮断カバー3が開放位置Xrにほぼ完全に開き切った状態でプランジャ検出器6(後リミットスイッチLSo)がOFFに切換わるため、遮断カバー3が開く途中で薬液が飛散し、漏洩状態となる不具合を確実に回避できる。以上、カバー開閉スイッチ74を切換えることにより閉側又は開側の各動作を薬液噴霧作業が終了するまで選択的に行わせることができる(ステップS17)。
【0041】
よって、このような本実施形態に係る噴霧遮断装置1によれば、カバー移動手段4を構成する駆動アクチュエータ部5の内部に配設し、プランジャ5pが少なくとも開放位置Xrに対応した位置にあることを検出するプランジャ検出器6と、このプランジャ検出器6の検出結果に対応して薬液噴霧機構2における薬液の供給又は供給停止を制御する薬液供給制御手段7を備えるため、遮断カバー3の位置を検出する外部に配する被検出子や検出スイッチ等が不要となる。これにより、部品点数の削減による部品コスト及び組付コスト(組立工数)の低減を図ることができるとともに、遮断カバー3周りにおける構成のシンプル化を図ることができる。また、プランジャ検出器6は駆動アクチュエータ部5の内部に配設するため、従来のように、外部に配して遮断カバー3の位置を検出するカバー位置検出部が不要となる。これにより、位置検出手段が外部に露出することに伴う不具合を回避できる。即ち、位置検出手段の動作不良や故障等を回避し、信頼性を高めることができるとともに、耐久性の向上及び耐候性の確保を図ることができる。
【0042】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0043】
例えば、駆動アクチュエータ部5の動作は、例示した形態に対応して説明したが、同様の動作(機能)を行うことができるものであれば、他の各種形態の駆動アクチュエータ部を適用できる。また、プランジャ検出器6は、プランジャ5pが末端位置に達したときに駆動アクチュエータ部5の作動を停止させる既設の内蔵スイッチと兼用させる場合を示したが、新たなスイッチ(センサ)を追加する場合を排除するものではない。さらに、薬液供給制御手段7に、プランジャ5pが開放位置Xrに対応する位置にあることを検出したプランジャ検出器6から得られる位置検出信号SdによりON(又はOFF)して薬液供給バルブ17を開側に切換えるバルブ制御リレー18を設けた場合を示したが、同様の機能を発揮するものであれば、各種回路構成を適用できる。
【0044】
一方、レバー係合部13を構成するレール部22は、別途のレール部材22pを遮断カバー3に取付けて構成した場合を例示したが、レバー係合部13の変更例としては、レール部22を遮断カバー3に一体形成することもできる。また、実施形態では、リンクレバー部11の一端部11sと支持板51を回動支持部12により結合し、リンクレバー部11の他端部11tと遮断カバー3をレバー係合部13により係合させた場合を示したが、リンクレバー部11の他端部11tと遮断カバー3を回動支持部12により結合し、リンクレバー部11の一端部11sと支持板51をレバー係合部13により係合させてもよい。同様に、実施形態では、駆動アクチュエータ部5の後端を回動取付部54により回動自在に取付け、かつプランジャ5pの先端部5psを回動結合部14によりリンクレバー部11に結合した場合を示したが、駆動アクチュエータ部5の位置を完全に固定し、回動結合部14におけるプランジャ5pの結合位置を一定の範囲で相対変位できるように結合してもよい。さらに、駆動アクチュエータ部5は電気駆動タイプを例示したが、エア駆動タイプや油圧駆動タイプ等の他の動力を利用したアクチュエータであってもよい。他方、遮断カバー3は、スピードスプレーヤMの右側に付設して、右方における一部範囲Anを遮断する場合を示したが、スピードスプレーヤMの左側に付設して、左方における一部範囲を遮断するようにしてもよく、この場合の構成は、左右対称となる点を除き、基本的には右側と同様に実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る噴霧遮断装置は、放射方向の所定範囲に薬液を噴霧する薬液噴霧機構を備える各種スピードスプレーヤに利用できる。なお、本発明におけるスピードスプレーヤとは、薬液を散布する各種車両が含まれ、例えば、薬液散布装置を荷台に搭載した四輪トラックやトラクタ等も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1:噴霧遮断装置,2:薬液噴霧機構,3:遮断カバー,4:カバー移動手段,5:駆動アクチュエータ部,5p:プランジャ,7:薬液供給制御手段,11:リンクレバー部,11s:リンクレバー部の一端部,11t:リンクレバー部の他端部,11m:リンクレバー部の中間部,12:回動支持部,13:レバー係合部,14:回動結合部,15:支持機構部,16:制御系,17:薬液供給バルブ,18:バルブ制御リレー,An:一部範囲,Xs:遮断位置,Xr:開放位置,M:スピードスプレーヤ,10:車体,LSc:前リミットスイッチ,LSo:後リミットスイッチ,Fc:制御機能,Sd:位置検出信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9