特許第5661749号(P5661749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロールスロイス マリン アクティーゼルスカブの特許一覧

<>
  • 特許5661749-船舶用プロペラユニットの支持体 図000002
  • 特許5661749-船舶用プロペラユニットの支持体 図000003
  • 特許5661749-船舶用プロペラユニットの支持体 図000004
  • 特許5661749-船舶用プロペラユニットの支持体 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661749
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】船舶用プロペラユニットの支持体
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/04 20060101AFI20150108BHJP
   B63H 1/12 20060101ALI20150108BHJP
   B63H 5/15 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
   F16C32/04 Z
   B63H1/12 Z
   B63H5/15 Z
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-511779(P2012-511779)
(86)(22)【出願日】2010年5月12日
(65)【公表番号】特表2012-527590(P2012-527590A)
(43)【公表日】2012年11月8日
(86)【国際出願番号】NO2010000175
(87)【国際公開番号】WO2010134820
(87)【国際公開日】20101125
【審査請求日】2013年4月24日
(31)【優先権主張番号】20091964
(32)【優先日】2009年5月20日
(33)【優先権主張国】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】506399295
【氏名又は名称】ロールスロイス マリン アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(72)【発明者】
【氏名】ヨンセン,グンナー
【審査官】 河端 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−245889(JP,A)
【文献】 特開平06−022499(JP,A)
【文献】 米国特許第05252875(US,A)
【文献】 特開平10−331849(JP,A)
【文献】 実開平05−089944(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 32/04
B63H 1/12
B63H 3/06
B63H 5/14
B63H 11/08
H02K 5/16
H02K 7/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用リムドライブ・プロペラユニットを備える軸受装置であって、前記プロペラユニットは、外部静止ケーシング(1)と、前記外部静止ケーシングに装着され、複数のプロペラ羽根(3)を含む回転ロータハウジング(2)とを備える、軸受装置であって、
前記軸受装置は、前記回転ロータハウジング(2)の全外周に配設された少なくとも1組の永久磁石(4)を備え、
前記回転ロータハウジング(2)の全外周に配設された前記永久磁石(4)、前記外部静止ケーシング(1)の内周の全域または一部に配設された少なくとも他の1組の永久磁石(4)との反発又は吸引相互作用によって影響を受け、
前記永久磁石(4)の表面は、軸受材料(9)により被覆されていることを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記回転ロータハウジング(2)の外周に配設された永久磁石(4)と、前記外部静止ケーシング(1)の内周の全域または一部に配設された永久磁石(4)とは、同じ極性であることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
プロペラユニットを装着したときの前記回転ロータハウジング(2)の頂点の位置を0度と定義した場合の前記外部静止ケーシング(1)の内周の145度から215度の区域に、前記回転ロータハウジング(2)の外周に配設されている永久磁石(4)と同じ極性を有する永久磁石(4)が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
【請求項4】
プロペラユニットを装着したときの前記回転ロータハウジング(2)の頂点の位置を0度と定義した場合の前記外部静止ケーシング(1)の内周の一部である35度から325度の区域に、前記ロータハウジング(2)全体の外周に配設された永久磁石(4)の極性と異なる極性の永久磁石(4)が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
【請求項5】
永久磁石(4)の組が複数の個別の永久磁石ユニットで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置。
【請求項6】
永久磁石(4)の組が、1つの永久磁石で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置。
【請求項7】
前記永久磁石(4)の相対する面に、軸受材料(9)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項8】
前記軸受材料(9)が、前記永久磁石の側面に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の軸受装置。
【請求項9】
前記回転ロータハウジング(2)の外周の永久磁石(4)の組と前記外部静止ケーシング(1)の内周の永久磁石(4)の組とは、プロペラユニットを装着した位置では軸を挟んで対向する位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項10】
前記回転ロータハウジング(2)の外周の永久磁石(4)の組と前記外部静止ケーシング(1)の内周の永久磁石(4)の組とは、プロペラユニットを装着した位置では相互に前記プロペラユニットの軸方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項11】
前記永久磁石(4)が、前記外部静止ケーシング(1)および前記回転ロータハウジング(2)の軸方向の全域に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項8に記載の軸受装置。
【請求項12】
前記回転ロータハウジング(2)に配設された永久磁石(4)と前記外部静止ケーシング(1)に配設された永久磁石(4)とは、前記永久磁石の断面で見たときに同じ厚さを有していることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用プロペラユニットの支持体(support)に関し、より詳細には、プロペラユニットの永久磁石がプロペラユニットの支持体の一部として使用されるリムドライブ・プロペラユニット(rim driven propeller unit)の支持体に関する。
【0002】
永久磁石がプロペラユニットの放射状の支持体を構成するように配設された場合、その永久磁石は、プロペラユニットの軸方向軸受と相互作用して、プロペラユニットの軸方向と半径方向の支持体を形成することになる。プロペラユニットの放射状の支持体を形成する永久磁石は、軸方向軸受と相互作用することにより、プロペラユニットの軸方向と半径方向の支持体を形成する。
【背景技術】
【0003】
船舶のプロペラユニットは、船舶が水中を移動する際に大なり小なりの荷重を受ける。水中の渦および/または波を考慮すると、プロペラユニットを通過する水塊がプロペラユニットにおいて様々な圧力分布を生むことにより、プロペラユニットは大なり小なりの振動に晒されることになる。この振動により、プロペラユニットの構成部品および/または要素、特に軸受が相当の摩耗を受ける。その結果として、構成部品および/または要素の実効寿命が短くなり、プロペラユニットに対する点検および/または保全をより頻繁に実施する必要が生じる。プロペラユニットが振動に晒されるだけでなく、その振動はプロペラユニットが搭載されている船舶にも伝わるため、船舶の乗組員および乗客に不快感を与える結果となる。
【0004】
上記の問題または欠点の1つまたはそれ以上を解消することを目的として、いくつかの解決策が開発されて来た。例えば、その中には、プロペラユニットの支持体等によって、水塊がプロペラユニットを特別な方法で通過するように案内することで、通過する水塊における圧力差および/または渦を小さくし、それによって、構成部品または要素に対する摩耗と船舶およびプロペラユニット両方の振動を減少させる方法がある。
【0005】
特許文献1に記載の船舶のプロペラユニットの支持体においては、プロペラユニットが、ラジアル/アキシアル軸受のアセンブリを備える。プロペラユニットの回転部と静止部との接触面が、下地の材料より硬度の高い材料で被覆される。様々な部品を硬度の高い材料で被覆することにより、プロペラユニットの部品が摩耗を受けることが少なくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,408,155号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、船舶用のリムドライブ・プロペラユニットであって、大きな振動を受けることがなく、その結果、プロペラユニットの各部の摩耗を減らすことのできるプロペラユニットを提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、永久磁石を使用することにより、プロペラユニットにかかる軸方向と半径方向の荷重を吸収することのできる軸受を形成したプロペラユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、下記の独立請求項に示すような軸受装置によって達成されるが、その他の特徴についても従属請求項および以下の説明から明らかとなろう。
【0010】
本発明は、船舶用プロペラユニットの支持体に係り、前記プロペラユニットは静止ケーシングを備える。静止ケーシング内に、回転ロータハウジングが装着される。複数のプロペラ羽根が、ハブとロータハウジングの内周を介してロータハウジングに取り付けられている。船舶の運航中は、プロペラ羽根を有するロータハウジングが回転するため、ロータハウジングは、ケーシング内に回転自在に装着される。これは、複数の永久磁石をロータハウジングの外周に配設し、これらのロータハウジングの永久磁石がプロペラユニットの静止ケーシングの内周に配設された複数の永久磁石との相互作用し、また、その影響を受けることによって達成される。
【0011】
永久磁石は、回転ロータハウジングおよび/または静止ケーシングの全周また一部に配設することができる。好ましくは、回転ロータハウジングの外周に永久磁石を配設するとともに、静止ケーシングの内周の永久磁石は、摩耗が最も激しいと思われる区域にのみ配設する。例えば、ケーシングの下側の区域(すなわち、船舶から最も下方へ突出して水中に入る区域)とこれと反対側の区域(すなわちケーシングの上側の区域)が、これに当たる。回転ロータハウジングは、その重さを考えると静止ケーシングの下側の区域(ケーシングの底部)に向かって「引き下ろされる」と思われるためである。
【0012】
永久磁石の静止ケーシングおよび回転ロータハウジングへの取付は、接着、ねじ止め等で行うことができる。
【0013】
回転ロータハウジングを静止ケーシングに挿入して回転ロータハウジングと静止ケーシングを組み付けた際に、回転ロータハウジングおよび静止ケーシングの周りに配設された永久磁石と永久磁石が接触する面は、軸受材料で被覆するのが好ましい。なお、この場合の永久磁石の接触面とは、回転ロータハウジングの外周と静止ケーシングの内周の全域または一部に永久磁石が配設されたときに相対する面である。軸受材料は、永久磁石の材料とは異なる種類の材料とすることができる。好ましくは、耐摩耗性を有する材料とすることで、プロペラユニットの使用時に永久磁石が受ける摩耗を少なくすることができる。さらに、永久磁石の全ての面を軸受材料で被覆してもよく、その場合は、回転ロータハウジングおよび/または静止ケーシング内の永久磁石が完全に軸受材料で包み込まれることになる。
【0014】
回転ロータハウジングの外周および静止ケーシングの内周への永久磁石の配設は、様々な方法で実施することができるが、本発明の実施形態では、回転ロータハウジングと静止ケーシングの全周または一部に配設される永久磁石が同じ極性、例えば永久磁石が同じ陰極(N極)とする。この結果、回転ロータハウジングと静止ケーシングの永久磁石は、これら2つの要素の全周または一部において、互いに反発しようとすることにより、回転ロータハウジングと静止ケーシングとの間の接触が無くなる。
【0015】
本発明の一実施形態では、回転ロータハウジングの外周に配設される永久磁石を同じ極性とする一方、静止ケーシングの内周に配設される永久磁石の方は、いくつかの区域に分割して極性を異なるものとする。例えば、プロペラユニットを装着した状態での回転ロータハウジングの頂点を0度と定義した場合の静止ケーシングの145度から215度の区域に、回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石と同じ極性の永久磁石を設けることができる。すなわち、プロペラユニットの動作時に静止ケーシングの内部で回転するプロペラ羽根を有する回転ロータハウジングは、常に静止ケーシングの「底部」に位置する区域を有していることになり、この区域において回転ロータハウジングと静止ケーシングの永久磁石は同じ極性であるため、その極性が回転ロータハウジングを静止ケーシング内で「上へと」押し上げようとする。これによって回転ロータハウジングと静止ケーシングはこの区域における接触を防止されるため、軸受材料の摩耗を回避することが可能となる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態では、回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石が、同じ極性、すなわち、N極またはS極に磁化されている。プロペラユニットを装着した状態での回転ロータハウジングの頂点を0度と定義した場合の静止ケーシングの内周の35度から325度の区域に、回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石と反対の極性を有する永久磁石が配設される。また、プロペラユニットを装着した状態での回転ロータハウジングの頂点を0度と定義した場合の静止ケーシングの内周の145度から215度の区域に、回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石と同じ極性の永久磁石が配設される。本実施形態によると、静止ケーシングは、その下部区域から回転ロータハウジングを撥ね返そうとする。これは、静止ケーシング下部区域の永久磁石の極性が回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石と同じであるためである。一方、静止ケーシングの上側区域では、静止ケーシングの永久磁石と回転ロータハウジングの永久磁石とが反対の極性であることから、相互に引きつけ合おうとする。従って、プロペラの動作時に、回転ロータハウジングが静止ケーシングと接触する度合いははるかに小さくなり、よって、プロペラユニットの軸受を形成している永久磁石が受ける摩耗も小さくなる。
【0017】
本発明の更なる別の実施形態では、プロペラユニットを装着した状態での回転ロータハウジングの頂点を0度と定義した場合の静止ケーシングの内周の145度から215度の区域に永久磁石を配設し、その永久磁石に回転ロータハウジングの外周に配設された永久磁石と同じ極性をもたせることで、静止ケーシングに配設された永久磁石と回転ロータハウジングに配設された永久磁石とがこの区域において相互に反発し合うようする。従って、回転ロータハウジングがこの区域において静止ケーシングと接触することは無くなる。
【0018】
本発明の更なる別の実施形態では、回転ロータハウジングと静止ケーシングの周囲に、永久磁石をいくつかの列(row)として、回転ロータハウジングおよび静止ケーシングの長手方向(longitudinal direction)に相互に距離を空けて配列してもよい。この場合、永久磁石は回転ロータハウジングと静止ケーシングの周囲に閉じた「リング」を形成するように配列するのが好ましい。また、回転ロータハウジングの永久磁石と静止ケーシングの永久磁石は、相互に上下に配置される。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、2組の永久磁石を、回転ロータハウジングの外周に沿って回転ロータハウジングの長手方向に並置して配置する。1組の永久磁石に負の極性を持たせる一方、もう1組の永久磁石に正の極性を持たせる。同様に、静止ケーシングにおいても、静止ケーシングの内周に沿って2組の永久磁石を静止ケーシングの長手方向に並置して配置し、1組の永久磁石に負の極性、もう1組の永久磁石に正の極性を持たせる。この場合、回転ロータハウジングと静止ケーシングにそれぞれ2組配設される永久磁石は、プロペラユニットを組み付けた時に、負の極性をもつ組と組が上下になり、正の極性をもつ組と組も上下になるように配設される。これら2組の永久磁石は、静止ケーシングおよび回転ロータハウジングの開口部の各縁部に、またはその付近に配設するのが好ましい。
【0020】
あるいはまた、2組の永久磁石をロータハウジングおよびケーシングの各端部またはその付近に配設すると共に、さらに2組の永久磁石をロータハウジングおよびケーシングの長手方向の中間部付近の区域に配設し、回転ロータハウジングを静止ケーシングに関してさらに支持または装着できるようにしてもよい。ただし、1組の永久磁石のみを使用し、複数の組の永久磁石をロータハウジングおよびケーシングの長手方向に沿って配設するようにしてもよい。どのようにするかは、当業者であれば、プロペラユニットにかかる荷重、使用する軸受材料等に応じて、ケースバイケースで判断できるものと考えられる。
【0021】
回転ロータハウジングおよび/または静止ケーシングに永久磁石を配置する区域に関して上に示した角度は、本発明の好適な実施形態であり、当然ながら、これらの区域の角度については様々な変更が可能である。
【0022】
上記の本発明の実施形態では、上記のような軸受材料は、永久磁石上に設けられる。軸受材料は、永久磁石の全面または一部を被覆することができる。例えば、上記の実施形態の中で、静止ケーシングおよび回転ロータハウジングに1組の永久磁石のみ使用する実施形態においては、軸受材料は、永久磁石の相対する面に設けられるが、複数組の永久磁石を並置する実施形態の場合、永久磁石の側面(lateral surface)も、軸受材料で被覆される。永久磁石を軸受材料で被覆すると、回転ロータハウジングが静止ケーシングと接触することがあっても、摩耗を受けるのは軸受材料である。軸受材料は、基本的に任意の1種類の材料または複数種類かの材料で形成することができるが、耐摩耗性の材料とするのが好ましい。軸受材料は、吹き付けや接着など、適宜の方法で永久磁石に貼付することができる。
【0023】
回転ロータハウジングおよび静止ケーシングの周囲の全周またはその一部に配設される永久磁石の組は、複数の別個の永久磁石から成り、これら別個の永久磁石が1列または複数の列を成して配置される。1組の永久磁石の中の隣接する2つの永久磁石ユニットが相互に接するように配設してもよいし、間に空隙をおいて配設してもよい。
【0024】
また、永久磁石は、より大型のものを設けても良く、永久磁石を配設すべき区域全体、例えば、145度〜215度の区域を覆う大型の永久磁石を用いてもよい。
【0025】
回転ロータハウジングの外周に配設される永久磁石と静止ケーシングの内周に配設される永久磁石とは、プロペラユニットの長手方向(軸方向)の断面で見たときに、真っ直ぐ上下に並んで配設されるのが好ましいが、横方向(laterally)にややずらせて配設することも可能である。
【0026】
また、永久磁石は、ロータハウジングおよび/またはケーシングの軸方向の全域または一部に配設してもよい。本発明の好適な実施形態では、永久磁石をロータハウジングおよびケーシングの前縁部と後縁部、すなわち、ロータハウジングおよびケーシングの開口部を形成する区域に配設される。
【0027】
回転ロータハウジングおよび静止ケーシングの周りに配設される永久磁石は、同じ寸法(すなわち厚み、長さ、幅)としてもよいし、異なる寸法にしてもよい。さらに、回転ロータハウジングおよび/または静止ケーシングの周囲の特別な区域において、永久磁石の大きさを変えるように構成してもよい。例えば、145度から215度の区域において、永久磁石の厚みを大きくするようにしてもよい。
【0028】
永久磁石は、永久磁石を上下に相互に接触させて配置した複数の層で構成することも可能である。
【0029】
さらに、回転ロータハウジングに配設された1組以上の永久磁石と静止ケーシングに配設された1組以上の永久磁石との間の距離を変えることも可能である。例えば、ロータハウジングにプロペラユニットを装着した位置において、ロータハウジングの下側の地点の永久磁石の組の間の距離を大きくすることができる。
【0030】
永久磁石のロータハウジングおよび静止ケーシングへの取り付けは、適宜の方法、例えば、接着によって、永久磁石をホルダに乗せた後、ロータハウジングおよび静止ケーシングに取り付けるなどして行うことができる。
【0031】
本発明による軸受装置は、既存の解決策の欠点を回避、あるいは少なくとも低減することを目的とするものである。
【0032】
本発明のその他の利点および特徴については、以下の詳細な説明、添付図面、および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0033】
次に、添付図面を参照して本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明によるプロペラユニットを示している。
図2図1に示したプロペラユニットの軸受装置を含む部分を示している。
図3】本発明による軸受装置の一実施形態を示している。
図4】本発明による軸受装置をさらに詳細に示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に本発明によるプロペラユニットが示されている。このプロペラユニットは、外部静止ケーシング1と回転ロータハウジング2とを備える。外部静止ケーシング1は船舶(不図示)に対して適切な方法によりしっかりと装着され、ケーシング1と船舶とで静止ユニットが形成されている。回転ロータハウジング2は、外部静止ケーシング1の内部に装着されており、ロータハウジング2は、複数のプロペラ羽根3とプロペラハブ5とを備えている。プロペラ羽根3は、回転ロータハウジング2の内周およびプロペラハブ5を介して、回転ロータハウジング2にしっかりと連結されている。ロータハウジング2の外径の方が静止ケーシング1の内径より小さいため、外部静止ケーシング1と回転ロータハウジング2とを組み付けた時に、回転するロータハウジング2の外周と、その外側の静止ケーシング1の内周との間に空隙が生じ、この空隙が回転ロータハウジング2を外部静止ケーシング1に対して支持するために利用される。
【0036】
これを示したのが図2であり、カラー13が回転ロータハウジング2の外周の周りに設けられており、このカラー13が切欠き部11を含んでいる。この切欠き部11の中に1組の永久磁石4が配設される。永久磁石4は、複数の個別の永久磁石ユニット(units)から成り、これらが切欠き部の全周また周囲の部分に一つずつ列状に配設されている。図示の例では、永久磁石4は、連結片10を用いてカラー3に取り付けられている。
【0037】
外部静止ケーシング1は一端部が閉じており、この端部に静止ケーシング2の軸方向内向きに突出するフランジ6が設けられている。磁石保持具7が、ボルト8を用いてフランジ6に取り付けられている。この磁石保持具7に、複数の永久磁石ユニットから成る第2の組の永久磁石4が配設される。永久磁石ユニットは、フランジ6の全周またはその周囲の所々に配設してもよい。
【0038】
回転ロータハウジング2を外部静止ケーシング1に装着すると、回転ロータハウジング2および外部静止ケーシング1にそれぞれ設けられた2組の永久磁石4は、真っ直ぐ上下に並ぶことになる。
【0039】
図2では、簡略化のためプロペラユニットの一端部(一部)のみ示しているが、当然ながら、プロペラユニットの反対側でも、永久磁石4が同様に配設される。ただし、外部静止ケーシング1の図2に示した方の端部と反対側の端部は閉じていないため、外部静止ケーシング1と回転ロータハウジング2との組み付けを容易に行うことができる。外部静止ケーシング1および回転ロータハウジング2を組み付けると、回転ロータハウジング2は1つまたはそれ以上の固定具により外部静止ケーシング1内の適所に保持される。固定具としては、例えば固定リング、フランジ等の態様をとることができ、これらが外部静止ケーシング1の内部に適宜に取り付けられる。プロペラユニットの両端部の間に永久磁石4の組を設ける場合は、回転ロータハウジング1の外周と外部静止ケーシング1の内周に(フランジや切欠き部等を使用することなく)配設されることになる。このような配設は、例えば接着などの適当な方法で、永久磁石4を回転ロータハウジング2と外部静止ケーシング1に接続することによって実施できる。
【0040】
図3の実施形態では、永久磁石4が回転ロータハウジング2の外周全域に設けられるのに対し、外部静止ケーシング1の内周では、プロペラユニットを装着した回転ロータハウジング2の頂点の位置を0度としたときの145度から215度の間の区域にしか永久磁石4が設けられていない。外部静止ケーシング1の内周の145度から215度の間の区域に配設されている永久磁石4は、回転ロータハウジング1の外周に配設されている永久磁石4と同じ極性を有しているため、外部静止ケーシング1の永久磁石4と回転ロータハウジング2の永久磁石4がこの区域内で互いに反発しようとする。従って、この区域における回転ロータハウジング2と外部静止ケーシング1との接触は大幅に少なくなる。
【0041】
永久磁石4の対向面は、さらに軸受材料9によって被覆される(図2参照)。この軸受材料9は、永久磁石4より摩耗に対する耐性が高い。軸受材料9は、永久磁石4の表面に吹き付けや接着によって貼付することができる。
【0042】
静止ケーシング1のフランジ6とロータハウジング2のカラー13との間に、第2軸受10が配設される。第2軸受10は軸受材料9と同じ材料で形成することができる。
【0043】
図4には、本発明の第2の実施形態が示されている。図から分かるように、ここでは外部静止ケーシング1の永久磁石4が、回転ロータハウジング2の外周の2つの区域、即ちプロペラユニットを装着した回転ロータハウジング2の頂点の位置を0度と定義した場合の、35度から325度の区域と145度から215度の区域に配設されている。図2の場合と同様に、回転ロータハウジング2の永久磁石4は、その外周全域に配設されている。外部静止ケーシング1の内周の145度から215度の区域に配設される永久磁石4は、回転ロータハウジングの外周に配設される永久磁石4と同じ極性を持つため、外部静止ケーシング1の永久磁石4と回転ロータハウジング2の永久磁石4とは、この画定区域において相互に反発することになる。従って、この区域における回転ロータハウジング2と外部静止ケーシング1の接触は、大幅に低減される。
【0044】
外部静止ケーシング1の内周の35度から325度の区域に配設された永久磁石4は、回転ロータハウジング2の外周に配設された永久磁石4と反対の極性を有するため、外部静止ケーシング1の永久磁石4と回転ロータハウジング2の永久磁石4とは、この区域内でお互いに引きつけ合おうとする。
【0045】
本実施形態の効果としては、ケーシング1の永久磁石とロータハウジング2の永久磁石が35度から325度の区域において相互に引きつけ合うのに対し、145度から215度の区域では相互に反発し合うことにある。
【0046】
以上、いくつか非限定的な実施形態を用いて本発明の説明を行ってきたが、当業者には自明のように、添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲の中で、プロペラユニットに関する多くの変更および改変が可能である。
図1
図2
図3
図4