(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5661756
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年1月28日
(54)【発明の名称】移動体通信デバイスのユーザー・インターフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20130101AFI20150108BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20150108BHJP
【FI】
G06F3/048 620
G06F13/00 601A
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-516218(P2012-516218)
(86)(22)【出願日】2010年6月15日
(65)【公表番号】特表2012-530324(P2012-530324A)
(43)【公表日】2012年11月29日
(86)【国際出願番号】US2010038730
(87)【国際公開番号】WO2010148030
(87)【国際公開日】20101223
【審査請求日】2013年6月13日
(31)【優先権主張番号】12/484,799
(32)【優先日】2009年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500046438
【氏名又は名称】マイクロソフト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100153028
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 忠
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,ジョナサン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クルゼニスキ,マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ブライアン・エム
(72)【発明者】
【氏名】スムガ,マイケル・エイ
(72)【発明者】
【氏名】アプフェル,ダレン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ネル・エイチ
【審査官】
山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−242661(JP,A)
【文献】
特開2008−257442(JP,A)
【文献】
特表2008−536196(JP,A)
【文献】
特開平06−242886(JP,A)
【文献】
特開2002−229906(JP,A)
【文献】
特表2009−522666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスによって実施される方法であって、
コンテンツを受け入れるように構成された部分を有するユーザー・インターフェースを出力するステップであって、前記部分に受け入れられたコンテンツは見えないままとされる、ステップと、
前記部分の選択に応答して、前記コンテンツを表示するステップと、
前記部分に関して通信を開始する選択肢が選択され、コンテンツの第1アイテムが1つ又は複数の連絡先を含み、コンテンツの第2アイテムが1つ又は複数の連絡先を含まない場合に、前記部分に含まれるコンテンツの前記第2アイテムを前記デバイスによってネットワークを介して伝送するように構成された通信を、前記第1アイテムの前記1つ又は複数の連絡先に自動的にアドレスされるように形成するステップと、
を備えている、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記通信が電子メールであり、前記1つ又は複数の連絡先が、自動的に前記通信をアドレスするために用いられる少なくとも1つの電子メール・アドレスを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記通信が、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)通信であり、前記1つ又は複数の連絡先が、前記通信を自動的にアドレスするために用いられる少なくとも1つの電話番号を含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記通信が、ソーシャル・ネットワーク・サービスへのアップロードであり、前記1つ又は複数の連絡先が、前記通信を自動的にアドレスするために用いられる少なくとも1つのネットワーク・アドレスを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記部分が、オペレーティング・システムによって設けられ、複数のアプリケーションに露出され、前記部分によって受け入れられたコンテンツが、前記アプリケーション間のナビゲーションの間存続するようにした、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記部分が、ドラッグ・アンド・ドロップ動作によって前記コンテンツを受け入れるように構成されている、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、前記ドラッグ・アンド・ドロップ動作が、タッチスクリーン機能を用いて、前記移動体通信デバイスのディスプレイ・デバイスとの対話処理を通じて検出されるジェスチャーを伴う、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記コンテンツのサムネイル画像が、前記ジェスチャーに追従するように、前記ユーザー・インターフェースにおいて表示され、
前記サムネイル画像が前記部分に近接して表示されたときに、前記部分による前記サムネイル画像の受け入れを示すアニメーションが、前記ユーザー・インターフェースに表示される、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、前記アニメーションが、前記サムネイル画像の回転および倍率変更を含む、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、前記コンテンツが前記部分によって受け入れられたときに、この受け入れを示すために、前記部分の表示状態が変化する、方法。
【請求項11】
移動体通信デバイスであって、
ディスプレイ・デバイスと、
プロセッサーと、
前記プロセッサー上において実行可能な1つ又は複数の命令を維持するように構成されているメモリーであって、前記1つ又は複数の命令は、実行されると、前記プロセッサーに、
コンテンツを受け入れるように構成された部分を有するユーザー・インターフェースを出力するステップであって、前記部分に受け入れられたコンテンツは前記ディスプレイ・デバイス上で見えないままとされる、ステップと、
前記部分の選択に応答して、前記コンテンツを前記ディスプレイ・デバイス上に表示するステップと、
前記部分に関して通信を開始する選択肢が選択され、コンテンツの第1アイテムが1つ又は複数の連絡先を含み、コンテンツの第2アイテムが1つ又は複数の連絡先を含まない場合に、前記部分に含まれるコンテンツの前記第2アイテムを前記移動体通信デバイスによってネットワークを介して伝送するように構成された通信を、前記第1アイテムの前記1つ又は複数の連絡先に自動的にアドレスされるように形成するステップと、
を行わせる、メモリーと、
を備えている、移動体通信デバイス。
【請求項12】
請求項11記載の移動体通信デバイスにおいて、前記部分が、ドラッグ・アンド・ドロップ動作によって前記コンテンツを受け入れるように構成され、前記ドラッグ・アンド・ドロップ動作が、前記命令によってタッチスクリーン機能を用いて前記ディスプレイ・デバイスを通じて検出可能なジェスチャーによって実行可能である、移動体通信デバイス。
【請求項13】
請求項11記載の移動体通信デバイスにおいて、前記部分が、オペレーティング・システムによって設けられ、複数のアプリケーションに露出され、前記部分によって受け入れられたコンテンツが、前記アプリケーション間のナビゲーションの間存続するようにした、移動体通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 移動体通信デバイス(例えば、ワイヤレス・フォン)は、日常生活の一体部分になっている。しかしながら、従来の移動体通信デバイスに採用されているフォーム・ファクタは、移動体通信デバイスの移動性を高めるために、制限されているのが通例である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002] 例えば、移動体通信デバイスの表示エリア量は、従来のデスクトップ・コンピュータ、例えば、PCと比較すると相対的に制限されている場合がある。したがって、デスクトップ・コンピュータと対話処理するために用いられている従来の技法は、移動体通信デバイスに採用すると、非効率的となる可能性がある。例えば、表示エリア量が限られている移動体通信デバイス上で、従来の技法を用いて多数のコンテンツ項目を選択することは難しい場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 移動体通信デバイスのユーザー・インターフェースについて記載する。一実施態様では、移動体通信デバイスによって実装される方法は、コンテンツを受け入れるように構成されている部分を有するユーザー・インターフェースを出力するステップを含む。この部分に関して通信を開始する選択肢を選択して、コンテンツが1つ又は複数の連絡先を含む場合、このコンテンツを含む通信が形成され、1つ又は複数の連絡先に自動的にアドレスされる。
【0004】
[0004] 一実施態様では、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、移動体通信デバイスによって実行可能な命令を含み、これらの命令は、ドラッグ・アンド・ドロップ(drag-and-drop)動作によって複数の連絡先を受け入れるように構成されている部分を含むユーザー・インターフェースを構成する。更に、これらの命令は、複数の連絡先の各々への通信を開始するように選択可能な選択肢を設けるように構成されている。
【0005】
[0005] 一実施態様では、移動体通信デバイスは、ディスプレイ・デバイスと、プロセッサーと、このプロセッサー上において実行可能な複数のアプリケーションおよびオペレーティング・システムとを含む。オペレーティング・システムは、ユーザー・インターフェースにおいて出力してディスプレイ・デバイス上で表示するために、フィーチャー(feature)を複数のアプリケーションに露出するように構成されている。このフィーチャーは、ユーザー・インターフェースにおいて選択可能な部分を含み、この部分は、ドラッグ・アンド・ドロップ動作によってコンテンツを受け入れ、この部分に受け入れられたコンテンツの各々に対して実行可能な動作の1つ又は複数の指示を出力する。
【0006】
[0006] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を判定する際に補助として用いられることを意図するのでもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 添付図面を参照しながら、詳細な説明を記載する。図面において、参照番号の最も左側にある数字(1つまたは複数)は、その参照番号が最初に出てくる図を特定する。説明および図面において異なる場合に同じ参照番号が用いられているときは、同様または同一の項目を示すことができる。
【
図1】
図1は、移動体通信用デバイス、フィーチャー、システムの1つ又は複数の実施形態による移動体通信デバイスの一実施態様例の図である。
【
図2】
図2は、
図1のユーザー・インターフェースの部分にコンテンツを収集するために用いられるジェスチャーを示す一実施態様例におけるシステムの図である。
【
図3】
図3は、
図2の部分の中に受け入れられるコンテンツが示されている、一実施態様例におけるシステムの図である。
【
図4】
図4は、ユーザー・インターフェースにおいて、コンテンツを受け入れる部分を出力し、次いでコンテンツの各々を伴う動作を実行するように構成されている一実施態様例における手順を示す流れ図である。
【
図5】
図5は、コンテンツを受け入れるように構成された部分を有し、他のユーザー対話処理がなくても自動的に通信を形成するために使用可能なユーザー・インターフェースを出力する一実施態様例における手順を示す流れ図である。
【
図6】
図6は、移動体通信用デバイス、フィーチャー、およびシステムの実施形態を実現するために、種々の実施形態においてあらゆるタイプの移動体デバイスとしても実現することができるデバイスの一例の種々のコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
全体像
[0014] 移動体通信デバイスは、この移動体通信デバイスの移動性を補助するために、小さいフォーム・ファクターを有するのが通例である。例えば、移動体通信デバイス(例えば、移動体電話機)は、このデバイスを容易に持ち運ぶことができるように、相対的に最小量の表示エリアおよび限られた入力デバイス(例えば、キーパッド)で構成されているのがよい。その結果、従来のコンピュータ(例えば、デスクトップPC)と対話処理するために用いられている従前からの技法は、移動体通信デバイスと合わせて用いると、苛々の原因となる可能性がある。
【0009】
[0015] 例えば、移動体通信デバイス上におけるコンテンツ(例えば、写真、ビデオ等)の選択および共有は、前述した小さいフォーム・ファクターの制限により、従前からの技法を用いると、難しい場合もある。したがって、従前からの移動体通信デバイスは、一度に1つのコンテンツ項目と対話処理するように構成されていた。
【0010】
[0016] 移動体通信デバイスのユーザー・インターフェースについて記載する。一実施態様では、ユーザー・インターフェースの一部分が「バケット」(bucket)として構成されており、ユーザーが多数のコンテンツ項目をこの中にドラッグ・アンド・ドロップすることができる。この部分は、オペレーティング・システムによってアプリケーション間で存続させることができ、ユーザーがアプリケーション間でナビゲートすること、そしてこの部分を用いてアプリケーションからコンテンツ項目を格納することができるようになっている。次いで、通信、プレーリスト等を形成するというような動作を、バケットの中に受け入れたコンテンツに適用することができる。これについての更なる論述は、以下の章に関して見いだすことができる。
【0011】
[0017] 以下の論述では、種々の移動体通信デバイス(例えば、ワイヤレス・フォン)の実施態様例について説明する。加えて、例毎に、移動体通信デバイスによって用いることができる種々の異なる機能についても説明する。これらの機能は、その例だけでなく、記載する他の例においても実施することができる。したがって、実施形態例は、種々の考えられる実施態様の内数個を示すに過ぎない。更に、電話機能を設けるように構成されている1つ又は複数のモジュールを有する移動体通信デバイスについて記載するが、パーソナル・ディジタル・アシスタント、移動体音楽プレーヤー、専用メッセージング・デバイス、携帯用ゲーム・デバイス、ネットブック等というような、種々の他の移動体デバイスも想定されている。
実施態様例
[0018]
図1は、移動体通信用デバイス、フィーチャー(feature)、システムの1つ又は複数の実施形態による移動体通信デバイス102の一実施態様例100の図である。移動体通信デバイス102は、複数の構成を取るように動作可能であり、その例には、
図1に示すような、移動体通信デバイス102が「開いて」いる構成、ならびに
図2および
図3に示すような、移動体通信デバイス102が「閉じて」いる構成が含まれる。
【0012】
[0019] 移動体通信デバイス102は、更に、第1筐体104および第2筐体106を含むように示されている。第1筐体104および第2筐体106は、互いに対して移動(例えば、摺動)することができるように、スライド108を介して接続されている。摺動すると書いたが、例えば、枢動、蝶番等、種々の他の移動技法も考えられることは、容易に分かるはずである。
【0013】
[0020] 第1筐体104は、ディスプレイ・デバイス110を含む。ディスプレイ・デバイス110は、発呼側の識別情報(ID)、連絡先、図示のような画像(例えば、写真)、電子メール、マルチメディア・メッセージ、インターネット・ブラウジング、ゲーム・プレー、音楽、ビデオ等というような、種々のコンテンツを出力するために用いることができる。一実施態様では、ディスプレイ・デバイス110は、例えば、容量、弾性表面波、抵抗、光学、ストレイン・ゲージ、拡散(dispersive)信号、音響パルス、およびその他のタッチスクリーン機能を用いて、タッチスクリーン機能を組み込むことによって、入力デバイスとして機能するように構成することもできる。タッチスクリーン機能(およびトラック・パッドのようなその他の機能)は、ジェスチャーを検出するために用いることができる。これについての更なる論述は、
図2および
図3に関して見いだすことができる。
【0014】
[0021] 第2筐体106は、キーボード112を含むように示されている。キーボード112は、移動体通信デバイス102に入力を供給するために用いることができる。キーボード112はQWERTYキーボードとして図示されているが、従前からの電話機のキーパッド・レイアウト(例えば、基本的な電話機上で見られる12キーから鳴る数値パッド)に従うキーボード、他の言語(例えば、キリル文字)に合わせて構成されたキーボード等というような、種々の他の例も考えられる。
【0015】
[0022]
図1の実施態様例100に示すような「開いた」構成では、スライド108を用いて、第1筐体104を第2筐体106から「離れる」ように動かす(例えば、摺動させる)。「クラムシェル」(clamshell)構成、「ブリック」(brick)構成等というような、他の実施態様も考えられる。
【0016】
[0023] 移動体通信デバイス102によって採用されるフォーム・ファクターは、多種多様の機構(feature)をサポートするのに適していると考えられる。例えば、キーボード112は、QWERTY構成をサポートするように示されている。このフォーム・ファクターは、文章を作成する、ゲームをプレーする、電子メールをチェックする、インターネットを「サーフ」する、ソーシャル・ネットワークについてのステータス・メッセージを供給する等というように、移動体通信デバイス102の先に述べた機能を利用するには、ユーザーにとって特に便利であると考えられる。
【0017】
[0024] また、移動体通信デバイス102は、通信モジュール114を含むように示されている。通信モジュール114は、移動体通信デバイス102がネットワーク116を通じて通信する機能を表す。例えば、通信モジュール114は、電話をかけるおよび電話を受ける電話機能を含むことができる。また、通信モジュール114は、コンテンツを取り込む、ショート・メッセージ・サービス(SMS)のテキスト・メッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージ、電子メール、ソーシャル・ネットワーク・サービスに伝えるべきステータス・メッセージ等を形成するというような、種々のその他の機能も含むことができる。ユーザーは、例えば、ネットワーク116を通じて通信用ステータス更新をソーシャル・ネットワーク・サービスに入力することができる。すると、ソーシャル・ネットワーク・サービスは、このステータス更新をそのユーザーの「友人」に、例えば、コンピュータ、それぞれの移動体通信デバイス等を通じて、その友人が受信するために公開することができる。ブログ作成、インスタント・メッセージング等のような、種々の他の例も考えられる。
【0018】
[0025] また、移動体通信デバイス102は、ユーザー・インターフェース・モジュール118を含むように示されている。ユーザー・インターフェース・モジュール118は、ユーザー・インターフェース120を発生する、管理する、および/またはディスプレイ・デバイス110上に表示するために出力する、移動体通信デバイス102の機能を表す。ユーザー・インターフェース120を発生するには、種々の異なる技法を採用することができる。
【0019】
[0026] 例えば、ユーザー・インターフェース・モジュール118は、
図1のユーザー・インターフェース120における画像124のような、複数のコンテンツを収集する部分122を含むように、ユーザー・インターフェース120を構成することができる。次いで、ユーザー・インターフェース・モジュール118は、部分122に収集されているコンテンツの各々を用いて実行することができる複数の動作126を露出することができる。通信を形成する(128)、プレーリストを形成する(130)、スライドショーを形成する(132)等というような、種々の異なる動作126を実行することができる。つまり、このようにして、部分122(「バケット」)を用いて最初にコンテンツを収集することができ、次いでオブジェクト(例えば、通信、プレーリスト、スライドショー)を形成することができる。これは、オブジェクトが最初に形成されて(例えば、プレーリスト、通信等)、次いでコンテンツが収容される従来の技法とは異なる。部分122を用いてコンテンツを収集するには、種々の異なる技法を用いることができる。その一例について、以下の図に関して説明する。
【0020】
[0027]
図2は、ユーザー・インターフェース120の部分122にコンテンツを収集するためにジェスチャーが用いられる、一実施態様例におけるシステム200の図である。図示するシステム200は、部分122にコンテンツを収集するために用いられる複数のステップ202、204、206、208を示す。移動体通信デバイス102は、第1ステップ202において、複数のコンテンツを有するユーザー・インターフェース120を出力するように示されている。この例では、コンテンツは画像となっている。ユーザーの指210をディスプレイ・デバイス110の表面上に置くことにより、ユーザーの指210は犬の画像212を選択する。
【0021】
[0028] 第2ステップ204において、移動体通信デバイス102のタッチスクリーン機能を用いて、この選択を検出する。応答して、犬の画像212のサムネイル画像214が作成される。サムネイル画像214は、ディスプレイ・デバイス210を横切ってドラッグするユーザーの指210に追従する。例えば、サムネール画像210が犬の画像212を「ポップオフ」(pop-off)する外観を与えるために、アニメーションを表示することもできる。加えて、画像212の表示を変化させて選択を示すこともでき、これは第2ステップ204における中間調の使用によって示されている。
【0022】
[0029] 第3ステップ206において、サムネイル画像214が、ユーザーの指210に追従して、ユーザー・インターフェース120の部分122の近くまでドラッグされている。応答して、サムネール画像214が「バケットの中にドロップされた」外観を与えるアニメーションを表示する。例えば、このアニメーションは、サムネール画像214を回転させそして倍率を変更させる(例えば、縮小する)ことができる。このようにして、コンテンツ(例えば、画像212)が入力されていることをユーザーに伝える。種々の他の例も考えられる。
【0023】
[0030] 第4ステップ208において、画像212の表示は元の状態に戻り、例えば、第1ステップ202における元の状態と一致する。加えて、部分122の表示を変化させて、この部分が画像を収容していることを示す。このように、この例では、部分122が画像122を「収容している」ことをユーザーに伝える。このプロセスは、多種多様のアプリケーションから部分122の中に多種多様のコンテンツを含ませるために繰り返すことができる。例えば、部分122に含まれているコンテンツは、異質(例えば、「混合」)であり、種々の異なるアプリケーションから得られる音楽、画像、ムービー、連絡先、文書等を含んでもよい。1つのコンテンツ項目に対するドラッグ・アンド・ドロップ動作について説明したが、多数の項目を選択し(例えば、順次または一度に)、次いで一緒にドラッグすることもできる。次いで、部分122にどのようなコンテンツが含まれているかに基づいて、種々の異なる動作を実行することができる。これについての更なる論述は、以下の図に関して見いだすことができる。
【0024】
[0031]
図3は、部分122に受け入れられたコンテンツを示す、一実施態様例におけるシステム300を示す。ユーザーの手210が部分120を選択していることが示されており、これによって、部分122「の中」に置かれているコンテンツを、ユーザー・インターフェース120において表示させる。
【0025】
[0032] また、ユーザー・インターフェース120は、表された動作を実行するために選択可能な選択肢も含むことができる。これらの動作の例が、アップロード302および送付304として示されている。アップロード302の選択肢は、部分122に含まれているコンテンツを、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのような、ネットワーク・サイトにアップロードさせるために選択することができる。例えば、ユーザー・インターフェース・モジュール118は、連絡先(例えば、図示の例では「エリー」)が部分122に含まれていると判断することができる。したがって、ユーザー・インターフェース・モジュール118は、連絡先「エリー」において指定されているネットワーク位置への連絡先ではないコンテンツをアップロードすることができる。また、同様の技法は、1つ又は複数の連絡先への通信を形成するためにも用いることができる。その更なる論述は、以下の手順に関して見いだすことができる。
手順例
[0033] 以下の論述では、既に説明したシステムおよびデバイスを利用して実現することができるユーザー・インターフェース技法について説明する。手順の各々の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実現することができる。これらの手順は、1つ又は複数のデバイスによって実行される動作を指定する1組のブロックとして示されているが、それぞれのブロックによって動作を実行するために示す順序には必ずしも限定されない。以下の論述の一部では、
図1から
図3の環境100およびシステム200、300をそれぞれ参照する。
【0026】
[0034]
図4は、ユーザー・インターフェースにおいて、コンテンツを受け入れる部分を出力し、次いでコンテンツの各々を伴う動作を実行するように構成されている一実施態様例における手順400を示す。ディスプレイ・デバイス上に表示するためのユーザー・インターフェースにおいて、コンテンツを受け入れるためにユーザー・インターフェースにおいて選択可能な部分を出力するために、複数のアプリケーションにフィーチャーを露出する(ブロック402)。例えば、移動体メディア・デバイス104のプロセッサー上で実行可能であり、移動体通信デバイス104のメモリーまたは他のコンピュータ読み取り可能記憶媒体の中に格納することができるオペレーティング・システム内に、メディア・モジュール108の機能を組み込むことができる。オペレーティング・システムは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を通じて移動体通信デバイス104上で同様に実行されるアプリケーションに、この機能を露出することができる。オペレーティング・システムについての更なる論述は、
図6に関して見いだすことができる。
【0027】
[0035] この部分に受け入れられているコンテンツの各々に対して実行可能な1つ又は複数の動作の指示を出力する(ブロック404)。つまり、この例では、コンテンツを収集し、次いで、動作を選択することによって、種々の動作がそのコンテンツに対して実行可能となる(ブロック406)。例えば、この部分がメディア、例えば、歌、ビデオ等として構成されているコンテンツを含むとき、対応する動作「プレーリスト作成」の選択に応答して、プレーリストを作成することができる(ブロック408)。他の例では、対応する動作「アップロード」の選択に応答して、コンテンツをソーシャル・ネットワーキング・サイトにアップロードすることができる(ブロック410)。例えば、メディア・モジュール108は自動的に(またはユーザーの手作業の対話処理と併せて)証明書をソーシャル・ネットワーク・ウェブサイトにネットワーク106を通じて供給し、「アップロード」動作の選択時に、コンテンツをユーザーのアカウントにアップロードすることができる。更に別の例では、対応する動作の選択に応答して、電子メール、テキスト・メッセージ等のような通信を形成する(ブロック412)。通信の形成についての更なる論述は、以下の図に関して見いだすことができる。
【0028】
[0036]
図5は、コンテンツを受け入れるように構成された部分を有し、他のユーザー対話処理がなくても自動的に通信を形成するために使用可能なユーザー・インターフェースを出力する一実施態様例における手順500を示す。コンテンツを受け入れるように構成されている部分を有するユーザー・インターフェースを出力する(ブロック502)。例えば、部分122は、画像、音楽、および連絡先のようなコンテンツを受け入れることができる。
【0029】
[0037] 通信を開始するために、前述の部分に関して選択肢が選択され、コンテンツが1つ又は複数の連絡先を含むとき、このコンテンツを含むように通信が形成され、1つ又は複数の連絡先に自動的にアドレスされる(ブロック504)。例えば、メディア・モジュール108は、部分122を通じて受け入れられたコンテンツの内どれが関連する連絡先情報、例えば、電話番号、電子メール・アドレス等を含むか識別することができる。したがって、選択肢が選択されると(例えば、動作「電子メール」の表現)、通信が形成され、自動的にそしてこれ以上ユーザーの対話処理を要せずに、通信が形成され、部分122によって受け入れられている連絡先の各々の関連連絡先情報がこの通信に含められる。SMS、MMS等の形成というような、種々の他の例も考えられる。
デバイス例
[0038]
図6は、移動体通信用デバイス、フィーチャー、およびシステムの実施形態を実現するいずれのタイプの移動体デバイスとしても、種々の実施形態において実現することができるデバイス例600の種々のコンポーネントを示す。例えば、デバイス600は、
図1から
図3のそれぞれを参照して説明した移動体通信デバイス102のいずれとして実現することもできる。また、デバイス600は、既に述べたソーシャル・ネットワーク・サービスのような、ネットワーク系サービスにアクセスするように実施することもできる。
【0030】
[0039] デバイス600は、入力602を含む。入力602は、インターネット・プロトコル(IP)入力および、
図1のキーボード112のような、他の入力デバイスも含むことができる。更に、デバイス600は、通信インターフェース604を含む。通信インターフェース604は、ワイヤレス・インターフェースのいずれか1つ又は複数、いずれかのタイプのネットワーク・インターフェース、およびいずれかの他のタイプの通信インターフェースとして実装することができる。ネットワーク・インターフェースは、デバイス600と通信ネットワークとの間に接続を設け、この接続によって、他の電子デバイスおよびコンピューティングデバイスがデバイス600とデータを伝達することができる。ワイヤレス・インターフェースは、デバイス600がワイヤレス通信用移動体通信デバイスとして動作することを可能にする。
【0031】
[0040] また、デバイス600は、1つ又は複数のプロセッサー606(例えば、マイクロプロセッサー、コントローラー等の内いずれか)も含む。プロセッサー606は、デバイス600の動作を制御するため、および他の電子デバイスと通信するための種々のコンピュータ実行可能命令を処理する。デバイス600には、1つ又は複数のメモリー・コンポーネントのような、コンピュータ読み取り可能媒体608を実装することができる。その例には、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)および不揮発性メモリー(例えば、リード・オンリ・メモリー(ROM)、フラッシュ・メモリー、EPROM、EEPROM等の内いずれか1つ又は複数)を含む。
【0032】
[0041] コンピュータ読み取り可能媒体608は、コンテンツおよびデータ610、ならびにデバイスのアプリケーションや、デバイス600の動作的態様に関する他のあらゆるタイプの情報および/またはデータを格納するための、データ・ストレージを設ける。例えば、オペレーティング・システム612は、コンピュータ読み取り可能媒体608によってコンピュータ・アプリケーションとして維持し、プロセッサー606において実行することができる。また、デバイスのアプリケーションは、通信管理モジュール614(電話機能を設けるために用いることができる)、およびメディア管理部616も含むことができる。
【0033】
[0042] また、デバイス600は、オーディオおよび/またはビデオ出力618も含む。オーディオおよび/またはビデオ出力618は、オーディオおよび/またはビデオ・データをオーディオ・レンダリングおよび/またはディスプレイ・システム620に供給する。オーディオ・レンダリングおよび/またはディスプレイ・システム620は、デバイス例600の統合コンポーネント(1つまたは複数)として実現することができ、オーディオ、ビデオ、および画像データを処理、表示、および/またはそれ以外でレンダリングするいずれのコンポーネントも含むことができる。また、デバイス600は、振動および触覚のような、ユーザー触感フィードバックを供給するように実施することもできる。
【0034】
[0043] 一般に、ブロックは、表された機能を設けるように構成されたモジュールを表すことができる。更に、本明細書において記載した機能はいずれも、ソフトウェア、ファームウェア(例えば、固定論理回路)、手動処理、またはこれらの実施態様の組み合わせを用いて実現することもできる。「モジュール」、「機能」、および「ロジック」という用語は、本明細書において用いられる場合、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせを一般に表す。ソフトウェア実施態様の場合、モジュール、機能、またはロジックは、プロセッサー(例えば、CPUまたは複数のCPU)において実行したときに、指定されたタスクを実行するプログラム・コードを表す。プログラム・コードは、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メモリー・デバイスに格納することができる。以上で説明した技法の特徴は、プラットフォームに依存しないことであり、これらの技法が、種々のプロセッサーを有する種々の商用コンピューティングプラットフォームにおいて実現できることを意味する。
結論
[0044] 以上、構造的特徴および/または方法論的動作に特定的な文言で本発明について説明したが、添付した特許請求の範囲において定められている発明は、説明した特定の特徴や動作には必ずしも限定されないことは言うまでもない。むしろ、これら特定の特徴や動作は、特許請求する発明を実現する形態例として開示したに過ぎない。